JP2002186481A - 光学的特性の測定による核酸増幅産物の検出方法 - Google Patents

光学的特性の測定による核酸増幅産物の検出方法

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JP2002186481A
JP2002186481A JP2000383650A JP2000383650A JP2002186481A JP 2002186481 A JP2002186481 A JP 2002186481A JP 2000383650 A JP2000383650 A JP 2000383650A JP 2000383650 A JP2000383650 A JP 2000383650A JP 2002186481 A JP2002186481 A JP 2002186481A
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acid amplification
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Yasuyoshi Mori
安義 森
Norihiro Tomita
憲弘 富田
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Eiken Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光学的特性の測定による核酸増幅産物の検出
方法の提供。 【解決手段】 核酸増幅反応における反応液に偏光を通
過させ、その偏光の光学的特性を測定することによる核
酸増幅産物検出方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、核酸増幅産物の検
出方法、並びに核酸増幅反応の監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】核酸増幅反応によって得られた核酸増幅
産物を検出する最も一般的な方法は、増幅反応後の溶液
をアガロースゲル電気泳動にかけ、エチジウムブロマイ
ド等の蛍光インターカレーターを結合させて特異的な蛍
光を観察するというものである。他のDNAが混在するお
それがなく、増幅産物の有無のみを知りたい場合には、
電気泳動を省略して増幅反応後の溶液に蛍光インターカ
レーターを加えて蛍光を観察することも可能であるが、
これらの方法は、蛍光を観察するためのUVランプと暗室
が必要である。それ以外にも、蛍光色素をはじめとする
各種標識物質で標識したプライマーやヌクレオチドを用
いて増幅反応を行い、増幅産物に取り込まれた標識を観
察する方法もあるが、増幅産物に取り込まれなかったフ
リーの標識プライマー(あるいはヌクレオチド)を分離
する操作が必要であり、反応液量が微量である核酸増幅
反応には適さない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、より簡便な
核酸増幅産物の検出方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するため鋭意研究を行った結果、核酸増幅反応液を
通過した平面偏光の光学的特性が、通過前後で変化する
ことを見出し、該光学的特性を指標として高感度に核酸
増幅産物を検出し得ることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0005】すなわち、本発明は、核酸増幅反応におけ
る反応液に偏光を通過させ、その偏光の旋光度または円
偏光二色性を測定することによる核酸増幅産物検出方法
又は核酸増幅反応の監視方法である。また、本発明は、
核酸増幅反応における反応液を熱変性させ、熱変性に基
づく該反応液の旋光度または円偏光二色性の変化を指標
とした核酸増幅産物検出方法である。
【0006】核酸増幅反応としては、以下の工程: (a) ポリヌクレオチド鎖上の標的領域の3'末端から当該
ポリヌクレオチド鎖の3'末端方向に向かって順に第1の
任意配列F1c及び第2の任意配列F2cをそれぞれ選択し、
標的領域の5'末端から当該ヌクレオチド鎖の5'末端方向
に向かって順に第3の任意配列R1及び第4の任意配列R2を
それぞれ選択し、(b) 前記F2cに対し相補的な配列F2及
び該F2の5'側に前記F1cと同一の配列を含むプライマ
ー、並びに前記R2と同一の配列及び該配列の5'側に前記
R1に対し相補的な配列R1cを含むプライマーをそれぞれ
調製し、(c) 前記ヌクレオチド鎖を鋳型として、鎖置換
型ポリメラーゼ及び前記プライマーの存在下でDNA合成
反応を行うこと、を包含するものが挙げられる。
【0007】さらに、核酸増幅反応としては、以下の工
程: (a) ポリヌクレオチド鎖上の標的領域の3'末端から当該
ポリヌクレオチド鎖の3'末端方向に向かって順に第1の
任意配列F1c、第2の任意配列F2c及び第3の任意配列F3c
をそれぞれ選択し、標的領域の5'末端から当該ヌクレオ
チド鎖の5'末端方向に向かって順に第4の任意配列R1、
第5の任意配列R2及び第6の任意配列R3をそれぞれ選択
し、(b) 前記F2cに対し相補的な配列F2及び該F2の5'側
に前記F1cと同一の配列を含むプライマー、前記F3cに対
