JP5123051B2 - 金属表面処理剤、金属材料の表面処理方法および表面処理金属材料 - Google Patents

金属表面処理剤、金属材料の表面処理方法および表面処理金属材料 Download PDF

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Description

本発明は、金属表面処理剤、金属材料の表面処理方法および表面処理金属材料に関する。
亜鉛系メッキ鋼板、鋼板等の金属材料は、大気中の酸素、水分、水分中に含まれるイオン等によって酸化され腐食する。これらの腐食を防止する方法として、従来より、クロム酸クロメート等のクロムを含有する処理液に金属材料表面を接触させてクロメート皮膜を析出させる、或いは塗布して乾燥させる等して金属表面にクロメート皮膜を形成させる方法がある。
しかしながら、これらの無機系のクロメート皮膜単独では、比較的マイルドな環境下では、短期的な防錆性が発揮されるものの、長期に亘っての或いはより厳しい環境での耐食性は不十分である。また、クロメート単独処理を施したシートコイルを切り出して成形加工すると、形成された皮膜が硬質で脆く潤滑性に乏しいため、皮膜が脱落し外観を損ねるだけでなく、十分な加工ができず、素材に亀裂が生じ割れてしまうという不具合が生じる。また、さらに、作業時に作業者の指紋が付着し、脱脂洗浄してもその痕跡が残るため、外観を損ねる不具合もある。
そこで、一般には、高耐食性、耐指紋性、耐傷付き性、潤滑性、塗装密着性等のすべての性能を満足するためには、金属材料表面にクロメート皮膜を形成し、形成されたクロメート皮膜上に、さらに樹脂皮膜を設ける2層処理が行われている。また、クロメート皮膜は性能的に不十分であるほか、その処理液中に有害な6価クロムを有しているため廃水処理に手間やコストが掛かるほか、形成された皮膜中にも6価クロムを含有しているので環境面、安全面から敬遠される傾向にある。
1層処理ですべての性能を満足させようとする試みとしては、クロメートと樹脂皮膜とを一度に形成させる樹脂クロメートが検討されている。
特許文献1には、アルミニウム−亜鉛めっき鋼板の表面に、特定の水分散系または水溶性樹脂と特定量の6価クロムを配合した樹脂組成物を塗布する処理方法が記載されている。
また、特許文献2には、無機化合物の6価クロムイオンまたは6価クロムイオンと3価クロムイオン、および特定の乳化重合条件で重合したアクリルエマルジョンを含有する金属表面処理組成物が記載されている。
しかしながら、前述したように、皮膜中に含有される6価クロムは微量ではあるが、徐々に解け出す性質を持っており、環境面、安全面に問題を有している。
クロムを有さないノンクロメート処理液を用いる方法としては、特許文献3に、優れた耐食性、耐アルカリ性および耐黒変性を付与するために用いる、クロムを含有しない金属表面処理剤、並びに表面処理方法および表面処理金属材料が記載されている。
また、特許文献4に、カチオン性またはノニオン性のウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂等の水溶性樹脂または水系エマルジョン樹脂、特定構造のフェノール樹脂系重合体および特定の金属化合物とを含有する金属表面処理剤、並びに表面処理方法および表面処理金属材料が記載されている。
また、特許文献5には、特定構造のフェノール樹脂系重合体、バナジウム化合物および特定の金属化合物とを含有する金属表面処理剤、並びに表面処理方法および表面処理金属材料が記載されている。
特公平4−2672号公報 特公平7−6070号公報 特開2006−152435号公報 特開2003−13252号公報 特開2001−181860号公報
しかしながら、従来のクロムを用いない金属表面処理においては、処理液が6価クロムを含有しない利点がある反面、耐食性が不十分で、特にキズ部、加工部の耐食性は、クロメート皮膜に比べ著しく劣っており、また、耐指紋性、耐傷付き性および潤滑性も不十分であるという問題がある。したがって、現状では、金属材料表面に優れた耐食性、加工部耐食性、耐アルカリ性、耐黒変性および耐指紋性を同時に付与し得る皮膜を形成するようなノンクロメート系の金属表面処理剤は得られていない。
そこで、本発明は、前記従来技術の抱える問題を解決し、金属材料に優れた耐食性、耐アルカリ性、耐黒変性および耐指紋性を付与することができる、クロムを含有しない金属表面処理剤および金属表面処理方法、ならびにそれを用いて得られる表面処理金属材料を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、アルコキシシリル基と、芳香環と、前記芳香環に直接結合しているヒドロキシ基と、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基および第四級アンモニウム基からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ基とを有する水溶性の化合物(A)と、バナジウム、ジルコニウム、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガン、セリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、ストロンチウムおよびリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む化合物(B)とを含有し、上記化合物(A)が、重合体であり、前記化合物(A)に対する前記化合物(B)中の前記金属の固形分質量比[(B)/(A)]が、1/100〜1/1である金属表面処理剤を提供する。
ここで、前記アルコキシシリル基は、前記アミノ基の窒素原子に直接またはアルキレン基を介して結合しているのが好ましい。
また、前記化合物(B)は、バナジウムを含む化合物であるのが好ましい。
また、さらに、無機酸および有機酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸(C)を含有するのが好ましい。
また、さらに、シランカップリング剤(D)を含有するのが好ましい。
また、さらに、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性樹脂または水系エマルジョン樹脂(E)を含有するのが好ましい。
また、上記目的を達成するために、本発明は、金属材料の表面に、本発明の金属表面処理剤を塗布した後、水洗することなく、前記金属表面処理剤を塗布された後の前記金属材料の温度が50〜250℃になるように加熱乾燥して皮膜を形成する、金属材料の表面処理方法を提供する。
また、上記目的を達成するために、金属材料の表面に、本発明の金属材料の表面処理方法によって形成された皮膜を有する表面処理金属材料を提供する。
本発明の金属表面処理剤はクロムを含有せず、それを用いた本発明の金属表面処理方法は、金属材料に優れた耐食性、耐アルカリ性、耐黒変性および耐指紋性を付与することができる。また、本発明の表面処理金属材料は、優れた耐食性、耐アルカリ性、耐黒変性および耐指紋性を有する。
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明の金属表面処理剤は、アルコキシシリル基と、芳香環と、前記芳香環に直接結合しているヒドロキシ基と、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基および第四級アンモニウム基からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ基とを有する水溶性の化合物(A)と、バナジウム、ジルコニウム、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガン、セリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、ストロンチウムおよびリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む化合物(B)とを含有し、前記化合物(A)に対する前記化合物(B)中の前記金属の固形分質量比[(B)/(A)]が、1/100〜1/1である金属表面処理剤である。
本発明に用いられる化合物(A)は、アルコキシシリル基と、芳香環と、前記芳香環に直接結合しているヒドロキシ基と、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基および第四級アンモニウム基からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ基とを有する水溶性の化合物である。化合物(A)は、単量体であってもよく、重合体であってもよい。
