以下、発明を実施するための最良の形態を示す実施例について図面に基づいて説明する。以下に示す各実施例では、各請求項に係る発明を、「セブン機」と称する遊技機(パチンコ機)1に適用した各具体例について説明する。
(1)機械的な構造
a.遊技機の全体構造
先ず、この遊技機1の全体構造について、図1〜図3を参照して説明する。この遊技機1は、図1及び図2に示すように、外枠2と、この外枠2に装着された遊技機本体Hと、を備えている。また、図示を省略するが、外枠2は、パチンコホールの島設備に設けられた設置部位に固定されると共に遊技機本体Hを支持するためのものである。この外枠2は、略矩形状の枠状体によって構成される外枠本体21(図1及び2を参照)と、外枠本体21の前面下部を覆う前板部22とを備えている。
遊技機本体Hは、外枠2の左端側上下のヒンジH1、H2(図1を参照)を用いて、外枠2の左端側に回動自在に組み付けてられている。この遊技機本体Hは、遊技機1のうちで外枠2を除く部分であって、図1に示すように、本体枠3と、前面枠4と、上皿部材5と、下皿部材6と、遊技盤10(図4を参照)と、裏機構盤102(図35を参照)等を主要部としている。また、本体枠3は、図3に示すように、外枠2に嵌めこまれ、外枠2に対して開閉可能に軸支されている。尚、本体枠3の右端側には、施錠装置7が装着されている。
本体枠3は、全体がプラスチック製であり、図3に示すように、枠状体によって構成されている。この本体枠3は、上半部に窓部3Mを備える枠本体部3bと、枠本体部3bの裏面部から略矩形枠状に突出する突出部3cとを備える。そして、本体枠3は、この突出部3cを用いて遊技盤10を保持するための保持部を構成している。つまり、突出部3cの突端面であって、窓部3Mの左方側の上下と、窓部3Mの右方側の上下には保持具3fが回動可能な状態で装着され、保持具3fの突端部を遊技盤10の後面部に当接させることで遊技盤10が本体枠3により保持されている。
本体枠3が遊技盤10を保持したとき、「遊技盤10の前面部10aに構成される遊技領域11」を、窓部3Mによって本体枠3の前方から視認することができる。また、遊技盤10の背面部には、裏機構盤102(図35参照)が装着され、この背面部を覆う状態とされている。なお、遊技球を上皿部材5に払い出すための遊技球払出装置109が、裏機構盤102に配設されている(図35を参照)。
前面枠4は、図1に示すように、本体枠3の前面側に配置され、本体枠3の左端に開閉可能に支持されている。この前面枠4はその中央部に視認窓41aを備えている。この視認窓41aは前面枠4の前後に貫通する状態に設けられ、遊技盤10の盤面に形成された遊技領域11(図4参照)の外周形状に対応して略円周状に開設され、前面枠4を閉じたときにその背後に配置される遊技領域11が、この視認窓41aによって前方から視認可能とされる。
前面枠4は、図1に示すように、枠本体41と、この枠本体41に装着されるガラス板43と、ガラス板43を枠本体41に保持させるための保持具(図示を省略)とを備える。また、前面枠4の上端部側の左右には、各々スピーカSP1、SP2(図37参照)が内蔵されている。また、本遊技機1においては、前板部22の左右両端にも、スピーカSP3、SP4(図37参照)が内蔵されている。そして、本遊技機1においては、これらのスピーカSP1〜SP4を用いて、遊技状態に応じた効果音その他の音(音声)を発生させる。
遊技機本体Hの前面部のうちで前面枠4の下方の部位には、上皿部材5と下皿部材6とが設けられている。すなわち、上皿部材5は前面枠4の下方に配置され、その略容器形状とされる内部に遊技機1から排出される遊技球を受け入れるための受入口5bを備えている。尚、上皿部材5の裏側には、球貸表示基板410(図36参照)及び演出ボタン基板228(図37参照)が設けられ、上皿部材5の上面部には「演出ボタンSW」とが配置されている(図1を参照)。
図1及び図2に示すように、下皿部材6は上皿部材5の下方に配置されている。この下皿部材6の略中央には、その略容器形状とされる内部に上皿部材5から排出される遊技球を受け入れるための受入口6aを備えている。また、下皿部材6の左端には灰皿6bが設けられ、下皿部材6の右端には発射ハンドル9が設けられている。
本体枠3の前面部であって、遊技盤10よりも下方に位置するとともに、左端側に位置する部位には、発射装置ユニット(図示を省略)が配設されている。そして、発射ハンドル9は、この発射装置ユニットに接続されている。ここで、発射装置ユニットは、球送り装置(図示を省略)から送り出される遊技球を、略鉛直上方に発射して、遊技領域11に到達させるためのものである。また、発射ハンドル9には、遊技者が触れていることを検出するタッチスイッチ(タッチセンサ)9aが装着されており、その近傍には、遊技球の発射を一時的に停止するための発射停止スイッチ9bが装着されている。
b.遊技盤10の構成
次に、遊技盤10の構成について図4等を用いて説明する。この遊技盤10は正面視で略矩形状の合板を用いて構成される遊技盤本体10Aと、この遊技盤本体10Aに装着される各種の盤部品(外側レール12、内側レール13、メイン役物装置20等)が装着されている。尚、この遊技盤本体10Aの前面部には、セル画が印刷されたシート状物が貼着されているが図示を省略する。
遊技盤本体10Aは、正面視で略円形とされる領域形成部10Bと、領域形成部10Bの周囲に位置する領域外部10Cとを備える。また、遊技盤本体10Aの前面部には、ともに帯状の金属板を用いて構成される外側レール12と、内側レール13とが配設されている。そして、領域形成部10Bの前面部は、この外側レール12及び内側レール13が形成する略円形の周壁によって略包囲されつつ、遊技領域11を構成している。
この領域形成部10B(つまり、遊技盤10において遊技領域11内に位置する部位)には、メイン役物装置20と、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16と、始動入賞装置17と、下部装置30と、左下表示装置50と、右下表示装置60と、4個の一般入賞装置40、41、43、44と、多数の障害釘(図示を省略)と、風車19等が配設されている。
メイン役物装置20は、「センタ役物」の具体例を構成するものであり、図6に示すように、取付枠部材21と、演出表示装置27と、第1の可動演出装置70Lと、第2の可動演出装置70Rとを備えている。また、遊技盤本体10Aの略中央部には、開口形状が略矩形の貫通孔10Kが形成され、取付枠部材21は、この貫通孔10Kを用いて領域形成部10Bに装着されている。
つまり、取付枠部材21は略箱形状に構成され、正面形状が略矩形とされる背板21Aと、背板21Aの周縁部より立ち上げられた周壁部21Bと、周壁部21Bの突端から屈曲状に突出する取付代21Cと、を備えている。そして、取付枠部材21は開口部21Dを前方に向けた状態にて遊技盤本体10Aにビス止め固定されている。
すなわち、遊技盤本体10Aの前方から貫通孔10Kに背板21A、周壁部21Bの順に挿入し、取付代21Cを「遊技盤本体10Aの前面部のうちで、貫通孔10Kの周囲に位置する部位」に当接させる。更に、取付代21Cを遊技盤本体10Aの前面部にビス止め固定することで、取付枠部材21は遊技盤本体10Aに固定されている。そして、図4に示すように、この取付枠部材21は、遊技領域11の上半部のうちで、左端側を除く部位を占めている。
図6に示すように、背板21Aには正面視で略矩形状の窓部形成孔21dが設けられ、表示窓21eを構成している。そして、この表示窓21eと、背板21Aの背後に配設される表示画面27aとが前後に位置合わせされ、遊技機1の前方から表示画面27aが視認可能とされている。ここで、図6及び図7に示すように、背板21Aの前面部のうちで、表示窓21eの左側方に位置する部位を「第1の取付部21f」と称し、表示窓21eの右側方に位置する部位を「第2の取付部21g」と称する。更に、背板21Aの前面部のうちで、表示窓21eの上方側に位置する部位を「第3の取付部21h」と称する。また、窓部形成孔21dは、「センタ役物の貫通孔」の具体例を構成する。
なお、「第1の取付部21f」及び「第3の取付部21hの左端側」が、後述する「第1の可動演出装置70L」の取付部位を構成し、「第2の取付部21g」及び「第3の取付部21hの右端側」が、後述する「第2の可動演出装置70R」の取付部位を構成する。なお、図6において破線を用いて示すように、「第1の可動演出装置70L」及び「第2の可動演出装置70R」は、前方に配置される化粧部材70S、70Tにより、装飾部材71の下端側を除く略全体が、隠蔽された状態となる。
図4に示すように、取付枠部材21の頂部から右側縁部の下端に至る部位は、内側レール13に近接し、頂部から左側縁部の上端に至る部位には、上部装飾部材21nが前方に突出する状態に装着されている。また、取付枠部材21の左側縁部には、左側装飾部材21qが前方に突出する状態に装着され、取付枠部材21の下縁部には、ステージ部材21pが前方に突出する状態に装着されている。
更に、左側装飾部材21qは、内部に遊技球通路(図示を省略)が形成された造形物21rを備えている。この遊技球通路の進入口は左斜め上方に向かって開口し、遊技領域11を流下する遊技球を、この進入口で受け入れ、メイン役物装置20の内部に進入させる。
ステージ部材21pは、その上面部によって遊技球の転動面を構成するが、この転動面は左右の端部から中央部に向かって下る傾斜面とされている。但し、転動面の中央部では上方に向かって僅かに隆起する隆起部とされている。また、ステージ部材21pには、転動面上の遊技球をメイン役物装置20の外部に排出するための排出通路が設けられている。尚、排出通路の入口部21uは、転動面の中央部の背後において、この中央部と連続する位置で開口し、排出通路の出口部21vは、この中央部よりも下方の位置で開口している。
本実施例では、遊技領域11を流下し、メイン役物装置20の内部に進入した遊技球は転動面の左端部に到達し、転動面上を右方向に転動し、更に、左方向に転動する。そして、遊技球の勢いが衰えたところで、この遊技球は排出通路を通過してメイン役物装置20外に排出されるか、或いは、転動面の前縁部から、メイン役物装置20外に排出される。尚、出口部21vの直下に、後述する始動入賞装置17が位置している。
演出表示装置27は、液晶表示装置によって構成されるものであり、後述する右下表示装置60と同様に、特別図柄の変動表示及び停止表示を行う。但し、この演出表示装置27においては、右下表示装置60における特別図柄の変動表示および停止表示に連動する演出表示(図柄変動表示)を実行する。尚、本実施例では、右下表示装置60が、本図柄(特別図柄の一具体例を示す。)を表示するための図柄表示装置を構成し、演出表示装置27が疑似図柄(特別図柄の他の具体例を示す。)を表示するための図柄表示装置を構成する。
演出表示装置27の表示画面27aは、その全体、若しくは、一部を用いて種々の図柄を表示可能である。この表示画面27aには、図5(b)に示すように、3つの疑似図柄表示部27b〜27dと、その他の部分で構成される背景画面表示部27hとが出現することがある。この場合、この疑似図柄表示部27b〜27dは、表示画面27aにおいて横方向に3つ並んで配置される。このように出現する各疑似図柄表示部27b〜27dでは、「疑似図柄」を用いた演出表示(変動表示)と、停止表示等がなされる。また、表示画面27aに疑似図柄表示部27b〜27dが表示されるときには、この表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景を示す図柄(以下、背景図柄という。)を表示したり、この背景図柄と共にキャラクタを示す図柄(以下、キャラクタ図柄という。)を表示することができる。これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される「演出図柄」の一具体例を示すものであり、これら「疑似図柄」や「背景図柄」や「キャラクタ図柄」により「図柄変動演出表示」が実現される。
次に、第1の可動演出装置70L及び第2の可動演出装置70Rの機械的な構造について、図6〜図33を用いて簡単に説明する。ここで、図6及び図7に示すように、第1の可動演出装置70L及び第2の可動演出装置70Rは、表示画面27a(表示窓21e)の左右に配設されている。そして、第1の可動演出装置70L及び第2の可動演出装置70Rは、「相互に略鏡面対称(略線対称)となること(つまり、実像と、鏡に映る虚像の如き対称性を有すること)」と、「第2の可動演出装置70Rの方が、第1の可動演出装置70Lよりも若干後退した位置に取り付けられていること」と、を除き、同様な構成を備えるため、以下、第1の可動演出装置70Lを中心に説明する。
第1の可動演出装置70Lは、図8に示すように、装飾部材71と、動滑車部材74と、ガイド板75と、ワイヤ76と、第1の移動制御機構部77と、定滑車80と、第2の移動制御機構部81とを備える。このうち、装飾部材71は、図9及び図10に示すように、第3の取付部21hの左端側から右方向に斜めに下り傾斜となりつつ表示窓21eの前方に到達する状態に装着され、第1の移動制御機構部77及び第2の移動制御機構部81は、取付ベース部材(第1の取付ベース部材79、第2の取付ベース部材89)を介して、第1の取付部21fに装着されている。なお、図6に示すように、第2の可動演出装置70Rにおいて、装飾部材71は、第3の取付部21hの右端側から左方向に斜めに下り傾斜となりつつ表示窓21eの前方に到達する状態に装着され、第1の移動制御機構部77及び第2の移動制御機構部81は、取付ベース部材(第1の取付ベース部材79、第2の取付ベース部材89)を介して、第2の取付部21gに装着されている。
第1の取付ベース部材79は、図11に示すように、横断面が略コの字状で、略樋形状とされた部材であり、軸心を上下に向け、開口部を後方に向けた状態で、第1の取付部21fのうちで、表示窓21eに近接する位置に装着されている。また、第2の取付ベース部材89は、後方部89aと前方部89bとに分割可能な略箱形状を備えており、周壁部21Bと、「第1の取付ベース部材79の装着部位」との間に装着されている。なお、第1の取付ベース部材79、第2の取付ベース部材89の「第1の取付部21f」や「第2の取付部21g」への取り付けに際しては、接着、ビス止め、カシメ、嵌合、係合等の種々の手法を用いることができる。
第2の取付ベース部材89を構成する後方部89aは、開口部を前面部に配置した略容器形状に構成され、前方部89bは、開口部を後面部に配置した略容器形状に構成されている。そして、後方部89a及び前方部89bは、互いの開口部を重ね合わせる状態に接続され、略箱形状を構成する。
図11に示すように、第2の取付ベース部材89において、表示窓21e側に位置する側壁部(第1の取付部21fに装着される第2の取付ベース部材89においては「右側壁部」、第2の取付部21gに装着される第2の取付ベース部材89においては「左側壁部」)には、上下に長尺な挿通孔89dが設けられている(図14を参照)。また、第2の取付ベース部材89の後壁部において、下方側に位置する部位には、上下に長尺なスライド孔89eが設けられている(図14を参照)。更に、図13に示すように、第2の取付ベース部材89の前壁部において、上方側に位置する部位には、上下に長尺なスライド孔89fが設けられている(図14を参照)。
図11に示すように、第1の取付ベース部材79及び第2の取付ベース部材89が、第1の取付部21fや第2の取付部21gに装着されると、第2の取付ベース部材89の挿通孔89dが、第1の取付部21fの前面部よりも手前側に位置することになる。つまり、第2の取付ベース部材89の内部空間は、挿通孔89dを介して、第1の取付部21fの前面部の前方に開放された状態となる。
ガイド板75は、図8〜図10に示すように、上下に長尺な金属板を用いて構成されている。このガイド板75は、図13に示すように、上下に長尺で板状の本体部75aと、本体部75aの側縁から後方に折り返された折り返し部75bとを備える。このガイド板75は、本体部75aの後面部を、第2の取付ベース部材89の前壁部の前面に略平行な状態(第2の取付ベース部材89の前壁部の前面から所定の間隔をあけた状態)で、第2の取付ベース部材89の前壁部に取り付けられている。つまり、第2の取付ベース部材89の前壁部から略筒状に突出する取付部89kが複数突出しているが、本体部75aの後面部を取付部89kの突端に当接させる。そして、ビス75cの軸部を、本体部75aに設けられた取付孔(図示を省略)を通じて、「取付部89kの突端で開口する雌ネジ部(図示を省略)」に螺合し、ビス75cの頭部と取付部89kとで本体部75aを挟持することで、ガイド板75と第2の取付ベース部材89に固定されている。
この本体部75aは、図13に示すように、「第3の取付部21hの左端側の前方」から「第2の取付ベース部材89前壁部のスライド孔89fの前方よりも下方の部位」に至る状態に設けられている(図8を参照)。そして、本体部75aにおいて、スライド孔89fと前後に位置合わせされる部位には上下に長尺なガイド孔75gが設けられている。なお、このガイド孔75gの長手幅(上下長)によって、後述する動滑車部材74が往復移動する範囲、つまり、「第1の移動経路」が規制される。
図15及び図16に示すように、本体部75aにおいて、「第3の取付部21hの左端側の前方」に位置する部位には前後に貫通する状態の取付孔75eが設けられている。この取付孔75eには、略円筒状の軸受部材75fが軸心を前後に向けた状態で装着されている。そして、この軸受部材75fには、定滑車80の支持軸80bが回転可能な状態で装着されている。そして、定滑車80を構成する略円板状(外周部にワイヤ76が巻き掛かる溝を備える略円板状)の本体部80aは、第3の取付部21hの左端側と、本体部75aとの間に配置され、軸受部材75fの軸心回りに回転可能とされている。
図13に示すように、動滑車部材74は、略円板状(外周部にワイヤ76が巻き掛かる溝を備える略円板状)の動滑車本体74aと、動滑車本体74aの前面部から突出する係合突起74bと、動滑車本体74aの後面部に一体化されたスライド部74cとを備える。また、係合突起74bは略円柱形状とされるとともに、その軸心を動滑車本体74aの軸心と同軸上に配置している。また、スライド部74cは、正面視で略長円形状とされ、第2の取付ベース部材89の前壁部のスライド孔89fに対して摺動可能な状態で挿入されている。なお、動滑車部材74は「移動部材」の具体例を構成する。
動滑車部材74は、動滑車本体74aを第2の取付ベース部材89の前壁部とガイド板75との間に配置し、係合突起74bをガイド孔75gを通じて、ガイド板75の前方に突出させた状態で、第2の取付ベース部材89に取り付けられている。そして、図14(a)に示すように、スライド部74cの上下幅は、スライド孔89fの上下幅よりも小さくされているため、スライド部74cがスライド孔89f内を上下に摺動する範囲内で、動滑車本体74aは上下動可能とされている。また、動滑車本体74aが上下動すると、係合突起74bがガイド孔75g内を上下動可能とされている(図9及び図10を参照)。
