JP5127624B2 - スライド装置およびそれを用いた処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、例えば電子線描画装置といった半導体素子や液晶等の製造装置および検査装置に用いられ、高精度な走行性能および高精度な位置決めを可能とするスライド装置およびそれを用いた処理システムに関する。
半導体素子(集積回路)等の製造または検査する装置には種々のステージ装置が用いられている。また、半導体素子が露光,描画されるウエハの大型化にともなって、ウエハを搭載するステージ装置も大型化し、かつ移動距離も長くなり、さらにはステージ装置が大型化,重量化している。
かかるステージ装置では、さらなる生産性向上を目的に、高速,高加速化、および高精度化が要求されている。これらの要求を満たすため、圧縮空気を用いた流体静圧軸受による非接触案内を行うスライド装置が提案されている。
また近年では、電子線描画装置やSEM用といったチャンバ内での動作が要求される半導体素子の製造装置および検査装置にも、圧縮流体を回収しチャンバ外へ排出する差動排気機構を有するスライド装置が用いられている。
図6に従来の真空用のチャンバ501内に配置されたスライド装置500の斜視図を示す。同図に示すように、四角柱状の案内支持体502はチャンバ501上に配置され、案内支持体502の外周の一部が可動体102により囲繞されている(特許文献1を参照)。
スライド装置500において、案内支持体502と可動体102間の隙間104に加圧した圧縮空気を可動体102から送り込むことにより、可動体102は案内支持体502より浮上して非接触で案内支持体502に対して相対移動させる。このため、案内支持体502の材質には、比剛性が高く変形しにくいセラミックス、なかでも長尺や大型品を製作することができるアルミナが用いられている。
案内支持体502と可動体102との間に送り込まれた圧縮空気は、可動体102に設けられた可動体排気溝(不図示)と、案内支持体502の可動体排気溝に通気可能な位置に形成された排気孔503a、503b、503cと、各々の排気孔503a、503b、503cに接続された不図示の真空ポンプによって、チャンバ501の外へと排気される。
しかし、図6においてチャンバ501の外へ排気されなかった空気は、案内支持体502と可動体102間の隙間104を通過して、チャンバ501内へ流出して、チャンバ501の真空度を悪化させるため、案内支持体502と可動体102間の隙間104は、可動体102が移動可能な範囲で極小であることが望ましい。また、案内支持体502における可動体102の移動方向の稜部502aは面取り部より圧縮空気が流出するため、面取りをしない状態(シャープエッジ)でなければならない。
特開2005−273882号公報
しかし、図6において、案内支持体502の材質として一般に用いられるアルミナセラミックスを使用した場合、この材質は破壊靭性が低いため、外辺加工する際に角部である稜部502aに無数の微小なカケが発生しやすい。また、組立作業の際に、作業工具を稜部502aに接触した際に、その衝撃により稜部502aにカケが発生することがある。
このように、稜部502aにカケが発生すると、カケが生じた部分より可動体102の内部の圧縮空気がチャンバ501にリークして、チャンバ501の真空度が悪化する。
また、案内支持体502は、材質にアルミナセラミックスを用いても、自重および可動体102および可動体102に載置される不図示の搭載物の加重により撓む。そして、撓んだ案内支持体502に沿って可動体102は移動するため、可動体102の直進移動する際の幾何学的直線からの狂いの大きさ(真直度、例えばJIS B 0182の「真直度」の定義を参照)および可動体102の移動面に平行で、かつ、移動方向に直角な方向への揺動(角度変化(可動体102が案内支持体502の案内面に対して平行でない方向に移動すること)、あるいはピッチング(可動体102と案内支持体502の間隔が変動しながら可動体102が移動すること))を増加させる。
また、案内支持体502の材質をアルミナセラミックスよりも比剛性の高いセラミックスに変更しても、通常はヤング率自体がアルミナセラミックスよりも低いため、不図示の搭載物の荷重によりアルミナセラミックスよりも撓む。
