JP2017115472A - 積層ブロック、及びこれを用いた軽量盛土構造とその構築方法 - Google Patents

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Satoyoshi Amatsuji
吏慶 天辻
貴介 亀田
Takasuke Kameda
貴介 亀田
正行 若林
Masayuki Wakabayashi
正行 若林
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Kenji Matsue
賢治 松江
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Yoshiharu Kimura
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Abstract

【課題】軽量盛土構造に用いられる積層ブロックであって、複数枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロックにおいて、構築過程で長時間放置されても反りの発生を低減する。【解決手段】少なくとも2枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロック10において、一面のポリスチレン系押出発泡板21の厚さを、他のポリスチレン系押出発泡板22よりも小さくし、上記一面を上方に向けて積層ブロック10を敷設することにより、長期間放置されて表面温度が上昇した場合であっても、上面のポリスチレン系押出発泡板21の収縮量を低減すると同時に、下方のポリスチレン系押出発泡板21に及ぼす応力を低減し、積層ブロック10に発生する反りを低減する。【選択図】図2

Description

本発明は、複数枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロック、及び該積層ブロックを用いてなる軽量盛土構造とその構築方法に関する。
軟弱地盤や傾斜地の上に道路や建築物を構築する方法として、合成樹脂発泡板又はブロックを盛土材として積層した軽量盛土構造が知られている。係る軽量盛土構造は、合成樹脂発泡板又はブロックを水平方向及び垂直方向に複数個積層した敷設体の上に、載荷重の分散やブロックの保護、不陸調整のためにコンクリート床版が載置或いは打設され、さらに該コンクリート床版の上に、用途に応じた部材が積層される(特許文献1参照)。
上記軽量盛土構造に用いられる合成樹脂発泡板又はブロックとしては、ポリスチレン系押出発泡板や型内成形によるポリスチレン系発泡ブロックが広く用いられている。一方、軽量盛土構造を構築する際に、合成樹脂発泡板又はブロックは、ある程度の高さを有している方が、作業効率が良い。型内成形による発泡ブロックは高さの高いブロックを成形することが可能ではあるものの、ブロックの寸法に合わせた金型が必要になり、寸法変更に係るコストが高い。一方、ポリスチレン系押出発泡板は押出成形しうる厚さに限界があるものの、連続して押出成形されたものを切断して得られるため、所望の長さの発泡板を得ることができ、また、複数枚積層し、接着剤で一体化することで、容易に高さを調整することができる(特許文献2参照)。そのため、上記盛土材としてのブロックとしては、同じ厚さの押出発泡板を複数枚積層し、接着剤で一体化した積層ブロックが広く用いられている。
特開2012−233310号公報 実用新案登録第2526782号公報
複数枚のポリスチレン系押出発泡板を積層した積層ブロックを用いて軽量盛土構造を構築する過程において、所定位置に積層ブロックを敷設した敷設体を次の工程まで放置した際に、該積層ブロックに反りが発生する場合があった。積層ブロックに反りが生じた場合、積層ブロック自体が不安定になって、積層ブロック上での作業性が悪くなったり、垂直方向に積層された積層ブロック間で空間が生じて載荷時に軽量盛土の変位量が大きくなったりするなどの問題があった。
本発明の課題は、軽量盛土の構築過程で長時間放置されても反りの小さい積層ブロック、及び該積層ブロックを用いた軽量盛土構造とその構築方法を提供することにある。
本発明の第1は、2枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロックであって、
前記2枚のポリスチレン系押出発泡板が、互いに厚さの異なる薄板発泡板と厚板発泡板であることを特徴とする。
本発明の第2は、少なくとも3枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロックであって、
一方の面の前記ポリスチレン系押出発泡板が、他の前記ポリスチレン系押出発泡板よりも厚さが薄い薄板発泡板であり、前記他のポリスチレン系押出発泡板が前記薄板発泡板より厚さが厚い厚板発泡板であることを特徴とする。
