JP5126154B2 - 電流センサ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定対象を流れる交流電流を、非接触で検出する電流センサ装置に関するものである。
従来、例えば特許文献1に示されるように、コイル導体を有するコイル装置と、コイル導体に接続された回路とを含み、コイル装置がコイルシールド部に包囲された電流測定装置(電流センサ装置)が提案されている。
特開2006−292763号公報
ところで、特許文献1に記載の電流センサ装置では、コイルシールド部によって遮蔽しきれなかった外部ノイズが、コイル装置に伝播する虞がある。これにより、コイル装置の出力電圧に、被測定電流の磁束によってコイル装置に誘起される誘起電圧だけでなく、外部ノイズによるノイズ電圧が含まれることとなり、電流の検出精度が低下する虞がある。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、電流の検出精度の低下が抑制された電流センサ装置を提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、被測定対象を流れる交流電流が形成する磁界を検出する検出部を備える電流センサ装置であって、検出部は、コイルと、該コイルを被覆する被覆部と、を有し、コイルは、管状の第1巻回芯と、該第1巻回芯の外周に巻回され、第1巻回芯の中空を通る第1導線と、を有する第1ロゴスキーコイルと、管状の第2巻回芯と、該第2巻回芯の外周に、第1導線の巻回方向とは逆の方向に巻回され、第2巻回芯の中空を通る第2導線と、を有する第2ロゴスキーコイルと、を有し、被覆部は、第1ロゴスキーコイルと、第2ロゴスキーコイルを所定位置に保持する第1保持部を有することを特徴する。
被測定電流の磁束によって、各ロゴスキーコイルに誘起される誘起電圧の極性は、導線の巻回方向に依存する性質を有している。被測定対象を流れる交流電流(以下、被測定電流と示す)と被測定対象との静電結合で誘導されるノイズ電圧の極性は、導線の巻回方向に依存しない性質を有している。これに対し、本発明では、第1巻回芯に巻回された第1導線を有する第1ロゴスキーコイルと、第2巻回芯に、第1導線の巻回方向とは逆の方向に巻回された第2導線を有する第2ロゴスキーコイルと、を有し、各ロゴスキーコイルが第1保持部によって所定位置に保持されている。したがって、第2ロゴスキーコイルの出力電圧には、第1ロゴスキーコイルの出力電圧に含まれる誘起電圧の極性とは反対の極性を有する誘起電圧と、第1ロゴスキーコイルの出力電圧に含まれるノイズ電圧の極性と同じ極性を有するノイズ電圧と、が含まれる。これにより、第1ロゴスキーコイルの出力電圧と、第2ロゴスキーコイルの出力電圧とを減算することで、ノイズ電圧の振幅を低減し、誘起電圧の振幅を増幅することができる。このように、ノイズ電圧を低減することができるので、本発明に係る電流センサ装置は、電流の検出精度の低下が抑制された電流センサ装置となる。
請求項2に記載のように、第1導線の巻回ピッチと、第2導線の巻回ピッチとが等しく、第1導線の巻回密度と、第2導線の巻回密度とが等しい構成が好ましい。これによれば、各ロゴスキーコイルに誘起される誘起電圧の振幅を等しくすることができる。したがって、2つのロゴスキーコイルの出力電圧を減算することで、誘起電圧の振幅が倍化されたロゴスキーコイルの出力電圧を得ることができる。
なお、請求項2に記載の発明を具現化するには、例えば請求項3に記載のように、第1巻回芯の外周に、第1導線を一定のピッチと一定の密度で第1巻回芯の外周に巻回することをガイドする螺旋状の第1ガイド部が設けられ、第2巻回芯の外周に、第2導線を、第1導線のピッチと等しいピッチであり、第1導線の巻回密度と等しい巻回密度で第2巻回芯の外周に巻回することをガイドする螺旋状の第2ガイド部が設けられた構成が良い。
これによれば、第1ガイド部に沿って第1導線を巻回し、第2ガイド部に沿って第2導線を巻回することで、第1導線の巻回ピッチと第2導線の巻回ピッチとを等しくし、第1導線の巻回密度と第2導線の巻回密度とを等しくすることができる。
また、ガイド部のピッチを調整することで、導線のピッチや、巻回密度を調整することができる。これにより、導線間の寄生容量を調整し、各ロゴスキーコイルの共振周波数を調整することができる。
請求項4に記載のように、被覆部は、第1保持部内における、第1ロゴスキーコイルと第2ロゴスキーコイルとの間に配置され、第1ロゴスキーコイルと第2ロゴスキーコイルとの距離を調整するスペーサを有する構成が好ましい。
これによれば、第1保持部内にて、第1ロゴスキーコイルと第2ロゴスキーコイルとが隣接された構成と比べて、第1ロゴスキーコイルと第2ロゴスキーコイルとをスペーサの分、離間することができる。これにより、第1ロゴスキーコイルと第2ロゴスキーコイルとによって形成される寄生容量を小さくすることができる。したがって、第1ロゴスキーコイルを流れる電流が第2ロゴスキーコイルに伝播する、若しくは、第2ロゴスキーコイルを流れる電流が第1ロゴスキーコイルに伝播する、という不具合が生じることを抑制することができる。
請求項5に記載のように、検出部は、コイルに伝播する外部ノイズを遮蔽する遮蔽部を有し、該遮蔽部は、被覆部の周辺に配置された導体片と、該導体片を被覆部に保持する第2保持部と、を有し、導体片は、グランドと接続された構成が好ましい。
これによれば、外部ノイズを、導体片に接続されたグランドに逃がすことができる。これにより、外部ノイズによる電流の検出精度の低下を抑制することができる。
請求項6に記載のように、被覆部は、該第1保持部内における、第1ロゴスキーコイルと第2ロゴスキーコイルとの間に配置され、第1ロゴスキーコイルと第2ロゴスキーコイルとの距離を調整するスペーサを有し、検出部は、コイルに伝播する外部ノイズを遮蔽する遮蔽部を有し、該遮蔽部は、被覆部の周辺に配置された導体片と、該導体片を被覆部に保持する第2保持部と、を有し、導体片は、グランドと接続され、第1ロゴスキーコイルと、第2ロゴスキーコイルとは、スペーサを介して面対称に配置され、導体片は、スペーサを介して面対称な構造となっている構成が好ましい。
