JP5127245B2 - ポジ型感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
前記バインダ樹脂(イ)として、多官能エポキシ樹脂(A)である下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂に、不飽和一塩基酸(B)を付加させた構造を有するエポキシ付加物に対し、多塩基酸無水物(C)を反応させて得られる反応生成物(X)を用いることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物を提供することにより、上記目的を達成したものである。
上記多官能エポキシ樹脂(A)、上記不飽和一塩基酸(B)及び上記多塩基酸無水物(C)の反応は、常法に従って行なうことができる。
上記単官能エポキシ化合物としては、例えば、グリシジルメタクリレート、メチルグリシジルエーテル、エチルグリシジルエーテル、プロピルグリシジルエーテル、イソプロピルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、イソブチルグリシジルエーテル、t−ブチルグリシジルエーテル、ペンチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、ヘプチルグリシジルエーテル、オクチルグリシジルエーテル、ノニルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ウンデシルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、トリデシルグリシジルエーテル、テトラデシルグリシジルエーテル、ペンタデシルグリシジルエーテル、ヘキサデシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、プロパルギルグリシジルエーテル、p−メトキシエチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、p−メトキシグリシジルエーテル、p−ブチルフェノールグリシジルエーテル、クレジルグリシジルエーテル、2−メチルクレジルグリシジルエーテル、4−ノニルフェニルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、p−クミルフェニルグリシジルエーテル、トリチルグリシジルエーテル、2,3−エポキシプロピルメタクリレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、グリシジルブチレート、ビニルシクロヘキサンモノオキシド、1,2−エポキシ−4−ビニルシクロヘキサン、スチレンオキシド、ピネンオキシド、メチルスチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド、プロピレンオキシド、下記化合物No.19〜No.22等が挙げられる。
すなわち、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールB型エポキシ樹脂、ビスフェノールC型エポキシ樹脂、ビスフェノールE型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールM型エポキシ樹脂、ビスフェノールP型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂等のアルキリデンビスフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂;上記多官能エポキシ樹脂(A)として例示したエポキシ樹脂;上記アルキリデンビスフェノールポリグリシジルエーテル型エポキシ樹脂を水添して得られる水添ビスフェノール型ジグリシジルエーテル;エチレングリコールジグリシジルエーテル、1,3−プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,2−プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、1,8−オクタンジオールジグリシジルエーテル、1,10−デカンジオールジグリシジルエーテル、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリエチレングリコールジグリシジルエーテル、テトラエチレングリコールジグリシジルエーテル、ヘキサエチレングリコールジグリシジルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールジグリシジルエーテル、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)プロパン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)エタン、1,1,1−トリ(グリシジルオキシメチル)メタン、1,1,1,1−テトラ(グリシジルオキシメチル)メタン、グリセリントリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル、ジペンタエリスリトールヘキサグリシジルエーテル等の脂肪族多価アルコールのグリシジルエーテル;プロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン等の多価アルコールに2種以上のアルキレンオキシドを付加することによって得られるポリエーテルポリオールのポリグリシジルエーテル;フェノールノボラック型エポキシ化合物、ビフェニルノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、ビスフェノールAノボラック型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエンノボラック型エポキシ化合物等のノボラック型エポキシ化合物;3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−3−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−5−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシ−6−メチルシクロヘキサンカルボキシレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、1−エポキシエチル−3,4−エポキシシクロヘキサン、ビス(3,4−エポキシシクロヘキシルメチル