JP5123026B2 - 操舵装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車輪を操舵するためのステアリング操作子を備える操舵装置に関する。
通常、操舵装置では、車輪を操舵するために、ドライバがステアリングホイール(ステアリング操作子)を任意の角度に操作している。この種の操舵装置において、ドライバの体格や好みに合わせてステアリングホイールの位置を調整する構造が採用されている。
例えば、特許文献1に開示されている「POWER OPERATED TILT AND TELESCOPE STEERING ASSEMBLY」では、固定された下方部分と、前記下方部分に入れ子状に係合する中間部分と、前記中間部分に傾斜可能に係合する上方部分とを備えており、前記上方部分にステアリングホイールが連結されている。このため、特にステアリングホイールは、ドライバから見て前後方向の傾動調整が可能になっている。
米国特許第3,396,600号明細書
上記の従来技術では、操舵がなされていない中立位置(直進状態)で、ドライバの体格等に合わせてステアリングホイールの前後方向の角度位置を調整するものである。
しかしながら、ステアリングホイールは、一般的に上部側が車体前方(ドライバから離間する方向)に傾斜している。このため、操舵角度によっては、ステアリングホイールを操作する位置がドライバの手の位置から遠くなってしまう。これにより、ステアリングホイールの操作性が悪化するとともに、持ち替え性が低下するという問題がある。
本発明はこの種の問題を解決するものであり、操舵時におけるステアリング操作子の操作性及び持ち替え性の向上を図ることが可能な操舵装置を提供することを目的とする。
本発明に係る操舵装置は、車輪を操舵するためのステアリング操作子と、前記ステアリング操作子の操舵角に応じて前記ステアリング操作子を操舵軸方向に移動可能なステアリング操作子移動機構とを備えている。
また、この操舵装置は、操舵角が設定角度以上に至る際、ステアリング操作子を操舵軸方向の設置位置に保持可能な制御部を備えることが好ましい。
さらに、この操舵装置は、操舵角に応じたステアリング操作子の操舵軸方向への移動量を調整可能な制御部を備えることが好ましい。
さらにまた、この操舵装置は、ステアリング操作子が連結されるステアリングシャフトと、前記ステアリングシャフトの内側に形成されたスプライン孔に噛合するスプラインシャフトと、前記スプラインシャフトを回転自在に支持するコラムとを備えるとともに、ステアリング操作子移動機構は、前記コラム内に進退自在に配設されるとともに、前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する筒体と、前記筒体に連結され、該筒体を前記ステアリングシャフトと一体に前記スプラインシャフトの軸方向である操舵軸方向に進退可能なアクチュエータとを備えることが好ましい。
本発明によれば、車輪の操舵角に応じてステアリング操作子が操舵軸方向に移動可能であるため、ドライバが前記ステアリング操作子を操作する位置を、前記ドライバの手が容易に届く位置に調整することができる。これにより、操舵時におけるステアリング操作子の操作性及び持ち替え性の向上を図ることが可能になる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る操舵装置10の概略斜視説明図であり、図2は、前記操舵装置10の要部断面説明図である。
操舵装置10は、図示しない車輪を操舵するために、ドライバにより把持されるステアリングホイール(ステアリング操作子)12を備える。ステアリングホイール12は、ステアリングコラムアセンブリ14に連結されるとともに、前記ステアリングコラムアセンブリ14には、前記ステアリングホイール12の操舵角に応じて前記ステアリングホイール12を操舵軸方向(矢印A方向)に移動可能なステアリングホイール移動機構(ステアリング操作子移動機構)16が装着される。ステアリングコラムアセンブリ14及びステアリングホイール移動機構16は、カバー18に囲繞される(図1参照)。
図2及び図3に示すように、ステアリングコラムアセンブリ14は、略円筒状のコラム20を備え、このコラム20内には、筒体22を介してアッパステアリングシャフト24が回転自在に配設される。アッパステアリングシャフト24の一端は、ステアリングホイール12に同軸上に連結されるとともに、ベアリング26a、26bを介して筒体22内に回転自在に配設される。アッパステアリングシャフト24は、多段の外周形状を有する中空形状に構成され、拡径する他端側から略中間位置に沿ってスプライン孔28が形成される。
スプライン孔28には、スプラインシャフト30が噛合する。このスプラインシャフト30の一方の端部は、コラム20に対してベアリング26cを介して、回転自在に支持されるとともに、ユニバーサルジョイント32を介してロアステアリングシャフト34に連結される。このロアステアリングシャフト34は、図示しないがギアボックスアセンブリ側に接続される。
コラム20の外周部には、所定の長さにわたって開口部36が形成される。この開口部36に対応して、ステアリングホイール移動機構16を構成するケーシング38がコラム20に連続される。