図16に示すように、ワイヤ76は、「右下り傾斜方向に落下可能に支持された装飾部材71(後述する。)を、一端部76aで吊り下げている。そして、この一端部76aの方向から順にたどると、「定滑車80の本体部80a」に右方向から左方向に巻き掛った後、下方を向き、U字状経路(下に凸の状態)76dを描いた後、第1の取付部21fの上端側において、他端部76bが固定具76cを用いて固定されている。つまり、ワイヤ76は、定滑車80及び固定具76cの左右方向に沿った中間部であって、しかも、定滑車80及び固定具76cよりも下方において、動滑車部材74の動滑車本体74aに巻き掛かる(動滑車本体74aの下方側の略半周を持ち上げるように巻き掛かることで、「下に凸となる略U字形状の部分」、つまり、「U字形状部76d」を構成している。なお、ワイヤ76は、「紐状接続部材」の一具体例を構成するものであるが、「紐状接続部材」として、「糸」、「ロープ」「鎖」等の他の態様の「線形部材」を用いることもできる。
ワイヤ76において、定滑車80の右側に繰り出される部位は、後述するように、右斜め下り傾斜状に経路を描いて、装飾部材71に装着されている。そして、図17に示すように、装飾部材71の方向への繰り出し量が多くなると、動滑車部材74はスライド孔89fに沿って上昇する。このとき、ワイヤ76の装飾部材71方向への繰り出し量は、動滑車部材74の上昇量の略2倍となる。また、ワイヤ76の装飾部材71の方向への繰り出し量が少なくなると、動滑車部材74はスライド孔89fに沿って下降する。
第2の移動制御機構部81は、図11に示すように、第2モータ81aと、歯車81bと、可動伝達部材82と、負荷ラック84(図12を参照)と、レール部材85と、支持部材86とを備える。
第2モータ81aは、ステッピングモータであり、「第2の駆動手段」の具体例を構成する。また、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220(後述する。)に接続され、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220(後述する。)から送信される制御信号を用いて制御される。そして、第2モータ81aは、第2の取付ベース部材89の前壁部のうちで、ガイド板75の取付位置よりも下方に装着されている(図16の駆動軸81cの位置を参照)。また、第2モータ81aの前後に向けられた駆動軸81cは、第2の取付ベース部材89の前壁部に設けられた挿通孔(図示を省略する)を用いて、第2の取付ベース部材89の内部に到達している。更に、第2モータ81aの駆動軸81cには、第2の取付ベース部材89の内部において、歯車81bが一体回動可能な状態に装着されている。
可動伝達部材82は、第2の取付ベース部材89の内部に配置され、第2モータ81aの駆動力を、支持部材86(後述する。)に伝達するためのものである。この可動伝達部材82は、図18に示すように、上下に長尺な板状体で構成される本体部82aと、本体部82aの後面部から突出するスライド部82bと、本体部82aの前面部から突出するラック部82mと、本体部82aの前面部に回転可能な状態で装着された伝達歯車82nとを備える(図11を参照)。
スライド部82bは、図18(b)に示すように、正面視で略長円形状に構成され、「第2の取付ベース部材89の後壁部のスライド孔89e」に摺動可能な状態で装着されている。つまり、図19に示すように、スライド部82bの上下幅は、スライド孔89eの上下幅よりも小さくされているため、スライド部82bがスライド孔89e内を上下に摺動する範囲内で、可動伝達部材82は上下動可能とされている。
ラック部82mは、図18(a)に示すように、本体部82aの前面部から突出する略棒形状(横断面形状が略矩形の略棒形状)の突起(突条)によって構成されている。このラック部82mは、本体部82aの前面部の「上下方向に沿った略中央部」から下端部側に向かって上下に長尺に構成されている。また、ラック部82mにおいて、表示窓21eから離間する側の側面(第1の可動演出装置70Lでは「左側面」、第2の可動演出装置70Rでは「右側面」)には、「第2モータ81aの駆動軸81cに装着された歯車81b」と噛合する多数の歯82v(図11を参照)が直線状に並んでいる。
伝達歯車82nは、本体部82aに負荷される上下方向への駆動力を、後述する支持部材86に伝達するための歯車であり、図18(a)に示すように、本体部82aの前面部における上端側(ラック部82mの形成部位よりも上方)に、回転可能な状態に装着されている。つまり、この伝達歯車82nは、本体部82aの前面部から突出する支持軸82pによって回転可能な状態に支持されている。
負荷ラック84は、伝達歯車82nの回転を規制するためのラックであり、図18(c)に示すように、第2の取付ベース部材89の前壁部の後面部から突出する突起(突条)に固着されている(図12を参照)。この負荷ラック84は、第2の取付ベース部材89の前壁部の後面部から突出する略棒形状(横断面形状が略矩形の略棒形状)の突起(突条)によって構成されている。また、負荷ラック84において、表示窓21e側に位置する側面(第1の可動演出装置70Lでは「右側面」、第2の可動演出装置70Rでは「左側面」)には、伝達歯車82nに対して、左側から(第2の可動演出装置70Rでは右側から)噛合可能な歯84w(図12を参照)が直線状に連続形成されている。
ここで、図16に示すように、負荷ラック84の歯の上下幅は、本体部82aの上下方向への駆動距離(駆動範囲)よりも大きくされている。つまり、図20に示すように、第2モータ81aの駆動軸81cを「回転方向A」若しくは「回転方向Aとは逆の方向」に回転して、歯車81bに噛合するラック部82mを上昇若しくは下降させ、本体部82aを上昇若しくは下降させると、伝達歯車82nも本体部82aと一体で上昇若しくは下降するが、その際、伝達歯車82nと負荷ラック84とが噛合する状態が維持される。負荷ラック84は第2の取付ベース部材89に固定されているため、本体部82a(可動伝達部材82)が上下動する際に、伝達歯車82nも、「第2モータ81aの駆動軸81cの回転方向と同方向」に回転して上下動し、後述する支持部材86を上下動させる(詳細は後述する。)
図8、図11〜図13に示すように、レール部材85は、第1の取付ベース部材79の前壁部の前面に装着される上下に長尺な部材であり、後述する「支持部材86」及び「第1の移動制御機構部77」を上下動可能な状態に支持するためのものである。このレール部材85は、図21(a)に示すように、アウターレール85aと、リテーナ85bと、インナーレール85cとを備える。このうち、アウターレール85aは、上下に長尺な背板部85dと、その両側縁から前方に突出する側板部85e、85eとを備え、横断面形状が略コの字状とされている。そして、背板部85dの後面部は、第1の取付ベース部材79の前壁部に固着(ネジ止め、接着、カシメ等を用いて固定)されているとともに、両側板部85e、85eの突端部側は、互いの間隔を狭めるように屈曲している。なお、この「レール部材85」によって、「第2の移動経路」、つまり、第2の移動制御機構部81が上下に往復移動する経路が規制される。また、「レール部材85」によって規制(特定)される「第2の移動経路」は、ガイド孔75gによって規制(特定)される「第1の移動経路」とは略平行とされている。
リテーナ85bも、上下に長尺な背板部85gと、その両側縁から前方に突出する側板部85h、85hとを備え、横断面形状が略コの字状とされている。但し、この背板部85gの上下幅は、アウターレール85aの背板部85dよりも短く(約2/3)されるとともに、左右方向中間部を前方に屈曲させている。また、側板部85h、85hには、上下方向に沿って複数の保持孔85xが設けられている。そして、側板部85h、85hは各保持孔85xによってボールベアリング85vを回転可能な状態に保持している。
インナーレール85cは、上下に長尺な前板部85mと、その両側縁から後方に突出する側板部85n、85nとを備え、横断面形状が略コの字状とされている。但し、この前板部85mの上下幅は、リテーナ85bの背板部85gよりも短く(約半分)されている。また、両側板部85n、85nの突出方向に沿った中間部は、互いの間隔を縮めるように湾曲している。
このレール部材85においては、アウターレール85aとインナーレール85cとの間にリテーナ85bを介在させた状態で組み込まれている。つまり、アウターレール85aの背板部85dの前面部と、リテーナ85bの背板部85gの後面部とを前後に近接する状態に対向配置した状態で、インナーレール85cの前板部85mが、アウターレール85aの前方の開口部に配置される。このとき、アウターレール85aの側板部85e、85eの突出方向に沿った中間部と、インナーレール85cの側板部85n、85nの突出方向に沿った中間部との間に、ボールベアリング85vが滑動可能な状態(両中間部と接触しつつ転動可能な状態)に配置される。
以上のレール部材85においては、インナーレール85cに対して、上下方向への駆動力が負荷されると、インナーレール85cはボールベアリング85vに支持されつつ、アウターレール85a内を上下動することができる。ここで、このレール部材85において、インナーレール85cが上下方向に駆動すると、リテーナ85bは、インナーレール85cよりも僅かに低速で上下方向に駆動する。但し、インナーレール85cの上下幅は、リテーナ85bの上下幅よりも短くされるとともに、インナーレール85cの駆動範囲も一定範囲内に止められるため、インナーレール85cの上下動する際には、アウターレール85aとインナーレール85cとの間に、必ずリテーナ85bが存在することとされている。また、アウターレール85aの背板部85dの前面部の上下端には、インナーレール85c及びリテーナ85bの抜け止めを図るための突起85pが設けられている(図22を参照)。
図16に示すように、支持部材86は、第1の移動制御機構部77と可動伝達部材82との間に介在され、第1の移動制御機構部77を上下動可能な状態に支持するための部材である。この支持部材86は、図22に示すように、上下に略直方体形状に構成される本体部86aと、本体部86aの側面から突出するラック部86bとを備える。また、本体部86aは、上下に向けられる軸心方向に沿った幅が、インナーレール85cの上下幅と略等しくされ、背面部をインナーレール85cの前板部85mに固着(ネジ止め、接着、カシメ等を用いて固着)することで、インナーレール85cを前方から隠蔽するとともに、インナーレール85cと一体で上下動可能とされている(図21を参照)。
ラック部86bは、本体部86aにおいて、表示窓21eから離間する側の側面(第1の可動演出装置70Lでは「左側面」、第2の可動演出装置70Rでは「右側面」)から突出している。このラック部86bは、図16に示すように、板形状に構成されるとともに、突端部には、伝達歯車82nに対して、右側から(第2の可動演出装置70Rでは左側から)噛合可能な歯86v(図12及び図22を参照)が直線状に連続形成されている。また、このラック部86bは、挿通孔89dを通じて、第2の取付ベース部材89の内部に進入して伝達歯車82nに噛合している(図12を参照)。なお、ラック部86bは、挿通孔89dの上下幅よりも小さくされている。そして、「第2の取付ベース部材89において挿通孔89dを形作る部位」のうちで、上端に位置する部位89vにラック部86bの上端が当接したとき、支持部材86は最上方位置(移動可能な範囲のうちで、最上方に位置する部位)に到達し、下端に位置する部位89wにラック部86bの上端が当接したとき、支持部材86は最上方位置(移動可能な範囲のうちで、最上方に位置する部位)に到達する。
図22に示すように、ラック部86bの上下幅は、本体部86aの上下幅よりも短くされ、本体部86aの上端側と下端側にはラック部86bが突出しない部分が存在する。そして、本体部86aの上端側において、ラック部86bが突出しない部分の前面部には、後述する第1の移動制御機構部77を取り付けるためのブラケット86cが装着されている。また、図21(b)に示すように、本体部86aの下端側において、ラック部86bが突出しない部分の前面部からは、支持部材86が「最下方位置(支持部材86の駆動予定範囲のうちの最下方位置)」に到達したことを検出するための被検出部(インデックス)86dが突出している。
なお、図22に示すように、第2の取付ベース部材89の前壁部の前面部には、透過型のフォトセンサ(フォトインタラプタ)86eが取り付けられている。このフォトセンサ86eは、位置検出基板226Aを介してサブ制御基板220(後述する。)に接続されている。また、このフォトセンサ86eは、図21(b)に示すように、LEDで構成される発光素子86fと、フォトトランジスタで構成される受光素子86gと、所定の間隔をおいて向かい合う状態に配置した構成を備える。そして、このフォトセンサ86eでは、発光素子86fと受光素子86gとの間の空間部が上方に開放されるとともに被検知体86dの直下に位置し、被検知体86dが進入可能なサイズを有している。そして、被検知体86dが空間部に進入し、「発光素子86fから出た光を遮断する状態(発光素子86fからの光が受光素子86gに入光しない状態)」となると、支持部材86が「最下方位置」に到達したことが検知される。但し、本実施例では、第2モータ81aとしてステッピングモータを使用するため、サブ制御基板220は、第2モータ81aに供給する駆動信号(駆動パルス)の総数をカウントすることによっても、支持部材86の位置を把握することができる。
本実施例では、図20に示すように、第2モータ81aの駆動軸81cが、第1の回転方向(図中、矢印Aの方向)に回転すると、ラック部82mと一体の本体部82a及び伝達歯車82nは上方へスライドする。このとき、伝達歯車82nは、「第2の取付ベース部材89に固着された負荷ラック84」と噛合しているため、伝達歯車82nが「第1の回転方向と同方向」に回転する。そして、伝達歯車82nがラック部86bを上方に移動させるため、支持部材86が上昇する。一方、第2モータ81aの駆動軸81cが、第1の回転方向の逆方向(図中、矢印Aの方向と逆方向)に回転すると、ラック部82mと一体の本体部82a及び伝達歯車82nは下方へスライドする。このとき、負荷ラック84」と噛合する伝達歯車82nは、「第1の回転方向の逆方向」に回転する。そして、伝達歯車82nがラック部86bを下方に移動させるため、支持部材86が下降する。ここで、以下の説明において、「第1の回転方向(図中、矢印Aの方向)」を「上昇回転方向」と称し、「第1の回転方向と逆方向」を「下降回転方向」と称する。
なお、第2の駆動手段は本実施例に示すモータに限定されず、ソレノイド等の他のアクチュエータであってもよい。また、支持部材86を上下動可能に支持するための部材は、本実施例に示すレール部材85に限定されない。例えば、本レール部材85からリテーナ85bを排除したレール部材(アウターレール85aに対して、インナーレール85cを摺動可能に組み付けたレール部材)であってもよい。更に、第1の取付ベース部材79の前壁部において、上下方向に長尺に設けられた案内部(ガイド孔、ガイド用の凹部、ガイド用の突起等)に対して、挿入され、案内部に対して上下方向に摺動可能な挿入部を、支持部材86に設けてもよい。また、本可動演出装置70L、70Rは、位置検出センサとして、複数個の「透過型のフォトセンサ86e、71t、77x」を用いているが、位置検出センサとして、接触型のセンサ等の種々の位置検出手段を用いることができる。
第1の移動制御機構部77は、前述のように、ブラケット86cを用いて、支持部材86の上端部に装着されている。そして、図22に示すように、第1モータ77aと、歯車77bと、可動部材77cと、支持体77eとを備える。このうち、支持体77eは、上板部77fと、下板部77gとを略平行に配置した略コの字状の縦断面を有しており、ブラケット86cの上端部に一体化されている。
第1モータ77aは、ステッピングモータであり、「第1の駆動手段」の具体例を構成する。また、装飾駆動基板226を介してサブ制御基板220(後述する。)に接続され、その回転動作(回動動作)と停止動作は、サブ制御基板220(後述する。)から送信される制御信号を用いて制御される。そして、第1モータ77は、駆動軸77hの突端部を鉛直下方に向けた状態で、支持体77eの上板部77fに固定されている。つまり、駆動軸77hは上板部77fの挿通孔(図示を省略)に挿通され、上板部77f及び下板部77gの間の空間に進入している。
歯車77bは、図23に示すように、周方向に沿った一部のみに歯を設けた欠け歯歯車であるとともに、駆動軸77hと一体回転可能な状態に装着されている。また、歯車77bは、上板部77f及び下板部77gの間の空間内において、歯77vを表示窓21eから離間する側に向けて配置されている。
可動部材77cは、図23に示すように、歯車部77mと、歯車部77mの外周部から突出する可動片部77nとを備える。このうち、歯車部77mは、周方向に沿った一部のみに歯77wを設けた欠け歯歯車であり、上板部77f及び下板部77g間に上下に配置された軸77pよって回転可能な状態に支持されている。つまり、軸77pは、上板部77f及び下板部77gによって端部を支持されるとともに、軸心を上下に向けている。そして、歯車部77mは、その歯77wを表示窓21eの方向に向け、歯車77bの歯77vに噛合させている。
可動片部77nは、可動片を構成する部分であり、表示窓21eから離間する方向に向かって突出する棒形状に構成されている。また、可動片部77nは、歯車部77mの外周部のうちで、歯が設けられていない部位から突出している。
本実施例では、図23(a)及び(b)に示すように、支持部材86の高さ位置が何れであっても、可動片部77nの高さ位置は、「ガイド板75のガイド孔75g」の前方若しくは斜め前方(表示窓21eの方向を沿った斜め前方)となる。つまり、可動片部77nの高さ位置は、「ガイド孔75gの何れかの部位」の高さ位置と等しくなる。そして、可動片部77nが、図23(b)の実線の状態にあるとき、第1モータ77aの駆動軸77hを、第2の回転方向(図中、矢印Cの方向)に回転し、歯車部77m及び可動片部77nを逆方向(図中、矢印Dの方向)に回転すると、図23(b)において破線で示すように、可動片部77nの突端部が、ガイド孔75gの正面前方において、ガイド孔75gに近接する位置(係合突起74bのガイド板75前方への突出長よりも短い距離となる位置)に到達する。このとき、図23(a)に示すように、可動片部77nの下方において、係合突起74bがガイド板75前方に突出していると、可動片部77nが動滑車部材74をロックする。つまり、動滑車部材74と、可動片部77nとが一体となって移動するように可動片部77nが動滑車部材74をロックするロック状態となる。
このロック状態{図23(a)に示す状態}にあるとき、第1モータ77aの駆動軸77hを、第2の回転方向と反対方向(図中、矢印Eの方向)に回転し、歯車部77m及び可動片部77nを所定方向(図中、矢印Fの方向)に回転すると、図23(b)の実線で示すように、可動片部77nの突端部が、ガイド孔75gの正面前方において、ガイド孔75gから離間する位置(係合突起74bのガイド板75前方への突出長よりも長い距離となる位置)に到達する。これにより、「ロック状態が解除されたロック解除状態」となり、可動片部77nと動滑車部材74との間で独立した移動が可能となる。ここで、以下の説明において、「第2の回転方向(図中、矢印Cの方向)」を「ロック回転方向」と称し、「第2の回転方向と逆方向(図中、矢印Eの方向)」を「解除回転方向」と称する。