)アジペート、メチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、イソプロピリデンビス(3,4−エポキシシクロヘキサン)、ジシクロペンタジエンジエポキシド、エチレンビス(3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート)、1,2−エポキシ−2−エポキシエチルシクロヘキサン等の脂環式エポキシ化合物;フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ダイマー酸グリシジルエステルなどのニ塩基酸のグリシジルエステル;テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルP−アミノフェノール、N,N−ジグリシジルアニリンなどのグリシジルアミン類;1,3−ジグリシジル−5,5−ジメチルヒダントイン、トリグリシジルイソシアヌレート等の複素環式エポキシ化合物;ジシクロペンタジエンジオキシド等のジオキシド化合物;ナフタレン型エポキシ化合物、トリフェニルメタン型エポキシ化合物、ジシクロペンタジエン型エポキシ化合物等が挙げられる。
すなわち、上記付加反応は、上記多官能エポキシ樹脂(A)のエポキシ基1個に対し、上記不飽和一塩基酸(B)のカルボキシル基が0.1〜0.9個で、上記環状テルペン構造骨格含有フェノール化合物(E−1)及び/又は上記脂肪族アルキルフェノール化合物(E−2)のフェノール性水酸基が0.1〜0.9個で、かつ、上記不飽和一塩基酸(B)のカルボキシル基並びに上記環状テルペン構造骨格含有フェノール化合物(E−1)及び/又は上記脂肪族アルキルフェノール化合物フェノール性水酸基の和が0.1〜1.0個となる比率で、一分子中に少なくとも一つのエチレン性不飽和基を持つように付加させた構造を有し、上記エステル化反応は、上記エポキシ付加物の水酸基1個に対し、上記多塩基酸無水物(C)の酸無水物構造が0.2〜0.8個となる比率となるようにするのが好ましい。
上記多官能エポキシ樹脂(A)、上記不飽和一塩基酸(B)、上記環状テルペン構造骨格含有フェノール化合物(E−1)及び/又は上記脂肪族アルキルフェノール化合物(E−2)及び上記多塩基酸無水物(C)の反応は、常法に従って行なうことができる。
・Pigment Blue:
<C.I>1,1:2,1:x,9:x,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:5,15:6,16,24,24:x,56,60,61,62
・Pigment Green:
<C.I>1,1:x,2,2:x,4,7,10,36
・Pigment Orange
<C.I>2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,59,60,61,62,64
・Pigment Red
<C.I>1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:3,81:x,83,88,90,112,119,122,123,144,146,149,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,224、226
・Pigment Violet:
<C.I>1,1:x,3,3:3,3:x,5:1,19,23,27,32,42
・Pigment Yellow
<C.I>1,3,12,13,14,16,17,24,55,60,65,73,74,81,83,93,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,116,117,119,120,126,127,128,129,138,139,150,151,152,153,154,156,175
上記メラミン系熱硬化剤としては、特に制限されず公知のものを用いることができ、例えば、メラミン、アルコキシメチルメラミン、アルキロールメラミン、完全アルキル化或いは部分アルキル化アルキロールメラミン、イミノ基型アルキル化メラミン、テトラメチロールベンゾグアナミン及びその完全又は部分アルキル化体、メラミンとホルムアルデヒドとの重縮合物等が挙げられる。
上記分散剤としては、特に制限されず公知のものを用いることができ、例えば、アクリル共重合体、スチレン誘導体のアクリル酸−スチレン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体やポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリウレタン系の水溶性樹脂及び水分散性樹脂;各種のアニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤等が挙げられる。
上記溶媒としては、通常、前記の各成分を溶解または分散しえる溶媒であれば特に制限はないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルアミルケトン、ジエチルケトン、アセトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類;エチルエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル等のエーテル系溶媒;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル等のエステル系溶媒;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のセルソルブ系溶媒;メタノール、エタノール、イソ−又はn−プロパノール、イソ−又はn−ブタノール、アミルアルコール等のアルコール系溶媒;ベンゼン、トルエン、キシレン等のBTX系溶媒;ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テレピン油、D−リモネン、ピネン等のテルペン系炭化水素油;ミネラルスピリット、スワゾール#310(コスモ松山石油(株))、ソルベッソ#100(エクソン化学(株))等のパラフィン系溶媒;四塩化炭素、クロロホルム、トリクロロエチレン、塩化メチレン等のハロゲン化脂肪族炭化水素系溶媒;クロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素系溶媒;カルビトール系溶媒、アニリン、トリエチルアミン、ピリジン、酢酸、アセトニトリル、二硫化炭素、テトラヒドロフラン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等が挙げられ、中でも、ケトン類あるいはセロソルブ系溶媒が好ましい。これらの溶媒は1種又は2種以上の混合溶媒として使用することができる。
