JP5124197B2 - 電動送風機 - Google Patents
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Description
そこで、特許文献1には、ケースの吸込口とファンとの隙間に空気が漏れにくい構造の電動送風機が提案されている。
また、従来のディフューザは、一般に、樹脂の一体成形品であり、変形や反りを少なくしてケースとの密着性を良好にしようとした場合、その成形が困難であるという課題があった。
この発明は、また、2部品で構成されるディフューザの1部品が、ケースの少なくとも一部を形成し、ディフューザとケースとの間の空気漏れを無くした電動送風機を提供することを他の目的とする。
いる電動送風機であって、前記ケースの前壁には、中央壁と中央壁の周囲に連設された環状壁が形成され、環状壁にディフューザの表ボリュート翼が形成され、前記ケースの少なくとも前壁および前記ディフューザの表ボリュート翼は樹脂により一体成形されており、前記ディフューザのベースおよび裏ボリュート翼は、前記前壁および表ボリュート翼とは別体として、樹脂により一体成形されており、前記ベースの一方面に、前記表ボリュート翼の端縁が結合されているとともに、前記ケースの円筒状側壁は、前記ケース前壁とは別体の金属で形成され、当該金属製円筒状側壁の前端は内方へ曲成され、前記ケース前壁の環状壁前面に重なる環状積層部を備え、下端縁がモータに固定されていることを特徴とする、電動送風機である。
請求項3記載の発明は、前記ベースは、中央部にモータ軸が貫通するための軸孔が形成され、一方面には、軸孔周囲に、軸孔と同心に、ファンの一部を配置するための円形平板
部が形成されていて、当該円形平板部の外周には肉厚環状部が備えられ、前記肉厚環状部の一方面には、前記表ボリュート翼の端縁が嵌合する溝が形成されており、前記表ボリュート翼の端縁は、前記肉厚環状部の溝に嵌合されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電動送風機である。
請求項5記載の発明は、前記肉厚環状部に対向する前記前壁の内面は、肉厚環状部に対応して、後方に向かって徐々に湾曲する湾曲面となっていることを特徴とする、請求項4記載の電動送風機である。
請求項7記載の発明は、前記ファンは、中央に、前方へ突出する環状突出縁により区画された吸込孔を有する前円板、その前円板と所定間隔をあけて対向された後円板、ならびに、前円板および後円板間に設けられた複数枚のブレードを含み、前記吸込孔から空気を吸い込んで前円板および後円板の間から側方へ空気を放出する遠心ファンであり、前記前壁の吸込口には、空気の進入方向に見て下流側に、前記ファン前円板の環状突出縁が摺接する接触部が形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の電動送風機である。
請求項9記載の発明は、前記吸込口は、風の進入方向に沿って滑らかに内方へ湾曲していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の電動送風機である。
請求項10記載の発明は、前記ケース前壁は、吸込口に向かって傾斜する傾斜前面を有することを特徴とする、請求項9記載の電動送風機である。
が存在しており、前記前壁内面には、前記空間へ突出する補強リブが設けられていることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の電動送風機である。
請求項12記載の発明は、前記ファンの前円板と前記前壁内面との間には、所定の空間が存在しており、前記前壁内面には、前記空間の少なくとも一部を埋める吸音材が設けられていることを特徴とする、請求項7〜11のいずれかに記載の電動送風機である。
また、ケース前壁と一体化された樹脂製のディフューザを金属製の円筒状ケースで取り囲むように固定でき、電動送風機の形状の自由度を保ちつつ、強度を確保できる。また、金属製ケースがモータに固定されるため、モータとケースとの緩みの問題がなく、接着剤も不要である。ディフューザは金属製ケースの環状積層部が重ね合わされるように固定されるので、固定が確実で、しかもシール性の良い電動送風機となる。
請求項3記載の発明によれば、表ボリュート翼の端縁は肉厚環状部の一方面に連結されるが、厚くなった肉厚環状部に溝を設けるため、溝の深さを嵌合に十分な深さとすることができ、表ボリュート翼により区画される整流風路のシール性を向上できる。
請求項5記載の発明では、前壁の内面も肉厚環状部に対応して湾曲しているので、風の流れをよりスムーズにすることができる。
請求項6記載の発明では、表ボリュート翼がベースの外周縁よりも外方へ突出するため、表ボリュート翼のひけや倒れ等がなく、送風効率を向上させることができる。