なお、本実施例では、歯車77bの外周部から被検出部(インデックス)77sを突出(垂下)させ、支持体77eに、透過型のフォトセンサ(フォトインタラプタ)77tを取り付けている。このフォトセンサ77tも、位置検出基板226Aを介してサブ制御基板220(後述する。)に接続されているとともに、LEDで構成される発光素子と、フォトトランジスタで構成される受光素子と、所定の間隔をおいて向かい合う状態に配置した構成を備える。そして、このフォトセンサ77tでは、発光素子と受光素子との間の空間部の上方と、被検出部(インデックス)77sが周回する方向(歯車77bの回転に伴って回転する方向)に沿った両端と、が開放されているとともに、被検出部(インデックス)77sが進入可能なサイズを有している。
そして、歯車77bが回転して可動片部77nが動滑車部材74のロックを解除する回転位置になったことは、歯車77bが回転したことが、被検出部(インデックス)77sがフォトセンサ77tの空間部に進入し、「発光素子から出た光を遮断する状態(発光素子からの光が受光素子に入光しない状態)」となることで検知される。但し、本実施例では、第1モータ77aとしてステッピングモータを使用するため、サブ制御基板220は、第1モータ77aに供給する駆動信号(駆動パルス)の総数をカウントすることによっても、歯車77bの回転位置を把握することができる。なお、第1の駆動手段は本実施例に示すモータに限定されず、ソレノイド等の他のアクチュエータであってもよい。
図6に示すように、第1の可動演出装置70Lを構成する装飾部材71は、第3の取付部21hの左端側に装着された支持レール部72L(図15を参照)を用いて装着され、第2の可動演出装置70Rを構成する装飾部材71は、第3の取付部21hの右端側に装着された支持レール部72R(図15を参照)を用いて装着されている。また、図24に示すように、第3の取付部21hの左端側に装着された支持レール部72Lは右方向に斜めに下り傾斜に配置されている。また、図示を省略するが、第3の取付部21hの右端側に装着された支持レール部72Rは、左方向に斜めに下り傾斜に配置されている。但し、図15に示すように、第3の取付部21hは左右方向に段差を有しているため、前者の支持レール部72Lの装着部位を、後者の支持レール部72Rの装着部位よりも前方に向けている。このため、左右の支持レール部72L、72R、後述する左右の伸縮レール部72B及び左右の装飾部材71が伸びた状態となっても、それらが左右から衝突することはない。
図24〜図27に示すように、装飾部材71は、支持部71aと、柄形状部71bと、はばき形状部71dと、刃形状部71eと、伸縮レール部72Bとを備える。なお、左右の装飾部材71は相互に鏡面対象(線対称)な構造を備える点と、装着位置が「前後にズレている」点を除いて同様であるため、左側の装飾部材71(第1の可動演出装置70Lを構成する装飾部材71)を中心に説明する。
支持部71aは、図25に示すように、略板形状に構成されるとともに、伸縮可能な支持レール部72Lを用いて、斜め方向に落下可能な状態に支持されている(図24を参照)。また、柄形状部71bは、前方に膨らむ曲板を主体に構成され、支持部71aの前面部に一体化され、上端を封止し、下端に開口部71fを配した略容器形状を構成する(図24を参照)。また、柄形状部71bの下端側の外周部からは、鍔形状部71cが突出している。なお、柄形状部71b及び支持部71aの一体品71A(図25及び図26を参照)は、その開口部71fを斜め下方に向かって開口させ、その軸心を斜め下方に向けている。
図26に示すように、支持部71aにおいては、斜め傾斜状に配置される両側縁寄りの部位に、はばき形状部71dをスライド可能に支持するためのガイド部71f、71gが設けられている。つまり、支持部71aの左側縁寄りの部位(右側の装飾部材71では、右側縁寄りの部位)には、略長円状の長孔(長軸を一体品71Aの軸心方向に向けた長孔)と、支持部71aの前面部及び後面部において長孔の周囲から立ち上げられた略長円状の突起と、を備えるガイド部71fが設けられている(図24を参照)。また、支持部71aの右側縁寄りの部位(右側の装飾部材71では、左側縁寄りの部位)には、一体品71Aの軸心に直交する断面がコの字状で、支持部71aの右側縁に沿って長尺で、しかも、他方のガイド部71fに開口するガイド部71gが設けられている(図24を参照)。
「はばき形状部71d」は、図26に示すように、前方に膨らむ曲板を主体に構成され、一体品71Aの内側に挿入配置されている。この「はばき形状部71d」の後面部において、斜め傾斜状に配置される両側縁寄りの部位には、支持部71aのガイド部71f、71gに対応するスライド突起71h、71kが設けられている。つまり、はばき形状部71dの左側縁寄りの部位(右側の装飾部材71では、右側縁寄りの部位)には、ガイド部71fに対して前方から後方に挿入されるスライド突起71hが設けられ、はばき形状部71dの右側縁寄りの部位(右側の装飾部材71では、右側縁寄りの部位)には、ガイド部71gに対して側方から挿入されるスライド突起71kが設けられている。なお、スライド突起71hの突端部には、スライド突起71hの抜け止めを行うための部材71mが装着されている。
両スライド突起71h、71kのスライド方向幅(一体品71Aの軸心方向に沿った幅)は、ガイド部71f、71gの同方向に沿った幅よりも小さくされている。そして、はばき形状部71dは、両スライド突起71h、71kをガイド部71f、71gで支持されつつ、スライド突起71h、71kがガイド部71f、71g内でスライド可能な範囲内において、斜め上下方向(一体品71Aの軸心方向)に進退可能とされている。この場合、はばき形状部71dが、最も上方に後退すると、はばき形状部71dは、一体品71Aの内部に収納された状態となり、はばき形状部71dが、最も下方に前進すると、はばき形状部71dの下方側の半分が、一体品71Aの外側に突出する状態とされる(図24の状態を参照)。
刃形状部71eは、図27に示すように、略板形状に構成されている。そして、装飾部材71が伸ばされていないとき、「刃先を含む下端側」を除いて、「はばき形状部71d」と、「支持部71a」との間に配置している。この刃形状部71eは、図26に示すように、後述する伸縮レール部72Bとを用いて、支持部71aに支持され、柄形状部71b及び支持部71aの一体品71A(図25及び図26を参照)の軸心方向に沿って上下動可能とされている。そして、一体品71A及びはばき形状部71dが、斜め下り傾斜方向に落下し、はばき形状部71dが最も下方の高さ位置に前進すると、刃形状部71eは、その上端側を除いて、はばき形状部71dの斜め下方に露出する(図24の状態を参照)。なお、刃形状部71eの後面部における下端側には、ワイヤ76の一端部76aが固着されている(図24を参照)。
左右の支持レール部72L、72R及び伸縮レール部72Bは、同様な構成を備えている。このため、左の支持レール部72Lの構成のみを詳細に説明し、右の支持レール部72R及び伸縮レール部72Bの構成については、左の支持レール部72と同一符号を付して補足的に説明する。ここで、図25に示すように、支持部71aの後面部において、右側縁寄りの部位(右側の装飾部材71では、右側縁寄りの部位)には、支持レール部72Lを装着するための凹部71vが設けられ、支持部71aの前面部において、左側縁寄りの部位(右側の装飾部材71では、右側縁寄りの部位)には、伸縮レール部72Bを装着するための凹部71wが設けられている。
支持レール部72Lは、図29〜図31に示すように、第1アウターレール72aと、第2アウターレール72bと、リテーナ72c、72dと、インナーレール72eとを備える。このうち、両アウターレール72a、72bは、上下に長尺な底板部72fと、その両側縁から同方向に突出する側板部72gとを備え、横断面形状が略コの字状とされている。なお、以下の説明において、両アウターレール72a、72bの底板部72fのうちで、側板部72gが突出しない側の面を装着面という。なお、この支持レール部72Lによって、装飾部材71の落下経路が規制(特定)される。つまり、支持レール部72Lは伸縮可能とされるため、装飾部材71の落下経路は、支持レール部72Lも伸縮方向に規制(特定)される。
図30に示すように、第1アウターレール72aでは、底板部72fの装着面を第3の取付部21hの左端側に固着(ネジ止め、接着、カシメ等によって固着)され、その軸心を右下り傾斜状(右の支持レール部72Rでは、左下り傾斜状)としている。また、第2アウターレール72aでは、底板部72fの装着面を支持部71aの後面部方向に向けつつ凹部71vに嵌合するとともに、底板部72fを支持部71aに固着(ネジ止め、接着、カシメ等によって固着)している。そして、第2アウターレール72aの軸心は、第1アウターレール72aの軸心と同一方向に向けられている(図28及び図31を参照)。
図29に示すように、インナーレール72eは棒状体によって構成されている。このインナーレール72eは、両アウターレール72a、72bよりも、軸心長が短く、幅(軸心に直交する方向に沿った幅)が僅かに小さくされるとともに、肉厚が両アウターレール72a、72bの肉厚を合わせたものよりも大きくされている。また、図30に示すように、インナーレール72eの両側面は、軸心方向に沿った溝72hが2個ずつ設けられている。なお、この溝72hの「インナーレール72eの軸心方向に直交する断面形状」は略三角とされている。
リテーナ72c、72dは、図30に示すように、上下に長尺な底板部72mと、その両側縁から同方向に突出する側板部72n、72nとを備え、横断面形状が略コの字状とされている。但し、この底板部72mの軸心長は、両アウターレール72a、72b及びインナーレール72eの軸心長よりも短く(約2/5)されている。また、側板部72n、72nには、軸心方向に沿って複数の保持孔72pが設けられ、ボールベアリング72qが回転可能な状態に保持されている。
この支持レール部72Lにおいては、図30に示すように、第1アウターレール72aとインナーレール72eとの間にリテーナ72cが介在され、第2アウターレール72bとインナーレール72eとの間にリテーナ72dが介在されている。つまり、リテーナ72cの底板部72mと第1アウターレール72aの底板部72fとを前後に、この順で近接する状態に対向配置した状態で、インナーレール72eの後方側が第1アウターレール72aに挿入され、第2アウターレール72aの底板部72fと、リテーナ72cの底板部72mとを前後に、この順で近接する状態に対向配置した状態で、インナーレール72eの前方側が第2アウターレール72bに挿入される。このとき、第1アウターレール72aの側板部72n、72nの突出方向に沿った中間部と、インナーレール72eの両側面の後方側との間に、ボールベアリング72qが滑動可能な状態に配置され、第2アウターレール72bの側板部72n、72nの突出方向に沿った中間部と、インナーレール72eの両側面の前方側との間に、ボールベアリング72qが滑動可能な状態に配置される。
以上の支持レール部72Lにおいては、第2アウターレール72bに装飾部材71の自重が負荷され、第2アウターレール72bが斜め下方に落下すると、第2アウターレール72bは、ボールベアリング72qに支持されつつ、インナーレール72eを基準に落下するとともに、インナーレール72eも、ボールベアリング72qに支持されつつ、第1アウターレール72aを基準に落下する。つまり、支持レール部72Lが、「1アウターレール72aと第2アウターレール72bとをインナーレール72eを挟み前後に対向させ、アウターレール72a、72b一本分の長さである状態」から、「第1アウターレール72aと第2アウターレール72bとをインナーレール72eを共有しつつ直列に配設して、第1アウターレール72a及び第2アウターレール72bを合わせた長さに伸びた状態」となる。このため、装飾部材71は、略「第2アウターレール72bの軸心長」の分だけ落下する。すなわち、支持レール部72Lの軸心方向に向かう落下経路に沿って、第2アウターレール72bの軸心長の分だけ落下する。なお、この支持レール部72Lでは、インナーレール72e及び第2アウターレール72bの落下量が所定量となったところで、両アウターレール72a、72bの内壁から突出する係合突起72rが、インナーレール72eの外壁から突出する係合突起72sに対して、支持レール部72Lの軸心方向に係合させてもよい。この場合、インナーレール72e及び第2アウターレール72bの落下量がそれ以上となることが防止され、第1アウターレール72aと第2アウターレール72bとが、インナーレール72eを介して連結された状態が維持される。
伸縮レール部72Bは、図26に示すように、支持レール部72Lと同様な構成を備えるが、前後を反転した状態で、装飾部材71に装着されている。つまり、伸縮レール部72Bを構成する第1アウターレール72aは、その底板部72fの装着面を支持部71aの前面部方向に向けつつ凹部71wに嵌合するとともに、底板部72fを支持部71aに固着(ネジ止め、接着、カシメ等によって固着)している。そして、第1アウターレール72aの軸心は、支持レール部72Lの軸心と同一方向に向けられている(図28を参照)。
伸縮レール部72Bを構成する第2アウターレール72bは、図26に示すように、底板部72fの装着面を刃形状部71eの後面部に固着(ネジ止め、接着、カシメ等によって固着)され、その軸心を第1アウターレール72aの軸心と同一方向に向けている。
この伸縮レール部72Bにおいても、第1アウターレール72aとインナーレール72eとの間にリテーナ72cが介在され、第2アウターレール72bとインナーレール72eとの間にリテーナ72dが介在されている。つまり、リテーナ72cの底板部72mと第1アウターレール72aの底板部72fとを前後に、この順で近接する状態に対向配置した状態で、インナーレール72eの後方側が第1アウターレール72aに挿入され、第2アウターレール72aの底板部72fと、リテーナ72cの底板部72mとを前後に、この順で近接する状態に対向配置した状態で、インナーレール72eの前方側が第2アウターレール72bに挿入される。
以上の伸縮レール部72Bにおいては、刃形状部71eの自重が負荷され、第2アウターレール72bが斜め下方に落下すると、第2アウターレール72bは、ボールベアリング72qに支持されつつ、インナーレール72eを基準に落下するとともに、インナーレール72eも、ボールベアリング72qに支持されつつ、第1アウターレール72aを基準に落下する。つまり、伸縮レール部72Bが、「1アウターレール72aと第2アウターレール72bとをインナーレール72eを挟み前後に対向させ、アウターレール72a、72b一本分の長さである状態」から、「第1アウターレール72aと第2アウターレール72bとをインナーレール72eを共有しつつ直列に配設して、第1アウターレール72a及び第2アウターレール72bを合わせた長さに伸びた状態」となる。このため、装飾部材71を構成する刃形状部71eは、一体品71Aよりも、略「第2アウターレール72bの軸心長」の分だけ、更に落下する。すなわち、支持レール部72Lを利用して、装飾部材71全体が落下すると、伸縮レール部72Bの作用で、装飾部材71の構成部材が伸びた状態となる。なお、この伸縮レール部72Bにおいても、支持レール部72Lと同様に、係合突起72r、72sの係合により、インナーレール72e及び第2アウターレール72bの落下量が必要量以上となることを防止してもよい(図31を参照)。
本実施例では、図9及び図10に示すように、柄形状部71bの後端部(上端部)から被検出部(インデックス)71wを突出させ、第3の取付部21hの左端側(第2の可動演出装置70Rでは、第3の取付部21hの右端側)に、透過型のフォトセンサ(フォトインタラプタ)71xを取り付けている。このフォトセンサ71xも、位置検出基板226Aを介してサブ制御基板220(後述する。)に接続されているとともに、LEDで構成される発光素子と、フォトトランジスタで構成される受光素子と、所定の間隔をおいて向かい合う状態に配置した構成を備える。そして、装飾部材71が上限位置に到達すると、被検出部(インデックス)71wが当該空間部に進入する。このため、装飾部材71が上限位置に到達したことが、このフォトセンサ71xによって検出される。
なお、第1の可動演出装置70L及び第2の可動演出装置70Rから、伸縮レール部72Bを排除して、装飾部材71を伸縮不可能としてもよい。また、装飾部材71を落下可能に支持するための部材は、本実施例に示す支持レール部72L、72Rに限定されない。例えば、支持レール部72L、72Rを第1アウターレール72aのみで構成するとともに、装飾部材71の後面部等に、第1アウターレール72a内で摺動する摺動部(挿入部)を設けてもよい。更に、第3の取付部21hに筒状の支持部を設け、装飾部材71から支持部に挿入される挿入部を設け、挿入部の挿入量を多くすることで、装飾部材71を上昇させ、挿入部の挿入量を少なくすることで、装飾部材71を落下させる構造を採用してもよい。また、第3の取付部21hに溝状、レール状等のガイド部を設けるとともに、装飾部材71にガイド部に案内される部位を設けることで、装飾部材71を第3の取付部21hに対して落下可能な状態に支持してもよい。但し、本実施例では、伸縮式の「支持レール部72L、72R」を用いるため、「支持レール部72L、72R」の収納スペースの省スペース化を図りつつも、装飾部材71の落下距離を、より長くすることができる。また、本実施例では、装飾部材71を伸縮構造とすると共に伸縮式の「伸縮レール部72B」を用いるため、装飾部材71自体を伸縮させ(装飾部材71を折りたたみ構造とし)、装飾部材71の下端部の落下距離を更に長くしたり、より効果的な演出を実行できる。
ここで、図32(a)は、ガイド孔75gの最下部に位置する係合突起74bに、その上方から可動片部77nを当接させ、動滑車部材74をロックした状態(以下、この状態を「最下部ロック状態」という。)。つまり、動滑車部材74及び係合突起74bを、その移動範囲中の最下部に位置させると、ワィヤ76の中間部が下方に押圧され、ワィヤ76の「ガイド孔75gの最下部方向への引き込み量」が増大する。そして、ワィヤ76の一端部76aが、装飾部材71の落下経路上の上端部側に移行し、装飾部材71は、その落下経路上の最上部に引き上げられる。このとき、ワィヤ76から動滑車部材74には、装飾部材71の自重を原因とする引き上げ力が負荷されるが、可動片部77nが係合突起74bの鉛直上方から当接しているため、動滑車部材74はロックされた状態となる。
