以下に、上記目的を達成するための他の手段を示し、その後に本発明の実施形態を説明する。
上記目的を達成するため、手段1にかかる発明は、入口から入球する遊技球を同入口よりも下方に設けられた出口に誘導する遊技球誘導部材であって、上記遊技球が通過不能な間隔で相対向する壁材と、上記壁材の両壁面に、一方の壁材から他方の壁材に向けて当該遊技球を誘導可能に開口幅を調整されて形成されるとともに、上記遊技球が通過不能に形成される誘導開口部位とを具備する構成としてある。
上記のように構成した手段1にかかる発明においては、上部の入口から入球する遊技球を同入口よりも下方に設けられた出口に誘導する遊技球誘導部材を提供する。ここで、この遊技球誘導部材の壁材は、遊技球が通過不能な間隔で相対向して配置されており、この壁材の両壁面に形成される誘導開口部位は、一方の壁材から他方の壁材に向けて当該遊技球を誘導可能に開口幅を調整されて形成されるとともに、遊技球が通過不能に形成されている。そして、通過不能な間隔で相対向して配置された壁材の上方にある入口から入球した遊技球は、上方の誘導開口部位に沿って上方から下方に当該遊技球誘導部材を通過して落下する。
かかる場合、両壁材の壁面に形成された誘導開口部位において、一方の誘導開口部位は、この誘導開口部位が形成された壁材から、他方の壁材に形成された誘導開口部位に向けて当該遊技球を誘導可能に開口幅が調整されて形成されている。このように、誘導開口部位の開口幅を調整することによって、遊技球は落下するに際して、常時、誘導開口部位に略当接しつつ、両壁材の間隔を略往来して、落下することになる。従って、遊技球を誘導開口部位に略当接しつつ、落下させれば、誘導開口部位との摩擦によって、落下エネルギーを消費され、落下速度を抑制することが可能になる。また、両壁材の間隔を略往来させることによって、通過経路が長くなり、これによって落下時間を長くすることが可能になる。
また、壁材を遊技球が通過不能な間隔で相対向して配置するとともに、この壁材の両壁面に誘導開口部位を形成することによって、当該遊技球誘導部材を設置するための空間を小さくさせることができる。また、上記した簡易な構成で遊技球誘導部材を形成できるため、生産効率を向上させることができるようになる。なお、上記誘導開口部位は、最大開口部においても遊技球が通過不能に形成されているため、遊技球壁材の外側に飛び出してしまうことはないことは言うまでもない。
上述してきた誘導開口部位の形状の一例として、手段2にかかる発明は、上記手段1に記載の遊技球誘導部材において、上記誘導開口部位は、両壁面にて互い違いに鋭角部位の上端部と下端部とが交互に重なり合う略菱形形状に形成される構成としてある。
上記のように構成した手段2にかかる発明においては、誘導開口部位を両壁面にて互い違いに鋭角部位の上端部と下端部とが交互に重なり合う略菱形形状に形成する。誘導開口部位を略菱形形状に形成することによって、遊技球が一方の壁材の誘導開口部位を通過するに際して、最初に通過経路が幅狭の略菱形形状の上端部から遊技球が進入し、徐々に、通過経路が幅広の中央部に進入し、最後に通過経路が幅狭の略菱形形状の下端部か遊技球を通過させて、他方の壁材に向かって遊技球を誘導する。このように他方の壁材に向かって誘導された遊技球は上述した上端部から遊技球を進入されることになる。このように、略菱形形状の誘導開口部位を上方から下方に向かって順次通過するにあたり、幅広の中央部を挟んで、上端部の鋭角部位および下端部の鋭角部位を通過させることによって、一方の壁材から他方の壁材に誘導することを可能にしている。
また、上述してきた誘導開口部位の形状の他の一例として、手段3にかかる発明は、上記手段1に記載の遊技球誘導部材において、上記誘導開口部位は、両壁面にて複数の略円形部位をくびれ部位にて接続して形成されるとともに、互い違いに当該略円形部位とくびれ部位とが交互に重なり合う略瓢箪形状に形成される構成としてある。
上記のように構成した手段3にかかる発明においては、誘導開口部位を両壁面にて複数の略円形部位をくびれ部位にて接続した略瓢箪形状に形成する。そして、両壁面に形成した略瓢箪形状の誘導開口部位について、当該略円形部位とくびれ部位とが互い違いに交互に重なり合うように配置する。
