JP3969327B2 - 遊技機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、パチンコ機の遊技盤においては、遊技盤のほぼ中央に表示器を備えたセンターフレームが配設されている。そして、近年このセンターフレームに遊技球を所定部位に誘導するための遊技球誘導器を備えたものが提案されている。この遊技球誘導器は、センターフレームの上方に入口を設け、センターフレームの下方に出口を設けるとともに、この入口と出口を連通する誘導通路とを設けたものである。そして、この誘導通路内に出口から排出される遊技球の速度を減速させる落下速度抑制部材を設けたものもある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の遊技球誘導器では、誘導通路内に落下速度抑制部材を設けることから誘導通路が大型となってしまい、センターフレーム設置に際し比較的広いスペースを確保する必要があり、また、これによって、センターフレーム自体が大きくなってしまうという問題点がある。
【0004】
そこで、本発明の課題は、簡単な構造で遊技球を確実に減速させることができるとともに、小型化が可能な遊技球誘導器の通路を備えた遊技機を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための手段1は、入口と該入口よりも下方に設けられた出口とを連通する通路を有し、前記入口から入球した遊技球を、前記通路を通して前記出口に誘導する遊技球誘導器を備える遊技機において、前記遊技球誘導器は、一対の支柱、及び該支柱間に架設された複数の横桟を有する梯子部材と、表面に所定の間隔で形成された複数の突起部を有し、前記梯子部材に対して前記遊技球の直径よりも狭い間隔で、且つ前記横桟と前記突起部とが互い違いになるように配設された壁材とを具備し、前記梯子部材及び前記壁材により、前記通路が形成されていることを特徴とする遊技機である。
【0006】
ここで、梯子部材及び壁材の間隔とは、互い違いに形成された横桟の端面(壁材と対向する側の端面)と突起部の頂点との水平方向における間隔を示している。なお、通路に遊技球を通過させることから、横桟の端面と突起部の頂点との間隔、(つまり、それらの直線距離)は、遊技球の直径より広くなっている。また、梯子部材において、隣合う横桟同士の間には開口部分が形成されているが、この部分は遊技球が通り抜けない大きさになっている。
【0007】
前記手段1によると、入口から入球した遊技球は、梯子部材と壁材との間に形成された通路を流下し、下方に設けられた出口に向って導かれる。梯子部材及び壁材は、遊技球の直径より狭い間隔で配置されていることから(換言すれば横桟の端面と突起部の頂点との水平方向における間隔が遊技球の直径より狭いことから)、流下する遊技球は、横桟と突起部とに交互に衝突し減速させられる。このため、遊技球は、通路の出口から減速された状態で排出される。
【0008】
手段2は、前記手段1の構成に加え、前記梯子部材が、前記壁材の前方に配置されていることを特徴とする。
【0009】
前記手段2によると、梯子部材の形状自体によって装飾性を高めるとともに、梯子部材の開口部分を通して遊技球の流下位置を視認させることが可能になる。
【0010】
手段3は、前記手段2の構成に加え、前記壁材は、電光装飾部材の前面カバーからなることを特徴とする。
【0011】
例えば、表示器を備えた遊技機では、表示器の周囲に電飾と呼ばれる電光装飾部材が設けられる場合がある。この装飾部材は、例えば、発光部材と、この発光部材を覆うカバーとからなる。そして、遊技の進行に合せて発光部材が点灯または点滅するため、カバーが種々の態様で輝き、遊技状態が遊技者に報知される。しかし、この遊技機では、電光装飾部材と遊技球誘導器との位置を、面方向において異ならせる必要があった。つまり、電光装飾部材の前方に遊技球誘導器を配置すると、発光部材の光が誘導通路内の落下速度抑制部材によって遮られ、発光による装飾効果が損なわれるためである。そして、面方向において配置位置を異ならせた場合、表示器の周りに電光装飾部材及び遊技球誘導器の両方を配置する空間が必要となり、遊技領域がより一層狭くなるという不具合が生じる。なお、遊技球誘導器の前方に、電光装飾部材を設けるようにすれば、装飾効果は十分得られるものの、この場合、遊技球が誘導通路のどの辺りを通過しているのかわからなくなる。
