JP5122190B2 - Gaba又はグリシン伝達系を標的にした新規薬剤スクリーニング方法 - Google Patents

Gaba又はグリシン伝達系を標的にした新規薬剤スクリーニング方法 Download PDF

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Description

本発明は、哺乳動物の脳からのNG2陽性細胞の調製方法及び培養方法、並びにNG2陽性細胞を用いたグリシン分泌促進作用又はGABA系神経細胞への分化促進作用を有する物質のスクリーニング方法に関する。
NG2陽性細胞は、成体脳内に豊富に存在し、神経細胞、アストロサイト、オリゴデンドロサイトとは別の第4の細胞といわれている(非特許文献1)。また、NG2陽性細胞は、ミクログリアとも異なる。NG2陽性細胞は、一般的には、オリゴデンドロサイト前駆細胞(Oligodendrocyte progenitor cells: OPCs)と呼ばれ、オリゴデンドロサイトとアストロサイトに分化するグリア系の前駆細胞と考えられてきた(非特許文献2)。最近、NG2陽性細胞が、オリゴデンドロサイトとアストロサイトへの分化に加えて抑制系の神経細胞に分化する可能性が議論されており(非特許文献3)、また、グリア細胞として神経細胞の支持やシナプス伝達に関与している可能性も示唆されている。
実際、海馬においてNG2陽性細胞はシナプスを通じて神経細胞から直接、興奮性・抑制性の信号を受けていることが証明されているが、その機能についてはほとんど分かっていない(非特許文献4、5)。また、増殖マーカーであるBrdUを使った実験から、NG2陽性細胞がマウス等の成体脳内で最も増殖する細胞であることが判明している。さらに、気分障害や統合失調症でよく使用される電気けいれん療法(electroconvulsive therapy: ECT)では、海馬や扁桃体といった精神病態に関与する重要な脳部位において、NG2陽性細胞が最も増殖することが知られている(図1)(非特許文献6、7)。このことは、NG2陽性細胞が、従来考えられていた以上に中枢神経系で重要な役割を持っており、さらに精神疾患の病態に深く関与する可能性を示唆するものである。そのため、NG2陽性細胞について、その機能や役割を解明する事が重要であると考えられる。
しかしながら、既存のNG2陽性細胞の分離・培養法は、採取可能な時期(胎児期や乳児期)及び部位(視神経が主)が限定され、複雑で職人芸的な技術と長い経験が必要であり、純度が低いなど多数の問題点があった。例えば、Steven Goldmanらのグループが報告した方法は、成人脳白質から細胞を一旦分離・培養した後、NG2と共発現する事が知られている2',3'-cyclic nucleotide 3'-phosphodiesterase (CNP)のプロモーターの下流にGFPを組み込んだベクターを強制発現させ、その後、GFP陽性細胞のみをセルソーターで分取する方法を用いて、NG2陽性細胞の分離・培養を行う方法である(非特許文献8)。この方法は、一部の研究室でしか事実上行うことができない特殊かつ複雑高度なものであり、さらに細胞に人為的に遺伝子を組み込んでいるため、その影響を無視することができない。
本発明者は、従来より、成体ラット脳から様々な条件で細胞を分離培養し、それらの性質を調べる研究を行ってきた。その結果、分離細胞の一部が、神経幹細胞様の性質を有するものであることを見出し、報告している(非特許文献9、10)。
Peters A (2004) A fourth type of neuroglial cell in the adult central nervous system. J Neurocytol. 33:345-57. Levine JM, et al., (2001) The oligodendrocyte precursor cell in health and disease. Trends Neurosci. 24:39-47. Belachew S, et al., (2003) Postnatal NG2 proteoglycan-expressing progenitor cells are intrinsically multipotent and generate functional neurons. J Cell Biol. 161:169-86. Bergles DE, et al., (2000) Glutamatergic synapses on oligodendrocyte precursor cells in the hippocampus. Nature. 405:187-91. Lin SC, et al., (2004) Synaptic signaling between GABAergic interneurons and oligodendrocyte precursor cells in the hippocampus. Nat Neurosci. 7:24-32. Wennstrom M, et al., (2003) Electroconvulsive seizures induce proliferation of NG2-expressing glial cells in adult rat hippocampus. Biol Psychiatry 54:1015-24 Wennstrom M, et al., (2004) Electroconvulsive seizures induce proliferation of NG2-expressing glial cells in adult rat amygdala. Biol Psychiatry 55:464-71. Roy NS, et al., (1999) Identification, isolation, and promoter-defined separation of mitotic oligodendrocyte progenitor cells from the adult human subcortical white matter. J Neurosci. 19:9986-95. Tatebayashi Y, et al., (2003) The dentate gyrus neurogenesis: a therapeutic target for Alzheimer's disease. Acta Neuropathol (Berl). 105:225-32. Tatebayashi Y, et al., (1999) Dynamic regulation of expression and phosphorylation of tau by fibroblast growth factor-2 in neural progenitor cells from adult rat hippocampus. J Neurosci. 19:5245-54.