芳香環とフェノール性ヒドロキシ基とを有する化合物にアルコキシシリル基を導入することにより、本発明の処理液の密着性、耐食性および耐アルカリ性が大きく向上する。
また、化合物(A)がアミノ基を有していることにより、水溶性が高くなり、本発明の処理液の安定性が高くなり、更に、耐食性や耐アルカリ性もより高くなる。
前記アルコキシシリル基は、ケイ素原子とケイ素原子に直接結合しているアルコキシ基とを有する基であればよく、ケイ素原子とケイ素原子に直接結合しているアルコキシ基を少なくとも2つ有する基であるのが好ましく、ケイ素原子とケイ素原子に直接結合しているアルコキシ基を3つ有する基であるのがより好ましい。
前記アルコキシ基としては、炭素数1〜10のアルコキシ基が好ましく、メトキシ基またはエトキシ基がより好ましい。
前記アルコキシ基以外の前記アルコキシシリル基が有する基は、特に限定されないが、例えば、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基等が好適に挙げられる。
前記アルコキシシリル基としては、具体的には、例えば、ジメチルメトキシシリル基、メチルジメトキシシリル基、トリメトキシシリル基、ジエチルエトキシシリル基、エチルジエトキシシリル基、トリエトキシシリル基等が挙げられる。
化合物(A)のアルコキシシリル基は、アミノ基の窒素原子に直接またはアルキレン基を介して結合しているのが好ましい態様の1つである。このような態様の化合物(A)は、例えば、後述するように、少なくとも1つのヒドロキシ基が芳香環に直接結合している芳香族化合物(a1)と、アミノシラン(a2)と、ホルムアルデヒドとを反応させる方法(以下「第1の方法」という。)、または、少なくとも1つのヒドロキシ基が芳香環に直接結合している芳香族化合物(a1)と、アミノシラン(a2)と、アミン化合物(a3)と、ホルムアルデヒドとを反応させる方法(以下「第2の方法」という。)により得ることができる。
化合物(A)が重合体である場合(主鎖に繰り返し単位を有する場合)には、化合物(A)は、アルコキシシリル基を化合物(A)の繰り返し単位当たり0.01〜4個有するのが好ましく、0.05〜2個有するのがより好ましく、0.1〜1.5個有するのが更に好ましい。化合物(A)がこの範囲でアルコキシシリル基を有する場合、密着性、耐食性および耐アルカリ性に優れる。
また、化合物(A)は、1分子中にアルコキシシリル基を1〜4個有するのが好ましく、1〜3個有するのがより好ましく、1〜2個有するのが更に好ましい。化合物(A)がこの範囲でアルコキシシリル基を有する場合、密着性、耐食性および耐アルカリ性に優れる。
前記化合物(A)が有する芳香環は、特に限定されないが、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等が挙げられ、ベンゼン環であるのが好ましい。
前記フェノール性ヒドロキシ基は、化合物(A)が有する芳香環に直接結合しているヒドロキシ基である。
化合物(A)の水溶性を確保するために、化合物(A)はアミノ基や芳香環に直接結合していないヒドロキシ基等の極性基を有しているのが好ましい。化合物(A)は水溶性であるため、水系表面化成処理液に使用できる。
化合物(A)は、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基および第四級アンモニウム基からなる群から選択される少なくとも1つのアミノ基を有するものである。中でも、第二級アミノ基、第三級アミノ基を有することがより好ましく、第三級アミノ基を有することが更に好ましい。化合物(A)がアミノ基を有する場合、化合物(A)の極性が高くなるため水溶化しやすくなる。更に、アミノ基の窒素原子上に存在する非共有電子対が金属材料との静電的相互作用の結果、密着性が向上する。また、第一級アミノ基および第二級アミノ基の場合、アミノ基が反応性官能基として作用する結果、密着性が向上する。このような作用により、耐食性や耐アルカリ性が向上する。
化合物(A)は、前記芳香環に直接結合していないヒドロキシ基を有するのが好ましい。化合物(A)が前記フェノール性ヒドロキシ基以外にもヒドロキシ基を有している場合、化合物(A)の水溶性が高くなる。また、得られる表面化成処理液の密着性、耐食性および耐アルカリ性を向上できる。
前記芳香環に直接結合していないヒドロキシ基は、前記アミノ基の窒素原子にアルキレン基を介して結合しているのが好ましい態様の1つである。このような態様の化合物(A)は、例えば、前記第2の方法により得ることができる。
化合物(A)が重合体である場合(主鎖に繰り返し単位を有する場合)には、前記化合物(A)は、前記芳香環に直接結合していないヒドロキシ基を化合物(A)の繰り返し単位当たり0.01〜4個有するのが好ましく、0.05〜2個有するのがより好ましく、0.1〜1.5個有するのが更に好ましい。化合物(A)がこの範囲で前記芳香環に直接結合していないヒドロキシ基を有する場合、化合物(A)の水溶性および得られる表面化成処理液の密着性、耐食性および耐アルカリ性に優れる。
また、化合物(A)は、1分子中に前記芳香環に直接結合していないヒドロキシ基を1〜4個有するのが好ましく、1〜3個有するのがより好ましく、1〜2個有するのが更に好ましい。化合物(A)がこの範囲で前記芳香環に直接結合していないヒドロキシ基を有する場合、化合物(A)の水溶性および得られる表面化成処理液の密着性、耐食性および耐アルカリ性に優れる。
化合物(A)は、少なくとも1つのヒドロキシ基が芳香環に直接結合している芳香族化合物(a1)と、アミノシラン(a2)と、ホルムアルデヒドとの反応(第1の方法)により得られる化合物であるのが好ましい態様の1つである。
また、化合物(A)の他の好ましい態様としては、少なくとも1つのヒドロキシ基が芳香環に直接結合している芳香族化合物(a1)と、アミノシラン(a2)と、アミン化合物(a3)と、ホルムアルデヒドとの反応(第2の方法)により得られる化合物が好適に挙げられる。
これらの態様の化合物(A)は、いわゆるマンニッヒ反応により、前記芳香族化合物(a1)が有する芳香環のヒドロキシ基のオルト位またはパラ位に、ホルムアルデヒド由来のメチレン基を介してアミノ基が結合した構造であると考えられる。
化合物(A)は、芳香環が置換基を有する位置は特に限定されないが、芳香環のヒドロキシ基のオルト位および/またはパラ位が置換されたものであることが好ましい。
前記芳香族化合物(a1)は、少なくとも1つのヒドロキシ基が芳香環に直接結合している芳香族化合物である。具体的には、例えば、フェノール、ビスフェノールA、p−ビニルフェノール、ナフトール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール等が挙げられる。また、これらの重合体を用いることもできる。重合方法は特に限定されず、公知の重合方法、例えば、ラジカル重合、カチオン重合、縮重合を採用することができる。
これらの他に、前記芳香族化合物(a1)として、フェノール−クレゾールノボラック共重合体、ビニルフェノール−スチレン共重合体等を用いることもできる。
また、上述した芳香族化合物(a1)を、エピクロルヒドリン等のハロエポキシド、酢酸等のカルボン酸類、エステル類、アミド類、トリメチルシリルクロリド等の有機シラン類、アルコール類、硫酸ジメチル等のアルキル化物等により変性したものを用いることもできる。
これらの芳香族化合物(a1)は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記芳香族化合物(a1)は、フェノール、ビスフェノールA、p−ビニルフェノール、ナフトール、ノボラック樹脂、ポリビスフェノールA、ポリp−ビニルフェノールおよびフェノール−ナフタレン重縮合物からなる群から選択される少なくとも1種であるのが好ましく、ノボラック樹脂、ポリビスフェノールA、ポリp−ビニルフェノールおよびフェノール−ナフタレン重縮合物からなる群から選択される少なくとも1種であるのがより好ましく、ポリp−ビニルフェノールであるのが更に好ましい。
ここで、本明細書において、前記ポリビスフェノールAは下記式で表される化合物を意味する。
Figure 0005123051
前記式中、sは1〜2000の整数であり、5〜1000の整数であるのが好ましい。
また、前記ポリp−ビニルフェノールは、下記式で表される化合物を意味する。
前記ポリp−ビニルフェノールとして、ビニルフェノールを公知の重合方法により重合したものを用いてもよく、市販品を用いてもよい。市販品としては、丸善石油化学社製のマルカリンカーが挙げられる。
Figure 0005123051
前記式中、tは1〜4000の整数であり、10〜2000の整数であるのが好ましい。