【0012】
ところが、前記手段3によると、電光装飾部材から発光された光は、空間である通路を経て梯子部材を照射する。そして、梯子部材には開口部分が設けられているため、その開口部分を通して光が前方に放射される。したがって、装飾発光部材の前方に遊技球誘導器が配置されているにもかかわらず、電飾による装飾効果を楽しませることができる。また、電光装飾部材の前面カバーが壁材として利用されることから、構造がさらに簡略化されるとともに、一層小型化される。
【0013】
手段4は、前記手段1乃至前記手段3のいずれかの構成に加え、壁材の表面が、奥側に向って略円弧状に窪んでいることを特徴とする。
【0014】
例えば、遊技球誘導器における通路が比較的広い場合には、通路を流下する遊技球が、梯子部材の横桟に衝突して壁材側に跳ね返る際に、梯子部材の中心軸から外れた左右方向に跳ね返る場合がある。この場合、遊技球が通路の隅部を通過することになり、見栄えが損なわれる。
【0015】
ところが、前記手段4によると、梯子部材の中心軸から外れた左右方向に跳ね返った場合でも、その後、遊技球は梯子部材の中心軸側に戻される。つまり、壁材の表面が略円弧状に窪んでいることから、壁材に衝突した遊技球は、投入方向にかかわらず、円弧の中心側すなわち梯子部材の中心軸側に跳ね返される。このため、遊技球を、梯子部材の中心軸に沿って流下させることができる。
【0016】
手段5は、前記手段1乃至前記手段4のいずれかの構成に加え、前記壁材から前記梯子部材の前記支柱に向って突設され、前記支柱及び前記壁材の間における前記遊技球の通り抜けを防止する通り抜け防止部材をさらに備えることを特徴とする。
【0017】
例えば、遊技球誘導器の出口付近のように、遊技球の流下方向が大きく変更する場所では、遊技球の跳ね返りによって、支柱と壁材との間に遊技球が勢いよく衝突する場合がある。この場合、遊技球が支柱と壁材との間を通って飛び出す恐れがある。
【0018】
ところが、前記手段5によると、支柱及び壁材の間には通り抜け防止部材が設けられているため、通路を通過する遊技球が外部へ飛び出さなくなる。なお、通り抜け防止部材は、必ずしも全体に設ける必要はなく、例えば出口付近等、通り抜ける可能性がある部分にのみ設けるようにしてもよい。
【0019】
さらに手段6は、前記手段5の構成に加え、前記通り抜け防止部材の下端が下方に延設され前記出口から突出していることを特徴とする。
【0020】
前記手段6によると、通路の出口から排出された遊技球は、通り抜け防止部材の延設部分によって、進行方向が規制される。例えば、遊技球誘導器の下流側に転動部が形成されているものでは、排出された遊技球を、前記延設部分によって転動部側に導くことが可能になる。このように、通り抜け防止部材の一部がガイド部材として利用されることから、遊技球の排出を円滑に行うことができる。
【0021】
手段7は、前記手段1乃至前記手段6のいずれかの構成に加え、前記梯子部材における前記一対の支柱が、前記遊技球の直径よりも狭い間隔で略平行に設けられていることを特徴とする。
【0022】
前記手段7によると、一対の支柱の間に形成される空間、特に前記開口部分の横幅は、遊技球の直径よりも狭いため、遊技球は開口部分を通り抜けることなく、下方に誘導される。なお、この場合、梯子部材における横桟同士の間隔は、遊技球の直径より広くても狭くても構わない。
【0023】
また、手段8は、前記手段1乃至前記手段7のいずれかの構成に加え、前記梯子部材における複数の前記横桟が、前記遊技球の直径よりも狭い間隔で略平行に設けられていることを特徴とする。
【0024】
前記手段8によると、横桟同士の間に形成される空間、特に前記開口部分の縦の長さは、遊技球の直径よりも短いため、遊技球は開口部分を通り抜けることなく、下方に誘導される。なお、この場合、梯子部材における支柱の間隔は、遊技球の直径より広くても狭くても構わない。