これによれば、第1ロゴスキーコイルと導体片との間に形成される第1寄生容量の大きさと、第2ロゴスキーコイルと導体片との間に形成される第2寄生容量の大きさとを等しくすることができる。これにより、第1寄生容量を介して第1ロゴスキーコイルに伝播するノイズ電圧の大きさと、第2寄生容量を介して第2ロゴスキーコイルに伝播するノイズ電圧の大きさとが等しくなる。したがって、第1ロゴスキーコイルの出力電圧と第2ロゴスキーコイルの出力電圧との差を取ることで、ノイズ電圧を除去することができる。
請求項7に記載のように、導体片における、該導体片の長手方向に対して垂直な方向の断面形状は、C字状が好ましい。例えば、導体片における、該導体片の長手方向に対して垂直な方向の断面形状がO字状、すなわち、導体片が円筒形状である場合、導体片によって短絡したコイルが形成される。このような短絡したコイルがロゴスキーコイルの隣に形成されると、被測定電流の磁界が、短絡したコイルに流入することとなり、ロゴスキーコイルによって被測定電流を測定することができなくなる虞がある。これに対して、請求項7に記載の発明は、導体片における、該導体片の長手方向に対して垂直な方向の断面形状が、C字状なっている。これにより、導体片によって短絡したコイルが形成されることが抑制された構成となる。
請求項8に記載のように、遮蔽部は、複数の前記導体片を有する構成が良い。これによれば、保持部と比べて曲がりにくい導体片が分割されているので、遮蔽部の可撓性が向上される。
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明と同様の作用効果を得ることができるので、その記載を省略する。
請求項10に記載のように、導体片に、該導体片の長手方向に対して垂直な方向に沿うスリットが形成された構成が好ましい。これにより、スリットが形成されていない導体片と比べて、導体片の可撓性を向上することができる。
なお、導体片としては、請求項11に記載のように、導体箔、若しくは導体網を採用することができる。
請求項12に記載のように、検出部の出力信号を処理する処理部を備え、該処理部が、第1ロゴスキーコイルの出力電圧と、第2ロゴスキーコイルの出力電圧とを減算する減算回路と、該減算回路の出力電圧を積分する積分回路と、を含む構成を採用することができる。
各ロゴスキーコイルに誘起される誘起電圧の極性は導線の巻回方向に依存し、ノイズ電圧の極性は導線の巻回方向に依存しない性質を有している。したがって、第1ロゴスキーコイルの出力電圧と第2ロゴスキーコイルの出力電圧とを減算回路で減算することで、ノイズ電圧が低減され、誘起電圧の振幅が増大された信号を得ることができる。
各ロゴスキーコイルに誘起される誘起電圧は、各ロゴスキーコイルを貫く電流の時間微分、すなわち、被測定電流の時間微分に比例する性質を有している。したがって、減算回路の出力信号を積分回路で積分することで、被測定電流を求めることができる。
第1実施形態に係る電流センサ装置の概略構成を示す概略図である。 図1に示すII−II線に沿う断面図である。 ロゴスキーコイルを説明するための平面図である。 導体片の概略構成を示す平面図である。 電圧波形を示す波形図である。 第2実施形態に係る電流センサ装置の検出部の長手方向に対して垂直な方向に沿う断面図である。 第3実施形態に係る電流センサ装置の検出部の長手方向に対して垂直な方向に沿う断面図である。 被膜導線の撚り合わせを説明するための平面図である。 第3実施形態に係る電流センサ装置を説明するための回路図である。 検出部の変形例を説明するための断面図である。 電流センサ装置の変形例を説明するための回路図である。
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る電流センサ装置の概略構成を示す概略図である。図2は、図1に示すII−II線に沿う断面図である。図3は、ロゴスキーコイルを説明するための平面図である。図4は、導体片の概略構成を示す平面図である。図5は、電圧波形を示す波形図である。なお、図3においては、便宜上、導線24,26にハッチを施し、第1保持部31と遮蔽部40とを省略している。
電流センサ装置100は、図1に示すように、要部として、ギャップを有する円形状をなし、被測定対象Xを流れる交流電流(以下、被測定電流Iと示す)が形成する磁界を検出する検出部10と、該検出部10の出力信号を処理する処理部50と、を有する。
検出部10は、図2に示すように、コイル20と、該コイル20を被覆する被覆部30と、コイル20に、外部ノイズが伝播することを抑制する遮蔽部40と、を有する。コイル20は、第1ロゴスキーコイル21と、第2ロゴスキーコイル22と、を有する。第1ロゴスキーコイル21は、管状の第1巻回芯23と、該第1巻回芯23の外周23aに巻回され、第1巻回芯23の中空23bを通る第1導線24と、を有する。第2ロゴスキーコイル22は、管状の第2巻回芯25と、該第2巻回芯25の外周25aに巻回され、第2巻回芯25の中空25bを通る第2導線26と、を有する。導線24,26は銅からなり、巻回芯23,25はテフロン(登録商標)製の樹脂からなる。
図3に示すように、第1導線24における、所定部位から一方の端部までの部位(以下、第1巻回部位24aと示す)は、第1巻回芯23の外周23aに巻回され、所定部位から他方の端部までの部位(以下、第1挿入部位24bと示す)は、第1巻回芯23の中空23bに通されている。同じく、第2導線26における、所定部位から一方の端部までの部位(以下、第2巻回部位26aと示す)は、第2巻回芯25の外周25aに巻回され、所定部位から他方の端部までの部位(以下、第2挿入部位26bと示す)は、第2巻回芯25の中空25bに通されている。巻回部位24a,26aそれぞれの端部は処理部50に接続され、挿入部位24b,26bそれぞれの端部はグランドに接続されている。
ところで、巻回された導線の全体形状を、図1に示すような、ギャップを有する円形状に形成すると、導線における巻回された部位によって形成されるコイル群とは別に、円形状をなす導線自体によって、新たなコイル(以下、第1自己コイルと示す)が形成される。この第1自己コイルによって誘起される誘起電圧は、ノイズの原因となるので除去する必要がある。本実施形態の場合、巻回部位24a,26a自体によって形成されるコイルが、上記した第1自己コイルに相当する。