前記芳香族化合物(a1)の重量平均分子量は、特に限定されないが、200〜1,000,000であるのが好ましく、500〜500,000であるのがより好ましく、1,000〜200,000であるのが更に好ましい。
前記アミノシラン(a2)は、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基(イミノ基)と、アルコキシシリル基とを有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(2)で表される化合物が好適に挙げられる。
Figure 0005123051
前記式(2)中、R3は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、ベンジル基、アリール基、ヒドロキシアルキル基、ジヒドロキシアルキル基、トリヒドロキシアルキル基、アミノアルキル基、アルキルアミノアルキル基、ジアルキルアミノアルキル基、アセチル基またはアルキルカルボニル基である。
前記アルキル基としては、炭素数1〜10のアルキル基が好適に挙げられ、より好ましくはメチル基、エチル基、i−プロピル基、t−ブチル基が挙げられる。
前記アルケニル基としては、炭素数1〜10のアルケニル基が好適に挙げられ、より好ましくはアリル基が挙げられる。
前記アルキニル基としては、炭素数1〜10のアルキニル基が好適に挙げられ、より好ましくはプロピニル基が挙げられる。
前記アリール基としては、炭素数1〜10のアリール基が好適に挙げられ、より好ましくは、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基が好適に挙げられ、より好ましくはフェニル基が挙げられる。
前記ヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜10のヒドロキシアルキル基が好適に挙げられ、より好ましくは2−ヒドロキシエチル基が挙げられる。
前記ジヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜10のジヒドロキシアルキル基が好適に挙げられ、より好ましくはビス(ヒドロキシエチル)基が挙げられる。
前記トリヒドロキシアルキル基としては、炭素数1〜10のトリヒドロキシアルキル基が好適に挙げられ、より好ましくはトリス(ヒドロキシエチル)基が挙げられる。
前記アミノアルキル基としては、炭素数1〜10のアミノアルキル基が好適に挙げられ、より好ましくはアミノエチル基が挙げられる。
前記アルキルアミノアルキル基としては、炭素数1〜10のアルキルアミノアルキル基が好適に挙げられ、より好ましくは2−メチルアミノエチレンが挙げられる。
前記ジアルキルアミノアルキル基としては、炭素数1〜10のジアルキルアミノアルキル基が好適に挙げられ、より好ましくはジメチルアミノエチレンが挙げられる。
前記アルキルカルボニル基としては、炭素数1〜10のアルキルカルボニル基が好適に挙げられ、より好ましくはアセチル基が挙げられる。
前記式(2)中、R4およびR5は、それぞれ、アルキル基であり、炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましく、メチル基、エチル基であるのがより好ましい。複数のR4およびR5はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
前記式(2)中、nは、1〜3の整数であり、2〜3の整数であるのが好ましく、3であるのがより好ましい。
前記式(2)中、mは、1〜3の整数であるのが好ましく、2または3であるのがより好ましく、3であるのが更に好ましい。
前記アミノシラン(a2)としては、具体的には、例えば、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−プロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−プロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリエトキシシラン、γ−アニリノプロピルメチルジエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)アミノビニルトリメトキシシラン、N−(3−アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノ)−3−イソブチルジメチルメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニルアミノメチルトリエトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)アミン、ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、N,N−ジオクチル−N′−トリエトキシシリルプロピルウレア、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコナミド、(3−トリエトキシシリルプロピル)−t−ブチルカルバメート、トリエトキシシリルプロピルカルバメート、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、トリメトキシシリルプロピル(ポリエチレンイミン)、3−(2,4−ジニトロフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(トリエトキシシリルプロピル)−p−ニトロベンザミン等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)アミンおよび3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種のアミノシランが好ましい。
第1の方法における前記アミノシラン(a2)の使用量は、前記芳香族化合物(a1)100質量部に対して1〜1200質量部が好ましく、2〜600質量部がより好ましく、3〜300質量部が更に好ましい。
第2の方法における前記アミノシラン(a2)の使用量は、前記芳香族化合物(a1)100質量部に対して1〜1200質量部が好ましく、2〜600質量部がより好ましく、3〜300質量部が更に好ましい。
前記アミン化合物(a3)は、第一級アミノ基および/または第二級アミノ基(イミノ基)を有する化合物であれば特に限定されないが、例えば、下記式(1)で表される化合物が好適に挙げられる。
なお、前記アミン化合物(a3)は、前記アミノシラン(a2)と同一であってもよい。
Figure 0005123051
前記式(1)中、R1およびR2は、それぞれ、前記式(2)のR3と同様であるが、R1およびR2は互いに結合してモルホリノ基を形成していてもよい。
前記アミン化合物(a3)としては、具体的には、例えば、メチルアミン、エチルアミン、i−プロピルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、ジi−プロピルアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2−メチルエタノールアミン、2−エチルエタノールアミン、N−メチルアミノ1,2−プロパンジオール、N−メチルグルカミン等のアルカノールアミン、アニリン、p−メチルアニリン、N−メチルアニリン等の芳香族アミン、ビニルアミン、アリルアミン等の不飽和アミン、ピロール、ピロリジン、イミダゾール、インドール、モルホリン、ピペラジン等の複素環アミン、エチレンジアミン、N,N−ジメチルエチレンジアミン、エチレンジアミン、sym−ジメチルエチレンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、1,3−プロパンジアミン等を用いることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも2−メチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N−メチルグルカミン、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−メチルアニリン、エチルアミン、ジエチルアミン、アリルアミン、ベンジルアミン、2−エチルアミノエタノール、エチレンジアミン、sym−ジメチルエチルアミンおよびモルホリンからなる群から選択される少なくとも1種のアミン化合物が好ましい。
第2の方法における前記アミン化合物(a3)の使用量は、前記芳香族化合物(a1)100質量部に対して0.2〜360質量部が好ましく、0.4〜270質量部がより好ましく、0.6〜180質量部が更に好ましい。
