まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。図2は、主基板における回路構成の一例を示すブロック図である。
パチンコ遊技機1は、図1及び図3〜図5に示すように、縦長の方形枠状に形成された外枠(図示略)と、外枠100の左側辺に開閉可能に取り付けられた遊技枠(図示略)と、該遊技枠の左側辺上部に開閉可能に取り付けられたガラス扉枠102と、遊技枠の左側辺下部に開閉可能に取り付けられた下扉枠103と、から主に構成されている。また、ガラス扉枠102の上辺部の右側から右辺部の下部にかけて、前方に膨出する立体状の装飾体310が設けられている。
下扉枠103の上部前面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下方位置には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4(下皿)や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。
また、ガラス扉枠102の背面側には、遊技盤6が遊技枠101に対して着脱可能に取り付けられている。遊技盤6は、遊技領域7が前面に形成された所定板厚を有するベニヤ板からなり、該遊技盤6の背面側には、演出表示装置9や演出制御基板80等を含む変動表示制御ユニット(図示略)が一体的に組み付けられている。
遊技領域7の中央付近には、それぞれが演出用の演出図柄(飾り図柄)を変動表示する複数の変動表示部を含む演出表示装置(演出図柄表示装置)9が設けられている。演出表示装置9には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの変動表示部(図柄表示エリア)がある。演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bによる特別図柄の変動表示期間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の変動表示を行う。演出図柄の変動表示を行う演出表示装置9は、演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。
また、遊技盤6における演出表示装置9の前面9cに対応する開口周囲には、後述するステージ300が設けられた環状のステージ飾り枠11が設けられている。遊技盤6は、前面9cに対し所定の隙間を隔てて前方に配設されており、遊技盤6と前面9cとの間における前面9cの周縁には演出ユニット(図示略)が設けられ、遊技状態や演出の実行に応じて可動するようになっている。
遊技盤6における右側下部位置には、第1識別情報としての第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器(第1変動表示手段)8aが設けられている。この実施例では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。また、第1特別図柄表示器8aの上方位置には、第2識別情報としての第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器(第2変動表示手段)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を変動表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を変動表示するように構成されている。
この実施例では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば2つの7セグメントLED等を用いて00〜99の数字(または、2桁の記号)を変動表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器と総称することがある。
第1特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第1始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13aに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。また、第2特別図柄の変動表示は、変動表示の実行条件である第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞したこと)した後、変動表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第2特別図柄の変動表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことに基づいて開始され、変動表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。尚、入賞とは、入賞口などのあらかじめ入賞領域として定められている領域に遊技球が入ったことである。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動表示時間中、および第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄(演出図柄ともいう)の変動表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示と、演出表示装置9における演出図柄の変動表示とは同期している。同期とは、変動表示の開始時点および終了時点がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であって、変動表示の期間がほぼ同じ(全く同じでもよい。)であることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合せが停止表示される。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13aを有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13aに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ14aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13aを有する入賞装置の下側には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口13bを有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)13bに入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ15aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口13bに入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13aよりも、第2始動入賞口13bに遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口13bに入賞しない。尚、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13aと第2始動入賞口13bとを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口13bに極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13aは演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13aとの間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13aの周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13aの周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13aに導きづらくして、第2始動入賞口13bの入賞率の方を第1始動入賞口13aの入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
第2特別図柄表示器8bの上部には、第1始動入賞口13aに入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する第1特別図柄保留記憶表示部と、該第1特別図柄保留記憶表示部とは別個に設けられ、第2始動入賞口13bに入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する第2特別図柄保留記憶表示部と、が設けられた例えば7セグメントLEDからなる特別図柄保留記憶表示器18が設けられている。第1特別図柄保留記憶表示部は、第1保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。また、第2特別図柄保留記憶表示部は、第2保留記憶数を入賞順に4個まで表示し、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの変動表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。尚、この例では、第1始動入賞口13aへの入賞による始動記憶数及び第2始動入賞口13bへの入賞による始動記憶数に上限数(4個まで)が設けられているが、上限数を4個以上にしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部9aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部9bとが設けられている。尚、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する領域(合算保留記憶表示部)が設けられるようにしてもよい。そのように、合計数を表示する合算保留記憶表示部が設けられているようにすれば、変動表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。