これに対して、本実施形態に係るロゴスキーコイル21,22は、挿入部位24b,26bそれぞれを、巻回芯23,25の中空それぞれに通すことで、第1自己コイルとは巻回方向が逆向きのコイル(以下、第2自己コイルと示す)を形成している。この第2自己コイルと第1自己コイルとに誘起される誘起電圧は逆向きとなる。したがって、第1巻回部位24aによって形成される第1自己コイルの誘起電圧と、第1挿入部位24bによって形成される第2自己コイルの誘起電圧とが、第1導線24内にて相殺され、第2巻回部位26aによって形成される第1自己コイルの誘起電圧と、第2挿入部位26bによって形成される第2自己コイルの誘起電圧とが、第2導線26内にて相殺される。このように、各ロゴスキーコイル21,22は、第1自己コイルの誘起電圧が、第2自己コイルの誘起電圧によって相殺される構成となっている。
なお、本実施形態では、図3に示すように、第1巻回芯23の外周23aに、第1導線24を一定のピッチと一定の密度で巻回することをガイドする螺旋状の第1ガイド部27が設けられ、第2巻回芯25の外周25aに、第2導線26を、第1導線24のピッチと等しいピッチであり、第1導線24の巻回密度と等しい巻回密度で巻回することをガイドする螺旋状の第2ガイド部28が設けられている。そして、第1導線24の第1巻回部位24aは第1ガイド部27に沿って外周23aに巻回され、第2導線26の第2巻回部位26aは第2ガイド部28に沿って外周25aに巻回されている。これにより、第1導線24の巻回ピッチと、第2導線26の巻回ピッチとが等しく、第1導線24の巻回密度と、第2導線26の巻回密度とが等しくなっている。ガイド部27,28は、例えばナイロンなどの絶縁材料からなり、可撓性を有する接着剤(図示略)によって、第1ガイド部27は第1導線24とともに第1巻回芯23に固定され、第2ガイド部28は第2導線26とともに第2巻回芯25に固定されている。なお、図3に示すように、第1導線24は、隣接する第1ガイド部27の間に隙間なく設けられ、隣接する第1導線24間の距離が第1ガイド部27の幅L1に依存する構成となっている。同じく、第2導線26は、隣接する第2ガイド部28の間に隙間なく設けられ、隣接する第2導線26間の距離が第2ガイド部28の幅L2に依存する構成となっている。本実施形態では、幅L1と幅L2とが等しく、導線24,26の幅も、幅L1,L2と等しくなっている。
上記したように、本実施形態では、第1導線24の巻回ピッチと、第2導線26の巻回ピッチとが等しく、第1導線24の巻回密度と、第2導線26の巻回密度とが等しくなっている。上記構成と、アンペアの周回積分の法則とを考慮すると、被測定対象Xと各ロゴスキーコイル21,22との間の相互インダクタンスが等しくなっていることがわかる。これにより、被測定対象Xを流れる被測定電流Iの磁束によって、第1ロゴスキーコイル21に誘起される誘起電圧の振幅と、第2ロゴスキーコイル22に誘起される誘起電圧の振幅とが等しくなる。また、図2の矢印で示すように、第1導線24における第1巻回部位24aが、第1巻回芯23の外周23aに時計回りに巻回され、第2導線26における第2巻回部位26aが、第2巻回芯25の外周25aに反時計回りに巻回されている。後で説明するように、被測定電流Iの磁束によって、各ロゴスキーコイル21,22に誘起される誘起電圧の極性は、導線24,26の巻回方向に依存する性質を有しているので、第1ロゴスキーコイル21に誘起される誘起電圧の極性と、第2ロゴスキーコイル22に誘起される誘起電圧の極性とは反対になる。
被覆部30は、コイル20を被覆し、第1ロゴスキーコイル21と、第2ロゴスキーコイル22とを所定位置に保持する第1保持部31と、第1ロゴスキーコイル21と、第2ロゴスキーコイル22との距離を調整するスペーサ32と、を有する。第1保持部31は、いわゆる熱収縮チューブであり、一定の厚さを有し、テフロン(登録商標)製の樹脂によって形成されている。第1保持部31に熱を印加することで、第1保持部31を熱収縮し、各ロゴスキーコイル21,22と、スペーサ32とを、第1保持部31の内部に保持している。スペーサ32は、一定の厚さを有し、テフロン(登録商標)製の樹脂からなる。図2に示すように、スペーサ32は、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22との間に配置され、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22とは、スペーサ32を介して面対称に配置されている。これにより、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22とがスペーサ32の厚さ分離間され、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22との間に形成される寄生容量が、スペーサ32の厚さに依存する構成となっている。
遮蔽部40は、被覆部30の外周、すなわち、第1保持部31の外周31aに配置された1つの導体片41と、該導体片41を第1保持部31の外周31aに保持する1つの第2保持部42と、を有する。図4に示すように、導体片41はグランドと接続されており、これによって、被測定対象Xと導体片41とによって形成される寄生容量C0を介して導体片41に伝播する外部ノイズを、グランドへ逃がしている。本実施形態に係る導体片41は、平面矩形状をなす、厚さが1μm程度の導体箔からなる。そして、導体片41は、自身の長手方向に対して垂直な方向(短手方向)に沿う複数のスリット41aを有し、該スリット41aによって、導体片41の可撓性が向上されている。また、図2に示すように、導体片41における自身の長手方向に対して垂直な方向の断面形状がC字状に形成され、第1保持部31(コイル20)が、導体片41によって部分的に囲まれた構成となっている。そして、導体片41は、スペーサ32を介して面対称な構造となっており、銅からなる。第2保持部42は、いわゆる熱収縮チューブであり、一定の厚さを有し、テフロン(登録商標)製の樹脂からなる。第2保持部42に熱を印加することで、第2保持部42を熱収縮し、導体片41を第1保持部31の外周31aに保持している。