【0025】
手段9は、前記手段1乃至前記手段8のいずれかの構成に加え、前記梯子部材における前記横桟は、前記遊技球の衝突による衝撃を吸収する衝撃吸収部材で形成されていることを特徴とする。ここで、衝撃吸収部材としては、各種樹脂、多孔質セラミック、及び紙等を挙げることができる。
【0026】
また、手段10は、前記手段1乃至前記手段9のいずれかの構成に加え、前記壁材における前記突起部は、前記遊技球の衝突による衝撃を吸収する衝撃吸収部材で形成されていることを特徴とする。
【0027】
前記手段9または前記手段10によると、通路を通過する遊技球が、横桟または突起部に衝突すると、衝撃が吸収される。つまり、遊技球の運動エネルギーが吸収されるため、遊技球の流下速度が効果的に減少する。
【0028】
ところで、遊技球を誘導する際の手法は、必ずしも実体のある遊技球誘導器に限られるものではなく、遊技球の誘導方法としても有効である。
つまり、手段11は、入口から入球した遊技球を前記入口よりも下方に設けられた出口に誘導する遊技球の誘導方法であって、一対の支柱及び該支柱間に架設された複数の横桟を有する梯子部材と、表面に所定の間隔で形成された複数の突起部を有する壁材とを、前記遊技球の直径よりも狭い間隔で且つ前記横桟と前記突起部とが互い違いになるように配置し、前記梯子部材及び前記壁材の間を通路として前記遊技球を誘導することを特徴とする。
【0029】
前記手段11によると、前記手段1と同様、遊技球は、横桟と突起部とに交互に衝突しながら流下し、通路の出口から減速させられた状態で排出される。なお、説明は省略するが、前記手段2〜前記手段10の構成においても、方法に対応させることが可能である。
【0030】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を、パチンコ遊技機に具体化した一実施形態について、図1乃至図10に基づき説明する。図1はパチンコ遊技機の該略構成を示す正面図であり、図2乃至図4はパチンコ遊技機における本体枠の構成を示す正面図、斜視図、及びA−A断面図である。図1に示すように、パチンコ遊技機2の遊技盤3には、誘導レール4によって遊技領域5が区画形成されている。誘導レール4は、発射ハンドル6の操作に対応して発射装置(図示しない)から発射された遊技球7を、遊技領域5の上部に導くためのものである。遊技領域5には、普通入賞口8、始動口9、及び大入賞口10が夫々設けられている。また、遊技領域5の略中央部分には、特別図柄表示装置12(以下単に「表示装置12」という)が組み込まれた本体枠13が配設されている。そして、この本体枠13により特別遊技領域14が区画形成されている。
【0031】
普通入賞口8、始動口9、及び大入賞口10は、遊技盤3の払出し装置(図示しない)に接続されている。払出し装置は、遊技球7の各入賞口8,9,10への入賞に伴い所定数の賞球を払い出す払出しモータ15(図10参照)を備えている。なお、始動口9は、遊技球7の通路の入口を狭めたり拡げたりするための羽根16、及び通路内に遊技球7が入球したことを検出する始動口用スイッチ17(図10参照)等から構成されている。また、大入賞口10は、始動口9の下方に位置しており、横長空間である入賞領域(図示しない)、開閉部材としてのシャッタ18、これを開閉させるためのソレノイド19(図10参照)、及び入賞領域に入賞した遊技球7を計数するためのカウントスイッチ20等から構成されている。つまり、ソレノイド19はシャッタ18に駆動連結されており、通電に伴う励磁によりシャッタ18を前方へ倒して入賞領域を開放し、通電停止に伴う消磁によりシャッタ18を起立させて入賞領域を閉鎖する。なお、大入賞口10は、大当たり遊技状態の発生に伴い、閉鎖状態から開放状態に切替えられる。
【0032】
この他、パチンコ遊技機2には、遊技効果を高めることを目的として、スピーカ21(図10参照)と、装飾用発光素子としての複数のランプ22が組み込まれている。スピーカ21は、遊技の進行状態に合わせて効果音を発したり、その効果音の種類を変えたりする。ランプ22としては、例えば風車ランプ、飾りランプ、袖ランプ、サイドランプ等既知のものが挙げられ、これらは遊技の進行状態に合わせて光放射の態様を変える。