尚、この実施例では、図1に示すように、第2始動入賞口13bに対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13aおよび第2始動入賞口13bのいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の右側方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は大入賞口扉を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたとき、および第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって大入賞口扉が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
カウントスイッチ23によって遊技球が検出されたことに基づき、所定個数(例えば15個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、特別可変入賞球装置20において開放状態となった大入賞口を遊技球が通過(進入)したときには、例えば第1始動入賞口13aや第2始動入賞口13bといった、他の入賞口を遊技球が通過(進入)したときよりも多くの賞球が払い出される。したがって、特別可変入賞球装置20において大入賞口が開放状態となれば、遊技者にとって有利な第1状態となる。その一方で、特別可変入賞球装置20において大入賞口が閉鎖状態となれば、大入賞口に遊技球を通過(進入)させて賞球を得ることができないため、遊技者にとって不利な第2状態となる。
第1特別図柄表示器8aの右側には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、例えば2つのランプからなる。遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の変動表示が開始される。この実施例では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって変動表示が行われ、例えば、変動表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10の下側のランプが点灯して当りである場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、下側のランプが点灯して当りである場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口13bに遊技球が入賞可能な状態)に変化する。特別図柄保留記憶表示器18の上部には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(例えば、7セグメントLEDのうち4つのセグメント)を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯する表示部を1増やす。そして、普通図柄表示器10の変動表示が開始される毎に、点灯する表示部を1減らす。
尚、7セグメントLEDからなる普通図柄保留記憶表示器41には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つの表示部(セグメント)とともに、例えば大当り時における特別可変入賞球装置20の開放回数(大当りラウンド数)を示す2つの表示部(セグメント)、及び遊技状態を示す2つの表示部(セグメント)が設けられているが、これら表示部を普通図柄保留記憶表示部とは別個の表示器にて構成してもよい。また、普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を変動表示可能なセグメントLED等にて構成してもよい。
特別可変入賞球装置20の周辺には普通入賞装置の入賞口29a〜29dが設けられ、入賞口29a〜29dに入賞した遊技球は入賞口スイッチ30a、30bによって検出される。各入賞口29a〜29dは、遊技球を受け入れて入賞を許容する領域として遊技盤6に設けられる入賞領域を構成している。尚、第1始動入賞口13a、第2始動入賞口13bや大入賞口も、遊技球を受け入れて入賞を許容する入賞領域を構成する。
遊技領域7の左側には、遊技中に点滅表示される装飾LED25aを有する装飾部材25が設けられ、下部には、入賞しなかった遊技球を吸収するアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上下部には、効果音を発する4つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cが設けられている。天枠LED28a、左枠LED28bおよび右枠LED28cおよび装飾LED25aは、遊技機に設けられている装飾発光体の一例である。
また、特に図示はしないが、プリペイドカードが挿入されることによって球貸しを可能にするプリペイドカードユニット(以下、「カードユニット」という。)50が、パチンコ遊技機1に隣接して設置されている。
遊技者の操作により、後述する打球発射装置から発射された遊技球は、発射球案内通路(図示略)を通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13aに入り第1始動口スイッチ14aで検出されると、第1特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の変動表示は、第1始動入賞口13aへの入賞に対応する。第1特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口13bに入り第2始動口スイッチ15aで検出されると、第2特別図柄の変動表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の変動表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の変動表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄(演出図柄)の変動表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の変動表示は、第2始動入賞口13bへの入賞に対応する。第2特別図柄の変動表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の変動表示は、一定時間が経過したときに停止する。停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄(特定表示結果)であると「大当り」となり、停止時の特別図柄(停止図柄)が大当り図柄とは異なる特別図柄が停止表示されれば「ハズレ」となる。
特図ゲームでの変動表示結果が「大当り」になった後には、遊技者にとって有利なラウンド(「ラウンド遊技」ともいう)を所定回数実行する特定遊技状態としての大当り遊技状態に制御される。
この実施例では、特図ゲームにおける確定特別図柄が「確変大当り」または「非確変大当り」に対応する大当り図柄が停止表示された場合には、特定遊技状態としての大当り状態(例えば、15ラウンド大当り状態など)に移行する。大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置20の大入賞口扉が所定期間(例えば29.5秒間)あるいは所定個数(例えば8個)の入賞球が発生するまでの期間にて大入賞口を開放状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって有利な第1状態(開放状態)に変化させるラウンドが実行される。こうしてラウンドの実行中に大入賞口を開放状態とした大入賞口扉は、遊技盤6の遊技盤面6aを落下する遊技球を受け止め、その後に大入賞口を閉鎖状態とすることにより、特別可変入賞球装置20を遊技者にとって不利な第2状態(閉鎖状態)に変化させて、1回のラウンドを終了させる。15ラウンド大当り状態では、大入賞口の開放サイクルであるラウンドの実行回数が、第1ラウンド数(例えば「15」)となる。ラウンドの実行回数が「15」となる15ラウンド大当り状態における遊技は、15回開放遊技とも称される。このような15ラウンド大当り状態では、大入賞口に遊技球が入賞するたびに15個の出球(賞球)が得られる。