次に、第1ロゴスキーコイル21と遮蔽部40との間に形成される寄生容量C1と、第2ロゴスキーコイル22と遮蔽部40との間に形成される寄生容量C2と、を説明する。上記したように、第1導線24の巻回ピッチと、第2導線26の巻回ピッチとが等しく、第1導線24の巻回密度と、第2導線26の巻回密度とが等しくなっている。また、第1ロゴスキーコイル21と、第2ロゴスキーコイル22とが、スペーサ32を介して面対称に配置され、導体片41が、スペーサ32を介して面対称な構造となっている。そして、図2に示すように、各ロゴスキーコイル21,22と、導体片41とが、一定の厚さを有する被覆部30を介して対向している。これらより、各ロゴスキーコイル21,22と導体片41との対向面積が等しく、対向間隔が等しくなっているので、寄生容量C1と寄生容量C2とが等しくなっている。
次に、寄生容量C0,C1,C2を介して、各ロゴスキーコイル21,22に伝播される、被測定対象Xの電圧に比例するノイズ電圧の振幅について説明する。上記したように、遮蔽部40はグランドに接続されているので、外部ノイズの大半は、遮蔽部40によって除去される。しかしながら、導体片41自体のインピーダンスのため、導体片41全体は同じ電位となれないので、遮蔽部40によって除去しきれなかった外部ノイズが、寄生容量C1、C2を介して、遮蔽部40から各ロゴスキーコイル21,22に伝播される。寄生容量C0を介して、被測定対象Xから導体片41に外部ノイズの一部が伝播すると、伝播した外部ノイズの一部によって導体片41に電圧が誘導され、各寄生容量C1,C2に同等の電圧が印加される。上記したように、寄生容量C1,C2は等しいので、寄生容量C0,C1を介して、第1ロゴスキーコイル21に伝播するノイズ電圧の振幅と、寄生容量C0,C2を介して、第2ロゴスキーコイル22に伝播するノイズ電圧の振幅とが等しくなる。
次に、図5に基づいて、各ロゴスキーコイル21,22に誘起される誘起電圧の極性と、ノイズ電圧の極性とを説明する。図5は、本発明者が行った実験結果であり、横軸が時間(ns)、縦軸が電圧(V)を示している。図5において実線で示す電圧波形S0,S1,S2それぞれは、ノイズ電圧波形と、被測定電流Iによって第1ロゴスキーコイル21に誘起される電圧波形と、被測定電流Iによって第2ロゴスキーコイル22に誘起される電圧波形と、を示している。また、図5において破線で示す電圧波形S3,S4それぞれは、第1ロゴスキーコイル21の出力電圧と、第2ロゴスキーコイル22の出力電圧と、を示している。各ロゴスキーコイル21,22の出力電圧には、ノイズ電圧と、誘起電圧とが含まれるので、電圧波形S3は、電圧波形S0と電圧波形S1とが重ね合わされた電圧波形を示し、電圧波形S4は、電圧波形S0と電圧波形S2とが重ね合わされた電圧波形を示している。
図5に一点鎖線で示すタイミングt1,t2において、電圧波形S1の極値と、電圧波形S2の極値とが反転しているのが確認できる。これは、各ロゴスキーコイル21,22に誘起される誘起電圧の極性が、導線24,26の巻回方向に依存することを示唆している。また、電圧波形S1,S2がゼロとなる、図5に二点鎖線で示すタイミングt3において、電圧波形S3の値と、電圧波形S4の値とが、電圧波形S0の値と一致しているのが確認できる。これは、各ロゴスキーコイル21,22に伝播するノイズ電圧の極性が、導線24,26の巻回方向に依存しないことを示唆している。以上から、各ロゴスキーコイル21,22に誘起される誘起電圧の極性は、導線24,26の巻回方向に依存し、ノイズ電圧の極性は、導線24,26の巻回方向に依存しない性質を有していることが分かる。
次に、処理部50について説明する。図1に示すように、処理部50は、第1ロゴスキーコイル21の出力電圧と、第2ロゴスキーコイル22の出力電圧とを減算する減算回路51と、該減算回路51の出力電圧を積分する積分回路52(図1において破線で囲まれた部位)と、を有する。
減算回路51は、差動増幅回路であり、逆相入力端子に第1ロゴスキーコイル21の出力端子が接続され、正相入力端子に第2ロゴスキーコイル22の出力端子が接続され、減算回路51の出力端子に積分回路52の入力端子が接続されている。なお、図1においては、差動増幅回路を主として構成するオペアンプのみを記している。上記したように、各ロゴスキーコイル21,22に誘起される誘起電圧の極性は、導線24,26の巻回方向に依存し、ノイズ電圧の極性は、導線24,26の巻回方向に依存しない性質を有している。したがって、第1ロゴスキーコイル21の出力電圧と第2ロゴスキーコイル22の出力電圧とを減算回路51で減算することで、ノイズ電圧が低減され、誘起電圧の振幅が増大された信号を得ることができる。本実施形態では、各ロゴスキーコイル21,22の出力電圧に含まれるノイズ電圧、及び誘起電圧の振幅がそれぞれ等しいので、減算回路51によって、ノイズ電圧が除去され、誘起電圧が倍加された信号を得ることができる。なお、ここでは、減算回路51の差動電圧利得を1として説明している。
積分回路52は、周知のミラー積分回路であり、入力抵抗53と、オペアンプ54と、帰還コンデンサ55と、を有する。入力抵抗53を介して、減算回路51の出力端子と、オペアンプ54の逆相入力端子とが接続され、オペアンプ54の正相入力端子が、グランドと接続されている。そして、帰還コンデンサ55の一端が、オペアンプ54の出力端子(処理部50の出力端子)と接続され、帰還コンデンサ55の他端が、逆相入力端子と接続されている。このように、オペアンプ54の逆相入力端子と出力端子とが帰還コンデンサ55を介して接続されているので、帰還コンデンサ55に、減算回路51の出力電圧を入力抵抗で割った電流が逐次蓄積される。すなわち、帰還コンデンサ55に、減算回路51の出力電圧を入力抵抗で割った電流を時間積分した電荷が蓄積される。これにより、帰還コンデンサ55の電圧が、帰還コンデンサ55に蓄積された電荷に比例する電圧となり、この電圧が、積分回路52から出力される。