製造例1〜5は、バインダー樹脂No.1〜No.5の調製を示し、比較製造例1及び2は、比較用のバインダー樹脂No.6及びNo.7の調製を示す。実施例1〜8は、製造例1〜5で得られたバインダー樹脂No.1〜No.5に、1,2−ジキノンアジド化合物、顔料及び溶媒を混合して得られるポジ型感光性樹脂組成物No.1〜No.8の調製を示し、比較例1〜3は、比較製造例1及び2で得られたバインダー樹脂No.6及びNo.7に、1,2−キノンジアジド化合物、顔料及び溶媒を混合して得られる比較用のポジ型感光性樹脂組成物No.9〜No.11の調製を示し、比較例4は、製造例2で得られたバインダー樹脂No.2を含有し、1,2−キノンジアジド化合物に代えて光酸発生剤及び溶解制御剤を用いた比較用のポジ型感光性樹脂組成物No.12の調製を示す。
尚、実施例1〜8のうち、実施例1、2及び6〜8が本発明の実施例であり、実施例3〜5は参考例である。
<ステップ1>1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタンの製造
ビフェニルシクロヘキシルケトン70.5g、フェノール200.7g及びチオ酢酸10.15gを仕込み、トリフルオロメタンスルホン酸40.0gを18℃で20分かけて滴下した。17〜19℃で18時間反応後、水500gを加えて反応を停止させ、トルエン500gを加え、有機層をpH3〜4になるまで水洗して有機層を抽出した。トルエン、水及び過剰のフェノールを留去した。残さにトルエンを加えて析出した固体をろ別し、トルエンで分散洗浄して淡黄色結晶59.2g(収率51%)を得た。該淡黄色結晶の融点は239.5℃であり、該淡黄色結晶は目的物であることを確認した。
ステップ1で得られた1,1−ビス(4’−ヒドロキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン57.5g及びエピクロルヒドリン195.8gを仕込み、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド0.602gを加えて64℃で18時間攪拌した。続いて54℃まで降温し、24重量%水酸化ナトリウム水溶液43.0gを滴下し、30分攪拌した。エピクロルヒドリン及び水を留去し、メチルイソブチルケトン216gを加えて水洗後、24重量%水酸化ナトリウム2.2gを滴下した。80℃で2時間攪拌後、室温まで冷却し、3重量%モノリン酸ナトリウム水溶液で中和し、水洗を行った。溶媒を留去して、黄色固体57g(収率79%)を得た。(融点64.2℃、エポキシ当量282、n=0.04)。該黄色固体は目的物であることを確認した。
ステップ2で得られた1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン43g、アクリル酸11g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.05g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート35g及びビフェニルテトラカルボン酸ニ無水物9.4gを加えて120℃で8時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸6.0gを加えて120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート29gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として、目的物であるバインダー樹脂No.1を得た(Mw=4000、Mn=2100、酸価(固形分)86mgKOH/g)。
〔製造例1〕のステップ2で得られた1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン1695g、アクリル酸443g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール6g、テトラブチルアンモニウムアセテート11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート1425gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート718g及び無水コハク酸482g及びテトラブチルアンモニウムアセテート25gを加えて100℃で5時間攪拌した。更に、〔製造例1〕のステップ2で得られた1,1−ビス(4’−エポキシプロピルオキシフェニル)−1−(1’’−ビフェニル)−1−シクロヘキシルメタン508g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート218gを加えて120℃で12時間、80℃で2時間、40℃で2時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート1463gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるバインダー樹脂No.2を得た(Mw=4200、Mn=2100、酸価(固形分)55mgKOH/g)。
ビスフェノールフルオレン型エポキシ樹脂(エポキシ当量231)184g、アクリル酸58g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.26g、テトラブチルアンモニウムアセテート0.11g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート23gを仕込み、120℃で16時間攪拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート35g、ビフタル酸無水物59g及びテトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド0.24gを加えて120℃で4時間攪拌した。更にテトラヒドロ無水フタル酸20gを加え、120℃で4時間、100℃で3時間、80℃で4時間、60℃で6時間、40℃で11時間攪拌後、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート90gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として、目的物であるバインダー樹脂No.3を得た(Mw=5000、Mn=2100、酸価(固形分)92.7mgKOH/g)。
