JP2009005592A - 一塩基変異体の検出方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】検出対象とする一本鎖DNA試料の性状に左右されることなく、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法において一塩基多型又は変異の検出に使用可能な一本鎖核酸試料を作製する。
【解決手段】SNPの検出対象となる塩基変異部位を含む鋳型核酸を、該塩基変異部位を挟むようにアニーリング可能であり、該鋳型核酸と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む正方向プライマー及び逆方向プライマーを用いて、PCR増幅するステップを含む、一本鎖DNA断片の製造方法、並びに、該方法により作製される一本鎖DNA断片を利用して生物試料中のSNPを検出する方法。
【選択図】図7

Description

本発明は、一塩基変異を含む核酸対象からのダンベル型一本鎖DNA試料の作製方法、並びに該試料を用いる一塩基変異の検出又は測定方法に関する。
一塩基多型又は一塩基変異(以下、「SNP」という。)は、生物の個体間又は細胞間におけるゲノム塩基配列中に存在する一塩基の差異を意味し、SNPのタイプに応じて、遺伝子に基づいて産生されるタンパク質の働きが変化する。したがって、SNPの検出は、生物における疾患の発症に関連する遺伝子を見つけるためのマーカーとして有用であるだけでなく、病因関連遺伝子の解析や予測、薬剤応答性や副作用の程度を調べる上でも非常に重要である。
SNPの検出のために、種々の方法が報告されている。主要な方法は、一塩基変異を含むDNA断片を特異的に増幅可能にするプライマーを使用するポリメラーゼ連鎖反応(PCR)法であり、増幅産物は一般に電気泳動によってそのサイズに基づいて検出される。この方法以外に、いくつかの改良法も提案されている。例えば、特許文献1は、核酸の一塩基変異を特異的に認識して増幅するプライマーを使用する核酸増幅反応をマイクロ流体デバイス上で行ったのち、増幅産物を、それと結合可能なオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーションによって検出する方法を提案している。また、特許文献2は、サンプル核酸とハイブリダイズ可能なペプチド核酸プローブを利用する方法であって、サンプル核酸とプローブとの複合体をヌクレアーゼで処理し、ミスマッチ塩基の切断に基づいて一塩基多型を検出する方法を提案している。さらに、オリゴDNAチップによって大量のSNPを検出する方法も知られている(非特許文献1)。
本発明者らは、近年、SNPをより簡便に検出する方法として、キャピラリー電気泳動法を用いる手法(以下、「ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法」という。)を提案している(非特許文献2)。この方法は、一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む所与の長さの一本鎖DNA試料をPCR増幅して準備し、野生型(正常体)のDNA配列に完全に相補的な短い核酸配列と水溶性高分子との複合体を導入したキャピラリー管を介して該一本鎖DNA試料を電気泳動し、一塩基変異体及び野生型のピーク検出を行うことを含む。
しかしながら、検出対象とする一本鎖DNA試料によっては、野生型のピークと一塩基変異体のピークを明確に区別できないという問題が明らかになった(図1参照)。
特開2005-168350 特開2004-33003 中村祐輔編、SNP遺伝子多型の戦略、2000年、中山書店 T. Anadaら, Electrophoresis 2002, 23, 2267-2273.
本発明者らが提案した上記ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法は、正常体のDNA配列に完全に相補的な短い配列に、正常体のDNA配列との可逆的なハイブリダイゼーションを生じさせることを根本原理としている。したがって、上記問題は、検出対象とする一本鎖DNA試料の天然配列、又は塩基変異部位近傍に生じた突然変異などに依存して、該一本鎖DNA自身が検出されるべき塩基変異部位と二本鎖を形成してしまうような二次構造を形成することにより、上記相補的核酸配列とのハイブリダイゼーションを妨害していることに起因すると推定される。
そこで、本発明は、検出対象とする一本鎖DNA試料の性状に左右されることなく、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法で使用可能な一本鎖DNA試料を作製すること、及び作製した一本鎖DNA試料をこの手法で用いてSNPを検出することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、SNPの検出対象となる塩基変異部位を一本鎖状態のまま維持する一本鎖DNA断片を今回開発し、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法における一本鎖DNA試料として使用することにより、野生型(正常体)のピークと一塩基変異体のピークとを明確に区別できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
したがって、本発明は以下の特徴を包含する。
(1)2つのステムループ構造を有する一本鎖DNA断片の作製方法であって、以下のステップ:
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の鋳型核酸を準備するステップ;
(b)前記塩基変異部位を挟むように前記鋳型核酸にアニーリング可能な正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットであって、以下の特徴:
(i)正方向プライマーは、前記核酸のセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる、
(ii)逆方向プライマーは、前記核酸のアンチセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる、
(iii)前記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方は、その5'末端がリン酸化されている、
を有する前記プライマーセット用いて、前記鋳型核酸をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅するステップ;
(c)増幅産物をエクソヌクレアーゼで処理して、5'末端リン酸化鎖を分解するステップ;並びに
(d)分解したDNA断片とエクソヌクレアーゼとを除去し、前記一本鎖DNA断片を回収するステップ;
を含む、前記方法。
(2)前記正方向プライマー及び逆方向プライマーのいずれか一方又は双方が、その二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列に少なくとも1つのミスマッチ塩基を含むことを特徴とする、(1)に記載の方法。