また、比剛性がアルミナセラミックスよりも高くかつヤング率がアルミナセラミックスよりも高い材質として、炭化珪素を主成分とした炭化珪素セラミックスがある。案内支持体502の材質を炭化珪素セラミックスにした場合、アルミナセラミックスでは例えば鋳込み成形にて鋳込み型で排気孔503a、503b、503cを形成する方法がある。炭化珪素セラミックスでは、高純度の鋳込み成形ができないため、排気孔503a、503b、503cを形成するには研削加工する必要がある。ところが、炭化珪素セラミックスはアルミナセラミックスよりも硬度が高く研削加工性が悪い。また、研削工具が必要寸法まで届かなくなるか、加工時に研削工具が振動して振動の振幅が大きくなると、研削工具が振れてセラミックスが割れてしまうことがある。このため、排気孔503a、503b、503cの形成が困難である。
また、案内支持体502が撓まない状態よりも隙間の上側はせまくなるが、隙間の下側は広くなり、チャンバ501へ流出する圧縮空気の量は、上側隙間と下側隙間が同量である場合よりも多くなる。
さらに、案内支持体502が加重により撓む量が大きい場合、可動体102に圧縮空気を供給して案内支持体502から浮上する浮上量が小さくなる。また、可動体102の移動時に可動体102と案内支持体502が接触したり、可動体102が浮上できず移動不可能になる。なお、この問題を避けるためには、撓む前の隙間を大きくする必要があるが、隙間を大きくするとチャンバ501へリークする圧縮気体の量が多くなり、チャンバ501の真空度が悪化する。
そこで本発明は、これら諸問題に鑑み、案内支持体の撓みを抑制して可動体の走行性能を向上させることができ、真空中においてもリークを抑制でき、さらに非接触で駆動可能で、しかも高精度で信頼性に優れたスライド装置およびそれを用いた処理システムを提供することを目的とする。
発明のスライド装置は、1)本体の外周に長手方向に沿った稜部を有する案内支持体と、流体を入出させる流路を有し前記案内支持体の外周の一部を覆った状態で、前記案内支持体上で長手方向に往復移動する可動体とを備え、可動体の流路から前記案内支持体の外周へ圧縮流体を排出させることにより前記可動体を往復移動可能にしたスライド装置であって、前記本体は、長手方向に角を切り欠いてなる、凹んだ角部を有する切り欠き部と、前記角部に沿って設けられた溝とを有し、前記稜部は、一部を前記溝に合わせて前記切り欠き部に配置されており、記稜部を構成する材料の破壊靭性は前記本体の表面を構成する料の破壊靭性よりもいことを特徴とする。
た、本発明のスライド装置は、2)本体の外周に長手方向に沿った稜部を有する案内支持体と、流体を入出させる流路を有し前記案内支持体の外周の一部を覆った状態で、前記案内支持体上で長手方向に往復移動する可動体とを備え、該可動体の流路から前記案内支持体の外周へ圧縮流体を排出させることにより前記可動体を往復移動可能にしたスライド装置であって、前記本体は、長手方向に角を切り欠いてなる、凹んだ角部を有する切り欠き部を有し、前記稜部は、前記切り欠き部に配置されており、前記本体と前記稜部との間には、前記長手方向に前記稜部と前記本体とが対向する開空間が形成されており、前記稜部を構成する材料の破壊靭性は、前記本体の表面を構成する材料の破壊靭性よりも高いことを特徴とする。
た、3)上記1)または2)のスライド装置において、前記稜部は、前記本体に接着材を介して接合されていることを特徴とする。
また、4)上記1)〜3)のいずれかのスライド装置において、前記案内支持体の本体の表面は、主にアルミナを主成分とするセラミックスで構成されていることを特徴とする。
た、)上記1)〜)のいずれかのスライド装置において、前記案内支持体は、直
方体状をなしていることを特徴とする。
た、本発明の処理システムは、6)上記1)〜5)のいずれかのスライド装置をチャンバ内に配置してなり、前記圧縮流体を前記チャンバの外へ排出させるように構成したことを特徴とする。
上記1)のスライド装置によれば、前記案内支持体の綾部を、該稜部を囲み支持する本体の表面の材質より破壊靭性の高い材質で構成したことにより、案内支持体の撓みを抑制して可動体の走行性能を向上させることができる。さらに、真空中においてもリークが抑制された非接触で駆動可能なスライダ装置を実現できる。