「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、特別遊技状態の1つとして、通常状態に比べて特図ゲームにおける特別図柄の可変表示時間(特図変動時間)が短縮される時間短縮制御(時短制御)が行われる時短状態に制御される。ここで、通常状態とは、大当り遊技状態等の特定遊技状態や確変状態及び時短状態とは異なる遊技状態としての通常遊技状態であり、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に初期化処理を実行した状態)と同一の制御が行われる。時短状態は、所定回数(例えば、100回等)の特図ゲーム(変動表示)が実行されることと、可変表示結果が「大当り」となることのうち、いずれかの条件が先に成立したときに終了すればよい。このような「非確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに対応する大当り図柄特別図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく大当り状態が終了した後に時短状態に制御される大当り図柄は、非確変大当り図柄(「通常大当り図柄」ともいう)と称される。また、大当り図柄のうち非確変大当り図柄が停止表示されて可変表示結果が「大当り」となることは、「非確変大当り」(「通常大当り」ともいう)と称される。
「確変大当り」に対応する大当り図柄が特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づき大当り状態が終了した後には、時短状態とは異なる特別遊技状態の1つとして、例えば通常状態に比べて特図変動時間が短縮される時短制御とともに、継続して確率変動制御(確変制御)が行われる確変状態(高確率状態)に制御される。この確変状態では、各特図ゲームや飾り図柄の可変表示において、可変表示結果が「大当り」となって更に大当り遊技状態に制御される確率が、通常状態や時短状態よりも高くなるように向上する。このような確変状態は、特図ゲームの実行回数にかかわりなく、次に可変表示結果が「大当り」となるまで継続する。こうした「確変大当り」に対応する大当り図柄のように、特図ゲームにおける確定特別図柄として停止表示されたことに基づく第1大当り状態が終了した後に確変状態に制御される大当り図柄は、確変大当り図柄と称される。
確変状態や時短状態では、普通図柄表示器10による普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図変動時間)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで普通図柄の可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御、可変表示結果が「普図当り」となったことに基づく可変入賞球装置15における可動翼片の傾動制御を行う傾動制御時間を通常状態のときよりも長くする制御、その傾動回数を通常状態のときよりも増加させる制御といった、遊技球が第2始動入賞口14を通過(進入)しやすくして第2始動条件が成立する可能性を高めることで遊技者にとって有利となる制御が行われる。なお、確変状態や時短状態では、これらの制御のいずれか1つが行われるようにしてもよいし、複数の制御が組合せられて行われるようにしてもよい。このように、確変状態や時短状態において第2始動入賞口14に遊技球が進入しやすくして遊技者にとって有利となる制御は、高開放制御ともいう。高開放制御が行われることにより、第2始動入賞口14は、高開放制御が行われていないときよりも拡大開放状態となる頻度が高められる。これにより、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームを実行するための第2始動条件が成立しやすくなり、特図ゲームが頻繁に実行可能となることで、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの時間が短縮される。したがって、確変状態や時短状態では、通常状態に比べて大当り遊技状態となりやすくなる。高開放制御が実行可能となる期間は、高開放制御期間ともいい、この期間は、パチンコ遊技機1における遊技状態が確変状態と時短状態のいずれかに制御されている期間と同一であればよい。また、高開放制御期間であるときには、遊技状態が高ベース中であるともいう。これに対して、高開放制御期間でないときには、遊技状態が低ベース中であるともいう。この実施例における時短状態は、低確高ベース状態とも称される遊技状態であり、通常状態は、低確低ベース状態とも称される遊技状態であり、高開放制御期間ではない確変状態である潜伏確変状態は高確低ベース状態とも称される遊技状態である。
演出表示装置9に設けられた「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアでは、第1特別図柄表示器8aにおける第1特図を用いた特図ゲームと、第2特別図柄表示器8bにおける第2特図を用いた特図ゲームとのうち、いずれかの特図ゲームが開始されることに対応して、演出図柄の変動表示(変動表示)が開始される。そして、演出図柄の変動表示が開始されてから「左」、「中」、「右」の各演出図柄表示エリアにおける確定演出図柄の停止表示により変動表示が終了するまでの期間では、演出図柄の変動表示状態が所定のリーチ状態となることがある。ここで、リーチ状態とは、演出表示装置9の表示領域にて仮停止表示された演出図柄が大当り組み合せの一部を構成しているときに未だ仮停止表示もされていない演出図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示状態、あるいは、全部又は一部の演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態のことである。具体的には、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける一部(例えば「左」及び「右」の演出図柄表示エリアなど)では予め定められた大当り組み合せを構成する演出図柄(例えば「7」の英数字を示す演出図柄)が仮停止表示されているときに未だ仮停止表示もしていない残りの演出図柄表示エリア(例えば「中」の演出図柄表示エリアなど)では演出図柄が変動している表示状態、あるいは、「左」、「中」、「右」の演出図柄表示エリアにおける全部又は一部で演出図柄が大当り組み合せの全部又は一部を構成しながら同期して変動している表示状態である。
パチンコ遊技機1の背面には、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータが搭載された演出制御基板80、遊技制御用マイクロコンピュータ等が搭載された遊技制御基板(主基板)31、音声制御基板70、ランプドライバ基板35、および球払出制御を行なう払出制御用マイクロコンピュータ等が搭載された払出制御基板37等の各種基板が設置されている(図2参照)。
さらに、DC30V、DC21V、DC12VおよびDC5V等の各種電源電圧を作成する電源回路が搭載された電源基板(図示略)やタッチセンサ基板(図示略)が設けられている。電源基板(図示略)には、パチンコ遊技機1における主基板31および各電気部品制御基板(演出制御基板80および払出制御基板37)やパチンコ遊技機1に設けられている各電気部品(電力が供給されることによって動作する部品)への電力供給を実行あるいは遮断するための電力供給許可手段としての電源スイッチ、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ156のRAM55をクリアするためのクリアスイッチが設けられている。さらに、電源スイッチの内側(基板内部側)には、交換可能なヒューズが設けられている。
尚、この実施例では、主基板31は遊技盤側に設けられ、払出制御基板37は遊技枠側に設けられている。このような構成であっても、後述するように、主基板31と払出制御基板37との間の通信をシリアル通信で行うことによって、遊技盤を交換する際の配線の取り回しを容易にしている。
尚、各制御基板には、制御用マイクロコンピュータを含む制御手段が搭載されている。制御手段は、遊技制御手段等からのコマンドとしての指令信号(制御信号)に従って遊技機に設けられている電気部品(遊技用装置:球払出装置97、演出表示装置9、ランプやLEDなどの発光体、スピーカ27等)を制御する。以下、主基板31を制御基板に含めて説明を行うことがある。その場合には、制御基板に搭載される制御手段は、遊技制御手段と、遊技制御手段等からの指令信号に従って遊技機に設けられている電気部品を制御する手段とのそれぞれを指す。また、主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板をサブ基板ということがある。尚、球払出装置97は、遊技球を誘導する通路とステッピングモータ等により駆動されるスプロケット等によって誘導された遊技球を上皿や下皿に払い出すための装置であって、払い出された賞球や貸し球をカウントする払出個数カウントスイッチ等もユニットの一部として構成されている。尚、この実施例では、払出検出手段は、払出個数カウントスイッチによって実現され、球払出装置97から実際に賞球や貸し球が払い出されたことを検出する機能を備える。この場合、払出個数カウントスイッチは、賞球や貸し球の払い出しを1球検出するごとに検出信号を出力する。