(3)前記一本鎖配列が、ポリA配列からなることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)一本鎖DNA断片が、その5'側から順に、第1の一本鎖ミスマッチ部位、第1のステム形成部位、第1のループ形成部位、該第1のステム形成部位に相補的なステム形成部位、一塩基変異の検出対象となる塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位、第2のステム形成部位、第2のループ形成部位、該第2のステム形成部位に相補的なステム形成部位、及び第2の一本鎖ミスマッチ部位、の塩基配列を含み、ここで第1のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位、及び第2のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位が、それぞれステム部位を形成することを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載の方法。
(5)一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ形成部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さであることを特徴とする、(4)に記載の方法。
(6)一本鎖DNA断片が少なくとも60merの長さであることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方の5'末端が標識されていることを特徴とする、(1)〜(6)のいずれかに記載の方法。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載の方法によって作製された一本鎖DNA断片であって、その5'側から順に、第1の一本鎖ミスマッチ部位、第1のステム形成部位、第1のループ形成部位、該第1のステム形成部位に相補的なステム形成部位、一塩基変異の検出対象となる塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位、第2のステム形成部位、第2のループ形成部位、該第2のステム形成部位に相補的なステム形成部位及び第2の一本鎖ミスマッチ部位、の塩基配列を含み、第1のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位、及び第2のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位が、それぞれステム部位を形成し、かつ一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さであることを特徴とする、上記一本鎖DNA断片。
(9)以下のステップ:
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の核酸を鋳型にして、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法によって一本鎖DNA断片を増幅し、作製するステップ;
(b)一塩基変異を含む一塩基変異体又は一塩基変異を含まない正常体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な5〜20merの核酸断片を作製するステップ;
(c)ステップ(b)で作製した5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、核酸−高分子複合体を合成するステップ;
(d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び
(e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップ;
を含む、一塩基変異体の検出又は測定方法。
(10)以下のステップ:
(a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の核酸を鋳型にして、(1)〜(7)のいずれかに記載の方法によって一本鎖DNA断片を増幅し、作製するステップ;
(b)一塩基変異を含む一塩基変異体及び一塩基変異を含まない正常体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な2種類の5〜20merの核酸断片を作製するステップ;
(c)ステップ(b)で作製した2種類の5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、2種類の核酸−高分子複合体を合成するステップ;
(d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した2種類の核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び
(e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップ;
を含む、一塩基変異体の検出又は測定方法。
(11)正常体に対する5〜20mer核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量と、一塩基変異体に対する5〜20mer核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量とが異なることを特徴とする、(10)に記載の方法。
(12)水溶性高分子が、水溶性のビニル系ポリマーであることを特徴とする、(9)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(13)水溶性高分子が、ポリエチレングリコール(PEG)であることを特徴とする、(9)〜(11)のいずれかに記載の方法。
(14)核酸-高分子複合体が、核酸断片と水溶性高分子とを結合するリンカーを含むことを特徴とする、(9)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15)一塩基変異体が、農薬耐性菌由来であることを特徴とする、(9)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)前記農薬耐性菌が、コムギうどんこ病菌、イネいもち病菌又はキュウリ褐斑病菌である、(15)に記載の方法。
本発明の方法によれば、検出対象とする一本鎖DNA試料の性状に左右されることなく、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法においてSNPの検出に使用可能な一本鎖核酸試料を作製することができる。
本明細書で使用する「ミスマッチ塩基」という用語は、本発明のプライマー又は一本鎖DNA断片中の塩基が、正しく塩基対を形成しない又は二本鎖を形成しない、いわゆる非対合性の塩基を指す。
本明細書で使用する「正常体」又は「野生型」という用語は、検出対象となる塩基変異部位に一塩基変異を有しない、一本鎖DNA断片を指す。
本明細書で使用する「一塩基変異体」という用語は、検出対象となる塩基変異部位に一塩基変異を有する、一本鎖DNA断片を指す。
本明細書で使用する「塩基変異部位」という用語は、ゲノム又はcDNA鎖上のSNPの存在可能な部位を指す。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法によるSNPの検出に使用可能な、2つのステムループ構造(「ダンベル型構造」ともいう。)を有する一本鎖DNA断片の作製方法、該方法により作製した一本鎖DNA断片、及び該一本鎖DNA断片を用いた一塩基変異体の検出又は測定方法に関する。
