JP2012225818A - 電流センサ - Google Patents

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Abstract

【課題】被測定電流が通流する電流線に急激な電圧変動が生じても電流測定精度の低下を抑制可能な電流センサを提供すること。
【解決手段】被測定電流(I)が通流する電流線(2)の延在方向に対して主表面(12a)が略直交するよう配置された配線基板(12)と、配線基板(12)の主表面(12a)に配置され、当該配置位置における磁場の大きさに略比例する出力を与える出力端子(b、c)及び電流線(2)から出力端子(b、c)への電磁波をシールドするシールド端子(a、d)を有する磁気検出素子(11a、11b)と、を備え、シールド端子(a、d)は、出力端子(b、c)と電流線(2)との間に設けられ固定電位が与えられることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、被測定電流を非接触で測定できる電流センサに関する。
電気自動車やハイブリッドカーにおけるモータ駆動技術などの分野では比較的大きな電流が取り扱われるため、このような用途向けに大電流を非接触で測定可能な電流センサが求められている。そして、このような電流センサとして、被測定電流によって生じる磁界の変化を磁気センサによって検出する方式のものが提案されている。例えば、特許文献1には、磁気センサ用の素子として磁気抵抗効果素子を用いた電流センサが開示されている。
特開2002−156390号公報
ところで、電流線に接続される回路などの影響で、電流線には電流制御のための電圧変動が生じる。急激な電圧変動が生じると、実際の電流値はほとんど変化しないにも関わらず、電圧変動の際のノイズにより磁気センサの出力端子の電圧は変動してしまう。この場合、あたかも電流値が変動したような測定結果が得られることになり、電流測定精度は大幅に低下する。電流測定精度の低下は、例えば、電気自動車におけるモータ誤動作などの様々な問題につながるため、安全性や快適性などの観点から望ましくない。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、被測定電流が通流する電流線に急激な電圧変動が生じても電流測定精度の低下を抑制可能な電流センサを提供することを目的とする。
本発明の電流センサは、被測定電流が通流する電流線の延在方向に対して主表面が略直交するよう配置された配線基板と、前記配線基板の主表面に配置され、当該配置位置における磁場の大きさに略比例する出力を与える出力端子及び前記電流線から前記出力端子への電磁波をシールドするシールド端子を有する磁気検出素子と、を備え、前記シールド端子は、前記出力端子と前記電流線との間に設けられ固定電位が与えられることを特徴とする。
この構成によれば、シールド端子によって電流線からの電磁波がシールドされるため、磁気検出素子の出力端子における電磁ノイズを低減できる。このため、電流値に影響しない電圧変動などによって電磁波が発生しても電流測定精度の低下を抑制可能である。
本発明の電流センサにおいて、前記シールド端子はいずれも接地されても良い。
本発明の電流センサにおいて、前記シールド端子の厚みは、前記出力端子の厚み以上であっても良い。この構成によれば、十分に厚いシールド端子を出力端子と電流線との間に配置することで、電磁ノイズをさらに低減できる。
本発明の電流センサにおいて、前記配線基板は、前記出力端子に近接して設けられた導電パターンを備えても良い。この構成によれば、導電パターンがシールドとなって電磁ノイズをさらに低減できため、電流測定精度の低下をさらに抑制可能である。
本発明の電流センサにおいて、前記導電パターンは接地されても良い。
本発明の電流センサにおいて、前記導電パターンは、前記出力端子を囲むように配置されても良い。この構成によれば、導電パターンが出力端子を囲むように配置されているため、電磁ノイズをさらに低減できる。
本発明の電流センサにおいて、前記導電パターンの一部は、前記配線基板の側面に設けられても良い。この構成によれば、導電パターンの一部が配線基板の側面に設けられるため、配線基板のサイズを小さくできる。このため、電流センサを小型化可能である。
本発明の電流センサにおいて、前記シールド端子と、前記導電パターンとは電気的に接続されても良い。
本発明の電流センサにおいて、前記出力端子を2つ有し、第1出力端子と前記電流線との距離は、第2出力端子と前記電流線との距離より小さく、前記第2出力端子と前記導電パターンとの距離は、前記第1出力端子と前記導電パターンとの距離より小さくても良い。この構成によれば、電流線との距離が大きい第2出力端子と導電パターンとの距離を、電流線との距離が小さい第1出力端子と導電パターンとの距離より小さくすることで、第1出力端子と第2出力端子とにおける電磁ノイズを均質化できる。このため、2つの出力の差をとることで電磁ノイズをキャンセルし、電流測定精度の低下をさらに抑制可能である。
本発明の電流センサにおいて、前記配線基板は前記電流線を収容する切り欠き部を有し、前記切り欠き部に収容された前記電流線を挟むように2つの前記磁気検出素子が配置されても良い。この構成によれば、2つの磁気検出素子を備えることにより、2つの磁気検出素子の出力から電流値を算出できるため、電流センサ出力における外来磁場の影響を抑制できる。このため、電流測定精度を高めることができる。
