以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、図示を省略するが、外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図40を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図40参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、遊技球を上皿部材5に払い出すための遊技球払出装置109が、裏機構盤102に配設されている(図40を参照)。
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図42参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図42参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図41参照)及び演出ボタン基板228(図42参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」とが配置されている(図1を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
本体枠3の前面部であって、遊技盤10よりも下方に位置するとともに、左端側に位置する部位には、発射装置ユニット(図示を省略)が配設されている。そして、発射ハンドル9は、この発射装置ユニットに接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を、略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、図6に示すように、化粧枠21と、取付枠部材28と、演出表示装置27と、可動演出装置70とを備えている。また、遊技盤本体10Aの略中央部には、開口形状が略矩形の貫通孔10Kが形成されている。更に、取付枠部材28は、領域形成部10Bの裏面部(後面部)に装着され、演出表示装置27を構成する液晶パネル27Pと、可動演出装置70とを内部に収納している。
化粧枠21は、図4に示すように、領域形成部10Bの前面部に装着される板状体によって構成され、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位に配設されている。この化粧枠21には窓部形成孔21dが設けられ、この窓部形成孔21dによって正面視で略矩形状の表示窓21eを構成している。
化粧枠21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、外側レール12に近接し、頂部から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着されている。また、取付部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状態に装着され、取付部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に装着されている。更に、左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内部に進入させる。
ステージ部材21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成するが、この転動面は左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面とされている。但し、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球をメイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部は、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部は、この中央部よりも下方の位置で開口している。
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部の直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
取付枠部材28は、図6に示すように、略箱形状に構成され、正面形状が略矩形とされる背板28Aと、背板28Aの周縁部より立ち上げられた周壁部28Bと、周壁部28Bの突端から屈曲状に突出する取付代28Cと、を備えている。また、背板28Aの上方側に位置する部位には、正面視で略矩形状の貫通孔28Eが設けられている。そして、取付枠部材28は開口部28Dを前方に向けるとともに、貫通孔28Eと「遊技盤本体10Aの貫通孔10K」とを前後に位置合わせした状態にて、遊技盤本体10Aにビス止め固定されている。
背板28Aの後面であって、貫通孔28Eの周縁に位置する部位からは突起28Fが突出している。この突起28Fは、貫通孔28Eの開口形状に対応して、開口形状が略矩形の筒形状に構成され、演出表示装置27を構成する液晶パネル27Pの後方側の部分が挿入されている。この演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものであり、後述する右下表示装置60と同様に、特別図柄の変動表示及び停止表示を行う。
但し、この演出表示装置27においては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(図柄変動表示)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を表示するための図柄表示装置を構成し、演出表示装置27が疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を表示するための図柄表示装置を構成する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図5(b)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた演出表示(変動表示)と、停止表示等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景図柄と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができる。これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出図柄」の一具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出表示」が実現される。
図6に示すように、表示画面27a(液晶パネル27Pの前面部)と、領域形成部10Bの後面部(裏面部)との間には空き空間(以下、「上部空き空間」という。)28Gが設けられている。また、背板28Aの前面部と、領域形成部10Bの後面部(裏面部)との間であって、上部空き空間28Gの直下に位置する部位にも、空き空間(以下、「下部空き空間」という。)28Hが設けられ、この下部空き空間28Hと、上部空き空間28Gは上下に連続している。
下部空き空間28Hは、可動演出装置70が収納される空間を構成し、上部空き空間28Gは、昇降ユニット80(後述する。)が出没する演出空間を構成する。次に、可動演出装置70の機械的な構造について、図6〜図36を用いて簡単に説明する。
可動演出装置70は、図7に示すように、ベース部材71と、固定部材72と、スライド支持部材73と、ラックギア74と、第1の歯車75Lと、第2の歯車75Rと、第1のカム部材76Lと、第2のカム部材76Rと、第1のモータ77と、バネ78と、昇降ユニット80とを備える。なお、昇降ユニット80は「装飾部材」の具体例を構成する。なお、「第1の歯車75L」は、各請求項の発明に示す「歯車」の具体例を示し、後述する「第1の歯列74e」は各請求項の発明に示す「歯車」の具体例を示す。また、「第1のカム部材76L」は、各請求項の発明に示す「カム部材」の具体例を示す。
ベース部材71は、「取付枠部材28を構成する周壁部28B」に固定される部材であり(図6を参照)、「可動演出装置70を構成する他の部材」を支持する。このベース部材71は、図8に示すように、略板状に構成される本体部71aと、本体部71aの下縁部及び左右の側縁部から本体部71aの前面側に突出するリブ71bと、を備える。そして、本体部71aは、下部空き空間28Hにおいて、前面を正面前方に向けた状態に配置され、表示窓21eの前方からは視認不可能な状態とされる(図6を参照)。
本体部71aの前面からは、複数種類の突起71c、71d、71e、71f、71g、71hが突出している。具体的には、本体部71aの前面の左端側上端に位置する部位には、バネ78の一端部を支持するための突起(以下、「バネ支持突起」という。)71cが設けられている。また、図8及び図9(a)に示すように、バネ支持突起71cの右斜め下方には、第1のモータ77を支持するための一対の突起(以下、「モータ突起」という。)71d、71eが、上下に所定の間隔をおいて設けられている。
図8及び図9(b)に示すように、上方のモータ突起71dの右隣に位置する部位と、本体部71aの前面の右端側下端に位置する部位とには、ラックギア74を支持するための突起(以下、「ラックギア突起」という。)71f、71gが設けられている。また、図8及び図9(c)に示すように、本体部71aの表面には、固定部材72を支持するための複数の突起(以下、「固定支持突起」という。)71hが設けられている。
図8及び図9(c)に示すように、本体部71aの上下方向中間部であって、左右方向中間部よりも左側に位置する部位には、第1の歯車75Lの回転軸を支持するための軸受部71jが形成されている。また、本体部71aの上下方向中間部であって、左右方向中間部よりも右側に位置する部位には、第2の歯車75Rの回転軸を支持するための軸受部71kが形成されている。なお、両軸受部71j、71kは、所定の間隔をおいて水平に並ぶ状態に設けられるとともに、対応する歯車75L、75Rの回転軸の後方側部分を支持するための軸受孔71mを、本体部71aの前面及び後面を貫通する状態に備える。
図10に示すように、固定部材72は、略板形状に構成される基板部72aと、基板部72aの後面周縁部から後方に突出するリブ72bと、を備えている。また、図11及び図12に示すように、固定部材72は、基板部72aと本体部71aとが前後に略平行になるようにしつつ、ベース部材71に取着されている。つまり、基板部72aの後面の周縁部側の複数箇所に、対応する固定支持突起71hの突端部を当接させ、固定部材72の前方からビス止めすることで、固定部材72はベース部材71に固定されている。つまり、基板部72aの周縁部側の複数箇所に設けられた挿通孔72cを通じて、固定支持突起71hにビスを螺着することで、固定部材72はベース部材71に固定されている。
図10及び図12に示すように、基板部72aの左端側と右端側には、「昇降ユニット80(後述する。)を上下にスライド可能な状態に支持するためのガイド孔72e、72f」が設けられている。これらのガイド孔72e、72fは、上下に長尺に設けられるとともに、基板部72aの表裏面を貫通している。また、図11及び図12に示すように、固定部材72を、ベース部材71に固定すると、本体部71aの前面と、基板部72aの後面との間には空間部72bが形成されている。そして、この空間部72bに、ラックギア74と、第1の歯車75Lと、第2の歯車75Rと、第1のカム部材76Lと、第2のカム部材76Rと、バネ78(図7を参照)とが配置されている(図11では図示を省略)。
図10(a)に示すように、固定部材72の左下端部には、昇降ユニット80が最下方位置(後述する「下降位置」)にあるか否かを判断するためのフォトセンサ(フォトインタラプタ)72gが取り付けられている。このフォトセンサ(フォトインタラプタ)72gは、透過型のものであり、位置検出基板226Aを介してサブ制御基板220(後述する。)に接続されている。また、このフォトセンサ72gは、LEDで構成される発光素子と、フォトトランジスタで構成される受光素子と、所定の間隔をおいて向かい合う状態に配置した構成を備える。そして、このフォトセンサでは、発光素子と受光素子との間の空間部が上方に開放されるとともに、昇降ユニット80の被検知部(図示を省略)が進入可能なサイズを有している。そして、被検知部が、この空間部に進入し、「発光素子から出た光を遮断する状態(発光素子からの光が受光素子に入光しない状態)」となると、昇降ユニット80が「最下方位置」に到達したことが検知される。但し、本実施例では、第1のモータ77としてステッピングモータを使用するため、サブ制御基板220は、第1のモータ77に供給する駆動信号(駆動パルス)の総数をカウントすることによっても、昇降ユニット80の高さ位置を把握することができる。
図13(a)及び(b)に示すように、基板部72aにおいて軸受部71jと前後に位置合わせされる部位には、第1の歯車75Lの回転軸を支持するための軸受部72hが設けられ、軸受部71kと前後に位置合わせされる部位には、第2の歯車75Rの回転軸を支持するための軸受部72kが設けられている。なお、両軸受部72j、72kは、所定の間隔をおいて水平に並ぶ状態に設けられるとともに、対応する歯車75L、75Rの回転軸の前方側部分を支持するための軸受孔72mを、基板部72aの前面及び後面を貫通する状態に備える。
図7に示すように、スライド支持部材73は、昇降ユニット80(後述する。)の右側部を上下にスライド可能な状態に支持するための部材であり、固定部材72の右端側前方を跨ぐような状態で、基板部72aの前面に装着されている。このスライド支持部材73は、図14に示すように、基板部72aの前面において、左右中間部よりも右寄りの上下2カ所から各々突出する脚部73a、73bと、両脚部73a、73bの突端部間に掛け渡される後方支持部73cと、後方支持部73cの前面側に装着される前方支持部73dと、を備える。
上方の脚部73aは略矩形状とされつつ、固定部材72の右端側よりも上方に位置する部位から前方に突出し、突端部を固定部材72の前面よりも前方に位置させている。また、下方の脚部73bは、略矩形状とされつつ、固定部材72の右端側よりも下方に位置する部位から前方に突出し、突端部を固定部材72の前面よりも前方に位置させている。