より遊技球の落下速度を低下させることが可能な構成の一例として、手段4にかかる発明は、上記手段1〜手段3のいずれかに記載の遊技球誘導部材において、上記誘導開口部位の内周面は、上記遊技球が当該誘導開口部位を通過しつつ誘導されるに際して衝突したときに、この衝撃を吸収可能な衝撃吸収材にて形成される構成としてある。
上記のように構成した手段4にかかる発明においては、誘導開口部位の内周面を遊技球が当該誘導開口部位を通過しつつ誘導されるに際して、この通過にて誘導開口部位に衝突する衝撃を吸収可能な衝撃吸収材にて形成する。このように、遊技球を衝撃吸収部材に衝突させつつ誘導することによって、より遊技球の落下速度を低下させることが可能になる。
遊技球が通過不能な間隔で配置された壁材は、誘導開口部位の形状の大きさに適宜適合させたり、あるいは、落下速度を調節可能にすると言う観点からその間隔が調整可能であると好適である。そこで、手段5にかかる発明は、上記手段1〜手段4のいずれかに記載の遊技球誘導部材において、上記壁材は、当該壁材の位置を変更することによって上記間隔を適宜変更可能にする壁材位置変更構造を備える構成としてある。
上記のように構成した手段5にかかる発明においては、壁材位置変更構造で壁材の位置を変更することによって、遊技球が通過不能な間隔で配置されている壁材の間隔を適宜変更可能にする。
誘導開口部位に衝突しつつ通過する遊技球の落下エネルギーは、衝突する面積が大きければ、より吸収されることになる。そして、落下エネルギーが吸収されれば、落下速度を低下させることが可能になる。そこで、手段6にかかる発明は、上記手段1〜手段5のいずれかに記載の遊技球誘導部材において、上記誘導開口部位は、上記壁材の奥幅方向であって当該壁材の外側から内側に向かう傾斜面が形成される構成としてある。
上記のように構成した手段6にかかる発明においては、誘導開口部位の開口周面に壁材の奥幅方向であって当該壁材の外側から内側に向かう傾斜面を形成する。これによって、遊技球は誘導開口部位を通過し、次の誘導開口部位に誘導されるに際して、この傾斜面に衝突,摺動されることとなり、より落下速度を低下させることが可能になる。
このように、入口から入球する遊技球を同入口よりも下方に設けられた出口に誘導する手法は必ずしも実体のある装置に限られる必要はなく、その方法としても機能することは容易に理解できる。このため、手段7にかかる発明は、入口から入球する遊技球を同入口よりも下方に設けられた出口に誘導する遊技球誘導方法であって、上記遊技球が通過不能に相対向して配置された壁材の両壁面に、一方の壁材から他方の壁材に向けて当該遊技球を誘導可能に開口幅が調整されて形成されるとともに、上記遊技球が通過不能に形成された誘導開口部位に対して交互に上記遊技球を誘導させる構成としてある。
すなわち、必ずしも実体のある装置に限らず、その方法としても有効であることに相違はない。
以上説明したように手段1にかかる発明は、誘導開口部位によって遊技球を上方から下方に誘導することにより、遊技球を誘導開口部位に略当接させつつ、落下させれることが可能になるため、遊技球はこの略当接による誘導開口部位との摩擦によって、落下エネルギーが消費され、落下速度を抑制することが可能になり、また、両壁材の間隔を略往来させることによって、通過経路が長くなり、これによって落下時間を長くすることが可能になり、また、壁材を遊技球が通過不能な間隔で相対向して配置するとともに、この壁材の両壁面に誘導開口部位を形成することによって、当該遊技球誘導部材を設置するための空間を小さくさせることができるとともに、簡易な構成で形成することが可能な遊技球誘導部材を提供することができる。
さらに、手段2にかかる発明によれば、誘導開口部位に採用して好適な開口形状の一例を提示することが可能になる。
さらに、手段3にかかる発明によれば、誘導開口部位に採用して好適な開口形状の他の一例を提示することが可能になる。
さらに、手段4にかかる発明によれば、遊技球を衝撃吸収部材に衝突させつつ誘導することによって、より遊技球の落下速度を低下させることが可能になる。