本発明により、被測定電流が通流する電流線に急激な電圧変動が生じても電流測定精度の低下を抑制可能な電流センサを提供することができる。
実施の形態1に係る電流センサの構成例を示す模式図である。 実施の形態1に係る電流センサの構成例を示すブロック図である。 実施の形態1に係る磁気検出素子の構成例を示す回路図である。 実施の形態1に係る電流センサの出力特性を示す図である。 比較例に係る電流センサの出力特性を示す図である。 実施の形態2に係る電流センサの構成例を示す模式図である。 実施の形態3に係る電流センサの構成例を示す模式図である。 実施の形態4に係る電流センサの構成例を示す模式図である。
本発明者らは、電流線に接続した回路が発生する急激な電圧変動によって、電流線の電流量は殆ど変動しないにもかかわらず電流センサ出力が大きく変動して測定誤差が生じることを見出した。これは、急激な電圧変動によって電流線からノイズとなる電磁波が放射されるためである。本発明者らはこの知見を元に、電流センサ内の磁気検出素子の出力端子と電流線との間に電流線の電圧変動の影響を緩和し得るシールド部材を配置することで上記測定誤差を低減可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。以下、本発明の電流センサについて添付図面を参照して説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態に係る電流センサ1aの構成例を示す模式図である。図1Aは電流センサ1a及びその周辺の構成を模式的に示す斜視図であり、図1Bは電流センサ1aを図1Aの上方(紙面上方向)から見た平面図である。以下、斜視図の紙面左下方向に対応する方向を前、紙面右上方向に対応する方向を後、紙面左方向に対応する方向を左、紙面右方向に対応する方向を右、紙面上方向に対応する方向を上、紙面下方向に対応する方向を下、と呼ぶ。
図1に示される電流センサ1aは、被測定電流Iが通流する電流線2の周囲に配置された略直方体状の第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bと、主表面に第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bが配置される薄板状の配線基板12とを含んで構成される。なお、図1中、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bに付される矢印は、それぞれの感度軸の向きを示し、電流線2に付される矢印は、電流線2を通流する被測定電流Iの向きを示し、電流線2の周囲に配置される矢印は、被測定電流Iによる誘導磁界Hの向きを示す。
第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bは、上下方向に延在する電流線2からの距離が略等しくなるよう配線基板12の第1主表面12aに配置されている。また、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bは、感度軸が互いに同じ方向を向くように配置されている。ただし、感度軸の向きはこれに限られず、例えば、それぞれの感度軸が互いに逆向きとなっても良い。
第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bは、それぞれ8個の端子a〜hを備えており、端子a〜hを介して配線基板12と接続されている。端子b、cは磁気検出素子の出力端子であり、その出力差が、磁気検出素子の配置位置における磁場の大きさに略比例するよう構成されている。端子a、dは電流線2からの電磁波をシールドするシールド端子であり、端子b、cと電流線2との間に配置され、電流線2の電圧変動に起因する端子b、cの電磁ノイズを低減するよう固定電位(例えば、グランド(GND))と接続される。端子e、hは所定電位(例えば、+V、−V)と接続される電源端子である。端子f、gは各磁気検出素子内のフィードバックコイル(図1において不図示)の電流端子である。なお、磁気検出素子が備える端子は、磁気検出素子の機能、構成等に応じて変更可能である。このため、端子の機能や配置は上述したものに限られず、端子数も8個であることに限られない。
配線基板12は、配線パターンが形成された略U字型の基板である。配線基板12の略U字型(又は略コの字型)の形状を構成する切り欠き部12b内には、配線基板12の第1主表面12aに対して電流線2の延在方向が略直交するよう電流線2が配置されている。すなわち、配線基板12は、被測定電流Iの通流方向(電流線2の延在方向)に略垂直な面内に配置されている。また、切り欠き部12bは、切り欠き部12bを挟んで第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bが配置されるように、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの配置領域に近接して設けられている。このため、電流線2は、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bに挟まれるように配置される。また、配線基板12には、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11b以外に、演算部(図1において不図示)などの回路要素が配置されている。