後方支持部73cは、上下に長尺な略板形状に構成され、固定部材72の右端側の前方に配置されている。このため、両脚部73a、73bと、後方支持部73cとは、略門形状を構成しつつ固定部材72の右端側の前方を跨ぐ状態に配置されている。また、後方支持部73cの左端面前方側は、右側に向かって段差状に凹む凹部(後方支持部73cの左端面の他の部位よりも、右方向に段差状に凹む部位であって、以下、「スライド転動面73e」という。)とされている。また、後方支持部73cの前面右端側には、3個の支持突起73fが設けられている。これらの支持突起73fは、後方支持部73cの前面左端側において、上下に略等間隔に配設されている。
前方支持部73dは、上下に長尺な略板形状に構成され、右端側の3カ所を対応する支持突起73fの突端に当接させた状態で、前方支持部73dの前方からビス止めすることで、後方支持部73cに装着されている。この「前方支持部73dの後面において、支持突起73fで支持される部位よりも左側の部位(以下、前方スライド面73gという。)」と、「後方支持部73cの前面において、スライド転動面73eよりも右側の部位(以下、後方スライド面73hという。)」とは略平行に配置されている。そして、前方スライド面73gと後方スライド面73hとの間には、上下に長尺な空間部が形成され、昇降ユニット80(後述する。)は、この空間部の略「上下幅」を越えない範囲で昇降可能とされる。
図15に示すように、ラックギア74は、中間部の2カ所に屈曲部74a、74bを備えるものであり、本体部71aの前面側で、斜め上下方向(傾斜方向)に沿って変位可能(斜めにスライド可能)とされている。このラックギア74は、上方の屈曲部74aよりも上方(斜め上方)に位置する第1のラックギア部74cと、下方の屈曲部74bよりも下方(斜め下方)に位置する第2のラックギア部74dと、上下の屈曲部74a、74b間に位置する中間部74vと、を備える。
ラックギア74を、本体部71aの前面側に装着すると、第1のラックギア部74cと第2のラックギア部74dの傾斜度(傾斜角)は等しくされる(軸心が略平行とされる)が、中間部74vの傾斜度(左方向への上がり傾斜角)は、両ラックギア部74c、74dよりも大きくされている。また、第1のラックギア部74cの傾斜状に配置される下面には、第1の歯列74eが形成され(歯が連続配置され)、第1のラックギア部74cの傾斜状に配置される上面74fは、平滑面(歯が形成されていない面)とされている。また、第2のラックギア部74dの傾斜状に配置される上面には、第2の歯列74gが形成され(歯が連続配置され)、第2のラックギア部74dの傾斜状に配置される下面74hは、平滑面(歯が形成されていない面)とされている。更に、第1のラックギア部74cの上面74fの下端側には突起部74jが設けられている。
図15及び図16に示すように、第1の歯車75L(ピニオンギア)及び第2の歯車75R(ピニオンギア)としては、同一の欠け歯歯車を用いている。これらの歯車75L、75Rは、歯車本体75aと、歯車本体75aの軸心位置から前後に突出する回転軸75bと、を備える。また、歯車本体75aは略円板形状に構成され、外周部の略2/3に歯部75dを設けるとともに、外周部のうちで歯部75dが形成されていない部位(欠け歯部)に突起75vを設けている。なお、この突起75vを、歯車75L、75Rの回転位置を検出するためのインデクッスとして用いることもできる。
図16に示すように、回転軸75bは、歯車本体75aの前後でサイズ及び形状が異なっている。つまり、回転軸75bのうちで、歯車本体75aの後方に突出する部分(以下、「後方突出部75c」という。)は、略円柱形状(断面が略真円)とされている。そして、第1の歯車75Lの後方突出部75cは、「ベース部材71に設けられた左側の軸受部71jの軸受孔71m」に挿入され、この軸受部71jによって回転可能な状態に支持されている。また、第2の歯車75Rの後方突出部75cは、「ベース部材71に設けられた右側の軸受部71kの軸受孔71m」に挿入され、この軸受部71kによって回転可能な状態に支持されている(図13を参照)。
図16に示すように、回転軸75bのうちで、歯車本体75aの前方に突出する部分(以下、「前方突出部75c」という。)は、後方突出部75cよりも外形が大きな略柱形状とされている。この前方突出部75cの断面(軸心に垂直な断面)は、真円ではなく、軸心回りに非対称(例えば、外周の一部を弦状に切り欠いた非真円型の断面)を有している。そして、第1の歯車75Lの前方突出部75cは、「固定部材72に設けられた左側の軸受部72jの軸受孔72m」に挿入され、この軸受部72jによって回転可能な状態に支持されている。また、第2の歯車75Rの前方突出部75cは、「固定部材72に設けられた右側の軸受部72kの軸受孔72m」に挿入され、この軸受部72kによって回転可能な状態に支持されている。但し、両前方突出部75cの突端部75e、75fは、対応する軸受部72j、72kを通過して固定部材72の前方に突出している(図13を参照)。
図12に示すように、第1のカム部材76Lは、固定部材72の前面部において、「第1の歯車75Lを構成する前方突出部75cの突端部75e」にビス止め固定され、第1の歯車75Lと一体で回転可能とされている。また、第2のカム部材76Rは、固定部材72の前面部において、「第2の歯車75Rを構成する前方突出部75dの突端部75f」にビス止め固定され、第2の歯車75Rと一体で回転可能とされている(図18を参照)。ここで、第1のカム部材76Lと、第2のカム部材76Rは鏡面対象(線対称)な構造を備える点を除いて同様な構成を備える。
図17に示すように、カム部材76L、76Rは、アーム部76aと、支持軸76bと、支持ローラ76cとを備える。このうち、アーム部76aは、一端側で幅が広く、他端側で幅が狭くされた板形状に構成され、前面側に向かって容器状に膨らむ取付部76dを一端側に備えている。また、取付部76dの内部空間は、アーム部76aの後方に向かって開放されるとともに、その空間形状は、前方突出部75c、75dの突端部75e、75fを嵌合可能な形状(凹凸を反転させた形状)とされている。
支持軸76bは、アーム部76aの他端側において、軸心を正面前方に向けつつ前方に突出する状態に設けられている。また、支持ローラ76cは支持軸76bによって回転可能な状態(支持ローラ76cの軸心回りに回転可能な状態)に支持されている。
図12に示すように、第1のカム部材76Lにおいては、前方突出部75cの突端部75eを取付部76dに嵌合した状態で、ビスを取付部76dの前方から装着することで、取付部76dが突端部75eにビス止めされている。これにより、第1のカム部材76Lは、アーム部76aの他端側(支持ローラ76c)を、取付部76dよりも右側に配置した状態で、第1の歯車75Lと一体で回転可能とされている(図18を参照)。
図12に示すように、第2のカム部材76Rにおいては、前方突出部75dの突端部75fを取付部76dに嵌合した状態で、ビスを取付部76dの前方から装着し、取付部76dが突端部75fにビス止めされている。これにより、第2のカム部材76Rは、アーム部76aの他端側(支持ローラ76c)を、取付部76dよりも左側に配置した状態で、第2の歯車75Rと一体で回転可能とされている(図18を参照)。
図9及び図15に示すように、第1のモータ77は、ステッピングモータであり、駆動軸77aを前方に向けた状態で、モータ突起71d、71eによって支持されている。また、駆動軸77aには、歯車77bが一体回転可能な状態に装着されている。
図15に示すように、ラックギア74は、その軸心を斜め左上がり傾斜状に配置しつつ、2個のガイドローラ71m、71nと、歯車77bとを用いて、ベース部材71の前面に直線的な変位が可能な状態(直線的に動作可能な状態)に装着されている。つまり、図9(b)に示すように、ベース部材71の前面左上方側のラックギア突起71fには、ガイドローラ71mが回転可能な状態に装着され、ベース部材71の前面右下方側のラックギア突起71gにも、ガイドローラ71nが回転可能な状態に装着されている。
そして、図15に示すように、ガイドローラ71mの外周面が、第1のラックギア部74cの上面74fに対して、その上方から当接し、ガイドローラ71nの外周面が、第2のラックギア部74dの下面74hに対して、その下方から当接する状態とされている。また、第1のラックギア部74cの下面の第1の歯列74eに対して、歯車77bが下方から噛合している。更に、第1の歯列74eにおいて、歯車77bの噛合位置よりも下方側の部位に対して、第1の歯車75Lが下方から噛合し、第2のラックギア部74dの上面の第2の歯列74gには、第2の歯車75Rが上方から噛合している。なお、第1の歯車75L及び第2の歯車75Rの歯部のピッチは等しくされるとともに、第1の歯列74eを構成する歯のピッチと、第2の歯列74gを構成する歯のピッチも等しくされている。
本可動演出装置70において、第1のモータ77が駆動を停止していると、ラックギア74は、その軸心を斜めに向け、上下をガイドローラ71m、71nに支持されつつ、ベース部材71の前面側で停止した状態とされる。そして、第1のモータ77の駆動軸77aを、一方の回転方向(図18の矢印Aの方向であって、以下、「上昇回転方向」という。)に回転し、歯車77bを「上昇回転方向」に回転させると、ラックギア74は斜め左上方に変位する(図18の矢印Bの方向)。一方、第1のモータ77の駆動軸77aを、「上昇回転方向」とは逆の回転方向(以下、「下降回転方向」という。)に回転し、歯車77bを「下降回転方向」に回転させると、ラックギア74は斜め右下方に変位する(図15を参照)。
本可動演出装置70においては、第1のモータ77の駆動を制御することで、傾斜方向に変位するラックギア74の動作範囲(変位範囲)を一定の範囲に収めている。また、ラックギア74が、この動作範囲(変位範囲)中の何れの位置に位置していても、第1の歯列74eに第1の歯車75Lが噛合し、第2の歯列74gに第2の歯車75Rが上方から噛合するように、第1の歯車75L及び第2の歯車75Rが、本可動演出装置70に組み込まれている。換言すると、「第1の歯車75Lの欠け歯部が第1の歯列74eに対向する事態」と、「第2の歯車75Rの欠け歯部が第2の歯列74gに対向する状態」とが生じないように、第1の歯車75L及び第2の歯車75Rが、本可動演出装置70に組み込まれている。
本可動演出装置70においては、ラックギア74の直線的な変位(「図20矢印C方向への変位、つまり、図19の位置から図20の位置への変位」、若しくは、「図20の位置から図19の位置への変位」)に伴って、第1の歯車75Lと第2の歯車75Rとが反対方向に回転する(例えば、図21の矢印Dの方向と、Fの方向)。このとき、第1のカム部材76Lは、第1の歯車75Lと一体で第1の歯車75Lと同一方向に回転し、第2のカム部材76Rは、第2の歯車75Rと一体で第2の歯車75Rと同一方向に回転する。そして、終始(第1のカム部材76Lと第2のカム部材76Rに回転を生じているか否かに係わらず)、第1のカム部材76Lの支持ローラ76cと、第2のカム部材76Rの支持ローラ76cは、第1の歯車75Lの回転軸心と、第2の歯車75Rの回転軸心との間に配置される。
しかも、左側に配置される「第1のカム部材76Lの支持ローラ76c」の高さ位置と、右側に配置される「第2のカム部材76Rの支持ローラ76c」の高さ位置は、終始(第1のカム部材76Lと第2のカム部材76Rに回転を生じているか否かに係わらず)、左右方向(水平方向)に同一高さとされる。また、両支持ローラ76cは、昇降ユニット80の被押圧部(被押圧リブ81hの下面h1であって、後述する。)を押圧するための押圧部を構成する。そして、両支持ローラ76cが、被押圧部をバランス良く押圧するため(昇降ユニット80の重心を通過する仮想線を基準に対称な位置を押圧するため)、両支持ローラ76cが上下すると、昇降ユニット80が円滑に昇降する。
バネ78はコイルスプリングを用いて構成される引っ張りバネであり、付勢手段の具体例を構成する。また、図15に示すように、一端部をベース部材71のバネ支持突起71cに固定し、他端部をラックギア74の突起部74jに固定している。そして、ラックギア74が、右斜め下方に変位し、ラックギア74が「昇降ユニット80を最下方位置とする位置」に到達したとき、バネ78は、「昇降ユニット80の重量に起因してラックギア74に負荷される荷重」よりも僅かに小さな付勢力を、ラックギア74に負荷する構成とされている。つまり、図21に示すように、昇降ユニット80の重量は、被押圧リブ81hの下面h1を通じて、「第1のカム部材76Lの支持ローラ76c」と「第2のカム部材76Rの支持ローラ76c」に伝達され、更に、「左側の支持ローラ76cと一体回転可能に配置される第1の歯車75L」と、「右側の支持ローラ76cと一体回転可能に配置される第2の歯車75R」とに伝達される。このため、図20に示すように、昇降ユニット80の重量は、「ラックギア74を右斜め下方に変位させる荷重(FW)」として、ラックギア74が負荷されることになる。なお、ラックギア74の「直線的な変位方向」のうちの一方を示す「左斜め下方」は、「第1の変位方向」の具体例を構成し、ラックギア74の「直線的な変位方向」のうちの他方を示す「右斜め下方」は、「第2の変位方向」の具体例を構成する。
駆動軸77aが回転を停止しているときには、ラックギア74は歯車77bによって、変位しない状態にロックされているが、駆動軸77aの回転を開始する場合には、駆動軸77aのトルクによって、前述の荷重(FW)に対抗しつつ、ラックギア74を左斜め上方に変位させることが必要となる。但し、図20に示すように、バネ78がラックギア74に対して、左斜め上方に向う付勢力(FS)を負荷しているとともに、この付勢力(FS)が、「前述の荷重(FW)の約90%の大きさ」に設定されているため、駆動軸77aのトルクが、たとえ小さくしても、昇降ユニット80を円滑に上昇させることができる。換言すると、本実施例では、第1のモータ77として、トルクの小さいモータを使用することができる。
次に、昇降ユニット80について説明する。この昇降ユニット80は、外郭部材81と、羽根開閉ユニット85とを備える。このうち、外郭部材81は、図11に示すように、前面側に配置される外郭本体81Aと、後面側に配置される後壁部81Bとを備えている。また、外郭本体81Aは、図22に示すように、略板形状に構成される基体部81cと、正面視で略リング形状に構成されるとともに基体部81cの上方に配置される羽根支持部81dと、を備える。