この可動演出装置70L(70R)の状態が、「最下部ロック状態」にあるとき、第1モータ77aを駆動すると(駆動軸77hを前述の「所定の回転方向と反対方向」に回転させると)、図32(b)に示すように、可動片部77nが係合突起74bの鉛直上方から排除される。これにより、「ロック状態が解除されたロック解除状態」となり、可動片部77nと動滑車部材74との間で独立した移動が可能となるため、動滑車部材74はその移動範囲中の最上部に移動する。つまり、ワィヤ76から動滑車部材74には、装飾部材71の自重を原因とする引き上げ力が負荷されているため、係合突起74bはガイド孔75gの最上部に移動する(以下、この状態を「最上部ロック解除状態」という。)。
このとき、ワィヤ76が定滑車80を介して、装飾部材71の落下経路の下端部方向に繰り出されるため、装飾部材71はその落下経路に沿って所定量落下する。この際、柄形状部71b及び支持部71aの一体品71Aの下端部から、「はばき形状部71d」が突出するとともに、刃形状部71eの突出量が増大する。また、本実施例では、移動部材として動滑車部材74を用いるため、可動演出装置70L(70R)の状態が、「最下部ロック状態」から「最上部ロック解除状態」に変化する際の「装飾部材71の落下量」は、ガイド孔75gの上下幅の約2倍となる。
可動演出装置70L(70R)の状態が、「最上部ロック解除状態」にあるとき、第2モータ81aを駆動し(第2モータ81aの駆動軸81cを、第1の回転方向に回転させ)、支持部材86及び第1の移動制御機構部77を、それらの上下移動範囲における最上部に上昇させる。この後、第1モータ77aを駆動すると(駆動軸77hを前述の「所定の回転方向」に回転させると)、図33(a)に示すように、ガイド孔75gの最上部に位置する係合突起74bに、その上方から可動片部77nを当接させ、動滑車部材74をロックした状態(以下、この状態を「最上部ロック状態」という。)となる。
可動演出装置70L(70R)の状態が、「最上部ロック状態」にあるとき、第2モータ81aを駆動し(第2モータ81aの駆動軸81cを、第1の回転方向と反対方向に回転させ)、支持部材86及び第1の移動制御機構部77を、それらの上下移動範囲における最下部に下降させると、可動演出装置70L(70R)の状態は、図32(a)に示す「最下部ロック状態」に変化する。
可動演出装置70L(70R)の状態が「最下部ロック状態」にあるとき、第2モータ81aを、所定量だけ駆動し(第2モータ81aの駆動軸81cを、第1の回転方向に所定量だけ回転させ)、支持部材86及び第1の移動制御機構部77を、それらの上下移動範囲における中間部に上昇させると、図33(b)に示すように、この中間部においても、動滑車部材74をロックした状態(以下、この状態を「中間部ロック状態」という。)が維持される。この場合、装飾部材71の落下経路の下端部方向への落下量は特定量に止まる。また、「中間部ロック状態」へ状態を変化させる際に、第2モータ81aの駆動軸81cの回転速度や回転態様(例えば、正回転方向への回転と、反回転方向への回転とを交互に行う回転態様)を選択することで、装飾部材71の動作態様(「素早く落下」、「ゆっくり落下」、「落下と上昇を繰り返してから落下」)を容易に選択できる。例えば、後述するサブ制御基板220のCPU220aが、駆動軸81cの回転速度や回転態様を制御すれば、装飾部材71の動作態様を自由に定めることができる。
可動演出装置70L(70R)の状態が「最上部ロック状態」にあるときも、第2モータ81aを、所定量だけ駆動し(第2モータ81aの駆動軸81cを、第1の回転方向と反対方向に所定量だけ回転させ)、支持部材86及び第1の移動制御機構部77を、それらの上下移動範囲における中間部に下降させると、「中間部ロック状態」が維持される。この場合も、装飾部材71の落下経路の上端部方向への上昇量は特定量に止まる。また、「中間部ロック状態」へ状態を変化させる際に、第2モータ81aの駆動軸81cの回転速度や回転態様(例えば、正回転方向への回転と、反回転方向への回転とを交互に行う回転態様)を選択することで、装飾部材71の動作態様(「素早く上昇」、「ゆっくり上昇」、「上昇と落下を繰り返してから上昇」)を容易に選択できる。この場合も、例えば、後述するサブ制御基板220のCPU220aが、駆動軸81cの回転速度や回転態様を制御すれば、装飾部材71の動作態様を自由に定めることができる。
図4に戻り、普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16は、遊技領域11において、メイン役物装置20の左側方に位置する部位に配設されている。また、この普通図柄作動ゲート16内には普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s(図36参照)が配設されている。そして、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sにより遊技球が検出されることを前提に「普通図柄の変動開始条件(普通図柄の抽選実行条件)」が成立すると、左下表示装置50(後述する。)において、普通図柄の変動表示(具体的は、普通図柄用のランプ装置の点滅表示)を開始する。そして、普通図柄の変動開始後、所定の変動時間を経過すると、普通図柄の確定表示(点灯、若しくは、消滅)がなされる。そして、普通図柄の当り表示(点灯表示)がなされると、普通電動役物17d(後述する。)が、所定時間(例えば、0.5秒)開放駆動される。
始動入賞装置17は、ステージ部21dの排出路の直下に位置する部位に配設されている。そして、第1の始動入賞部17aと、第2の始動入賞部17bとを上下に配設した構成を備える。このうち、第1の始動入賞部17aは、上方に開口部、つまり、第1の始動口を開口させたポケット形状を備えている。この第1の始動口は、排出通路の出口部21vの直下に位置するため、排出通路を通過した遊技球は、この第1の始動口を通じて、始動入賞装置17に入賞する確率が高くされている。
第2の始動入賞部17bは、第1の始動入賞部17aの略直下に位置すると共に、入口側部分に普通電動役物17dを備えている。この普通電動役物17dは、いわゆるチューリップ式で左右に一対の翼片部が開閉するべく形成されている。つまり、第2の始動入賞部17bは、この一対の翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド17c(図36参照)を備えている。そして、この一対の翼片部が左右に開くと、遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が立設され、遊技球の入球可能性が小さくなる通常状態となる。
始動入賞装置17の内部には、第1の始動入賞部17a、若しくは、第2の始動入賞部17bを遊技球の通過を検出する始動入賞口入賞球検出スイッチ17s(図36参照)が配設されている。つまり、第1の始動入賞部17aに入賞した遊技球と、第2の始動入賞部17bに入賞した遊技球は、始動入賞装置17内の同一の通路(図示を省略)を通過し、この通路の経路途中に配設された始動入賞口入賞球検出スイッチ17sによって検出される。
下部装置30は始動入賞装置17の下方に配設されるとともに、可変入賞装置(大入賞装置)31によって構成されている。この可変入賞装置31は、遊技盤10の前面部に装着された取付板部31kを備える。この取付板部31kは、略中央部において平面形状が略帯状の開口部を、表裏を貫通する状態に備え、この開口部によって大入賞口31aを構成している。そして、この大入賞口31aの後端部は、「大入賞口入賞通路(大入賞口31aから入賞する遊技球を通過させるための通路であり、図示を省略する。)」に連絡されている。そして、可変入賞装置31は、この大入賞口31aを開放・閉鎖するための開閉板31bと、この開閉板31bを駆動するための大入賞口ソレノイド31c(図36参照)と、大入賞口入賞通路の経路途中若しくは経路端末部に設けられた大入賞口入賞球検出スイッチ31s(図36参照)と、を備えている。この可変入賞装置31は、開閉板31bが起立姿勢となると、この開閉板31bが大入賞口31aを閉鎖するため、可変入賞装置31への遊技球の入賞が不可能となる。一方、開閉板31bが、その下端部を支点に前方に傾動して前傾姿勢となると、大入賞口31aが開放されると共に、開閉板31bの後面部(背面部)が遊技領域11を流下し、可変入賞装置31へ到達した遊技球を、大入賞口31aに誘導する誘導部を構成する。
左下表示装置50は、可変入賞装置(大入賞装置)31の左側方に配置されている。この左下表示装置50は、図34(a)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板51を備えている。そして、この取付板51には、普通図柄保留表示部52と、特別図柄保留表示部53と、遊技状態表示部55と、普通図柄表示部56とが設けられている。
普通図柄保留表示部52は、2個のLEDを用いて構成され、所謂「普通図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「普通図柄作動ゲート(普通図柄作動口)16を通過したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、普通図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、普通図柄作動ゲート16を通過したが、後述する普通図柄表示部56において、当該通過に伴う当否抽選の結果の表示と、これに先行する変動表示(本実施例では、LEDを用いて点滅表示)とがなされていない遊技球を指す。
特別図柄保留表示部53も、2個のLEDを用いて構成され、所謂「特別図柄に関する保留数」を、4個を上限として表示するものである。つまり、「始動入賞装置17に入賞したが、未だ、未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、4個上限数として表示すると共に、未消化の遊技球が消化される毎に、「未消化の遊技球の数(即ち、保留数)」を、順次、デクリメントして表示するものである。ここで、特別図柄に関する「未消化の遊技球(つまり、保留球)」とは、始動入賞装置17に入賞したが、後述する特別図柄表示部62において、当該通過に伴う当否抽選(当否判定)の結果の表示と、これに先行する変動表示とがなされていない遊技球を指す。
普通図柄保留表示部52及び特別図柄保留表示部53においては、同様な態様で、保留数の表示を行う。つまり、(a)2個のLEDを消灯させて「保留数」が「ゼロ」であることを、(b)1個のLEDを点灯させ、1個のLEDを消灯させて「保留数」が「1」であることを、(c)2個のLEDを点灯させて「保留数」が「2」であることを、(d)1個のLEDを点滅させ、1個LEDを点灯させて「保留数」が「3」であることを、(e)2個のLEDを点滅させて「保留数」が「4」であることを各々示す。
遊技状態表示部55は、1個のLEDにより構成され、遊技機1の電源投入時(遊技機1の起動時)の遊技状態(遊技モード)を表示するために用いられる。具体的には、LEDを消灯させることで「遊技状態が通常遊技状態(通常モード)である」旨が表示され、LEDを点灯させることで「遊技状態が確変遊技状態(高確率モード)である」旨が表示される。つまり、遊技状態表示部55のLEDは、電源投入時(起動時)に遊技モードが高確率モードとなっている場合に限り、点灯するものである。この場合、特別図柄の当否判定の結果として「大当り」が得られると、以後、遊技状態表示部55のLEDは消灯する。そして、遊技機1の電源を切るまでの間(遊技機1が稼働している間)に遊技状態が確変モードになったとしても、遊技状態表示部55のLEDが点灯することはない。ここで、本実施例では、遊技機1の遊技モード(遊技状態)が「通常モード」から「高確率モード」になると、確変手段(当否抽選判定で大当り判定がなされる確率を通常に比べ高い確率に設定する手段)と、変動時間短縮手段(特別図柄や普通図柄の変動時間を通常(変動時間短縮手段の非作動時)に比べ短い時間に設定される可能性を高くする手段)と、開放延長手段(普通電動役物17dの開放時間を通常に比べ長い時間に設定したり、開放回数を通常に比べ多い回数に設定する手段)とが作動する。そして、遊技機1の遊技モードが「高確率モード」から「時短モード」になると、変動時間短縮手段および開放延長手段が作動を継続し、確変手段のみが作動を停止する。更に、遊技機1の遊技モードが「時短モード」から「通常モード」に戻されると、変動時間短縮手段および開放延長手段が作動を停止する。
右下表示装置60は、可変入賞装置(大入賞装置)31の右側方に配置されている。この右下表示装置60は、図34(b)に示すように、略円弧状に構成されると共に、遊技盤10の前面部に取り付けられる取付板61を備えている。そして、この取付板61には、特別図柄表示部62と、大当り態様表示部63と、が設けられている。
特別図柄表示部62は、略長円状に配設された「7個のLED62a〜62g」を用いて構成され、「始動入賞装置17への遊技球の入賞(以下、「始動入賞」という。)に伴う当否判定の結果の表示」を、変動表示(本実施例では、複数のLEDを用いて点灯表示)を経て実行する。つまり、図5(a)に示すように、この「当否判定に関する結果の表示に、先行する変動表示」の実行時期が到来すると、「7個のLED62a〜62g」を順次、点灯させる。そして、この変動表示(以下、「LED62b〜62gを用いた循環表示」という。)を実行し、「特別図柄の当否判定に関する結果の表示」の実行時期が到来すると、特別図柄表示部62において、特別図柄の停止表示(確定表示)が実行される。
大当り態様表示部63は、2個のLED63a、63bを用いて構成され、主に、「特別図柄の当否判定の結果が当選(大当り)である場合、それに基づいて発生する大当りの種類」を表示するために用いられる。つまり、特別図柄表示部62において大当り表示がなされていない場合には、2個のLED63a、63bは消灯状態とされる。そして、特別図柄表示部62において大当り表示がなされる場合、何れかのLED63a、63bを点灯させて、当該大当りの種類が表示される。
図34(a)に示すように、2個の一般入賞装置40、41は、左下表示装置50を構成する取付板51に一体化され、図34(b)に示すように、残りの2個の一般入賞装置43、44は、右下表示装置60を構成する取付板61に一体化されている。そして、各一般入賞装置40、41、43、44の内部には、遊技球の入賞を検出するための入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s(図36参照)が配設されている。
図4に戻り、多数の障害釘(図示を省略)は、以上説明した各盤部品との位置バランスを考慮して、遊技領域11にパチンコ遊技に適するべく、配設され、遊技盤10の下方にはアウト口18が設けられている。更に、アウト口18の下部にはバック球防止部材(図示を省略)が設けられている。そして、遊技領域11に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。一方、ファール球防止部材15は、内レール13の先端部に取り付けられている。
c.遊技機1の裏面構造
次に、本実施例の遊技機1の裏面構造について図35を参照して説明する。つまり、遊技機1の裏面構造は、大きな裏パック102の上に各種装置が搭載された構造となっており、裏パック102は、一対のヒンジ103によって中枠3に開閉可能に軸支されている。
裏パック102には、遊技球が蓄えられる遊技球タンク105と、賞球または貸球としての遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置109と、主制御部200Aを構成する主制御基板200が格納された主制御基板ケースと、発射装置ユニットを制御する発射制御基板260が格納された発射装置制御基板ケース130と、遊技球払出装置109を制御する払出制御基板240が格納された払出制御基板ケース118と、主制御基板200と各種スイッチ類とを中継する中継端子板などが搭載されている。また、遊技球タンク105には底部にタンクスイッチが設けられており、球切れを検出することができる。また、遊技球タンク105と遊技球払出装置109とは、タンクレール106によって接続されている。更に、図35において、タンクレール106の右側には球抜きレバーが設けられ、タンクレール106の下流側には補給球切れ検知スイッチが設けられている。
(2)制御回路の構成
次に、図36及び図37を用いて本実施例の遊技機1の制御回路の構成について説明する。本遊技機1の制御回路は、主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを含んで構成されている。つまり、主制御基板200を用いて構成されると共に遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否についての制御を司る主制御部200Aと、複数の副制御部(220A、240A、260A)とを備えている。
副制御部としては、(a)サブ制御基板220を用いて構成されると共に、「図柄表示、ランプの発光、効果音、可動物の動作等を用いた遊技の各種の演出の制御を司るサブ制御部220Aと、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、(b)演出表示制御基板222を用いて構成されると共に、図柄変動演出表示を行う演出表示装置27の制御を司る演出表示制御部222Aと、(c)払出制御基板240を用いて構成されると共に貸球や賞球を払い出す動作の制御を司る払出制御部240Aと、(d)発射制御基板260を用いて構成されると共に遊技球の発射に関する制御を司る発射制御部260Aを備える。尚、副制御部には、主制御部140に直に接続された第1次副制御部(220A、240A)と、この第1次副制御部を介して主制御部200Aに接続された第2次副制御部(260A)とが存在する。
これらの制御部(200A、220A、240A、260A)を構成する制御基板(200、220、240、260)は、各種論理演算および算出演算を実行するCPUや、CPUで実行される各種プログラムやデータが記憶されているROM、プログラムの実行に際してCPUが一時的なデータを記憶するRAM、周辺機器とのデータのやり取りを行うための周辺機器インターフェース(PIO)、CPUが演算を行うためのクロックを出力する発振器、CPUの暴走を監視するウォッチドッグタイマ、定期的に割り込み信号を発生させるCTC(カウンター・タイマ・サーキット)など、種々の周辺LSIがバスで相互に接続されて構成されている。尚、図36及び図37中の矢印の向きは、データあるいは信号を入出力する方向を表している。また、図36においては、主制御基板200に搭載されたCPU201、RAM202、ROM203のみ図示されており、主制御基板200に搭載されているPIO、更には、他の制御基板に搭載されているCPUや、RAM、ROMなどについては図示を省略している。