電流線2は、上下方向に延在し、延在方向に垂直な断面が略長方形状の導電性部材である。ただし、電流線2の構成はこれに限られない。電流線2は、被測定電流Iを導くことが可能であればどのような構成態様でも良い。例えば、電流線2には、断面が略円形の導電部材や、薄膜状の導電部材(導電パターン)など、図示される電流線2とは構成の異なるものが含まれる。また、その材質も特に限定されない。なお、電流線2は電流センサ1aの構成外であるが、電流センサ1aは電流線2を含んで構成されても良い。
このように、電流センサ1aは、電流線2の延在方向に対して第1主表面12aが略直交するよう配置された配線基板12と、配線基板12の第1主表面12aに配置され、当該配置位置における磁場の大きさに略比例する出力を与える端子b、c、及び電流線2から端子b、cへの電磁波をシールドする端子a、dを有する第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bと、を備え、端子a、dは、端子b、cと電流線2との間に設けられ固定電位が与えられている。言い換えれば、電流センサ1aは、配線基板12と、配線基板12の第1主表面12aに配置され、当該配置位置における磁場の大きさに略比例する出力差を与える端子b及び端子cを有する第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bと、を備え、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bは、端子b及び端子cの電流線2側及び電流線2と反対側の位置に端子b及び端子cを挟むように配置されて固定電位が与えられる端子a、dを有する。
このような構成の電流センサ1aにおいて、電流線2の電圧変動に起因して電流線2から放出される電磁波は、その大部分が端子a、dによってシールドされて端子b、cに殆ど影響を与えない。このため、電流線2の電圧変動などによって電磁波が発生しても電流測定精度の低下を抑制可能である。
図2は、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bを含む電流センサ1aの構成例を示すブロック図である。図3は、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの構成例を示す回路図である。
図2に示されるように、電流センサ1aは、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bに加え、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの制御を行う制御回路素子13a、13bと、制御回路素子13a、13bからの出力の差分をとってセンサ出力とする演算部14とを有する。
図2及び図3に示されるように、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bは磁気平衡式の磁気検出素子であり、被測定電流Iによって発生する誘導磁界Hを打ち消す方向の磁界を発生可能に配置されたフィードバックコイル111a、111bと、4つの磁気抵抗効果素子M1〜M4で構成されるブリッジ回路112a、112bと、を含んで構成されている。なお、ブリッジ回路112a、112bを構成する磁気抵抗効果素子の数は4つに限られない。任意の数の磁気抵抗効果素子と固定抵抗素子とを組み合わせてブリッジ回路112a、112bを構成しても良い。
また、制御回路素子13a、13bは、ブリッジ回路112a、112bの差動出力を増幅し、フィードバックコイル111a、111bのフィードバック電流を制御する差動・電流アンプ131a、131bと、フィードバック電流を電圧に変換するI/Vアンプ132a、132bとを含んで構成されている。
フィードバックコイル111a、111bは、ブリッジ回路112a、112bの磁気抵抗効果素子M1〜M4の近傍に配置されており、被測定電流Iにより発生する誘導磁界Hを相殺するキャンセル磁界を発生する。ブリッジ回路112a、112bの磁気抵抗効果素子M1〜M4としては、GMR(Giant Magneto Resistance)素子やTMR(Tunnel Magneto Resistance)素子などが用いられる。磁気抵抗効果素子は、被測定電流からの誘導磁界により抵抗値が変化するという特性を有する。このような特性を有する磁気抵抗効果素子を用いてブリッジ回路112a、112bを構成することで、高感度の電流センサ1aを実現できる。
ブリッジ回路112a、112bの電源端子である端子eは+Vと接続され、電源端子である端子hは−Vと接続される。ブリッジ回路112a、112bがそれぞれ有する2つの端子b、cの出力は、差動・電流アンプ131a、131bで差動増幅され、フィードバックコイル111a、111bには端子f、gを通じてフィードバック電流が流れる。フィードバック電流がフィードバックコイル111a、111bを流れると、当該フィードバック電流によって、誘導磁界Hを相殺するキャンセル磁界が発生する。そして、誘導磁界Hとキャンセル磁界とが相殺される平衡状態となったときにフィードバックコイル111a、111bを流れる電流が、I/Vアンプ132a、132bで電圧に変換され、センサ出力となる。