また、上記)のスライド装置によれば、前記案内支持体の本体の表面を主にアルミナを主成分とするセラミックスで構成したことにより、案内支持体の案内面を高精度に加工できると共に、容易に排気孔を形成でき、かつ鉄鋼等の金属材料からなるものより軽量化でき、さらにこのスライダ装置を使用した例えば半導体露光装置や検査装置のスループット(同じ時間内に露光処理するウエハ枚数)を向上させることができる。
た上記)のスライド装置によれば、前記案内支持体が直方体状であることにより、案内支持体の剛性が向上して案内支持体の自重および可動体等の荷重が案内支持体に付加されても、案内支持体が撓みにくくなるため、可動体の走行性能を向上させることが可能となる。さらに、真空中においても案内支持体と可動体のクリアランスを縮小させることができるため、真空用のチャンバ内にこれを配置しても、リークが抑制されたスライダ装置を実現でき、チャンバ内を高真空に保持することができる。
た上記)のスライド装置によれば、前記案内支持体の稜部を本体に接着材を介して接合したことにより、本体と稜部を同時加工しても、稜部が加工抵抗により変形したり稜
部のみ反ったりすることがなく、かつほぼ同一な平面を形成することができるため、可能体の走行性能を向上させることができる。
た、真空中においては接着材が案内支持体と稜部間の隙間を埋めるため、可動体から流出する圧縮流体が前記隙間を介してリークすることがないため、真空用のチャンバ内にこれを配置しても、チャンバの真空度を悪化させることがなく、チャンバ内を高真空に保持することができる。
らに、上記)のスライド装置によれば、前記往復運動する方向に、前記稜部と前記本体が対向する開空間を形成したことにより、例えば、このスライド装置をチャンバ内に配置して、大気から真空引きを実施した時に前記開空間にある気体分子が素早く排出されるため、真空引きの時間を短縮できスループットを向上させることが可能となる。また、本体と稜部を接着材で接着した構造のスライド装置においては、接着面およびその近傍に残留している微細な気泡が、減圧によって体積膨張することを抑制されたまま、この開空間へすぐに排出されるため、真空引きの際に残留気泡の体積膨張による変形および暴発を防ぐことができる。
た、本発明の処理システムによれば、可動体の走行性能に優れ、非接触で駆動可能な高精度のスライド装置を用いることにより、処理能力や信頼性に優れた処理システムを提供できる。
以下、本発明を実施するための最良の形態(以下、本実施形態)について模式的に示した図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1は、スライド装置100の一実施形態を示す図であり、真空用のチャンバ101内にスライド装置100を配置した様子を示した斜視図である。なお、チャンバ101は内部を示すために、その一部を破断した状態を図示しており、またスライド装置も後記する圧縮流体を供給・排気するための配管等の構造を省略した外形を示す。また、図2は図1におけるA−A線断面である。
ライド装置100は、外周に稜部を有する案内支持体109と、内側に流体を入出させる流路を有し案内支持体109の外周の一部を覆った状態で案内支持体109上で往復移動する可動体102とを備えている。また、可動体102の流路から案内支持体109の外周へ圧縮流体を排出することにより、可動体102を往復移動可能にしている。さらに、案内支持体109を構成する稜部107を、稜部107を支持する本体103の表面
の材より破壊靭性の高い材で構成している。
に、案内支持体109の本体103の表面を主にアルミナを主成分とするセラミックスで構成する。また、案内支持体109の全体形状が直方体状をなしているとよい。また、案内支持体109の稜部107を本体103に接着材を介して接合してなる。さらに、可動体102の往復運動する方向に、稜部107と本体103が対向する開空間が形成されているとよい。
以下、本実施形態のスライド装置について、さらに具体的に説明する。図1に示すように、案内支持体109を構成する本体103は、チャンバ101内に載置され、本体103の外周の一部を可動体102で囲繞されている。可動体102は、本体103と可動体102間に、圧縮流体として例えば圧縮気体(空気や窒素等の気体)を供給することにより、本体103より浮上して非接触で本体103に対して相対移動させることができる。
