JP5703470B2 - 電流センサ - Google Patents

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Description

本発明は、被測定電流を非接触で測定できる電流センサに関する。
電気自動車やハイブリッドカーにおけるモータ駆動技術などの分野では比較的大きな電流が取り扱われるため、このような用途向けに大電流を非接触で測定可能な電流センサが求められている。そして、このような電流センサとして、被測定電流によって生じる磁界の変化を磁気センサによって検出する方式のものが提案されている。例えば、特許文献1には、演算部において2つの磁気センサのセンサ出力の差をとることで電流線の電流値を測定可能な電流センサが開示されている。
特開2005−195427号公報
ところで、電流線に接続される回路などの影響で、電流線に高周波領域の電圧変動が生じることがある。このような電圧変動は電流線の電流値には殆ど影響を与えないが、電流線と磁気センサ等とは近接して配置され容量結合しているため、電流線の電圧変動によって演算部入力端の電圧は大きく変動し得る。演算部入力端の電圧変動は電流測定に直接的に影響するが、特許文献1に記載の電流センサではこのような高周波領域の電圧変動に起因するノイズ成分を除去することができないため、電流測定精度は大幅に低下してしまう。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、被測定電流が通流する電流線に高周波領域の電圧変動が生じても電流測定精度の低下を抑制可能な電流センサを提供することを目的とする。
本発明の電流センサは、被測定電流が通流する電流線の周囲の第1位置に配置された第1磁気センサと、前記第1位置における前記被測定電流による誘導磁界の強度より弱い誘導磁界の強度となる第2位置に配置された第2磁気センサと、前記第1磁気センサの出力と前記第2磁気センサの出力との差を算出する演算部と、を有し、前記第1磁気センサから前記演算部の入力端までの信号経路と前記電流線との間に形成される寄生容量と、前記第2磁気センサから前記演算部の入力端までの信号経路と前記電流線との間に形成される寄生容量と、が略等しくなるように構成されたことを特徴とする。
この構成によれば、2つの磁気センサの信号経路と電流線との間に形成される寄生容量の容量値が略等しくなっているため、演算部の2つの入力端において、電流線の電圧変動の影響が略等しく現れる。このため、2つの磁気センサの出力の差をとることで電圧変動に起因するノイズ成分を除去することが可能になり、電流測定精度の低下を抑制できる。
本発明の電流センサにおいて、前記電流線の中心軸から前記第2位置までの距離は、前記電流線の中心軸から前記第1位置までの距離より大きく、前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、前記電流線の表面からの距離が等しくても良い。この構成によれば、第1位置における誘導磁界の強度と比較して、第2位置における誘導磁界の強度を弱くするのが容易である。
本発明の電流センサにおいて、前記電流線の被測定電流が通流する方向に垂直な方向の断面形状が矩形状であっても良い。
本発明の電流センサにおいて、前記第1磁気センサと前記電流線との間に第1誘電体でなる第1スペーサが配置され、前記第2磁気センサと前記電流線との間に前記第1誘電体より誘電率が高く前記第1スペーサより厚い第2誘電体でなる第2スペーサが配置されても良い。この構成によれば、第1位置における誘導磁界の強度と第2位置における誘導磁界の強度との差をさらに大きくできるため、電流測定精度を高めることができる。
本発明の電流センサにおいて、前記第2磁気センサと前記電流線との間に導電性のスペーサが配置されても良い。この構成によれば、第1位置における誘導磁界の強度と第2位置における誘導磁界の強度との差をさらに大きくできるため、電流測定精度を高めることができる。
本発明の電流センサにおいて、前記演算部は、前記第1位置及び前記第2位置より前記電流線からの距離が離れた位置に配置されても良い。この構成によれば、演算部において電流線の電圧変動に起因するノイズを低減できるため、電流測定精度の低下をさらに抑制できる。
本発明の電流センサにおいて、前記演算部は、前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサが搭載される基板とは異なる基板に配置されても良い。この構成によれば、演算部において電流線の電圧変動に起因するノイズを低減できるため、電流測定精度の低下をさらに抑制できる。
本発明により、被測定電流が通流する電流線に高周波領域の電圧変動が生じても電流測定精度の低下を抑制可能な電流センサを提供することができる。
電流センサの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る電流センサの構成例を示す模式図である。 演算部の配置例を示す模式図である。 実施の形態1に係る電流センサの構成を示すブロック図である。 実施の形態1に係る電流センサの出力特性を示す図である。 比較例に係る電流センサの出力特性を示す図である。 実施の形態2に係る電流センサの構成例を示す模式図である。 実施の形態3に係る電流センサの構成例を示す模式図である。