前記反応に用いられるホルムアルデヒドとしては、溶媒で希釈されているものを用いることもできる。
前記溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン溶媒;アセトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。
第1の方法における前記ホルムアルデヒドの使用量は、前記アミノシラン(a2)のアミノ基に対するホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒド/アミノ基)が1〜100であるのが好ましく、2〜50であるのがより好ましい。
第2の方法における前記ホルムアルデヒドの使用量は、前記アミノシラン(a2)のアミノ基と前記アミン化合物(a3)のアミノ基との合計に対するホルムアルデヒドのモル比(ホルムアルデヒド/アミノ基)が1〜100であるのが好ましく、2〜50であるのがより好ましい。
前記化合物(A)としては、下記式(3)で表される繰り返し単位を含む重合体が好ましい態様の1つである。
Figure 0005123051
前記式(3)中、R6は、前記式(2)のR3と同様である。
7は単結合またはアルキレン基であり、炭素数1〜10のアルキレン基であるのが好ましく、トリメチレン基(−(CH23−)であるのがより好ましい。R7が単結合である場合は、R7が存在せず窒素原子とケイ素原子が直接結合していることになる。
8およびR9は、それぞれ、アルキル基であり、炭素数1〜10のアルキル基であるのが好ましく、メチル基、エチル基であるのがより好ましい。複数のR8およびR9はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。
10およびR11は、それぞれ、前記式(2)のR3と同様であるが、R10およびR11は互いに結合してモルホリノ基を形成していてもよい。
pは1〜3の整数であり、2または3であるのが好ましく、3であるのがより好ましい。
前記重合体は、前記式(3)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。前記重合体は、前記式(3)で表される繰り返し単位と、下記式(5)で表される繰り返し単位、下記式(6)で表される繰り返し単位、下記式(7)で表される繰り返し単位、下記式(8)で表される繰り返し単位および下記式(9)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位とからなる重合体であるのが好ましい態様の1つである。
前記重合体は、前記式(3)〜(9)のいずれかで表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
Figure 0005123051

前記式(5)〜(9)中、R6、R7、R8、R9、R10、R11およびpは、それぞれ、前記式(3)のR6、R7、R8、R9、R10、R11およびpと同様である。
前記重合体の製造方法は、特に限定されないが、ポリp−ビニルフェノールと、前記アミノシラン(a2)と、前記アミン化合物(a3)と、ホルムアルデヒドとを反応させて前記重合体を得る方法が好適に挙げられる。
前記重合体としては、具体的には、例えば、下記式(4)で表される繰り返し単位を含む重合体(以下「本発明の第1態様の化合物」という。)が好適に挙げられる。
Figure 0005123051
本発明の第1態様の化合物は、前記式(4)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。本発明の化合物は、前記式(4)で表される繰り返し単位と、下記式(10)で表される繰り返し単位、下記式(11)で表される繰り返し単位、下記式(12)で表される繰り返し単位、下記式(13)で表される繰り返し単位および下記式(14)で表される繰り返し単位からなる群から選択される少なくとも1種の繰り返し単位とからなる重合体であるのが好ましい態様の1つである。
本発明の第1態様の化合物は、前記式(4)および(10)〜(14)のいずれかで表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を更に含んでいてもよい。
Figure 0005123051
本発明の第1態様の化合物の製造方法は、特に限定されないが、ポリp−ビニルフェノールと、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシランと、2−メチルアミノエタノールと、ホルムアルデヒドとを反応させて前記重合体を得る方法が好適に挙げられる。
化合物(A)の他の好ましい態様としては、例えば、ポリp−ビニルフェノールと、γ−フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリメトキシシリル)アミンおよび3−(N−アリルアミノ)プロピルトリメトキシシランからなる群から選択される少なくとも1種のアミノシランと、2−メチルアミノエタノール、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、メチルアミノ−1,2−プロパンジオール、N−メチル−1,3−プロパンジアミン、N−メチルアニリン、エチルアミン、ジエチルアミン、アリルアミン、ベンジルアミン、2−エチルアミノエタノールおよびモルホリンからなる群から選択される少なくとも1種のアミン化合物と、ホルムアルデヒドとを有機溶媒中で反応させて得られる化合物(以下「本発明の第2態様の化合物」という。)が挙げられる。
本発明の第2態様の化合物の製造方法は、特に限定されないが、前記ポリp−ビニルフェノールと、前記アミノシランと、前記アミン化合物と、前記ホルムアルデヒドとを有機溶媒中で反応させて本発明の第2態様の化合物を得る方法が好適に挙げられる。
本発明の第2態様の化合物は、いわゆるマンニッヒ反応により、ポリp−ビニルフェノールが有する芳香環のヒドロキシ基のオルト位に、ホルムアルデヒド由来のメチレン基を介してアミノ基が結合した構造であると考えられる。
本発明の第2態様の化合物は、芳香環が置換基を有する位置は特に限定されないが、フェノール性ヒドロキシ基のオルト位が置換されたものであることが好ましい。
また、前記反応における前記アミノシランの使用量は、ポリp−ビニルフェノール100質量部に対して、1〜1200質量部が好ましく、2〜600質量部がより好ましく、3〜300質量部が更に好ましい。
前記反応における前記アミン化合物の使用量は、ポリp−ビニルフェノール100質量部に対して、0.2〜360質量部が好ましく、0.4〜270質量部がより好ましく、0.6〜180質量部が更に好ましい。
前記反応におけるホルムアルデヒドの使用量は、ポリp−ビニルフェノール100質量部に対して、0.3〜300質量部が好ましく、0.6〜200質量部がより好ましく、0.9〜150質量部が更に好ましい。
前記有機溶媒としては、反応に関与しないものであれば特に限定されないが、例えば、水;メタノール、エタノール等のアルコール;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等のエーテル;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン溶媒;アセトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。
前記有機溶媒の使用量は、ポリp−ビニルフェノール100質量部に対して、0〜10,000質量部が好ましく、10〜5,000質量部がより好ましい。
本発明の第2態様の化合物の製造方法においては、更に触媒を添加することにより、反応率を向上でき、反応時間を短縮することもできる。触媒としては、例えば、酸触媒、塩基触媒、ルイス酸触媒等が挙げられる。
前記酸触媒としては、具体的には、例えば、塩酸、塩化水素ガス、硫酸、発煙硫酸、硝酸、濃硝酸、リン酸等の無機酸;p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ギ酸、酢酸等の有機酸等が挙げられる。
前記塩基触媒としては、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム、ピリジン、トリエチルアミン、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。
前記ルイス酸触媒としては、具体的には、例えば、塩化アルミニウム、塩化チタン、トリフルオロメタンスルホン酸ランタニウム、トリフルオロメタンスルホン酸スカンジウム、トリフルオロメタンスルホン酸イットリビウム等が挙げられる。
前記触媒の添加量は、特に限定されないが、ポリp−ビニルフェノール100質量部に対して、1〜300質量部が好ましく、2〜150質量部がより好ましい。