請求項8記載の発明によれば、最小限のシール剤により吸込口部分の空気の漏れを防ぐことができる。
請求項10記載の発明によれば、吸込口にスムーズに風を導くことができ、送風効率の良い電動送風機とできる。
請求項11記載の発明によれば、樹脂で形成されたケース前壁を補強することができ、ファンの回転がスムーズな電動送風機となる。
請求項13記載の発明によれば、ファンの回転がスムーズで、送風効率の良い電動送風機とすることができる。
図1は、この発明の一実施形態に係る電動送風機1の縦断面を示す斜視図であり、図2は、その電動送風機1の縦断面図である。図1および図2においては、モータ2の構成は簡略化して示されている。
以下の説明では、図に付したX軸の矢印側を上方(または前方)とし、反対側を下方(または後方)として説明し、構成要素の方向は、この方向に則して説明をする。
モータ2は、モータケース20内に略垂直に配置されたモータ軸21を備え、モータ軸21の上下方向略中央部には電機子22が固定されている。モータ軸21には、また、電機子22の下方側に整流子23が固定されている。モータ軸21は、その下端およびその上方部が、それぞれ、軸受24、25で回転自在に保持されている。下方の軸受24はモータケース20の下面中央で受け止められており、上方の軸受25はモータケース20に取り付けられたステー26により受け止められている。
ファン3は、上下に対向して配置された上円板30および下円板31と、それら上下円板30、31の間に固定された複数枚のブレード32とを有している。ファン3は、図示を省略した取り付け構造によって下円板31がモータ軸21に固定されている。ファン3は、上円板30の中央部に吸込孔33が形成されており、モータ2によって高速回転されると、吸込孔33から空気を吸い込み、上円板3および下円板31の間から側方へと空気を排出する。つまり、ファン3は、いわゆる遠心ファンである。
第1部品41は、前方へ膨出した中央壁44ならびに中央壁44の周囲に連設された段差壁54および環状壁45を含んでおり、中央壁44、段差壁54および環状壁45によってケース前壁50が形成されている。すなわち、この実施形態では第1部品41によってケース前壁50が形成されている。
第22部品42は、円盤状のベース47およびベース47の下面に設けられた複数枚の裏ボリュート翼48を備えている。第1部品41の表ボリュート翼46は、その下端縁が第2部品42のベース47の上面に形成された溝に嵌合されている。
ケース5は、たとえば亜鉛メッキ鋼板等の金属板で形成されており、円筒状の周壁501と、周壁501の前端が内方へ湾曲された円環状の積層部51とを有している。周壁501の下端縁は外面側へ折り返されたカーリングによる縁取り加工がされており、周壁501の下端縁はステー26の周縁の係合片261と固定されている。一方、積層部51は第1部品41の環状壁45の前面(上面)に積層され、ケース前壁50を上方から押さえるように保持している。
図3A〜図4を参照して、樹脂で一体成形された第1部品41には、吸込口49が形成された中央壁44と、中央壁44の周囲に連設された段差壁54と、中央壁44よりも一段低く構成された環状壁45と、環状壁45の下面に突設された複数枚の表ボリュート翼46とが含まれている。表ボリュート翼46は、略垂直方向に突出するように設けられており、底面視において、吸込口49を中心に渦巻き状に配置されている。表ボリュート翼46は環状壁45の下面だけに突設されており、中央壁44の下方にはファン3が配置されるようになっている(図1,図2参照)。
図5A〜図6を参照して、第2部品42も、樹脂で一体成形されており、円盤状のベース47を有している。ベース47の中央には軸孔471が形成されている。軸孔471には、モータ軸21が貫通される。より具体的には、ベース47の中央部には、下方に突出する固定用筒472が延設され、固定用筒472の下端が内方へ湾曲されるようにして、軸孔471が形成されている。
ベース47の下面には、底面視で渦巻き状をした多数枚の裏ボリュート翼48が突設されている。各裏ボリュート翼48は、略垂直に突出しており、隣接する各裏ボリュート翼48の間に戻り風路が区画されている。
図7A、図7B、図7Cは、図3A、図3B、図3Cを参照して説明した第1部品41の変形例を示す平面図、縦断面図および底面図である。図7A〜図7Cに示す第1部品410は、環状壁45の下面全域に表ボリュート翼46が形成されているのではなく、環状壁45の外周部を除く領域に表ボリュート翼46が設けられた例が示されている。すなわち、図7A〜図7Cに示す第1部品410は、図3A〜図3Cに示す第1部品41と比べて、表ボリュート翼46が相対的に短く、かつ環状壁45の下面内方寄りに設けられた構成例となっている。