ケーシング38には、モータ40が固着され、このモータ40の回転軸40aには、ウォームギア42が固着される。ウォームギア42には、ウォームホイール44が噛合するとともに、前記ウォームホイール44とボールねじ46とが同軸的に形成される。ウォームホイール44及びボールねじ46は、ベアリング48a、48bを介してケーシング38内に一体に回転自在に支持される。ボールねじ46は、ナット50に噛合するとともに、前記ナット50は、筒体22の外周部に固着され、コラム20の開口部36に対応して配置される。
図1に示すように、操舵装置10は、ステアリングホイール12の操作によって車輪に付与される舵角を検出するための舵角センサ52と、アッパステアリングシャフト24の軸方向の移動距離(ストローク量)を検出するストロークセンサ54とを備える。
舵角センサ52及びストロークセンサ54からの検出信号は、コントロールユニット(制御部)56に入力される。コントロールユニット56は、検出信号及び必要に応じてシフトレバー(セレクトレバー)がRレンジ(リバースレンジ)に設定された際に、モータ40を駆動制御する。
このように構成される操舵装置10の動作について、以下に説明する。
先ず、ステアリングホイール12の操作による操舵角度と、前記ステアリングホイール12の矢印A方向のストローク量との関係は、図4に示す制御マップにより算出される。ここで、ステアリングホイール12の中立位置(直進状態)では、操舵角度が0となり、このステアリングホイール12が一番奥側の位置(矢印A1方向先端位置)に設定される。
ステアリングホイール12がプラス方向(例えば、右側転舵方向)に操作されるのに従って、前記ステアリングホイール12は、矢印A2方向(ドライバ側に近接する方向)に移動する。同様に、ステアリングホイール12がマイナス方向(左側転舵方向)に操作されるのに従って、前記ステアリングホイール12は、矢印A2方向に移動する。
実施例1では、ステアリングホイール12の右側への操舵角度及び左側への操舵角度がそれぞれ所定の舵角に至ると、この所定の操舵角度におけるストローク量が最大に設定される。そして、その後の操舵角度の増加に関わらず、ストローク量を一定に維持する制御が行われる。
また、実施例2では、所定の操舵角度におけるストローク量が最大に設定され、その後の操舵角度の増加に伴ってストローク量が減少する(矢印A1方向に移動する)制御が行われる。
さらに、実施例3では、所定の操舵角度を超えることにより、操舵角度とストローク量との関係(傾き)が変動して増加する制御が行われる。
次いで、操舵装置10の具体的な動作について説明すると、先ず、ドライバがステアリングホイール12を把持し、このステアリングホイール12を右方向(又は左方向)に操作する。このため、図2に示すように、ステアリングホイール12に連結されているアッパステアリングシャフト24は、所定の方向に回転する。
アッパステアリングシャフト24の内周面には、スプライン孔28が形成されており、このスプライン孔28にスプラインシャフト30が噛合している。従って、アッパステアリングシャフト24が回転すると、スプラインシャフト30は、前記アッパステアリングシャフト24と一体に回転し、ユニバーサルジョイント32を介してロアステアリングシャフト34が回転する。これにより、図示しない車輪が所定の方向に操舵される。
図1に示すように、コントロールユニット56には、舵角センサ52を介してステアリングホイール12の操作による操舵角度が入力される。コントロールユニット56は、この検出された操舵角度に基づき、図4に示す制御マップに沿って前記ステアリングホイール12のストローク量が算出される。この算出されたストローク量に基づいて、ステアリングホイール移動機構16が駆動される。
このステアリングホイール移動機構16では、ステアリングホイール12が中立位置に配置されていると、図2に示すように、前記ステアリングホイール12は、矢印A1方向先端位置(最奥側の位置)に配置されている。従って、コントロールユニット56を介してモータ40が駆動されると、このモータ40の回転軸40aに固着されるウォームギア42が回転し、前記ウォームギア42に噛合するウォームホイール44が所定の方向に回転する。
ウォームホイール44には、ボールねじ46が一体に設けられており、前記ウォームホイール44及び前記ボールねじ46は、同時に回転する。ボールねじ46は、ナット50に噛合しており、このボールねじ46が回転することによって、前記ナット50を固着する筒体22は、矢印A2方向(ドライバ側)に移動する。
このため、筒体22に回転自在に支持されているアッパステアリングシャフト24は、前記筒体22と一体に矢印A2方向に移動し、ステアリングホイール12は、矢印A2方向に所定の距離Lだけ移動する(図5参照)。
その際、スプラインシャフト30は、ベアリング26cを介してコラム20に回転自在に支持されている。従って、アッパステアリングシャフト24は、スプラインシャフト30にスプライン孔28を噛合させた状態で、前記スプラインシャフト30とは個別に矢印A2方向に移動する。
この場合、第1の実施形態では、ドライバがステアリングホイール12を中立位置から右方向又は左方向に回転操作すると、前記ステアリングホイール12の操舵角度に応じて前記ステアリングホイール12のドライバ側へのストローク量が増加するように制御されている。このため、図5に示すように、ステアリングホイール12が回転操作される際、このステアリングホイール12は、中立位置から距離Lだけドライバ側に近接する。