本発明の第2態様の化合物の製造方法における反応温度は、特に限定されないが、0〜150℃が好ましく、20〜100℃がより好ましい。
本発明の第2態様の化合物の製造方法においては上述したように触媒が反応効率に影響を与えるが、反応温度も反応効率に影響を与える。具体的には、低い反応温度であると比較的長い反応時間を要し、高い反応温度であると比較的短時間にて製造が可能である。ただし、反応温度が高すぎる場合、目的生成物に悪影響を与えたり、目的の反応以外の反応を促進させる場合がある。
本発明の第2態様の化合物の製造方法における反応時間は、特に限定されないが、例えば、反応温度が80℃である場合は24時間程度が好ましい。また、反応温度が23℃である場合は7日間程度が好ましい。
本発明の第2態様の化合物の製造方法について具体的に説明する。ただし、本発明の第2態様の化合物の製造方法はこの方法に限定されない。
まず、ポリp−ビニルフェノールと前記有機溶媒とを混合して十分に溶解させる。
次に、この混合液に、前記アミン化合物、前記アミノシラン、ホルムアルデヒドおよび必要に応じて前記触媒を室温にて順次撹拌しながら滴下して加える。この混合液を80℃に加温して24時間撹拌後、本発明の化合物を得ることができる。
ここで、前記アミノシラン、前記アミン化合物、ホルムアルデヒドおよび前記触媒を加える順序は、特に限定されないが、前記アミノシランおよび前記アミン化合物を加えた後にホルムアルデヒドを加えるのが好ましい。前記触媒はホルムアルデヒド添加後に加えるのが好ましい。
前記の方法で得られた本発明の化合物は、公知の方法により精製することができる。例えば、不溶性の溶媒による沈降、常圧または減圧による留去、または、クロマトグラフィーの使用により精製することができる。
前記化合物(A)の重量平均分子量は、特に限定されるものではないが、200〜1,000,000であるのが好ましく、500〜500,000であるのがより好ましく、1,000〜200,000であるのが更に好ましい。化合物(A)の分子量が200未満の場合は分子量が小さすぎて充分に造膜できないばかりか、皮膜強度の低下等により加工密着性も低下する。また、1,000,000を超えると分子量に比例して1分子の鎖が長くなり極度に分子内における分子鎖間の相互作用および分子間相互作用が働き見かけの分子量が更に増大し安定性に悪影響を与える。ここでいう分子量とは一般に公知であるGPC法、光散乱法等により測定(計算)することができるものであり、本発明においてはGPC法を用いた。
化合物(A)の製造方法は、特に限定されず、例えば、上述した本発明の第2態様の化合物の製造方法が好適に挙げられる。
前記化合物(B)は、バナジウム、ジルコニウム、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガン、セリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、ストロンチウムおよびリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む化合物であれば特に限定されず、例えば、これらの金属の酸化物、水酸化物、錯化合物、無機酸または有機酸との塩等が挙げられ、前記化合物(A)と相溶性の良いものであることが好ましい。
化合物(B)としては、例えば、五酸化バナジウム(V)、メタバナジン酸ナトリウム、メタバナジン酸アンモニウム、三酸化バナジウム(V)、バナジウムオキシアセチルアセトネート(VO(OC(=CH)CHCOCH)、二酸化バナジウム(VO)、硝酸ジルコニル(ZrO(NO)、硫酸ジルコニル、炭酸ジルコニルアンモニウム((NH[Zr(CO(OH))、硫酸チタニル(TiOSO)、ジイソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトン((CTi[OCH(CH)、乳酸とチタニウムアルコキシドとの反応物、チタンラクテート((OH)Ti(C)、モリブデン酸(HMoO)、モリブデン酸アンモニウム、モリブデン酸ナトリウム、モリブドリン酸化合物(例えば、モリブドリン酸アンモニウム((NH[POMo1236]・3HO)、モリブドリン酸ナトリウムNa([PO・12MoO]・nHO)等)、メタタングステン酸(H[H1240])、メタタングステン酸アンモニウム((NH[H1240])、メタタングステン酸ナトリウム、パラタングステン酸(H10[W124610])、パラタングステン酸アンモニウム、パラタングステン酸ナトリウム、過マンガン酸(HMnO)、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、リン酸二水素マンガン(Mn(H2PO)、硝酸マンガン(Mn(NO)、硫酸マンガン(II)、(III)または(IV)、フッ化マンガン(II)または(III)、炭酸マンガン、酢酸マンガン(II)または(III)、酢酸セリウムCe(CHCO、硝酸セリウム(III)または(IV)、塩化セリウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネシウム、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、フッ化マグネシウム、リン酸アンモニウムマグネシウム、リン酸水素マグネシウム、酸化マグネシウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、硫酸カリウムアルミニウム、硫酸ナトリウムアルミニウム、硫酸アンモニウムアルミニウム、リン酸アルミニウム、炭酸アルミニウム、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、ヨウ化アルミニウム、酢酸カルシウム、フッ化カルシウム、ホスフィン酸カルシウム([Ca(PH])、硝酸カルシウム、水酸化カルシウム、シュウ酸カルシウム、酸化カルシウム、酢酸カルシウム、塩化コバルト、クロロペンタアンミンコバルト塩化物([CoCl(NH]Cl)、ヘキサアンミンコバルト塩化物([Co(NH]Cl)、クロム酸コバルト、硫酸コバルト、硫酸アンモニウムコバルト、硝酸コバルト、酸化コバルト二アルミニウム(CoO・Al)、水酸化コバルト、リン酸コバルト、硝酸ニッケル、硫酸ニッケル、炭酸ニッケル、ニッケルアセチルアセトネート(Ni(OC(=CH)CHCOCH)、塩化ニッケル、ヘキサアンミンニッケル塩化物([Ni(NH]Cl)、酸化ニッケル、水酸化ニッケル、硫酸亜鉛、炭酸亜鉛、塩化亜鉛、ヨウ化亜鉛、亜鉛アセチルアセトナート(Zn(OC(=CH)CHCOCH)、リン酸二水素亜鉛、硝酸ストロンチウム、硫酸ストロンチウム、炭酸ストロンチウム、塩化ストロンチウム、ストロンチウムアセチルアセトネート(Sr(OC(=CH)CHCOCH)、硝酸リチウム、リン酸リチウム、フッ化リチウム、水酸化リチウム、硫酸リチウム、炭酸リチウム、シュウ酸二リチウム、酸化リチウム等が挙げられる。
モリブデン(VI)化合物、タングステン(VI)化合物、マンガン(VI)化合物については、アルコール類、有機酸類等の還元剤を用いて還元したものも使用可能である。
これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
中でも、化合物(B)としては、バナジウムを含む化合物が酸化数3価または4価のバナジウム化合物を含有していることが、形成される皮膜が良好な耐食性、耐アルカリ性を有するという点から好ましい。
本発明の金属表面処理剤における前記化合物(A)に対する前記化合物(B)中の前記金属の固形分質量比[(B)/(A)]は、1/100〜1/1であり、1/25〜3/5であるのが好ましく、1/20〜1/3であるのがより好ましい。前記化合物(A)に対する前記化合物(B)中の前記金属の固形分質量比が1/100未満であると、耐食性(平面部のみならず、クロスカット部)が低下するという問題があり、1/1を超えると皮膜のバリアー性が低下し、耐食性が低下するという問題がある。
本発明の金属表面処理剤は、さらに、無機酸および有機酸から選ばれる少なくとも1種の酸(C)を含有するのが好ましい。
前記酸(C)は、特に限定されないが、例えば、硝酸、リン酸、フッ化水素酸、硫酸、酢酸、シュウ酸および有機ホスホン酸からなる群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。
酸(C)を含有すると、耐食性および皮膜密着性がより高くなる。特に、硝酸は、高湿潤条件下での耐黒変性を向上させる効果も併せ持つためより好ましい。
本発明の金属表面処理剤中の酸(C)の含有量は、特に限定されないが、前記化合物(A)に対する酸(C)の固形分質量比[(C)/(A)]は、1/100〜6/5であることが好ましく、1/20〜3/5であることがより好ましい。この範囲であると、カット部耐食性に優れる。