主制御部200A(主制御基板200)は、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動口入賞検出スイッチ17s、一般入賞検出スイッチ40s、41s、43s、44s、大入賞口入賞検出スイッチ31s等から遊技球の検出信号を受け取って、遊技の基本的な進行や賞球に関わる当否を決定した後、サブ制御部200A(サブ制御基板220)や、払出制御部240A(払出制御基板240)、発射制御部260A(発射制御基板260)等に向かって、後述する各種の信号(コマンド)を出力する。また、主制御部200A(主制御基板200)には、発射装置ユニットから発射された遊技球を検出するカウントスイッチ8sも接続されている。
また、主制御部200A(主制御基板200)は、普通電動役物ソレノイド17cや、中大入賞口ソレノイド31c、右大入賞口ソレノイド35c、左下表示装置50、右下表示装置60に信号を出力することにより、これらの動作を直接制御している。つまり、主制御部200A(主制御基板200)は、「始動入賞に起因して大当りか否かを当否判定する当否判定手段」と、「大当り遊技(特別遊技)を実行する大当り遊技実行手段(特別遊技実行手段)」として機能することになる。また、主制御部200A(主制御基板200)を構成するCPU201により決定された所定の信号(コマンド)は、サブ制御基板220や払出制御基板240に対してそれぞれ送信される。
サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの各種信号(コマンド)を受け取ると、信号(コマンド)の内容を解析して、その結果に応じた遊技の演出を行う。つまり、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、主制御部200A(主制御基板200)からの制御信号に基づいて遊技の演出の制御を司るものである。また、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と協働して演出表示装置27の表示を制御する表示制御手段として機能する。このサブ制御部220A(サブ制御基板220)には、図27に示すように、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)と、アンプ基板224と、装飾駆動基板226と、演出ボタン基板228と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、サブ制御基板220は、CPU220aと、ROM220bと、RAM220cとを備えている。
サブ制御基板220のCPU220aは、図37に示すように、主制御基板200からの制御信号を受けて演出表示制御基板222、アンプ基板224、装飾駆動基板226及び演出ボタン基板228などの各基板を制御する。また、ROM220bには、各基板の制御に必要なデータ(特に遊技の装飾に関する情報)が記憶されている。また、CPU220aは、主制御部200A(主制御基板200)から送出された表示制御コマンド(つまり、表示制御信号)を受信すると共に、ROM220bに記憶されたプログラムに従って解析する。そして、サブ制御部220A(サブ制御基板220)を構成するCPU220aは、このCPU220aにより決定された所定の表示制御コマンドや、主制御部200A(主制御基板200)から送信されたままの表示制御コマンドを演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に対して送信する。
アンプ基板224には、所定の効果音を出力するスピーカSP1〜SP4が電気的に接続されている。また、装飾駆動基板226には、前面枠4や遊技盤10等に設けられる装飾用の各種LED(ランプ)を搭載した各種LED基板等が接続されている。つまり、LED基板4b〜4h、4j〜4r、第1モータ77a(L)、第2モータ81a(L)、第1モータ77a(R)、第2モータ81a(R)が接続されている。また、装飾駆動基板226は、サブ制御基板220Aからの信号を受けて遊技の装飾に関する制御を行うものである。
更に、サブ制御基板220には、位置検出基板226Aを介して、6個のフォトセンサが接続されている。つまり、フォトセンサ77a(L)、フォトセンサ77a(R)、フォトセンサ71x(L)、フォトセンサ71x(R)、フォトセンサ77t(L)、フォトセンサ77t(R)が接続されている。なお、図37、後述する図58〜図62に示すモータ及びフォトセンサにおいて、末尾に「(L)」を付したものは、第1の可動演出装置70Lを構成するモータ及びフォトセンサであり、末尾に「(R)」を付したものは、第2の可動演出装置70Rを構成するモータ及びフォトセンサである。
払出制御部240Aには、図36に示すように、中継端子板、発射制御部260A、下皿満タンスイッチ6s等が接続されている。また、払出制御部240Aには中継端子板を介して、遊技球払出装置(払出装置)109を構成する払出モータ109mと、前側払出スイッチ109aと、後側払出スイッチ109bとが接続されている。また、払出制御部240Aには、主制御部200Aが双方向通信可能な状態に接続されている。
この払出制御部240Aは、所謂、貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。例えば、遊技者が貸出ボタン5cや返却ボタン5qを操作すると、その操作信号は、球貸表示基板410から中継端子板を介して払出制御基板240に伝達され、その操作信号に基づいて払出モータ109mを駆動させるための駆動信号が、遊技球払出装置(払出装置)109(払出モータ109m)に伝達される。
また、主制御部200Aが賞球の払出コマンドを出力すると、このコマンドを払出制御部240Aが受け取って、払出モータ109mに駆動信号を出力することによって賞球の払い出しが行われる。また、払い出される遊技球は、2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)によって検出されて、払出制御部240Aに入力される。更に、払い出された賞球数はカウントスイッチ109cによっても検出されて、主制御部200Aでも計数されている。
次に、サブ制御部220A(サブ制御基板220)に対する信号或いはコマンドの入出力関係について説明する。前述のように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)には、演出表示制御基板222と、アンプ基板224、装飾駆動基板226、演出ボタン基板228などの各種基板が接続されている。また、サブ制御部220Aは、前述のように、主制御部200Aから各種の演出用のコマンド(表示制御コマンドなど)を受け取ると、コマンドの内容を解釈して、(a)演出表示装置27での具体的な表示内容や、(b)スピーカSP1〜4で出力する効果音、更には、(c)各種LED基板(4b〜4h、4j〜4r)等に搭載された各種LED(41H、87n、89n)や、その他のランプ類の点灯若しくは点滅の具体的な態様を決定する。また、第1モータ77a(L)、第2モータ81a(L)、第1モータ77a(R)、第2モータ81a(R)の駆動態様等も決定する。
次いで、演出表示装置27の駆動信号(各種の図柄制御コマンド)を演出表示制御部222Aに出力して、演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の変動表示および停止表示を行う。このとき、表示される演出図柄(疑似図柄、背景図柄、キャラクタ図柄等)の表示データ(静止画像データ、動画像データなど)については、演出表示装置27、或いは、演出表示制御基板222に内蔵された表示用ROM(図示を省略)に格納されているデータを使用する。
疑似図柄の変動表示および停止表示に合わせて、音声信号をアンプ基板224に出力することによって、スピーカSP1〜SP4から効果音を出力する。加えて、装飾駆動基板226に信号を供給し、装飾駆動基板226から、各種LEDランプ4b〜4h、4j〜4r)の駆動信号を出力することによって、各種ランプ類(LED等)等の点灯・点滅動作等を制御する。また、上皿部材5の前面側に設けられた演出ボタンSWを遊技者が操作すると、この操作信号がサブ制御部220Aに供給される。そして、サブ制御部220Aは、供給された操作信号に基づいて、演出表示装置27を初めとする各種の演出内容に操作結果を反映させることが可能に構成されている。
(3)遊技機1による遊技の流れ
前述のように、本遊技機1では、特別図柄の当否抽選(当否判定)の結果を示す確定表示(停止表示)と、この確定表示の前段階に行われる演出表示(変動表示)とを、2種類の図柄表示装置(右下表示装置60及び演出表示装置27)において同時に実行する。ここで、右下表示装置60(つまり、特別図柄表示部62)において表示される特別図柄(LED62a〜62gの点灯と、消灯を用いて示される特別図柄)は「本図柄」である。そして、本遊技機1において、遊技の基本進行を司る「主制御部200A(後述する。)」において、その表示態様(少なくとも「停止図柄」と、「変動時間」)が決定される。
一方、演出表示装置27の表示画面27aにおいて表示される特別図柄は「疑似図柄」であり、「主制御部200Aの制御の下で、遊技上の演出を制御するサブ制御部220A(後述する。)」によって、その変動態様と、停止図柄とが決定される。そして、通常、この「疑似図柄」の変動表示は、本図柄と同一の時間だけ実行され、この「疑似図柄」の停止図柄の「表示内容(大当り、外れ等)」は、本図柄の停止図柄「表示内容(大当り、外れ等)」と矛盾を生じないものとされる。そして、本実施例においては特別図柄を用いたリーチ表示などの図柄変動演出表示(変動遊技)を行う場合、その図柄変動演出表示は演出表示装置27(疑似図柄)において行われる。
また、本遊技機1では、低確率モード(通常確率モード)において、始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して当否判定が行われると、この大当りを示す判定結果が導出される確率が約「1/315」とされる。そして、大当りを示す判定結果が導出されると、大当り遊技実行手段が作動を開始し、本遊技機1の遊技状態が大当り遊技状態(特別遊技状態)となる。これにより、主制御部200Aが大入賞口ソレノイド31cを駆動し、起立姿勢にある開閉板31bを前傾姿勢とし、閉鎖状態とされていた大入賞口31aを開放状態に変化させ、大当り遊技が開始される。この開放状態とされた大入賞口31aは、大入賞口31aに所定数(例えば、8個)の遊技球が入球するか、あるいは所定数の遊技球が入球しなくても所定時間が経過すると、閉鎖状態に戻され、1ラウンドが終了する。そして、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバルを挟みつつ複数回繰り返されると、大当り遊技を終了する。以下、本図柄及び疑似図柄の表示内容等について簡単に説明する。
a.本図柄での大当り表示
始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して当否判定が行われ、大当りを示す判定結果が導出されると、主制御部200Aは「大当りの種類(大当り図柄の種類)」を乱数抽選(以下、「振分抽選」という。)によって決定する。そして、この乱数抽選によって、図28に示すように、大当りの態様(種類)が「通常大当り」、「第1の確変大当り」及び「第2の確変大当り」のうちの何れかに定められる。なお、「振分抽選」を行うための乱数(大当り図柄決定乱数)は、当否判定用の乱数(大当り抽選用の乱数など)と同様に、始動入賞を生じたタイミングで取得される。
ここで、「通常大当り」を生ずると、賞球払出の実行可能性が極めて高くなる第1の大当り遊技を実行するとともに、この第1の大当り遊技終了後に、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる。また、第1の大当り遊技は、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ15回(15ラウンド)繰り返されるタイプの大当り遊技(以下、「第1の大当り遊技」という。)である。このとき、各ラウンドで大入賞装置31が開放状態となる時間(第1の開放時間)は「25秒」とされている。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が低確率(通常確率)とされる遊技状態が、「低確率モード(低確率状態)」である。また、「通常大当りを示す本図柄(停止図柄)」は、図38(b)中欄に示すように、2個のLEDを点灯させて表示される。なお、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、確率変動手段が作動することはないが、特別図柄の変動回数が「100回」になるか、次回の大当りを発生するまで、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。
「第1の確変大当り」を生ずると、第1の大当り遊技を実行するとともに、実行した第1の大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。なお、このように、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率(通常確率の約5倍の当選確率)とされる遊技状態が、「高確率モード(高確率状態)」である。なお、「第1の確変大当り」を示す本図柄(停止図柄)」は、図38(c)中欄に示すように、3個のLEDを点灯させて表示される。
「第2の確変大当り」を生ずると、第2の大当り遊技を実行するとともに、この第2の大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。但し、「第2の確変大当り」に起因する第2の大当り遊技としては、大入賞装置31の開閉動作が、所定のインターバル(例えば、2秒のインターバル)を挟みつつ2回(2ラウンド)繰り返される。そして、この第2の大当り遊技においては、各ラウンドで大入賞装置31が開放状態となる時間(第2の開放時間)は「0.2秒」とされている。なお、「第2の確変大当り」を示す本図柄(停止図柄)」は、図38(d)中欄に示すように、4個のLEDを点灯させて表示される。また、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるか、次回の大当りを発生するまで、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。
b.本図柄での外れ表示
本図柄の停止表示(確定表示)を、図38(a)中欄に示すように、「特別図柄表示部62」の1個のLEDを点灯させて行う。この1個のLEDの点灯により表示される停止図柄(確定図柄)が、特別図柄の当否抽選の結果が「外れ」であることを示す「外れ図柄」となる。この場合、大当り遊技実行手段が作動することない。
c.疑似図柄(演出図柄)
演出表示装置27においても、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する毎に、その表示画面27aにおいて、疑似図柄の変動表示(図柄変動演出表示)を開始する。そして、この変動表示の期間(つまり、所定時間)が経過すると、疑似図柄の停止表示(確定表示)が実行される。このとき、疑似図柄の停止表示も前述の本図柄の停止図柄と同様に、当否抽選の結果を表示する。
演出表示装置27の表示画面27aにおいては、図5(b)に示すように、疑似図柄の変動表示を開始する際に、3つの疑似図柄表示部27b〜27dが出現し、各疑似図柄表示部27b〜27dにおいて、「疑似図柄」を用いた変動表示と、停止表示等がなされる。この疑似図柄の変動表示は、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示した後、再び、「1」〜「9」までの算用数字をこの順で表示することを繰り返す「循環表示」によって構成される。また、疑似図柄表示部27b〜27dが変動表示を開始するときには、表示画面27aのその他の部位によって背景画面表示部27hが表示される。そして、この背景画面表示部27hには、背景図柄を表示したり、この背景画面と共にキャラクタ図柄を表示したりすることができる。
疑似図柄表示部27b〜27dに確定表示される確定図柄には、図38(a)〜(d)に示す態様がある。即ち、図38(a)の「外れを示す停止図柄(外れ表示)」と、図38(b)〜(d)の「大当りを示す停止図柄(大当り表示)」とがある。つまり、図38(b)〜(d)に示すように、「通常大当り図柄」は表示画面27aに「偶数の同一数字」を3個並べて構成され、「第1確変大当り図柄」は表示画面27aに「奇数の同一数字」を3個並べて構成され、「第2の確変大当り図柄」は「異なる奇数数字」を左から右へ昇順に並べて構成される。また、「外れ図柄」は、3つの疑似図柄表示部のうちの少なくとも1つに異なる数字を表示して構成される停止図柄のうちで、「第2確変大当り図柄」を除いたものである。
尚、演出表示装置27において、何れの「大当り図柄」を表示する場合も、その前提となる変動表示の途中にリーチ表示を行う。また、演出表示装置27において「外れ示す停止図柄」を表示する場合、その前提となる変動表示(つまり、外れ変動)の途中にリーチ表示を行わない場合(以下、「単純外れ」という。)と、リーチ表示を行う場合(以下、「リーチ外れ」という。)とがある。また、本実施例のリーチ表示は、演出表示装置27の表示画面27aに表示される疑似図柄のうち2つの疑似図柄が同一図柄で停止させ、他の1つの疑似図柄を変動中とすることを内容とする表示である。但し、「第2の確変大当りを示す停止図柄」や「特殊大当りを示す停止図柄」を停止表示する場合において、その変動途中にリーチ表示を行わないこととしてもよい。
(4)図柄変動演出の概要
図柄変動演出には、「何れの可動演出装置70L、70Rの駆動を伴わずに行われる演出(以下、一般演出という。)」と、「何れかの可動演出装置70L、70Rの駆動を伴って行われる演出(以下、特別演出という。)」とがある。以下、一般演出の概要を述べた後、特別演出について説明する。なお、一般演出は、両可動演出装置70L(70R)の状態を「最下部ロック状態」に維持した状態で行われる。
a.一般演出の場合
始動入賞装置17への遊技球の入賞(始動入賞)を生ずると、特別図柄の変動開始条件(当否判定実行条件)が成立する。これにより、特別図柄表示部62で本図柄の図柄変動を開始すると共に、図39(a)〜(c)に示すように、演出表示装置27の表示画面27a(疑似図柄表示部27b〜27d)において、疑似図柄を用いた図柄変動演出表示を開始する。
この図柄変動演出表示の実行時間は、特別図柄表示部62での図柄変動開始時に決定される変動パターン(通常変動パターン、短縮変動パターン)によって異なる(後述する。)が、この実行時間を経過すると、特別図柄表示部62において本図柄の停止図柄が確定表示されるとともに、表示画面27aにおいて疑似図柄の停止図柄が確定表示される。