本発明の一本鎖DNA断片の作製方法は、主に、SNPの検出対象となる塩基変異部位を含む鋳型核酸を準備し、本発明のプライマーセットを用いて前記鋳型核酸をPCR増幅し、PCR増幅した二本鎖産物をλエクソヌクレアーゼなどのエクソヌクレアーゼ酵素によって一本鎖に分解することを含む(図2参照)。
より具体的には、本発明の一本鎖DNA断片の作製方法は、以下のステップを含む:(a)SNPの検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の鋳型核酸を準備するステップ、(b)前記塩基変異部位を挟むように前記鋳型核酸にアニーリング可能な正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットを用いて、前記鋳型核酸をPCRにより増幅するステップ、(c)増幅産物をエクソヌクレアーゼで処理して、5'末端リン酸化鎖を分解するステップ、並びに(d)分解したDNA断片とエクソヌクレアーゼとを除去し、前記一本鎖DNA断片を回収するステップ。
ステップ(a)は、SNPの検出対象となる鋳型核酸を調製するステップである。前記鋳型核酸は、ゲノム上に検出されるべきSNPが存在する生物であればその起源は限定されない。生物は、非限定的に、原核生物(例えば細菌など)及び真核生物(例えば酵母、菌類、植物、動物など)を含む。また前記鋳型核酸はDNAであり、ゲノムDNAから誘導されるものであっても、RNAから誘導されるものであってもよい。本発明の鋳型核酸は常法に従って調製することができ、特別な方法を用いる必要はない。例えば、鋳型核酸がmRNAから誘導される場合は、所与の生物由来の組織又は細胞の破壊液から常法に従って全RNAを取得し、オリゴdTカラムにてmRNAを回収し、ランダムプライマーを使用する逆転写酵素の存在下でcDNA合成を行うことによって鋳型核酸試料を取得することができる。
次いで、ステップ(b)において、ステップ(a)で取得した鋳型核酸を以下の特徴を有する正方向プライマー及び逆方向プライマーを用いてPCR増幅する:
(i)正方向プライマーは、前記核酸のセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる;
(ii)逆方向プライマーは、前記核酸のアンチセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる;及び
(iii)前記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方は、その5'末端がリン酸化されている。
上記正方向プライマー又は逆方向プライマー中の各配列の長さは、本発明の好適な一本鎖DNA断片を作製できる範囲として設定したものである。例えば「10〜25塩基の配列」の長さは、本発明のプライマーの標的となる鋳型核酸への特異的な結合を担保し、かつPCR工程によって得られる本発明の一本鎖DNA断片の一本鎖SNP部位が、該部位で二次構造を形成しないような長さとする範囲として設定したものである。また「二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列」の長さは、PCR条件下ではステムループ構造を形成しないが、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動条件下ではステムループ構造を形成する、適度に安定なステムループ構造を生じさせる範囲として設定したものである。
具体的には、上記(i)〜(iii)の特徴を備える正方向プライマー及び逆方向プライマーのプライマーセットとして、例えば以下に記載する、コムギうどんこ病菌の薬剤感受性に関与するチトクロームbのコドン143部位を含む、本発明の一本鎖DNA断片を作製するためのプライマーセットを例示することができる:
5'-AAAAAAAGGCTCATCATTGCAGATGAGCCACTGG-3'(正方向プライマー:配列番号1)
5'-TTTTTTTCCGTTATCTTTAGTGATAACGGTTGC-3'(逆方向プライマー:配列番号2)
[ここで、上記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれかの5'末端はリン酸化されている。]
上記プライマーセットは、コムギうどんこ病菌のチトクロームbの核酸の、センス鎖配列と相同な「GCAGATGAGCCACTGG」の部分配列、及びアンチセンス鎖配列と相同な「TTAGTGATAACGGTTGC」の部分配列を含み、上記(i)〜(iii)の特徴を備えるように設計されたものである。本発明では、個々に例示されるプライマーセットに限定されるものではなく、標的の塩基配列に相同な部分は、任意の標的由来の配列と置き換えることができる。また、ポリA又はポリTの長さは、1〜15塩基、好ましくは5〜10塩基とし得る。さらにまた、ループ形成配列は、塩基対合を生じない3〜10塩基、好ましくは4〜7塩基の任意の配列とし得る。
上で示されるように、正方向プライマー及び逆方向プライマー中の下線部の配列は、ループ形成配列を挟んで互いに相補的な関係にあるため、このようなプライマーで増幅される一本鎖DNA断片は、下線部の配列同士で二本鎖を形成することができ、その結果、ステムループ構造を形成することができる。
本発明で用いるPCRは、例えば、ステップ(a)で調製した鋳型核酸、本発明の上記プライマーセット、4種の塩基(dNTP)並びに耐熱性DNAポリメラーゼの存在下、変性、アニーリング及び伸長を1サイクルとして、通常20〜40サイクルを実施することを含む。変性は、二本鎖DNAを一本鎖に解離するための処理であり、例えば94〜98℃、10秒〜5分間の処理を行う。アニーリングは、一本鎖の鋳型DNAに、それに相補的なプライマーをアニーリングする処理であり、使用するプライマーに応じて設定されるTm値以下の温度、例えば50〜65℃で、5秒〜2分間の処理を行う。伸長は、鋳型DNAの配列に沿ってプライマーを伸長する反応であり、例えば72℃、15秒〜10分間の処理を行う。PCRの具体的操作については、例えば西郷薫及び佐野由美子共訳,分子生物学実験プロトコールIII,15章(1997年)丸善を参照することができる。PCRはサーマルサイクラー(例えばPerkin-Elmer製、Applied Biosystems製など)などの市販の装置を用いて実施し得る。PCR増幅反応後、増幅した二本鎖DNA産物は、当業者に周知の方法、例えばアガロース又はポリアクリルアミド電気泳動法、により精製された後に、ステップ(c)の酵素処理に供される。
本発明の正方向及び逆方向プライマーは、作製される一本鎖DNA断片がウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法によるSNPの検出を可能にするように設計されている。具体的には、SNPの検出対象となる塩基変異部位を挟むように上記鋳型核酸にアニーリングする本発明のプライマーセットは、上記(i)及び(ii)の特徴を有することにより、以下の構造的特徴:(1)塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位;(2)2つのステムループ構造;及び(3)5'末端及び/又は3'末端のミスマッチ塩基、を含む一本鎖DNA断片の作製が可能になる。鋳型核酸にアニーリングする正方向及び逆方向プライマーの3'末端の各位置は、変異塩基を境にして1〜3塩基離間した位置が好ましいが、この範囲に限定されない。