基体部81cの裏面において、左側縁側に位置する部位からは左リブ81eが突出し、右側縁側に位置する部位からは右リブ81fが突出するとともに、下縁側に位置する部位からは底リブ81gが突出している(図23を参照)。また、基体部81cの裏面において、底リブ81gと所定の間隔(支持ローラ76cの直径よりも僅かに大きな間隔)をおいた部位からは、被押圧リブ81hが突出している(図23を参照)。この「被押圧リブ81hの下面h1」と、「底リブ81gの上面h2」は、何れも水平とされつつ上下に対向するとともに、支持ローラ76cの直径よりも僅かに大きな間隔をおいて平行とされている。なお、被押圧リブ81hの下面h1は、被押圧部の具体例を構成する。
図22に示すように、基体部81cの裏面において右リブ81fの下端側に近接する部位には、補助リブ81jが設けられ、この補助リブ81jと、右リブ81fの下端側とによって左支持軸81kが保持されている。この左支持軸81kは、軸心を左右に向けつつ、その左端側の部分を基体部81cの左側方に突出させるとともに、この左端側の部分に円筒状の支持筒体81mが回転可能な状態に装着されている。
図22及び図24に示すように、羽根支持部81dは、略円筒形状に構成される本体部81nと、本体部81nの前面部(前方の開口端)に配置される前壁部81pと、本体部81nの内壁部から略リング状に突出する内壁部81qと、を備える。このうち、内壁部81qは、本体部81nの前後方向中間部において、本体部81nの半径方向に沿った内側に向かって略リング状に突出している。また、前壁部81pは、本体部81nの前端部において、「本体部81nの半径方向に沿った内側」に向かって略リング状に突出するとともに、内周縁の半径が、内壁部81qの内周縁の半径と等しくされている。
図22及び図24に示すように、内壁部81qの前面部の4カ所(略90度間隔の4カ所)からは、略円筒状の支持突起81rが突出している。この支持突起81rは、その軸心位置に支持孔81sを開口させている。また、前壁部81pにおいて、各支持孔81sの正面前方に位置する部位には、支持孔81tが設けられている。そして、この前後に対向する支持孔81t、81sを用いて、支持部材81uが回転可能な状態に支持されている。
支持部材81uは、図24に示すように、略円筒状に構成され、外周部(外周部において、軸心方向に沿って中間に位置する部位)に周回溝81vを備えている。また、軸心に設けられた挿通孔81wに支持軸81xを挿通させるとともに、「支持軸81xのうちの挿通孔81wの前方に露呈する前端部」を前壁部81pの支持孔81tに嵌合させ、「支持軸81xのうちの挿通孔81wの後方に露呈する後端部」を内壁部81qの支持孔81tに嵌合させている。そして、支持部材81uは、本体部81nの内側であって、軸心周りに離間する4箇所において回転可能な状態に支持されている。
図11に示すように、後壁部81Bは、外郭本体81Aの裏側に蓋状に装着され、外郭本体81Aとともに略容器状の外郭部材81を構成する。この後壁部81Bも、図25に示すように、略板形状に構成される基体部82cと、正面視で略リング形状に構成されるとともに基体部82cの上方に配置される羽根支持部82dと、を備える。
図25及び図26に示すように、基体部82cの裏面下端側における左端側と右端側とからは、ガイド突起82d、82eが突出している。また、左側のガイド突起82dが、左ガイド孔72eに挿通され、右側のガイド突起82eが、左ガイド孔72fに挿通されている。また、ガイド突起82d、82eにおいて、基板部72aの後方に突出する部位には、「ガイド突起82d、82eのガイド孔72e、72fからの抜け」を防止するための抜け止め部材82f、82gが装着される。そして、昇降ユニット80(外郭部材81)が昇降すると、ガイド突起82d、82eは対応するガイド孔72e、72f内を上下にスライド可能とさせている。
図26に示すように、外郭部材81(外郭本体81Aと、後壁部81Bの一体品)の右端下方側であって、左支持軸81kの装着位置よりも下方には、支持軸82hが、軸心を前後に貫通させた状態で装着されている(なお、図22では、支持軸82hの前端部が基体部81cの前方に突出する状態を図示している。)。また、支持軸82hにおいて、後壁部81Bの後方に突出する後端部には、円板状に構成される転動支持部材82jが回転可能な状態に装着されている。
そして、外郭部材81の右端側は、支持筒体81mと、転動支持部材82jとを用いて、スライド支持部材73により上下にスライド可能な状態に支持されている。つまり、図27に示すように、支持筒体81mは、前方スライド面73gと後方スライド面73hとの間に回転しつつ上下にスライド可能な状態に挿入されている。また、転動支持部材82jは、外周面をスライド転動面73eに当接させ、外郭部材81の昇降に伴い、スライド転動面73eを転動可能とされている。
図26及び図27に示したように、昇降ユニット80(外郭部材81)は、外郭部材81の背面左右において、ガイド突起82d、82eをガイド孔72e、72fに対して上下にスライド可能な状態に装着するとともに、外郭部材81の右端側において、支持筒体81mと、転動支持部材82jとを用いて上下にスライド可能な状態に支持されている。そして、図15及び図19に示すように、ラックギア74を最下方位置に位置させたときに、「第1のカム部材76Lの支持ローラ76c」と、「第2のカム部材76Rの支持ローラ76c」は、最下方位置に位置しつつ、「被押圧リブ81hの下面h1」に対して下方から当接する(図21の実線のカム部材76L、76R等を参照)。
この状態で、第1のモータ77の駆動軸77aを上昇回転方向に回転して、ラックギア74を左斜め上方に変位させると、第1の歯車75L及び第1のカム部材76Lは、正面から見て左回転方向に回転し、第2の歯車75R及び第2のカム部材76Rは、正面から見て右回転方向に回転する。これにより、図21に示すように、「第1のカム部材76Lの支持ローラ76c」は、正面から見て左回転方向への回転軌跡を描きつつ上昇するとともに、「第2のカム部材76Rの支持ローラ76c」は、右回転方向への回転軌跡を描きつつ上昇する。
ここで、第1のモータ77を駆動させると、両支持ローラ76c、76cの高さ位置が変化するが、両支持ローラ76c、76cの高さ位置の変化量は常に等しくされる。つまり、右側の支持ローラ76cの高さ位置と、左側の支持ローラ76cの高さ位置は、第1のモータ77の駆動に対応して同一量だけ変化する(上下方向への変位量が常時、同一とされる。)。しかも、左右の支持ローラ76c、76cは、第1のモータ77の駆動の有無を問わずに、被押圧リブ81hの下面h1に常時、当接しているとともに、左右の支持ローラ76c、76cが当接する位置は、昇降ユニット80の重心位置から等距離とされている。つまり、被押圧リブ81hの下面h1において、左右の支持ローラ76c、76cが当接する位置は、第1のモータ77の駆動量や駆動の有無を問わずに、重心を通過する仮想線を基準として対称な位置とされている。
図18及び図20に示すように、「第1のカム部材76Lの支持ローラ76c」と、「第2のカム部材76Rの支持ローラ76c」とが、反対方向に回転しつつ上昇すると、昇降ユニット80(外郭部材81)は上昇する。この後、ラックギア74を右斜め下方に変位させると、「第1のカム部材76Lの支持ローラ76c」は、正面から見て右回転の回転軌跡を描きつつ下降するとともに、「第2のカム部材76Rの支持ローラ76c」は、正面から見て左回転方向への回転軌跡を描きつつ下降するため、昇降ユニット80(外郭部材81)は下降する。
後壁部81Bの羽根支持部82dは、外郭部材81の羽根支持部81dの後方側の開口部に装着され、この開口部を封止する。また、羽根支持部82dは、図25(a)に示すように、その軸心位置に、前後に貫通する貫通孔82vを備えるとともに、貫通孔82vの周縁部から略円筒状の内壁82wを突出させている。
羽根開閉ユニット85は、図11に示すように、後方歯車部材85aと、支持円板85bと、前方歯車部材85cと、負荷歯車85dと、伝達部材86と、3個の羽根部材87A、87B、87C(図7を参照)と、第2のモータ88(図7及び図26を参照)と、駆動歯車88cと、中間歯車88dと、意匠歯車88e(図7を参照)とを備える。
後方歯車部材85aは、図11及び図24に示すように、支持円板85bを用いて、外郭部材81の内部に回転可能な状態に支持されている。つまり、後方歯車部材85aは、軸心を前後に向けて配置される略円板形状に構成されるとともに外周部に歯部を設けた本体部85fと、本体部85fの後面において本体部85fと同心状の略円筒形に突出する突出部85gと、本体部85fの前面において突出する係合突起85hと、を備える。また、本体部85fの外周側の4カ所(軸心周りに略90度ずつ隔てた4カ所)には、連結孔85jが設けられている。
支持円板85bは、図28及び図29に示すように、本体部85fよりも外径が僅かに大きな円板を用いて構成されるとともに、後方歯車部材85aの前面に装着され、後方歯車部材85aと一体で回転可能とされている。つまり、支持円板85bには、本体部85fの連結孔85jと前後に位置合わせされる螺合孔85kと、係合突起85hを係合(嵌合)可能な係合孔85mが設けられている。そして、係合突起85hを係合孔85mに係合(嵌合)するとともに、本体部85fの後方からビス85nを装着して、このビス85nを螺合孔85kに螺合することで、支持円板85bと、後方歯車部材85aとが一体化されている。
図28及び図29に示すように、支持円板85bにおいて、螺合孔85kよりも「支持円板85bの半径方向に沿った外側に位置する部位」には、後述する羽根部材87A、87B、87Cとの連結に関与する連結孔85pが設けられている。
図29に示すように、支持円板85bが、後方歯車部材85aの前面に装着されると、支持円板85bの外縁部G2は、後方歯車部材85aの外縁部G1よりも、「支持円板85bの半径方向に沿った外側」に位置することになる。また、支持円板85bが、後方歯車部材85aの前面に装着されると、支持円板85bの回転軸心と、後方歯車部材85aの回転軸心は同一線上に揃えられる。そして、支持円板85bの外縁部G2の4カ所が、「回転可能な支持部材81uの周回溝81v」に嵌り込んだ状態とされるため(図24を参照)、後方歯車部材85a及び支持円板85bの一体品は、それらの軸心周りに回転可能とされている。
負荷歯車85dは、後方歯車部材85aに、回転に対する抵抗を負荷するための歯車である。また、図11に示すように、前後の基体部81c、82c間において、軸心を前後に向けて配置される軸受部材85pを用いて、回転可能な状態に支持されている。そして、負荷歯車85dは、後方歯車部材85aの直下に位置しつつ、その外周部に設けられた歯部を、後方歯車部材85aの歯部に噛合させている。
前方歯車部材85cは、図11に示すように、羽根支持部81dの前面部において、回転軸心を後方歯車部材85aの回転軸心に同心状に揃えた状態で配置されるとともに、伝達部材86を介し、支持円板85bに対して相対変位な可能な状態で状態に支持されている。この前方歯車部材85cは、図28及び図30に示すように、略リング状に構成されるとともに外周部に歯部85qを形成した本体部85pと、本体部85pの内周縁よりも内側で前方に向かって略ドーム状に膨らみ出るレンズ部85rと、を備える。
本体部85pには、3個の伝達孔D1と、3個のカム溝D2とが肉厚方向(前後方向)に貫通する状態で、各々3個ずつ設けられている。そして、伝達孔D1が、前方歯車部材85cに負荷された駆動力を、後方歯車部材85aに伝達することを主目的とするものであり、カム溝D2が、羽根部材87A、87B、87Cに回転を加えることを主目的とするものである。
伝達孔D1は、図30に示すように、前方歯車部材85cの回転軸心N周りに等間隔(略120度の間隔)に、3個設けられている。この伝達孔D1は、「前方歯車部材85cの回転軸心」を中心とする仮想円C1に沿って略円弧状(仮想円C1の約1/36の長さの円弧)に形成されている。ここで、伝達孔D1は、長孔の長軸を円弧状に湾曲させた開口形状を備え、その中心部を基準として、回転軸心N回りに右回転方向(正面視)に位置する端部(以下、「第1端部」という。)E1と、回転軸心N回りに左回転方向(正面視)に位置する端部(以下、「第2端部」という。)E2とを備える。
カム溝D2も、回転軸心N周りに等間隔(略120度の間隔)に、3個設けられている。このカム溝D2は、第1端部E1の近傍(伝達孔D1よりも、回転軸心N周りに、時計回り方向に位置する近傍)において、略円弧状に設けられている。但し、カム溝D2の曲率中心は、前方歯車部材85cの外周の外側に設けられるとともに、中間部を仮想円C1と交差させている。そして、カム溝D2も、長孔の長軸を円弧状に湾曲させた開口形状を備え、仮想円C1よりも回転軸心Nに近接する側に位置する端部(以下、「内側端部」という。)P1と、仮想円C1よりも回転軸心Nに離間する側に位置する端部(以下、「外側端部」という。)P2とを備える。
羽根部材87A、87B、87Cは、図11に示すように、伝達部材86を介して、支持円板85bに支持されている。そして、図31(a)に示すように、前方歯車部材85cが正面視で右回転方向に回転すると、3個の羽根部材87A、87B、87Cは閉じた状態(閉状態)となって、当該3個の羽根部材87A、87B、87Cが一体化され、リング形状体87Dを構成する。また、図31(b)に示すように、前方歯車部材85cが正面視で左回転方向に回転すると、3個の羽根部材87A、87B、87Cは開いた状態(開状態)となる。
羽根部材87A、87B、87Cは、図32に示すように、鳥の羽根を模した形状の羽根本体87aを備える。ここで、羽根本体87aは、正面視で円弧状に湾曲しているが、羽根部材87A、87B、87Cが開状態のときに、「本体部85pの外周縁の外側に突出する端部」を一端部87vと称し、「レンズ部85rの前方に位置することになる端部」を他端部97dと称する。また、羽根本体87aにおいて、「リング形状体87Dの内周縁を構成する縁部」を内縁部87eと称し、「リング形状体87Dの外周縁を構成する縁部」を外縁部87fと称する。
羽根本体87aは、図29に示すように、略容器形状に構成され、前面に配置される前壁部87sと、前壁部87sの周縁部から後方に突出する周壁部87tと、を備える。また、羽根本体87aは、一端部87v側を「羽根先」を模した形状(正面視)としている。そして、周壁部87tの突端部において、内縁部87e側であって、しかも、一端部87vと他端部87dとの中間に位置する部位から係合突起86bを突出させている。この係合突起86bは、略円柱形状とされ、前述のカム溝D2に挿入、カム溝D2内を摺動状態で移動可能とされている。
前壁部87sにおいて、内縁部87eと外縁部87fとの中間の部位であって、しかも、「係合突起86bが突出する部位」よりも「羽根本体87aの他端部97d側」に位置する部位には、装着孔87uが設けられている(図28を参照)。そして、図32(a)に示すように、この装着孔87uは、略円形の開口形状を備えつつ前壁部87sを前後に貫通する状態に設けられている。そして、この装着孔87uを用いて、羽根本体87aに伝達部材86が装着されている。