尚、図39(a)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴わない外れ表示(所謂「通常外れ」)であり、図39(b)で例示する「外れ表示」は、「リーチ演出を伴う外れ表示(所謂「外れリーチ」)」である。ここで、リーチ表示(リーチ演出)とは、例えば、この変動表示(演出表示)の途中において、最終的に停止する図柄(以下、「最終停止図柄」という。)以外の図柄を所定の図柄で停止させ、最終停止図柄の種類によって、大当り表示がなされる可能性があることを示す演出的な表示である。例えば、複数の図柄の停止図柄が同一の図柄であると「大当り表示」が完成する場合に、最終停止図柄以外の図柄を同一図柄で停止させて、遊技機において「特別遊技の実行(大当りの発生)の可能性」が存在することを示す表示を指す。
図39(c)に示すように、「特別図柄(疑似図柄)の停止図柄」を用いて、「当否判定の結果が大当りである」旨の停止表示(大当り表示)が行われる場合には、特別図柄(疑似図柄)の図柄変動表示(変動表示)の途中で「リーチ表示」が行われた後に、この確定表示が行われる。そして、この「大当り表示」がなされると、「大当りに移行するための移行表示」等を実行した後に、遊技機1の遊技状態が大当り状態に移行し、大当り遊技を開始する。
b.特別演出の場合
次に、図40〜図45を用いて「特別演出」について説明する。この「特別演出」は、特別図柄の変動中にリーチ表示を行うとともに、特別図柄の変動時間が特定時間以上(可動演出装置70L、70Rを用いた演出を行うのに、十分な時間)に設定される場合になされる演出である。この特別演出においても、リーチ表示がなされるまでの演出内容は、通常演出と同様であるため、リーチ表示を行った後の演出内容について説明する。
ところで、本実施例では、4種類の特別演出を行う。つまり、可動演出装置70L、70Rを第1駆動パターンに従い駆動して行う特別演出(以下、「第1特別演出」という。)と、可動演出装置70L、70Rを第2駆動パターンに従い駆動して行う特別演出(以下、「第2特別演出」という。)と、可動演出装置70L、70Rを第3駆動パターンに従い駆動して行う特別演出(以下、「第3特別演出」という。)と、可動演出装置70L、70Rを第4駆動パターンに従い駆動して行う特別演出(以下、「第4特別演出」という。)と、がある。以下、各特別演出について簡単に説明する。なお、何れの特別演出においても、図柄変動演出の開始時と、終了時(特別図柄の確定表示時)とにおいては、両可動演出装置70L(70R)の状態は「最下部ロック状態」とされる。
第1特別演出は、第1の可動演出装置70Lのみを駆動して行う特別演出である。この第1特別演出において、図40に示すように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、演出表示装置27の表示画面27aでリーチ表示を行った後(A1)、第1の可動演出装置70Lを構成する「第1モータ77aの駆動軸77h」を前述の「解除回転方向(図23の矢印Dの方向)」に回転させる。これにより、第1の可動演出装置70Lを構成する動滑車部材74はその移動範囲中の最上部に移動するため、装飾部材71は落下経路に沿った最下部に移動する(A2)。このとき、疑似図柄表示部27b〜27d(図5を参照)を縮小し、表示画面27aの隅に移行させることで、落下した装飾部材71によって「疑似図柄表示部27b〜27dが視認困難」となることが防止される。なお、第1特別演出中において、第2の可動演出装置70Rの状態は終始、「最下部ロック状態」に維持される。
次いで、可動演出装置70Lの「第2モータ81aの駆動軸81c」を前述の「上昇回転方向(図20の矢印Aの方向)」に回転させ、更に、「第1モータ77aの駆動軸77h」を前述の「ロック回転方向(図23の矢印Cの方向)」に回転し、可動演出装置70Lの状態を「最上部ロック状態」とする(A3)。そして、可動演出装置70Lの「第2モータ81aの駆動軸81c」を前述の「下降回転方向(図20の矢印Aと反対方向)」に回転させ、可動演出装置70Lの状態を「最下部ロック状態」に戻した後、疑似図柄表示部27b〜27dを元の大きさに戻し、表示画面27aの中央に移行させる。そして、特別図柄の変動時間が経過すると、図柄変動表示を完結して、当否判定の結果を示す停止図柄が停止表示(確定表示)される(A4若しくはA5)。
第2特別演出は、第1の可動演出装置70L及び第2の可動演出装置70Rを駆動して行う特別演出である。この第2特別演出において、図42に示すように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、演出表示装置27の表示画面27aでリーチ表示を行った後(C1)、第1の可動演出装置70Lの「第1モータ77aの駆動軸77h」を「解除回転方向」に回転させ、装飾部材71は落下経路に沿った最下部に移動させる(C2)。このとき、疑似図柄表示部27b〜27d(図5を参照)を縮小し、表示画面27aの隅に移行させる。
次いで、第2の可動演出装置70Rの「第1モータ77aの駆動軸77h」を「解除回転方向」に回転させ、装飾部材71は落下経路に沿った最下部に移動させる(C3)。このとき、第2の可動演出装置70Rの装飾部材71は、第1の可動演出装置70Lの装飾部材71の後方に落下し、両装飾部材71がクロスした状態となる。
次いで、両可動演出装置70L、70Rの「第2モータ81aの駆動軸81c」を「上昇回転方向」に回転させ、更に、「第1モータ77aの駆動軸77h」を「ロック回転方向」に回転し、両可動演出装置70L、70Rの状態を「最上部ロック状態」とする(C4)。そして、両可動演出装置70L、70Rの「第2モータ81aの駆動軸81c」を「下降回転方向」に回転させ、両可動演出装置70L、70Rの状態を「最下部ロック状態」に戻した後、疑似図柄表示部27b〜27dを元の大きさに戻し、表示画面27aの中央に移行させる。そして、特別図柄の変動時間が経過すると、図柄変動表示を完結して、当否判定の結果を示す停止図柄が停止表示(確定表示)される(C5若しくはC6)。
第3特別演出は、第2の可動演出装置70Rのみを駆動して行う特別演出である。この第3特別演出において、図44に示すように、サブ制御部220A(サブ制御基板220)は、演出表示装置27の表示画面27aでリーチ表示を行った後(E1)、可動演出装置70Rの「第2モータ81aの駆動軸81c」を「上昇回転方向」に所定量回転させ、動滑車部材74をその上下方向に沿った移動範囲の中間(略上下方向に沿った真ん中)まで上昇させ、可動演出装置70Lの状態を前述の「中間部ロック状態」とする(E2)。これにより、装飾部材71はその落下経路に沿った中間部に移動するが、その移動速度(落下速度)は、「第2モータ81aの駆動軸81c」の回転速度に依存することになる。例えば、サブ制御部220A(サブ制御基板220)が駆動軸81cの動作態様を制御することで、装飾部材71の落下態様を自由に定めること(装飾部材71の自重によって落下するよりも、「ゆっくりとした落下速度」若しくは「速い落下速度」で落下されること等)ができる。なお、装飾部材71が落下する際に、疑似図柄表示部27b〜27d(図5を参照)を縮小し、表示画面27aの隅に移行させることで、落下した装飾部材71によって「疑似図柄表示部27b〜27dが視認困難」となることが防止される。なお、第3特別演出中及び後述する第4特別演出中において、第1の可動演出装置70Lの状態は終始、「最下部ロック状態」に維持される。
この後、第2の可動演出装置70Rの「第1モータ77aの駆動軸77h」を「解除回転方向」に回転させる。これにより、第2の可動演出装置70Rの装飾部材71をその落下経路に沿った最下部に移動させる(E3)。次いで、可動演出装置70Lの「第2モータ81aの駆動軸81c」を前述の「上昇回転方向(図20の矢印Aの方向)」に回転させ、更に、「第1モータ77aの駆動軸77h」を前述の「ロック回転方向(図23の矢印Cの方向)」に回転し、可動演出装置70Rの状態を「最上部ロック状態」とする。そして、可動演出装置70Lの「第2モータ81aの駆動軸81c」を前述の「下降回転方向(図20の矢印Aと反対方向)」に回転させ、可動演出装置70Lの状態を「最下部ロック状態」に戻した後、疑似図柄表示部27b〜27dを元の大きさに戻し、表示画面27aの中央に移行させる。そして、特別図柄の変動時間が経過すると、図柄変動表示を完結して、「当否判定の結果が大当りであることを示す停止図柄(大当り図柄)が停止表示(確定表示)される。
第4特別演出においても、第3特別演出と同様、図45に示すように、可動演出装置70Lの状態を「中間部ロック状態」と、疑似図柄表示部27b〜27d(図5を参照)を縮小し、表示画面27aの隅に移行させる(E1、E2)。この後、可動演出装置70Lの「第2モータ81aの駆動軸81c」を「下降回転方向」に所定量回転させ、動滑車部材74をその上下方向に沿った移動範囲の最下端部にまで下降させ、可動演出装置70Lの状態を「最下部ロック状態」とする(E4)。
そして、疑似図柄表示部27b〜27dを元の大きさに戻し、表示画面27aの中央に移行させる。更に、特別図柄の変動時間が経過すると、図柄変動表示を完結して、「当否判定の結果が外れであることを示す停止図柄(大当り図柄)が停止表示(確定表示)される。
以上のように、第1特別演出及び第2特別演出は、当否判定の結果が大当り及び外れの何れであっても、行われる可能性があるが、第3特別演出は、当否判定の結果が大当りである場合のみ行われ、第4特別演出は、当否判定の結果が外れである場合のみ行われる。
(5)コマンドの送信
本実施例の遊技機1は、前述の「図柄変動演出表示」等を実現するために種々の制御を行っている。この制御を実行する際に、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に向かって、種々のコマンドが送信される。次に、このコマンドが送信される様子について、図46(a)の模式図を用いて説明する。
主制御部200Aとサブ制御部220Aとは、9ビット幅のパラレル信号ケーブルで接続されている。このうちの1ビット分はストローブ信号の出力用に割り当てられており、残りの8ビット分がコマンド出力用に割り当てられている。そして、主制御部200Aからサブ制御部220Aにコマンドを出力する際には、先ず初めに、コマンド出力用に割り当てられた8ビット幅の信号ケーブルに8ビット分のコマンドデータが出力され、続いて1ビットのストローブ信号が出力される。また、サブ制御部220Aは、ストローブ信号の立ち上がりのタイミングでコマンドデータを読み取ることにより、主制御部200Aから送信されたコマンドを確実に読み取ることができる。ここで、主制御部200A(主制御基板200)からサブ制御部220A(サブ制御基板220)に出力されるコマンドとしては、例えば、図48(b)に図示したものを例示できる。つまり、(A)変動パターン指定コマンド(以下、「CHP」と表記することがある。)、(B)特別図柄停止情報指定コマンド(以下、「CJS」と表記することがある。)等がある。尚、演出パターン指定コマンドは、疑似図柄の変動を開始させると共に、疑似図柄の変動時間を指定するコマンドでもある。
(6)主制御部200Aによる遊技制御の概要
図47は、主制御基板200に搭載されたCPU201が実行する遊技制御処理の大まかな流れを示すフローチャートである。この遊技制御処理では、賞球払出処理(S80)、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S700)等の各処理が繰り返し実行されている。尚、本実施例の主制御基板200に搭載されたCPU201は、電源投入後、4msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図47のS80〜S700の処理を実行するように構成されている。つまり、図47のS80〜S700の処理は、4msec毎に繰り返し実行される。
また、前述のCTC(カウンター・タイマ・サーキット)は、約2msec毎に割込を発生させるように設定されており、CTCによる割込が発生すると、各種乱数値の更新や、各種の遊技球検出用スイッチ(普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16s、始動入賞口入賞球検出スイッチ17s、入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44s等)などの状態を検出する処理などが行われる。そして、図34に示す遊技制御では、制御が一周する間に、ほぼ2回ずつ割込を発生させて各種乱数の更新や遊技状態の検出を行いつつ、普通図柄遊技処理(S100)、普通電動役物遊技処理(S200)、特別図柄遊技処理(S300)、大当り遊技処理(S700)等を実施する。そして、これら各処理中で、サブ制御基板220を初めとする各種制御基板に向けて各種の信号を送信する。こうすることにより、遊技機1全体の遊技が進行することになる。以下、図47のフローチャートに従って、遊技制御処理について説明する。但し、図47に図示する遊技制御処理を構成する各処理のうちで、大当り遊技処理(S700)についての詳細な説明を省略する。
A.賞球払出処理(S80)
主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技球を賞球として払い出す処理(賞球払出処理)を行う(S80)。すなわち、始動入賞口入賞球検出スイッチ17s若しくは入賞球検出スイッチ40s、41s、43s、44sの状態を検出して遊技球が入球したか否かを判断する。そして、遊技球が入球していた場合は、この情報を、主制御基板200に搭載されているRAM202の所定領域に記憶する。そして、RAM202上に記憶されている情報に基づいて、賞球の払出信号を払出制御基板240に向かって出力する。また、RAM202上に、始動入賞検出用スイッチ17s等への入賞情報が既に記憶されていた場合には、先に記憶されていた情報を含めて適切な払出個数を指定して、払出信号を出力する。
主制御部200Aから払出制御部240Aへ払出信号を出力するに際しては、先ず、払出制御部240A(払出制御基板240)に向かってストローブ信号を出力し、続いて信号データを出力する。これに対して、払出制御部240Aを構成する払出制御基板240に搭載されたCPUは、払出信号を受け取ると信号の内容を解釈し、賞球払出装置109に搭載された払出モータ109mに駆動信号を出力して賞球の払い出しを行う。そして、賞球払出装置109には、払い出された遊技球を検出する2つの払出スイッチ(前側払出スイッチ109a、後側払出スイッチ109b)が設けられているので、これらスイッチで遊技球を1球ずつ検出しながら、払出信号で指定された個数の賞球を払い出す処理を行う。なお、遊技球払出装置109は「払出装置」の具体例を構成する。
B.普通図柄遊技処理(S100)
普通図柄遊技処理(S100)では、普通図柄作動ゲート通過検出スイッチ16sによる遊技球の検出(遊技球が普通図柄作動ゲート16を通過したことの検出)を契機として、左下表示装置50の普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を開始させる。そして、CPU201は、図47の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、普通図柄の変動表示の実行時間が経過したと判断すると、普通図柄の停止図柄の停止表示を行う。更に、CPU201は、図47の遊技制御処理を繰り返し行ううちに、この停止図柄の停止表示時間(例えば、0.5秒)」が経過したと判断すると、停止図柄が普通電動役物17dを作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)であるのか、或いは、作動させる図柄でないのか(普通図柄の外れ図柄)を判断する。
そして、停止図柄が普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)を作動させる図柄(普通図柄の当り図柄)である場合、普通電動役物17dの開放延長機能が作動しているか否か(つまり、開放延長手段が作動中であるか否か)が判断され、開放延長手段が作動中である場合、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の開放時間を「開放延長機能作動時における開放時間(例えば、5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理(S100)を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、開放延長手段が作動中でない場合、普通電動役物17dの開放時間を「開放延長機能未作動時における開放時間(例えば、前述の0.5秒)」に設定した後、普通図柄遊技処理を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。
なお、CPU201は、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)が作動中でなく、普通図柄表示部56において普通図柄の変動表示を実行中でなく、しかも普通図柄の停止表示を実行中でなく、更に、普通図柄に関する保留数が「0」でないと判断する場合、普通図柄の変動表示を開始させる。また、普通図柄に関する保留数は、普通図柄作動ゲート16を遊技球が通過するとともに、普通図柄に関する保留数が所定数(本実施例では、4個)未満である場合に「+1」され、普通図柄の変動表示を開始する度に「−1」される。
C.普通電動役物遊技処理(S200)
図48は、普通電動役物遊技処理の概要を示すフロー図であり、CPU201が図47の遊技制御処理を行う中で、普通電動役物遊技処理が起動されると、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)が作動中であるか否か(第2の始動入賞部17bが開放状態であるか否か)が判断される。そして、作動中である(第2の始動入賞装置17bが開放状態である)と判断すると(S201;YES)、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動時間(第2の始動入賞装置17bを開放状態に維持する所定時間であって、開放延長モードでは3秒、通常開放モードでは0.5秒)が経過したか否かを判断する(S202)。そして、作動時間が所定時間を経過したと判断すると(S202;YES)、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させることで開放状態にある第2の始動入賞装置17bを閉鎖状態とし(S206)、普通電動役物遊技処理を終了する。
但し、CPU201が、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の開放中に、第2の始動入賞装置17bに規定数(例えば、8個)の遊技球が入球したと判断すると、前述の作動時間(開放時間)が所定時間に達していない場合でも、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の作動を停止させ(S206)、普通電動役物17d遊技処理を終了させる。また、本遊技機1では普通電動役物17dが作動すると、内部に設けられた普通電動役物ソレノイド17cが駆動され、普通電動役物17d(第2の始動入賞部17b)の一対の翼片部が外側に回動して、第2の始動入賞部17bが開放状態となる。