本発明の第3は、少なくとも3枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロックであって、
両面の前記ポリスチレン系発泡板が、中間層の前記ポリスチレン系押出発泡板よりも厚さが薄い薄板発泡板であり、前記中間層のポリスチレン系押出発泡板が前記薄板発泡板よりも厚さが厚い厚板発泡板であることを特徴とする。
本発明の第3の積層ブロックにおいては、
前記薄板発泡板の厚さが、前記厚板発泡板の厚さの1/5〜1/2であること、
前記薄板発泡板の厚さが25mm〜75mmであり、前記厚板発泡板の厚さが75mm〜150mmであること、
を好ましい態様として含む。
本発明の第4は、ポリスチレン系押出発泡体からなるブロックを複数個備えた敷設体を備えた軽量盛土構造であって、少なくとも前記敷設体の最上段の前記ブロックが、上記本発明の第1乃至第3のいずれかの積層ブロックであり、前記薄板発泡板が上方に位置することを特徴とする。
本発明の第5は、ポリスチレン系押出発泡体からなるブロックを複数個備えた敷設体と、コンクリート床版とを備えた軽量盛土構造であって、少なくとも前記コンクリート床版の直下に配置された前記ブロックが、上記本発明の第1乃至第3のいずれかの積層ブロックであり、前記薄板発泡板が上方に位置することを特徴とする。
本発明の第4又は第5の軽量盛土構造においては、前記ブロックが全て上記本発明の第1乃至第3のいずれかの積層ブロックであり、全ての前記積層ブロックにおいて、前記薄板発泡板が上方に位置することを好ましい態様として含む。
本発明の第6は、上記本発明の第4又は第5の軽量盛土構造の構築方法であって、上記本発明の第1乃至第3のいずれかの積層ブロックを、前記薄板発泡板を上方に向けて敷設することを特徴とする。
本発明によれば、積層ブロックの少なくとも一方の面に厚さの薄いポリスチレン系押出発泡板を配置しているため、該一方の面を上方に向けて敷設しておけば、該積層ブロックを長期間放置しても、該一方の面のポリスチレン系押出発泡板の収縮量が小さく、且つ、下層のポリスチレン系押出発泡板に影響を及ぼす曲げ応力も小さいことから、積層ブロックに発生する反りが従来よりも大幅に小さくなる。
よって、本発明においては、構築過程で積層ブロックの表面を露出させたまま長期間放置した場合であっても、積層ブロックの反りによる作業性の低下や軽量盛土の変位量の変動等の問題が低減され、作業性良く、所望の軽量盛土構造が得られる。
本発明の軽量盛土構造の一例を模式的に示す断面図である。 本発明の第1及び第2の積層ブロックの構成を模式的に示す斜視図である。 ポリスチレン系押出発泡板の厚さの違いによるTgの経時変化の違いを示す図である。 本発明の第3の積層ブロックの構成を模式的に示す斜視図である。 本発明の実施例の積層ブロックの構成を示す側面図である。 本発明の実施例における積層ブロックの平面配置を示す図である。 本発明の実施例において、放置後の積層ブロックに発生した反りの位置を模式的に示す平面図である。 本発明の実施例において、放置後の積層ブロックの各層の収縮量の測定位置を示す図であり、(a)は最上層と最下層の測定位置を示す平面図、(b)は中間層の測定位置を示す側面図である。
以下、図面に基づいて本発明を更に説明する。尚、以下に参照する図面において、同じ符号は同様の構成要素を示す。
本発明の積層ブロックは、軽量盛土構造を構成するための盛土材であり、互いに厚さの異なる薄板発泡板と厚板発泡板とを用いたことに特徴を有する。また、本発明の軽量盛土構造及びその構築方法は、係る積層ブロックを盛土材として少なくとも一部に用い、上記薄板発泡板を上方に配置したことに特徴を有している。
図1は、本発明の軽量盛土構造の一例を模式的に示す断面図であり、傾斜地において道路を拡幅するために用いた例である。
図1に示すように、支持地盤2にポリスチレン系発泡体からなるブロック1を水平方向及び垂直方向に複数個積み上げてブロック1からなる敷設体を構成し、必要に応じて該敷設体上に不陸を調整するために上部コンクリート床版3を打設し、該上部コンクリート床版3の上に路床(砂層)、下層路盤(切込砕石)、上層路盤(粒調整砕石層)、表層(アスファルト層)といった舗装材4を積層して道路舗装体とする。尚、上記敷設体において、ブロック1は水平方向にのみ配列し、垂直方向は一段とした形態であっても、また、垂直方向にのみ一列に積層した形態であっても良い。また、必要に応じて、ブロック1の所定の段数毎に中間コンクリート床版5を介在させても良い。本発明においては、少なくともブロック1からなる敷設体の最上段或いはコンクリート床版3,5の直下のブロック1として、下記に述べる本発明の積層ブロック10,11,12を用いることを特徴とする。