し相補的な配列F3を含むプライマー、前記R2と同一の配
列及び該配列の5'側に前記R1に対し相補的な配列R1cを
含むプライマー、並びに前記R3と同一の配列を含むプラ
イマーをそれぞれ調製し、(c) 前記ヌクレオチド鎖を鋳
型として、鎖置換型ポリメラーゼ及び前記プライマーの
存在下でDNA合成反応を行うこと、を包含するものも挙
げられる。上記増幅法をLAMP法という。LAMP法とは、DN
Aループ媒介等温増幅法(Loop-mediated isothermal am
plification)と呼ばれる増幅法である。以下、本発明
を詳細に説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明は、ポリヌクレオチド鎖上
の標的領域を増幅した後、増幅反応に伴い変化する光学
的特性(例えば、旋光度、円偏光二色性等)を指標とし
て核酸増幅産物を検出することを特徴とするものであ
る。 1.光学的特性の測定による増幅産物の検出 核酸増幅反応における反応液に平面偏光を通過させ、そ
の偏光の光学的特性を測定することによって核酸増幅産
物を検出することができる。ここで、光学的特性として
は、旋光度、円偏光二色性、偏光を構成する各成分の屈
折率、吸収等が挙げられる。旋光とは平面偏光を構成す
る右円偏光と左円偏光の速度の差(屈折率差)であり、
偏光面の回転として観察される。旋光度とは、(1)光学
活性化合物あるいはそれを含む溶液に平面偏光を通過さ
せたとき、その偏光面が回転する角度のこと、あるい
は、(2)入射光と同一平面で偏光している光の光量の減
少割合、あるいは、(3)入射光の偏光面とは任意の角度
で偏光している光の光量の増加割合を意味する。また、
旋光度は、波長λの単色偏光を用いて温度t℃で測定し
たときの旋光度を意味する。また、円偏光二色性とは、
平面偏光を構成する右円偏光と左円偏光の吸収の違いの
ことであり、楕円率θで表される。旋光度は旋光計を用
いて、円偏光二色性は円偏光二色性測定機を用いて測定
することができ。旋光計及び円偏光二色性測定機はいず
れも市販されており、市販の旋光計としては、SEPA-300
(堀場製作所社製)、Shodex OR-2(昭和電工社製)等が挙
げられ、市販の円偏光二色性測定機としては、J-805
(日本分光社製)等が挙げられる。
【0009】具体的には、反応液の光学的特性を指標と
して、該反応液について以下のように評価することがで
きる。増幅反応の反応液の旋光度が、増幅反応前に比べ
増幅反応後の方が増加していれば、増幅産物が反応液中
に生成されていると評価することができ、増加していな
ければ反応液中に増幅産物は生成されていないと評価す
ることができる。ここで、その増大の割合は、反応液中
に生成されている増幅産物の量及び長さと正の相関性が
ある。また、増幅反応の反応液の円偏光二色性が、増幅
反応前に比べ増幅反応後の方が増加していれば、増幅産
物が反応液中に生成されていると評価することができ、
増加していなければ反応液中に増幅産物は生成されてい
ないと評価することができる。ここで、例えば245nmで
反応液の円偏光二色性を測定した場合には、増幅産物が
生成されていれば負の方向に円偏光二色性は増大し、27
5nmで反応液の円偏光二色性を測定した場合には、増幅
産物が生成されていれば正の方向に円偏光二色性は増大
する。さらに、増幅反応後の反応液を熱等で変性処理
し、変性処理前よりも変性処理後の方が、旋光度が減少
していれば、増幅産物が反応液中に生成されていると評
価することができ、減少していなければ反応液中に増幅
産物は生成されていないと評価することができる。ま
た、二本鎖核酸の一本鎖核酸への変性にともない旋光度
が変化する現象は、その特異的な構造のために二本鎖を
形成しやすいLAMP産物と、他の光学活性成分(鋳型DN
A、アミノ酸、タンパク質等)とを区別することや測定
のSN比を改良するために利用することができる。
【0010】2.増幅反応 本発明の検出方法の一態様は、重合度の大きな増幅産物
ほど、大きな旋光度を示すという発見に基づいており、
従って、本発明の検出方法は、特に長鎖長の増幅産物が
得られる増幅反応における増幅産物の検出に適してい
る。そのような増幅反応としては、LAMP法が挙げられ
る。この他長鎖長の増幅産物が得られるLA(Long and Ac
curate)-PCR[Barnes, W.M.:Proc. Natl. Acad. Asci. U
SA 91, 2216-2220 (1994)]等を採用することもできる。
【0011】LAMP法は増幅対象となる塩基配列の末端に
ループ構造を形成し、そこを起点としてポリメラーゼに
よる伸長反応が起きると同時に、ループ内の領域にハイ
ブリダイズしたプライマーが、鎖置換反応により核酸鎖
を伸長しながら先の伸長反応の産物を1本鎖に解離させ
ていくというものである。生成した1本鎖核酸はその末
端に自己相補性領域を持つため、末端にループを形成し
新たな伸長反応が始まる。実際のLAMP法では等温で進行
するため、上に述べた反応は同時に並行して起こる。LA
MP法の特徴としては、等温で進行する鎖置換型の反応で
あることのほかに、増幅産物が標的配列が多数連結した
長鎖長のDNAであることが挙げられる。増幅産物が長鎖