第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bにおいて、ブリッジ回路112a、112bの出力端子である端子b、cの近傍(端子b、cの電流線2側及び電流線2と反対側)には、接地電位GNDと接続される端子a、dが配置されている(図1、図3)。端子b、cの脇にこれらを挟み込むようにシールド端子として機能する端子a、dを配置することで、電流線2からの電磁波をシールドし、端子b、cにおける電磁ノイズを低減できる。このため、電流線2の電圧変動などによって電磁波が発生しても電流測定精度の低下を抑制できる。なお、端子a、dが接続される電位は、固定電位であれば接地電位GNDに限られない。
演算部14は、制御回路素子13a、13bからの出力電圧(すなわち、I/Vアンプ132a、132bの出力電圧)の差をとって出力する。演算部14は、例えば、差動アンプで構成される。この演算処理によって、地磁気などの外部磁場の影響はキャンセルされ、高精度に電流を測定できる。
なお、電流センサ1aは上述した構成に限定されない。例えば、電流センサ1aの第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bとしてフィードバックコイル等を用いない磁気比例式のセンサを用いても良い。
図4は、本実施の形態に係る電流センサ1aの出力特性を示す図である。図4において、横軸は時間を、縦軸は電圧を示している。図4に示されるように、電流線2にノイズ電圧を与えても、電流センサ1aの出力には電圧変動の影響がほとんど見られない。これは、端子a、dがシールドとして機能して、端子b、cにおける電磁ノイズが低減されているためである。
図5は、比較例に係る電流センサの出力特性を示す図である。図5に特性が示される比較例の電流センサは、ブリッジ回路112a、112bの出力端子である端子b、cに近接して配置され、接地電位GNDと接続されるシールド端子を有していない。図5に示されるように、比較例に係る電流センサでは電圧変動による電磁波の影響を受けて出力電圧が大きく変動している。これは、電流センサの電流測定の精度が大きく低下することを示している。
ここで、図4及び図5に示される特性の電流センサを、電気自動車やハイブリッドカーのモータ駆動電流の制御に用いる場合について考察する。ここでは、電流線2に接続される車載用のインバータから、300V程度のパルス電圧(ノイズ電圧)が印加されるものとする。この場合、パルス電圧印加後10μs後の出力誤差は、図5に示される比較例の電流センサで約6Aである。
モータのトルクTは、モータのトルク定数をKt、モータを流れる電流をIaとして次のように表される。
T=Kt×Ia
通常の加速においてモータを流れる電流値は150A程度であるから、6Aの測定誤差は、通常の加速においてモータを流れる電流の4%に相当する誤差である。電気自動車などでは、測定された電流Iaをフィードバックすることでトルク制御を行っている。このため、図5に示される比較例の電流センサを用いる場合、通常の加速の際のトルクの4%に相当するトルク制御誤差が生じることになる。このように、図5に示される測定誤差の大きい電流センサを用いてモータ駆動電流の制御を行えば、急加速などが生じて安全性や快適性が低下する恐れがある。
一方、同条件において、本実施の形態に係る電流センサ1aの出力誤差は0.1A以下である。つまり、測定誤差は、通常の加速の際のトルクの0.07%以下に抑えられる。このため、本実施の形態に係る電流センサ1aを用いる場合、急加速などの問題は生じない。このように、本実施の形態の電流センサ1aを用いることで、電気自動車などのトルク制御を適切に行うことができるため、安全性および快適性を十分に高めることができる。
なお、シールド端子である端子a、dの厚みは、出力端子である端子b、cの厚み以上であることが望ましい。端子b、cを、十分に厚い端子a、dで挟み込むことにより、電磁ノイズをさらに低減できるためである。
以上のように、本実施の形態の電流センサ1aは、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの2つの端子b、cと電流線2との間に配置されて接地電位(GND)が与えられる端子a、dにより電流線2からの電磁波がシールドされるため、2つの端子b、cにおける電磁ノイズを低減できる。このため、電流線2の電圧変動などによって電磁波が発生しても電流測定精度の低下を抑制可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態に示される構成と適宜組み合わせて実施可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、上述した実施の形態とは異なる構成の電流センサについて説明する。以下において、特に相違点についてのみ説明し、繰り返しの説明は省略する。また、上述した実施の形態と同一の構成については同一の符号を用いる。
図6は、本実施の形態に係る電流センサ1bの構成例を示す平面模式図である。図6に示されるように、電流センサ1bは、被測定電流Iが通流する電流線2の周囲に配置された略直方体状の第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bと、主表面に第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bが配置される薄板状の配線基板12とを含んで構成される。
第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの構成は、電流センサ1aの場合と同様である。