ここで、ステアリングホイール12は、一般的に上部側がドライバから離間する方向に傾斜している。従って、ステアリングホイール12がドライバ側に距離Lだけ近接することによって、前記ステアリングホイール12を操作するドライバの手の位置が遠くになることを阻止することができる。
これにより、ドライバがステアリングホイール12を操作する際に、このドライバの腕の伸びきりを抑制することができ、前記ステアリングホイール12の操作性が良好に向上するという効果が得られる。
さらに、第1の実施形態では、操舵角度が所定の操舵角度、例えば、135°〜180°の範囲に至った際、ステアリングホイール12のストロークを停止させている(実施例1)。従って、ステアリングホイール12の操作性と持ち替え性の向上を図ることが可能になる。なお、操舵角度135°〜180°の範囲は、持ち替え時の操舵角度と片手での最大操舵角度とから最適に設定されている。
また、所定の舵角以降のストローク量を減少させたり(実施例2)、増加させたり(実施例3)、任意に設定することができる。このため、ドライバの好みに合わせたストローク調整が容易に遂行可能になる。
さらにまた、第1の実施形態では、コントロールユニット56に、図示しないトランスミッションがRレンジ(リバースレンジ)に切り替えられたという信号が入力されると、モータ40を駆動してステアリングホイール12のストローク量調整処理が遂行される。
特に、リバースレンジでは、ドライバが後方を視認するために、ステアリングホイール12から離れた運転姿勢を取り易くなる。従って、ステアリングホイール12が、ドライバ側により多く移動することによって、前記ステアリングホイール12の操作性が一層向上するという利点がある。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る操舵装置60の車室内からの外観説明図である。なお、操舵装置60は、第1の実施形態に係る操舵装置10と同様に構成されており、その詳細な説明は省略する。
この操舵装置60は、ステアリングホイール12に近接して車室内に配置される操作スイッチ62を備える。この操作スイッチ62は、ダイヤル64を操作することにより、モータ40の回転数を制御してステアリングホイール12のストローク量を調整する機能を有する。
例えば、ダイヤル表示「2」を標準とし、数字の大小によってストローク量の大小が設定されるとともに、ダイヤル表示「0」では、ステアリングホイール12の操作時に、このステアリングホイール12の移動を規制するように設定することができる。ダイヤル表示「0」〜「3」におけるそれぞれのストローク量の設定は、予めコントロールユニット56に記憶されている。
従って、第2の実施形態では、ドライバによる操舵時に、ステアリングホイール12のストロークが不要であると判断した際には、操作スイッチ62を操作してダイヤル64をダイヤル表示「0」に合わせればよい。また、ダイヤル64をダイヤル表示「1」〜「3」の任意の位置に設定することにより、ステアリングホイール12のストローク量をドライバの好みに合わせて容易に調整することができるという効果が得られる。
本発明の第1の実施形態に係る操舵装置の概略斜視説明図である。 前記操舵装置の要部断面説明図である。 前記操舵装置の一部分解斜視説明図である。 操舵角度とストローク量との制御マップの説明図である。 中立時と操舵時とのステアリングホイールのストローク位置の説明図である。 本発明の第2の実施形態に係る操舵装置の車室内からの外観説明図である。
符号の説明
10、60…操舵装置 12…ステアリングホイール
14…ステアリングコラムアセンブリ 16…ステアリングホイール移動機構
20…コラム 22…筒体
24…アッパステアリングシャフト 28…スプライン孔
30…スプラインシャフト 34…ロアステアリングシャフト
38…ケーシング 40…モータ
42…ウォームギア 44…ウォームホイール
46…ボールねじ 50…ナット
52…舵角センサ 54…ストロークセンサ
56…コントロールユニット

Claims (1)

  1. 車輪を操舵するためのステアリング操作子と、
    前記ステアリング操作子が連結されるステアリングシャフトと、
    前記ステアリングシャフトの内側に形成されたスプライン孔に噛合するスプラインシャフトと、
    前記スプラインシャフトを回転自在に支持するコラムと、
    前記コラム内に進退自在に配設されるとともに、前記ステアリングシャフトを回転自在に支持する筒体と、
    前記筒体に連結され、該筒体を前記ステアリングシャフトと一体に前記スプラインシャフトの軸方向である操舵軸方向に移動可能なステアリング操作子移動機構と、
    前記ステアリング操作子移動機構を駆動するアクチュエータと、
    前記ステアリング操作子の操舵角に応じて前記ステアリング操作子を操舵軸方向に移動可能で、前記操舵角が設定角度以上に至る際、前記ステアリング操作子を前記操舵軸方向の設置位置に保持可能で、前記操舵角に応じた前記ステアリング操作子の前記操舵軸方向への移動量を調整可能なアクチュエータ制御部と、
    備え
    前記ステアリング操作子の前記操舵軸方向の移動量は、車両前進時よりも、車両後退時の方が大きいことを特徴とする操舵装置。
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