本発明が解決しようとする課題は、遺伝子操作を行わずに哺乳動物脳(特に成体の脳)からNG2陽性細胞を簡便に調製及び培養する方法を提供することにある。さらに、当該方法により得られるNG2陽性細胞を用いた新規薬剤のスクリーニング方法を提供することにある。
本発明者は、上記課題を解決するべく鋭意検討を行った。その結果、従来の分離方法(上記非特許文献9、10)により分離される数種類の培養細胞群中、その大部分がNG2陽性細胞になる培養条件があることを見出した。さらに本発明者は、この条件下で調製されたNG2陽性細胞が、所定の刺激を与えた場合に、(i) 神経伝達物質のグリシンを分泌する特性、及び(ii) GABA(γ-アミノ酪酸)系神経細胞に分化する特性を有するものであることを見出した。そこで、このNG2陽性細胞を用いて、当該細胞のグリシン分泌促進作用又はGABA系神経細胞への分化促進作用を有する新規薬剤をスクリーニングする方法を見出した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) 哺乳動物の脳から採取した細胞懸濁液を密度勾配遠心処理し、遠心後白濁した中間細胞層を分離する工程、及び分離物を無血清培地中で培養する工程を含むことを特徴とする、NG2陽性細胞の調製方法。
(2) 哺乳動物の脳から採取した細胞懸濁液を密度勾配遠心処理し、遠心後白濁した中間細胞層を分離する工程、及び分離物を無血清培地中で培養する工程を含むことを特徴とする、NG2陽性細胞の培養方法。
(3) 上記(1)に記載の方法により得られるNG2陽性細胞に候補物質を接触させ、接触後の当該細胞を脱分極刺激し、刺激後に分泌されるグリシンを検出し、得られる検出結果を指標としてグリシン分泌促進作用を有する物質をスクリーニングする方法。
(4) 上記(1)に記載の方法により得られるNG2陽性細胞に候補物質を接触させ、接触後の当該細胞を脱分極刺激し、刺激後、当該細胞に発現するGABA系細胞マーカー又は当該細胞から分泌されるGABAを検出し、得られる検出結果を指標としてNG2陽性細胞に対するGABA系神経細胞への分化促進作用を有する物質をスクリーニングする方法。
本発明において、哺乳動物の脳から採取した細胞としては、例えば、海馬、扁桃体、大脳皮質、嗅球、線条体、脳幹、小脳及び脊髄からなる群より選択される少なくとも1種に由来する細胞が挙げられる。
また、無血清培地としては、例えば、B27サプリメント、増殖因子及びアミノ酸からなる群より選択される少なくとも1種を含むものが挙げられる。ここで、アミノ酸としては、グルタミンに加え、例えば、グルタミン酸及びアスパラギン酸等の興奮性アミノ酸が挙げられる。
さらに、哺乳動物としては、例えばラット等が挙げられ、なかでも成体ラットであることが好ましい。
本発明によれば、哺乳動物成体脳より遺伝子操作を行わずにNG2陽性細胞の簡便な調製方法及び培養方法を提供することができる。さらに、当該方法により得られるNG2陽性細胞を用いた新規薬剤のスクリーニング方法、具体的には、NG2陽性細胞に対するグリシン分泌促進作用を有する薬剤をスクリーニングする方法、及びNG2陽性細胞に対するGABA系神経細胞への分化促進作用を有する薬剤をスクリーニングする方法を提供することができる。
以下、本発明について詳しく説明するが、本発明の範囲はこれらの説明に拘束されることはなく、以下の例示以外についても、本発明の趣旨を損なわない範囲で適宜変更し実施し得る。

1.本発明の概要
本発明者は、ラット脳(海馬、その他)からのNG2陽性神経前駆細胞の無血清培地を用いた新しい分離培養法を確立した。詳しくは、ラット脳(成体ラット脳)より所定の分離方法(非特許文献9、10)で分離された細胞から、NG2陽性細胞を調製し得るin vitro培養条件を見出した(図2、3)。この条件によれば、(i) ほぼあらゆる月齢の成体ラット脳のほとんどの部位から、(ii) 簡便に、(iii) 高純度で大量に、(iv) 遺伝子操作を行わずに、(v) 無血清培地のみを用いて、NG2陽性細胞を分離培養することができる。
さらに本発明者は、この培養法を用いて得られるNG2陽性細胞が、(a) 脱分極刺激でグリシン等の神経伝達物質の放出特性を有すること、及び、(b) 神経成長因子の一種であるBDNF(brain-derived neurotrophic factor)等の刺激によりGABA系神経細胞(すなわちGABAを分泌する細胞)に分化し得る特性を有することを新たに見出した。