パチンコ遊技機1の背面には、各種情報をパチンコ遊技機1の外部に出力するための各端子を備えたターミナル基板91が設置されている。ターミナル基板91には、例えば、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号(始動口信号、図柄確定回数1信号、大当り1信号、大当り2信号、時短信号、セキュリティ信号、賞球信号1、遊技機エラー状態信号)を外部出力するための情報出力端子が設けられている。尚、遊技機エラー状態信号に関しては必ずしもパチンコ遊技機1の外部に出力しなくてもよく、該情報出力端子から、この遊技機エラー状態信号の替わりに遊技枠が開放状態であることを示すドア開放信号等を出力するようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。尚、図2には、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)156が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ156は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施例では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ156に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ156には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路60が内蔵されている。
尚、遊技制御用マイクロコンピュータ156においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ156(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、乱数回路60が内蔵されている。乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、特別図柄の変動表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路60は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路60は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156は、乱数回路60が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ156のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ156の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行って得られた数値データを、乱数回路60が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路60が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
遊技制御用マイクロコンピュータ156は、第1始動口スイッチ14aまたは第2始動口スイッチ15aへの始動入賞が生じたときに乱数回路60から数値データをランダムRとして読み出し、特別図柄および演出図柄の変動開始時にランダムRにもとづいて特定の表示結果としての大当り表示結果にするか否か、すなわち、大当りとするか否かを決定する。そして、大当りとすると決定したときに、遊技状態を遊技者にとって有利な特定遊技状態としての大当り遊技状態に移行させる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ156には、払出制御基板37(の払出制御用マイクロコンピュータ)や演出制御基板80(の演出制御用マイクロコンピュータ)とシリアル通信で信号を入出力(送受信)するためのシリアル通信回路61が内蔵されている。尚、払出制御用マイクロコンピュータや演出制御用マイクロコンピュータにも、遊技制御用マイクロコンピュータ156とシリアル通信で信号を入出力するためのシリアル通信回路が内蔵されている(図示略)。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや保留記憶数カウンタの値など)と未払出賞球数を示すデータ(具体的には、後述する賞球コマンド出力カウンタの値)は、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。尚、この実施例では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
遊技制御用マイクロコンピュータ156のリセット端子には、電源基板からのリセット信号が入力される。電源基板には、遊技制御用マイクロコンピュータ156等に供給されるリセット信号を生成するリセット回路が搭載されている。尚、リセット信号がハイレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作可能状態になり、リセット信号がローレベルになると遊技制御用マイクロコンピュータ156等は動作停止状態になる。従って、リセット信号がハイレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を許容する許容信号が出力されていることになり、リセット信号がローレベルである期間は、遊技制御用マイクロコンピュータ156等の動作を停止させる動作停止信号が出力されていることになる。尚、リセット回路をそれぞれの電気部品制御基板(電気部品を制御するためのマイクロコンピュータが搭載されている基板)に搭載してもよい。
さらに、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、電源基板からの電源電圧が所定値以下に低下したことを示す電源断信号が入力される。すなわち、電源基板には、遊技機において使用される所定電圧(例えば、DC30VやDC5Vなど)の電圧値を監視して、電圧値があらかじめ定められた所定値にまで低下すると(電源電圧の低下を検出すると)、その旨を示す電源断信号を出力する電源監視回路が搭載されている。尚、電源監視回路を電源基板に搭載するのではなく、バックアップ電源によって電源バックアップされる基板(例えば、主基板31)に搭載するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ156の入力ポートには、RAMの内容をクリアすることを指示するためのクリアスイッチが操作されたことを示すクリア信号が入力される。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ14a、第2始動口スイッチ15a、カウントスイッチ23および各入賞口スイッチ30a,30bからの検出信号を基本回路に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載され、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21と、基本回路からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載され、電源投入時に遊技制御用マイクロコンピュータ156をリセットするためのシステムリセット回路(図示せず)や、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板91を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施例では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ156から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を変動表示する演出表示装置9との表示制御を行う。
演出制御基板80は、演出制御用CPU120およびRAM(図示略)を含む演出制御用マイクロコンピュータ(図示略)を搭載している。尚、RAMは外付けであってもよい。演出制御基板80において、演出制御用CPU120は、内蔵または外付けのROM(図示略)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバおよび入力ポートを介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU120は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
演出制御用CPU120は、受信した演出制御コマンドに従ってキャラクタROM(図示せず)から必要なデータを読み出す。キャラクタROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データ、具体的には、人物、文字、図形または記号等(演出図柄を含む)をあらかじめ格納しておくためのものである。演出制御用CPU120は、キャラクタROMから読み出したデータをVDPに出力する。VDPは、演出制御用CPU120から入力されたデータにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバに入力する。入力ドライバは、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路(図示略)が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。さらに、単方向性回路であるI/Oポート部を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ156側)に入り込まない。