図2(a)に、本発明の第1の積層ブロックを示す。第1の積層ブロック10は、2枚のポリスチレン系押出発泡板(以下、「発泡板」と記す)21,22からなり、一方の面の発泡板21の厚さが、他方の発泡板22の厚さよりも薄いことを特徴とする。また、図2(b)に、本発明の第2の積層ブロックを示す。第2の積層ブロック11は、少なくとも3枚の発泡板からなり、一方の面の発泡板21の厚さが、他の発泡板22の厚さよりも薄いことを特徴とする。図2(b)においては、厚さの薄い発泡板21を1枚と、発泡板21よりも厚さが厚い発泡板22を4枚用いてなる。以下、図2(a)、(b)における一方の面の厚さの薄い発泡板21を「薄板発泡板」、発泡板21よりも厚さの厚い他方の面の発泡板22及び他の発泡板22を「厚板発泡板」と記す。
本発明の積層ブロック10,11を軽量盛土構造に用いる際には、薄板発泡板21が積層ブロック10,11内において上方に位置するように用いる。このように、薄板発泡板21を上方に向けて敷設することで、積層ブロック10,11を長期間放置した場合であっても、該積層ブロック10,11に生じる反りが大幅に低減される。その理由を以下に説明する。
ポリスチレン系押出発泡板は、押出成形時に押出方向に若干延伸されるため、成形後の発泡板内には収縮しようとする応力が残存している。そのため、発泡板の温度が上昇すると応力緩和により発泡板が収縮することがある。軽量盛土構造の構築時に、ブロック1として複数枚の発泡板を一体化した積層ブロックを用い、長期間放置した場合、最上段の積層ブロックは、日光の照射によって温度が上昇する。特に、春から夏にかけて日照時間が長い期間は、最上段の積層ブロックの発泡板の温度が高温になり、収縮を生じることがある。この時、発泡板の温度上昇は積層ブロックの上方ほど高く、積層ブロック内に温度勾配が生じるため、上下方向で発泡板の収縮量に差が生じ、その結果、積層ブロックに反りが生じることがある。
複数枚の発泡板を一体化した積層ブロックにおいて、上下方向で発泡板の収縮量に差が生じた場合、収縮量の大きい上面の発泡板が下方の発泡板に影響を及ぼす曲げ応力の程度は、上面の発泡板の曲げ剛性が指標となる。発泡板の曲げ剛性は、発泡板の厚さの三乗に比例するため、上面の発泡板の厚さが薄いほど、下方の発泡板に影響を及ぼす曲げ応力は小さくなる。よって、図2(a)のように、一方の面に薄板発泡板21を備え、該薄板発泡板21を上方に向けて敷設した積層ブロック10を放置した場合、厚板発泡板22を2枚積層した積層ブロックに比べて、上面の発泡板の収縮量が同じであっても、上方の発泡板が下方の発泡板に影響を及ぼす曲げ応力は小さくなり、積層ブロック10に発生する反りが小さくなる。
また、ポリスチレン系押出発泡板は、成形時に添加された発泡剤が成形後も内部に残存しており、経時的に外部に放出されるが、係る発泡剤の残存量が多いほど発泡剤の可塑化の影響によるTg(ガラス転移点)の低下が大きく、残存する発泡剤は発泡板の厚さが薄いほど放出され易いと考えられる。図3に示すように、全く同じ組成で厚さが50mmと100mmの二種類のポリスチレン系押出発泡板を成形し、成形直後からの経時的なTgの変化をシミュレーションした結果、厚さが50mmの発泡板の方が厚さが100mmの発泡板よりも早く可塑剤が放出されるため、早期にTgが上昇することが確認された。従って、一般的には薄板発泡板21のTgが厚板発泡板22のTgよりも高くなる。即ち、同じ環境下に放置された場合、薄板発泡板21の方が厚板発泡板22よりも収縮しにくく、収縮量は小さくなると考えられる。よって、図2(a)のように、一方の面に薄板発泡板21を備え、該薄板発泡板21を上方に向けて敷設した積層ブロック10を放置した場合、上面の発泡板の収縮量が、2枚の厚板発泡板22が積層された積層ブロックを放置した場合よりも小さくなり、下方の発泡板の収縮量との差が小さくなる。即ち、上面の発泡板が下方の発泡板に影響を及ぼす曲げ応力が小さくなり、積層ブロック10に発生する反りが小さくなると考えられる。
上記のように、薄板発泡板21を上面に備えた積層ブロック10は、上面に厚板発泡板22を備えた積層ブロックに比べて、薄板発泡板21が収縮時に下方の発泡板に影響を及ぼす曲げ応力が厚板発泡板22よりも小さいこと、及び、同じ温度では薄板発泡板21の収縮量が厚板発泡板22よりも小さく、下方の厚板発泡板22との収縮量の差も小さくなること、の相乗効果で、反りが大幅に低減される。係る作用は、図2(b)においても同様である。
さらに、本発明においては、図4に示すように、両面に、中間層の厚板発泡板22よりも厚さの薄い薄板発泡板21,21を配置した第3の積層ブロック12とすることで、軽量盛土構造を構築する際に、両面の薄板発泡板21,21のいずれを上方に向けて敷設しても本発明の効果が得られるため、図2の積層ブロック10,11を用いる場合よりも作業が容易になる。