さらに、手段5にかかる発明によれば、壁材位置変更構造を採用することによって、落下速度の調整を行なうことが可能になるとともに、適宜所望の壁材の間隔を実現することが可能になる。
さらに、手段6にかかる発明によれば、誘導開口部位にて遊技球を誘導するに際して、当該遊技球を誘導開口部位の傾斜面に衝突あるいは摺動させることが可能になり、より落下速度を低下させることが可能になる。
さらに、手段7にかかる発明によれば、誘導開口部位によって遊技球を上方から下方に誘導することにより、遊技球を誘導開口部位に略当接させつつ、落下させれることが可能になるため、遊技球はこの略当接による誘導開口部位との摩擦によって、落下エネルギーが消費され、落下速度を抑制することが可能になり、また、両壁材の間隔を略往来させることによって、通過経路が長くなり、これによって落下時間を長くすることが可能になり、また、壁材を遊技球が通過不能な間隔で相対向して配置するとともに、この壁材の両壁面に誘導開口部位を形成することによって、当該遊技球誘導部材を設置するための空間を小さくさせることができるとともに、簡易な構成で形成することが可能な遊技球誘導方法を提供することができる。
以下、図面にもとづいて本発明の実施形態を説明する。
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる遊技球誘導部材が取り付けられた遊技機を正面から外観した外観図である。
同図において、遊技機100の正面には、略長方形の枠状に形成された前面枠11が装着され、この前面枠11の内側に略長方形の枠状に形成された金枠12が設けられている。金枠12の上方側には平板形状のガラス扉13が取り付けられ、下方側には平板形状の前面板14が取り付けられている。ガラス扉13の後方には遊技盤15が配置され、ガラス扉13を介して視認可能となっている。遊技盤15の前面のガイドレール16で囲まれる遊技部17には、複数の風車17aや普通入賞口17b、遊技球が入賞する入口の大きさが変化する可変入賞口17c、遊技球が入賞する入口が開閉される大入賞口17d等が設けられている。また、遊技部17の略中央部に開口が設けられ、大当たり状態等の状態を表示する表示装置21が取り付けられている。
ここで、前面板14の前面には、上皿14aが取り付けられ、打球される遊技球が収容されるようになっている。また、金枠12の下方には、上皿14aから供給される遊技球を打球する強さを変えるハンドル18や、余剰球を収容する下皿19が取り付けられている。なお、前面枠11の後側には、図示しない景品玉タンクや各種のパチンコ球の処理機構が取り付けられている。
表示装置21の左右には、遊技球誘導部材30,30が配置されている。この
遊技球誘導部材30,30は、図2の背面図に示すように、表示装置21を覆う樹脂カバー20に取り付けられている。なお、図2は、本発明の第一の実施形態にかかる遊技球誘導部材30,30が取り付けられた樹脂カバー20を背面から示している。
同図において、遊技球誘導部材30,30は、表示装置21に合わせて形成された開口22の左右に取り付けられている。また、開口22の上方には、上側通過口23が形成され、上側通過口23に入った遊技球を誘導路26,26にて遊技球誘導部材30,30に誘導して、遊技球誘導部材30,30の上端に設けられた入口50,50に入球させる。入口50,50から入球した遊技球は遊技球誘導部材30,30により、当該遊技球誘導部材30,30の下端に設けられた出口51,51に誘導される。そして、出口51,51に誘導された遊技球は、当該出口51,51から放出され、開口22の下方に設けられたスロープ24に導かれて、スロープ24の後側に設けられた下側通過口25へ流下していくことになる。
図3は、上述してきた開口22の左右に取り付けられる遊技球誘導部材30の外観を斜視した外観斜視図を示している。
同図において、遊技球誘導部材30は、第一壁材31,第二壁材32,第三壁材33,第四壁材34とにより中空通路35が形成されて構成されている。ここで、第一壁材31と第二壁材32とは、遊技球35の径Dより小さい間隔Lにて相対向して立設されている