さらに、演出制御用CPU120は、出力ポート(図示略)を介してランプドライバ基板35に対してステージ用ダイオード(ステージ用LED)480や通路LED470a、470bを含む各種LEDを駆動する信号を出力する。また、出力ポートを介して音声制御基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ(図示略)を介してLEDドライバに入力される。LEDドライバは、駆動信号を天枠LED28a、左枠LED28b、右枠LED28c、ステージ用LED480などの枠側に設けられている各LEDに供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED25a、ステージ用LED480、通路LED470a,470bに駆動信号を供給する。尚、LED以外の発光体が設けられている場合には、それを駆動する駆動回路(ドライバ)がランプドライバ基板35に搭載される。
音声制御基板70において、音番号データは、入力ドライバ(図示略)を介して音声合成用IC(図示略)に入力される。音声合成用ICは、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路(図示略)に出力する。増幅回路は、音声合成用ICの出力レベルを、ボリュームで設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM(図示略)には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
尚、本実施例では、特別図柄の変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用CPU120に通知するために、変動を開始するときに例えば1つの変動パターン指定コマンドを送信しているが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用CPU120に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、CPU56は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用CPU120は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間に基づいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。
尚、CPU56の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用CPU120の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信するようにしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターン指定コマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
次に、図3に示すように、遊技盤6は、ベニヤ板(あるいは透明なアクリル樹脂材)にて正面視略正方形状に形成された板部材であり、該遊技盤6の前面である遊技盤面6aには、遊技領域7を形成する外レール400と、該外レール400の左内側に配設され該外レール400との間に発射球誘導通路402を形成する内レール401と、が立設されている。つまり、遊技盤面6aにおける外レール400及び内レール401により囲まれた領域のうち右側の一部を除いた領域が遊技領域7とされている。
また、遊技盤6(遊技領域7)の略中央位置には、演出表示装置9を透視可能とするための略円形の透視用開口(図示略)が形成されており、この透視用開口には略円環状のステージ飾り枠11が前面側から嵌合されている。遊技盤6(遊技領域7)の略中央位置にステージ飾り枠11が設けられることで、遊技領域7における左側には左遊技領域が設けられるとともに、右側には右遊技領域が設けられる。尚、この透視用開口(図示略)の下方位置には、特別可変入賞球装置20や可変入賞球装置15等を設けるための開口が各々形成されている。
また、遊技盤面6aの右側の一部は、遊技枠101に取付けられた状態において、ガラス扉枠102に設けられた装飾体310の背面に対向する非視認領域とされている。つまり、この非視認領域は、装飾体310により前面側が覆われて遊技者から視認できない領域であるため、遊技球が流下しないように形成されている。
具体的には、略円環状に形成されたステージ飾り枠11の開口右側において非視認領域と重なる部分には閉鎖板406が設けられているとともに、この閉鎖板406の左側辺、つまり、装飾体310の左側辺に沿うように、遊技球が流下可能な右打ち通路450が上下方向に向けて延設されている。
右打ち通路450は、透光性を有する合成樹脂材からなる筒状の通路部材により形成され、ステージ飾り枠11の右側上部から下部に向けて上下方向に延設されており、遊技球が流下する様子が通路部材を通して視認できるようになっている。また、右打ち通路450は、上端に流入口451を有し、右斜め下方に向けて延設される第1通路部450aと、第1通路部450aの下端に屈曲部453を介して連設され下方に向けて略鉛直方向に垂下される第2通路部450bと、第2通路部450bの下端から右斜め下方に向けて延設され下端に流出口452が形成される第3通路部450cと、から構成されている。
このように、発射球誘導通路402を通過した後に遊技領域7の左上部から流入し、ステージ飾り枠11の上部を超えて右側に打ち出された遊技球は、右側に移動した後、流入口451から右打ち通路450内に流入して、流出口452から流出するようになっている。
また、閉鎖板406の前面における第1通路部450a及び第2通路部450bそれぞれの右側には、通路LED470a,470bが複数配設されたLED基板471a,471bが、右側の第1通路部450a及び第2通路部450bの右側面に向けて光を出射可能に設けられており、第1通路部450a及び第2通路部450bを光により装飾できるようになっている。
ステージ飾り枠11の下部には、遊技球が左右方向に往復転動可能なステージ300が設けられており、このステージ300には、ステージ飾り枠11の左側下部に設けられたワープ通路490を介して遊技領域7を流下する遊技球が誘導されるようになっている。詳しくは、ステージ飾り枠11の左側下部にはワープ通路490の流入口491が遊技領域7に臨むように形成されているとともに、遊技領域7における流入口491の近傍位置には障害釘(図示略)が配設されており、遊技領域7を流下する遊技球の一部が流入口491に誘導されるようになっている。また、流入口491からワープ通路490に流入した遊技球は、ワープ通路490の流出口492(図9参照)からステージ300に流出されるようになっている。
次に、図4〜図12に基づいて、ステージ300の詳細な構造に関して説明する。図4は、ステージの構造を示す六面図である。図5は、(A)(B)はステージを斜め前から見た状態、(C)(D)は斜め後ろから見た状態を示す斜視図である。図6は、ステージの転動面の傾斜方向を示す平面図である。図7は、(A)はステージを示す平面図、(B)は(A)のA−A断面図、(C)は(A)のB−B断面図、(D)は(A)のC−C断面図、(E)は(A)のD−D断面図である。図8は、(A)はステージを示す平面図、(B)は(A)のE−E断面図、(C)は(A)のF−F断面図、(D)は(A)のG−G断面図、(E)は(A)のH−H断面図、(F)は(A)のI−I断面図、(G)は(A)のJ−J断面図、(H)は(A)のK−K断面図、(I)は(A)のL−L断面図、である。図9は、(A)(B)は転動面上における遊技球の転動態様の一例を示す図である。図10は、(A)は転動面上における遊技球の転動態様の一例を示す斜視図、(B)は平面図である。図11は、図10に続く転動態様を示す図である。図12は、(A)はステージ及びステージLEDとの関係を示す平面図、(B)は(A)のM−M断面図である。
尚、以下の説明においては、ステージ300について、パチンコ遊技機1を正面から見た場合を基準として、上下、左右、前後方向を示すものとする。また、図5(B)は図5(A)、図5(D)は図5(C)を陰影表現することにより転動面の起伏状態を示した斜視図である。また、図8(B)〜(I)中の矢印は転動面の傾斜方向を示している。
図4及び図5に示すように、ステージ300は、平面視横長帯板状をなすとともに、左右方向の中央位置から左右側に向けてそれぞれ上方に向けて湾曲するように形成されるステージ板301と、ステージ板301の前辺から下方に垂下される前面板302と、ステージ板301の後辺から上方に立設される背面板303(図9〜図12参照)と、から構成され、これらステージ300を構成する各板301〜303は、透光性を有する合成樹脂材(透光性部材)にて形成されている。
ステージ板301は、遊技球の直径(約11mm)よりも長い前後幅寸法L1(約25mm)を有し遊技球が前後に転動可能とされるとともに、左右方向に向けて所定長さを有しており、ステージ飾り枠11を遊技盤6に取り付けた状態において、遊技盤面6aに対し略直交するとともに該遊技盤面6aに沿って左右方向に延設されるとともに、前辺から落下した遊技球がステージ飾り枠11の下方の遊技領域7に落下するように、少なくとも前辺が遊技盤面6aと同じかそれよりも前側に位置するようになっている。
また、ステージ板301は、左右方向の中央位置を中心として左側の湾曲部306Lと右側の湾曲部306Rとからなり、ステージ板301の左側に配置される流出口492(図9参照)から右側に向けて供給される遊技球を、遊技盤面6aに沿う左右方向に往復転動可能、かつ、前辺304Fから落下可能に形成されている。
右側の湾曲部306Rの曲率は左側の湾曲部306Lの曲率よりも若干大きく形成されており、流出口492から右側に向けて流出した遊技球を湾曲部306Rにて左側に戻すことができるようになっている。