本発明の積層ブロック10,11,12において、薄板発泡板21及び厚板発泡板22のそれぞれの厚さは、本発明の効果が得られる範囲で設定される。通常、積層ブロックを構成する発泡板の厚さとしては、積層作業の効率を考慮して、所望の特性が得られる範囲で厚く成形される。よって、厚板発泡板22の厚さは、75mm〜150mmが好ましく、これに対して薄板発泡板21は20mm〜75mmが好ましく、より好ましくは25mm〜50mmである。また、厚板発泡板22の厚さに対して、薄板発泡板21の厚さは1/5〜1/2となることが好ましく、より好ましくは1/4〜1/2である。積層ブロック10,11,12において薄板発泡板21が薄すぎると、長期間放置された際に、薄板発泡板21の直下の厚板発泡板22の収縮量が大きくなり、さらにその下の厚板発泡板22との収縮量の差が大きくなり、積層ブロック10,11,12に発生する反りが大きくなってしまう。また、薄板発泡板21が厚くなり、厚板発泡板22の厚さに近づくと、積層ブロック10,11,12に生じる反りの低減効果が小さくなってしまう。具体的には、100mm厚の厚板発泡板22と50mm厚又は25mm厚の薄板発泡板21の組合せが好ましく用いられる。
尚、積層作業の効率を考慮して、図2(b)の積層ブロック11及び図4の積層ブロック12における複数枚の厚板発泡板22の厚さは互いに同じ厚さとすることが好ましく、図4の積層ブロック12における2枚の薄板発泡板21も互いに同じ厚さとすることが好ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。
薄板発泡板21は、厚板発泡板22とは別に成形しても、厚板発泡板22から所定の厚さに切り出しても、いずれでもかまわない。
また、図2(b)の積層ブロック11の厚板発泡板22の枚数、及び図4の積層ブロック12における厚板発泡板22の枚数は、必要とされる積層ブロック11,12の高さに応じて適宜選択される。
本発明の軽量盛土構造において、本発明の積層ブロック10,11,12を敷設する位置は、長期間放置される可能性の高い箇所である。よって、図1に例示したようなコンクリート床版3,5を備えた軽量盛土構造においては、少なくとも、コンクリート床版3,5の直下である。コンクリート床版3,5を配置する際には、所定の領域にブロック1を全て敷設して敷設体を構成しておくため、初期に敷設したブロック1が長期間放置されて、反りが出やすいからである。また、コンクリート床版3,5を用いない場合はブロック1からなる敷設体の最上段である。上部コンクリート床版3,5を用いない場合であっても、敷設体の最上段のブロック1上に所定の部材を配置する前に、所定の領域にブロック1を敷設して敷設体を構成しておくため、初期に敷設したブロック1が長期間放置され易いからである。また、コンクリート床版3,5の直下や敷設体の最上段以外のブロック1としては、本発明の積層ブロック10,11,12以外の発泡ブロック、例えば複数枚の厚板発泡板22のみで構成された積層ブロックや型内成形した発泡ブロックを用いても良いが、好ましくは、全てのブロック1を本発明の積層ブロック10,11,12としておくことで、ブロック1の敷設工程の途中であっても、反りの発生を抑えて長期間放置することができる。尚、軽量盛土構造に用いる際には、本発明の積層ブロック10,11,12のいずれか一つを用いても、二以上を併用しても、いずれでもかまわない。
平面寸法が1000mm×2000mmで厚さが50mmの薄板発泡板21と厚さが100mmの厚板発泡板22とを用いて図5に示す三層構造の積層ブロックC1〜C3を作製し、発泡板の積層方向が垂直方向となる向きで、平面配置が図6に示すように水平方向に並べて敷設して、8月中旬から1ヶ月間放置し、発生した反りを測定した。反りは、図7に示す斜線の領域に発生し、測定は、図中の矢印で示される位置において、反りの発生した端辺の端部において、該端辺が直交する隣接する積層ブロックの端辺との高さの差を測定した。例えば、C−1Aの反りは、C−1F及びC−2Cの端辺との差を測定した。また、斜線で示されていない領域には反りは実質的に発生していないか、ほぼ無視できる程度であった。
図7に示すように、反りは薄板発泡板21が最下層に位置するC−1と、中間層に位置するC−3に発生し、薄板発泡板21が最上層に位置するC−2にはほとんど発生していなかった。尚、薄板発泡板21及び厚板発泡板22のいずれも、長尺方向(2000mm)が押出方向であるため、長尺方向における収縮量が大きく、長尺方向の両端に反りが生じやすかった。