本発明の金属表面処理剤は、さらに、シランカップリング剤(D)を含有するのが好ましい。シランカップリング剤(D)を含有すると、耐食性と密着性が向上する。
シランカップリング剤としては、例えば、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
シランカップリング剤(D)の含有量は、特に限定されないが、化合物(A)に対するシランカップリング剤(D)の固形分質量比[(D)/(A)]が1/100〜3/1であることが好ましく、1/10〜2/1であることがより好ましい。この範囲であると、耐食性および耐黒変性に優れる。
本発明の金属表面処理剤は、さらに、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性樹脂または水系エマルジョン樹脂(E)(以下「樹脂(E)」という。)を含有するのが好ましい。
樹脂(E)は、カチオン性またはノニオン性であるのが液安定性の点から好ましい。樹脂(E)中のカチオン性またはノニオン性官能基は樹脂(E)を水溶性または水分散性にするのに寄与し、また化合物(B)との相溶性にも寄与すると考えられる。
樹脂(E)としては、例えば、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリレート、N−メチルアミノエチルメタクリレート等のN,N−ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートまたはN−アルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート(アミノ基を置換するアルキル基としては炭素数1〜4、特に1または2のものが例示され、置換アミノ基が置換するアルキル基としては炭素数1〜6、特に1〜4のものが例示される)のようなアミノ基を有するカチオン性モノマーおよび/またはポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のポリオキシエチレン基、水酸基等の親水基を有するノニオン性モノマー(特に(メタ)アクリレート)と、(メタ)アクリル酸エステル(特に(メタ)アクリル酸アルキルエステル(アルキル基は炭素数1〜8、好ましくは1〜6、より好ましくは1〜4のものが適当である))等のアクリルモノマー、スチレン、アクリロニトリル、酢酸ビニル等の付加重合性不飽和モノマーとの共重合アクリル樹脂エマルジョン等が挙げられる。
また、樹脂(E)として、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール等のポリオールと、脂肪族、脂環式または芳香族ポリイソシアネートとの縮重合物であるウレタン樹脂において、用いるポリオールの一部として、(置換)アミノ基を有するポリオール(例えば、N,N−ジメチルアミノジメチロールプロパン等)またはポリオキシエチレン基を有するポリオール(例えば、ポリエチレングリコール等)を用いることによって得られるポリウレタン等も用いることができる。
前記ポリエーテルポリオールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール等のポリエチレングリコール、ポリエチレン/プロピレングリコール等が例示される。
前記ポリエステルポリオールとしては、アルキレン(例えば炭素数1〜6)グリコール(エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール等)、上記のようなポリエーテルポリオール、ビスフェノールA、水添ビスフェノールA、トリメチロールプロパン、グリセリン等のポリオールと、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、セバチン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸との重縮合によって得られる末端に水酸基を有するポリエステルポリオール等が例示される。
前記脂肪族、脂環式または芳香族ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、シクロヘキシレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等が例示される。
また、樹脂(E)として、ビスフェノール型、特にビスフェノールA型エポキシ化合物またはその他のグリシジルエーテル化合物にエチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、フェニレンジアミン等のアルキレン(炭素数例えば1〜6)ジアミンまたは芳香族ジアミンを作用させてカチオン化したエポキシ樹脂、またはエポキシ樹脂の側鎖にポリエチレングリコールを側鎖に付加させたノニオン性エポキシ樹脂等が挙げられる。
また、樹脂(E)として、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール等のポリオール成分とテレフタル酸、トリメリット酸等の多塩基酸との重縮合物であるポリエステル樹脂において、グリコール成分を過剰に作用させカルボキシル基を残らずエステル化したポリエステル樹脂等が挙げられる。
これらの樹脂(E)において、可溶化剤または乳化剤としての界面活性剤を使用しないソープフリーあるいはその使用量を抑えたものがより好ましい。
前記樹脂(E)の含有量は、特に限定されないが、化合物(A)に対する樹脂(E)の固形分質量比[(E)/(A)]が1/10〜10/1であることが好ましく、1/2〜2/1であることがより好ましい。この範囲であると、加工部耐食性、耐指紋性に優れる。
本発明の金属表面処理剤に用いられる溶媒は水を主体とするが、皮膜の乾燥性改善等を目的として、必要に応じてアルコール、ケトン、セロソルブ系の水溶性有機溶剤を併用してもよい。
本発明の金属表面処理剤は、皮膜の耐食性向上、抗張力等の皮膜物性を調整するために、水分散性のシリカゾルおよび/またはアルミナゾル、ジルコニアゾル等の金属ゾルを含有することができる。この場合、添加する量は、化合物(A)(固形分)と化合物(B)中の金属と樹脂(E)の合計100質量部に対して、固形分として5〜40質量部が好ましく、10〜30質量部がより好ましい。
また、本発明の金属表面処理剤は、皮膜の潤滑性、加工性を上げるために、ポリオレフィン系ワックス、エステル系ワックス、炭化水素系ワックス等の水系ワックスから選ばれる少なくとも1種を含有することができる。この場合、添加する量は、化合物(A)(固形分)と化合物(B)中の金属と樹脂(E)の合計100質量部に対して、固形分として0.5〜30質量部が好ましく、1〜20質量部がより好ましい。
また、本発明の金属表面処理剤は、樹脂(E)を架橋し得る有機架橋剤または無機架橋剤を含有することができる。
有機架橋剤としては、例えば、エポキシ系、メラミン系、アルデヒド系、イソシアネート系架橋剤が挙げられる。
また、無機架橋剤としては、化合物(B)に含まれる金属以外の鉄、ニオブ、タンタル等の金属の化合物が挙げられる。
本発明の金属表面処理剤は、上述した各成分の他に、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、レべリング剤、防菌防ばい剤、着色剤等を本発明の趣旨や皮膜性能を損なわない範囲で含有することができる。
本発明の金属表面処理剤中の全固形分濃度は、処理剤が安定に存在できるかあるいは十分塗布できる液性状であればよく、特に制限はないが、本発明の金属表面処理剤全体に対し1〜60質量%が好ましく、5〜40質量%がより好ましい。
次に、本発明の金属材料の表面処理方法(以下「本発明の表面処理方法」という。)について説明する。
本発明の表面処理方法は、金属材料の表面に、本発明の金属表面処理剤を塗布した後、水洗することなく、前記金属表面処理剤を塗布された後の前記金属材料の温度が50〜250℃になるように加熱乾燥して皮膜を形成する、金属材料の表面処理方法である。
前記金属材料としては、例えば、冷延鋼板、熱延鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板、電気亜鉛めっき鋼板、溶融合金化亜鉛めっき鋼板、アルミニウムめっき鋼板、アルミ−亜鉛合金化めっき鋼板、ステンレス鋼板、アルミニウム板、銅板、チタン板、マグネシウム板、ニッケルメッキ板、スズメッキ板等一般に公知の金属材料およびめっき板が挙げられる。中でも、亜鉛を含有するめっき鋼板が好適に挙げられる。
前記金属材料は、本発明の水系表面処理剤による処理に先立って前処理を行うことが好ましい。