各ロゴスキーコイル21,22に誘起される誘起電圧は、各ロゴスキーコイル21,22を貫く電流の時間微分、すなわち、被測定電流Iの時間微分に比例する性質を有している。したがって、上記したように、減算回路51の出力信号を積分回路52で時間積分することで、被測定電流Iを含む信号を得ることができる。なお、積分回路52の出力信号を、ロゴスキーコイル21,22と被測定対象Xとの相互インダクタンスと、入力抵抗53の抵抗値と、帰還コンデンサ55の静電容量とで割ることで、被測定電流Iが求まる。
次に、本実施形態に係る電流センサ装置100の作用効果を説明する。上記したように、電流センサ装置100は、第1巻回芯23に第1導線24が巻回された第1ロゴスキーコイル21と、第2巻回芯25に、第1導線24の巻回方向とは逆の方向に第2導線26が巻回された第2ロゴスキーコイル22と、を有し、各ロゴスキーコイル21,22が第1保持部31によって所定位置に保持されている。そして、各ロゴスキーコイル21,22に誘起される誘起電圧の極性は、導線24,26の巻回方向に依存し、ノイズ電圧の極性は、導線24,26の巻回方向に依存しない性質を有している。したがって、第1ロゴスキーコイル21の出力電圧と、第2ロゴスキーコイル22の出力電圧とを減算することで、ノイズ電圧の振幅が低減され、誘起電圧の振幅が増幅された信号を得ることができる。このように、ノイズ電圧が低減された信号を得ることができるので、本実施形態に係る電流センサ装置100は、電流の検出精度の低下が抑制された電流センサ装置となる。
第1導線24の巻回ピッチと、第2導線26の巻回ピッチとが等しく、第1導線24の巻回密度と、第2導線26の巻回密度とが等しくなっている。すなわち、各ロゴスキーコイル21,22と被測定対象Xとの相互インダクタンスが等しくなっている。これにより、第1ロゴスキーコイル21に誘起される誘起電圧の振幅と、第2ロゴスキーコイル22に誘起される誘起電圧の振幅とが等しくなる。したがって、各ロゴスキーコイル21,22の出力電圧を減算することで、誘起電圧の振幅を倍加することができる。
隣接する第1導線24との間に第1ガイド部27が設けられ、隣接する第2導線26との間に第2ガイド部28が設けられている。そして、隣接する第1導線24間の距離が第1ガイド部27の幅L1に依存し、隣接する第2導線26間の距離が第2ガイド部28の幅L2に依存する構成となっている。この構成の場合、ガイド部27,28の幅L1,L2を変更することで、導線24,26の巻回ピッチと、巻回密度とを自由に設定することができる。これにより、第1導線24間の寄生容量、及び第2導線26間の寄生容量を調整し、各ロゴスキーコイル21,22の共振周波数を調整することができる。
スペーサ32が、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22との間に配置され、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22とがスペーサ32の厚さ分、離間されている。これにより、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22との間に形成される寄生容量が、スペーサ32の厚さに依存する構成となっている。これによれば、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22とが隣接している構成と比べて、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22との距離が、スペーサ32の厚さ分長くなるので、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22とによって形成される寄生容量を小さくすることができる。これにより、第1ロゴスキーコイル21を流れる電流が第2ロゴスキーコイル22に伝播する、若しくは、第2ロゴスキーコイル22を流れる電流が第1ロゴスキーコイル21に伝播する、という不具合が生じることを抑制することができる。
検出部10は遮蔽部40を有し、該遮蔽部40は、第1保持部31の外周31aに配置され、グランドと接続された導体片41と、該導体片41を外周31aに保持する第2保持部42と、を有する。これによれば、寄生容量C0を介して被測定対象Xから導体片41に伝播する外部ノイズを、グランドへ逃がすことができる。これにより、外部ノイズが各ロゴスキーコイル21,22に伝播することが抑制される。
また、寄生容量C0を介して、被測定対象Xから導体片41に外部ノイズの一部が伝播すると、各寄生容量C1,C2に同等の電圧が印加される。寄生容量C1と寄生容量C2とは等しいので、2つのロゴスキーコイル21,22に、等しいノイズ電圧を誘導することができる。
導体片41における、該導体片41の長手方向に対して垂直な方向の断面形状が、C字状となっている。例えば、導体片41における、該導体片41の長手方向に対して垂直な方向の断面形状がO字状、すなわち、導体片41が円筒形状である場合、導体片41によって短絡したコイルが形成される。このような短絡したコイルがロゴスキーコイル21,22の隣に形成されると、被測定電流の磁界が、短絡したコイルに流入され、ロゴスキーコイル21,22によって、被測定電流を測定することができなくなる虞がある。これに対して、本実施形態では、導体片41における、該導体片41の長手方向に対して垂直な方向の断面形状が、C字状なっている。これにより、導体片41によって短絡したコイルが形成されることが抑制された構成となる。
導体片41には、自身の短手方向に沿うスリット41aが複数形成されている。これにより、スリット41aが形成されていない導体片41と比べて、導体片41の可撓性が向上され、導体片41全体を円形状に形成することが容易となっている。
なお、本実施形態では、第1巻回芯23に第1ガイド部27が設けられ、第2巻回芯25に第2ガイド部28が設けられた例を示した。しかしながら、例えば、導線24,26それぞれが、銅線と、該銅線を被膜する絶縁性の被膜部と、を有する被膜導線であり、導線24,26それぞれの幅が同じ場合、ガイド部27,28はなくとも良い。この場合、第1導線24を第1巻回芯23に隙間なく緊密に巻回し、第2導線26を第2巻回芯25に隙間なく緊密に巻回することで、第1導線24の巻回ピッチと、第2導線26の巻回ピッチとを等しくし、第1導線24の巻回密度と、第2導線26の巻回密度とを等しくすることができる。これにより、ガイド部27,28はなくとも良い。