図14は、第1部品410のさらに変形例を示す。たとえば図10Aに示す第1部品410において、空間444内には補強リブ445が立設されているが、各補強リブ445の間に吸音材450が充填された構成が図14である。空間444に吸音材450を充填することにより、ファン3の回転時に生じる回転音または空気の吸込音を軽減することができ、運転音の低減された電動送風機とすることができる。
一方、環状壁45の外周面は、円筒ケース5の内周面と当接されるが、ケース5が金属製であり、第1部品41が樹脂製であることから、製作上の微小な誤差があり、図16に示すように、環状壁45の外周面とケース5の内周面452との間に微小な隙間dが生じる可能性がある。そして、かかる隙間dには整流路60を流れる風の一部が進入する可能性がある。そこで、図16に示すように、第1部品41の環状壁45の外周下方端にごく微小な突起453(0.1mm程度のばり)を形成するのが望ましい。かかるばり453を形成すれば、環状壁45とケース5の間への風の進入を防止でき、電動送風機の性能改善が実現できる。
さらに、図18に示すように、ケース5の環状板51は、その内縁が下方に向かって折り曲げられた折曲部53を有していてもよい。折曲部53を有することにより、たとえ環状壁45とケース5との隙間に風が進入しても、その風は第1部品411の前面側から漏れることがなく、ケース5と第1部品41とのシール性を向上させ、電動送風機の性能改善を実現できる。
図20〜図23は、第1部品412とファン3との配置構造の一例を表わす図であり、特に、ファン3の吸込孔33と第1部品412の吸込口49との間を気密的に連結する接続構造の例を示す図である。
そこで、図21に示すように、第1部品412に形成する吸込口49を、中央壁44の内周面側が前方へ盛り上がりかつ後方へ反転するように湾曲させ、その湾曲して後方へ垂がる垂下部454の肉厚を、先端が細くなるように形成する。そして、垂下部454の外周側にファン3の上円板30の内周縁の先端301が食い込み、ファン3が摺接する構成とされている。これにより、先端垂下部454とファン3の上円板30との隙間から空気が侵入しない。
図21の構成に代え、図22に示すように、第1部品412の吸込口49を区画する口部440の下面に、シール剤充填用の窪み439を形成し、その窪み439内にシール剤61を充填した構成としてもよい。この場合において、第1部品412を底面側から見たとき、図23に示すように、窪み439が、吸込口49を中心に周面がぎざぎざになった形状の窪みとしてもよい。かかる形状の窪み439とすることにより、この窪み439内にシール剤が充填された際、当該シール剤が剥がれにくいという利点がある。
まず、図24A〜図25Cは、この発明の他の実施形態に係るディフューザ100の説明図である。ディフューザ100は、図24A〜図24Cに示す本体と、図25A〜図25Cに示す前板102との2部品により構成されている。図24Aはディフューザ100の本体101の平面図、図24Bは本体101の縦断面図、図24Cは本体101の底面図である。また、図25Aは前板102の平面図、図25Bは前板102の縦断面図、図25Cは前板102の底面図である。
図26は、本体101および前板102が組み合わされたディフューザ100の完成形状を示す縦断面図である。図26のように組み立てられたディフューザ100では、図27の部分拡大図に示されているように、表ボリュート翼108の上端縁111は、前板102の裏面に形成された嵌合溝110に嵌合している。そして、前板102の上面を、図示しないケース内面に密着させるようにディフューザ100を配置することにより、白抜き矢印で示すようにディフューザで整流される風が流れ、風路外へ漏れ出すことを防止できる。
あるいは、図29に示すように、表ボリュート翼108を、その上端が水平に延びる形状とし、前板102の下面113に形成する嵌合溝110が、外方に向かって深さが深くなった溝としてもよい。図28に示す嵌合溝110とするか、図29に示す嵌合溝110とするかは、表ボリュート翼108の上端の形状と合わせて選択すればよい。
本体121の上方に前板122を組み合わせることにより、図33Aに示すディフューザ120が完成する。
図35は、図34に示すディフューザ120のさらに変形例である。図35に示すディフューザ120の特徴は、前板122の下面131に設けられた表ボリュート翼130の根元部にR状の湾曲面136が設けられたことである。これにより、風路をよりスムーズに風が流れるという利点がある。なお、表ボリュート翼130の根元に形成する湾曲面136は、図36Aおよび図36Bに示すように、表ボリュート翼130により導かれる風の入口側で曲率半径の小さな湾曲面136Aとされ、出口側で曲率半径の大きな湾曲面136Bとされるのが望ましい。これにより、風の入口側では小さな湾曲面によって風路を確保でき、風の出口側では戻り風路へのスムーズな風の方向変化が行えるという利点がある。よって風の入口から出口までスムーズな流れを実現でき、送風効率の向上を図れる。