NG2陽性細胞は中枢神経系に豊富に存在し、成体脳でも盛んに増殖していることから、GABA、グリシン伝達系の制御に大きな役割を担いながら精神疾患などの病態に大きく関与していると考えられる。従って、培養NG2陽性細胞を用いて、その分泌、分化、増殖を標的に薬剤を探索する本発明のスクリーニング法は、受容体やトランスポーターなどの効果器を直接の標的とした従来のものとは異なる、分泌細胞側を標的にした新規かつ有用なスクリーニング方法である。

2.NG2陽性細胞の調製方法
本発明のNG2陽性細胞の調製方法は、前述した通り、哺乳動物の脳から採取した細胞懸濁液を密度勾配遠心処理し、遠心後白濁した中間細胞層を分離する工程(分離工程)、及び分離物を無血清培地中で培養する工程(培養工程)を含むことを特徴とする方法である。
本発明はまた、NG2陽性細胞の培養方法も包含するものであり、当該培養方法は、本発明の調製方法と同様の工程を含むことを特徴とする。
(1) 分離工程
本工程では、哺乳動物の脳から、神経前駆細胞様の性質を有するNG2陽性細胞を効率的に分離することを目的とする。
本発明に用い得る哺乳動物としては、限定はされないが、例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ブタ、イヌ、ネコ、サル、ヒツジ、ウシ、ウマ及びヒト等の哺乳類動物が挙げられ、中でも、ラット、マウス及びモルモット等の齧歯類(ネズミ目)動物が好ましく、より好ましくはラットである。また、本発明の方法を再生医療等の臨床に適用する場合はヒト由来の脳を使用することができる。本発明においては成体(特に成体ラット)の脳を使用することが好ましい。「成体」とは、胎児及び幼児ではなく既に性成熟した哺乳動物個体を意味し、例えばラット、マウスでは生後少なくとも4週を経過している個体、ブタでは生後少なくとも3〜4ヶ月を経過している個体、ヒトでは15歳以上の個体を意味する。
採取する脳組織(脳細胞)は、限定はされず、海馬、扁桃体、大脳皮質、嗅球、小脳、線条体、脳幹及び脊髄等からなる群より選択される少なくとも1種に由来する細胞が好ましく挙げられるが、中でも、精神病態に関与する重要な部位である海馬及び扁桃体並びに小脳がより好ましい。上記採取の方法は、常法に従い行うことができる。通常は、脳から採取した直後のものは組織塊(一般的には数mm3程度)の状態であるため、プロテアーゼ(パパイン等)を用いた酵素処理、及びピペッティング等の機械的分離処理などを適宜行い、細胞レベルに分離した細胞懸濁液として得るようにする。
細胞懸濁液を密度勾配遠心処理する方法としては、適当な遠心チューブ内に遠心分離媒体の密度勾配(ステップグラジュエント)を作製し、この媒体上に細胞懸濁液を載せ、遠心処理する方法であればよく、限定はされない。
上記遠心分離媒体としては、限定はされないが、例えば、イオジキサノールを含む媒体(OptiPrep(登録商標)等)、パーコール等が好ましく挙げられ、中でも、イオジキサノールを含む媒体が特に好ましい。なお、イオジキサノールを含む媒体を使用する場合、密度勾配としては、例えば、密度の高い方から順に16.4%(w/w, 比重1.041)、11.7%(同1.029)、9.4%(同1.023)、7%(同1.017)に調製した媒体を1mlずつ使用することが好ましい。
遠心条件は、遠心チューブや遠心分離媒体の容量等により適宜設定することができ、限定はされないが、600〜800Gで15〜20分が好ましく、より好ましくは800Gで15分である。
上記遠心処理後、通常、細胞層として、ペレット層と白濁した中間層(比重1.029部)とが形成されるが、本発明においては、中間層のみを回収して分離する。遠心分離媒体からの当該中間層の回収は、ピペッティングなど常法により行うことができる。分離された細胞は、例えば後述する培養液等を用いて、適宜洗浄しておくことが好ましい。