【0033】
表示装置12は、液晶ディスプレイ(LCD)を備えている。なお、LCDに代えて、CRT、ドットマトリックス、発光ダイオード(LED)、エレクトロルミネセンス(EL)、蛍光表示管等が用いられてもよい。表示装置12の画面には、例えば、互いに左右方向に配置された三つの図柄列(左図柄列、中図柄列、右図柄列)が表示される。各図柄列は、複数種類の図柄からなり、数字、キャラクタ、及びそれらを組合せたもの等がある。
【0034】
表示装置12では、各図柄列での図柄の変動が、遊技球7の始動口9への入賞に基づき一斉に開始される。図柄の変動は所定の停止順、例えば左図柄列、右図柄列、中図柄列の順に停止される。そして、全図柄列の変動が停止したとき、表示されている図柄(停止図柄)の組合せが、予め定められた大当たりの組合せ、すなわち同一種類の停止図柄が大当たりラインに沿って並んでいる組合せ(例えば「7」,「7」,「7」)となる場合がある。大当たりの組合せが成立すると、大入賞口10の入賞領域が開放し、遊技者は多くの賞球を獲得することが可能になる。
【0035】
本体枠13は、図2乃至図4に示すように、天井部23、側部24、及び下部25から構成されている。また、本体枠13の後部には表示装置12を取付けるための取付部材(図示しない)が組付けられている。天井部23には保留ランプ26a及び風車26bを含む天飾り26が設けられ、その上面には遊技球7を特別遊技領域14に入球させるための入口部27が形成されている。また天飾り26の左右両側には肩飾り28が設けられている。そして、入口部27から入球された遊技球7は、天飾り26及び肩飾り28の内部に形成された通路29に従って左右斜め下方へ案内されるようになっている。
【0036】
本体枠13における下部25の上面には転動部30が形成されており、その転動部30において、遊技者は遊技球7の挙動すなわち左右方向への転動を視認することができるようになっている。一方、左右両側部24には、通路29と転動部30とを連通するための遊技球誘導器1が設けられている。
【0037】
遊技球誘導器1の具体的な構成について、図5乃至図8に基づき説明する。ここで、図5は遊技球誘導器1の分解斜視図であり、図6は遊技球誘導器1の側面図であり、図7は同じく平面図であり、図8は図7におけるB−B断面図である。なお、本体枠13には二組の遊技球誘導器1が取付けられているが、基本的な構成は同一であるため、ここでは本体枠13の左側に位置する遊技球誘導器1についてのみ説明する。遊技球誘導器1は、上端に形成された入口31と下端に形成された出口32とを連通する通路33を有し、入口31から入球した遊技球7を、通路33を通して転動部30に誘導するものである。遊技球誘導器1は、互いに対向して配置された梯子部材35と壁材36とから構成されている。梯子部材35は、鉛直方向に立設された一対の支柱37と、これらの間に架設された複数(例えば5本)の横桟38と、一対の支柱37を本体枠13に取付けるために支柱37の上端及び下端に夫々形成された上部取付部39及び下部取付部41とを備えている。なお、下部取付部41には、右側面から後方に向けて延設されたガイド片40が形成されている。
【0038】
一対の支柱37と各横桟38とによって囲まれた部分は開口部42となっている。各開口部42の横幅L、及び各開口部42の高さHは、いずれも遊技球7の直径Dよりも狭く、遊技球7が通り抜けない大きさになっている(図5参照)。また、梯子部材35は樹脂で形成されており、衝突する遊技球7の運動エネルギーを効率よく吸収する。
【0039】