前処理は、通常は、本処理を行う前に素材に付着した油分、汚れを取り除くためにアルカリ脱脂剤、または酸性脱脂剤で洗浄するか、湯洗、溶剤洗浄等を行う。その後、必要に応じて酸、アルカリ等による表面調整を行う。素材表面の洗浄においては、洗浄剤が素材表面になるべく残留しないように洗浄後に水洗することが好ましい。
本発明の金属表面処理剤の塗布方法は、特に限定されず、通常は、金属材料の表面に処理剤をロール転写させて塗り付けるロールコート法、シャワーリンガー等によって流し掛けた後ロールで絞るまたはエアーナイフで液切りをする方法、処理剤中に素材を浸漬する方法、素材に処理剤をスプレーする方法等が用いられる。
処理液の温度は、特に限定するものではないが、本処理剤の溶媒は水が主体であるため、処理温度は0〜60℃が好ましく、5〜40℃がより好ましい。
本発明の表面処理方法では、処理剤を塗布した後、水洗せずに乾燥する。本発明の方法においては、乾燥前の水洗を行わないため、表面処理剤として構成された成分が全て残存するという利点がある。逆に、水洗を行った後、乾燥を行うと表面処理剤成分が鋼材と反応しないため皮膜成分が全て洗い流され鋼材上にほとんど残存しないという欠点がある。
また、本発明の表面処理方法では、金属材料の表面に塗布した本発明の金属表面処理剤の温度が50〜250℃、好ましくは60〜220℃になるように加熱乾燥する。このように加熱乾燥することで、化合物(A)の硬化が促進し、または軟化による被覆効果が高くなる。
乾燥方法については、特に限定されず、オーブン等を用いた公知の乾燥方法を採用できる。
本発明の表面処理方法により形成される皮膜の付着量は、全皮膜質量で30〜5,000mg/m2であるのが好ましく、50〜3,000mg/m2であるのがより好ましい。30mg/m2以上であると、十分な耐食性および密着性が得られる。また、5,000mg/m2以下であると、皮膜にクラック等が生じ難く、皮膜自体の密着性が高くなる。
上述した本発明の金属表面処理剤は、金属材料に塗布され乾燥される工程において、金属材料表面と反応し密着性の良好な皮膜を形成すると共に樹脂成分が造膜し、優れた耐食性、塗装密着性を素材に付与するものと考えられる。水溶性の化合物(A)と化合物(B)は、塗布時または加熱乾燥時において、緻密な3次元構造を形成して造膜すると共に、金属材料の表面と反応して固着する。
このようにして形成された皮膜が優れた耐食性を有するのは、形成された皮膜の金属表面バリアー性によることの他、次のことが考えられる。
すなわち、前記化合物(A)は共鳴安定化構造を有する化合物であり、前記化合物(B)は遷移金属化合物である。化合物(A)と化合物(B)とで形成される皮膜は、金属表面と反応し固着することによって、素材金属の外殻軌道と重なる程度に十分近い距離であるため、Φ軌道を利用して腐食によって生ずる電子を非局在化する作用を持ち、このことによって、表面電位が均一に保たれ、優れた耐食性(平面部のみならず、切断端面、キズ部)を付与すると考えられる。
また、芳香環とフェノール性ヒドロキシ基とを有する化合物にアルコキシシリル基を導入することにより架橋点が増加し、その結果として本発明の金属表面処理剤の密着性、耐食性および耐アルカリ性が大きく向上すると考えられる。
本発明者らは、化合物(A)のカチオノイド性(金属表面への高い固着反応性)と優れた(腐食電子の)非局在化作用に起因する防食機構であると考えており、本発明はこれらの考えに基づいてなされたものである。
酸(C)は、金属素材をエッチングすることによって、化合物(A)および化合物(B)と金属材料の表面との反応を促進し、より密着性の高い皮膜を形成させる作用があると考えられる。
また、シランカップリング剤(D)は、それ自体が加水分解して生じるシラノール基が金属材料の表面に吸着(水素結合)して金属材料が腐食環境下に置かれたときにこれを不活性化し、また、形成される皮膜においてシランカップリング剤同士が反応してシロキサン結合を生じ、これにより皮膜のバリアー性が向上することで、耐食性や耐アルカリ性を向上させると考えられる。
また、水溶性樹脂または水系エマルジョン樹脂(E)は、金属界面に形成された前記皮膜上に形成され(すなわち、2層構造を持つ)、バリアー性を高めることによって耐食性を向上させる効果があるほか、耐指紋性、加工性を高める効果があると考えられる。
本発明の金属表面処理剤は有害なクロム化合物を含まないノンクロメートタイプであり、本発明の表面処理方法により形成される皮膜は、平面部のみならず、キズ部、加工部においても、従来のクロメート皮膜と同等以上の耐食性を有しており、かつ、耐アルカリ性、耐指紋性も優れる。
また、上述した本発明の表面処理方法によって金属材料の表面に形成された皮膜を有する本発明の表面処理金属材料は、優れた耐食性、耐アルカリ性、耐黒変性および耐指紋性を有する。
したがって、本発明の金属表面処理剤、本発明の表面処理方法および本発明の表面処理金属材料は産業上の利用価値が極めて高いものである。
本発明の金属表面処理剤および本発明の表面処理方法は、金属を素材としたシートコイルや成形品、亜鉛系メッキ鋼板、鋼板、アルミニウム系金属材料を素材とする自動車ボディー、自動車部品、建材、家電用部品等の成形加工品、鋳造品、シートコイル等に好適に適用することができる。
以下、実施例を示して、本発明を具体的に説明する。ただし、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.素材
1:溶融亜鉛メッキ鋼板(板厚:0.8mm)
2:電気亜鉛メッキ鋼板(板厚:0.8mm)
3:55%アルミ亜鉛メッキ鋼板(板厚:0.5mm)
2.化合物(A)の合成
(合成例A1〜A11)
攪拌機のついた反応装置(1Lセパラブルフラスコ)に下記表1に示す芳香族化合物またはその重合物を100重量部と、下記表1に示す量(質量部)の有機溶媒とを入れ、十分に溶解させた。この混合液に下記表1に示すアミン化合物、アミノシラン、36質量%ホルムアルデヒド液、触媒を室温にて順次滴下して加えた後、80℃にて48時間攪拌した。48時間攪拌後、亜硫酸ナトリウムを加えて系内に存在する未反応ホルムアルデヒドを滴定して反応率を求め、反応の進行が終了していることを確認した。
その後、水を加えポリマー成分のみを沈殿ろ過して精製を行い、前記化合物(A)に相当する合成例の各化合物を得た。
Figure 0005123051
表1中の記号の意味は以下のとおりである。
a1−1:ポリp−ビニルフェノール(マルカリンカー、丸善石油化学)
a1−2:ノボラック樹脂(スミライトレジンPR、住友ベークライト)
a1−3:ポリビスフェノールA(三井化学)
a1−4:フェノール−ナフタレン共重合物(新日鐵化学)
a2−1:γ−フェニルプロピルトリメトキシシラン
a2−2:γーアミノプロピルトリエトキシシラン
a2−3:N−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン
a2−4:テトラメトキシシラン
a3−1:2−メチルアミノエタノール
a3−2:ジエタノールアミン
a3−3:N−メチルグルカミン
a3−4:ジメチルエチレンジアミン
a3−5:クロロ硫酸
a4−1:1,4−ジオキサン
a4−2:2−ブトキシエタノール
a4−3:水
また、後述する比較例7においては、化合物(A)に置き換えて、特開2003−13252号公報の実施例で用いられている下記式で表される樹脂化合物を用いた。
Figure 0005123051
式中、R1、W、Y、n、およびmを以下に示す。
R1:−CH
W:H、−CHOH、−CHN(CH)(CHCHOH)
Y:H
n=1
m=0
3.金属表面処理剤の調製
下記表2に示す化合物(A)、化合物(B)、酸(C)、シランカップリング剤(D)および有機樹脂(E)を脱イオン水に表2に記載した質量比になるように加え、ついで十分に分散させるため各々の原料を配合後10分間攪拌した。成分(A)〜(E)の合計の固形分濃度が10質量%になるように純水にて調整した。
3.表面処理方法
(1)脱脂
日本パーカライジング(株)製アルカリ脱脂剤パルクリーン364S(20g/L建浴、60℃、10秒スプレー、スプレー圧0.5kg/cm)で下記表2に示す素材を脱脂した後、スプレー水洗を10秒行った。
(2)塗布および乾燥
上記(1)で脱脂した素材を下記処理方法IまたはIIの処理方法で表面処理して、表面処理金属材料を得た。
処理方法I:濃度10質量%に調整した金属表面処理剤を乾燥膜厚が1μmになるようにバーコート塗布し、80℃(PMT)で乾燥した。
処理方法II:濃度10質量%に調整した金属表面処理剤を乾燥膜厚が1μmになるようにバーコート塗布し、150℃(PMT)で乾燥した。
Figure 0005123051
表2中の各成分は下記のとおりである。
B1:バナジウムオキシアセチルアセトネート
B2:メタバナジン酸アンモニウム
