JP5126877B2 - 一塩基変異体の検出方法 - Google Patents
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Description
(1)2つのステムループ構造を有する一本鎖DNA断片の作製方法であって、以下のステップ:
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の鋳型核酸を準備するステップ;
(b)前記塩基変異部位を挟むように前記鋳型核酸にアニーリング可能な正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットであって、以下の特徴:
(i)正方向プライマーは、前記核酸のセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる、
(ii)逆方向プライマーは、前記核酸のアンチセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる、
(iii)前記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方は、その5'末端がリン酸化されている、
を有する前記プライマーセット用いて、前記鋳型核酸をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅するステップ;
(c)増幅産物をエクソヌクレアーゼで処理して、5'末端リン酸化鎖を分解するステップ;並びに
(d)分解したDNA断片とエクソヌクレアーゼとを除去し、前記一本鎖DNA断片を回収するステップ;
を含む、前記方法。
(3)前記一本鎖配列が、ポリA配列からなることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の方法。
(5)一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ形成部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さであることを特徴とする、(4)に記載の方法。
(6)一本鎖DNA断片が少なくとも60merの長さであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の方法によって作製された一本鎖DNA断片であって、その5'側から順に、第1の一本鎖ミスマッチ部位、第1のステム形成部位、第1のループ形成部位、該第1のステム形成部位に相補的なステム形成部位、一塩基変異の検出対象となる塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位、第2のステム形成部位、第2のループ形成部位、該第2のステム形成部位に相補的なステム形成部位及び第2の一本鎖ミスマッチ部位、の塩基配列を含み、第1のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位、及び第2のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位が、それぞれステム部位を形成し、かつ一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さであることを特徴とする、上記一本鎖DNA断片。
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の核酸を鋳型にして、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法によって一本鎖DNA断片を増幅し、作製するステップ;
(b)一塩基変異を含む一塩基変異体又は一塩基変異を含まない正常体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な5〜20merの核酸断片を作製するステップ;
(c)ステップ(b)で作製した5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、核酸−高分子複合体を合成するステップ;
(d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び
(e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップ;
を含む、一塩基変異体の検出又は測定方法。
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の核酸を鋳型にして、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法によって一本鎖DNA断片を増幅し、作製するステップ;
(b)一塩基変異を含む一塩基変異体及び一塩基変異を含まない正常体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な2種類の5〜20merの核酸断片を作製するステップ;
(c)ステップ(b)で作製した2種類の5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、2種類の核酸−高分子複合体を合成するステップ;
(d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した2種類の核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び
(e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップ;
を含む、一塩基変異体の検出又は測定方法。
(12)水溶性高分子が、水溶性のビニル系ポリマーであることを特徴とする、(9)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(14)核酸-高分子複合体が、核酸断片と水溶性高分子とを結合するリンカーを含むことを特徴とする、(9)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15)一塩基変異体が、農薬耐性菌由来であることを特徴とする、(9)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)前記農薬耐性菌が、コムギうどんこ病菌、イネいもち病菌又はキュウリ褐斑病菌である、(15)に記載の方法。