本発明の一本鎖DNA断片は、上記(1)及び(2)の構成を有することにより、検出対象である塩基変異部位を一本鎖に維持する安定なダンベル型構造を採るため、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動において、検出ピークを制御するために使用される核酸−水溶性高分子複合体とのハイブリダイゼーションが保証される。
また本発明の一本鎖核酸断片は、上記(3)の構成を備えることにより、上記一本鎖SNP部位を保証することができる。すなわち、PCR増幅の際の変性/アニーリングの過程で、PCR増幅された本発明の一本鎖DNA断片が上記(1)及び(2)の構造を形成した場合に、該断片の両末端で相補鎖を形成していると自己を鋳型として伸長反応を生じ、一本鎖として維持されるべき一本鎖SNP部位を埋めてしまう(例えば、一本鎖環状DNAを形成する)虞があるため、両末端にミスマッチ塩基を導入することによりこれを回避したものである。ミスマッチ塩基として使用されるべき塩基に制限はない。例えばこの目的のためにポリA又はポリTなどを使用することができる。またその塩基数は、典型的には1塩基〜15塩基の範囲で設計することができる。
上記(iii)の特徴は、ステップ(c)で、PCR増幅により生じた二本鎖DNA断片のうちの5'-リン酸化された一本鎖を、λエクソヌクレアーゼなどのエクソヌクレアーゼによって分解し、センス鎖又はアンチセンス鎖配列のいずれかを含む一本鎖を生じさせることにある。
ステップ(c)で使用する酵素処理条件は、使用するエクソヌクレアーゼの至適温度、至適pH又はその近位の値に設定するものとし、酵素量、処理時間は当業者が適宜設定することができる。例えば、λエクソヌクレアーゼを使用したときの酵素処理条件は、酵素量5U(70merの鋳型10pmolに対して)、至適温度37℃、反応時間1時間、至適pH8.0である。
その後、ステップ(d)で、分解したDNA断片及びエクソヌクレアーゼを除去し、本発明の一本鎖DNA断片を回収する。この除去・回収ステップは、当業者に公知の方法のいずれかによって実施することができ、例えば、アガロースゲル精製、ポリアクリルアミドゲル精製、フェノール/クロロホルム抽出、エタノール沈殿などを挙げることができる。また市販のキットにより本発明の一本鎖DNA断片を精製してもよく、これに限定されるものではないが、QIAquick Nucleotide Removal Kit (Qiagen)、Genopure Oligo(Bruker Daltonics)などがこの目的に使用できる。
また、本発明の上記プライマーセットは、上記(i)〜(iii)の特徴に加えて、前記正方向プライマー及び逆方向プライマーのいずれか一方又は双方の、前記二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列に、少なくとも1つのミスマッチ塩基を含むように設計することができる。本発明のプライマーセットにより増幅される一本鎖DNA断片が形成するステムループ構造の安定性は、形成されるステム構造の長さに依存しており、該一本鎖DNA断片のステムループ構造が過剰に安定な構造を形成するものである場合には、PCR過程で該ステムループ構造を形成する可能性がある。この場合には、該一本鎖DNA断片はPCRの鋳型として使用することができず、増幅の効率性が顕著に減少するという問題が生じる。したがって、前記二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列に少なくとも1つのミスマッチ塩基を導入することにより、PCR過程でステムループ構造を形成するのを回避することができる。また前記二本鎖形成可能な配列に導入されるべきミスマッチ塩基の数及び位置は、PCR条件下ではステムループ構造を形成しないが、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動条件下ではステムループ構造を形成するような設定であればどのようなものを採用してもよい。典型的には、本発明の一本鎖DNA断片が形成するステム構造の中央付近に1〜3塩基のミスマッチ塩基が導入される。
上記のようにして作製される一本鎖DNA断片は、典型的にはその5'側から順に、第1の一本鎖ミスマッチ部位、第1のステム形成部位、第1のループ形成部位、該第1のステム形成部位に相補的なステム形成部位、SNPの検出対象となる塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位、第2のステム形成部位、第2のループ形成部位、該第2のステム形成部位に相補的なステム形成部位及び第2の一本鎖ミスマッチ部位を含む。ここで、前記一本鎖DNA断片は、第1のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位、及び第2のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位が、それぞれステム部位を形成することにより、2つのステムループ構造を有する構造(ダンベル型構造ともいう。)を形成することができる。
また、上記一本鎖DNA断片の各部位の長さは、それぞれ、一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ形成部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さである。これらの塩基の長さは、本発明の一本鎖DNA断片が形成するダンベル型構造の安定性等の観点から設定されたものである。例えば、一本鎖SNP部位の長さは、この部位内で二次構造をとらない長さとして規定されたものであり、各ステム部位の長さは、上で説明したように、PCR増幅率の向上の観点から規定されている。これらの各領域の長さは、PCRに使用する上記プライマーセットの設計の際に、適宜設定することができる。
例えば、上記配列番号1の正方向プライマーと配列番号2の逆方向プライマーからなるプライマーセットを用いることにより、コムギうどんこ病菌由来の鋳型核酸から、図3に示すようなダンベル型一本鎖DNA断片を作製することができる。
また、前記配列番号1の正方向プライマー及び配列番号2の逆方向プライマーの前記二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列内に、1塩基のミスマッチ塩基が導入されている、下記のプライマーセットを用いることにより、コムギうどんこ病菌由来の鋳型核酸から、図4に示すような本発明の好適な一本鎖DNA断片を作製することができる:
5'-AAAAAAAGGCTTATCATTGCAGATGAGCCACTGG-3'(正方向プライマー:配列番号3)
5'-TTTTTTTCCGTCATCTTTAGTGATAACGGTTGC-3'(逆方向プライマー:配列番号4)
[ここで、上記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれかの5'末端はリン酸化されており、下線はミスマッチ塩基を指す。]
本発明の一本鎖DNA断片の全長は、上記本発明のプライマーセットの設計に基づいて適宜設定することができる。本発明の一本鎖DNA断片の長さは、例えば市販の精製キットでの精製を容易にするとの観点から、少なくとも60mer以上の長さとすることが好ましい。また、本発明の一本鎖DNA断片の全長の上限は、130mer以下、好ましくは100mer以下である。