伝達部材86は、図28に示すように、軸体部86aと、抜け止め部材86xとを備え、連結部材86cを介して支持円板85bに固定される。また、軸体部86aは、軸体部86aの前方側部分を構成するとともに前端部側にフランジ部86vを具備する大径部86dと、軸体部86aの後方側部分を構成するとともに大径部86dの後端部に比べて外径が段差状に小さくされた小径部86eと、を備える。また、「大径部86dにおいて、フランジ部86vよりも軸体部86aの前端部側に位置する部位(以下、「挿入部86w」という。)が、装着孔87uに対して摺動可能な状態で挿入可能なサイズとされている。また、軸体部86aの前端部に装着される大きな抜け止め部材86xと、フランジ部86vの外径は、装着孔87uの内径よりも大きくされている。
連結部材86cは、図23(b)に示すように、正面視で略「8の字形状」とされる板状体である。そして、図29に示すように、軸体部86aの後端部と、支持円板85bとの間に介在される。また、図23(c)に示すように、連結部材86cは、その長手方向に2個の貫通孔87f、87gを並べた構成を備える。なお、連結部材86cは、その長手方向を支持円板85bの径方向に向けつつ、支持円板85bの前面側に配置される。
伝達部材86は、羽根部材87A、87B、87C及び支持円板85bに対して、以下のように装着されている。つまり、図29に示すように、挿入部86wが装着孔87uに対して挿入され、フランジ部86vの前面部が前壁部87sの後面部に当接する状態とされるとともに、軸体部86aの前端部(大径部86dの前端部)と前壁部87sの前面部とが略面一とされる。そして、この軸体部86aの前端部に抜け止め部材86xが装着され、この抜け止め部材86xとフランジ部86vとが前壁部87sを前後に挟み込む状態とされる。このとき、「装着孔87uと挿入部86wとの間」、「フランジ部86vの前面部と前壁部87sの後面部との間」及び「抜け止め部材86xの後面部と前壁部87sの前面部との間」にクリアランスが設けられるため、羽根本体87aは、伝達部材86の軸心回りに回転可能とされている。また、この状態で、大径部86dの後端側及び小径部86eは、羽根本体86aの後方に突出する状態とされる。
羽根本体86aの後方に突出する小径部86eは、伝達孔D1に挿通され、伝達孔D1内を摺動状態で移動可能とされている。また、軸体部86aの後端部(小径部86eの後端部)は、支持円板85bの近傍まで到達し、この後端部と、支持円板85bとの間に連結部材86cを介在させた状態で、この後端部と、支持円板85bとビス止めされている。つまり、軸体部86aの後端部(小径部86eの後端部)で開口するネジ孔と、連結部材86cの貫通孔87fと、支持円板85bの連結孔85pとを前後に位置合わせし、支持円板85bの後方からビス86hを装着することで、伝達部材86は支持円板85bと一体で回転可能とされている。なお、前述の螺合孔85kに螺合されるビス85nの先端部は、連結部材86cの貫通孔87gにも螺合される。
図33に示すように、第2のモータ88は、駆動軸88aを後方に配置した状態で、基体部82cに装着されている(図12を参照)。また、駆動軸88aには、駆動歯車88cが一体回転可能な状態に装着され、基体部82cの前面左端側に中間歯車88dが回転可能な状態に装着されている。そして、駆動歯車88cと前方歯車部材85cとの間に中間歯車88dが介在されているため(駆動歯車88cと中間歯車88dとが噛合し、中間歯車88dと前方歯車部材85cとが噛合しているため)、第2のモータ88の駆動力は、前方歯車部材85cに伝達される。なお、基体部82cの前面右端側には、意匠歯車88eが回転可能な状態に装着されるとともに、この意匠歯車88eが、前方歯車部材85cに噛合しているため、前方歯車部材85cが回転すると、意匠歯車88eも回転する。また、第2のモータ88は、ステッピングモータであり、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220(後述する。)に接続され、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220(後述する。)から送信される制御信号を用いて制御される。
次に、昇降ユニット80を構成する羽根部材87A、87B、87Cの開閉態様について説明する。まず、図31(a)に示すように、羽根部材87A、87B、87Cが閉状態にあるときに、第2のモータ88の駆動軸88aを第1の所定回転方向(以下、「閉状態回転方向」という。)に回転させ、前方歯車部材85cを正面視で左回転方向に回転すると、前方歯車部材85cは、伝達部材86、羽根本体86a、支持円板85b及び後方歯車部材85aよりも、僅かに先行して、左回転方向への回転を開始する。つまり、伝達孔D1の円弧長に相当する位相分だけ、前方歯車部材85cが先行して、左回転方向に回転する。
この前方歯車部材85cの先行回転の間に、図34及び図35に示すように、伝達孔D1は小径部86eを挿入し、カム溝D2は係合突起86bを挿通した状態で、左回転方向に先行して回転する。ここで、図34及び図35において、実線で示す「伝達孔D1(B)及びカム溝D2(B)」が先行回転開始前の位置を示し、破線で示す「伝達孔D1(A)及びカム溝D2(A)」が先行回転後の位置を示している。
この前方歯車部材85cの先行回転の間に、伝達孔D1は小径部86eに先行して左回転方向に回転し、カム溝D2は係合突起86bに先行して左回転方向に回転する。このとき、小径部86e及び係合突起86bは停止しているため、小径部86eの挿入位置は、伝達孔D1の第1端部E1側に移行する。ところが、伝達孔D1は、前方歯車部材85cの回転軸心を曲率中心とする略円弧状の経路を描くが、カム溝D2は、前方歯車部材85cの回転軸心を中心とする仮想線と交差しつつ、左回転方向側で、前方歯車部材85cの回転軸心を曲率中心に近くなる経路を描く。
つまり、カム溝D2は、前方歯車部材85cの外縁部の外側に曲率中心を配しつつ、左回転方向側で前方歯車部材85cの回転軸心を曲率中心に近くなり、右回転方向側で前方歯車部材85cの回転軸心を曲率中心から遠ざかるような経路を描く。そして、前方歯車部材85cの先行回転の間、小径部86eの挿入位置が、第1端部E1側に移行する際に、小径部86eとの距離を保とうとする係合突起86bは、カム溝D2内を外側端部P2の側に移行する。
このとき、係合突起86bが、小径部86eの軸心周りに左回転方向に回転するため、羽根部材87A、87B、87Cは開状態に移行しようとする。そして、小径部86eが第1端部E1に当接し、係合突起86bが外側端部P2に当接したところで、羽根部材87A、87B、87Cは開状態(全開状態)に移行する。この後、前方歯車部材85cの左回転方向への回転を継続すると、前方歯車部材85c、伝達部材86、羽根本体86a、支持円板85b及び後方歯車部材85aは一体回転するため、羽根部材87A、87B、87Cは開状態を維持しつつ、左回転方向(正面視)に回転する。
一方、図31(b)に示すように、羽根部材87A、87B、87Cが開状態にあるときに、第2のモータ88の駆動軸88aを第1の所定回転方向と反対方向(以下、「閉状態回転方向」という。)に回転させ、前方歯車部材85cを正面視で右回転方向に回転すると、前方歯車部材85cは、伝達部材86、羽根本体86a、支持円板85b及び後方歯車部材85aよりも、僅かに先行して、右回転方向(正面視)への回転を開始する。つまり、図36に示すように、伝達孔D1の円弧長に相当する位相分だけ、前方歯車部材85cが先行して、右回転方向に回転する(伝達孔D1と、カム溝D2が実線で示す位置から破線で示す位置に移動する。)。
この前方歯車部材85cの先行回転の間に、伝達孔D1は小径部86eを、カム溝D2は係合突起86bを、各々、挿通した状態で、右回転方向に先行して回転する。つまり、伝達孔D1は、小径部86eに先行して右回転方向に回転し、カム溝D2は係合突起86bに先行して右回転方向に回転する。このとき、小径部86e及び係合突起86bは停止しているため、小径部86eの挿入位置は、伝達孔D1の第2端部E2側に移行し、係合突起86bの挿入位置は、カム溝D2の内側端部P1に移行する。
そして、前方歯車部材85cの先行回転の間、小径部86eの挿入位置が、第2端部E2側に移行する際に、小径部86eとの距離を保とうとする係合突起86bは、カム溝D2内を内側端部P1の側に移行する。このとき、係合突起86bが、小径部86eの軸心周りに右回転方向に回転するため、羽根部材87A、87B、87Cは閉状態に移行しようとする。そして、小径部86eが第2端部E2に当接し、係合突起86bが内側端部P1に当接したところで、羽根部材87A、87B、87Cは閉状態(全閉状態)に移行する。この後、前方歯車部材85cの右回転方向(正面視)への回転を継続すると、前方歯車部材85c、伝達部材86、羽根本体86a、支持円板85b及び後方歯車部材85aは一体回転するため、羽根部材87A、87B、87Cは閉状態を維持しつつ、右回転方向(正面視)に回転する。
次に、図37及び図38を用いて、可動演出装置70の駆動態様を説明する。先ず、可動演出装置70による演出を行わない場合には、図37(a)に示すように、昇降ユニット80を、最下方位置(下降位置)とするとともに、羽根部材87A、87B、87Cの開閉態様を閉状態に維持する。つまり、図15に示すように、ラックギア74の高さ位置を最下方位置(下降位置)に維持する(第1のモータ77を、駆動停止状態に維持する)とともに、羽根部材87A、87B、87Cの開閉態様を閉状態に維持する(第2のモータ88を、駆動停止状態に維持する)。なお、以下の説明において、可動演出装置70の高さ位置が、最下方位置であるとともに、羽根部材87A、87B、87Cの開閉態様が閉状態に維持される状態を「基本状態」ということがある。
図37(b)に示すように、昇降ユニット80を上昇させる演出を行う場合、第1のモータ77を、駆動するとともに、羽根部材87A、87B、87Cの開閉態様を閉状態に維持する。つまり、第2のモータ88の駆動を停止した状態で、第1のモータ77の駆動軸77aを上昇回転方向に回転させ、ラックギア74の高さ位置を最上方位置(上昇位置)に変位させる(図18を参照)。これにより、第1の歯車75L及び第1のカム部材76Lは左回転方向に回転し、第2の歯車75R及び第2のカム部材76Rは右回転方向に回転する。そして、図21に示すように、「第1のカム部材76Lの支持ローラ76c」は、左回転の回転軌跡を描きつつ上昇するとともに、「第2のカム部材76Rの支持ローラ76c」は、右回転の回転軌跡を描きつつ上昇するため、昇降ユニット80が上昇する。なお、以下の説明において、可動演出装置70の高さ位置が最上方位置であるとともに、羽根部材87A、87B、87Cの開閉態様が閉状態に維持される状態を「上昇状態」ということがある。
羽根部材87A、87B、87Cを右回転させる演出(以下、「右回転演出」という。)を行う場合、可動演出装置70の高さ位置が最上方位置に維持した状態で、第2のモータ88の駆動軸88aを「閉状態回転方向」に回転させ、前方歯車部材85cを右回転方向に回転させる。これにより、羽根部材87A、87B、87Cは閉状態を維持しつつ右方向に回転する。
羽根部材87A、87B、87Cを左回転させる演出(以下、「左回転演出」という。)を行う場合、可動演出装置70の高さ位置が最上方位置に維持した状態で、第2のモータ88の駆動軸88aを、「閉状態回転方向」と反対の回転方向、つまり、「開状態回転方向」に回転させ、前方歯車部材85cを左回転方向に回転させる。これにより、羽根部材87A、87B、87Cは、閉状態から開状態へと変化し、開状態を維持しつつ左方向に回転する。
図4に戻り、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図41参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sにより遊技球が検出されることを前提に「普通図柄の変動開始条件(普通図柄の抽選実行条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されている。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの略直下に位置すると共に、入口側部分に普通電動役物17dを備えている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図41参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞口入賞球検出スイッチ17s(図41参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞口入賞球検出スイッチ17sによって検出される。
下部装置30は始動入賞装置17の下方に配設されるとともに、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を、表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡されている。そして、可変入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図41参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞球検出スイッチ31s(図41参照)と、を備えている。
この可変入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図39(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部62において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
遊技状態表示部55は、1個のLEDにより構成され、遊技機1の電源投入時(遊技機1の起動時)の遊技状態(遊技モード)を表示するために用いられる。具体的には、LEDを消灯させることで「遊技状態が通常遊技状態(通常モード)である」旨が表示され、LEDを点灯させることで「遊技状態が確変遊技状態(高確率モード)である」旨が表示される。つまり、遊技状態表示部55のLEDは、電源投入時(起動時)に遊技モードが高確率モードとなっている場合に限り、点灯するものである。この場合、特別図柄の当否判定の結果として「大当り」が得られると、以後、遊技状態表示部55のLEDは消灯する。そして、遊技機1の電源を切るまでの間(遊技機1が稼働している間)に遊技状態が確変モードになったとしても、遊技状態表示部55のLEDが点灯することはない。
ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モード(遊技状態)が「通常モード」から「高確率モード」になると、確率変動手段(当否判定で大当り判定がなされる確率を通常に比べ高い確率に設定する手段)と、変動時間短縮手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を通常(変動時間短縮手段の非作動時)に比べ短い時間に設定される可能性を高くする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17dの開放時間を通常に比べ長い時間に設定したり、開放回数を通常に比べ多い回数に設定する手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが「高確率モード」から「時短モード」になると、変動時間短縮手段および開放延長手段が作動を継続し、確変手段のみが作動を停止する。更に、遊技機1の遊技モードが「時短モード」から「通常モード」に戻されると、変動時間短縮手段および開放延長手段が作動を停止する。なお、「確率変動手段」は、遊技機1の遊技モードを、「当否判定を低確率で行う低確率モード」から「当否判定を高確率で行う高確率モード」に変更する手段であり、「開放演出手段」は、遊技機1の遊技モードを、「始動入賞部装置(第2の始動入賞部17b)の開放時間を延長しない通常開放モード」から「始動入賞部装置(第2の始動入賞部17b)の開放時間を延長する開放延長モード」に変更する手段である。更に、変動時間短縮手段(時短手段)は、遊技機1の遊技モードを、「特別図柄の変動時間を短縮化しない通常変動モード」から「特別図柄の変動時間を短縮化する短縮変動モード」に変更する手段である。
右下表示装置60は、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図39(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、図5(a)に示すように、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。そして、この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄の当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の停止表示(確定表示)が実行される。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成され、主に、「特別図柄の当否判定の結果が当選(大当り)である場合、それに基づいて発生する大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とされる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。
図39(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図39(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図41参照)が配設されている。
図4に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図40を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図40において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図41及び図42を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、図柄変動演出表示を行う演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図41及び図42中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図41においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s、大入賞口入賞検出スイッチ31s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、中大入賞口ソレノイド31c、右大入賞口ソレノイド35c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、「始動入賞に起因して大当りか否かを当否判定する当否判定手段」と、「大当り遊技(特別遊技)を実行する大当り遊技実行手段(特別遊技実行手段)」として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と協働して演出表示装置27の表示を制御する表示制御手段として機能する。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図27に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、図42に示すように、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板等が接続されている。つまり、LED基板4b〜4h、4j〜4r、第1のモータ77、第の2モータ88が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。更に、サブ制御基板220には、位置検出基板226Aを介して、6個のフォトセンサが接続されている。つまり、フォトセンサ72gが接続されている。
払出制御部240Aには、図41に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板(4b〜4h、4j〜4r)等に搭載された各種LED(41H、87n、89n)や、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。また、第1のモータ77、第2のモータ88の駆動態様等も決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h、4j〜4r)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、特別図柄の当否抽選(当否判定)の結果を示す確定表示(停止表示)と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び演出表示装置27)において同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は「本図柄」である。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄を用いたリーチ表示などの図柄変動演出表示(変動遊技)を行う場合、その図柄変動演出表示は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。
また、本遊技機1では、低確率モード(通常確率モード)において、始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して当否判定が行われると、この大当りを示す判定結果が導出される確率が約「1/315」とされる。そして、大当りを示す判定結果が導出されると、大当り遊技実行手段が作動を開始し、本遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。これにより、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cを駆動し、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、閉鎖状態とされていた大入賞口31aを開放状態に変化させ、大当り遊技が開始される。この開放状態とされた大入賞口31aは、大入賞口31aに所定数(例えば、8個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数の遊技球が入球しなくても所定時間が経過すると、閉鎖状態に戻され、1ラウンドが終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると、大当り遊技を終了する。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容等について簡単に説明する。
a.本図柄での大当り表示
始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して当否判定が行われ、大当りを示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によって、図43に示すように、大当りの態様(種類)が「通常大当り」、「第1の確変大当り」及び「第2の確変大当り」のうちの何れかに定められる。なお、「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。
ここで、「通常大当り」を生ずると、賞球払出の実行可能性が極めて高くなる第1の大当り遊技を実行するとともに、この第1の大当り遊技終了後に、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。また、第1の大当り遊技は、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ15回(15ラウンド)繰り返されるタイプの大当り遊技(以下、「第1の大当り遊技」という。)である。このとき、各ラウンドで大入賞装置31が開放状態となる時間(第1の開放時間)は「25秒」とされている。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる遊技状態が、「低確率モード(低確率状態)」である。また、「通常大当りを示す本図柄(停止図柄)」は、図43(b)中欄に示すように、2個のLEDを点灯させて表示される。なお、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、確率変動手段が作動することはないが、特別図柄の変動回数が「100回」になるか、次回の大当りを発生するまで、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。
「第1の確変大当り」を生ずると、第1の大当り遊技を実行するとともに、実行した第1の大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率(通常確率の約5倍の当選確率)とされる遊技状態が、「高確率モード(高確率状態)」である。なお、「第1の確変大当り」を示す本図柄(停止図柄)」は、図43(c)中欄に示すように、3個のLEDを点灯させて表示される。
「第2の確変大当り」を生ずると、第2の大当り遊技を実行するとともに、この第2の大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。但し、「第2の確変大当り」に起因する第2の大当り遊技としては、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ2回(2ラウンド)繰り返される。そして、この第2の大当り遊技においては、各ラウンドで大入賞装置31が開放状態となる時間(第2の開放時間)は「0.2秒」とされている。なお、「第2の確変大当り」を示す本図柄(停止図柄)」は、図43(d)中欄に示すように、4個のLEDを点灯させて表示される。また、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるか、次回の大当りを発生するまで、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。
b.本図柄での外れ表示
本図柄の停止表示(確定表示)を、図43(a)中欄に示すように、「特別図柄表示部62」の1個のLEDを点灯させて行う。この1個のLEDの点灯により表示される停止図柄(確定図柄)が、特別図柄の当否抽選の結果が「外れ」であることを示す「外れ図柄」となる。この場合、大当り遊技実行手段が作動することない。
c.疑似図柄(演出図柄)
演出表示装置27においても、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示(図柄変動演出表示)を開始する。そして、この変動表示の期間(つまり、所定時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示も前述の本図柄の停止図柄と同様に、当否抽選の結果を表示する。
演出表示装置27の表示画面27aにおいては、図5(b)に示すように、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示と、停止表示等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景図柄を表示したり、この背景画面と共にキャラクタ図柄を表示したりすることができる。
疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される確定図柄には、図43(a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図43(a)の「外れを示す停止図柄(外れ表示)」と、図43(b)〜(d)の「大当りを示す停止図柄(大当り表示)」とがある。つまり、図43(b)〜(d)に示すように、「通常大当り図柄」は表示画面27aに「偶数の同一数字」を3個並べて構成され、「第1確変大当り図柄」は表示画面27aに「奇数の同一数字」を3個並べて構成され、「第2の確変大当り図柄」は「異なる奇数数字」を左から右へ昇順に並べて構成される。また、「外れ図柄」は、3つの疑似図柄表示部のうちの少なくとも1つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「第2確変大当り図柄」を除いたものである。