本発明は、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法によるSNPの検出に使用可能な、2つのステムループ構造(「ダンベル型構造」ともいう。)を有する一本鎖DNA断片の作製方法、該方法により作製した一本鎖DNA断片、及び該一本鎖DNA断片を用いた一塩基変異体の検出又は測定方法に関する。
(i)正方向プライマーは、前記核酸のセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる;
(ii)逆方向プライマーは、前記核酸のアンチセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる;及び
(iii)前記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方は、その5'末端がリン酸化されている。
5'-AAAAAAAGGCTCATCATTGCAGATGAGCCACTGG-3'(正方向プライマー:配列番号1)
5'-TTTTTTTCCGTTATCTTTAGTGATAACGGTTGC-3'(逆方向プライマー:配列番号2)
[ここで、上記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれかの5'末端はリン酸化されている。]
5'-AAAAAAAGGCTTATCATTGCAGATGAGCCACTGG-3'(正方向プライマー:配列番号3)
5'-TTTTTTTCCGTCATCTTTAGTGATAACGGTTGC-3'(逆方向プライマー:配列番号4)
[ここで、上記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれかの5'末端はリン酸化されており、下線はミスマッチ塩基を指す。]
a.原理
本発明で使用するウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法は、公知の塩基配列を有する一本鎖核酸(例えば上記正常体、一塩基変異体など)を特異的に検出又は測定するために設計された方法であり、標的とする前記一本鎖核酸の電気泳動速度を特異的に制御することを基礎とする。具体的には、標的一本鎖核酸に完全に相補的な所定の長さの核酸断片と水溶性高分子からなる核酸−高分子複合体を使用することを含む。この複合体は、標的とする前記一本鎖核酸に特異的に結合するため、前記複合体中の水溶性高分子の分子量に依存して、標的一本鎖核酸の泳動速度のみが特異的に制御される。
一般的には、正常体に特異的な核酸−高分子複合体又は一塩基変異体に特異的な核酸−高分子複合体のいずれか一方をウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動に使用すれば、一塩基変異体の検出が可能である。しかし、例えば試料中に含まれる正常体と一塩基変異体との正確な存在比を定量する場合には、標的とする一本鎖DNA断片を作製する際に用いるPCRプライマー等の不純物の存在により、正確なピーク比が得られない場合がある。この場合には、正常体に特異的な核酸−高分子複合体及び一塩基変異体に特異的な核酸−高分子複合体の両方を用いて、正常体と一塩基変異体の双方の電気泳動速度を制御することによって、両者の明確な検出ピークを取得することができる。なおこの場合には、正常体に特異的な核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量と、変異体に特異的な核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量が異なることが好ましい。例えば、前者の水溶性高分子の分子量を5,000とし、後者の水溶性高分子の分子量を20,000とすることができる。これにより、正常体と一塩基変異体の検出ピークが重ならないように、それぞれの電気泳動速度を異なる速度に制御することができる。
ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法で使用する核酸−高分子複合体中の核酸断片は、塩基変異部位を含む一本鎖DNA断片(すなわち正常体又は一塩基変異体)に完全に相補的な核酸断片である。使用し得る核酸断片は必ずしもDNAである必要はなく、RNA、DNA/RNAキメラ、他の人工核酸などであってもよい。また、その長さは特に限定されないが、過剰な長さの核酸断片を使用すると、該核酸断片が標的とする一本鎖DNA断片のみならず標的としない一本鎖DNA断片とも安定的にハイブリダイズすることにより、一本鎖DNA断片(正常体および一塩基変異体)の電気泳動速度に差が生じなくなってしまう不利益が生じる。したがって、前記核酸断片が標的の一本鎖DNA断片のみと可逆的にハイブリダイゼーションを繰り返すような長さ、例えば一本鎖SNP部位に相補的な5mer〜20mer、好ましくは7mer〜15mer、より好ましくは7mer〜10mer、最も好ましくは7mer〜9mer程度の核酸断片を上記複合体に用いることが好ましい。
電気泳動に使用し得る条件は以下の通りである:塩濃度:[MgCl2]=0〜10mM、泳動時間:3〜30分、電圧:5〜30kV、温度:15〜60℃、キャピラリー管:内径25〜100μm、外径150〜500μm、長さ50〜100cm。
片末端にマレイミド基を有するポリエチレングリコール(PEG)と5'末端にチオール基を有するDNAのマイケル付加反応によりDNA-PEG複合体を合成した。反応式と用いたDNAの塩基配列を図5に示す。W8には分子量20,000のPEG(PEG20k)を結合させ、M8には分子量5,000のPEG(PEG5k)を結合させた。それぞれの複合体をW8-PEG20kおよびM8-PEG5kと表記する。以降、W8-PEG20kの実験結果を例にとり、合成および精製の手順を述べる。
DNA-PEG複合体溶液をSephadex G-100(Amersham Biosciences)を充填したゲルろ過カラムに通し、溶出液を500μLずつ、計35本回収した。DNA-PEG複合体の溶出は、プレートリーダー(Spectra Max Plus384: Molecular Devices)を用いて追跡し(260nm)、No.14-20のフラクションを回収して凍結乾燥した。