図2に示すように、可動体102には、浮上用に供給された圧縮気体を回収するための排気溝105a,105b,105cが形成されている。なお、両側の各排気溝105a,105b,105cは可動体102の内部で各々繋がっている。可動体102に供給された圧縮気体は、案内支持体109の可動体排気溝105a,105b,105cに通気可能な位置に形成された排気孔106a,106b,106cと各々の排気孔106a,106b,106cに接続された不図示の真空ポンプによってチャンバ101の外へと排気される。
また、本体103は可動体102の移動方向と同方向に四つの角を切り欠いており、この切り欠き部には稜部107が当接している。本体103と稜部107は、エポキシ系樹脂の接着剤、シリコン系樹脂の接着剤、またはこれら樹脂以外の接着部材などの接着材により接合される。これら接着材は取り扱いが容易であり、接着強度が高く、接着後に本体103と稜部107を同時加工したときの研削抵抗が付加されても、本体103と稜部107がはずれることがないため好適である。特にチャンバの到達真空度を悪化させない点でガス放出量が少ないエポキシ系樹脂の接着剤が望ましい。また、緻密な接着層を得られることから珪酸塩類等のガラスを主成分とする無機接着剤を用いてもよい。
本体103の可動体102に対向する案内面は、本体103と稜部107の接着後、同時加工されるためほぼ同一面となるが、材質により加工レートが異なるため、本体103と稜部107で段差が生じることがある。この段差は±1μm以下(ここで、「+」は本体103の面よりも稜部107の面が高い場合を意味し、「−」は本体103の面よりも稜部107の面が低い場合を意味する)に抑制することが望ましい。
なぜなら、真空中において、稜部107と可動体102間の隙間が拡大することがなく、チャンバ101へのリークが増大することが抑制されるからである。また、可動体102と稜部107間の隙間104が減少することがなく、可動体102と稜部107が接触することが抑制されるからである。
さらに、本体103の切り欠き部の直角度と稜部の取付面の直角度との差異から、本体103と稜部107間の境界部には、厳密には隙間が存在する。この隙間に十分接着材が塗布されていれば、この隙間を通じて、可動体102からチャンバ101へリークする量は、隙間104の面積と比較して十分に小さいため、リークの影響は小さいが、この隙間を接着材で埋めるとよい。ただし、接着材が静圧面に付着しないようにし、可動体102の走行性能に影響を及ぼさないようにする。
稜部107の可動体移動方向の4辺のうち、本体103に対向する1辺には、他の辺よりも大きな面取り部もしくは加工により形成された溝が形成されており、本体103に接合されたときに、本体103と稜部107にて開空間108が可動体102の往復移動方向に形成される。さらに、本体103と接合された稜部107の可動体102に対向する辺は面取りを実施せず、シャープエッジとする。
本体103の材質は、アルミナを主成分としたアルミナセラミックスとするのがよい。(主成分とは70質量%以上をいうものとし、より好適には99質量%以上とする。以下、他の材質の「主成分」も同様とする。)なぜなら、排気孔106a、106b、106cが形成しやすいこと、高精度加工が可能なこと、比重が3.8と低いこと等の利点が有しているからである。なお、アルミナセラミックス(アルミナが99.7質量%の場合)のヤング率は380GPa、破壊靭性は4である。
稜部107の材質は、比重が3.2とアルミナセラミックスよりも低い窒化珪素を主成分とした窒化珪素セラミックス、もしくは比重は6とアルミナセラミックスよりも高く、ヤング率は200GPaとアルミナセラミックスよりも低いが、破壊靭性は7とアルミナセラミックスよりも高いジルコニアを主成分とするジルコニアセラミックス、あるいは比重は14.8と高いが、ヤング率は600GPaとアルミナセラミックスより高く、破壊靭性も8とアルミナセラミックスよりも高いタングステン・カーバイトを主成分とする超硬が望ましい。
次に、スライド装置の他の実施形態を説明する。図7に示すように、本体103の凹んだ角部に沿って溝111を設けたものとしてもよい。他の構成については上記実施形態と同一とする。このような構成にすることにより、稜部107の取付面の精度が良好となり、案内支持体109の加工性が向上する。また、稜部107を精度良く配置することができ、稜部107と本体103との段差を小さくすることができ、ひいてはチャンバ内の真空度を向上させることができる。