長であるということは、本発明を適用する核酸増幅法と
しては好適であることを意味する。
【0012】(1) LAMP法 まず、LAMP法の概要を示す(図1及び図2)。LAMP法に
おいて、まず増幅の対象となる鋳型ポリヌクレオチドを
調製する。鋳型ポリヌクレオチド(DNA又はRNA)は、組
織又は細胞等の生物学的試料から公知方法により、ある
いは化学合成法により調製することができる。この場
合、増幅の標的領域の両側(標的領域の5'側及び3'側)
には、適当な長さの配列(両側配列という)が存在する
ように鋳型ポリヌクレオチドを調製する(図1A)。両
側配列とは、当該標的領域の5’末端からポリヌクレオ
チド鎖の5’末端までの領域の配列、及び当該標的領域
の3'末端からポリヌクレオチド鎖の3’末端までの領域
の配列を意味する(図1Aの両矢印(←→)部分)。両
側配列の長さは、標的領域の5'側及び3'側のいずれの領
域も、10〜1000塩基、好ましくは30〜500塩基である。
【0013】標的領域及び両側配列を含む鋳型ポリヌク
レオチド鎖(図1A)において、両側配列の中から任意
に所定の領域を選択する。すなわち、標的領域の3'末端
から当該ポリヌクレオチド鎖の3'末端方向に向かって、
順に第1の任意配列F1c、第2の任意配列F2c及び第3の
任意配列F3cをそれぞれ選択する(図1B)。同様に、標
的領域の5'末端から当該ポリヌクレオチド鎖の5'末端方
向に向かって、順に第4の任意配列R1、第5の任意配列
R2及び第6の任意配列R3をそれぞれ選択する(図1
B)。上記第1〜第6の配列は、それぞれ、調製された
ポリヌクレオチド鎖の配列に応じて任意に選択される。
選択する個々の領域は、それぞれ、5〜100塩基が好まし
く、10〜50塩基がさらに好ましい。この塩基の長さを選
択することにより、後述のプライマーがアニールしやす
くなる。
【0014】また、各任意配列は、LAMP法により得られ
る増幅産物が分子間アニールではなく、図2 LのようにF
1c配列とF1配列との間及びR1配列とR1c配列との間で分
子内アニールを優先的に生じ、末端ループ構造を形成す
るように選択することが好ましい。例えば、分子内アニ
ールを優先的に生じさせるためには、任意配列の選択に
当たって、F1c配列とF2c配列との間の距離及びR1配列と
R1c配列との間の距離を考慮することが重要である。具
体的には、両者各配列が、0〜500塩基、好ましくは0〜1
00塩基、最も好ましくは10〜70塩基の距離を介して存在
するように選択することが好ましい。ここで、数値はそ
れぞれ、F1c配列及びF2c配列自身並びにR1配列及びR2配
列自身を含まない塩基数を示している。
【0015】次に、FAプライマーと呼ばれるプライマー
を設計及び合成しておいて、これをF2cにアニールさせ
る。「FAプライマー」とは、F2c領域に相補的な配列で
あるF2配列と、F1cと同一の配列(便宜上F1cともいう)
とが連結されたものであって、F2の5'側に、F1c配列の
3'末端が連結した構造をしたものである(図1C)。ま
た、「アニール」とは、ヌクレオチド鎖が、ワトソン-
クリックの法則に基づく塩基対結合によって二本鎖構造
を形成することをいう。FAプライマーを鋳型ポリヌクレ
オチド鎖上のF2c配列にアニールさせた後は、FAプライ
マー中のF2を起点として、DNA鎖合成を開始させる(図
1D)。続いて、F3cに相補的な配列F3を含むプライマー
(以下、F3プライマーともいう)を鋳型ポリヌクレオチ
ド鎖のF3c配列にアニールさせる(図1D)。そして、ア
ニールさせたF3プライマーを起点として、鎖置換型DNA
鎖合成を行わせる(図1E)。「鎖置換型DNA鎖合成」と
は、FAプライマーによって合成された鎖を、F3プライマ
ーによって合成された鎖が置換するように合成が進む反
応を意味する。換言すれば、FAプライマーによって合成
された、鋳型ポリヌクレオチド鎖の相補鎖は、F3プライ
マーを起点として伸長した鎖によって剥離されるように
置換することを意味する。以上の合成反応によって、以
下の(i)及び(ii)の2種類のヌクレオチド鎖を得ることが
できる。
【0016】(i) 鋳型ポリヌクレオチド鎖中の配列
「(3')F3c-F2c-F1c-標的領域-R1-R2-R3(5')」に対して
相補的な配列「(5')F3-F2-F1-標的領域-R1c-R2c-R3c
(3')」を含むヌクレオチド鎖(図1F) (ii) 置換されて一本鎖となった(剥離された)ヌクレ
オチド鎖、すなわちその5'末端側にF1cと同一の配列を
有する「(5')F1c-F2-F1-標的領域-R1c-R2c-R3c(3')」を
含むヌクレオチド鎖(図1G) ここで、上記(ii)のヌクレオチド鎖において、F1とF1c
とは互いに相補的であるため、F1とF1cとの間の鎖内水
素結合によって両者はハイブリダイズし、ヘアピンルー
プが形成される(図1G)。そして、ヘアピンループ中に
F2が含まれる。
【0017】次に、上記(ii)のヌクレオチド鎖のR2c配列
に、「RAプライマー」と呼ばれるプライマーをアニール
させる。RAプライマーは、R2配列の5'側に、R1配列に対
して相補的な配列R1cの3'側が連結されている。そし
て、RAプライマーを合成起点としてDNA鎖合成を開始さ
せる(図1H)。RAプライマーを合成起点として合成さ