一方、壁材36は、横断面が略コ字形となる箱形状に形成され、背面が開放されている。壁材36の表面には、奥側に向って略円弧状に窪んだ窪み43が上端から下端まで連続して形成されている。また、その窪み43内には、前方に突出する略三角形状の突起部44(図8参照)が上下方向に所定の間隔K1で形成されている。なお、この間隔K1は、梯子部材35における横桟38同士の間隔K2と等しく、遊技球7の直径Dよりも広くなっている。また、図5に示すように、壁材36における前面の左縁には、左側方に突出するフランジ45と、前方に突出する板状の通り抜け防止部材46が形成されている。フランジ45は、壁材36の左端の形状を、本体枠13の内周面の形状に合致させるために形成されたものである。また、通り抜け防止部材46は、通路33を通過する遊技球7、特に出口32付近を通過する遊技球7が、支柱37と壁材36との間を通って外へ飛び出すことを防止するものである。また、通り抜け防止部材46には、下方に延設された延設部47が形成されており、これによって出口32から排出される遊技球7の方向を規制している。なお、この通り抜け防止部材46は壁材36の右縁にも形成されているが、右側の防止部材46は延設部47を備えていない。
【0040】
また、壁材36の内部には発光ダイオードなど複数の発光部材(図示しない)が設けられている。つまり、本実施形態の壁材36は電光装飾部材48における透光性のカバーを利用している。このため、遊技の進行に合わせて発光部材が点灯または点滅すると、壁材36の表面が種々の態様で輝き、遊技状態が遊技者に報知される。なお、壁材36の前方には梯子部材35が配置されているが、梯子部材35には複数の開口部42が形成されているため、壁材36の表面から放射された光は開口部42を通して前方に放射される。
【0041】
梯子部材35及び壁材36は、遊技球7の直径Dよりも狭い間隔Mで、且つ梯子部材35における横桟38と、壁材36における突起部44とが互い違いになるように配置されている(図8参照)。ここで、梯子部材35及び壁材36の間隔Mとは、横桟38の後端面と突起部44の頂点との水平方向における間隔である。なお、横桟38の後端面と突起部44の頂点との間隔N(すなわち直線距離)は、遊技球7の直径Dよりも広くなっている。すなわち、遊技球7が通過可能な広さとなっている。
【0042】
ところで、図10に示すように、パチンコ遊技機2には主制御基板55が組込まれ、この主制御基板55に、各種スイッチ17,20、保留ランプ26a、及びソレノイド19等が接続されている。また、主制御基板55には、表示制御基板58を介して表示装置12が接続され、音声制御基板56を介してスピーカ21が接続されている。さらに主制御基板55には、ランプ制御基板57を介してランプ22が接続され、払出し制御基板59を介して払出しモータ15が接続されている。
【0043】
各制御基板55〜59は、所定の制御プログラムや初期データを予め記憶した読出し専用メモリ(ROM)、このROMに記憶された制御プログラムに従って各種演算処理を実行する中央処理装置(CPU)、及びCPUによる演算結果を一時的に記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)等を備えている。
【0044】
次に、遊技球誘導器1の作用について図8及び図9に基づき説明する。図9(a)は上下方向における遊技球7の動きを示しており、図9(b)は前後方向における遊技球7の動きを示している。本体枠13の入口部27から入球した遊技球7は、天飾り26及び肩飾り28の内部に形成された通路29を通って、遊技球誘導器1の入口31に到達する(図2参照)。ここで遊技球誘導器1を構成する梯子部材35及び壁材36の間隔M、すなわち横桟38の後端面と突起部44の頂点との水平方向における間隔は、遊技球7の直径Dよりも狭くなっている。このため、図9(a)に示すように、遊技球7が入口31から下方に進むと、まず、梯子部材35の最上段に設けられた横桟38aに衝突する。すると、遊技球7は横桟38aによって運動エネルギーが吸収された後、壁材36の表面側に向う。なお、梯子部材35は樹脂で形成されているため、衝突する遊技球7の運動エネルギーが効果的に吸収される。
【0045】