コムギの葉から綿棒でコムギうどんこ病菌を採取した。これを健常なコムギの葉の上に接種し、蛍光灯下のペトリ皿内で20℃で12時間保持した。このコムギうどんこ病菌を凍結乾燥し、破砕機で液体窒素中でガラスビーズを用いて破砕した。得られた粉体を、50mM EDTA、100mM LiClおよび0.2%メルカプトエタノールを含む10mMトリス−塩酸緩衝液に懸濁させたのち、30分間65℃に加熱した。懸濁液を5分間13,000rpmで遠心分離して上澄みを分取し、10mgのRNA分解酵素を加えて、37℃で1時間インキュベートした。つづいて、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)で3回抽出した。水層をクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)で2回抽出し、イソプロピルアルコールを加えてDNAのペレットを形成させた。このペレットを遠心分離で回収し、70%冷エタノールで洗浄して乾燥させた後、1mM EDTAを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に再懸濁させた。
最初に、5'末端をFITC標識した正方向プライマー(配列番号3)と5'末端リン酸化逆方向プライマー(配列番号4)を用いて鋳型核酸をPCR増幅した。鋳型とプライマーの塩基配列を図6に示す。PCR反応溶液として,H2O(Molecular Biology Reagent, SIGMA)8.2μL、PCR反応用緩衝液(PrimeSTAR HSに添付されているものを使用)4.0μL、2.5mM dNTP(PrimeSTAR HSに添付されているものを使用)1.6μL、10mM正方向プライマー2.0μL、10mM逆方向プライマー2.0μL、DNAポリメラーゼ溶液(PrimeSTAR HS DNA Polymerase, TAKARA Bio)0.2μL、10mM鋳型DNAセンス鎖(化学合成品)1.0μL、10mM鋳型DNAアンチセンス鎖(化学合成品)1.0μLの合計20μLを使用した。PCR装置はiCycler Thermal Cycler(BIO RAD)を使用し、以下のプログラムで反応を行った:98℃10秒、55℃15秒、72℃15秒(以上5回)、98℃10秒,55℃5秒,72℃15秒(以上25回)、以降4℃で保持。PCRの進行は2.0%アガロースゲル電気泳動により確認した。アガロースゲルは寒天(粉末、JUNSEI)、ゲル電気泳動バッファーはトリス−酢酸−EDTA緩衝液(×50、Nuclease and Protease tested、ナカライテスク)を使用した。PCR産物に存在する未反応プライマー、dNTPおよびDNAポリメラーゼを除去するために、Min Elute PCR Purification Kit(BIO RAD)を用いて精製を行った。こうして得られた精製溶液をPCR産物溶液とした。
キャピラリー電気泳動装置としてP/ACE MDQ(Beckman Coulter)、キャピラリー管としてCEP coated capillary(有効長40.5cm、全長60.5cm: Agilent)を使用した。MilliQ水を20psiで1分間、つづいて50mMトリス−ホウ酸緩衝液(pH7.4)を20psiで1分間、キャピラリー管に加圧法によって導入し、管の内部を洗浄した。次に、DNA-PEG複合体(W8-PEG20kおよびM8-PEG5kをそれぞれ5.0μM)と7.0mM MgCl2を含む50mMトリス−ホウ酸緩衝液(pH7.4)を20psiで0.75分間、管内に導入した。さらに、先述の方法で調製した本発明の一本鎖DNA断片(正常体および一塩基変異体ともに濃度は約50nM)を50mMトリス−ホウ酸緩衝液(pH7.4)に溶解し、陰極側から0.5psiで10秒間、管内に導入した。キャピラリー管の温度を35℃に保持しながら、15kVの電圧を20分間印加して電気泳動を行った。ピーク検出はレーザー誘導蛍光検出器を使用した(励起波長488nm、検出波長520nm)。電圧印加後に、MilliQ水を20psiで1分間導入して管内を洗浄した。測定結果の例を図7に示す。
Claims (16)
- 2つのステムループ構造を有する一本鎖DNA断片の作製方法であって、以下のステップ:
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の鋳型核酸を準備するステップ;
(b)前記塩基変異部位を挟むように前記鋳型核酸にアニーリング可能な正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットであって、以下の特徴:
(i)正方向プライマーは、前記核酸のセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる、
(ii)逆方向プライマーは、前記核酸のアンチセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる、
(iii)前記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方は、その5'末端がリン酸化されている、
を有する前記プライマーセット用いて、前記鋳型核酸をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅するステップ;
(c)増幅産物をエクソヌクレアーゼで処理して、5'末端リン酸化鎖を分解するステップ;並びに
(d)分解したDNA断片とエクソヌクレアーゼとを除去し、前記一本鎖DNA断片を回収するステップ;
を含む、前記方法。 - 前記正方向プライマー及び逆方向プライマーのいずれか一方又は双方が、その二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列に少なくとも1つのミスマッチ塩基を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
- 前記正方向プライマーまたは逆方向プライマー中の前記ミスマッチ塩基が、ポリA配列からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