れた伸長DNAがF1とF1cとの間で形成される相補鎖部分に
達すると、図1Eに示す置換反応と同様にしてF1cの配列
が当該伸長DNAによって置換される(図1I)。続いて鋳
型ポリヌクレオチド鎖のR3cに、該配列に相補的な配列R
3を含むプライマー(以下、R3プライマーともいう)を
アニールさせる(図1I)。アニールさせたR3プライマ
ーを起点として、鎖置換型のDNA合成を行わせる(図2
J)。以上の合成反応によって、以下の(iii)及び(iv)の
2種類のヌクレオチド鎖が合成される。
【0018】(iii) 配列「(5')F1c-F2-F1-標的領域-R1c
-R2c-R3c(3')」に対して相補的なヌクレオチド鎖「(3')
F1-F2c-F1c-標的領域-R1-R2-R3(5')」(図2K) (iv) 最も3'末端側にF1を、最も5'末端側にR1cを有する
ヌクレオチド鎖「(3')F1-F2c-F1c-標的領域-R1-R2-R1c
(3')」(図2L) なお、上記(iv)の配列は、3'側に存在する配列F1とF1c
との間及び5'側に存在する配列R1とR1cとの間の鎖内水
素結合によってヘアピンループを形成する(図2L)。
【0019】次に、前記(iv)ヌクレオチド鎖のうち3'側
のヘアピンループ部分のF2cにFAプライマーのF2領域を
アニールさせる(図2M)。そして、鎖内水素結合によ
りアニールしているF1を合成起点としてDNA鎖合成を開
始させる。図1Mにおいて、F1を起点としてDNAが合成さ
れると、その鎖によってR1とR1cとで形成される2本鎖が
置換される。一方、F2を起点として反応が進むと、「F1
c-標的領域-R1-R2-R1c」で構成される鎖に対する相補鎖
が合成される。このとき、F1を起点として合成された鎖
「F1-標的領域-R1c-R2c-R1」は、上記F2を起点として合
成された鎖「F1-標的領域-R1c-R2c-R1」によって置換さ
れる。これによって、一本鎖突出構造「-標的配列-R1c-
R2c-R1」を有する二本鎖DNAが得られる。かかる一本鎖
突出構造部は、一本鎖突出構造部分(「R1c-R2c-R1」)
のR1cとR1との間で鎖内水素結合を形成することによっ
てヘアピンループを形成する(図2N)。この構造物
は、鎖内水素結合によりアニールしているR1を合成起点
としてDNA鎖合成を開始させる(図2N)。以上の合成反
応によって、以下の(v)及び(vi)の2種類のヌクレオチド
鎖を得る。
【0020】(v) 配列「(3')R1-R2-R1c-標的領域-F1-F2
-F1c-標的領域-R1-R2c-R1c-標的領域-F1-F2c-F1c-標的
領域-R1-R2-R1c(5')」(図2O) (vi) 最も3'末端側にF1cを、最も5'末端側にR1を有する
配列「(3')F1c-F2-F1-標的領域-R1c-R2c-R1(3')」(図
2P) 上記(v)及び(vi)のヌクレオチド鎖は、いずれも鎖内水
素結合によって、(v)についてはR2c、並びに(vi)につい
てはF2及びR2cをループ部分とするヘアピンループを形
成する。上記(v)及び(vi)の2つの配列においてヘアピ
ンループを形成しているR2c部分にはRAプライマーがア
ニールし、該プライマーを起点とするDNA合成が開始
し、標的配列を含むヌクレオチド鎖((vi)の配列に対す
る相補鎖)の合成が進む。この相補鎖は図2Lに示す配
列と同一であるので、以下、図2L〜Pの反応が繰り返さ
れる。一方、図1Aからの反応も進行し得るので、これ
らの一連の合成反応が繰り返されて、ポリヌクレオチド
鎖の増幅が進行する。
【0021】上記の増幅反応においては、FAプライマ
ー、RAプライマー、F3プライマー及びR3プライマーの4
種類のプライマーを用いて増幅反応を行うものである
が、F3プライマー及びR3プライマーを使用せずに、FAプ
ライマー及びRAプライマーの2種のプライマーのみを使
用することによっても、等温下での増幅反応を起こさせ
ることが可能である。すなわち、プライマーは少なくと
もそれがアニールすべき領域が1本鎖でなければアニー
ルすることはできないと考えられていた。そのため従来
は、2本鎖の核酸を鋳型とする場合には、プライマーの
アニールに先立って必ず変性によって1本鎖とする工程
が実施されてきた。しかし必ずしも完全な1本鎖としな
くとも、何らかの手段によって2本鎖が不安定化される
条件のもとで、プライマーとインキュベートすることに
より、プライマーのアニールが可能となる。2本鎖が不
安定化される条件としては、たとえば融解温度(以下、
Tmと省略する)近くにまで加温する方法を示すことがで
きる。あるいは、更にTm調整剤を存在させることも有効
である。
【0022】一連の反応は、酵素反応に好適なpHを与え
る緩衝剤、酵素の触媒活性の維持やアニールのために必
要な塩類、酵素の保護剤、更には必要に応じて融解温度
(Tm)の調整剤等の共存下で行う。緩衝剤としては、Tris
-HCl等の中性から弱アルカリ性に緩衝作用を持つものが
用いられる。pHは使用するDNAポリメラーゼに応じて調
整する。塩類としてはKCl、NaCl、あるいは(NH4)2SO4
が、酵素の活性維持と核酸の融解温度(Tm)調整のために
適宜添加される。酵素の保護剤としては、ウシ血清アル
ブミンや糖類が利用される。