また、図7のC−1A,C−1B,C−2A,C−2B,C−3A,C−3Bの各積層ブロックについて、各層の発泡板の収縮量を測定した。測定は、最上層の発泡板については上面において、最下層の発泡板については下面において、図8(a)に示すように、長尺方向(作製時2000mm)及び短尺方向(作製時1000mm)のそれぞれについて、端辺から100mmの位置の長さを端部の長さとして、長尺方向についてはさらに短尺方向における中央の位置の長さを中央の長さとして、それぞれ測定し、作製時の長さとの差を収縮量として算出した。測定箇所は図中の破線の矢印で示される位置である。また、中間層の発泡板については、図8(b)に示すように、積層ブロックの側面における中間層の長尺方向の中央部において厚さ方向の中央を通る直線の長さを端部の長さとして測定し、作製時の長さとの差を収縮量として算出した。各層の収縮量を表1に示す。表1中の長尺方向の平均の欄の( )内は最上層との収縮量の差である。
Figure 2017115472
表1から明らかなように、最上層に薄板発泡板21を備えた本発明の積層ブロックC−2は、該最上層の長尺方向の収縮量、及び最上層と中間層との収縮量の差がC−1やC−3よりも小さい。よって、薄板発泡板21の厚さが厚板発泡板22の厚さの半分で、薄板発泡板21の曲げ剛性が厚板発泡板22の1/8になることも含めて、図7に示すように、積層ブロックC−1での反りの発生が、C−2,C−3に比較して大幅に低減されたものと理解される。
1:ブロック、10,11,12:積層ブロック、21:薄板発泡板、22:厚板発泡板、:支持地盤、3:上部コンクリート床版、4:舗装材、5:中間コンクリート床版

Claims (9)

  1. 2枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロックであって、
    前記2枚のポリスチレン系押出発泡板が、互いに厚さの異なる薄板発泡板と厚板発泡板であることを特徴とする積層ブロック。
  2. 少なくとも3枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロックであって、
    一方の面の前記ポリスチレン系押出発泡板が、他の前記ポリスチレン系押出発泡板よりも厚さが薄い薄板発泡板であり、前記他のポリスチレン系押出発泡板が前記薄板発泡板より厚さが厚い厚板発泡板であることを特徴とする積層ブロック。
  3. 少なくとも3枚のポリスチレン系押出発泡板からなる積層ブロックであって、
    両面の前記ポリスチレン系押出発泡板が、中間層の前記ポリスチレン系押出発泡板よりも厚さが薄い薄板発泡板であり、前記中間層のポリスチレン系押出発泡板が前記薄板発泡板よりも厚さが厚い厚板発泡板であることを特徴とする積層ブロック。
  4. 前記薄板発泡板の厚さが、前記厚板発泡板の厚さの1/5〜1/2であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の積層ブロック。
  5. 前記薄板発泡板の厚さが20mm〜75mmであり、前記厚板発泡板の厚さが75mm〜150mmであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の積層ブロック。
  6. ポリスチレン系発泡体からなるブロックを複数個備えた敷設体を備えた軽量盛土構造であって、
    少なくとも前記敷設体の最上段の前記ブロックが、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層ブロックであり、前記薄板発泡板が上方に位置することを特徴とする軽量盛土構造。
  7. ポリスチレン系発泡体からなるブロックを複数個備えた敷設体と、コンクリート床版とを備えた軽量盛土構造であって、
    少なくとも前記コンクリート床版の直下に配置された前記ブロックが、請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層ブロックであり、前記薄板発泡板が上方に位置することを特徴とする軽量盛土構造。
  8. 前記ブロックが全て請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層ブロックであり、
    全ての前記積層ブロックにおいて、前記薄板発泡板が上方に位置することを特徴とする請求項6又は7に記載の軽量盛土構造。
  9. 請求項6〜8のいずれか一項に記載の軽量盛土構造の構築方法であって、
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の積層ブロックを、前記薄板発泡板を上方に向けて敷設することを特徴とする軽量盛土構造の構築方法。
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