多官能エポキシ樹脂である化合物No.1(エポキシ当量610、n=1.5)364g、アクリル酸43.0g、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3g、テトラブチルアンモニウムアセテート3.3g及びプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート266gを仕込み、120℃で10時間撹拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート126g及び無水コハク酸79gを加えて100℃で5時間撹拌した。更にグリシジルメタクリレート106g及び2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール1.3gを加えて90℃で1時間、120℃で10時間撹拌した。室温まで冷却し、無水テトラヒドロフタル酸98gを加えて100℃で5時間撹拌した。室温まで冷却し、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート357gを加えて、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート溶液として目的物であるバインダー樹脂No.4を得た(Mw=5300、Mn=3200、酸価(固形分)62mgKOH/g)。
アデカレジンEP−4100E(ADEKA社製;ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量190)154g、YP−90LL(ヤスハラケミカル社製;環状テルペンモノフェノール90%含有化合物;平均分子量266、水酸基当量340)55.2g及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート90.3gを仕込み、115℃まで昇温した。トリフェニルホスフィン1.05gを徐々に加え、120℃で4時間撹拌した。更にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート194gを加え、50℃以下まで冷却した。その後、2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール0.26g、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド2.6g及びアクリル酸46.8gを加えて120℃まで昇温し、5時間保持した。50℃以下まで冷却し、ビフタル酸ニ無水物71.6g、テトラブチルアンモニウムブロミド0.236gを加えて120℃まで昇温し、4時間保持した。80℃まで冷却し、クレジルグリシジルエーテル20.4gを加えて120℃まで昇温し、2時間保持した。その後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート363gを加えて室温まで冷却し、一晩放置した。キョーワード700SL(協和化学工業社製、吸着剤)10gを加え、1時間撹拌後、0.8μmのグラスフィルターを用いて、ろ過を行い、茶褐色透明液体として目的物であるバインダー樹脂No.5を得た(収量950g、収率95%、Mw=12000、酸価(固形分)63mgKOH/g、粘度56mPa・s、固形分35%)。
m−クレゾール及びp−クレゾールを質量比で50:50の割合で混合し、ホルムアルデヒド及びシュウ酸触媒を加えて常法により縮合重合を行い、比較用のバインダー樹脂No.6(Mw=5300)を得た
メタクリル酸、ヒドロキシエチルメタクリレート、メチルメタクリレート及びブチルメタクリレートを質量比で20:15:10:55の割合で混合し、アゾビスイソブチルニトリルを加えて常法により共重合を行い、比較用のバインダー樹脂No.7(Mw=3200)を得た。
製造例1〜5で得られたバインダー樹脂No.1〜No.5並びに比較製造例1及び2で得られたバインダー樹脂No.6及びNo.7の24.3g、NT−200(1,2−ナフトキノンジアジドスルホン酸エステル;東洋合成工業社製)7.5g、顔料(〔表1〕に記載)8.0g及び溶媒としてプロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート44.2gを混合してよく撹拌し、ポジ型感光性樹脂組成物No.1〜No.8及び比較用のポジ型感光性樹脂組成物No.9〜No.12を得た。
すなわち、上記ポジ型感光性樹脂組成物をガラス基板上にスピンコートし、続いてクリーンオーブンを用いて70℃で20分間加熱を行うことにより膜厚1.2μmに調整した。所定のマスクを用い、光源として超高圧水銀ランプを用いて10―500mJ/cm2の露光量で露光後、2.5%水酸化ナトリウム溶液に25℃で60秒間浸漬して現像し、良く水洗した。水洗乾燥後、230℃で30分間加熱処理してパターンを定着させた。得られたパターンについて、以下の評価を行った。結果を〔表2〕に示す。
露光現像時に、線幅10μm以下でも良好にパターン形成できたものをA、線幅10〜15μmであれば良好にパターン形成できたものをB、線幅15μm以上のものでないと良好なパターン形成ができなかったものをCと評価した。
<現像性>
現像して得られた15μmラインアンドスペースの線間に残存する現像残渣の有無で判断した。残渣が認められなかったものを○、残渣が認められたものを×とした。
<OD値>
D200−II(マクベス社製)を用いてガラス上の黒色部における波長550nmの吸光度の値を測定し、これをOD値とした。
それに対して、比較例1〜4のポジ型感光性樹脂組成物は、OD値は実施例1〜8のポジ型感光性樹脂組成物と同等又はそれ以下であったが、解像度が低下し、線幅15μm以上でないと形成できず、また、現像性も思わしくなかった。
Claims (2)
- 少なくとも、バインダ樹脂(イ)、1,2−キノンジアジド化合物(ロ)及び顔料(ハ)を含有するポジ型感光性樹脂組成物であって、
前記バインダ樹脂(イ)として、多官能エポキシ樹脂(A)である下記一般式(I)で表されるエポキシ樹脂に、不飽和一塩基酸(B)を付加させた構造を有するエポキシ付加物に対し、多塩基酸無水物(C)を反応させて得られる反応生成物(X)を用いることを特徴とするポジ型感光性樹脂組成物。
- 上記バインダー樹脂(イ)の含有量が1〜70質量%であることを特徴とする請求項1に記載のポジ型感光性樹脂組成物。
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