本実施形態では、被覆部30が、スペーサ32を有する例を示した。しかしながら、導線24,26それぞれが被膜導線の場合、第1導線24と第2導線26とが直接接触しても、電気的に接続されないので、スペーサ32はなくとも良い。しかしながら、この場合、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22との距離が近くなるので、第1ロゴスキーコイル21と第2ロゴスキーコイル22とによって形成される寄生容量が大きくなる。したがって、被覆部30が、スペーサ32を有するのが好ましい。
本実施形態では、導体片41が、導体箔からなる例を示した。しかしながら、導体片41としては、金属線が編み合わされてなる導体網を採用することもできる。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態を、図6に基づいて説明する。図6は、第2実施形態に係る電流センサ装置の検出部の長手方向に対して垂直な方向に沿う断面図であり、第1実施形態に示した図2に対応している。
第2実施形態に係る電流センサ装置100は、第1実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、第1実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
第1実施形態では、遮蔽部40が、1つの導体片41と、1つの第2保持部42とを有する例を示した。これに対し、本実施形態においては、遮蔽部40は、導体片41と、第2保持部42とが積層されてなる、構造体43を複数有する点を特徴とする。
遮蔽部40は、図6に示すように、2つの構造体43を有している。これら構造体43は、一方の構造体43に設けられた導体片41と、他方の構造体43に設けられた第2保持部42とが対向するように積層されている。そして、導体片41における、該導体片41の長手方向に対して垂直な方向の断面形状は、C字状となっている。
このように、本実施形態に係る電流センサ装置100では、第2保持部42と比べて曲がりにくい導体片41を複数に分割しているので、遮蔽部40の可撓性が向上され、導体片41全体を円形状に形成することが容易となっている。また、導体片41における、該導体片41の長手方向に対して垂直な方向の断面形状は、C字状となっているので、導体片41によって短絡したコイルが形成されることが抑制された構成となっている。
なお、本実施形態では、遮蔽部40が、導体片41と、第2保持部42とが積層されてなる構造体43を複数有する例を示した。しかしながら、遮蔽部40が、複数の導体片41と、1つの第2保持部42とを有する構成でも良い。これによっても、導体片41が複数に分割されるので、遮蔽部40の可撓性が向上される。なお、この場合、導体片41における、該導体片41の長手方向に対して垂直な方向の断面形状は、C字状が望ましい。また、本実施形態では、遮蔽部40が2つの構造体43を有する例を示した。しかしながら、構造体43の数は上記例に限定されない。
また、第1、第2実施形態では、検出部10が遮蔽部40を有する例を示した。しかしながら、第1ロゴスキーコイル21と被測定対象Xとの静電容量と、第2ロゴスキーコイル22と被測定対象Xとの静電容量が等しくなるように、被測定対象に対して検出部10が配置される場合、遮蔽部40はなくとも良い。この場合、第1ロゴスキーコイル21と被測定対象Xとによって形成される寄生容量C01と、第2ロゴスキーコイル22と被測定対象Xとによって形成される寄生容量C02とに伝播されるノイズ電圧が等しくなる。したがって、各寄生容量C1,C2に同等の電圧を印加する機能を果たす遮蔽部40はなくとも良い。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態を、図7〜図9に基づいて説明する。図7は、第3実施形態に係る電流センサ装置の検出部の長手方向に対して垂直な方向に沿う断面図である。図8は、被膜導線の撚り合わせを説明するための平面図である。図9は、第3実施形態に係る電流センサ装置を説明するための回路図である。
第3実施形態に係る電流センサ装置は、上記した各実施形態によるものと共通するところが多いので、以下、共通部分については詳しい説明は省略し、異なる部分を重点的に説明する。なお、上記した各実施形態に示した要素と同一の要素には、同一の符号を付与するものとする。
例えば第1実施形態では、2つのロゴスキーコイル21,22の出力電圧を減算回路51で減算することで、ノイズ電圧を除去する例を示した。これに対し、本実施形態では、1本の被膜導線における、中央部から一方の端部までの第1部位と、中央部から他方の端部までの第2部位とを巻回芯に撚り合わせ、各部位に伝播されるノイズ電圧を、被膜導線内で除去する点を特徴とする。
図7及び図8に示すように、検出部10は、コイル60を有し、該コイル60は、巻回芯61と、該巻回芯61の外周61aに巻回される1本の被膜導線62と、を有する。被膜導線62は、中央部62a(図8に破線で示す部位)から一方の端部62bまでの第1部位63と、中央部62aから他方の端部62cまでの第2部位64と、を有する。被膜導線62は、第1部位63と第2部位64とが、互いに逆向きに巻回芯61に撚り合わされることで、巻回芯61の外周61aに巻回されている。これにより、第1部位63によって、巻回方向が時計周りの第1コイル63aが構成され、第2部位64によって巻回方向が反時計周りの第2コイル64aが構成される。図9に示すように、被膜導線62(一点鎖線で囲まれた部位)は、回路記号で示すと、第1コイル63aと、第2コイル64aとが、中央部62aを介して直列に接続された構成となる。本実施形態では、被膜導線62の端部62bが処理部50の入力端子に接続され、端部62cがグランドと接続される。これにより、各コイル63a,64aにて誘起される誘起電圧と、各コイル63a,64aに伝播される外部ノイズとが、被膜導線62内にて重ね合わさり、この重ね合わさった信号が、処理部50に入力される。なお、図8に示すように、第1部位63と第2部位64とが交互に重なることで、第1部位63(第1コイル63a)における単位体積当たりの外部へ露出される露出面積と、第2部位64(第2コイル64a)における単位体積当たりの外部へ露出される露出面積とが等しくなっている。