以下、本発明の電流センサについて添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の電流センサの構成を示すブロック図である。図1に示される電流センサ1は、被測定電流が通流する電流線2に近接して配置された第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bと、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの出力を演算処理する演算部12とを有している。
図1に示されるように、第1磁気センサ11aから演算部12の入力端までの信号経路L1と、電流線2との間には寄生容量C1が形成されている。また、第2磁気センサ11bから演算部12の入力端までの信号経路L2と、電流線2との間には寄生容量C2が形成されている。第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、この寄生容量C1とC2とが略等しくなるように配置されている。
また、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、第1磁気センサ11aが受ける被測定電流からの誘導磁界の強度が、第2磁気センサ11bが受ける被測定電流からの誘導磁界の強度より大きくなるように配置されている。
第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bをこのように配置することで、被測定電流の誘導磁界に起因する第1磁気センサ11aの出力電圧の絶対値は、第2磁気センサ11bの出力電圧の絶対値より大きくなる。一方、電流線2の電圧変動の影響は、第1磁気センサ11a側の信号経路L1と第2磁気センサ11b側の信号経路L2とにおいて略等しく現れる。寄生容量C1、C2が略等しいことで、電流線2の電圧変動によって寄生容量C1、C2で容量結合された2つの信号経路L1、L2の電圧が同様に変動するためである。このような電圧の関係から、信号経路L1の電圧値と信号経路L2の電圧値との差をとることで、電流線2の電圧変動の影響をキャンセルし、被測定電流の電流値を精度よく算出することができる。以下、実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
本実施の形態では、電流センサの一構成例について説明する。図2は、本実施の形態の電流センサの構成を示す模式図である。図2Aは電流センサ1aの平面構成を示しており、図2Bは電流センサ1aの断面構成を示している。なお、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bに付された矢印は、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの感度軸の方向を示している。また、電流線2に付された矢印は、被測定電流Iが通流する方向を示している。
図2に示されるように、電流センサ1aは、被測定電流Iが通流する電流線2に近接して配置された第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bと、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bが配置される基板13とを有する。第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、感度軸の方向が略同一となるように基板13の一方の主表面に配置されており、第1磁気センサ11a、第2磁気センサ11b、及び電流線2の位置関係は、基板13、又は電流線2と基板13とを固定する筐体(図2において不図示)によって固定されるようになっている。
また、基板13の主表面、又は基板13外部には、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの出力の差分をとる演算部12(図2において不図示)が配置されている。第1の磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの出力端は、配線(図2において不図示)などを通じて演算部12の入力端に接続されている。
図3は、演算部12の配置例を示す模式図である。図3Aに示されるように、演算部12は、基板13の主表面において、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサより電流線2からの距離が離れた位置に配置される。演算部12をこのように配置することで、演算部12と電流線2との距離が大きくなるため、演算部12が受ける電流線2の電圧変動の影響を低減できる。このため、電流測定精度の低下をさらに抑制できる。
又は、図3Bに示されるように、演算部12は、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bが搭載される基板13とは異なる基板13aに配置される。基板13と基板13aとは配線14によって接続されている。この場合も演算部12と電流線2との距離が大きくなるため、演算部12が受ける電流線2の電圧変動の影響を低減できる。このため、電流測定精度の低下をさらに抑制できる。なお、演算部12の配置は図3に示される態様に限られない。
第1磁気センサ11aは、電流線2の中心軸21から距離d1の位置に配置されている(図2B)。第2磁気センサ11bは、電流線2の中心軸21から距離d2の位置に配置されている。ここで、距離d2は距離d1より大きくなっている。このため、被測定電流Iによる誘導磁界Aの影響は、第2磁気センサ11bより第1磁気センサ11aにおいて大きく表れる。その結果、第1磁気センサ11aの出力の絶対値は、第2磁気センサ11bの出力の絶対値より大きくなる。