【0023】更に融解温度(Tm)の調整剤には、ベタイ
ン、プロリン、ジメチルスルホキシド(以下、DMSOと省
略する)、あるいはホルムアミドが一般に利用される。
融解温度(Tm)の調整剤を利用することによって、前記オ
リゴヌクレオチドのアニールを限られた温度条件の下で
調整することができる。更にベタイン(N,N,N,-trimethy
lglycine)やテトラアルキルアンモニウム塩は、そのiso
stabilize作用によって鎖置換効率の向上にも有効であ
る。ベタインは、反応液中0.2〜3.0 M、好ましくは0.5
〜1.5 M程度の添加により、本発明の核酸増幅反応の促
進作用を期待できる。これらの融解温度の調整剤は、融
解温度を下げる方向に作用するので、塩濃度や反応温度
等のその他の反応条件を考慮して、適切なストリンジェ
ンシーと反応性を与える条件を経験的に設定する。
【0024】Tm調整剤を利用することにより、酵素反応
に好適な温度条件を容易に設定することができる。Tmは
プライマーと標的塩基配列の関係によって変動する。し
たがって、酵素活性を維持できる条件と、本発明の条件
を満たすインキュベーションの条件とが一致するよう
に、Tm調整剤の使用量を調整することが望ましい。本発
明の開示に基づいて、プライマーの塩基配列に応じて適
切なTm調整剤の使用量を設定することは、当業者にとっ
て自明である。たとえば、アニールする塩基配列の長さ
とそのGC含量、塩濃度、およびTm調整剤の濃度に基づい
て、Tmを算出することができる。
【0025】このような条件下における2本鎖の核酸に
対するプライマーのアニールは、おそらく不安定である
と推測される。しかし鎖置換型のポリメラーゼとともに
インキュベートすることにより、不安定ながらアニール
したプライマーを複製起点として相補鎖が合成される。
相補鎖が合成されれば、プライマーのアニールは次第に
安定化されることになる。
【0026】(2) 反応時間、融解温度との関係 LAMP法における反応は、鋳型となる1本鎖の核酸に対し
て、以下の成分を加え、FAプライマー及びRAプライマー
を構成する塩基配列が相補的な塩基配列に対して安定な
塩基対結合を形成することができ、かつ酵素活性を維持
しうる温度でインキュベートすることにより進行する。
インキュベート温度は50〜75℃、好ましくは55〜70℃で
あり、インキュベート時間は1分〜10時間、好ましくは5
分〜4時間である。
【0027】(i) 4種類のオリゴヌクレオチド(FAプラ
イマー、RAプライマー、F3プライマー及びR3プライマ
ー) (ii) 鎖置換型の相補鎖合成を行うDNAポリメラーゼ (iii) DNAポリメラーゼの基質となるヌクレオチド なお、上記LAMP法において使用するFAプライマー及びRA
プライマーをインナープライマー、F3プライマー及びR3
プライマーをアウタープライマーともいう。
【0028】アウタープライマーからのヌクレオチド鎖
合成は、インナープライマーからのヌクレオチド鎖合成
よりも後に開始される必要がある。これを達成する方法
として、(a)インナープライマーの濃度をアウタープラ
イマーの濃度よりも高く設定する方法、及び(b)インナ
ープライマーの融解温度(Tm:melting temperature)を
アウタープライマーの融解温度よりも高く設定する方法
などが挙げられる。具体的には、方法(a)は、インナー
プライマーの濃度をアウタープライマーの濃度よりも、
2〜50倍、好ましくは4〜25倍高く設定することにより
実施することができる。また、方法(b)は、式で表わす
ならば(F3-F3c領域間及びR3-R3c領域間の融解温度)≦(F
2-F2c領域間及びR2-R2c領域間の融解温度)≦(F1-F1c領
域間及びR1-R1c領域間の融解温度)と表すことができ
る。ここで、(F2-F2c領域間及びR2-R2c領域間の融解温
度)≦(F1-F1c領域間及びR1-R1c領域間の融解温度)とし
たのは、F2又はR2がループ部分にアニールするよりも先
にF1-F1c領域間又はR1-R1c領域間のアニールを行わせる
ためである。F1-F1c領域間又はR1-R1c領域間のアニール
は分子内の反応であるため、優先的に進行する可能性が
ある。しかし、より望ましい反応条件を設定するために
融解温度を考慮することは重要である。あるヌクレオチ
ド鎖と当該ヌクレオチド鎖の相補鎖により形成される二
本鎖の融解温度は、当該二本鎖の長さと塩基対合を構成
する塩基に組合わせにより理論的に算出することが可能
である。
【0029】また、上記鎖置換型の相補鎖合成反応を触
媒するポリメラーゼ(鎖置換型ポリメラーゼともいう)
としては、Bst DNAポリメラーゼ、Bca(exo-)DNAポリメ
ラーゼ、E. coli DNA ポリメラーゼIのクレノウフラグ
メント、Vent DNAポリメラーゼ、Vent(Exo-)DNAポリメ
ラーゼ(Vent DNAポリメラーゼからエクソヌクレアーゼ
活性を除いたもの)、DeepVent DNAポリメラーゼ、Deep
Vent(Exo-)DNAポリメラーゼ(DeepVent DNAポリメラー
ゼからエクソヌクレアーゼ活性を除いたもの)、Φ29フ
ァージDNAポリメラーゼ、MS-2ファージDNAポリメラー
ゼ、Z-Taq DNAポリメラーゼ(宝酒造)、KOD DNAポリメ