なお、本工程(分離工程)の各種手順及び詳細については、先に示した非特許文献9(Tatebayashi Y, et al., (2003) The dentate gyrus neurogenesis: a therapeutic target for Alzheimer's disease. Acta Neuropathol (Berl). 105:225-32.)及び10(Tatebayashi Y, et al., (1999) Dynamic regulation of expression and phosphorylation of tau by fibroblast growth factor-2 in neural progenitor cells from adult rat hippocampus. J Neurosci. 19:5245-54.)の記載を、必要に応じ、適宜引用することができる。
(2) 培養工程
本工程では、分離工程で得られた細胞を効率よくNG2陽性細胞に分化させ培養することを目的とする。
培養に用いる培養容器は、分離工程で得られた細胞が接着し得るものであればよく、限定はされない。例えば、ポリリジンコーティングした培養ディッシュが好ましく用いられるが、特に好ましいのはポリ-D-リジンでコーティングした培養ディッシュである。
本発明の方法に用い得る無血清培地としては、添加物を必須とする以外は、任意の神経細胞用培地及び各種抗生物質等を用いることができる。
ここで、添加物としては、分離工程で得られた神経幹細胞様の性質を有する細胞群中、効果的にNG2陽性細胞を選択し得るものであればよく、例えば、B27サプリメント、増殖因子及びアミノ酸から選ばれる1種又は2種以上を適宜組み合わせて使用することができる。B27サプリメントは、例えば90%以上のNG2陽性細胞分化率を達成することができ、特に好ましい。増殖因子としては、限定はされないが、例えば、線維芽細胞成長因子(Fibroblast growth factor 2)及び血小板由来成長因子(Platelet derived growth factor)等を用いることができる。アミノ酸としては、限定はされないが、例えば、グルタミン酸(L-Glu)及びアスパラギン酸(L-Asp)等の興奮性アミノ酸を好ましく用いることができる。これら興奮性アミノ酸は、NG2陽性細胞の生存率を有意に上昇させることができる。
神経細胞用培地としては、限定はされないが、例えば、Neurobasal-A(インビトロジェン社)、DMEM/F12(インビトロジェン社)等が好ましく用いられる。なお、必要に応じ、各種アミノ酸(例えば、L-グルタミン)を添加することが好ましい。
また抗生物質としては、限定はされないが、例えば、ペニシリン、ストレプトマイシン及びファンギゾンの中から選択される2種以上を用いることができる。
培養温度は、例えば、36.5〜37.0℃で行うことが好ましい。また培養時間は、特に限定はされないが、適宜培地交換を行いながら(例えば2〜3日に一回、半分量交換)、培養細胞が培養容器内に一杯になった時点で一部を採取し、継代すればよい。
培養工程においては、得られた培養細胞のうち、NG2陽性細胞が85%以上であることが好ましく、少なくとも70%以上、さらに好ましくは80%以上、特に好ましくは90%以上、最も好ましくは95%以上である。すなわち、NG2陽性細胞含有率が上記範囲であることが好ましい。なお、得られた培養細胞がNG2陽性細胞であることの確認方法および陽性細胞の含有率は、限定はされないが、例えば、NG2抗体を用いた免疫染色法により行うことができる。
(3) その他
本発明の調製方法で得られたNG2陽性細胞がグリシン分泌能を有する細胞であることの確認方法としては、例えば、高濃度のK+条件下にすることで脱分極刺激を与え、分泌されるグリシンを、HPLCによる検出又は抗グリシン抗体を用いた免疫染色等により確認する方法等が挙げられる。なお、本発明の調製方法で得られたNG2陽性細胞は、未分化のままでグリシン分泌能を有するものである。
また、本発明の調製方法で得られたNG2陽性細胞が、GABA(γ-アミノ酪酸)分泌能を有する細胞(すなわちGABA系神経細胞)に分化し得ることの確認方法としては、例えば、得られたNG2陽性細胞をBDNF(脳由来神経栄養因子)やPDGF(血小板由来成長因子)などを加えた培養液で一定期間(例えば10日程度)培養することによりこれら因子による分化促進刺激を与え、その後、培養細胞から分泌されるGABAを、HPLCによる検出又は抗GABA抗体を用いた免疫染色等により確認する方法等が挙げられる。

3.スクリーニング方法
(1) グリシン分泌促進作用を有する物質のスクリーニング方法