本発明の一本鎖DNA断片は、その後のウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動による正常体と一塩基変異体のピーク検出の便宜から、5'末端が標識されていることが好ましい。したがって、本発明の上記正方向プライマー又は逆方向プライマーは、その5'末端が標識されているものであり得る。標識されるべきプライマーは、PCR増幅された二本鎖断片のセンス鎖、アンチセンス鎖のいずれを検出対象とするかに依存しており、いずれを標識してもよい。
前記標識手段は、当業者に公知の手法のいずれかによって標識することができる。例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質等による標識が挙げられ、この目的のために、これに限定されるものではないが、FITC、32P、アルカリホスファターゼ、ローダミン、フルオレサミン、ダンシル、又はそれらの誘導体などが利用可能である。
本発明はさらに、上記のようにして作製した一本鎖DNA断片を、ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動に供することを含む、一塩基変異体の検出又は測定方法に関する。
具体的に、本発明の一塩基変異体の検出又は測定方法は、(a)上記のようにして一本鎖DNA断片を作製するステップ;(b)正常体又は一塩基変異体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な5〜20merの核酸断片を作製するステップ;(c)ステップ(b)で作製した5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、核酸−高分子複合体を合成するステップ;(d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び(e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップを含む。
本発明のウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法による一塩基変異体の検出又は測定方法は、特別な条件を使用する必要はなく、下記に記載するような一般的な条件で実施することができる。
ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法による遺伝子変異の検出法
a.原理
本発明で使用するウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法は、公知の塩基配列を有する一本鎖核酸(例えば上記正常体、一塩基変異体など)を特異的に検出又は測定するために設計された方法であり、標的とする前記一本鎖核酸の電気泳動速度を特異的に制御することを基礎とする。具体的には、標的一本鎖核酸に完全に相補的な所定の長さの核酸断片と水溶性高分子からなる核酸−高分子複合体を使用することを含む。この複合体は、標的とする前記一本鎖核酸に特異的に結合するため、前記複合体中の水溶性高分子の分子量に依存して、標的一本鎖核酸の泳動速度のみが特異的に制御される。
この方法の最も注目すべき利点は、上記のように、標的とする一本鎖核酸の分子量、電荷とは無関係に、水溶性高分子の分子量に従って標的一本鎖核酸の泳動速度のみを選択的にコントロールすることができるため、標的一本鎖核酸の明確な検出ピークを得ることができるという点である。また、試料中に含まれる標的一本鎖核酸以外のその他の核酸の検出ピークも同時に検出可能であるため、試料中に含まれる標的一本鎖核酸の割合を、それ以外の核酸に対するピーク比として定量することも可能である。
b.一塩基変異体の検出への適用
一般的には、正常体に特異的な核酸−高分子複合体又は一塩基変異体に特異的な核酸−高分子複合体のいずれか一方をウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動に使用すれば、一塩基変異体の検出が可能である。しかし、例えば試料中に含まれる正常体と一塩基変異体との正確な存在比を定量する場合には、標的とする一本鎖DNA断片を作製する際に用いるPCRプライマー等の不純物の存在により、正確なピーク比が得られない場合がある。この場合には、正常体に特異的な核酸−高分子複合体及び一塩基変異体に特異的な核酸−高分子複合体の両方を用いて、正常体と一塩基変異体の双方の電気泳動速度を制御することによって、両者の明確な検出ピークを取得することができる。なおこの場合には、正常体に特異的な核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量と、変異体に特異的な核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量が異なることが好ましい。例えば、前者の水溶性高分子の分子量を5,000とし、後者の水溶性高分子の分子量を20,000とすることができる。これにより、正常体と一塩基変異体の検出ピークが重ならないように、それぞれの電気泳動速度を異なる速度に制御することができる。
c.核酸−高分子複合体の作製
ウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法で使用する核酸−高分子複合体中の核酸断片は、塩基変異部位を含む一本鎖DNA断片(すなわち正常体又は一塩基変異体)に完全に相補的な核酸断片である。使用し得る核酸断片は必ずしもDNAである必要はなく、RNA、DNA/RNAキメラ、他の人工核酸などであってもよい。また、その長さは特に限定されないが、過剰な長さの核酸断片を使用すると、該核酸断片が標的とする一本鎖DNA断片のみならず標的としない一本鎖DNA断片とも安定的にハイブリダイズすることにより、一本鎖DNA断片(正常体および一塩基変異体)の電気泳動速度に差が生じなくなってしまう不利益が生じる。したがって、前記核酸断片が標的の一本鎖DNA断片のみと可逆的にハイブリダイゼーションを繰り返すような長さ、例えば一本鎖SNP部位に相補的な5mer〜20mer、好ましくは7mer〜15mer、より好ましくは7mer〜10mer、最も好ましくは7mer〜9mer程度の核酸断片を上記複合体に用いることが好ましい。
かかる核酸断片は、当業者に周知の方法、例えば適当な配列のクローニング及び制限酵素による切断、ホスホトリエステル法(例えばNarangら,1979年,Meth.Enzymol.,第68巻,p90〜99参照)、ホスホジエステル法(例えばBrownら,1979年、Meth.Enzymol.,第68巻,p109〜151参照)、エチルホスホアミダイト法(例えばBeaucageら,1981年,Tetrahedron Lett.,第22巻,p1859〜1862参照)などの方法により、直接的に合成することができる。また市販の自動DNA合成装置を使用することによって合成してもよい。
前記複合体中の高分子は、その分子量に依存して標的の一本鎖DNA断片の電気泳動速度を制御するために結合されるものであり、水溶性高分子であればいかなるものを用いてもよい。しかし、前記複合体に結合される高分子の分子量が均一でない場合には、標的の一本鎖DNA断片の検出ピークも均一にならない虞がある。したがって、本発明の方法に用いる水溶性高分子は、分子量範囲の狭い、好ましくは分子量を明確に規定し得る水溶性高分子、例えばリビング重合で合成可能な水溶性高分子(ビニル系ポリマーなど)、好ましくはポリエチレングリコール(PEG)を使用することが好ましい。水溶性高分子の好適な分子量は2,000〜100,000である。