ラーゼ(東洋紡績)などが挙げられる。
【0030】増幅反応は、酵素反応に好適なpHを与える
緩衝剤、酵素の触媒活性の維持やアニールのために必要
な塩類、酵素の保護剤、更には必要に応じて融解温度(T
m)の調整剤等の共存下で行う。緩衝剤としては、Tris-H
Cl等の中性から弱アルカリ性に緩衝作用を持つものが用
いられる。pHは使用するDNAポリメラーゼに応じて調整
する。塩類としてはMgCl2、KCl、NaCl、(NH4)2SO4等が
挙げられ、酵素の活性維持と核酸の融解温度(Tm)調整の
ために適宜添加される。酵素の保護剤としては、ウシ血
清アルブミンや糖類が利用される。更に融解温度(Tm)の
調整剤には、ジメチルスルホキシド(DMSO)やホルムアミ
ドが一般に利用される。融解温度(Tm)の調整剤を利用す
ることによって、前記オリゴヌクレオチドのアニールを
限られた温度条件の下で調整することができる。更にベ
タイン(N,N,N,-トリメチルグリシン)やテトラアルキル
アンモニウム塩は、そのisostabilize作用によって鎖置
換効率の向上にも有効である。ベタインは、反応液中0.
2〜3.0M、好ましくは0.5〜1.5 M程度の添加により、本
発明の核酸増幅反応の促進作用を期待できる。これらの
融解温度の調整剤は、融解温度を下げる方向に作用する
ので、塩濃度や反応温度等のその他の反応条件を考慮し
て、適切なストリンジェンシーと反応性を与える条件を
経験的に設定する。
【0031】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。但し、本発明はこれら実施例にその技術的範
囲が限定されるものではない。 〔実施例1〕 旋光度及び円偏光二色性スペクトルの測定
に基づくLAMP反応増幅産物の検出
【0032】
【0033】上記反応液中に、LAMP反応の鋳型としてヒ
ト由来前立腺特異抗原(Prostate Specific Antigen:P
SA)遺伝子を6×10-20mol量添加した。なお、本増幅反
応においては鋳型中に含まれる以下の配列(配列番号
1)を目的ポリヌクレオチドとした。 5'-tgcttgtggcctctcgtggcagggcagtctgcggcggtgttctggtg
cacccccagtgggtcctcacagctgcccactgcatcaggaacaaaagcgt
gatcttgctgggtcggcacagcctgtttcatcctgaagacacaggccagg
tatttcaggtcagccacagcttcacacaccc-3'(配列番号1) 配列番号1において、標的配列、F1c、F2c、F3c、R1、R
2、R3に対応する領域は以下の通りである。
【0034】標的領域:配列番号1に示す塩基配列の第
91〜102番目(12bp) F1c:配列番号1に示す塩基配列の第68〜90番目(23bp) F2c:配列番号1に示す塩基配列の第26〜44番目(19bp) F3c:配列番号1に示す塩基配列の第1〜18番目(18bp) R1:配列番号1に示す塩基配列の第103〜122番目(22bp) R2:配列番号1に示す塩基配列の第139〜161番目(23bp) R3:配列番号1に示す塩基配列の第162〜178番目(17bp)
【0035】次いで、以下の配列を有するプライマーを
反応液中に入れ65℃で1時間反応させた。 〔プライマー〕 (インナープライマー) 1.6 μM FAプライマー 5'-tgttcctgatgcagtgggcagctttagtctgcggcggtgttctg-3'
(配列番号2) 1.6 μM RAプライマー 5'-tgctgggtcggcacagcctgaagctgacctgaaatacctggcctg-
3'(配列番号3) (アウタープライマー) 0.4 μM F3プライマー 5'-tgcttgtggcctctcgtg-3'(配列番号4) 0.4 μM R3プライマー 5'-gggtgtgtgaagctgtg-3'(配列番号5)
【0036】(2) LAMP反応増幅産物の検出 LAMP反応前、LAMP反応中及びLAMP反応後の反応液の旋光
度を旋光計SEPA-300(HIRIBA社製)を用い、以下の測定
条件下で測定した。また、反応系中のDNA量を蛍光イン
ターカレーター法(反応系中のDNA量をエチジウムブロ
マイドによって測定する方法)によって測定した。
【0037】〔旋光度の測定条件〕 測定温度:27℃ セル:100mmセル(2.5ml) 光源:ナトリウムD線(589nm) 測定結果を表1に示した。反応前のLAMP溶液には、プラ
イマー及びdNTPsという光学活性化合物が含まれるが、
濃度が薄いために旋光度測定値は0であった。ところ
が、LAMP反応が進行し溶液中のDNA量が増大するに従っ
て、旋光度の値が増加した。反応前後では、反応系中の
不斉炭素数は変わらないので、旋光度の増加は、dNTPが
重合したことに起因する。つまりモノマーのdNTPsより
も、ポリマーのDNAの方が高い旋光性を示すということ
である。以上より、旋光度を指標として増幅産物を検出
することができることが判明した。
【0038】
【表1】
【0039】また、LAMP反応前及びLAMP反応後の反応液
の円偏光二色性スペクトルを、円偏光二色性測定器J-80
5(日本分光社製)を用い測定した。