また、前面板302における左右端部には、前辺304Fよりも上方に突出する落下防止壁305L,305Rが形成されており、前辺304Fにおける左右端部からの遊技球の落下が防止されている。また、背面板303(図9〜図12参照)の上部は、後辺304Bの上方に突出する落下防止壁307として長手方向にわたり形成されており、後辺304Bからの遊技球の落下が防止されている。尚、落下防止壁305L,305R、307は、ステージ板301上の遊技球に当接可能な高さを有している。
ステージ板301の上面全域は、遊技球が転動可能な転動面301Aとされている。つまり、転動面301Aは、上向きに開放する湾曲面とされている。また、ステージ板301の下面301Bには、長手方向に向けて所定の文字(例えば、アルファベットなど)が刻設されることにより凹凸部308(図12(B)参照)が形成されており、転動面301Aからステージ板301を通して下面301Bに刻印された文字を視認できるようになっている。
また、図12に示すように、ステージ板301及び落下防止壁307の背面には、前面に複数のステージ用LED480が配設されたステージ用LED基板481が配設されており、ステージ用LED480からの光がステージ板301の後端面301Cに入射されるようになっている。ステージ用LED480は、後端面301Cの長手方向に沿って所定間隔おきに複数列設されており、後端面301Cに入射されたステージ板301内を誘導された光は、この凹凸部308(反射部)に反射して転動面301Aから出射されるようになっている。
よって、下面301Bに形成された文字の周縁が光って文字を認識しやすくなるとともに、凹凸部308にて反射して転動面301Aから光が出射されることで、転動面301Aの全域が明るくなるとともに、該転動面301Aを転動する遊技球が照らされるようになるため、遊技球の動きに注目させることができる。
また、本実施例では、透光性部材からなる背面板303の下部はステージ板301の下面301Bから前面板302の背面に沿うように延設されており、下面301B及び前面板302との対向面にも凹凸部が形成されていることで、背面板303内を誘導された光がこれら凹凸部にて反射して下面301B及び前面板302に向けて出射されるようになっているので、前面板302も背面側から照らされるようになっている。
尚、本実施例では、ステージ板301の後端面301Cにステージ用LED480により光を入射して凹凸部308(反射部)にて転動面301A側に反射させるようにしていたが、光を入射する入射面はステージ板301の後端面301Cに限定されるものではなく、例えば、ステージ板301の左右側端面としてもよい。
また、ステージ板301の下面側にステージ用LED480を配置して上向きに光を照射することにより、透光性を有するステージ板301を通して転動面301Aを照らすようにしてもよい。
また、本実施例では、転動面301Aを構成するステージ板301全体が透光性部材にて構成され、転動面301Aの全域が発光するようになっていたが、少なくとも一部が発光するようになっていてもよい。
また、演出制御用CPU120は、ステージ用LED480を、例えば、演出表示装置9にて行う演出図柄の変動や演出に連動して発光させるようにしてもよい。
図6〜図8に示すように、転動面301Aは、左右方向の略中央位置に形成される第1誘導部321と、第1誘導部321の左右側に隣接して形成される第2誘導部322L,322Rと、第2誘導部322L,322Rの左右側に隣接して形成される第3誘導部323L,323Rと、第3誘導部323L,323Rの左右側に隣接して形成される第4誘導部324L,324Rと、第4誘導部324L,324Rの左右側に隣接して形成される第5誘導部325L,325Rと、から構成されている。
尚、図6において、各誘導部321〜325は網点や斜線によりその領域を識別可能に図示されている。また、各網点や斜線の領域内に描かれている線は、傾斜角度などが変わる境界を示している。また、図6中の複数の小さな矢印は、転動面301Aの下り傾斜方向を示している。
第1誘導部321は、1球の遊技球を通過可能な左右幅寸法を有し、平面視略縦長長方形状の前部の左右幅寸法が前後方向の中央位置から前方に向けて漸次幅広となるように、後辺304Bから前辺304Fにかけて形成されている。第1誘導部321の転動面301Aは、後辺304Bから前側に向けて下方に傾斜する第1傾斜面321Aと、第1傾斜面321Aよりも傾斜角度が大きく、該第1傾斜面321Aの前端から前辺304Fにかけて形成される第2傾斜面321Bと、により形成されている(図8(B)参照)。
また、第1傾斜面321Aの途中から第2傾斜面321Bの途中にかけて直線状のガイド溝330が凹設されている。ガイド溝330は、第1誘導部321の左右幅寸法よりも幅狭に形成され、その開口左右側縁に遊技球の下部左右が当接するように形成されている。また、第2傾斜面321Bは下方に傾斜することで、その左右側に形成される第2誘導部322L,322Rとの間に上下方向の段差が生じることにより、第2傾斜面321Bの左右側にはガイド壁331が形成されている。つまり、前側に向けて漸次深さが大きくなるように形成されている。
これにより、第1誘導部321の第1傾斜面321Aにより後側から前側に向けて誘導されてきた遊技球は、ガイド溝330によって誘導されるとともに、第2傾斜面321Bにおいては左右のガイド壁331により前方に誘導されるため、左右にふらつきなく、かつ、左右側からの後続球に邪魔されることなく前方に誘導されるようになっている。
このように構成される第1誘導部321は、ステージ飾り枠11の下方に設けられた第1始動入賞口13aの直上に位置するように配設される(図1参照)。よって、第1誘導部321により前側に向けて誘導されて前辺304Fから落下した遊技球は、第1誘導部321以外の誘導部から落下したときよりも高確率で第1始動入賞口13aに入賞するようになっている。
尚、本実施例では、第1誘導部321により誘導され前辺304Fから落下した遊技球は、比較的高確率(例えば、約80%の確率)で第1始動入賞口13aに進入(入賞)するようになっているが、第1始動入賞口13aの近傍に配設される障害釘(図示略)等により第1始動入賞口13aへの進入割合が変化するようにしてもよい。また、本実施例では、第1誘導部321により誘導され前辺304Fから落下した遊技球は直接第1始動入賞口13aへ進入可能になっているが、該第1始動入賞口13aへ誘導可能な障害釘の配列などにより誘導されてから進入するようにしてもよい。
第2誘導部322L,322Rは、左右幅寸法が前辺304Fから後辺304Bに向けて漸次幅広となるように、後辺304Bから前辺304Fにかけて形成されている。尚、第2誘導部322L,322Rにおける第3誘導部323L,323R側の側辺は、第3誘導部323L,323R側に膨出するように湾曲状に形成されている。第2誘導部322L,322Rの転動面301Aは、前辺304Fから後辺304Bに向けて下方に傾斜(図6中矢印の向き及び図8(C)(D)参照)、かつ、左右側方から中央位置にある第1誘導部321に向けて下方に傾斜するように形成されている(図6中矢印の向き及び図7(D)(E)参照)。
また、前辺304Fから後辺304Bに向けた傾斜及び左右側方から第1誘導部321に向けた傾斜は、後側に向けて漸次小さくなるように形成されている。このように第2誘導部322L,322Rは、第1誘導部321の後部に向けて遊技球を誘導するように形成されている。
第3誘導部323L,323Rは、第2誘導部322L,322Rの左右側辺に沿うように、前辺304Fから後辺304Bにかけて漸次幅狭になるように平面視略三角形状に形成されている。第3誘導部323L,323Rの転動面301Aは、前辺304Fから後辺304Bに向けて下方に傾斜(図6中矢印の向き及び図8(D)(E)参照)、かつ、第4誘導部324L,324R側に向けて下方に傾斜するように形成されている(図6中矢印の向き及び図7(B)〜(E)参照)。
また、前辺304Fから後辺304Bに向けた傾斜及び第4誘導部324L,324R側に向けた傾斜は、後側に向けて漸次小さくなるように形成されている。このように第3誘導部323L,323Rは、第4誘導部324L,324R側の後部に向けて遊技球を誘導するように形成されている。さらに、第3誘導部323L,323Rにおける第4誘導部324L,324R側の前部(前辺304Fの近傍)には、突部350が突設されている。
第4誘導部324L,324Rは、第3誘導部323L,323Rの左右側に、後辺304Bから前辺304Fにかけて漸次幅狭になるように平面視で略台形状に形成されている。第4誘導部324L,324Rの転動面301Aは、後辺304Bから前辺304Fに向けて下方に傾斜(図6中矢印の向き及び図8(F)〜(I)参照)、かつ、正面視上向き湾曲状に形成されている(図6中矢印の向き及び図7(B)〜(E)参照)。
また、上向き湾曲面の曲率は、後側に向けて漸次小さくなるように形成されている。これにより第4誘導部324L,324Rは、遊技球を左右方向に転動させながら前辺304Fに向けて誘導可能に形成されている。
第5誘導部325L,325Rは、第4誘導部324L,324Rから左右端部にかけて形成されている。第5誘導部325L,325Rの転動面301Aは、左右端部から中央に向けて下方に傾斜するように形成されている(図6中矢印の向き及び図7(B)〜(E)参照)。尚、左側の第5誘導部325Lよりも右側の第5誘導部325Rの方が傾斜角度が大きくなるように形成されている。
また、第4誘導部324L,324Rとの境界に形成される段差は、後辺304Bから前辺304Fに向けて中央側に傾斜しているので、遊技球を左右方向の中央後部側に向けて誘導する。