- 一本鎖DNA断片が、その5'側から順に、第1の一本鎖ミスマッチ部位、第1のステム形成部位、第1のループ形成部位、該第1のステム形成部位に相補的なステム形成部位、一塩基変異の検出対象となる塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位、第2のステム形成部位、第2のループ形成部位、該第2のステム形成部位に相補的なステム形成部位、及び第2の一本鎖ミスマッチ部位、の塩基配列を含み、ここで第1のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位、及び第2のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位が、それぞれステム部位を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ形成部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
- 一本鎖DNA断片が少なくとも60merの長さであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方の5'末端が標識されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって作製された一本鎖DNA断片であって、その5'側から順に、第1の一本鎖ミスマッチ部位、第1のステム形成部位、第1のループ形成部位、該第1のステム形成部位に相補的なステム形成部位、一塩基変異の検出対象となる塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位、第2のステム形成部位、第2のループ形成部位、該第2のステム形成部位に相補的なステム形成部位及び第2の一本鎖ミスマッチ部位、の塩基配列を含み、第1のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位、及び第2のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位が、それぞれステム部位を形成し、かつ一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さであることを特徴とする、上記一本鎖DNA断片。
- 以下のステップ:
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の核酸を鋳型にして、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって一本鎖DNA断片を増幅し、作製するステップ;
(b)一塩基変異を含む一塩基変異体又は一塩基変異を含まない正常体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な5〜20merの核酸断片を作製するステップ;
(c)ステップ(b)で作製した5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、核酸−高分子複合体を合成するステップ;
(d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び
(e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップ;
を含む、一塩基変異体の検出又は測定方法。 - 以下のステップ:
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の核酸を鋳型にして、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって一本鎖DNA断片を増幅し、作製するステップ;
(b)一塩基変異を含む一塩基変異体及び一塩基変異を含まない正常体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な2種類の5〜20merの核酸断片を作製するステップ;
(c)ステップ(b)で作製した2種類の5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、2種類の核酸−高分子複合体を合成するステップ;
(d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した2種類の核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び
(e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップ;
を含む、一塩基変異体の検出又は測定方法。 - 正常体に対する5〜20mer核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量と、一塩基変異体に対する5〜20mer核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量とが異なることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 水溶性高分子が、水溶性のビニル系ポリマーであることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 水溶性高分子が、ポリエチレングリコール(PEG)であることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 核酸-高分子複合体が、核酸断片と水溶性高分子とを結合するリンカーを含むことを特徴とする、請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
- 一塩基変異体が、農薬耐性菌由来であることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記農薬耐性菌が、コムギうどんこ病菌、イネいもち病菌又はキュウリ褐斑病菌である、請求項15に記載の方法。
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