配線基板12の構成も電流センサ1aの場合と概ね同じである。ただし、本実施の形態に係る電流センサ1bは、配線基板12の第1主表面12aに、端子b、cに近接する導電パターン12cが設けられている。具体的には、導電パターン12cは、第1磁気検出素子11aの端子cの外側領域(電流線2と反対の領域)と、端子bの内側領域(電流線2側の領域)、及び第2磁気検出素子11bの端子bの外側領域(電流線2と反対の領域)と、端子cの内側領域(電流線2側の領域)に配置されている。また、導電パターン12cは端子a、dに接続されると共に、接地されている。このため、導電パターン12cがシールドとなって電磁ノイズをさらに低減できる。なお、導電パターン12cは、固定電位に接続されていれば接地されていなくとも良い。さらに、導電パターン12cと端子a、dとは接続されていなくても良い。
配線基板12には、制御回路素子13a、13bが配置されている。第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの端子b、cは、配線パターン12dを介して制御回路素子13a、13bの端子と接続されている。
以上のように、本実施の形態の電流センサ1bは、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの端子a、dと、端子b、cに近接する導電パターン12cとを有することにより、2つの端子b、cにおける電磁ノイズをさらに低減できる。このため、電流測定精度の低下をさらに抑制可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態に示される構成と適宜組み合わせて実施可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上述した実施の形態とは異なる構成の電流センサについて説明する。以下において、特に相違点についてのみ説明し、繰り返しの説明は省略する。また、上述した実施の形態と同一の構成については同一の符号を用いる。
図7は、本実施の形態に係る電流センサ1cの構成例を示す平面模式図である。図7に示されるように、電流センサ1cは、被測定電流Iが通流する電流線2の周囲に配置された略直方体状の第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bと、主表面に第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bが配置される薄板状の配線基板12とを含んで構成される。
第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの構成は、電流センサ1aの場合と同様である。配線基板12の構成は電流センサ1bの場合と概ね同じである。
配線基板12の構成は電流センサ1bの場合と概ね同じである。ただし、電流センサ1cの導電パターン12eは、第1磁気検出素子11aの端子bより端子cに近接して配置されている。すなわち、導電パターン12eと第1磁気検出素子11aの外側面(電流線2と反対の側面)との距離は、導電パターン12eと第1磁気検出素子11aの内側面(電流線2寄りの側面)との距離より小さくなっている。導電パターン12eは、第1磁気検出素子11bの端子cより端子bに近接して配置されている。すなわち、導電パターン12eと第2磁気検出素子11bの外側面(電流線2と反対の側面)との距離は、導電パターン12eと第2磁気検出素子11bの内側面(電流線2寄りの側面)との距離より小さくなっている。
このように、電流線2との距離が大きい出力端子と導電パターン12eとの距離を、電流線2との距離が小さい出力端子と導電パターン12eとの距離より小さくすることで、出力端子である端子b、cにおける電流線2からの電磁ノイズを均質化できる。このため、2つの出力の差をとることで電磁ノイズをキャンセルし、電流測定精度の低下をさらに抑制可能である。
また、導電パターン12eは、出力端子である端子b、cを囲むように配置されている。導電パターン12eが端子b、cを囲むことで、電流線2からの電磁ノイズをさらに低減できる。
以上のように、本実施の形態の電流センサ1cは、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの端子a、dと、端子a、dに近接する導電パターン12eとを有することにより、2つの端子b、cにおける電磁ノイズをさらに低減できる。また、端子b、cと導電パターン12eとの距離や、導電パターン12eの形状を制御することにより、電磁ノイズを低減し、電流測定精度の低下をさらに抑制可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態に示される構成と適宜組み合わせて実施可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、上述した実施の形態とは異なる構成の電流センサについて説明する。以下において、特に相違点についてのみ説明し、繰り返しの説明は省略する。また、上述した実施の形態と同一の構成については同一の符号を用いる。
図8は、本実施の形態に係る電流センサ1dの構成例を示す模式図である。図8Aは電流センサ1dの平面図であり、図8Bは電流センサ1dのAA´断面図であり、図8Cは電流センサ1dのBB´断面図である。図8Aに示されるように、電流センサ1dは、被測定電流Iが通流する電流線2の周囲に配置された略直方体状の第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bと、主表面に第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bが配置される薄板状の配線基板12とを含んで構成される。