本スクリーニング方法は、前述した通り、本発明の調製方法により得られるNG2陽性細胞に候補物質を接触させて、接触後、当該細胞から脱分極刺激などで分泌されるグリシンを検出し、得られる検出結果を指標としてNG2陽性細胞に対するグリシン分泌促進作用を有する物質をスクリーニングする方法である。
具体的には、NG2陽性細胞の培養液中に候補物質をある一定期間添加し、その後、このNG2陽性細胞が脱分極刺激などで培養液中にグリシンを分泌するかどうかを評価する。候補物質を添加する一定期間は、例えば3〜10日程度であり特に限定はしない。脱分極刺激は、例えば高カリウムイオン(50mM)を含んだKrebs-Linger液を用いた1分程度刺激やNG2陽性細胞上のAMPA型グルタミン酸受容体をAMPAなどのアゴニストによって15分程度刺激することにより行なうことができる。培養液中のグリシンの検出は、例えば、培養液のHPLC分析又は培養細胞を抗グリシン抗体を用いた免疫染色等を行うことにより可能である。なお、培養液としては、候補物質を添加すること以外は、前記本発明の調製方法と同様に任意の神経細胞用培地及び各種添加物等を用いることができる。
候補物質としては、限定はされないが、天然又は人為的に合成された各種ペプチド、タンパク質(酵素や抗体を含む)、核酸(ポリヌクレオチド(DNA, RNA)、オリゴヌクレオチド(siRNA等)、ペプチド核酸(PNA)など)、低分子又は高分子有機化合物等を例示することができる。
候補物質の添加後、脱分極刺激などで培養液中にグリシンが検出された場合、詳しくは候補物質の添加前に比較して有意量検出された場合は、当該候補物質は、NG2陽性細胞に対するグリシン分泌促進作用を有する物質であると評価できる。
一方、候補物質の添加後、脱分極刺激などで培養液中にグリシンが検出されない場合、詳しくは候補物質の添加前と同等量又はそれ以下の量しか検出されない場合は、当該候補物質は、NG2陽性細胞に対するグリシン分泌促進作用を有する物質ではないと評価できる。
本スクリーニング方法により、NG2陽性細胞に対するグリシン分泌促進作用を有すると評価された物質は、うつ病、統合失調症、双極性障害、広汎性発達障害、アルツハイマー病などの認知症等の精神病態の予防又は治療用薬剤として有望である。
(2) GABA系神経細胞への分化促進作用を有する物質のスクリーニング方法
本スクリーニング方法は、前述した通り、本発明の調製方法により得られるNG2陽性細胞に候補物質を接触させて接触後の細胞から分泌されるGABAを検出し、得られる検出結果を指標としてNG2陽性細胞に対するGABA系神経細胞への分化促進作用を有する薬剤をスクリーニングする方法である。
具体的には、NG2陽性細胞の培養液中に候補物質を添加し、その後一定期間(例えば10日程度)培養し、得られた培養細胞が、GABA系神経細胞のマーカーを発現しているかどうか、または脱分極刺激などにより培養液中にGABAを分泌しているかどうかを評価する。GABA系神経細胞のマーカーとしては、例えばvesicular GABA transporter、glutamate decarboxylase 67などが挙げられ、これらのマーカーは、細胞の免疫染色を行なうことにより検出することができる。また、培養液中のGABAの検出は、例えば、培養液のHPLC分析又は培養細胞の抗GABA抗体を用いた免疫染色等により行うことができる。なお、培養液としては、候補物質を添加する以外は、前記本発明の調製方法と同様に任意の神経細胞用培地及び各種添加物等を用いることができる。
候補物質としては、前記(1)のスクリーニング方法において列挙したものと同様のものが使用できる。
また候補物質の一定期間添加後、GABA系神経細胞のマーカーが検出された場合、詳しくは候補物質の添加前に比較して有意に多くGABA系神経細胞のマーカーが検出された場合は、当該候補物質は、NG2陽性細胞に対するGABA系神経細胞への分化促進作用を有する物質であると評価できる。
さらに候補物質の添加後、脱分極刺激などで培養液中にGABAが検出された場合、詳しくは候補物質の添加前に比較して有意に多く量が検出された場合は、当該候補物質は、NG2陽性細胞に対するGABA系神経細胞への分化促進作用を有する物質であると評価できる。
一方、候補物質の添加後、GABA系神経細胞のマーカーが検出されない場合、または脱分極刺激などで培養液中にGABAが検出されない場合、詳しくは候補物質の添加前と同等量又はそれ以下の量しか検出されない場合は、当該候補物質は、NG2陽性細胞に対するGABA系神経細胞への分化促進作用を有する物質ではないと評価できる。