次に、コイル60の出力信号を説明する。各コイル63a,64aの巻回方向は中央部62aを介して逆向きとなっているので、被測定電流Iによって、各コイル63a,64aに誘起される誘起電圧の極性は、中央部62aを介して逆向きとなる。これに対して、各コイル63a,64aに伝播したノイズ電圧は巻回方向に依存しない性質を有しているので、各コイル63a,64aに伝播したノイズ電圧の極性は、中央部62aを介して同相となる。したがって、第1コイル63aの誘起電圧と第2コイル64aの誘起電圧とが被膜導線62内で強めあい、第1コイル63aのノイズ電圧と第2コイル64aのノイズ電圧とが被膜導線62内で打ち消しあうこととなる。これにより、被膜導線62の端部62bから出力される信号(コイル60の出力信号)は、外部ノイズの振幅が低減され、誘起電圧の振幅が増幅された信号となる。このように、互いに巻回方向が逆向きの2つのコイル63a,64aを直列に接続することで、各コイル63a,64aに生じる電圧が減算された信号を得る。
処理部50は、第1実施形態とは異なり、積分回路52のみを有している。第1実施形態で示したように、コイル60に誘起される誘起電圧は、被測定電流Iの時間微分に比例する性質を有している。したがって、コイル60の出力電圧を積分回路52によって積分することで、被測定電流Iを含む信号を得ることができる。
このように本実施形態に係る電流センサ装置100によれば、互いに巻回方向が逆向きの2つのコイル63a,64aを直列に接続することで、各コイル63a,64aに生じる電圧が減算された信号を得ることができる。すなわち、外部ノイズの振幅が低減され、誘起電圧の振幅が増幅された信号を得ることができる。これにより、第1、第2実施形態で示した電流センサ装置100と比べて、コイルの数を1つから2つに低減することができる。また、減算回路51を省略することができるので、部品点数を低減し、コストを低減することができる。
また、第1部位63と、第2部位64の長さが等しく、第1部位63と第2部位64とが巻回芯61に撚り合わされているので、第1コイル63aの巻回ピッチと第2コイル64aの巻回ピッチとが等しく、第1コイル63aの巻回密度と第2コイル64aの巻回密度とが等しくなっている。したがって、第1コイル63aに誘起される誘起電圧の振幅と、第2コイル64aに誘起される誘起電圧の振幅とが等しいので、被膜導線62内にて、誘起電圧を倍化することができる。
また、第1コイル63aの露出面積と第2コイル64aの露出面積とが等しくなっている。これにより、コイル60と被測定対象Xとの配置にかかわらず、第1コイル63aと被測定対象Xとの静電容量と、第2コイル64aと被測定対象Xとの静電容量とが等しくなる。したがって、第1コイル63aと被測定対象Xとによって形成される寄生容量C01と、第2コイル64aと被測定対象Xとによって形成される寄生容量C02とが等しくなり、各コイル63a,64aに伝播されるノイズ電圧の振幅が等しくなる。これにより、被膜導線62内にて、ノイズ電圧を除去することができる。
なお、本実施形態では、コイル60が1本の被膜導線62を有し、該被膜導線62における、中央部62aから一方の端部62bまでの第1部位63と、中央部62aから他方の端部62cまでの第2部位64とが、巻回方向が互いに逆向きとなり、第1部位63と第2部位64とが交互に重なるように巻回芯61に撚り合わせられた例を示した。しかしながら、コイル60が2本の被膜導線62(以下、第1被膜導線65、第2被膜導線66と示す)を有し、第1被膜導線65と、第2被膜導線66とが、巻回方向が互いに逆向きとなり、第1被膜導線65と第2被膜導線66とが交互に重なるように巻回芯61に撚り合わされ、第1被膜導線65の一方の端部と、第2被膜導線66の一方の端部とが電気的に接続された構成を採用することもできる。これにより、第1被膜導線65によって第1コイル65aが形成され、第2被膜導線66によって巻回方向が第1コイル65aとは逆方向の第2コイル66aが形成され、コイル65a,66aそれぞれの露出面積が等しく、これらコイル65a,66a間が直列に接続された構成となり、本実施形態で示した構成と同一となる。したがって、上記した変形例においても、ノイズ電圧が除去され、誘起電圧の振幅が倍化された信号を得ることができる。しかしながら、この変形例の場合、被膜導線62を2本用意し、第1被膜導線65の端部と第2被膜導線66の端部とを電気的に接続する必要がある。これにより、上記した変形例は、本実施形態で示した電流センサ装置100と比べて、部品点数と製造工程とが増大するためにコストが嵩み、第1被膜導線65と第2被膜導線66との接触抵抗によってコイル60の電気抵抗が上昇する。したがって、本実施形態で示した構成の方が好ましい。
本実施形態では、検出部10は遮蔽部40を有さない例を示した。しかしながら、図10に示すように、検出部10は遮蔽部40を有しても良い。この場合、遮蔽部40は、被膜導線62の周囲に配置された導体片41と、該導体片41を被膜導線62に保持する第2保持部42と、を有する。導体片41は、グランドと接続されており、これによって、被測定対象Xと導体片41とによって形成される寄生容量C0を介して導体片41に伝播する外部ノイズを、グランドへ逃がすことができるようになっている。なお、導体片41における自身の長手方向に対して垂直な方向の断面形状がC字状に形成され、導体片41におけるコイル60の外周60a(図10に破線で示す部位)に沿う長さ、すなわち、導体片41の短手方向の長さは、外周60aの長さよりも短くなっている。これにより、導体片41によって短絡したコイルが形成されることが抑制された構成となっている。図10は、検出部の変形例を説明するための断面図である。なお、遮蔽部40としては、上記例に限定されず、例えば、第2実施形態に示したような、遮蔽部40が、導体片41と、第2保持部42とが積層されてなる、構造体43を複数有する構成を採用することもできる。