このように転動面301Aは、第1誘導部321を基準として、左右側に向けてそれぞれ第2誘導部322L,322R、第3誘導部323L,323R、第4誘導部324L,324R、第5誘導部325L,325Rの順に傾斜方向が異なる複数の誘導部が形成されているとともに、全体的には、上向きに開放する湾曲面として形成されている。
また、転動面301Aは、長手方向(左右方向)に向けて前後の傾斜方向が異なる誘導部が複数並設されていることで、左右方向に向けて山部と谷部とが複数形成されている(図6参照)。具体的には、転動面301Aは、第5誘導部325Lから第1誘導部321に向かってみたときに、第5誘導部325Lは、第4誘導部324Lに向けて下り傾斜であり、第4誘導部324Lは、第3誘導部323Lに向けて下り傾斜から上り傾斜に変化し、第3誘導部323Lは、第2誘導部322Lに向けて上り傾斜であり、第2誘導部322Lは、第1誘導部321Lに向けて下り傾斜である。
すなわち、転動面301A上を左右方向に転動する遊技球は、各誘導部を横切るときに山谷部を乗り越えながら通過する。また、これら山部と谷部との高低差は、前辺304F側に比べて後辺304B側の方が小さくなっているため(例えば、図7(B)と図7(E)とを参照)、左側の流出口492から右側に向けて流出された遊技球は、後辺304B側に誘導されたとき、前辺304F側に誘導されたときよりも左右方向に往復転動しやすくなる。
例えば、流出口492から右側に向けて流出された遊技球が第4誘導部324Lを横切る場合において、前辺304F側を通過するときは、第4誘導部324Lの曲率が大きく、第4誘導部324Lと第3誘導部323Lとの高低差が大きいので(図7(B)参照)、第3誘導部323Lに乗り上がりにくいのに対し、後辺304B側を通過するときは、第4誘導部324Lの曲率が前側よりも小さく、第4誘導部324Lと第3誘導部323Lとの高低差が前側よりも小さいので(図7(B)参照)、第3誘導部323Lに乗り上がりやすい。
また、各誘導部のうち、第1誘導部321及び第4誘導部324L,324Rは、後辺304Bから前辺304Fに向けて下方に傾斜する傾斜面を構成しているので、遊技球は後辺304Bから前辺304Fに向けて誘導されやすくなっている。一方、第2誘導部322L,322R及び第3誘導部323L,323Rは、前辺304Fから後辺304Bに向けて下方に傾斜する傾斜面を構成しているので、遊技球は前辺304Fから後辺304Bに向けて誘導されやすくなっている。
つまり、転動面301Aは、前側に傾斜する前傾斜面と後側に傾斜する後傾斜面とを有していることで、遊技球は左右方向に往復転動するときに各誘導部を通過することで、前後方向に往復転動することがあるようになっている。
また、本実施例のステージ300では、後辺304Bの長手方向に沿って落下防止壁307が立設されているので、遊技球は前辺304Fからのみ遊技領域7に落下するようになっている。
次に、このように構成されたステージ300における遊技球の転動態様の一例について、図9〜図11に基づいて説明する。
図9に示すように、ワープ通路490の流出口492は、左側の第5誘導部325Lの左前側端部に設けられている。ワープ通路490は、流入口491から流出口492に向けて下方に傾斜するように設けられているため(図示略)、遊技球は自然流下により流出口492から勢いよく流出する。流出した遊技球は、第5誘導部325Lにより前辺304Fに沿って右側に向けて誘導された後、第4誘導部324Lとの段差に差し掛かったところで後側に向けて誘導される。
そして、高低差が小さい後辺304Bに沿って右側に転動し、第1誘導部321を越えて反対側(右側)の第5誘導部325R辺りまで転動する。ここで、逆傾斜であることにより、遊技球は自重により左側に向けて折り返し戻り始める。遊技球に勢いがあった場合や後続球に押されるなどした場合には、この左右の往復転動を複数回繰り返す(図9中矢印参照)。
尚、転動面301A上には、1球の遊技球が転動している間に後続球が流入して複数の遊技球が同時に転動される場合がある。また、転動面301A上には、流出口492から流出した遊技球だけでなく、遊技領域7におけるステージ300の下方を通過する遊技球が障害釘(図示略)などにより弾かれて乗り上がることもある。
その後、例えば、後辺304Bに沿うように転動している遊技球が第1誘導部321に差し掛かったときにそれを乗り越える勢いがない場合は、第1誘導部321により前側に向けて誘導され、前辺304Fの略中央位置から下方に落下される。この場合、直下には第1始動入賞口13aがあるため、落下した遊技球は高い確率で第1始動入賞口13aに進入(入賞)する(図9(A)参照)。
一方、後辺304Bに沿うように転動している遊技球が第4誘導部324L,324Rに差し掛かったときにそれを乗り越える勢いがない場合は、第4誘導部324L,324Rにより前側に向けて誘導され、前辺304Fにおける第1誘導部321の左右側から下方に落下される。この場合、直下には第1始動入賞口13aがないため、落下した遊技球は高い確率で第1始動入賞口13a以外の領域を流下する(図9(B)参照)。
次に、転動態様の他の例を図10及び図11に基づいて説明する。
図10(A)(B)に示すように、例えば、流出口492から流出した後、右側の第5誘導部325Rにて折り返された遊技球が、後辺304Bに沿って左側の第4誘導部324L辺りまで転動し、再度右側に向けて折り返された場合、第4誘導部324Lは前辺304Fから後辺304Bに向けて下方に傾斜しているため、遊技球は右側に戻されながら漸次前側に転動していき、第4誘導部324Lの右側の傾斜を上って第3誘導部323Lの前部に乗り上がる。
ここで、第3誘導部323Lは、前辺304Fから後辺304Bに向けて、かつ、第4誘導部324L側に向けて下方に傾斜している。つまり、後斜め左側に向けて傾斜しているため、図11(A)(B)に示すように、第3誘導部323L上に乗り上がった遊技球は、再び後斜め左側に向けて戻されて第4誘導部324Lに流入する。
そして、第4誘導部324Lの左後部において再度右側に折り返された遊技球は、第4誘導部324Lの後部側の曲率が小さく、また、第3誘導部323Lの左右幅も狭いことから、その勢いで第3誘導部323Lを乗り越えて第2誘導部322Lに流入しやすくなる。次いで、第2誘導部322Lに流入した遊技球は、後辺304B側に向けて誘導されながら第1誘導部321に誘導され、勢いがある場合は第1誘導部321を乗り越えて右側の第2誘導部322Rに流入する。
このとき、第2誘導部322Lにおいて後辺304B側に向けて誘導されることで落下防止壁307に接触し、その反動で前辺304F側に向けて押し出されてから第2誘導部322Rに流入することがあるが、第2誘導部322Rは後側に向けて傾斜していることで、再び後辺304B側に向けて誘導されることになる。そして、最終的には第1誘導部321に誘導され、第1誘導部321により第1始動入賞口13aに誘導される。
尚、ここでは左側の第2誘導部322Lから第1誘導部321を乗り越えて右側の第2誘導部322Rに流入した後に第1誘導部321に誘導されるようになっているが、遊技球の転動経路や転動速度などによって様々な転動態様となることがあり、例えばこの場合、第1誘導部321上を複数回左右往復転動した後に第1誘導部321にて前辺304F側に誘導されることもあれば、第2誘導部322Lから第1誘導部321を乗り越えずに該第1誘導部321にて前辺304F側に誘導されること等もある。
このように、第2誘導部322L,322Rは、前辺304Fから後辺304Bに向けて漸次幅広となるように形成されており、第3誘導部323L,323Rは、前辺304Fから後辺304Bに向けて漸次幅狭となるように形成されている。
つまり、転動面301Aの前側では、第2誘導部322L,322Rが幅狭であるが、その分第3誘導部323L,323Rが幅広に形成されているとともに、第3誘導部323L,323Rと第4誘導部324L,324Rとの高低差が大きいことから、第1誘導部321に向けて転動する遊技球は、前辺304F側に誘導された場合、第3誘導部323L,323Rにより第1誘導部321から離れる方向に向けて後側に戻されやすくなる。一方、転動面301Aの後側では、第2誘導部322L,322Rが幅広であり、かつ、第3誘導部323L,323Rが幅狭に形成されているとともに、第3誘導部323L,323Rと第4誘導部324L,324Rとの間の高低差が小さいことから、第1誘導部321に向けて転動する遊技球は、後辺304B側に誘導された場合、高低差が小さく、かつ、幅狭な第3誘導部323L,323Rを簡単に乗り越えて第2誘導部322L,322Rに流入しやすくなる。
よって、図10に示すように前側に誘導された遊技球が、図11に示すように後側に向けて折り返し戻されるようになっているので、遊技球は左右方向に転動するだけでなく、前後方向にも転動するので、転動態様が複雑化される。さらに、後辺304B側に戻されることで、左右方向の高低差が小さくなるので、遊技球が第1誘導部321に誘導されやすくなるので、一度前辺304Fから落下しそうになった遊技球が第1誘導部321に誘導されることに対する意外性を与えることができる。
また、図11においては、第3誘導部323Lの前部に乗り上がった遊技球が後左側に誘導されて一旦第4誘導部324Lに戻り、該第4誘導部324Lと第5誘導部325Lとの間の上り傾斜により戻されることで第3誘導部323Lを乗り越えて第2誘導部322Lに誘導される例を示したが、第3誘導部323Lの前部に乗り上がった遊技球が第4誘導部324Lに戻されずにそのまま後辺304B側に流下して(図11(B)中点線矢印参照)第2誘導部322Lに流入することもあり、このような場合にも、第2誘導部322Lは後側に向けて幅広となっていることにより該第2誘導部322Lに誘導されやすくなる。