。一方、第三壁材33と第四壁材34とは遊技球35の径Dより大きな間隔で相対向して立設されている。この第一壁材31には、開口部位36a,開口部位36b,開口部位36c,開口部位36d,開口部位36eが形成されているとともに、第二壁材32には、開口部位37a,開口部位37b,開口部位37c,開口部位37dが形成されている。
図4は、遊技球誘導部材30について第一壁材31および第二壁材32を開口部位36a〜36e,開口部位37a〜37dの領域範囲にて当該第一壁材31および第二壁材32に略垂直に切断した場合の断面図を示している。
同図においては、上述したように第一壁材31と第二壁材32とは間隔Lにて相対向して立設されていることが分かる。また、開口部位36a〜36eと開口部位37a〜37dとは、互い違いに各々の上端部と下端部とが重なり合うように交互に形成されている。このように、構成された遊技球誘導部材30は、上部の開口部である入口50から遊技球35が入球し、出口51に向かって誘導、落下して遊技球誘導部材30の外部に放出されることになる。
図4に示した実線は、入口50から入球した遊技球が出口51に向かって誘導、落下する際の当該遊技球35の中心の軌跡を示し、この軌跡が遊技球35の通過経路を示すことになる。このように、遊技球35は、第一壁材31と第二壁材32とが遊技球35が通過不能な間隔で立設されていることから、入口50から入球した後に、開口部位36a→開口部位37a→開口部位36b→開口部位37b→開口部位36c→開口部位37c→開口部位36d→開口部位37d→開口部位36eと第一壁材31と第二壁材32との開口部位を上方から交互に移動しつつ下方に誘導されて落下し、開口部位36eから外部に放出される。このとき、遊技球35は、その外周面を各開口部位36a〜36eおよび各開口部位37a〜37dに衝突させつつ落下するため、この衝突で遊技球35の落下エネルギーが消費されることになり、当該遊技球35の落下速度が低下することが可能になる。
上述した遊技球誘導部材30の実施形態においては、第一壁材31および第二壁材32に形成する開口部位36a〜36eおよび開口部位37a〜37dを方形形状に形成する構成を採用したが、これらの開口部位を略方形形状に形成するという観点では、方形形状に限定されるものではなく、円弧部分を含んだ方形形状であっても良く、かかる場合の態様を図5に示す。この図5は、開口部位が形成される壁材の外観を示した遊技球誘導部材301の外観図であり、第一壁材311に上端部および下端部に半円形状の円弧を含む開口部位36a1,36b1,36c1,36d1,36e1を形成し、第二壁材321に上端部および下端部に半円形状の円弧を含む開口部位37a1,37b1,37c1,37d1を形成する。
そして、これらの開口部位36a1〜36e1および37a1〜37d1についても、その上端部と下端部とが重なり合うように交互に形成する。従って、図5に示した開口部位36a1〜36e1および開口部位37a1〜37d1を形成しても、遊技球35は、開口部位36a1〜36e1および開口部位37a1〜37d1に衝突しつつ、上記図4の実線にて示した通過経路を通過しつつ上方から下方に誘導されて落下するため、その落下速度を低下させることが可能になる。
このように、第一壁材と第二壁材とを遊技球35が通過不能な間隔で立設し、第一壁材および第二壁材に開口部位を形成し、入口50から入球する遊技球35を下方に誘導して落下するに際して、開口部位に衝突させつつ通過させることによって、遊技球35の落下速度を低下させることが可能になることが分かる。落下速度を低下させると言う観点では、開口部位に衝突させて落下エネルギーを消費させても良いし、通過経路を長くするようにしても良い。
図6は、遊技球35の通過経路を長くすることが可能な遊技球誘導部材の第一壁材および第二壁材の外観を示した外観図である。