前記核酸−高分子複合体は、反応性官能基を有する前記核酸断片と水溶性高分子とから、当業者に公知の方法、例えばマイケル付加反応(図5参照)(例えばM. P. Lutolf ら Bioconjugate Chemistry 2001, 12, 1051-1056.参照)をはじめ、ヒドラゾン結合形成反応、エーテル結合形成反応、チオエーテル結合反応、ジスルフィド結合形成反応、アミド結合形成反応、エステル結合形成反応、シッフ塩基形成反応、イミノ結合形成反応などにより合成することができる。前記官能基の組合せの例は、これに限定されるものではないが、マレイミド基とチオール基、カルボキシル基とアミノ基、カルボキシル基と水酸基、アクリル基とチオール基、メタクリル基とチオール基、ヒドラジド基とアミノ基、エポキシド基とアミノ基、エポキシド基と水酸基、エポキシド基とチオール基、ハロゲン化アルキル基とチオール基、ハロアシル基とアミノ基、ピリジルジスルフィド基とチオール基、活性エステル基とアミノ基などを含む。
また前記核酸−高分子複合体は、前記核酸断片と水溶性高分子とを結合するリンカーにより連結されてもよい。リンカーは、例えば上記のマレイミド基やチオール基から誘導される官能基(コハク酸イミジル基、チオ基)を含むアルキレン鎖である。かかる目的に使用し得るリンカー及び該リンカーを用いた核酸−高分子複合体の製造は当業者に公知である。
上記のようにして合成した核酸−高分子複合体は、当業者に公知の方法、例えばサイズ排除クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィー、逆相クロマトグラフィー、透析、限外濾過、ゲル電気泳動、超遠心分離などによって精製することができる。
d.電気泳動条件
電気泳動に使用し得る条件は以下の通りである:塩濃度:[MgCl2]=0〜10mM、泳動時間:3〜30分、電圧:5〜30kV、温度:15〜60℃、キャピラリー管:内径25〜100μm、外径150〜500μm、長さ50〜100cm。
またピーク検出に使用できる装置として、これに限定されるものではないが、紫外可視光吸収検出器、蛍光検出器、レーザー励起蛍光検出器、示差屈折率検出器、円二色性検出器、電気伝導度検出器、レーザー振動検出器などを挙げることができる。
本発明の一塩基変異体の検出方法によって、例えば医療分野、農業分野、研究分野などにおいて、例えば動物(ヒトを含む)や植物の疾患の発症に関連するSNP、薬剤応答性又は副作用に関連するSNPなどを特異的に検出/定量することが可能である。例えば、コムギうどんこ病菌、キュウリべと病菌、キュウリ褐斑病菌、イネいもち病菌の農薬耐性に関連するチトクロームbのコドン143部位のSNPなど、従来のウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動法では正確に検出又は測定することができない特定のSNPに適用できる点で有用である(図1及び7を参照)。
以下の実施例で本発明をより詳細に説明するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
1.コムギうどんこ病菌のチトクロームbのコドン143部位のSNP検出に使用するDNA-PEG複合体の合成
片末端にマレイミド基を有するポリエチレングリコール(PEG)と5'末端にチオール基を有するDNAのマイケル付加反応によりDNA-PEG複合体を合成した。反応式と用いたDNAの塩基配列を図5に示す。W8には分子量20,000のPEG(PEG20k)を結合させ、M8には分子量5,000のPEG(PEG5k)を結合させた。それぞれの複合体をW8-PEG20kおよびM8-PEG5kと表記する。以降、W8-PEG20kの実験結果を例にとり、合成および精製の手順を述べる。
まず、S-S結合形成を抑制する目的でDNA試料に添加されているDithiothreitol(DTT)を除去するために、5'末端チオール化DNA(HPLC精製品、つくばオリゴサービス)を10mMトリス−塩酸緩衝液(pH 7.4)に溶解し、これをNAP5カラム(GE Healthcare)に通して溶出液を500μLずつ回収した。5'末端チオール化DNAの溶出は、溶出液のUV吸光度測定(260nm)によって追跡した。
次に、回収したチオール化DNA溶出液に対し、脱酸素の目的でアルゴンガスのバブリングを5分間行った。Tris(2-carboxyethyl)phosphine hydrochloride(TCEP)を10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に溶解させて同様のバブリング操作を行ったのちに、DNAに対してモル当量になるようにDNA溶液に添加した。さらに、末端マレイミド化PEG(mPEG-MAL Mw 20,000 Da: NEKTAR)を同じく10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)に溶解させて同様のバブリング操作を行ったのちに、DNAに対して3モル当量になるように加えた。以上の混合液を室温で一晩攪拌することにより、DNA-PEG複合体を得た。
2.DNA-PEG複合体の精製
DNA-PEG複合体溶液をSephadex G-100(Amersham Biosciences)を充填したゲルろ過カラムに通し、溶出液を500μLずつ、計35本回収した。DNA-PEG複合体の溶出は、プレートリーダー(Spectra Max Plus384: Molecular Devices)を用いて追跡し(260nm)、No.14-20のフラクションを回収して凍結乾燥した。
得られた白色粉末を100〜200μLのMilliQ水に溶解し、陰イオン交換クロマトグラフィー(Q Sepharose Fast Flow: Amersham Biosciences)により精製した。流速は1.0mL/min、カラム温度は40.0℃とした。キャリアAを10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)、キャリアBを1M NaClを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.4)として、0.0min(A:100%、B:0%)→15.0min(A:100%、B:0%)→20.0min(A:50%、B:50%)→40.0min(A:0%、B:100%)→50.0min(A:0%、B:100%)→60.0min(A:100%、B:0%)というグラジエント条件を採用した。吸収度変化(260nm)を追跡することにより、キャリアAの割合が44%となったときにDNA-PEG複合体の溶出が始まることを確認し、該当するフラクションを回収した。
陰イオン交換クロマトグラフィーの回収溶液を遠心エバポレーションにより適量(4mL程度)まで濃縮した後、分画分子量8,000の透析膜(使用するDNAの分子量によって適当な分画分子量の透析膜を使用)を用いて透析(脱塩)を2日間行った。得られた溶液を凍結乾燥することによりW8-PEG20kを得た。
3.コムギうどんこ病菌からのDNA抽出