また、図8に示すように、板状体112を本体103の上下面に設けてもよい。さらに、板状体112と本体103との間に例えば2つの細幅溝113の間に1つの長幅溝114を設けるようにする。これにより、本体103の剛性が向上する。また、本体103の撓みが低減し、可動体102が移動する際の真直度が向上する。また、板状体112の幅方向(可動体102の移動方向に直角な方向)の端部と本体103との段差を小さくすることができ、チャンバ内の真空度を向上させることができる。
また、図9に示すように、図8の場合において、中央の長幅溝116を深く形成し、これに合わせて板状体115の中央帯を肉厚に形成するようにしてもよい。これにより、板状体115と本体103との剛性を向上させることができ、全体の撓みを低減させ、可動体102が移動する際の真直度が向上する。また、板状体115の位置決めが可能となり、案内支持体109の加工精度も向上する。
また、本実施形態の処理システムは、具体的には半導体素子や液晶等の製造装置や検査装置として好適に使用されるシステムであり、上述のスライド装置100をチャンバ101内に配置してなり、圧縮流体をチャンバ101の外へ排出するように構成したものである。
このような処理システムによれば、可動体の走行性能に優れ、非接触で駆動可能な高精度のスライド装置を用いることにより、処理能力や信頼性に優れた処理システムを提供できる。
以上、本実施形態のスライド装置およびそれを用いた処理システムについて述べたが、種々変更したものにも適用できる。例えば、案内支持体は必ずしも直方体状に限定されず、その外周部に稜部を有したものであればよく、また全体が湾曲していてもよい。さらに、圧縮流体として、気体以外に水や油等の液体でもよく、その場合はチャンバとして液体を排出する機構(例えば、配管やポンプなどの機構)を有するものを用いることとする。
次に、本発明をさらに具体化した実施例について図表を参照しつつ説明する。
案内支持体109を構成する本体103の材質をアルミナ99.0質量%以上のアルミナセラミックスとし、稜部107の材質を種々に変更して構成したスライド装置(試料No.1〜13)を用意して、チャンバ101内の到達真空度の測定をした結果について説明する。
まず、比較例として、本体に接合する別材質の稜部がなく、外形が四角柱状であり、そのサイズが40mm×40mmの本体103(アルミナ99.0質量%以上のアルミナセラミックス)を備え、図4における隙間104を10μmとしたスライド装置を用意した(試料No.1)。
また、稜部107を窒化珪素99.0質量%以上の窒化珪素セラミックスとし、本体103と稜部107との段差を−0.1μmとし(段差の符号「−」は本体103の面よりも稜部107の面が低い場合を意味する。以下、同様。)、ガス放出量が少ないエポキシ系樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂(含有率80〜100質量%)とジエチレントリアミン(硬化剤、含有率80〜100質量%)の混合物)を接着材として用いて稜部107を本体103に接合し、その際の接着材上部と案内面との距離を10μmとしたスライド装置を用意した(試料No.2)。図5(a)に本体103と稜部107の段差(任意の5箇所を平均)を示し、同図(b)に接着材110の上部(上部で最も低い位置の高さ(任意の5箇所を平均))と案内面(本体103の高さ(任意の5箇所を平均))との距離を示す。
また、稜部107を窒化珪素99.0質量%以上の窒化珪素セラミックスとし、本体103と稜部107との段差を−3μmとし、上記接着材で稜部107を本体103に接合し、その際の接着材上部と案内面との距離を20μmとしたスライド装置を用意した(試料No.3)。
また、稜部107をジルコニア99.0質量%以上のジルコニアセラミックスとし、本体103と稜部107との段差を−0.2μmとし、上記接着材で稜部107を本体103に接合し、その際の接着材上部と案内面との距離を10μmとしたスライド装置を用意した(試料No.4)。
また、稜部107をジルコニア99.0質量%以上のジルコニアセラミックスとし、本体103と稜部107との段差を−4μmとし、上記接着材で稜部107を本体103に接合し、その際の接着材上部と案内面との距離を30μmとしたスライド装置を用意した(試料No.5)。