尚、演出表示装置27において、何れの「大当り図柄」を表示する場合も、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、演出表示装置27において「外れ示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示(つまり、外れ変動)の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄が同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とすることを内容とする表示である。但し、「第2の確変大当りを示す停止図柄」や「特殊大当りを示す停止図柄」を停止表示する場合において、その変動途中にリーチ表示を行わないこととしてもよい。
(4)図柄変動演出の概要
図柄変動演出には、「可動演出装置70の駆動を伴わずに行われる演出(以下、一般演出という。)」と、「可動演出装置70の駆動を伴って行われる演出(以下、特別演出という。)」とがある。以下、一般演出の概要を述べた後、特別演出について説明する。なお、一般演出は、可動演出装置70の状態を「基本状態(昇降ユニット80の高さ位置を「最下方位置」に維持した状態)」で行われる。
a.一般演出の場合
始動入賞装置17への遊技球の入賞(始動入賞)を生ずると、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する。これにより、特別図柄表示部62で本図柄の図柄変動を開始すると共に、図44(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。
この図柄変動演出表示の実行時間は、特別図柄表示部62での図柄変動開始時に決定される変動パターン(通常変動パターン、短縮変動パターン)によって異なる(後述する。)が、この実行時間を経過すると、特別図柄表示部62において本図柄の停止図柄が確定表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が確定表示される。
尚、図44(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)であり、図44(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う外れ表示(所謂「外れリーチ」)」である。ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(演出表示)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄が同一の図柄であると「大当り表示」が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させて、遊技機において「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す表示を指す。
図44(c)に示すように、「特別図柄(疑似図柄)の停止図柄」を用いて、「当否判定の結果が大当りである」旨の停止表示(大当り表示)が行われる場合には、特別図柄(疑似図柄)の図柄変動表示(変動表示)の途中で「リーチ表示」が行われた後に、この確定表示が行われる。そして、この「大当り表示」がなされると、「大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が大当り状態に移行し、大当り遊技を開始する。
b.特別演出の場合
次に、図45〜図49を用いて「特別演出」について説明する。この「特別演出」は、特別図柄の変動中にリーチ表示を行うとともに、特別図柄の変動時間が特定時間以上(可動演出装置70を用いた演出を行うのに、十分な時間)に設定される場合になされる演出である。この特別演出においても、リーチ表示がなされるまでの演出内容は、通常演出と同様であるため、リーチ表示を行った後の演出内容について説明する。
ところで、本実施例では、3種類の特別演出を行う。つまり、可動演出装置70を第1駆動パターンに従い駆動して行う特別演出(以下、「第1特別演出」という。)と、可動演出装置70を第2駆動パターンに従い駆動して行う特別演出(以下、「第2特別演出」という。)と、可動演出装置70を第3駆動パターンに従い駆動して行う特別演出(以下、「第3特別演出」という。)とがある。以下、各特別演出について簡単に説明する。なお、何れの特別演出においても、図柄変動演出の開始時と、終了時(特別図柄の確定表示時)とにおいては、可動演出装置70の状態は「基本状態」とされる。
何れの特別演出においても、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、図45に示すように、演出表示装置27の表示画面27aでリーチ表示を行った後(A1)、第1のモータ77を駆動して、可動演出装置70の高さ位置を上昇位置に変更し、可動演出装置70の状態を「上昇状態」とする(A2)。このとき、昇降ユニット80が表示画面27aの前方に大きくはみ出す状態となるため、疑似図柄表示部27b〜27d(図5を参照)を縮小し、表示画面27aの隅に移行させることで、「疑似図柄表示部27b〜27dが視認困難」となることが防止される。
第1特別演出の場合、図46に示すように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、可動演出装置70の状態を「上昇状態」とした後(A2)、所定時間が経過すると、第1のモータ77を駆動して、昇降ユニット80の高さ位置を下降位置に戻し、可動演出装置70の状態を「基本状態」とする(B1)。そして、疑似図柄表示部27b〜27dを元の大きさに戻し、表示画面27aの中央に移行させ、特別図柄の変動時間が経過すると、図柄変動表示を完結して、当否判定の結果を示す停止図柄が停止表示(確定表示)される(B2若しくはB3)。
第2特別演出の場合、図46に示すように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、可動演出装置70の状態を「上昇状態」とした後(A2)、所定のタイミングで、第2のモータ88の駆動軸を「閉状態回転方向」に回転させ、右回転演出を行う(C1)。そして、右回転演出を終了すると、第1のモータ77の駆動軸77aを下降回転方向に回転させ、昇降ユニット80の高さ位置を下降位置に戻し、可動演出装置70の状態を「基本状態」とする(C2)。そして、疑似図柄表示部27b〜27dを元の大きさに戻し、表示画面27aの中央に移行させ、特別図柄の変動時間が経過すると、図柄変動表示を完結して、当否判定の結果を示す停止図柄が停止表示(確定表示)される(C3若しくはC4)。
第3特別演出の場合、図48に示すように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、可動演出装置70の状態を「上昇状態」とした後(A2)、所定のタイミングで、第2のモータ88の駆動軸88aを「閉状態回転方向」に回転させ、右回転演出を行う(D1)。そして、右回転演出を終了すると、第2のモータ88の駆動軸88aを「開状態回転方向」に回転させ、左回転演出を行う(D2)。この後、図49に示すように、第1のモータ77の駆動軸77aを下降回転方向に回転させ、昇降ユニット80の高さ位置を下降位置に戻し、可動演出装置70の状態を「基本状態」とする(D3)。そして、疑似図柄表示部27b〜27dを元の大きさに戻し、表示画面27aの中央に移行させ、特別図柄の変動時間が経過すると、図柄変動表示を完結して、当否判定の結果を示す停止図柄が停止表示(確定表示)される(D4若しくはD5)。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動演出表示」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図50(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図50(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、変動パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図51は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図51のS80〜S600の処理を実行するように構成されている。つまり、図51のS80〜S600の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出用スイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞口入賞球検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等)などの状態を検出する処理などが行われる。そして、図34に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S600)等を実施する。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図51のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。但し、図51に図示する遊技制御処理を構成する各処理のうちで、大当り遊技処理(S600)についての詳細な説明を省略する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動入賞口入賞球検出スイッチ17s若しくは入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動入賞検出用スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。なお、遊技球払出装置109は「払出装置」の具体例を構成する。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sによる遊技球の検出(遊技球が普通図柄作動ゲート16を通過したことの検出)を契機として、左下表示装置50の普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図51の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図51の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)であるのか、或いは、作動させる図柄でないのか(普通図柄の外れ図柄)を判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)を作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物17dの開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図51の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図51の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)が作動中でなく、普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図52は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図51の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)が作動中であるか否か(第2の始動入賞部17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2の始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動時間(第2の始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは3秒、通常開放モードでは0.5秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させることで開放状態にある第2の始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了する。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の開放中に、第2の始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させ(S206)、普通電動役物17d遊技処理を終了させる。また、本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の一対の翼片部が外側に回動して、第2の始動入賞部17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理
次に、図53〜図57を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図53に示すように、先ず、始動入賞装置17に遊技球が入賞したか否かが判断される(S302)。そして、S302の処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合(S302;NO)、そのままS308以降の処理に移行する。一方、始動入賞装置17に遊技球が入賞したと判断されると(S302;YES)、「特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304)。このS304の処理において、所定個数未満と判断されると(S304;YES)、始動入賞装置17への入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「特別図柄の保留数」が「+1」される(S306)。
ここで、S306の処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して実行される当否判定(大当りを生じさせるか否かについての判定)に際して用いる抽選用乱数、(b)特別図柄表示部62に停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置に表示される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。