また、図10(A)(B)に示すように、第3誘導部323Lの前部に突部350が形成されていることで、第4誘導部324Lを越えて第3誘導部323Lの前部に乗り上がった遊技球が突部350に当接することで、第3誘導部323Lを越えて前辺304Fから落下しにくくなるため、遊技球が戻りやすくなる。
さらに、この突部350は透光性を有する透光性部材により形成されているとともに、突出高さも約1mm程度と小さく、目立ちにくくなっているため、第3誘導部323Lの前部に乗り上がった遊技球が突部350に当接することにより戻されたときに、遊技者は落下しなかったことに意外性を持つようになる。
尚、図9〜図11に基づいて遊技球の転動態様の一例を説明したが、このような転動態様はあくまで一例であり、遊技球の転動速度や後続球との干渉などの要因により、記載した態様以外にも様々な態様で転動することがある。
例えば、図10、図11においては、第4誘導部324Lから第3誘導部323Lの前部に乗り上がった遊技球が左後側に戻される例を示したが、第3誘導部323Lを乗り越えて第2誘導部322Lに流入することもあれば、第3誘導部323Lに乗り上がった後に前辺304Fから落下することもあるし、あるいは、第4誘導部324Lから第3誘導部323Lまで乗り上がらずに戻ってしまうこともある。尚、ここでは左側の湾曲部306Lにおける転動態様を説明し、右側の湾曲部306Rにおける転動態様の説明は省略したが、右側の湾曲部306Rにおいても左側の湾曲部306Lとほぼ同様に転動する。
以上、本発明の実施例としてのパチンコ遊技機1にあっては、受け入れた遊技球を所定領域である第1始動入賞口13aに誘導する第1誘導部321に向けて誘導する第2誘導部322L,322Rが前辺304F側から後辺304B側に向けて幅広となるように形成されているのに対し、第3誘導部323L,323Rが前辺304F側から後辺304B側に向けて下方に傾斜するように形成されていることで、遊技盤面6aに沿って往復転動することで第2誘導部322L,322Rの前辺304F側に近づいてきた遊技球は、第2誘導部322L,322Rが幅狭であるため後辺304B側よりも第2誘導部322L,322Rに流入されにくいが、第3誘導部323L,323Rにより後辺304B側に戻されることで幅広な第2誘導部322L,322Rに流入されやすくなる。
このように、前辺304F側から落下しそうになった遊技球が後辺304B側に戻されることにより、左右幅が広い第2誘導部322L,322Rにより第1誘導部321に誘導されやすくなることで、遊技者に意外性を与えることができるため、遊技の興趣が向上する。
また、本実施例では、第3誘導部323L,323Rにおける前辺304Fの近傍位置に突部350が設けられていることで、遊技盤面6aに沿って往復転動することで第2誘導部322L,322Rの前辺304F側に近づいてきた遊技球が突部350に当たることで、遊技球が後辺304B側に戻されやすくなる。
さらに、ステージ300のうち少なくとも突部350を含む第3誘導部323L,323Rが透光性部材により形成されていることで、突部350が目立ちにくくなるので、遊技球の動きに意外性を持たせることができる。
尚、本実施例では、第3誘導部323L,323Rにおける前辺304Fの近傍位置に突部350が設けられていたが、突部350の形状や配設位置は種々に変更可能であり、例えば、遊技球が乗り越え可能に形成されているものだけでなく、乗り越え不能に形成されていてもよい。また、第3誘導部323L,323Rにおける前辺304Fの近傍位置であれば左右方向にずれた位置に形成されていてもよい。さらに、各第3誘導部323L,323Rにおける前辺304Fの近傍位置に複数形成されていてもよい。
また、本実施例では、ステージ300における転動面301A全域を透光性部材により形成し、透光性部材であるステージ板301の後端面301Cに光を照射可能なステージ用LED480と、後端面301Cに入射された光を転動面301Aから出射させる反射部としての凹凸部308と、を備えることで、転動面301Aだけでなく該転動面301Aを転動する遊技球も光るので、遊技者に転動面301Aや遊技球の動きに注目させることができる。
次に、本発明の変形例について、図13及び図14に基づいて説明する。図13は、変形例1としての転動面を示す説明図である。図14は、変形例2としての転動面を示す説明図である。
図13に示すように、変形例1としてのステージ300Aにあっては、第1始動入賞口13aがステージ300Aの背面側に配置されているため、第1誘導部321は、前辺304Fから後辺304Bに向けて下方に傾斜している。このように、第1誘導部321は、遊技球を第1始動入賞口13aに誘導するものであれば、その誘導方向、つまり、傾斜方向は第1始動入賞口13aの配置位置などに応じて変更可能である。
尚、本変形例1では、第1始動入賞口13aがステージ300Aの背面側に配置されているが、前記実施例と同様にステージ300Aの前面側に配置されているものにおいて、ステージ300Aの背面側に落下させた後、ステージ板301の下方に形成された誘導通路(図示略)等を介して前面側の第1始動入賞口13aに誘導されるようにした場合などにおいては、本変形例1のように、第1誘導部321は前辺304Fから後辺304Bに向けて下方に傾斜していてもよい。
すなわち、第1誘導部321は、遊技球を遊技領域7に設けられた第1始動入賞口13aに直接誘導するものだけでなく、遊技領域7以外の領域に設けられた第1始動入賞口13aや、第1始動入賞口13aに誘導する誘導通路(図示略)に流入可能に誘導するものも含む。
図14に示すように、変形例2としてのステージ300Bにあっては、第2誘導部322L,322R及び第3誘導部323L,323Rが前後反転して設けられている。つまり、この変形例2としてのステージ300Bにあっては、ステージ板301の前辺304Fの長手方向に沿って落下防止壁307Bが立設され、遊技球は前辺304Fの中央位置以外の箇所からは落下しないようになっている。一方、後辺304Bの左右方向の略中央位置には落下防止壁307Aが立設されているが、その左右側は遊技球が落下可能とされているとともに、後辺304Bの背面側には、落下した遊技球を受け入れる受入口360が配設され、該受入口360にて受け入れた遊技球は、ステージ板301の下面に配設された誘導通路361を通過して前側に誘導され、遊技盤面6aに形成された開口(図示略)を介して遊技領域7に流出されるようになっている。
このように、第2誘導部322L,322R及び第3誘導部323L,323Rにおける傾斜方向は、ステージにおける遊技球の落下位置に応じて変更可能であり、前記実施例のステージ300とは逆方向に傾斜するものであってもよい。
また、前記実施例では、第2誘導部322L,322Rにおける第3誘導部323L,323R側の側辺は、平面視で第3誘導部323L,323R側に膨出するように湾曲状に形成されていたが、直線状に形成されていてもよいし、あるいは階段状に形成されていてもよい。すなわち、前辺304Fから後辺304Bまたは後辺304Bから前辺304Fに向けて漸次幅広になるように形成されていれば、平面視形状は前記実施例に記載の形状に限定されるものではなく、種々に変形可能である。
また、前記実施例では、第3誘導部323L,323Rは、平面視三角形状に形成されていたが、第2誘導部322L,322Rの側辺に沿うように前後方向に延設されていれば、該側辺に沿う細長帯状(例えば、平面視略平行四辺形)に形成されていてもよく、種々に変形可能である。
また、前記実施例では、第1誘導部321により遊技球が誘導される所定領域の一例として第1始動入賞口13aが適用されていたが、第1始動入賞口13aに限定されるものではなく、第2始動入賞口13b、入賞口29a〜29d、大入賞口等の他の入賞口であってもよいし、ゲート32等の遊技球が通過可能な領域であってもよい。
また、前記実施例では、ステージ300の第2〜5誘導部はそれぞれ左右側に配設されていたが、左右いずれか一方にのみ配設されていてもよい。
また、前記実施例では、ステージ300の左側に流出口492が配設され、左側から右側に向けて遊技球が供給されるようになっていたが、ステージ300の右側に流出口が配設され、右側から左側に向けて遊技球が供給されるようになっていてもよいし、あるいは、左右両側から供給されるようになっていてもよい。
また、ステージ300は、平面視横長帯状に形成されていたが、横長長方形状や正方形状に形成されていてもよく、遊技球が左右方向に往復転動可能であれば形状は種々に変更可能である。
また、ステージ300は、演出表示装置9の周囲に設けられるステージ飾り枠11の下部に設けられていたが、遊技領域7を流下する遊技球が往復転動可能に設けられていれば、ステージ飾り枠11以外の箇所に設けられていてもよい。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、具体的な構成はこれら実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、前記実施例では、遊技媒体の一例として、球状のパチンコ球(遊技球)が適用されていたが、球状の遊技媒体に限定されるものではなく、例えばメダル等の非球状の遊技媒体であってもよい。
また、前記実施例では、遊技機の一例としてパチンコ遊技機が適用されていたが、例えば、予め定められた球数の遊技球が遊技機内部に循環可能に内封され、遊技者による貸出要求に応じて貸し出された貸出球や、入賞に応じて付与された賞球数が加算される一方、遊技に使用された遊技球数が減算されて記憶される、所謂、封入式遊技機にも本発明を適用可能である。