電流センサ1aにおいて、第1磁気センサ11aの感度軸の方向と、第2磁気センサ11bの感度軸の方向とは略同一になっている。このため、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力と、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力とは、同極性になる。ここで同極性とは、出力の極性(正又は負)が一致していることをいう。
つまり、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力の絶対値は、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力の絶対値より大きくなり、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力と、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力とは、同極性になる。
また、図2に示されるように、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bは、電流線2から等しい距離d3、d4の位置に配置されている。このため、第1磁気センサ11aと電流線2との間に形成される寄生容量と、第2磁気センサ11bと電流線2との間に形成される寄生容量とは略等しくなっている。さらに、第1磁気センサ11aから演算部12までの信号経路L1に含まれる他の電気要素(配線など)による寄生容量と、第2磁気センサ11bから演算部12までの信号経路L2に含まれる他の電気要素(配線など)との寄生容量とは略等しくなっている。このため、信号経路L1と電流線2との間の寄生容量C1と、信号経路L2と電流線2との間の寄生容量C2とは略等しくなっている。
電流線2に電圧変動が生じると、寄生容量C1による電流線2との容量結合によって信号経路L1の電圧が変動する。電圧の変動幅は、寄生容量C1に対応する。また、電流線2に電圧変動が生じると、寄生容量C2による電流線2との容量結合によって信号経路L2の電圧が変動する。電圧の変動幅は、寄生容量C2に対応する。寄生容量C1とC2とは略等しくなっているため、電流線2に電圧変動が生じると、信号経路L1の電圧と信号経路L2の電圧とは略等しい変動幅で変動する。つまり、演算部12の2つの入力端の電圧は、略等しい変動幅で変動する。
このため、演算部12において、信号経路L1の電圧と信号経路L2の電圧との差をとることで、ノイズ成分である電流線2の電圧変動の影響をキャンセルし、電流測定精度の低下を抑制できる。
次に、本実施例に係る電流センサ1aの回路構成について詳述する。図4は、本実施の形態に係る電流センサ1aの回路構成を詳細に示す回路ブロック図である。
図4に示される第1磁気センサ11aは磁気平衡式センサであり、被測定電流によって発生する磁界を打ち消す方向の磁界を発生可能に配置されたフィードバックコイル111aと、磁気検出素子である磁気抵抗効果素子を含むブリッジ回路112aと、ブリッジ回路112aの差動出力を増幅し、フィードバックコイル111aのフィードバック電流を制御する差動・電流アンプ113aと、フィードバック電流を電圧に変換するI/Vアンプ114aとを含む。第2磁気センサ11bも第1磁気センサ11aと同様に、フィードバックコイル111b、ブリッジ回路112b、差動・電流アンプ113b、及びI/Vアンプ114bを含む。
フィードバックコイル111a、111bは、ブリッジ回路112a、112bの磁気抵抗効果素子の近傍に配置されており、被測定電流により発生する誘導磁界を相殺するキャンセル磁界を発生する。ブリッジ回路112a、112bの磁気抵抗効果素子としては、GMR(Giant Magneto Resistance)素子やTMR(Tunnel Magneto Resistance)素子などが用いられる。磁気抵抗効果素子は、被測定電流からの誘導磁界により抵抗値が変化するという特性を有する。このような特性を有する磁気抵抗効果素子を用いてブリッジ回路112a、112bを構成することで、高感度の電流センサ1aを実現できる。
ブリッジ回路112a、112bは、それぞれ、被測定電流Iによる誘導磁界Aに応じた電位差を生じる2つの出力端子を備える。ブリッジ回路112a、112bがそれぞれ有する2つの出力端子の出力は、差動・電流アンプ113a、113bで差動増幅され、差動増幅された出力に応じてフィードバックコイル111a、111bにフィードバック電流が流れる。フィードバック電流がフィードバックコイル111A、111Bを流れると、当該フィードバック電流によって、誘導磁界Aを相殺するキャンセル磁界が発生する。そして、誘導磁界Aとキャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときにフィードバックコイル111a、111bを流れる電流が、I/Vアンプ114a、114bで電圧に変換され、センサ出力となる。
演算部12は、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの出力電圧(すなわち、I/Vアンプ114a、114bの出力電圧)の差をとって出力する。演算部12は、例えば、差動アンプで構成される。この演算処理によって、第1磁気センサ11a、第2磁気センサ11bが受ける地磁気などの外部磁場の影響はキャンセルされ、高精度に電流を測定できる。また、ノイズ成分である電流線2の電圧変動の影響はキャンセルされ、電流測定精度の低下を抑制できる。