S308の処理では、大当り遊技を実行中であるか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図54のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段(制御プログラムであって、ROM203に格納されている。)」が作動中であることを示すものである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図51の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314)。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でないことである。そして、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」である場合(S314;YES)特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図51の遊技制御処理に復帰する。一方、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306で取得したもの)を読み出し(S316)、当否判定処理を行う(S320b)。この当否判定処理(S320)においては、図55に示すように、先ず、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316の処理で読み出した判定用乱数」とを用いて、当否判定(大当りを発生させるか否かの抽選)」が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316の処理で読み出した判定用乱数」とを用いて、当否判定(大当りを発生させるか否かの抽選)」が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2の始動入賞部17b(普通電動役物17d)の開放延長機能を作動させる。
S324またはS326の処理で行われる当否判定が大当りである場合(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。また、当否判定の結果が外れである場合(S330;NO)、「外れフラグ(大当り生じなかったことを示すフラグ)をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。
図柄変動開始処理(S500)においては、図56に示すように、先ず、当否判定処理(S320)の結果を下に、変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、S306の処理(図53を参照)において取得した図柄決定乱数を読み出して、特別図柄表示部62に停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後、「決定された大当り図柄の態様と、遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。
つまり、決定された大当り図柄が、「通常大当りを示す大当り図柄」若しくは「第1の確変大当りを示す大当り図柄」である場合、遊技機1の遊技状態(遊技モード)を考慮して、図57(a)〜(c)のうちの何れかの変動パターンテーブルを選択し、変動パターンを設定(決定)する処理を行う。すなわち、遊技機1の遊技状態が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である場合には、図57(c)の変動パターンテーブル(高確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。また、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である場合には、図57(b)の変動パターンテーブル(低確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。更に、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である場合には、図57(a)の変動パターンテーブル(低確率通常変動パターンテーブル)を選択する。
また、決定された大当り図柄が、「第2の確変大当りを示す大当り図柄」である場合、遊技機1の遊技状態(遊技モード)を考慮して、図57(d)〜(f)のうちの何れかの変動パターンテーブルを選択し、変動パターンを設定(決定)する処理を行う。すなわち、遊技機1の遊技状態が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である場合には、図57(f)の変動パターンテーブル(高確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。また、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である場合には、図57(e)の変動パターンテーブル(低確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。更に、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である場合には、図57(d)の変動パターンテーブル(低確率通常変動パターンテーブル)を選択する。
一方、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306の処理(図56を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
つまり、CPU201は、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図58(c)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図58(c)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。また、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「低確率で短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図58(b)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図58(b)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。更に、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「低確率で通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図58(a)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図58(a)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。
なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード」及び「通常確率開放延長モード」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。また、図57及び図58に示す変動パターンテーブルには「乱数の値」に対応付けて複数の変動パターンが記憶され、乱数抽選に基づき、「図柄変動に用いる変動パターン」が何れかのものに決定される。また、図57及び図58には説明の便宜のため、少数の変動パターンを記憶した変動パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの変動パターンテーブルは多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)を記憶している。
ここで、図58に示すように、当否判定の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動パターン(短縮変動パターン)によって特定される変動時間」は、「通常変動パターン(通常変動パターン)によって特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮される。つまり、特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。
図57及び図58においては、リーチ表示を伴う図柄変動の変動時間を特定する変動パターンのうちで、20秒を超える変動時間を特定するもの(図中、「三角印」、「丸印」若しくは「2重丸印」を付記した変動パターン)」が、特別演出の実行契機となる「特定変動パターン」である。そして、「特定の変動パターン」のうちで、25秒未満の変動時間を特定するもの(図中、「三角印」を付記した変動パターン)が、第1特別演出の実行契機となる「第1の特定変動パターン」であり、25秒以上の変動時間を特定するもの(図中、「丸印」若しくは「2重丸印」を付記した変動パターン)が、第2特別演出及び第3特別演出の実行契機となる「第2の特定変動パターン」である。なお、本実施例で述べる各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
このS510若しくはS540の処理の後、CPU201は、特別図柄表示部62にて特別図柄の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図51の遊技制御処理に復帰する。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図56参照)で、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図51に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図51に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図50のS352)。
S352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファ(大当り遊技終了時参照用バッファ)に、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(確変大当りであるのか否かなど)」や「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグなど)であり、S354の処理においては、これらのフラグが「ONに設定」されているか、「OFFに設定」されているかが、セットされる。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファ(大当り遊技終了時参照用バッファ)として機能する。
このS354の処理に続いてS356以降の処理に移行し、発生した大当りの態様に応じて「大当り遊技」の態様を振り分けることを行う。先ず、発生した「大当りが、「第2の確変大当り(2R大当り)」である場合(S372;YES)、「第2の大当り遊技における大入賞口31aの開放パターン」をセットした後(S374)、S378の処理に移行し、発生した大当りが「通常大当り若しくは第1の確変大当り」である場合(S372;NO)、「第1の大当り遊技における大入賞口31aの開放パターン」をセットした後(S376)、S378の処理に移行する。
S378の処理においては、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理が行われる。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)ことになるが、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能(変動時間短縮機能)、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S378の処理の後にS380以降の一連の処理を経て特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S378の処理において、「大当り遊技フラグ」を設定したら、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、S384の処理に移行する。そして、S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図51の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図51の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図51の遊技制御処理に復帰すると、大当り遊技処理(S700)が開始され、前述の大当り遊技(第1の大当り遊技若しくは第2の大当り遊技)が実行される。
なお、大当り遊技を終了するときに、前述の「大当り遊技終了時参照用バッファ(図50のS354を参照)」を参照することによって、「今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)」の種類(通常大当り図柄、第1の確変大当り図柄、第2の確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モード等を設定する処理を行う。つまり、「今回の大当り図柄」が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。これにより、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、特別図柄の変動回数が「100回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動を停止する。なお、通常大当りに係る大当り遊技を終了すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄(第1の確変大当り図柄若しくは第2の確変大当り図柄)」である場合は、確変フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。つまり、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。また、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動を停止する。なお、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」に係る大当り遊技を終了すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技機1の遊技モードが、「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する。