同図において、遊技球誘導部材302には、第一壁材312に開口部位36a2,36b2,36c2,36d2,36e2を形成するとともに、第二壁材322に開口部位37a2,37b2,37c2,37d2を形成する。この実施形態では、開口部位36a2〜36e2および開口部位37a2〜37d2を、その上端部の一辺を第一壁材312あるいは第二壁材322の遊技球35の誘導方向の中央線より略一方寄りに形成するとともに、下端部の一辺を遊技球35の誘導方向の中央線より略他方寄りに形成した平行四辺形によって形成する。むろん、各平行四辺形は、互い違いに各々の上端部と下端部とが重なり合うように交互に形成されている。
図7は、図3に示した遊技球誘導部材30と図6に示した遊技球誘導部材302とにおいて、遊技球35が通過する各通過経路を示した通過経路態様を外観した外観図である。同図においては、図に向かって左側に遊技球誘導部材30を第一壁材31の前方から観た場合の外観図を示すとともに、右側に遊技球誘導部材302を第一壁材312の前方から観た場合の外観図を示している。そして、実線は遊技球35が入球してから下方に誘導されて落下する場合の通過経路を示している。
すなわち、遊技球誘導部材30では、遊技球35は、開口部位36a〜36eあるいは開口部位37a〜37dに誘導されて略直線の軌跡を描いて形成される通過経路Aを通過することになる。一方、遊技球誘導部材302では、遊技球35は、開口部位36a2〜36e2あるいは開口部位37a2〜37d2に誘導されて略横移動を伴う略直線の軌跡を描いて形成される通過経路Bを通過することになる。このように、遊技球誘導部材302は、遊技球誘導部材30に比べて通過経路を長くすることが可能となり、遊技球35の落下速度を低下させると言う観点でより優れた効果を奏することが分かる。
図6に示した実施形態では、開口部位を、その上端部の一辺を第一壁材あるいは第二壁材の遊技球35の誘導方向の中央線より略一方寄りに形成するとともに、下端部の一辺を遊技球35の誘導方向の中央線より略他方寄りに形成した一例として、略平行四辺形に形成する態様を採用した。むろん、このような観点から開口部位を形成する場合、略平行四辺形に限定されるものではなく、その形状は、適宜選択可能である。
図8は、開口部位を、その上端部の一辺を第一壁材あるいは第二壁材の遊技球35の誘導方向の中央線より略一方寄りに形成するとともに、下端部の一辺を遊技球35の誘導方向の中央線より略他方寄りに形成すると言う観点から形成した他の一例を示した遊技球誘導部材の第一壁材および第二壁材の外観を示した外観図である。同図において、遊技球誘導部材303には、第一壁材313に開口部位36a3,36b3,36c3,36d3,36e3を形成するとともに、第二壁材323に開口部位37a3,37b3,37c3,37d3を形成する。この実施形態では、開口部位36a3〜36e3および開口部位37a3〜37d3を、その上端部の一辺を第一壁材312あるいは第二壁材322の遊技球35の誘導方向の中央線より略一方寄りに形成するとともに、下端部の一辺を遊技球35の誘導方向の中央線より略他方寄りに形成した平行四辺形によって形成するに際して、上端部開口部位と下端部開口部位とを形成する。
ここでは、一例として開口部位36b3の上端部開口部位C,下端部開口部位Dとするとともに、開口部位37b3の上端部開口部位E,下端部開口部位Fとする。このように、上端部開口部位C,Eと下端部開口部位D,Fとを形成することにより、遊技球35は、上端部開口部位Cから開口部位36b3に進入すると、下端部開口部位Dに斜めに移動
する。そして、次に、上端部開口部位Eから開口部位37b3に進入し、下端部開口部位Fに斜めに移動することになる。従って、遊技球誘導部材303では、遊技球35は、開口部位36a3〜36e3あるいは開口部位37a3〜37d3に誘導されて略横移動を伴う略直線の軌跡を描いて形成される通過経路を通過することになる。
図9は、略方形形状に形成された開口部位について、より遊技球35の落下速度を抑制可能な場合の遊技球誘導部材の断面を示した断面図である。