B3:三酸化バナジウム
B4:五酸化バナジウム
B5:硝酸ジルコニル
B6:ジルコンフッ化水素酸
B7:パラモリブデン酸アンモニウム
B8:チタンラウレート
C1:リン酸
C2:硝酸
C3:フッ化水素酸
D1:3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン
D2:N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン
D3:3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
E1:カチオン性ウレタン樹脂
ポリエーテルポリオール(合成成分:テトラメチレングリコールおよびエチレングリコール、分子量1500)150質量部、トリメチロールプロパン6質量部、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン24質量部、イソホロンジイソシアネート94質量部およびメチルエチルケトン135質量部を反応容器に入れ、70〜75℃に保ちながら1時間反応させてウレタンプレポリマーを生成させた。ついで該反応容器にジメチル硫酸15質量部を入れ、50〜60℃で30〜60分間反応させて、カチオン性ウレタンプレポリマーを生成させた。ついで該反応容器に水576質量部を入れ、混合物を均一に乳化させた後、メチルエチルケトンを回収して水溶性のカチオン性ウレタン樹脂(E1)を得た。
E2:カチオン性ウレタン樹脂
ポリエステルポリオール(合成成分:イソフタル酸、アジピン酸および1,6−へキサンジオール、エチレングリコール、分子量1700)135質量部、トリメチロールプロパン5質量部、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン22質量部、イソホロンジイソシアネート86質量部およびメチルエチルケトン120質量部を反応容器に入れ、70〜75℃に保ちながら1時間反応させてウレタンプレポリマーを生成させた。該反応容器にジメチル硫酸17質量部を入れ、50〜60℃で30〜60分間反応させてカチオン性ウレタンプレポリマーを生成させた。ついで該反応容器に水615質量部を入れ、混合物を均一に乳化させた後、メチルエチルケトンを回収して水溶性のカチオン性ウレタン樹脂(E2)を得た。
E3:カチオン性ポリウレタン樹脂
ポリカーボネートポリオール(合成成分:1.6−ヘキサンカーボネートジオール、エチレングリコール、分子量2000)130質量部、トリメチロールプロパン4質量部、N−メチル−N,N−ジエタノールアミン21質量部、イソホロンジイソシアネート75質量部およびメチルエチルケトン115質量部を反応容器に入れ、70〜75℃に保ちながら1時間反応をさせてウレタンプレポリマーを生成させた。ついで該反応容器にジメチル硫酸22質量部を入れ、50〜60℃で30〜60分間反応させてカチオン性ウレタンプレポリマーを生成させた。ついで該反応容器に水633質量部を入れ、混合物を均一に乳化させた後、メチルエチルケトンを回収して水溶性のカチオン性ポリウレタン樹脂(E3)を得た。
4.評価方法
得られた各表面処理金属材料について、下記に示す方法により耐食性、耐アルカリ性、耐黒変性、耐指紋性の評価を行った。結果を下記表3に示す。
(1)耐食性
実施例、比較例において作製した処理板試料について、無加工(平面部)、NTカッターで素地到達までクロスカットしたもの(クロスカット部)、エリクセン7mm押し出し加工したもの(加工部)について、耐食性試験を行った。評価方法は次の通りである。
(平面部)
塩水噴霧試験法JIS−Z−2371に基づき塩水噴霧120時間後の白錆発生面積を求め評価した。
評価基準:白錆発生面積 ◎10%未満、○10%以上〜30%未満、△30%以上〜60%未満、×60%以上
(クロスカット部)
塩水噴霧試験法JIS−Z−2371に基づき塩水噴霧120時間後の白錆発生状況を肉眼で評価した。
評価基準:白錆発生状況 ◎ほとんど錆なし、○僅かに錆あり、△錆発生が認められる、×錆発生が著しい
(加工部)
塩水噴霧試験法JIS−Z−2371に基づき塩水噴霧120時間後の白錆発生状況を肉眼で評価した。
評価基準:白錆発生状況 ◎ほとんど錆なし、○僅かに錆あり、△錆発生が認められる、×錆発生が著しい
(2)耐アルカリ性
処理板試料に、日本パーカライジング(株)製アルカリ脱脂剤パルクリーン364Sを20g/Lに建浴し65℃に調整した脱脂剤水溶液を3分間スプレーし、水洗した後、80℃で乾燥した。この板について、上記(1)に記載した条件、評価法で耐食性を評価した。
(3)耐黒変性
処理板試料を温度70℃、湿度95%雰囲気に12日間放置した後、外観を肉眼で観察し評価した。
評価基準:◎白錆発生なし、黒変なし、○白錆発生なし、黒変僅かにあり、△白錆発生あり、黒変僅かにあり、×白錆発生あり、黒変かなりあり
(4)耐指紋性
処理板表面に指を押し付け、指紋の痕跡状態を肉眼で観察し評価した。
評価基準:◎痕跡が全くない、○極僅かに痕跡がある、△痕跡がある、×明確に痕跡が残る
Figure 0005123051
表3に示す結果から明らかなように、本発明の金属表面処理剤を用いて形成された皮膜からなる実施例1〜46は、処理液安定性、耐指紋性が良好で、有害なクロムを含んでいないため安全性が高く、平面部、クロスカット部、加工部のいずれもクロメート処理よりも優れた耐食性を有していることが分かる。
他方、本発明の金属表面処理剤の必須成分である化合物(A)を含まない比較例1、金属化合物(B)を含まない比較例2は耐食性が劣り、また、化合物(A)の代わりに、本発明で特定した構造を持たない水溶性の化合物を用いた比較例3および比較例4も耐食性が劣っていた。
また、水溶性の化合物(A)と金属化合物(B)中の金属の成分量比(B)/(A)が本発明の範囲外である比較例5および比較例6はアルカリ脱脂後の加工部の耐食性が特に劣っていた。
また、化合物(A)の代わりに、特開2003−13252号公報に記載する樹脂化合物を用いた比較例7は耐食性が劣っていた。
また、クロメート(ジンクロム3360H)処理した比較例8は、耐指紋性とアルカリ脱脂後の加工部の耐食性が特に劣っていた。

Claims (8)

  1. アルコキシシリル基と、芳香環と、前記芳香環に直接結合しているヒドロキシ基と、第一級アミノ基、第二級アミノ基、第三級アミノ基および第四級アンモニウム基からなる群から選ばれる少なくとも1つのアミノ基とを有する水溶性の化合物(A)と、
    バナジウム、ジルコニウム、チタニウム、モリブデン、タングステン、マンガン、セリウム、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、コバルト、ニッケル、亜鉛、ストロンチウムおよびリチウムからなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を含む化合物(B)とを含有し、
    前記化合物(A)が、重合体であり、
    前記化合物(A)に対する前記化合物(B)中の前記金属の固形分質量比[(B)/(A)]が、1/100〜1/1である金属表面処理剤。
  2. 前記アルコキシシリル基が、前記アミノ基の窒素原子に直接またはアルキレン基を介して結合している請求項1に記載の金属表面処理剤。
  3. 前記化合物(B)が、バナジウムを含む化合物である請求項1または2に記載の金属表面処理剤。
  4. さらに、無機酸および有機酸からなる群から選ばれる少なくとも1種の酸(C)を含有する請求項1〜3のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  5. さらに、シランカップリング剤(D)を含有する請求項1〜4のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  6. さらに、ウレタン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂およびポリアミド樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の水溶性樹脂または水系エマルジョン樹脂(E)を含有する請求項1〜5のいずれかに記載の金属表面処理剤。
  7. 金属材料の表面に、請求項1〜6のいずれかに記載の金属表面処理剤を塗布した後、水洗することなく、前記金属表面処理剤を塗布された後の前記金属材料の温度が50〜250℃になるように加熱乾燥して皮膜を形成する、金属材料の表面処理方法。
  8. 金属材料の表面に、請求項7に記載の金属材料の表面処理方法によって形成された皮膜を有する表面処理金属材料。
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