D.特別図柄遊技処理
次に、図49〜図54を用いて特別図柄遊技処理の概要を説明する。この特別図柄遊技処理が起動されると、図49に示すように、先ず、始動入賞装置17に遊技球が入賞したか否かが判断される(S302)。そして、S302の処理において否定的な判断(遊技球が入賞していないとの判断)がなされる場合(S302;NO)、そのままS308以降の処理に移行する。一方、始動入賞装置17に遊技球が入賞したと判断されると(S302;YES)、「特別図柄の保留数」が所定個数未満(本実施例は、4個未満)であるか否かが判断される(S304)。このS304の処理において、所定個数未満と判断されると(S304;YES)、始動入賞装置17への入賞に関連する判定用乱数(抽選用乱数)を取得し、この判定用乱数(抽選用乱数)が主制御基板200に搭載されたRAM202の所定アドレスに記憶されるとともに、「特別図柄の保留数」が「+1」される(S306)。
ここで、S306の処理において取得される判定用乱数(抽選用乱数)としては、(a)始動入賞装置17への遊技球の入賞に起因して実行される当否判定(大当りを生じさせるか否かについての判定)に際して用いる抽選用乱数、(b)特別図柄表示部62に停止表示される図柄を決定するための決定用乱数(以下、「図柄決定乱数」という。)、(c)演出表示装置に表示される疑似図柄の変動表示においてリーチ表示を行うか否かを決定するためのリーチ乱数、などがある。
S308の処理では、大当り遊技を実行中であるか否かが判断される(S308)。具体的には、大当り遊技フラグ(図50のS378の処理を参照)がセット(ONに設定)されていると、S308の処理において肯定的な判断がなされる。なお、大当り遊技フラグは「大当り遊技実行手段(制御プログラムであって、ROM203に格納されている。)」が作動中であることを示すものである。
CPU201は、大当り遊技を実行中であると判断すると(S308;YES)、特別図柄遊技処理を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、S308の処理で、大当り遊技を実行中でないと判断すると(S308;NO)、特別図柄が変動中か否かを判断する(S310)。そして、特別図柄が変動中でない場合は(S310;NO)、特別図柄が未だ変動していないか、若しくは変動表示後に停止図柄で停止表示されているかの、いずれかであると考えられる。そこで、特別図柄の停止図柄を表示させる停止表示時間中(本実施例では、この停止表示時間を0.6秒とする。)であるか否かを判断する(S312)。そして、特別図柄が変動表示されておらず(S310;NO)、且つ、特別図柄の停止図柄を表示している停止表示時間中でもない場合は(S312;NO)、変動表示を開始できるか否かを判断する(S314)。
この「特別図柄の変動表示を開始できる条件」は「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でないことである。そして、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」である場合(S314;YES)特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、「特別図柄に関する保留数」が「ゼロ」でない場合、RAM202の所定アドレスから、最も古い判定用乱数(S306で取得したもの)を読み出し(S316)、当否判定処理を行う(S320b)。この当否判定処理(S320)においては、図51に示すように、先ず、遊技機1の遊技モードが高確率モードであるか否かが判断され(S322)、高確率モードであるときには(S322;YES)、「高確率用のデータテーブル」と「S316の処理で読み出した判定用乱数」とを用いて、当否判定(大当りを発生させるか否かの抽選)」が行われ(S324)、遊技機1の遊技モードが低確率モード(通常確率モード)であるときには(S322;NO)、「低確率用のデータテーブル」と「S316の処理で読み出した判定用乱数」とを用いて、当否判定(大当りを発生させるか否かの抽選)」が行われる(S326)。尚、高確率モードにおいては、特別図柄及び普通図柄の変動時間を通常に比べて短くする変動短縮機能を作動させ、かつ第2の始動入賞部17b(普通電動役物17d)の開放延長機能を作動させる。
S324またはS326の処理で行われる当否判定が大当りである場合(S330;YES)、大当りフラグをセット(ONに設定)した後(S332)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。また、当否判定の結果が外れである場合(S330;NO)、「外れフラグ(大当り生じなかったことを示すフラグ)をセット(ONに設定)した後(S339)、当否判定処理(S320)を終了し、図柄変動開始処理(S500)に移行する。
図柄変動開始処理(S500)においては、図52に示すように、先ず、当否判定処理(S320)の結果を下に、変動設定処理(S510、S540)等を行う。すなわち、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」であると判断されると(S502;YES)、S510に移行して「大当り変動設定処理」を行う。この大当り変動設定処理(S510)では、S306の処理(図49を参照)において取得した図柄決定乱数を読み出して、特別図柄表示部62に停止表示される図柄(大当り図柄)を設定(決定)した後、「決定された大当り図柄の態様と、遊技機1の遊技状態(遊技モード)とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。
つまり、決定された大当り図柄が、「通常大当りを示す大当り図柄」若しくは「第1の確変大当りを示す大当り図柄」である場合、遊技機1の遊技状態(遊技モード)を考慮して、図53(a)〜(c)のうちの何れかの変動パターンテーブルを選択し、変動パターンを設定(決定)する処理を行う。すなわち、遊技機1の遊技状態が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である場合には、図53(c)の変動パターンテーブル(高確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。また、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である場合には、図53(b)の変動パターンテーブル(低確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。更に、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である場合には、図53(a)の変動パターンテーブル(低確率通常変動パターンテーブル)を選択する。
また、決定された大当り図柄が、「第2の確変大当りを示す大当り図柄」である場合、遊技機1の遊技状態(遊技モード)を考慮して、図53(d)〜(f)のうちの何れかの変動パターンテーブルを選択し、変動パターンを設定(決定)する処理を行う。すなわち、遊技機1の遊技状態が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」である場合には、図53(f)の変動パターンテーブル(高確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。また、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」である場合には、図53(e)の変動パターンテーブル(低確率短縮変動パターンテーブル)を選択する。更に、遊技機1の遊技状態が「低確率で、しかも通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」である場合には、図53(d)の変動パターンテーブル(低確率通常変動パターンテーブル)を選択する。
一方、S502の処理にて、当否判定処理(S320)の結果が「大当り」でないと判断されると(S502;NO)、S540に移行して「外れ変動設定処理」を行う。この外れ変動設定処理(S540)では、「遊技機1の遊技状態(遊技モード)と、リーチ演出の実行の有無とを考慮して選択される変動パターンテーブル」を用いて、乱数抽選によって変動パターンを設定(決定)する処理を行う。この後、図柄決定乱数を取得し、停止図柄を設定する処理を行う。なお、リーチ演出の実行の有無は、S306の処理(図52を参照)において取得したリーチ乱数を読み出し、この読み出したリーチ乱数に基づいて決定される。
つまり、CPU201は、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「高確率で短縮変動を行う状態(高確率短縮変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図54(c)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図54(c)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。また、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「低確率で短縮変動を行う状態(低確率短縮変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図54(b)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図54(b)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。更に、遊技機1の遊技状態(遊技モード)が「低確率で通常変動を行う状態(低確率通常変動モード)」であり、読み出したリーチ乱数に基づき、開始する図柄変動においてリーチを行わないと判断すると、図54(a)のうちの「リーチなし用の変動パターンテーブル」を選択し、リーチを行うと判断すると、図54(a)のうちの「リーチあり用の変動パターンテーブル」を選択する。
なお、本実施例において、「短縮変動モード(時短モード)」とは、変動時間短縮機能(時短機能)が作動している状態を指すもので、開放延長手段が作動する遊技モード、すなわち、「高確率開放延長モード」及び「通常確率開放延長モード」において変動時間短縮機能(時短機能)が作動する。よって、本実施例の説明では、「短縮変動モード(時短モード)」を「開放延長モード」と読み替えることができる。また、図53及び図54に示す変動パターンテーブルには「乱数の値」に対応付けて複数の変動パターンが記憶され、乱数抽選に基づき、「図柄変動に用いる変動パターン」が何れかのものに決定される。また、図53及び図54には説明の便宜のため、少数の変動パターンを記憶した変動パターンテーブルを記載しているが、現実に、これらの変動パターンテーブルは多数の変動パターン(例えば、20種、50種、100種)を記憶している。
ここで、図54に示すように、当否判定の結果が「外れ」である場合において、「短縮変動パターン(短縮変動パターン)によって特定される変動時間」は、「通常変動パターン(通常変動パターン)によって特定される変動時間」に比べて短くされる可能性が高い。また、本実施例では、当否判定の結果が「外れ」である場合、特別図柄の保留数が考慮される。つまり、特別図柄の保留数が更に考慮され、保留数が少ない場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「1」の場合)には、長めの変動時間を特定する変動パターンが選択され、保留数が多い場合(例えば、変動パターン決定時の保留数が「3」〜「4」の場合)には、短めの変動時間を特定する変動パターンが選択される傾向にある。また、リーチ表示を行わないと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間は、リーチ表示を行うと判断される場合に選択される変動パターンで特定される変動時間に比べて短くされる傾向にある。
図53及び図54においては、リーチ表示を伴う図柄変動の変動時間を特定する変動パターンのうちで、20秒を超える変動時間を特定するもの(図中、「三角印」、「丸印」若しくは「2重丸印」を付記した変動パターン)」が、特別演出の実行契機となる「特定変動パターン」である。そして、実施例1では、「特定の変動パターン」のうちで、25秒未満の変動時間を特定するもの(図中、「三角印」を付記した変動パターン)が、第1特別演出の実行契機となる「第1の特定変動パターン」であり、25秒以上の変動時間を特定するもの(図中、「丸印」若しくは「2重丸印」を付記した変動パターン)が、第2特別演出、第3特別演出及び第3特別演出の実行契機となる「第2の特定変動パターン」である。なお、本実施例で述べる各「変動パターンテーブル」は、主制御基板200に搭載されたROM203に予め設定されている。
このS510若しくはS540の処理の後、CPU201は、特別図柄表示部62にて特別図柄の変動を開始する(S590)とともに、サブ制御部200A(サブ制御基板220)に向かって図柄変動の開始を示す所定のコマンド(図柄変動開始時コマンド)を送信する(S592)。つまり、主制御基板200のCPU201は、サブ制御基板220に向かって「変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定するコマンド)」、「特別図柄停止情報指定コマンド」などを送信する。更に、CPU201は、「特別図柄の保留数」を「1」減算する処理と、減算された後の保留数を特定するためのコマンドをサブ制御基板220に送信する処理とを行った後(S595)、図柄変動開始処理(S500b)を終了し、更に特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図47の遊技制御処理に復帰する。
次に、特別図柄遊技処理(S300)のS310の処理(図52参照)で、特別図柄が変動中であると判断された場合は(S310;YES)、既に、特別図柄の変動パターンと停止図柄とが決定されて、特別図柄の変動が開始されていることとなる。そこで、特別図柄変動時間が経過したか否かを判断する(S341)。即ち、特別図柄の変動時間は変動パターンに応じて予め定められているので、特別図柄の変動を開始すると同時にタイマをセットすることにより、所定の変動時間が経過したかを判断するのである。そして、未だ変動時間が経過していない場合は(S341;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図47に示す遊技制御処理に復帰する。
これに対して、変動時間が経過したと判断された場合は(S341;YES)、変動している特別図柄を停止させ(S344)、停止図柄を表示するとともに、図柄停止コマンドをサブ制御基板220に向かって出力する(S346)。なお、図柄停止コマンドは、サブ制御基板220を介して演出表示制御基板222に転送される。そして、特別図柄を停止表示させる停止表示時間を設定した後(S348)、設定した停止表示時間が経過したか否かを判断する(S350)。
S350の処理で、特別図柄の停止表示時間が経過していないと判断されれば(S350;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を終了して、図47に示す遊技制御処理に復帰する。一方、特別図柄の停止表示時間が経過した場合は(S350;YES)、停止表示の態様が大当りを示す態様(大当り図柄)か否かを判断する(図50のS352)。
S352の処理で肯定的な判断がなされると、主制御基板200のCPU201は、「大当り遊技」の終了時に参照するためのバッファ(大当り遊技終了時参照用バッファ)に、現在の遊技進行状況を示す情報をセット(記憶)する(S354)。具体的には、「大当りの種類(確変大当りであるのか否かなど)」や「遊技状態フラグの状態」をセット(記憶)する(S354)。ここで、「遊技状態フラグ」とは「遊技機1の遊技状態」を示すフラグ(確変フラグ、変動短縮フラグ、開放延長フラグなど)であり、S354の処理においては、これらのフラグが「ONに設定」されているか、「OFFに設定」されているかが、セットされる。また、主制御基板200に搭載されたRAM202の特定領域が、S354の処理で用いるバッファ(大当り遊技終了時参照用バッファ)として機能する。
このS354の処理に続いてS356以降の処理に移行し、発生した大当りの態様に応じて「大当り遊技」の態様を振り分けることを行う。先ず、発生した「大当りが、「第2の確変大当り(2R大当り)」である場合(S372;YES)、「第2の大当り遊技における大入賞口31aの開放パターン」をセットした後(S374)、S378の処理に移行し、発生した大当りが「通常大当り若しくは第1の確変大当り」である場合(S372;NO)、「第1の大当り遊技における大入賞口31aの開放パターン」をセットした後(S376)、S378の処理に移行する。
S378の処理においては、大当り遊技フラグをセット(ONに設定)する処理が行われる。この「大当り遊技フラグ」のセットにより、遊技機1の遊技状態は「大当り遊技状態」に移行する(大当り遊技実行手段が作動を開始する)ことになるが、本実施例の遊技機1では、「大当り遊技フラグ」の設定中(つまり、大当り遊技実行手段の作動中)は、確変機能、時短機能(変動時間短縮機能)、開放延長機能は働かないこととしている。このため、S378の処理の後にS380以降の一連の処理を経て特別図柄遊技処理(S300)を終了する。
つまり、S378の処理において、「大当り遊技フラグ」を設定したら、確変フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し(S380)、セットされていない場合は(S380;NO)、そのままS384の処理に移行し、セットされている場合は(S380;YES)、確変フラグを解除(OFFに設定)した後(S382)、S384の処理に移行する。そして、S384の処理においては、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かを判断し、セットされていない場合は(S384;NO)、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。一方、S384の処理において、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されていると判断される場合は(S384;YES)、変動短縮フラグと開放延長フラグとを解除(OFFに設定)した後(S386、S387)、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。そして、何れの場合においても、図47の遊技制御処理に復帰すると、大当り遊技処理(S700)が開始され、前述の大当り遊技(第1の大当り遊技若しくは第2の大当り遊技)が実行される。