同図において、遊技球誘導部材304は、第一壁材314に開口部位36a4,36ab4,36c4,36d4,36e4が形成されるとともに、第二壁材324に開口部位37a4,37b4,37c4,37d4が形成される。そして、この実施形態においては、各開口部位36a4〜36e4および37a4〜37d4の上辺に傾斜面36d41〜36e41,37a41〜37d41を形成し、下辺に傾斜面36a42〜36d42,37a42〜37d42を形成する。図10は、かかる態様の開口部位を第一,二壁材314,324の内側および外側から観た図を示している。
このように、開口部位の上辺および下辺に傾斜面を形成した場合に遊技球が開口部位に衝突する際の軌跡を図11に示す。同図において、遊技球35は、何れかの開口部位に進入するに際して、上辺に形成された傾斜面に衝突する。そして、開口部位を下方に落下して、当該開口部位から次の開口部位に移動するに際して、下辺に形成された傾斜面に衝突する。このように、傾斜面の上辺および下辺に傾斜面を形成することによて、開口部位を通過するにあたり、上辺および下辺の傾斜面に衝突する。この衝突によって落下エネルギーが消費されることとなり、より落下速度を抑制することを可能にする。
上述してきたように、遊技球誘導部材にて上方から下方に遊技球を誘導しつつ落下させるに際して、遊技球の落下速度を抑制する手法としては、遊技球の通過経路を長くしたり、開口部位を通過するに際して、傾斜面に衝突させることが効果的である。また、このように、遊技球の落下速度を低下させることが可能な手法の一例を図12に示す。同図においては、遊技球誘導部材を第一壁材315,第二壁材325にて形成した場合を示している。そして、この第一壁材315,第二壁材325に形成される開口部位36a5〜36e5および開口部位37a5〜37d5の開口外周面にゴム40を配置する。これによって、遊技球35は、開口部位36a5〜36e5および開口部位37a5〜37d5を通過するに際して、ゴム40に衝突することとなる。そして、このゴム40への衝突によって、より大きな落下エネルギーを吸収することができるようになるため、更に効果的に落下速度を低下させることが可能になる。
ゴム40を利用して落下速度を低下させる場合、上述したように開口部位の開口外周面にゴム40を配置しても良いし、図13に示すように第一壁材316および第二壁材326をゴム41にて形成しても良い。これにより、第一壁材316,326を一体に形成でき、部材点数を少なくすることができ、構成を簡素化することが可能になる。
このように、遊技球35の落下速度を低下させる手法として、ゴム40を開口部位にて遊技球35が衝突する開口外周面に配置すれば効果的であることは言うまでもない。むろん、落下速度を低下させる手法は、特に限定されるものではなく、開口部位に落下速度抑制形状を形成するようにしても良い。
図14は、開口部位に落下速度抑制形状を形成した場合の一例を示している。
同図において、遊技球誘導部材を第一壁材317,第二壁材327にて形成した場合を示している。そして、この第一壁材317,第二壁材327に形成される開口部位36a
7〜36e7および開口部位37a7〜37d7の開口外周面に略鋸歯形42を形成する。これによって、遊技球35は、開口部位36a7〜36e7および開口部位37a7〜37d7を通過するに際して、略鋸歯形42に衝突することとなる。そして、この略鋸歯形42への衝突によって、より大きな落下エネルギーを吸収することができるようになるため、更に効果的に落下速度を低下させることが可能になる。
開口部位を略方形形状に形成した場合、開口部位の上端部から進入してきた遊技球は、当該開口部位の下端部に向かって略垂直に落下する。このとき、開口部位の左右両辺に接触しつつ落下することが有ったとしても、遊技球は、略自由落下の態様で落下する。従って、この開口部位を落下する範囲においては、落下速度を低下させることはできない。かかる場合、開口部位の形状を略方形では無く、一方の壁材から他方の壁材に向けて遊技球を誘導可能に開口幅を調整して形成すれば、上述した自由落下を防止することが可能になるとともに、通過経路を長くすることも可能になる。
図15は、上述したように開口部位の形状を一方の壁材から他方の壁材に向けて遊技球を誘導可能に開口幅を調整して形成した遊技球誘導部材の第一壁材および第二壁材の外観を示した外観図である。