なお、電流センサ1aは上述した構成に限定されない。例えば、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bとしてフィードバックコイル等を用いない磁気比例式センサを用いても良い。
図5は、本実施の形態に係る電流センサ1aの出力特性を示す図である。図5において、横軸は時間を、縦軸は電圧を示している。図5に示されるように、第1磁気センサ11a側の出力及び第2磁気センサ11b側の出力には、所定のタイミングにおいて高周波領域の電圧変動が見られる(図5のV1、V2など)。当該電圧変動は、電流線2の電圧変動に起因するものである。
一方、図5に示されるように、電流センサ1aの出力には高周波領域の電圧変動の影響がほとんど見られない(図5のV3など)。第1磁気センサ11a側の信号経路L1と電流線2との寄生容量C1と、第2磁気センサ11b側の信号経路L2と電流線2との寄生容量C2との容量値が略等しくなっており、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bにおいて電圧変動の影響が略等しく表れる。これにより、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの出力の差をとることで、電圧変動の影響を十分にキャンセルできるからである。
図6は、比較例に係る電流センサの出力特性を示す図である。図6に特性が示される比較例の電流センサは、信号経路L1と電流線2との寄生容量C1と、信号経路L2と電流線2との寄生容量C2との容量値が等しくなっていない。このため、高周波領域の電圧変動の影響をキャンセルできず、電流測定の精度が低下している(図6のV4など)。
以上のように、本実施の形態の電流センサ1aは、第1磁気センサ11a側の信号経路L1と電流線2との間に形成される寄生容量C1と、第2磁気センサ11b側の信号経路L2と電流線2との間に形成される寄生容量C2とを略等しくしているため、演算部12の2つの入力端において、電流線2の電圧変動の影響が略等しく現れる。このため、第1磁気センサ11aの出力と第2磁気センサ11bの出力との差をとることで、電圧変動に起因するノイズ成分を除去することが可能になり、電流測定精度の低下を抑制できる。
なお、本実施の形態では、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bを感度軸の方向が略同一となるように配置した電流センサ1aについて示したが、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの感度軸の方向は略逆向きであっても良い。
本実施の形態は、他の実施の形態に示される構成と適宜組み合わせて実施可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上述した実施の形態とは異なる構成の電流センサについて説明する。以下において、特に相違点についてのみ説明し、繰り返しの説明は省略する。また、上述した実施の形態と同一の構成については同一の符号を用いる。
図7は、本実施の形態の電流センサの構成を示す模式図である。図7Aは電流センサ1bの平面構成を示しており、図7Bは電流センサ1bの断面構成を示している。なお、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bに付された矢印は、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの感度軸の方向を示している。また、電流線2に付された矢印は、被測定電流Iが通流する方向を示している。
図7に示されるように、本実施の形態の電流センサ1bでは第1磁気センサ11aと基板13との間に誘電体(絶縁体)でなる第1スペーサ15aが配置されている。第2磁気センサ11bと基板13との間に第1スペーサ15aとは異なる誘電体(絶縁体)でなる第2スペーサ15bが配置されている。また、第2スペーサ15bは第1スペーサ15aより厚くなっている。これにより、第2磁気センサ11bと電流線2の中心軸21との距離d2は、第1磁気センサ11aと電流線2の中心軸21との距離d1より大きくなっている。被測定電流Iによる誘導磁界Aの影響は、第2磁気センサ11bより第1磁気センサ11aにおいて大きく表れるため、第1磁気センサ11aの出力の絶対値は、第2磁気センサ11bの出力の絶対値より大きくなる。
電流センサ1bにおいて、第1磁気センサ11aの感度軸の方向と、第2磁気センサ11bの感度軸の方向とは略同一になっている。このため、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力と、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力とは、同極性になる。つまり、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力の絶対値は、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力の絶対値より大きくなり、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力と、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力とは、同極性になる。