【0040】測定結果を表2に示した。表2から明らか
なように、増幅反応の前後で円偏光二色性スペクトルに
差が現れた。すなわち、波長245nmでは負のコットン効
果の増大が、波長275nmでは正のコットン効果の増大が
観察された。前記のように、反応前後では、反応系中の
不斉炭素数は変わらないので、旋光度の増加は、dNTPが
重合したことに起因する。以上より、円偏光二色性を指
標として、増幅産物を検出することができることが判明
した。
【0041】
【表2】
【0042】〔実施例2〕 旋光度に及ぼすDNA重合度
の影響 DNAの重合度と旋光度との関係を調べるため、重合度の
異なる各化合物の旋光度を測定した。すなわち、dNTP
s、43merのオリゴssDNA(配列番号6)、LAMP反応増幅産
物(実施例1において得られたもの)、1000bpラダー、
λ-DNAをモノマー単位でいずれも0.4mMの濃度になるよ
うに調製し、実施例1と同じ条件下で、各調製物の旋光
度を調べた。測定結果を表3に示した。
【0043】
【表3】
【0044】最も重合度の低いdNTPsが最も小さい旋光
度を示し、最も重合度の高いλ-DNAが最も高い旋光度を
示した。旋光度測定においては、前記のように、全ての
測定サンプルはモノマー単位で濃度をそろえてあるた
め、これらの旋光度の違いは、DNAの重合度の差に起因
するものである。すなわち、重合度が高くなるに従っ
て、旋光度の高くなり、このことより、旋光度を指標と
して重合度を見積もることが可能であることが判明し
た。
【0045】〔実施例3〕 旋光度に及ぼす核酸の二次
構造の影響 旋光度に及ぼす核酸の二次構造の影響を調べるため、λ
-DNAとLAMP反応増幅産物を用い、熱変性前の二本鎖を形
成している状態の時の旋光度と熱変性により一本鎖とし
た時の旋光度を測定した。すなわち、モノマー単位で0.
4mMになるように調製したλ-DNA(48000bp)及びLAMP反
応増幅産物(数100〜数1000)について、95℃での5分
間の熱処理を施す前と後の旋光度を、実施例1と同じ測
定条件下で測定した。なお、前記熱処理後は各サンプル
は氷上で急冷した。結果を表4に示した。表4から明ら
かなように、変性前の二本鎖DNAの方が、変性後の一本
鎖DNAよりも旋光度が大きかった。このことより、増幅
反応産物を熱変性させ、変性前後で旋光度が変化するか
否かを指標として、核酸増幅産物を検出することができ
ることが判明した。
【0046】
【表4】
【0047】
【発明の効果】本発明により、核酸増幅産物の新たな検
出方法が提供される。本発明の方法によれば、反応系の
旋光度を測定することにより増幅産物を検出することが
できるので、きわめて簡便である。また、旋光度は核酸
増幅産物の量と相関性があるので、本発明は増幅反応の
モニタリングにも利用できる。
【0048】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> EIKEN CHEMICAL CO., LTD. <120> METHOD OF DETECTING AMPLIFIED PRODUCTS OF GENE <130> P00-0690 <160> 6 <170> PatentIn Ver. 2.0 <210> 1 <211> 178 <212> DNA <213> Homo sapiens <400> 1 tgcttgtggc ctctcgtggc agggcagtct gcggcggtgt tctggtgcac ccccagtggg 60 tcctcacagc tgcccactgc atcaggaaca aaagcgtgat cttgctgggt cggcacagcc 120 tgtttcatcc tgaagacaca ggccaggtat ttcaggtcag ccacagcttc acacaccc 178 <210> 2 <211> 44 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 2 tgttcctgat gcagtgggca gctttagtct gcggcggtgt tctg 44 <210> 3 <211> 45 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 3 tgctgggtcg gcacagcctg aagctgacct gaaatacctg gcctg 45 <210> 4 <211> 18 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 4 tgcttgtggc ctctcgtg 18 <210> 5 <211> 17 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 5 gggtgtgtga agctgtg 17 <210> 6 <211> 43 <212> DNA <213> Artificial Sequence <220> <223> Description of Artificial Sequence:synthetic DNA <400> 6 aaaattcccc taattcgatg aggtcggcgc atagcatata aca 43
【0049】