同図において、遊技球誘導部材308には、第一壁材318に開口部位36a8,36b8,36c8,36d8,36e8を形成するとともに、第二壁材328に開口部位37a8,37b8,37c8,37d8を形成する。この実施形態では、開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8を、鋭角部位が上端部および下端部に配置される略菱形形状に形成する。
図16は、図15に示したように開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8を略菱形形状に形成した場合の遊技球35が出口51に向かって誘導、落下する際の当該遊技球35の中心の軌跡を示し、この軌跡が遊技球35の通過経路を示すことになる。この実施形態では、開口部位が略菱形形状に形成されているため、遊技球35は、開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8に進入した後に、当該開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8内で落下することなく、次の開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8に移動する。
なぜなら、開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8は上端部が幅狭であり、中央部が幅広であり、下端部が幅狭である略菱形形状であるから、例えば、図矢印Gの軌跡により遊技球35が幅狭の上端部に進入すると、この遊技球35はその後に幅広の中央部Hに収容される。そして、次に幅狭の下端部を通過しつつ、図矢印Iの軌跡により次の開口部位に移動することになる。むろん、上述した図矢印Gの軌跡,中央部Hへの収容,図矢印Iの軌跡は連続した動作にて実現されることは言うまでもない。このように、開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8にて遊技球35が自由落下してしまうことを防止することが可能になるため、より落下速度が低下することが可能になる。
また、上述したように、開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8を略菱形形状に形成した場合においても、図17に示すように開口外周面に傾斜面43を形成しても良い。かかる開口部位を略菱形形状に形成した場合に、傾斜面43を形成すると、遊技球35が開口部位36a8〜36e8および開口部位37a8〜37d8を通過するに際して、常に、遊技球35がこの傾斜面43に略当接して摺動することになる。これによって、より効果的に遊技球35の落下速度を抑制することが可能になる。
次に、開口部位の形状を一方の壁材から他方の壁材に向けて遊技球を誘導可能に開口幅
を調整して形成した遊技球誘導部材の他の態様を図18に示す。
同図において、上述してきた開口22の左右に取り付けられる遊技球誘導部材30の外観を斜視した外観斜視図を示している。
同図において、遊技球誘導部材309は、第一壁材319,第二壁材329,第三壁材339,第四壁材349とにより中空通路359が形成されて構成されている。第一壁材319と第二壁材329とは、上記と同様に遊技球35の径Dより小さい間隔Lにて相対向して立設されている。一方、第三壁材33と第四壁材34とは遊技球35の径Dより大きな間隔で相対向して立設されている。そして、第一壁材319には、略円形部位44とくびれ開口部位45とからなる略瓢箪形状がそれぞれ略円形部位44とくびれ部位45にて接続されて一体形状に形成された開口部位46が形成されている。
ここで、図19は、上記した開口部位46が形成されて構成される遊技球誘導部材309の第一壁材319および第二壁材329の外観を示した外観図である。同図において、遊技球誘導部材309には、上述したように第一壁材319に開口部位46を形成するとともに、同様に、第二壁材323に略円形部位44aとくびれ部位45aとからなる略瓢箪形状がそれぞれ略円形部位44aとくびれ部位45aにて接続された一体形状に形成された開口部位46aを形成する。