また、本実施の形態の電流センサ1bにおいて、第1スペーサ15aと第2スペーサ15bとは異なる誘電体によって構成されており、誘電体の誘電率に応じて厚みが調節されることで、第1磁気センサ11aと電流線2との間に形成される寄生容量と、第2磁気センサ11bと電流線2との間に形成される寄生容量とが略等しくなるように構成されている。より具体的には、第1スペーサ15aを構成する誘電体の誘電率と比較して、第2スペーサ15bを構成する誘電体の誘電率が高くなっている。そして、第1磁気センサ11aと電流線2との間に形成される寄生容量と、第2磁気センサ11bと電流線2との間に形成される寄生容量とが略等しくなるように、第1スペーサ15aの厚みが第2スペーサ15bの厚みより小さくなっている。このような関係により、第1磁気センサ11aと電流線2との距離d3より第2磁気センサ11bと電流線2との距離d4が大きいにも関わらず、第1磁気センサ11aと電流線2との間に形成される寄生容量と、第2磁気センサ11bと電流線2との間に形成される寄生容量とを略等しくできる。
さらに、第1磁気センサ11aから演算部12までの信号経路L1に含まれる他の電気要素(配線など)による寄生容量と、第2磁気センサ11bから演算部12までの信号経路L2に含まれる他の電気要素(配線など)との寄生容量とは略等しくなっている。このため、信号経路L1と電流線2との間の寄生容量C1と、信号経路L2と電流線2との間の寄生容量C2とは略等しくなっている。
この構成により、演算部12において、信号経路L1の電圧と信号経路L2の電圧との差をとることで、ノイズ成分である電流線2の電圧変動の影響をキャンセルし、電流測定精度の低下を抑制できる。
本実施の形態の電流センサ1bは、厚みの異なる第1スペーサ15a及び第2スペーサを用いることで寄生容量を略等しくすると共に、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bが誘導磁界Aから受ける影響の差を大きくし、第1磁気センサ11aと第2磁気センサ11bとの出力差を大きくしている。被測定電流の電流値は出力差から算出されるため、本実施の形態の電流センサ1bのように第1磁気センサ11aと第2磁気センサ11bとの出力差を大きくすることで、電流測定精度をより高めることができる。
なお、本実施の形態では、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bを感度軸の方向が略同一となるように配置した電流センサ1bについて示したが、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの感度軸の方向は略逆向きであっても良い。
本実施の形態は、他の実施の形態に示される構成と適宜組み合わせて実施可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上述した実施の形態とは異なる構成の電流センサについて説明する。以下において、特に相違点についてのみ説明し、繰り返しの説明は省略する。また、上述した実施の形態と同一の構成については同一の符号を用いる。
図8は、本実施の形態の電流センサの構成を示す模式図である。図8Aは電流センサ1cの平面構成を示しており、図8Bは電流センサ1cの断面構成を示している。なお、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bに付された矢印は、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの感度軸の方向を示している。また、電流線2に付された矢印は、被測定電流Iが通流する方向を示している。
図8に示されるように、本実施の形態の電流センサ1cでは第2磁気センサ11bと基板13との間に非磁性の導電体でなる導電性のスペーサ15cが配置されている。このため、第2磁気センサ11bと電流線2の中心軸21との距離d2は、第1磁気センサ11aと電流線2の中心軸21との距離d1より大きくなっている。被測定電流Iによる誘導磁界Aの影響は、第2磁気センサ11bより第1磁気センサ11aにおいて大きく表れるため、第1磁気センサ11aの出力の絶対値は、第2磁気センサ11bの出力の絶対値より大きくなる。
電流センサ1cにおいて、第1磁気センサ11aの感度軸の方向と、第2磁気センサ11bの感度軸の方向とは略同一になっている。このため、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力と、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力とは、同極性になる。つまり、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力の絶対値は、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力の絶対値より大きくなり、誘導磁界Aによる第1磁気センサ11aの出力と、誘導磁界Aによる第2磁気センサ11bの出力とは、同極性になる。
また、本実施の形態の電流センサ1cにおいて、スペーサ15cは非磁性の導電体によって構成されている。このため、第1磁気センサ11aと電流線2との距離d3より第2磁気センサ11bと電流線2との距離d4が大きいにも関わらず、第1磁気センサ11aと電流線2との間に形成される寄生容量と、第2磁気センサ11bと電流線2との間に形成される寄生容量とが略等しくなっている。
さらに、第1磁気センサ11aから演算部12までの信号経路L1に含まれる他の電気要素(配線など)による寄生容量と、第2磁気センサ11bから演算部12までの信号経路L2に含まれる他の電気要素(配線など)との寄生容量とは略等しくなっている。このため、信号経路L1と電流線2との間の寄生容量C1と、信号経路L2と電流線2との間の寄生容量C2とは略等しくなっている。