なお、大当り遊技を終了するときに、前述の「大当り遊技終了時参照用バッファ(図50のS354を参照)」を参照することによって、「今回の大当り遊技の前提となった大当り図柄(以下、「今回の大当り図柄」という。)」の種類(通常大当り図柄、第1の確変大当り図柄、第2の確変大当り図柄)に関する情報を取得し、この情報に基づいて、大当り遊技終了後の遊技モード等を設定する処理を行う。つまり、「今回の大当り図柄」が「通常大当り図柄」であった場合には、変動短縮カウンタに「100」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。これにより、「通常大当り」に係る特別遊技(第1の大当り遊技)を終了した後、特別図柄の変動回数が「100回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動を停止する。なお、通常大当りに係る大当り遊技を終了すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技機1の遊技モードが「低確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する。
また、今回の大当り図柄が「確変大当り図柄(第1の確変大当り図柄若しくは第2の確変大当り図柄)」である場合は、確変フラグをセット(ONに設定)する処理と、変動短縮カウンタに「10,000」をセットする処理と、変動短縮フラグをセットする処理と、開放延長フラグをセットする処理とを行う。つまり、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」を生ずると、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、次回の大当りを発生するまで、当否判定の結果が大当りとなる確率が高確率とされる。また、当該大当りに係る大当り遊技終了後に、特別図柄の変動回数が「10,000回」になるまで(変動短縮カウンタの値がゼロになるまで)、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動状態となる。但し、次回の大当りを発生すると、開放延長手段及び変動時間短縮手段は作動を停止する。なお、「第1の確変大当り」若しくは「第2の確変大当り」に係る大当り遊技を終了すると、主制御基板200に搭載されたCPU201は、遊技機1の遊技モードが、「高確率短縮変動モード」であること指定するモード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する。
次に、図52のS352の処理で否定的な判断がなされる場合の処理について説明する。つまり、特別図柄表示部62において停止表示された特別図柄が「外れ図柄」の場合(S352;NO)、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されているか否かが判断される(S398)。そして、変動短縮フラグがセットされていない場合(S398;NO)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「高確率通常変動モード」である場合、そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。
一方、変動短縮フラグがセット(ONに設定)されている場合(S398;YES)、つまり、外れ発生時の遊技モードが、「低確率短縮変動モード」若しくは「高確率短縮変動モード」である場合、変動短縮カウンタの値を「−1」した後(S400)、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったか否かを判断する(S404)。そして、「ゼロ」になっていない場合(S404;NO)、 そのまま特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。
これに対して、S404の処理で、変動短縮カウンタの値が「ゼロ」になったと判断される場合(S404;YES)、遊技機1の遊技モードが低確率短縮変動モードから低確率通常変動モードに切り替わることになる。このため、変動短縮フラグを解除(OFFに設定)する処理(S410)と、開放延長フラグを解除(OFFに設定)する処理(S416)と、モード指定コマンドをサブ制御基板220に送信する処理(S430)とを行った後、特別図柄遊技処理(S300)を抜けて、図47の遊技制御処理に復帰する。なお、S430の処理では、低確率通常変動モードを指定する「モード指定コマンド」がサブ制御基板220に送信される。
(7)演出制御処理
図55を用いて、サブ制御部220A(サブ制御部220Aを構成するサブ制御基板220のCPU220a)が、演出表示制御部222A(演出表示制御基板222のCPU222a)と協働して行う「演出制御処理」の概要について説明する。なお、図55には、演出制御処理を構成する各処理のうちで主要なもののみを図示している。この演出制御処理では、遊技機1に電源が投入されるか、リセットスイッチが押されると(S950;YES)、先ず、初期化処理を行う(S960)。この後、電源がOFFになるまでの間(S2300で肯定判断されるまでの間)、図柄変動演出処理(S1100)、役物駆動処理(S1500)、大当り遊技演出処理(S1800)などの主要な処理が繰り返し実行される。ここで、本実施例のサブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、電源投入後、2msec周期のタイマ割込みが発生する毎に、図55のS1100〜S2300の処理を実行するように構成されている。つまり、図55のS1100〜S2300の処理は、2msec毎に繰り返し実行される。以下、図55のフロー図に従って演出制御処理について説明する。なお、図55の演出制御処理を構成する各処理のうちで、「大当り遊技演出処理」についての説明は省略する。
a.図柄変動演出処理(S1100)
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、図柄変動演出処理(S1100)においては、図56に示すように、サブ制御部220Aが「図柄変動開始時コマンド」を受信すると(S1105;YES)、S1110の処理が実行される。ここで、「図柄変動開始時コマンド」は、特別図柄の図柄変動を開始する際に、主制御部200Aからサブ制御部220Aに送信されるコマンドであり、変動パターン指定コマンド(CHP)と、特別図柄停止情報指定コマンド(CJS)が、このコマンドに該当する。
S1110の処理において、サブ制御部220AのCPU220aは、「S1005の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果が大当り(当選)であるか否かを判断する(S1110)。そして、大当りであると判断される場合(S1110;YES)、受信した「変動パターン指定コマンド」に基づき、「演出表示の実行態様(演出表示装置27の表示画面27aに表示する疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の態様等)」及び「大当り停止図柄(大当りを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1115)、S1160の処理に移行する。一方、当否判定の結果が外れ(落選)であると判断される場合(S1110;NO)、受信した「変動パターン指定コマンド」に基づき、「演出表示の実行態様(疑似図柄の変動表示態様、リーチ表示の実行有無、リーチ表示を実行する場合のリーチ表示態様等)」及び「外れ停止図柄(外れを確定表示する疑似図柄の態様)」を決定する処理を行った後(S1120)、S1160の処理に移行する。
S1125の処理において、サブ制御部220Aは、受信した変動パターン指定コマンド(CHP)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に転送するとともに、S1115又はS1120で決定した「演出表示の実行態様」及び「疑似図柄の停止図柄」を指定するコマンド(演出表示詳細コマンド)を演出表示制御部222A(演出表示制御基板222)に送信し、演出表示装置27において表示を開始する(S1160)。
そして、サブ制御部220Aが、主制御部200A(主制御基板200)から送信される図柄停止指定コマンド(CZE)を受信すると(S1165;YES)、サブ制御部220Aは、受信した図柄停止指定コマンドを演出表示制御部222Aに転送し、「演出表示装置27における特別の変動表示」を停止させる。これにより、遊技者は、反射面77cを介して、疑似図柄や背景図柄等の演出図柄の停止図柄(確定表示)を視認する(S1170)。
b.役物駆動処理(S1500)
次に、図57〜図62を用いて、役物駆動処理(S1500)について説明する。
サブ制御基板220に搭載されたCPU220aは、役物駆動処理(S1500)においても、図57に示すように、サブ制御部220Aが「図柄変動が開始されている」と判断すると(S1505;YES)、S1510の処理が実行される。このS1510の処理では、S1105の処理で受信した変動パターン指定コマンドが、特定変動パターンを指定するコマンドであるか否かを判断する。そして、特定変動パターンを指定するコマンドでなければ(S1510;NO)、S1515以降の処理を行うことなく、役物駆動処理(S1500)を終了して、図55の演出制御処理に復帰する。
CPU220aは、「S1105で受信した変動パターン指定コマンド」が、特定変動パターンを指定するコマンドであると判断すると(S1510;YES)、この特定変動パターンが「第1の特定変動パターン(図53及び図54において「三角印」を付記した変動パターン)」であるか否かを判断する(S1515)、そして、S1505で受信した変動パターン指定コマンドが、第1の特定変動パターン(図53及び図54において「三角印」を付記した変動パターン)」である場合(S1515;YES)、可動演出装置70L、70Rを第1駆動パターンに従い駆動した後(S1518)、役物駆動処理(S1500)を終了する。
このS1518の処理は、前述の「第1特別演出」の主要部を実行するものであり、図58に従って以下のように行われる。つまり、演出表示装置27の表示画面27aで、リーチ表示が行われた後、可動演出装置70Lの「第1モータ77a(L)の駆動軸77h」を「解除回転方向」に回転させる。これにより、可動演出装置70Lの「動滑車部材74」はその移動範囲中の最上部に移動する。このため、装飾部材71は落下経路に沿った最下部に移動し、装飾部材71は落下経路に沿った最下端部に落下する。
次いで、可動演出装置70Lの「第2モータ81a(L)の駆動軸81c」を「上昇回転方向」に回転させ、更に、「第1モータ77a(L)の駆動軸77h」を「ロック回転方向」に回転し、可動演出装置70Lの状態を「最上部ロック状態」とする。そして、可動演出装置70Lの「第2モータ81a(L)の駆動軸81c」を「下降回転方向」に回転させ、可動演出装置70Lの状態を「最下部ロック状態」に戻すと、S1518の処理を完了する。
一方、「S1105で受信した変動パターン指定コマンド」が、第2の特定変動パターン(図53及び図54において「丸印」若しくは「二重丸印」を付記した変動パターン)」である場合(S1515;NO)、S1520の処理に移行する。そして、このS1520の処理では、サブ制御部220AのCPU220aは、「S1105の処理で受信した特別図柄停止情報指定コマンド」に基づき、主制御部200Aにおいて実行された当否判定の結果が大当り(当選)であるか否かを判断する(S1520)。
そして、大当りであると判断される場合(S1520;YES)、乱数抽選を行い(S1525)、駆動パターンの選択を行う。そして、この乱数抽選の結果が当選である場合(S1530;YES)、可動演出装置70Rを第3駆動パターンに従い駆動した後(S1535)、役物駆動処理(S1500)を終了する。また、乱数抽選の結果が落選である場合(S1530;NO)、可動演出装置70L及び可動演出装置70Rを第2駆動パターンに従い駆動した後(S1540)、役物駆動処理(S1500)を終了する。
また、S1520の処理で外れであると判断される場合(S1520;NO)も、乱数抽選を行い(S1545)、駆動パターンの選択を行う。そして、この乱数抽選の結果が当選である場合(S1550;YES)、可動演出装置70Rを第4駆動パターンに従い駆動した後(S1555)、役物駆動処理(S1500)を終了する。また、乱数抽選の結果が落選である場合(S1550;NO)、可動演出装置70Rを第2駆動パターンに従い駆動した後(S1560)、役物駆動処理(S1500)を終了する。
このS1540及びS1560の処理は、前述の「第2特別演出」の主要部を実行するものであり、図59及び図60に従って以下のように行われる。つまり、演出表示装置27の表示画面27aで、リーチ表示が行われた後、可動演出装置70Lの「第1モータ77a(L)の駆動軸77h」を「解除回転方向」に回転させる。これにより、可動演出装置70Lの「動滑車部材74」はその移動範囲中の最上部に移動する。このため、可動演出装置70Lの装飾部材71は落下経路に沿った最下部に移動し、装飾部材71は落下経路に沿った最下端部に落下する
次いで、可動演出装置70Rの「第1モータ77a(R)の駆動軸77h」を「解除回転方向」に回転させる。これにより、可動演出装置70Rの「動滑車部材74」はその移動範囲中の最上部に移動するため、装飾部材71は落下経路に沿った最下部に移動し、可動演出装置70Rの装飾部材71は落下経路に沿った最下端部に落下する。
更に、両可動演出装置70L、70Rの「第2モータ81a(L、R)の駆動軸81c」を「上昇回転方向」に回転させ、更に、両可動演出装置70L、70Rの「第1モータ77a(L、R)の駆動軸77h」を「ロック回転方向」に回転する。これにより、両可動演出装置70L、70Rの状態が「最上部ロック状態」とされる。そして、両可動演出装置70L、70Rの「第2モータ81a(L、R)の駆動軸81c」を「下降回転方向」に回転させ、両可動演出装置70L、70Rの状態を「最下部ロック状態」に戻すと、S1540若しくはS1560の処理を完了する。
S1535の処理は、前述の「第3特別演出」の主要部を実行するものであり、図61に従って以下のように行われる。つまり、演出表示装置27の表示画面27aで、リーチ表示が行われた後、可動演出装置70Rの「第2モータ81a(R)の駆動軸81c」を「上昇回転方向」に所定量回転させ、動滑車部材74をその上下方向に沿った移動範囲の中間(略上下方向に沿った真ん中)まで上昇させ、可動演出装置70Rの状態を前述の「中間部ロック状態」とする。これにより、装飾部材71はその落下経路に沿った中間部に移動する。この後、可動演出装置70Rの「第1モータ77a(R)の駆動軸77h」を「解除回転方向」に回転させる。これにより、可動演出装置70Lの「動滑車部材74」を、その移動範囲中の最上部に移動させ、装飾部材71は落下経路に沿った最下部に移動させる。
次いで、可動演出装置70Rの「第2モータ81a(R)の駆動軸81c」をの「上昇回転方向」に回転させ、更に、「第1モータ77a(R)の駆動軸77h」を「ロック回転方向」に回転し、可動演出装置70Lの状態を「最上部ロック状態」とする。そして、可動演出装置70Lの「第2モータ81a(L)の駆動軸81c」を「下降回転方向」に回転させ、可動演出装置70Lの状態を「最下部ロック状態」に戻すと、S1535の処理を完了する。
S1555の処理は、前述の「第4特別演出」の主要部を実行するものであり、図62に従って以下のように行われる。つまり、演出表示装置27の表示画面27aで、リーチ表示が行われた後、可動演出装置70Rの「第2モータ81a(R)の駆動軸81c」を「上昇回転方向」に所定量回転させ、動滑車部材74をその上下方向に沿った移動範囲の中間(略上下方向に沿った真ん中)まで上昇させ、可動演出装置70Rの状態を前述の「中間部ロック状態」とする。これにより、装飾部材71はその落下経路に沿った中間部に移動する。
次いで、可動演出装置70Rの「第2モータ81a(R)の駆動軸81c」をの「下降回転方向」に回転させ、動滑車部材74をその上下方向に沿った移動範囲の最下端部にまで下降させ、可動演出装置70Lの状態を「最下部ロック状態」とすることで、S1555の処理を完了する。
(8)実施例の効果
本実施例によると、多様な演出のある演出を行うことが容易な可動演出装置70L、70Rを備える遊技機1を得ることができる。つまり、可動片部(可動片)77nにより動滑車部材74をロックした状態で、第2の移動制御機構部81を停止状態とすると、「ワイヤ76の落下経路の下端部方向への繰り出し量(ワイヤ76の繰り出し量)が一定量に維持されるため、装飾部材71の位置が、「ワイヤ76の繰り出し量に応じた位置」に固定される。
また、可動片部(可動片)77nにより動滑車部材74をロックしつつ、第2モータ81aの駆動軸81cを上昇回転方向若しくは下降回転方向に回転させ、第2の移動制御機構部81を移動状態とすると、動滑車部材74は第1の移動制御機構部77と一体となって上下動すると共に、装飾部材71は動滑車部材74の移動と連動して上下動する。この場合、第2モータ81aの駆動軸81cの回転制御を行うことで、第1の移動制御機構部77の移動態様及び装飾部材71の落下態様を自由に定めることもできる。更に、装飾部材71が落下経路の上端部側に引き上げられた状態で、「可動片部(可動片)77nによる動滑車部材74のロック」を解除すると、装飾部材71が自重により瞬時に落下すると共に、動滑車部材74は装飾部材71の移動に従動する。
つまり、本実施例によると、第2の移動制御機構部81を用いて、第1の移動制御機構部77を上下動させることで、装飾部材71の移動制御を「第2モータ81aの駆動制御」に応じて行うことができる。すなわち、第2モータ81aの駆動制御に応じて、装飾部材71の移動速度、移動態様(一方向に動く態様、両方向に動く態様)等を制御できる。また、第1モータ77aの駆動より、「可動片部(可動片)77nによる動滑車部材74のロック」を解除することで、装飾部材71の自重を利用して、当該装飾部材71を瞬時に落下させること(例えば、ロック状態のときよりも速い落下速度で落下させること)ができる。
このように、本実施例の可動演出装置70L、70Rによると、多様な演出を行うことが容易である。従って、本実施例の可動演出装置70L、70Rによると、遊技者の遊技上の興趣を十分に高めることが容易である。また、本実施例の可動演出装置70L、70Rでは、装飾部材71の落下経路を演出表示装置27の表示画面27aの前方において斜め下り傾斜状に設けるため、装飾部材71の落下距離を十分なものとできる。更に、支持レール部72L、72Rを伸縮とするため、その収納スペースの省スペース化を図りつつも、装飾部材71の落下距離を、より長くしている。また、装飾部材71を伸縮構造とすると共に伸縮式の「伸縮レール部72B」を用いるため、装飾部材71自体を伸縮させ(装飾部材71を折りたたみ構造とし)、装飾部材71の下端部の落下距離を更に長くしたり、より効果的な演出を実行できる。