本実施形態では、処理部50が積分回路52を有する例を示した。しかしながら、例えば、図11に示すように、処理部50が、逆相入力端子と正相入力端子のインピーダンスが等しい差動増幅回路56と、積分回路52と、を有する構成を採用することもできる。この場合、被膜導線62の端部62bが、差動増幅回路56の逆相入力端子に接続され、被膜導線62の端部62cが、差動増幅回路56の正相入力端子に接続され、差動増幅回路56の出力端子が積分回路52の入力端子に接続される。図11は、電流センサ装置の変形例を説明するための回路図である。なお、図11においては、差動増幅回路を主として構成するオペアンプのみを記している。
第1実施形態で説明したように、巻回された導線の全体形状を、ギャップを有する円形状に形成すると、導線における巻回された部位によって形成されるコイル群とは別に、円形状をなす導線自体によって第1自己コイルが形成される。本実施形態の場合、被膜導線62全体によって形成されるコイルが、上記した第1自己コイルに相当する。本実施形態に係る電流センサ装置100は、第1、第2実施形態に係る電流センサ装置100とは異なり、コイル60自体に、第1自己コイルに誘起される誘起電圧を除去する構成はない。しかしながら、上記したように、被膜導線62の端部62bと端部62cとを、入力インピーダンスが等しい差動増幅回路56の入力端子に接続することで、上記した第1自己コイルの誘起電圧を低減することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
10・・・検出部
20・・・コイル
21・・・第1ロゴスキーコイル
22・・・第2ロゴスキーコイル
30・・・被覆部
40・・・遮蔽部
50・・・処理部
100・・・電流センサ装置

Claims (12)

  1. 被測定対象を流れる交流電流が形成する磁界を検出する検出部を備える電流センサ装置であって、
    前記検出部は、コイルと、該コイルを被覆する被覆部と、を有し、
    前記コイルは、管状の第1巻回芯と、該第1巻回芯の外周に巻回され、前記第1巻回芯の中空を通る第1導線と、を有する第1ロゴスキーコイルと、管状の第2巻回芯と、該第2巻回芯の外周に、前記第1導線の巻回方向とは逆の方向に巻回され、前記第2巻回芯の中空を通る第2導線と、を有する第2ロゴスキーコイルと、を有し、
    前記被覆部は、前記第1ロゴスキーコイルと、前記第2ロゴスキーコイルを所定位置に保持する第1保持部を有することを特徴とする電流センサ装置。
  2. 前記第1導線の巻回ピッチと、前記第2導線の巻回ピッチとが等しく、前記第1導線の巻回密度と、前記第2導線の巻回密度とが等しいことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ装置。
  3. 前記第1巻回芯の外周に、前記第1導線を一定のピッチと一定の密度で前記第1巻回芯の外周に巻回することをガイドする螺旋状の第1ガイド部が設けられ、
    前記第2巻回芯の外周に、前記第2導線を、前記第1導線のピッチと等しいピッチであり、前記第1導線の巻回密度と等しい巻回密度で前記第2巻回芯の外周に巻回することをガイドする螺旋状の第2ガイド部が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の電流センサ装置。
  4. 前記被覆部は、前記第1保持部内における、前記第1ロゴスキーコイルと前記第2ロゴスキーコイルとの間に配置され、前記第1ロゴスキーコイルと前記第2ロゴスキーコイルとの距離を調整するスペーサを有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の電流センサ装置。
  5. 前記検出部は、前記コイルに伝播する外部ノイズを遮蔽する遮蔽部を有し、
    該遮蔽部は、前記被覆部の周辺に配置された導体片と、該導体片を前記被覆部に保持する第2保持部と、を有し、
    前記導体片は、グランドと接続されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の電流センサ装置。
  6. 前記被覆部は、前記第1保持部内における、前記第1ロゴスキーコイルと前記第2ロゴスキーコイルとの間に配置され、前記第1ロゴスキーコイルと前記第2ロゴスキーコイルとの距離を調整するスペーサを有し、
    前記検出部は、前記コイルに伝播する外部ノイズを遮蔽する遮蔽部を有し、
    該遮蔽部は、前記被覆部の周辺に配置された導体片と、該導体片を前記被覆部に保持する第2保持部と、を有し、
    前記導体片は、グランドと接続され、
    前記第1ロゴスキーコイルと、前記第2ロゴスキーコイルとは、前記スペーサを介して面対称に配置され、
    前記導体片は、前記スペーサを介して面対称な構造となっていることを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の電流センサ装置
  7. 前記導体片における、該導体片の長手方向に対して垂直な方向の断面形状がC字状であることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の電流センサ装置。
  8. 前記遮蔽部は、複数の前記導体片を有することを特徴とする請求項5〜7いずれか1項に記載の電流センサ装置。
  9. 前記遮蔽部は、前記導体片と、前記第2保持部とが積層されてなる構造体を複数有することを特徴とする請求項8に記載の電流センサ装置。
  10. 前記導体片には、該導体片の長手方向に対して垂直な方向に沿うスリットが形成されていることを特徴とする請求項5〜9いずれか1項に記載の電流センサ装置。
  11. 前記導体片は、導体箔、又は導体網であることを特徴とする請求項5〜10いずれか1項に記載の電流センサ装置。
  12. 前記検出部の出力信号を処理する処理部を備え、
    該処理部は、前記第1ロゴスキーコイルの出力電圧と、前記第2ロゴスキーコイルの出力電圧とを減算する減算回路と、
    該減算回路の出力電圧を積分する積分回路と、を含むことを特徴とする請求項1〜11いずれか1項に記載の電流センサ装置。
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