第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの構成は、電流センサ1aの場合と同様である。
配線基板12の構成は電流センサ1cの場合と概ね同じである。ただし、図8B、Cに示されるように、導電パターン12fの一部は、配線基板12の側面に設けられている。例えば、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの電流線2側の領域において、導電パターン12fは第1主表面12a及び側面に設けられている。また、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの電流線2とは反対側の領域において、導電パターン12fは側面のみに設けられている。これにより、第1主表面12aにおける導電パターン12の占める面積を低減できるため、導電パターン12fを第1主表面12aのみに設ける場合と比較して、配線基板12のサイズを小さくできる。つまり、電流センサを小型化可能である。
以上のように、本実施の形態の電流センサ1dは、第1磁気検出素子11a及び第2磁気検出素子11bの端子a、dと、端子a、dに近接する導電パターン12fとを有することにより、2つの端子b、cにおける電磁ノイズをさらに低減できる。また、端子b、cと導電パターン12fとの距離や、導電パターン12fの形状を制御することにより、電磁ノイズを低減し、電流測定精度の低下をさらに抑制可能である。また、導電パターン12fの一部を配線基板12の側面に設けることで、電流センサの小型化が可能である。
本実施の形態は、他の実施の形態に示される構成と適宜組み合わせて実施可能である。
このように、本発明の電流センサは、磁気検出素子の出力端子と電流線との間に配置されて固定電位が与えられるシールド端子により電流線からの電磁波がシールドされるため、出力端子における電磁ノイズを低減できる。このため、電流線の電圧変動などによって電磁波が発生しても電流測定精度の低下を抑制可能である。
なお、本発明は上記実施の形態に限定されず、種々変更して実施することができる。例えば、上記実施の形態では2つの磁気センサを用いているが、3つ以上の磁気センサを用いることも可能である。
また、上記実施の形態における各素子の接続関係、大きさなどは、発明の趣旨を変更しない限りにおいて変更可能である。また、上記実施の形態に示す構成、方法などは、適宜組み合わせて実施可能である。その他、本発明は、本発明の範囲を逸脱しないで適宜変更して実施できる。
本発明の電流センサは、例えば、電気自動車やハイブリッドカーなどのモータ駆動用電流の大きさを検知するために用いることが可能である。
1a、1b、1c、1d 電流センサ
11a 第1磁気検出素子
11b 第2磁気検出素子
12 配線基板
13a、13b 制御回路素子
14 演算部
a、b、c、d、e、f、g、h 端子
M1、M2、M3、M4 磁気抵抗効果素子

Claims (10)

  1. 被測定電流が通流する電流線の延在方向に対して主表面が略直交するよう配置された配線基板と、前記配線基板の主表面に配置され、当該配置位置における磁場の大きさに略比例する出力を与える出力端子及び前記電流線から前記出力端子への電磁波をシールドするシールド端子を有する磁気検出素子と、を備え、
    前記シールド端子は、前記出力端子と前記電流線との間に設けられ固定電位が与えられることを特徴とする電流センサ。
  2. 前記シールド端子はいずれも接地されたことを特徴とする請求項1に記載の電流センサ。
  3. 前記シールド端子の厚みは、前記出力端子の厚み以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の電流センサ。
  4. 前記配線基板は、前記出力端子に近接して設けられた導電パターンを備えたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の電流センサ。
  5. 前記導電パターンは接地されたことを特徴とする請求項4に記載の電流センサ。
  6. 前記導電パターンは、前記出力端子を囲むように配置されたことを特徴とする請求項4又は請求項5に記載の電流センサ。
  7. 前記導電パターンの一部は、前記配線基板の側面に設けられたことを特徴とする請求項6に記載の電流センサ。
  8. 前記シールド端子と、前記導電パターンとは電気的に接続されたことを特徴とする請求項4から請求項7のいずれかに記載の電流センサ。
  9. 前記出力端子を2つ有し、第1出力端子と前記電流線との距離は、第2出力端子と前記電流線との距離より小さく、前記第2出力端子と前記導電パターンとの距離は、前記第1出力端子と前記導電パターンとの距離より小さいことを特徴とする請求項4から請求項8のいずれかに記載の電流センサ。
  10. 前記配線基板は前記電流線を収容する切り欠き部を有し、
    前記切り欠き部に収容された前記電流線を挟むように2つの前記磁気検出素子が配置されたことを特徴とする請求項1から請求項9のいずれかに記載の電流センサ。
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