一方、壁材36の表面には、突起部44が形成されているため、遊技球7は最上段に形成された突起部44aに衝突する。すると、遊技球7は突起部44aによって運動エネルギーが吸収された後、再び梯子部材35側に向う。なお、壁材36も樹脂で形成されているため、衝突する遊技球7の運動エネルギーが効果的に吸収される。また、図9(b)に示すように、壁材36の表面には湾曲状の窪み43が上下方向に連続して形成されているため、壁材36に衝突した遊技球7は衝突方向(投入方向)に拘わらず、円弧の中心側すなわち梯子部材35の中心軸O側に向って跳ね返される。
【0046】
以後、遊技球7は、上記の移動を繰返しながら、換言すれば互い違いに形成された横桟38と突起部44とに交互に衝突しながら落下する。これにより遊技球7は減速されながら落下することになり、出口32から減速された状態で排出される。
【0047】
なお、梯子部材35における開口部42は、遊技球7が通り抜けない大きさになっており、しかも支柱37とそれに対向する壁材36との間隔は、遊技球7の直径Dより狭くなっているため、通路33を通過する遊技球7は、開口部42、または支柱37及び壁材36間から飛び出すことなく、出口32に向かって誘導される。ところで、出口32付近のように、遊技球7の流下方向が下方から後方へと大きく変化する場合には、跳ね返りによって、支柱37と壁材36との間に遊技球7が勢いよく衝突する場合がある。つまり、遊技球7が支柱37及び壁材36間を通って飛び出す可能性がある。しかし、本実施形態の遊技球誘導器1では、このような部分には通り抜け防止部材46(図8参照)が形成されているため、遊技球7の通過を確実に防止できる。
【0048】
このように上記の遊技球誘導器1では、通路33を形成する梯子部材35及び壁材36によって、遊技球7を減速させることができるため、遊技球7の誘導及び減速を簡易な構造で実現できる。また、梯子部材35を、壁材36の前方に配置しているため、梯子部材35によって装飾性を高めるとともに、梯子部材35の開口部42を通して遊技球7の流下位置を視認させることができる。また、転動部30に投入される遊技球7は、遊技球誘導器1によって十分に減速されるため、転動部30での遊技球7の転動時間が適度に抑えられる。つまり、落下速度抑制部材を備えていない従来のパチンコ遊技機では、転動部に投入される遊技球の速度が高過ぎ転動部から排出されるまでに比較的長い時間を要し、遊技をスムーズに進行できなくなるという恐れがあったが、本実施形態の遊技球誘導器1では、遊技球7を十分に減速させることから、長時間の転動動作による遊技の進行の遅れを防止できる。
【0049】
また、上記の遊技球誘導器1では、壁材36の表面に円弧状の窪み43が形成されているため、遊技球7を梯子部材35の中心軸Oに沿って落下させることが可能になる。つまり、左右方向への移動が少ないことから、遊技者に対して、遊技球7が同一直線上(中心軸O)に沿ってゆっくりと落下するように見せることができる。
【0050】
さらに、上記の遊技球誘導器1では、出口32から排出される遊技球7が、梯子部材35及び壁材36に形成されたガイド片40及び延設部47によって転動部30側に導かれる。このため、遊技球7を円滑に排出することが可能となり、通路33内における遊技球7の詰まりを防止できる。
【0051】
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
【0052】
すなわち、上記実施形態の遊技球誘導器1では、壁材36として電光装飾部材48のカバーを利用するものを示したが、専用の壁材を備えるようにしてもよい。ただし、上記実施形態のように、電光装飾部材48のカバーを利用し、その前方に梯子部材35を配置するようにすれば、発光部材による電飾効果を維持しつつ遊技球7が通路33のどの辺りを通過しているのかを視認させることができる。また、遊技球誘導器1と電光装飾部材48との配置位置を面方向において異ならせる必要がなくなることから、本体枠13を小型化し、遊技領域5を広くすることが可能になる。
【0053】
また、上記実施形態では、遊技球誘導器1によって、遊技球7を転動部30へ導くものを示したが、誘導先は特に限定されるものではなく、例えば遊技領域5に配置された始動口9や大入賞口10へ誘導するために設けてもよい。この場合、遊技球誘導器は遊技領域5に配置されることになるため、例えば図11に示すように遊技盤3の一部を壁材60として利用すれば、さらに簡素化した遊技球誘導器61を構成することができる。なお、図11において上記実施形態と同様の構成については同一の番号を付し、ここでは詳細な説明を省略する。
