JP5125570B2 - 固体レーザ装置 - Google Patents
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しかし、固体レーザ結晶の波長−吸収強度特性の最大値を与える波長帯ではスペクトル変化が急峻であるため、わずかな波長変化で吸収強度が大きく変化する。一方、マルチモードの半導体レーザは、その半導体レーザの共振器長で決まる波長間隔で複数本の発振スペクトルが存在し、高周波でのモードホップを繰り返している。このため、半導体レーザのモードホップによって固体レーザ結晶の吸収強度が高周波で大きく変化することを繰り返す結果となり、高周波の光ノイズが発生してしまう問題点があった。
そこで、本発明の目的は、高周波の光ノイズを抑制することが出来る固体レーザ装置を提供することにある。
上記第1の観点による固体レーザ装置では、固体レーザ結晶の波長−吸収強度特性の最大値を与える波長帯の励起レーザ光を半導体レーザで発生せず、最大値を与える波長帯で励起した場合よりも吸収強度変化が小さい波長帯の励起レーザ光を半導体レーザで発生させる。これにより、半導体レーザのモードホップによって固体レーザ結晶の吸収強度が高周波で大きく変化することが抑制され、固体レーザ結晶の波長−吸収強度特性の最大値を与える波長帯の励起レーザ光を半導体レーザで発生した場合よりも半導体レーザの駆動電流は大きくなるが、高周波の光ノイズを抑制することが出来る。従って、半導体レーザの駆動電流の大小よりも光ノイズの大小の方が重要な用途に有用である。例えば計測用として有用である。
上記第2の観点による固体レーザ装置では、固体レーザ装置からの出力光の強度が一定になるように駆動電流を制御した状態における半導体レーザの発振波長−駆動電流特性の最小値を与える波長帯の励起レーザ光を半導体レーザで発生せず、最小値を与える波長帯で励起した場合よりも高周波の光ノイズが小さい波長帯の励起レーザ光を半導体レーザで発生させる。これにより、半導体レーザの発振波長−駆動電流特性の最小値を与える波長帯の励起レーザ光を半導体レーザで発生した場合よりも半導体レーザの駆動電流は大きくなるが、高周波の光ノイズを抑制することが出来る。従って、半導体レーザの駆動電流の大小よりも光ノイズの大小の方が重要な用途に有用である。例えば計測用として有用である。
この固体レーザ装置100は、励起レーザ光を発生する半導体レーザ11と、励起レーザ光を集光する集光レンズ系12と、所定の厚みを持ち且つ励起レーザ光の入射面に反射面13aが形成され且つ励起レーザ光により励起されて基本波光を発生する固体レーザ結晶13と、固体レーザ結晶13の反射面13aとの間で光共振器17を形成する反射面を持つ出力側ミラー16と、光共振器17内に挿入され基本波光の高調波光を発生する非線形光学素子14と、光共振器17内に挿入される波長選択素子15とを具備している。
この例の半導体レーザ11の温度−励起レーザ光波長特性TLでは、半導体レーザ11の温度46℃で波長808.4nm、温度32℃で波長804.4nmになっており、温度に応じて波長がリニアに変化している。
他方、この例の固体レーザ結晶13の波長−吸収強度特性LAでは、吸収強度の顕著な極大点が波長808.5nmと波長804.5nmにある。
これに対して、従来の固体レーザ装置では、半導体レーザ11の温度を約47℃±1℃に温調し、808.4nmを中心とする波長帯L1の励起レーザ光を用いている。
この固体レーザ装置100が使用する波長帯L2では、駆動電流Iopは約890mAであり、光ノイズは0.2%〜0.3%である。
これに対して、従来の固体レーザ装置が使用する波長帯L1では、駆動電流Iopは約700mA〜780mAであり、光ノイズは0.49%〜0.55%である。
すなわち、実施例1の固体レーザ装置100では、従来の固体レーザ装置に比べて、駆動電流Iopは大きくなるが、光ノイズは小さくなっている。
ステップQ1では、固体レーザ結晶13の波長−吸収強度特性を測定する。例えば図2の波長−吸収強度特性LAを得る。
ステップQ2では、波長−吸収強度特性の極大値を与える波長を見つけ、極大値が大きい順に波長に番号1,2,…,Nを付ける。例えば図2の波長−吸収強度特性LAでは、波長808.4nmを第1の波長とし、波長804.4nmを第2の波長とする。
ステップQ8では、波長番号カウンタnを1だけインクリメントし、ステップQ5に戻る。
ステップW1では、固体レーザ結晶13を組み込んだ固体レーザ装置100を一定のレーザ出力になるように駆動し、励起レーザ光波長−半導体レーザ駆動電流特性を測定する。例えば図3の励起レーザ光波長−駆動電流特性LCを得る。
ステップW2では、励起レーザ光波長−半導体レーザ駆動電流特性の極小値を与える駆動電流を見つけ、極小値が小さい順に波長に番号1,2,…,Nを付ける。例えば図3の励起レーザ光波長−駆動電流特性LCでは、波長808.4nmを第1の波長とし、波長804.4nmを第2の波長とする。
ステップW8では、波長番号カウンタnを1だけインクリメントし、ステップW5に戻る。
11 半導体レーザ
13 固体レーザ結晶
16 出力側ミラー
21 半導体レーザ温度制御回路
25 制御回路
100 固体レーザ装置
Claims (2)
- 励起レーザ光を発生するマルチモードの半導体レーザと、前記励起レーザ光によって励起される固体レーザ結晶と、前記固体レーザ結晶の波長−吸収強度特性の最大値を与える波長帯でなく且つ最大値を与える波長帯よりも吸収強度の波長による変化率が小さい波長帯の励起レーザ光を発生するように前記半導体レーザの温度を制御することにより、前記半導体レーザのモードホップに起因する高周波の光ノイズを抑制する半導体レーザ温度制御手段とを具備することを特徴とする固体レーザ装置。
- 励起レーザ光を発生するマルチモードの半導体レーザと、前記励起レーザ光によって励起され且つ前記励起レーザ光の入射面に反射面が形成された固体レーザ結晶と、前記反射面との間で光共振器を形成する反射面を持つ出力側ミラーと、前記固体レーザ結晶を含む光共振器内に収容され前記光共振器で発振する基本波の第二高調波を出力する非線形光学結晶と、前記出力側ミラーから外部へ出力される第二高調波を出力の強度が一定になるように制御した駆動電流を前記半導体レーザへ供給する半導体レーザ駆動手段と、励起レーザ光の波長−駆動電流特性の最小値を与える波長帯でなく且つ最小値を与える波長帯で励起した場合よりも第二高調波を出力の高周波の光ノイズが小さい波長帯の励起レーザ光を発生するように前記半導体レーザの温度を制御することにより、前記半導体レーザのモードホップに起因する高周波の光ノイズを抑制する半導体レーザ温度制御手段とを具備することを特徴とする固体レーザ装置。
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Applications Claiming Priority (1)
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JP2008028831A JP5125570B2 (ja) | 2008-02-08 | 2008-02-08 | 固体レーザ装置 |
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