コムギの葉から綿棒でコムギうどんこ病菌を採取した。これを健常なコムギの葉の上に接種し、蛍光灯下のペトリ皿内で20℃で12時間保持した。このコムギうどんこ病菌を凍結乾燥し、破砕機で液体窒素中でガラスビーズを用いて破砕した。得られた粉体を、50mM EDTA、100mM LiClおよび0.2%メルカプトエタノールを含む10mMトリス−塩酸緩衝液に懸濁させたのち、30分間65℃に加熱した。懸濁液を5分間13,000rpmで遠心分離して上澄みを分取し、10mgのRNA分解酵素を加えて、37℃で1時間インキュベートした。つづいて、フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(25:24:1)で3回抽出した。水層をクロロホルム/イソアミルアルコール(24:1)で2回抽出し、イソプロピルアルコールを加えてDNAのペレットを形成させた。このペレットを遠心分離で回収し、70%冷エタノールで洗浄して乾燥させた後、1mM EDTAを含む10mMトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)に再懸濁させた。
こうして得られた全DNAをテンプレートに用いて、望みの部位をPCRで増幅してサンプルDNAを調製することは容易に可能であるが、本項では化学合成した核酸を鋳型に使用してサンプルDNAをPCR増幅した例を以下に示す。
4.本発明の一本鎖DNA断片の調製
最初に、5'末端をFITC標識した正方向プライマー(配列番号3)と5'末端リン酸化逆方向プライマー(配列番号4)を用いて鋳型核酸をPCR増幅した。鋳型とプライマーの塩基配列を図6に示す。PCR反応溶液として,H2O(Molecular Biology Reagent, SIGMA)8.2μL、PCR反応用緩衝液(PrimeSTAR HSに添付されているものを使用)4.0μL、2.5mM dNTP(PrimeSTAR HSに添付されているものを使用)1.6μL、10mM正方向プライマー2.0μL、10mM逆方向プライマー2.0μL、DNAポリメラーゼ溶液(PrimeSTAR HS DNA Polymerase, TAKARA Bio)0.2μL、10mM鋳型DNAセンス鎖(化学合成品)1.0μL、10mM鋳型DNAアンチセンス鎖(化学合成品)1.0μLの合計20μLを使用した。PCR装置はiCycler Thermal Cycler(BIO RAD)を使用し、以下のプログラムで反応を行った:98℃10秒、55℃15秒、72℃15秒(以上5回)、98℃10秒,55℃5秒,72℃15秒(以上25回)、以降4℃で保持。PCRの進行は2.0%アガロースゲル電気泳動により確認した。アガロースゲルは寒天(粉末、JUNSEI)、ゲル電気泳動バッファーはトリス−酢酸−EDTA緩衝液(×50、Nuclease and Protease tested、ナカライテスク)を使用した。PCR産物に存在する未反応プライマー、dNTPおよびDNAポリメラーゼを除去するために、Min Elute PCR Purification Kit(BIO RAD)を用いて精製を行った。こうして得られた精製溶液をPCR産物溶液とした。
次に、PCR増幅された二重鎖のうち、以降の分析に使用しない方の鎖を酵素分解した。PCR産物溶液10μLに対して、λエクソヌクレアーゼ(Bio Labs)1μL、H2O(Molecular Biology Reagent、SIGMA)7μL、反応用緩衝液(Lambda Exonucleaseに添付されているものを使用)2μLを加え、合計20μLとした。これをPCR用サーマルサイクラーにセットし、37℃で1時間、75℃で10分間インキュベートした後、4℃で保持した。DNA断片とλエクソヌクレアーゼを除去するために、QIAquick Nucleotide Removal Kit(Qiagen)を用いて精製を行った。得られた一本鎖DNAを本発明のダンベル型一本鎖DNA断片とする。
5.ダンベル型一本鎖DNA断片のキャピラリー電気泳動
キャピラリー電気泳動装置としてP/ACE MDQ(Beckman Coulter)、キャピラリー管としてCEP coated capillary(有効長40.5cm、全長60.5cm: Agilent)を使用した。MilliQ水を20psiで1分間、つづいて50mMトリス−ホウ酸緩衝液(pH7.4)を20psiで1分間、キャピラリー管に加圧法によって導入し、管の内部を洗浄した。次に、DNA-PEG複合体(W8-PEG20kおよびM8-PEG5kをそれぞれ5.0μM)と7.0mM MgCl2を含む50mMトリス−ホウ酸緩衝液(pH7.4)を20psiで0.75分間、管内に導入した。さらに、先述の方法で調製した本発明の一本鎖DNA断片(正常体および一塩基変異体ともに濃度は約50nM)を50mMトリス−ホウ酸緩衝液(pH7.4)に溶解し、陰極側から0.5psiで10秒間、管内に導入した。キャピラリー管の温度を35℃に保持しながら、15kVの電圧を20分間印加して電気泳動を行った。ピーク検出はレーザー誘導蛍光検出器を使用した(励起波長488nm、検出波長520nm)。電圧印加後に、MilliQ水を20psiで1分間導入して管内を洗浄した。測定結果の例を図7に示す。
図7に示されるように、正常体及び一塩基変異体、並びに不純物の検出ピークを明確に区別することができた。正常体及び一塩基変異体、並びに不純物の泳動時間はそれぞれ10.2分、8.5分、6.9分であった。
このように、本発明の方法により作製された一本鎖DNA断片をウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動に使用することにより、一塩基変異体の検出ピークと正常体の検出ピークとを明確に分離識別できることが示された。
図1は、従来法に従ってコムギうどんこ病菌から調製した、薬剤感受性に関与するチトクロームbのコドン143部位を含む一本鎖DNA断片を用いたピーク検出の結果を示す。 図2は、本発明の一本鎖DNA断片の作製方法の概略を示す。 図3は、それぞれ配列番号1及び2で示される正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットを用いて、コムギうどんこ病菌由来の鋳型核酸から作製される、2つのステムループ構造を有する本発明の一本鎖DNA断片を示す。 図4は、それぞれ配列番号3及び4で示される正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットを用いて、コムギうどんこ病菌由来の鋳型核酸から作製される、2つのステムループ構造を有する本発明の一本鎖DNA断片を示す。 図5は、片末端にマレイミド基を有するポリエチレングリコール(PEG)と5'末端にチオール基を有するDNAとのマイケル付加反応の反応式、及びポリエチレングリコールと結合される、それぞれ野生型及び変異型に特異的にハイブリダイズする核酸の塩基配列を示す。 図6は、実施例で使用した、コムギうどんこ病菌のチトクロームbのコドン143部位を含む鋳型DNA配列と、プライマーセットの配列とを示す。 図7は、本発明の方法により作製した一本鎖DNA断片を用いたウィークアフィニティーキャピラリー電気泳動によって検出した、正常体及び一塩基変異体の検出、測定の結果を示す。

Claims (16)

  1. 2つのステムループ構造を有する一本鎖DNA断片の作製方法であって、以下のステップ:
    (a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の鋳型核酸を準備するステップ;
    (b)前記塩基変異部位を挟むように前記鋳型核酸にアニーリング可能な正方向プライマー及び逆方向プライマーからなるプライマーセットであって、以下の特徴:
    (i)正方向プライマーは、前記核酸のセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる、