【0054】
上記実施形態では、梯子部材35を壁材36の前方に配置するものを示したが、梯子部材35と壁材36とが左右方向に並ぶように、横向けた状態で配置してもよい。これによれば、梯子部材35における支柱37と壁材36との間の隙間から、通過する遊技球7を視認させることが可能になる。
【0055】
上記実施形態では、遊技球誘導器1によって一つの通路33を形成するものを示したが、複数の通路を並設することも可能である。例えば、三本またはそれ以上の支柱を左右方向に並設し、互いに隣合う支柱間を横桟によって連結するようにすれば実現できる。なお、この場合、壁面には、各支柱間に突起部を対向させるため、複数列の突起部を形成する必要がある。このように複数の通路を並設することにより、複数個の遊技球7を同時に誘導することが可能になる。
【0056】
さらに、上記実施形態では、表示装置12を備えたパチンコ遊技機2に適用するものを示したが、表示装置12を備えないパチンコ遊技機は勿論、パチンコ遊技機以外の遊技機、例えば、アレパチ、アレンジボール等であっても適用することが可能である。
【0057】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、通路を形成するための梯子部材及び壁材という簡単な構造で、遊技球を確実に減速及び誘導させることができる。また、梯子部材と壁材の間隔は遊技球の直径よりも狭くなるように構成されているため通路を小型化することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機を示す概略正面図である。
【図2】パチンコ遊技機における本体枠の構成を示す正面図である。
【図3】本体枠の構成を示す斜視図である。
【図4】図2に示す本体枠のA−A断面図である。
【図5】遊技球誘導器の構成を示す分解斜視図である。
【図6】遊技球誘導器の構成を示す側面図である。
【図7】遊技球誘導器の構成を示す平面図である。
【図8】図7に示す遊技球誘導器のB−B断面図である。
【図9】遊技球誘導器における遊技球の動きを説明するための説明図である。(a)は上下方向における動きを示し、(b)は前後方向における動きを示している。
【図10】パチンコ遊技機の電気的構成を示すブロック図である。
【図11】遊技球誘導器の他の例を示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,61 遊技球誘導器
2 パチンコ遊技機(遊技機)
3 遊技盤
7 遊技球
27 入口部
31 入口
32 出口
33 通路
35 梯子部材
36,60 壁材
37 支柱
38 横桟
42 開口部
43 窪み
44 突起部
46 通り抜け防止部材
48 電光装飾部材
Claims (2)
- 入口と該入口よりも下方に設けられた出口とを連通する通路を有し、前記入口から入球した遊技球を、前記通路を通して前記出口に誘導する遊技球誘導器を備える遊技機において、 前記遊技球誘導器は、 前記遊技球の直径よりも狭い間隔で略平行に設けられた一対の支柱、及び該支柱間に架設された複数の横桟を有する梯子部材と、
表面に所定の間隔で形成された複数の突起部を有し、前記梯子部材に対して前記遊技球の直径よりも狭い間隔で、且つ前記横桟と前記突起部とが互い違いになるように配設された壁材とを具備し、
前記梯子部材及び前記壁材により、前記通路が形成され、
前記支柱と該支柱に対向する前記壁材との間隔が、前記遊技球の直径よりも狭くなっていることを特徴とする遊技機。 - 請求項1に記載の遊技機において、前記壁材の表面は、前記一対の支柱間の中央部分と対向する部位が最も後方に位置するように、奥側に向って略円弧状に窪んでいることを特徴とする遊技機。
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