このように第一壁材319に開口部位46を形成し、第二壁材329に開口部位46aを形成することによって、遊技球35は、開口部位46および開口部位46aの略円形部位44とくびれ部位45aとを同時に通過するとともに、略円形部位44aとくびれ部位45とを同時に通過することによって、当該開口部位46および開口部位46a内で落下することなく、常に、開口部位46,46aの開口外周面を摺動しながら下方に向かって落下する。このとき、通過経路は、図16に示したのと同様な態様を示すこととなるため、同様に落下速度を低下させることが可能になる。
上述してきた実施形態において、第一〜第四壁材は固着されており、第一壁材および第二壁材にて形成する遊技球35の通過不能な間隔は間隔Lで固定的であった。この間隔Lを適宜変更できると、落下速度の低下を自在に変えることができて好適である。そこで、このように、間隔Lを自在に変更できる遊技球誘導部材の構成を外観斜視した外観斜視図を図20に示す。同図において、遊技球誘導部材400は、第一壁材401と、第二壁材402と、第三壁材403と、第四壁材404とから構成されており、第一壁材401には、誘導凸溝406が側面に形成されるとともに、第二壁材403および第四壁材404の内側には、複数の誘導凹溝405が形成されている。
かかる構成において、第一壁材401の誘導凸溝406を適宜所望の間隔を形成可能な誘導凹溝405に係合して挿入する。これにより、誘導凹溝405に挿入された第一壁材401と第二壁材402にて所望の間隔を形成することを可能にする。第一壁材と第二壁材との間隔を適宜可変にすることが可能な他の態様としては、図21に示すように、遊技球誘導部材400の第一壁材411,第二壁材412,第三壁材413,第四壁材414を固着し、第三壁材413および第四壁材414の内側にスペーサ挿入溝415を形成する。そして、別部材として用意した複数のスペーサ416を所望の間隔が形成されるまで、順次スペーサ挿入溝415に差し込むことによって、スペーサ416にて厚さが増した第一壁材411と第二壁材412とにより所望の間隔を形成することを可能にする。
このとき、各スペーサ416には第一壁材411に形成されている開口形状と同一の形状が形成されていることは言うまでもない。
なお、上述してきた実施形態においては、第一〜第四壁材がそれぞれ個別に形成されるとともに、適宜相互に固着されて中空通路を形成する構成を採用しているが、むろん、中空通路を形成するという観点においては、第一〜第四壁材をそれぞれ個別に形成して適宜相互に固着する態様に限定されるものではなく、二つ以上の壁材を一体成形し、これに他の壁材を固着して中空通路を形成しても良いし、第一〜第四壁材を一体成形して中空通路を形成しても良い。
また、上述してきた実施形態においては、遊技球誘導部材を所定の壁材にて四方が囲まれた中空通路によって構成する態様を採用しているが、上方から下方に向けて遊技球を誘導するという観点においては、遊技球誘導部材を四方を壁材にて囲んだ中空通路にて構成する態様に限定されるものではなく、第三壁材あるいは第四壁材の一方を使用しないで遊技球誘導部材を構成しても良いし、第三壁材および第四壁材の両方を使用しないで、開口部位を形成した第一壁材および第二壁材によって遊技球誘導部材を構成するようにしても良い。
このように、遊技球誘導部材を第一〜第四壁材にて形成し、この第一壁材と第二壁材とを遊技球35が通過不能な間隔で立設するとともに、第一壁材と第二壁材とに、遊技球35が通過不能であって、遊技球を誘導可能に相対向する開口幅を調整して形成した開口部位を形成し、上方から入球した遊技球35を順次開口部位を通過させつつ、下方に誘導して落下させることによって、遊技球35の落下速度を効果的に抑制することを可能にする。そして、このように遊技球誘導部材を形成することによって、設置するための空間を小さくさせるとともに、生産する効率を向上させることを可能にする。