また、稜部107をタングステンカーバイド(WC)99.0質量%以上の超硬合金とし、本体103と稜部107との段差を−0.1μmとし、上記接着材で稜部107を本体103に接合し、その際の接着材上部と案内面との距離を10μmとしたスライド装置を用意した(試料No.6)。
さらに、稜部107をタングステンカーバイド99.0質量%以上の超硬合金とし、本体103と稜部107との段差を−2μmとし、上記接着材で稜部107を本体103に接合し、その際の接着材上部と案内面との距離を20μmとしたスライド装置を用意した(試料No.7)。
また、上記試料No.2〜7と同様な材質を用いたものにおいて、本体103と稜部107との段差が1μm(試料No.8)、0.5μm(試料No.9)、3μm(試料No.10)、0.8μm(試料No.11)、2μm(試料No.12)および0.6μm(試料No.13)とした。
これら試料No.1〜13の本体特性および稜部特性を表1に示す。また、これら試料を高精度の平面度を有する石定盤上に載置して、本体103を石定盤に固定して可動体102を手動で持ち上げて、その上がり量を電気マイクロで測定して可動体102の本体103と可動体102の隙間量とした。なお、電気マイクロは可動体102に載置して、電気マイクロの触針を本体103に当接させることにより本体103の変形量が隙間量に含まれることを最小限にした。さらに、可動体102に電気マイクロを載置し、平面度がλ/20以下の平面を有し、本体103に沿って定盤上に載置されたバーミラーに電気マイクロの触針を当接させ、可動体102に0.4MPaの圧縮空気を供給して可動体102を手動にて移動させて真直度を測定した。なお、測定に使用した部屋の温度は、23℃±0.5℃で管理されていた。稜部のカケは顕微鏡を用いて観察した。隙間、真直度、および稜部107のカケの有無は大気中で測定・観察し、その後、これら試料をチャンバ内に載置した。
チャンバ内に何も入れないチャンバ単体では、真空引きを開始してから約22時間で真空度の変化がほとんどなくなる。このため、チャンバに接続されている不図示の排気ポンプ(ドライポンプおよびターボ分子ポンプ)を作動させてチャンバ内の真空引きを開始した後に、不図示の真空計で測定した24時間後のチャンバ内の圧力を到達真空度とした。このとき、可動体102には、0.3MPa(大気圧がなくなるため、0.1MPa下がる)の圧縮空気を供給した。排気溝105a,105b,105cに接続されている不図示の排気ポンプは作動しており、供給した圧縮空気は排気溝105a,105b,105cを通して、排気ポンプによりチャンバ外へ排気される。このような作動の結果、隙間、可動体102の真直度、稜部107のカケの有無、および到達真空度について調べた結果も表1に示す。
Figure 0005127624
試料No.1では、稜部にカケが生じた。また、チャンバ101内の到達真空度は5.4×10−3Paであったのに対して、本発明の試料No.2〜13は稜部107にカケの発生はなく、到達真空度も試料No.5,8,10および12を除いて良好であった。
また、稜部107を窒化珪素セラミックスにした試料No.2,3,8,9では、自重撓みが減少したことから案内支持体109の変形が抑制され、可動体102の真直度を向上させることができた。また、案内支持体109の変形が抑制されたことから、案内支持体109と可動体102の隙間104を減少させることができたため、到達真空度を高めることができた。なお、試料No.3,10では、本体103と稜部107の段差が3μmもあったため、到達真空度は試料No.2,8より若干悪化している。
試料No.4,5,10,11では、稜部107の材質をジルコニアセラミックスとしたので、ほとんど矯正効果を得られず可動体102の真直度はアルミナセラミックスのときと同等であった。また、自重撓みもアルミナセラミックスと同程度であったため、隙間104を減少させることができなかった。ただし、アルミナセラミックスと異なり、稜部107に細かなカケやクラックが発生していないため、試料No.4では到達真空度は向上できた。一方、試料No.5では案内支持体109と稜部107の段差が4μmと大きくなったため到達真空度は試料No.4、および稜部107を設けないアルミナセラミックスより若干悪化した。