    (ii)逆方向プライマーは、前記核酸のアンチセンス鎖配列と相同な10〜25塩基の配列と、その上流に、3〜10塩基のループ形成配列、該10〜25塩基の配列と相補的でかつ二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列、及び1〜15塩基のミスマッチ塩基とを順番に含む塩基配列からなる、
    (iii)前記正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方は、その5'末端がリン酸化されている、
    を有する前記プライマーセット用いて、前記鋳型核酸をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)により増幅するステップ;
    (c)増幅産物をエクソヌクレアーゼで処理して、5'末端リン酸化鎖を分解するステップ;並びに
    (d)分解したDNA断片とエクソヌクレアーゼとを除去し、前記一本鎖DNA断片を回収するステップ;
    を含む、前記方法。
  2. 前記正方向プライマー及び逆方向プライマーのいずれか一方又は双方が、その二本鎖形成可能な5〜15塩基の配列に少なくとも1つのミスマッチ塩基を含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 前記一本鎖配列が、ポリA配列からなることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 一本鎖DNA断片が、その5'側から順に、第1の一本鎖ミスマッチ部位、第1のステム形成部位、第1のループ形成部位、該第1のステム形成部位に相補的なステム形成部位、一塩基変異の検出対象となる塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位、第2のステム形成部位、第2のループ形成部位、該第2のステム形成部位に相補的なステム形成部位、及び第2の一本鎖ミスマッチ部位、の塩基配列を含み、ここで第1のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位、及び第2のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位が、それぞれステム部位を形成することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ形成部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
  6. 一本鎖DNA断片が少なくとも60merの長さであることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 正方向プライマー又は逆方向プライマーのいずれか一方の5'末端が標識されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって作製された一本鎖DNA断片であって、その5'側から順に、第1の一本鎖ミスマッチ部位、第1のステム形成部位、第1のループ形成部位、該第1のステム形成部位に相補的なステム形成部位、一塩基変異の検出対象となる塩基変異部位を含む一本鎖SNP部位、第2のステム形成部位、第2のループ形成部位、該第2のステム形成部位に相補的なステム形成部位及び第2の一本鎖ミスマッチ部位、の塩基配列を含み、第1のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位、及び第2のステム形成部位とそれに相補的なステム形成部位が、それぞれステム部位を形成し、かつ一本鎖SNP部位が5〜20塩基の長さであり、第1及び第2のステム形成部位が5〜15塩基の長さであり、第1及び第2のループ部位が3〜10塩基の長さであり、第1及び第2の一本鎖ミスマッチ部位が1〜15塩基の長さであることを特徴とする、上記一本鎖DNA断片。
  9. 以下のステップ:
    (a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の核酸を鋳型にして、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって一本鎖DNA断片を増幅し、作製するステップ;
    (b)一塩基変異を含む一塩基変異体又は一塩基変異を含まない正常体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な5〜20merの核酸断片を作製するステップ;
    (c)ステップ(b)で作製した5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、核酸−高分子複合体を合成するステップ;
    (d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び
    (e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップ;
    を含む、一塩基変異体の検出又は測定方法。
  10. 以下のステップ:
    (a)一塩基変異(SNP)の検出対象となる塩基変異部位を含む生物試料由来の核酸を鋳型にして、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法によって一本鎖DNA断片を増幅し、作製するステップ;
    (b)一塩基変異を含む一塩基変異体及び一塩基変異を含まない正常体の一本鎖SNP部位に完全に相補的な2種類の5〜20merの核酸断片を作製するステップ;
    (c)ステップ(b)で作製した2種類の5〜20merの核酸断片と水溶性高分子から、2種類の核酸−高分子複合体を合成するステップ;
    (d)ステップ(a)で作製した一本鎖DNA断片を、ステップ(c)で合成した2種類の核酸−高分子複合体を導入したキャピラリー管に導入して、キャピラリー電気泳動を実施するステップ;及び
    (e)正常体及び一塩基変異体を、それらの移動度の差に基づいて、定性的又は定量的に測定するステップ;
    を含む、一塩基変異体の検出又は測定方法。
  11. 正常体に対する5〜20mer核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量と、一塩基変異体に対する5〜20mer核酸断片と結合される水溶性高分子の分子量とが異なることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. 水溶性高分子が、水溶性のビニル系ポリマーであることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 水溶性高分子が、ポリエチレングリコール(PEG)であることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
  14. 核酸-高分子複合体が、核酸断片と水溶性高分子とを結合するリンカーを含むことを特徴とする、請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 一塩基変異体が、農薬耐性菌由来であることを特徴とする、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記農薬耐性菌が、コムギうどんこ病菌、イネいもち病菌又はキュウリ褐斑病菌である、請求項15に記載の方法。
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