2 モータ
3 ファン
4、100、120 ディフューザ
5 ケース
33 吸込孔
41 第1部品
42 第2部品
46、108、130 表ボリュート翼
48、109、129 裏ボリュート翼
47、103、123 ベース
49 吸込口
50 ケース前壁
51 環状板(積層部)
101、121 本体
102、122 前板
Claims (13)
- 吸込口が形成された前壁および前壁の外縁から後方へ延びる円筒状の側壁を有するケースで覆われており、前記吸込口から空気を吸い込むためにモータにより回転されるファン、および、そのファンが生じる風を整流するためのディフューザを含み、当該ディフューザは、略円盤状のベース、ベースの一方面に設けられた複数枚の表ボリュート翼、および、ベースの他方面に設けられた複数枚の裏ボリュート翼を備えている電動送風機であって、前記ケースの前壁には、中央壁と中央壁の周囲に連設された環状壁が形成され、環状壁にディフューザの表ボリュート翼が形成され、
前記ケースの少なくとも前壁および前記ディフューザの表ボリュート翼は樹脂により一体成形されており、
前記ディフューザのベースおよび裏ボリュート翼は、前記前壁および表ボリュート翼とは別体として、樹脂により一体成形されており、
前記ベースの一方面に、前記表ボリュート翼の端縁が結合されているとともに、
前記ケースの円筒状側壁は、前記ケース前壁とは別体の金属で形成され、
当該金属製円筒状側壁の前端は内方へ曲成され、前記ケース前壁の環状壁前面に重なる環状積層部を備え、下端縁がモータに固定されていることを特徴とする、電動送風機。 - 前記ケース前壁および前記金属製側壁の重なる部分には、風が通るのを阻止するための防風構造が付設されていることを特徴とする、請求項1記載の電動送風機。
- 前記ベースは、中央部にモータ軸が貫通するための軸孔が形成され、一方面には、軸孔周囲に、軸孔と同心に、ファンの一部を配置するための円形平板部が形成されていて、当該円形平板部の外周には肉厚環状部が備えられ、
前記肉厚環状部の一方面には、前記表ボリュート翼の端縁が嵌合する溝が形成されており、
前記表ボリュート翼の端縁は、前記肉厚環状部の溝に嵌合されていることを特徴とする、請求項1〜2のいずれかに記載の電動送風機。 - 前記肉厚環状部の外周縁は、厚み方向中央部に対して面対称に、その厚みが徐々に薄くなるように湾曲されていることを特徴とする、請求項3記載の電動送風機。
- 前記肉厚環状部に対向する前記前壁の内面は、肉厚環状部に対応して、後方に向かって徐々に湾曲する湾曲面となっていることを特徴とする、請求項4記載の電動送風機。
- 前記表ボリュート翼は、その外側が前記ベースの外周縁よりも外方へ突出していることを特徴とする、請求項5記載の電動送風機。
- 前記ファンは、中央に、前方へ突出する環状突出縁により区画された吸込孔を有する前円板、その前円板と所定間隔をあけて対向された後円板、ならびに、前円板および後円板間に設けられた複数枚のブレードを含み、前記吸込孔から空気を吸い込んで前円板および後円板の間から側方へ空気を放出する遠心ファンであり、
前記前壁の吸込口には、空気の進入方向に見て下流側に、前記ファン前円板の環状突出縁が摺接する接触部が形成されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の電動送風機。 - 前記接触部には、接触部を気密的に保つためのシール材が介在されていることを特徴とする、請求項7記載の電動送風機。
- 前記吸込口は、風の進入方向に沿って滑らかに内方へ湾曲していることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の電動送風機。
- 前記ケース前壁は、吸込口に向かって傾斜する傾斜前面を有することを特徴とする、請求項9記載の電動送風機。
- 前記ファンの前円板と前記前壁内面との間には、所定の空間が存在しており、
前記前壁内面には、前記空間へ突出する補強リブが設けられていることを特徴とする、請求項7〜10のいずれかに記載の電動送風機。 - 前記ファンの前円板と前記前壁内面との間には、所定の空間が存在しており、
前記前壁内面には、前記空間の少なくとも一部を埋める吸音材が設けられていることを特徴とする、請求項7〜11のいずれかに記載の電動送風機。 - 前記補強リブまたは吸音材により、前記ファンの前円板と前記前壁内面との間に生じる空間の幅がほぼ一定幅にされていることを特徴とする、請求項11または12記載の電動送風機。
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