試料No.6,7,12,13では、稜部107の材質を超硬合金としたので、自重による変形よりも高いヤング率の影響により本体103の変形を抑制した。このため、可動体102の真直度を向上させることができた。また、案内支持体109の変形を抑制することができたため、案内支持体109と可動体102の隙間104を減少させることが可能になり、かつ稜部107の角部に細かなカケやクラックが発生していないため、稜部107を設けないアルミナセラミックスと比較して、到達真空度を向上させることが可能になった。
本発明に係るスライド装置の一実施形態を模式的に説明する図であり、一部を省略して示したチャンバ内に一部を省略して示したスライド装置を配置した様子を示す斜視図である。 本発明のスライド装置の一実施形態を模式的に説明する図であり、図1のA−A線断面である。 本発明のスライド装置の一実施形態を模式的に説明する図であり、スライド装置を構成する案内支持体の拡大図である。 本発明のスライド装置の一実施形態を模式的に説明する図であり、スライド装置を構成する案内支持体と可動体との位置関係を示す拡大断面図である。 (a)は本体と稜部の段差を模式的に示す断面図、(b)は接着材上部と案内面との距離を示す断面図である。 従来のスライド装置を模式的に説明する図であり、一部を省略して示したチャンバ内に一部を省略して示したスライド装置を配置した様子を示す斜視図である。 本発明のスライド装置の他の実施形態を模式的に説明する図であり、スライド装置を構成する案内支持体の拡大図である。 本発明のスライド装置の他の実施形態を模式的に説明する図であり、スライド装置を構成する案内支持体の拡大図である。 本発明のスライド装置の他の実施形態を模式的に説明する図であり、スライド装置を構成する案内支持体の拡大図である。
符号の説明
101:チャンバ
102:可動体
103:案内支持体
104:隙間
105:排気溝
106:排気孔
107:稜部
108:開空間
109:案内支持体
110:接着材

Claims (6)

  1. 本体の外周に長手方向に沿った稜部を有する案内支持体と、流体を入出させる流路を有し前記案内支持体の外周の一部を覆った状態で、前記案内支持体上で長手方向に往復移動する可動体とを備え、可動体の流路から前記案内支持体の外周へ圧縮流体を排出させることにより前記可動体を往復移動可能にしたスライド装置であって、
    前記本体は、長手方向に角を切り欠いてなる、凹んだ角部を有する切り欠き部と、前記角部に沿って設けられた溝とを有し、
    前記稜部は、一部を前記溝に合わせて前記切り欠き部に配置されており、
    記稜部を構成する材料の破壊靭性は前記本体の表面を構成する料の破壊靭性よりもいことを特徴とするスライド装置。
  2. 本体の外周に長手方向に沿った稜部を有する案内支持体と、流体を入出させる流路を有し前記案内支持体の外周の一部を覆った状態で、前記案内支持体上で長手方向に往復移動する可動体とを備え、該可動体の流路から前記案内支持体の外周へ圧縮流体を排出させることにより前記可動体を往復移動可能にしたスライド装置であって、
    前記本体は、長手方向に角を切り欠いてなる、凹んだ角部を有する切り欠き部を有し、
    前記稜部は、前記切り欠き部に配置されており、
    前記本体と前記稜部との間には、前記長手方向に前記稜部と前記本体が対向する開空間が形成されており、
    前記稜部を構成する材料の破壊靭性は、前記本体の表面を構成する材料の破壊靭性よりも高いことを特徴とするスライド装置。
  3. 記稜は、前記本体に接着材を介して接合されていることを特徴とする請求項1または2に記載のスライド装置。
  4. 記本体の表面は、主にアルミナを主成分とするセラミックスで構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のスライド装置。
  5. 前記案内支持体は、直方体状をなしていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のスライド装置。
  6. 請求項1乃至のいずれかに記載のスライド装置をチャンバ内に配置してなり、前記圧縮流体を前記チャンバの外へ排出させるように構成したことを特徴とする処理システム。
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