【配列表フリーテキスト】配列番号2:合成DNA 配列番号3:合成DNA 配列番号4:合成DNA 配列番号5:合成DNA 配列番号6:合成DNA
【図面の簡単な説明】
【図1】LAMP法による増幅方法の概要を示す図である。
【図2】LAMP法による増幅方法の概要を示す図である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 核酸増幅反応における反応液に偏光を通
    過させ、その偏光の旋光度または円偏光二色性を測定す
    ることによる核酸増幅産物検出方法。
  2. 【請求項2】 核酸増幅反応における反応液を熱変性さ
    せ、熱変性に基づく該反応液の旋光度または円偏光二色
    性の変化を指標とする核酸増幅産物検出方法。
  3. 【請求項3】 核酸増幅反応が、以下の工程: (a) ポリヌクレオチド鎖上の標的領域の3'末端から当該
    ポリヌクレオチド鎖の3'末端方向に向かって順に第1の
    任意配列F1c及び第2の任意配列F2cをそれぞれ選択し、
    標的領域の5'末端から当該ヌクレオチド鎖の5'末端方向
    に向かって順に第3の任意配列R1及び第4の任意配列R2を
    それぞれ選択し、 (b) 前記F2cに対し相補的な配列F2及び該F2の5'側に前
    記F1cと同一の配列を含むプライマー、並びに前記R2と
    同一の配列及び該配列の5'側に前記R1に対し相補的な配
    列R1cを含むプライマーをそれぞれ調製し、 (c) 前記ヌクレオチド鎖を鋳型として、鎖置換型ポリメ
    ラーゼ及び前記プライマーの存在下でDNA合成反応を行
    うこと、により行われるものである請求項1又は2に記
    載の核酸増幅産物検出方法。
  4. 【請求項4】 核酸増幅反応が、以下の工程: (a) ポリヌクレオチド鎖上の標的領域の3'末端から当該
    ポリヌクレオチド鎖の3'末端方向に向かって順に第1の
    任意配列F1c、第2の任意配列F2c及び第3の任意配列F3c
    をそれぞれ選択し、標的領域の5'末端から当該ヌクレオ
    チド鎖の5'末端方向に向かって順に第4の任意配列R1、
    第5の任意配列R2及び第6の任意配列R3をそれぞれ選択
    し、 (b) 前記F2cに対し相補的な配列F2及び該F2の5'側に前
    記F1cと同一の配列を含むプライマー、前記F3cに対し相
    補的な配列F3を含むプライマー、前記R2と同一の配列及
    び該配列の5'側に前記R1に対し相補的な配列R1cを含む
    プライマー、並びに前記R3と同一の配列を含むプライマ
    ーをそれぞれ調製し、 (c) 前記ヌクレオチド鎖を鋳型として、鎖置換型ポリメ
    ラーゼ及び前記プライマーの存在下でDNA合成反応を行
    うこと、により行われるものである請求項1又は2に記
    載の核酸増幅産物検出方法。
  5. 【請求項5】 核酸増幅反応における反応液に偏光を通
    過させ、その偏光の旋光度または円偏光二色性を測定す
    ることによる核酸増幅反応の監視方法。
  6. 【請求項6】 核酸増幅反応が、以下の工程: (a) ポリヌクレオチド鎖上の標的領域の3'末端から当該
    ポリヌクレオチド鎖の3'末端方向に向かって順に第1の
    任意配列F1c及び第2の任意配列F2cをそれぞれ選択し、
    標的領域の5'末端から当該ヌクレオチド鎖の5'末端方向
    に向かって順に第3の任意配列R1及び第4の任意配列R2を
    それぞれ選択し、 (b) 前記F2cに対し相補的な配列F2及び該F2の5'側に前
    記F1cと同一の配列を含むプライマー、並びに前記R2と
    同一の配列及び該配列の5'側に前記R1に対し相補的な配
    列R1cを含むプライマーをそれぞれ調製し、 (c) 前記ヌクレオチド鎖を鋳型として、鎖置換型ポリメ
    ラーゼ及び前記プライマーの存在下でDNA合成反応を行
    うこと、を包含するものである請求項5に記載の核酸増
    幅反応の監視方法。
  7. 【請求項7】 核酸増幅反応が、以下の工程: (a) ポリヌクレオチド鎖上の標的領域の3'末端から当該
    ポリヌクレオチド鎖の3'末端方向に向かって順に第1の
    任意配列F1c、第2の任意配列F2c及び第3の任意配列F3c
    をそれぞれ選択し、標的領域の5'末端から当該ヌクレオ
    チド鎖の5'末端方向に向かって順に第4の任意配列R1、
    第5の任意配列R2及び第6の任意配列R3をそれぞれ選択
    し、 (b) 前記F2cに対し相補的な配列F2及び該F2の5'側に前
    記F1cと同一の配列を含むプライマー、前記F3cに対し相
    補的な配列F3を含むプライマー、前記R2と同一の配列及
    び該配列の5'側に前記R1に対し相補的な配列R1cを含む
    プライマー、並びに前記R3と同一の配列を含むプライマ
    ーをそれぞれ調製し、 (c) 前記ヌクレオチド鎖を鋳型として、鎖置換型ポリメ
    ラーゼ及び前記プライマーの存在下でDNA合成反応を行
    うこと、を包含するものである請求項5に記載の核酸増
    幅反応の監視方法。
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