次に、図56のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、特別図柄表示部62において停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない場合(S398;NO)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「高確率通常変動モード」である場合、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図51の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図51の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図51の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理では、低確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
(7)演出制御処理
図59を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222のCPU222a)と協働して行う「演出制御処理」の概要について説明する。なお、図59には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要なもののみを図示している。この演出制御処理では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると(S950;YES)、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間(S2300で肯定判断されるまでの間)、図柄変動演出処理(S1100)、役物駆動処理(S1500)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。ここで、本実施例のサブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、電源投入後、2msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図59のS1100〜S2300の処理を実行するように構成されている。つまり、図59のS1100〜S2300の処理は、2msec毎に繰り返し実行される。以下、図59のフロー図に従って演出制御処理について説明する。なお、図59の演出制御処理を構成する各処理のうちで、「大当り遊技演出処理」についての説明は省略する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、図柄変動演出処理(S1100)においては、図60に示すように、サブ制御部220Aが「図柄変動開始時コマンド」を受信すると(S1105;YES)、S1110の処理が実行される。ここで、「図柄変動開始時コマンド」は、特別図柄の図柄変動を開始する際に、主制御部200Aからサブ制御部220Aに送信されるコマンドであり、変動パターン指定コマンド(CHP)と、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)が、このコマンドに該当する。
S1110の処理において、サブ制御部220AのCPU220aは、「S1005の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果が大当り(当選)であるか否かを判断する(S1110)。そして、大当りであると判断される場合(S1110;YES)、受信した「変動パターン指定コマンド」に基づき、「演出表示の実行態様(演出表示装置27の表示画面27aに表示する疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1115)、S1160の処理に移行する。一方、当否判定の結果が外れ(落選)であると判断される場合(S1110;NO)、受信した「変動パターン指定コマンド」に基づき、「演出表示の実行態様(疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1120)、S1160の処理に移行する。
S1125の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド(CHP)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送するとともに、S1115又はS1120で決定した「演出表示の実行態様」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において表示を開始する(S1160)。
そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1165;YES)、サブ制御部220Aは、受信した図柄停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、「演出表示装置27における特別の変動表示」を停止させる。これにより、遊技者は、反射面77cを介して、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の停止図柄(確定表示)を視認する(S1170)。
b.役物駆動処理(S1500)
次に、図61〜図64を用いて、役物駆動処理(S1500)について説明する。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、役物駆動処理(S1500)においても、図61に示すように、サブ制御部220Aが「図柄変動が開始されている」と判断すると(S1505;YES)、S1510の処理が実行される。このS1510の処理では、S1105の処理で受信した変動パターン指定コマンドが、特定変動パターンを指定するコマンドであるか否かを判断する。そして、特定変動パターンを指定するコマンドでなければ(S1510;NO)、S1515以降の処理を行うことなく、役物駆動処理(S1500)を終了して、図59の演出制御処理に復帰する。
CPU220aは、「S1105で受信した変動パターン指定コマンド」が、特定変動パターンを指定するコマンドであると判断すると(S1510;YES)、この特定変動パターンが「第1の特定変動パターン(図57及び図58において「三角印」を付記した変動パターン)」であるか否かを判断する(S1515)、そして、S1505で受信した変動パターン指定コマンドが、第1の特定変動パターン(図57及び図58において「三角印」を付記した変動パターン)」である場合(S1515;YES)、乱数抽選(例えば、当選確率を50%とする。)を行い(S1516)、落選である場合(S1817;NO)、そのまま役物駆動処理(S1500)を終了する。
一方、乱数抽選(S1516)の結果が、当選である場合(S1817;YES)、可動演出装置70を第1駆動パターンに従い駆動した後(S1518)、役物駆動処理(S1500)を終了する。
このS1518の処理は、前述の「第1特別演出」の主要部を実行するものであり、図62に従って以下のように行われる。つまり、演出表示装置27の表示画面27aで、リーチ表示が行われた後、第1のモータ77の駆動軸77aを「上昇回転方向」に回転させる。これにより、昇降装置80が鉛直上方に上昇し、その移動範囲中の最上部に移動する。そして、所定時間(特別図柄の変動表示が終了する前の時間)が経過すると、第1のモータ77を「下降回転方向」に回転させる。これにより、昇降装置80が鉛直下方に下降し、可動演出装置70の状態を「基本状態」とする。
一方、「S1105で受信した変動パターン指定コマンド」が、第2の特定変動パターン(図57及び図58において「丸印」若しくは「二重丸印」を付記した変動パターン)」である場合(S1515;NO)、S1520の処理に移行する。そして、このS1520の処理では、サブ制御部220AのCPU220aは、「S1105の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果が大当り(当選)であるか否かを判断する(S1520)。
そして、大当りであると判断される場合(S1520;YES)、乱数抽選を行い(S1525)、駆動パターンの選択を行う。そして、この乱数抽選の結果が当選である場合(S1530;YES)、可動演出装置70を第3駆動パターンに従い駆動した後(S1535)、役物駆動処理(S1500)を終了する。また、乱数抽選の結果が落選である場合(S1530;NO)、可動演出装置70を第2駆動パターンに従い駆動した後(S1540)、役物駆動処理(S1500)を終了する。
また、当否判定の結果が、外れであると判断される場合(S1520;NO)も、乱数抽選を行い(S1545)、駆動パターンの選択を行う。そして、この乱数抽選の結果が当選である場合(S1550;YES)、可動演出装置70を第3駆動パターンに従い駆動した後(S1555)、役物駆動処理(S1500)を終了する。また、乱数抽選の結果が落選である場合(S1550;NO)、可動演出装置70を第2駆動パターンに従い駆動した後(S1560)、役物駆動処理(S1500)を終了する。
このS1540及びS1560の処理は、前述の「第2特別演出」の主要部を実行するものであり、図63に従って以下のように行われる。つまり、演出表示装置27の表示画面27aで、リーチ表示が行われた後、第1モータ77の駆動軸77a」を「上昇回転方向」に回転させる。次いで、第2のモータ88の駆動軸88aを「閉状態回転方向」に回転させ、右回転演出を行う。そして、右回転演出を終了した後、所定時間(特別図柄の変動表示が終了する前の時間)が経過すると、第1のモータ77の駆動軸77aを下降回転方向に回転させ、昇降ユニット80の高さ位置を下降位置に戻し、可動演出装置70の状態を「基本状態」とする。
このS1535及びS1555の処理は、前述の「第3特別演出」の主要部を実行するものであり、図64に従って以下のように行われる。つまり、演出表示装置27の表示画面27aで、リーチ表示が行われた後、第1モータ77の駆動軸77a」を「上昇回転方向」に回転させる。次いで、第2のモータ88の駆動軸88aを「閉状態回転方向」に回転させ、右回転演出を行う。次いで、右回転演出を終了すると直ぐに、第2のモータ88の駆動軸88aを「開状態回転方向」に回転させ、左回転演出を行う。なお、左回転演出は、右回転演出に比べて長時間行われる。
そして、左回転演出を終了した後、所定時間(特別図柄の変動表示が終了する前の時間)が経過すると、第1のモータ77の駆動軸77aを下降回転方向に回転させ、昇降ユニット80の高さ位置を下降位置に戻し、可動演出装置70の状態を「基本状態」とする。つまり、「第3特別演出」では、羽根部材87A、87B、87Cを一定時間閉じた状態で回転させた後、突然、羽根部材87A、87B、87Cの回転方向が逆転し、羽根部材87A、87B、87Cが開いた状態で回転する演出が実行される。
ところで、本実施例では、(i)当否判定の結果が大当りである場合に、S1525の乱数抽選に当選し、「第3特別演出」が実行される確率(例えば、80%)は、(ii)当否判定の結果が外れである場合に、S1545の乱数抽選に当選し、「第3特別演出」が実行される確率(例えば、20%)よりも高く設定されている。つまり、「第3特別演出」は、大当りの信頼度が高い、プレミアムな演出である。よって、遊技者は、右回転演出が開始されると、その後、演出が左回転演出に発展するか否かを「かたずを飲んで」見守ることになるため、本遊技機1によると、遊技者の興趣を効果的に高めることができる。
そして、本遊技機1では、かかる効果的な演出を、第2のモータ88の駆動態様を選択するだけで、簡易に行うことができる点で大きな意義を有している。つまり、本遊技機1では、羽根部材87A、87B、87Cの特異な支持構造(前述の伝達孔D1、カム溝D2、小径部86e及び係合突起86bを用いた支持構造)を備えるため、簡易な駆動制御を用いつつも、遊技者の興趣を効果的に高めことができる。
(8)実施例の効果
本遊技機1を構成する可動演出装置70では、ラックギア74に対して、左斜め上方に向かう付勢力を負荷するバネ78を備え、「昇降ユニット80の重量に起因して、ラックギア74に負荷される荷重」の幾らか(約90%)を、バネ78の引っ張り力(付勢力)で支えるため、ラックギヤ74を駆動するための駆動力を低減しつつも、昇降ユニット80を円滑に、上昇させることができる。また、上下動可能に支持された昇降ユニット80(装飾部材)の被押圧リブ81hの下面h(被押圧部)を、2個の支持ローラ76c(第1の押圧部及び第2の押圧部)によって押圧するため、この昇降ユニット80をバランス良く、円滑に上昇させることができる。また、この可動演出装置70では、少ない構成部品を効果的に配置して昇降ユニット80の上下動を実現するため、構造の単純化と、設置スペースの省スペース化を図ることができる。
つまり、この可動演出装置70では、ラックギア74を傾斜状に配置するとともに、ラックギア74の上方に第1の歯車75Lを配置し、ラックギア74の下方に第2の歯車75Rを配置することで、中間歯車無しで、しかも、共通のラックギア74を変位させることで、両歯車75L、75Rを逆回転させることができる。そして、ラックギア74を傾斜方向に変位させ、第1の歯車75L及び第2の歯車75Rを反対方向に回転させることで、2個の支持ローラ76c(第1の押圧部及び第2の押圧部)を上下動させ、昇降ユニット80を上下動させることができるため、可動演出装置70の構造の単純化を図ることができる。
また、ラックギヤ74を傾斜状に、且つ2個の歯車75L、75Rの間に配置したため、ラックギヤ74、ひいては、可動演出装置70の設置スペースの省スペース化を図ることができる。しかも、本実施例では、ラックギヤ74を対角線とする仮想的な矩形内に、2個の歯車75L、75Rを配置するため、可動演出装置70の設置スペースの省スペース化をより確実に図ることができる。