この構成により、演算部12において、信号経路L1の電圧と信号経路L2の電圧との差をとることで、ノイズ成分である電流線2の電圧変動の影響をキャンセルし、電流測定精度の低下を抑制できる。
本実施の形態の電流センサ1cは、非磁性の導電体でなる導電性のスペーサ15cを用いることで寄生容量を略等しくすると共に、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bが誘導磁界Aから受ける影響の差を大きくし、第1磁気センサ11aと第2磁気センサ11bとの出力差を大きくしている。被測定電流の電流値は出力差から算出されるため、本実施の形態の電流センサ1cのように第1磁気センサ11aと第2磁気センサ11bとの出力差を大きくすることで、電流測定精度をより高めることができる。
なお、本実施の形態では、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bを感度軸の方向が略同一となるように配置した電流センサ1cについて示したが、第1磁気センサ11a及び第2磁気センサ11bの感度軸の方向は略逆向きであっても良い。また、第2磁気センサ11bを構成する基板(例えば、シリコンウェハなど)の一部に導電性を付与して、導電性のスペーサ15cとして用いても良い。例えば、第1磁気センサ11aを構成する基板(例えば、シリコンウェハなど)を第2磁気センサ11bを構成する基板より薄くして、第2磁気センサ11bを構成する基板の底側の一部に導電性を付与することで、第1磁気センサ11aと電流線2との間に形成される寄生容量と、第2磁気センサ11bと電流線2との間に形成される寄生容量とが略等しくなるように構成しても良い。
本実施の形態は、他の実施の形態に示される構成と適宜組み合わせて実施可能である。
このように、本発明の電流センサは、一方の信号経路と電流線との間に形成される寄生容量と、別の一方の信号経路と電流線との間に形成される寄生容量とを略等しくしており、演算部の2つの入力端において、電流線の電圧変動の影響が略等しく現れる。このため、2つの磁気センサの出力差をとることで、電圧変動に起因するノイズ成分を除去することが可能になり、電流測定精度の低下を抑制できる。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態では2つの磁気センサを用いているが、3つ以上の磁気センサを用いることも可能である。
また、上記実施の形態における各素子の接続関係、大きさなどは、発明の趣旨を変更しない限りにおいて変更可能である。また、上記実施の形態に示す構成、方法などは、適宜組み合わせて実施可能である。その他、本発明は、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施できる。
本発明の電流センサは、例えば、電気自動車やハイブリッドカーなどのモータ駆動用電流の大きさを検知するために用いることが可能である。
1、1a、1b、1c 電流センサ
11a 第1磁気センサ
11b 第2磁気センサ
12 演算部
13 基板
14 配線
15a 第1スペーサ
15b 第2スペーサ
15c スペーサ
C1、C2 寄生容量
L1、L2 信号経路

Claims (7)

  1. 被測定電流が通流する電流線の周囲の第1位置に配置された第1磁気センサと、前記第1位置における前記被測定電流による誘導磁界の強度より弱い誘導磁界の強度となる第2位置に配置された第2磁気センサと、前記第1磁気センサの出力と前記第2磁気センサの出力との差を算出する演算部と、を有し、
    前記第1磁気センサから前記演算部の入力端までの信号経路と前記電流線との間に形成される寄生容量と、前記第2磁気センサから前記演算部の入力端までの信号経路と前記電流線との間に形成される寄生容量と、が略等しくなるように構成されたことを特徴とする電流センサ。
  2. 前記電流線の中心軸から前記第2位置までの距離は、前記電流線の中心軸から前記第1
    位置までの距離より大きく、前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサは、前記電流線の表面からの距離が等しいことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記電流線の被測定電流が通流する方向に垂直な方向の断面形状が矩形状であることを特徴とする請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記第1磁気センサと前記電流線との間に第1誘電体でなる第1スペーサが配置され、前記第2磁気センサと前記電流線との間に前記第1誘電体より誘電率が高く前記第1スペーサより厚い第2誘電体でなる第2スペーサが配置されたことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  5. 前記第2磁気センサと前記電流線との間に導電性のスペーサが配置されたことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  6. 前記演算部は、前記第1位置及び前記第2位置より前記電流線からの距離が離れた位置に配置されたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の電流センサ。
  7. 前記演算部は、前記第1磁気センサ及び前記第2磁気センサが搭載される基板とは異なる基板に配置されたことを特徴とする請求項6に記載の電流センサ。
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