本スクリーニング方法により、NG2陽性細胞に対するGABA系神経細胞への分化促進作用を有する物質であると評価された物質は、うつ病、統合失調症、双極性障害、広汎性発達障害、アルツハイマー病などの認知症等の精神病態の予防又は治療用薬剤として有望である。
以下に、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
<材料>
1.ケミカル
Neurobasal-A, Hibernate, B27 supplement, B27-AO supplement, N2 supplement, L-glutamine, L-glutamate, L-aspartate, penicillin-streptomycin, Optiprep(以上Gibco), papain(Warshington), fibroblast growth factor 2 (FGF2), platelet derived growth factor (PDGF), brain derived neurotrophic factor (BDNF)(以上Peprotech), poly-D-lysine(Sigma)
2.抗体
NG2(monoclonal, polyclonal; Chemicon), GABA (monoclonal; Sigma), グリシン(polyclonal; SigmaまたはChemicon), MAP2a/b (monoclonal; Sigma), nestin (monoclonal; Chemicon), O4 (monoclonal; Chemicon), GFAP (polyclonal; DAKO), GAD67 (monoclonal; Sigma), VGAT(polyclonal; Synaptic systems), synapsin I(monoclonal; Transduction), Tuj1(monoclonal; Covance)
<方法>
1.細胞の分離
8〜12週齢の雌CDラットの海馬の膜・血管成分を丁寧にとり除き、メスを用いて小さな組織塊(5 mm3以下)に切り分けた後、1mg/mlのpapain溶液(Hibernateに溶解後フィルター滅菌)で、震盪させながら、30℃で30分間インキュベートを行った。Papainの反応は、組織塊をHibernateで2〜3回洗浄することにより停止させた。1mlチップを用いて組織塊を優しくほぐすように10回ピペッティング後、2分間静置し、上清を2ml回収した。ピペッティングは合計3回行い、回収した上清計6mlを、OptiprepTMのステップグラジュエント上に載せ、800G15分間遠心した。本実施例において採用したグラジエントステップは、重い方から16.4%、11.7%、9.4%、7%、1mlずつである。
細胞を16.4%のフラクション上に出来る白濁した細胞層(中間細胞層)とペレット(図2)から別々に回収して、Neurobasal A + L-glutamine + 抗生物質 + B27、B27-AOまたはN2で2回洗浄した。
2.細胞の培養
洗浄後の細胞を、poly-D-lysineでコートした培養ディッシュに播いた。30〜60分後に、ディッシュに接着した細胞以外の付着物を軽くピペッティングでそぎ落とし、培養液(Neurobasal A + L-glutamine + 抗生物質 + B27、B27-AOまたはN2 )に10 ng/ml FGF2を添加したものに交換した。
培養液の交換は2〜3日に一回、半量ずつ行った。また、細胞がディッシュ内に一杯になった時点で、ピペッティングで細胞を剥がし継代した。
3.培養後の細胞の特性確認
(1) HPLCによる分析
PDGFやBDNFはFGF2に加える形で7〜9日間刺激を行った。高濃度のK+による刺激は、まずKrebs-Ringer液で4回、培養皿を洗い、1分間50 mMのKClを加えたKrebs-Ringer液で細胞を刺激した。回収したKrebs-Ringer液を900gで遠心し、HPLCによる分析に回した。
(2) 細胞染色
一部の培養細胞は、BIO-CAOTTM LAB-TEKチェンバーで培養を行った。刺激終了後に細胞をPBSで1回洗浄後、4 % paraformaldehyde + PBSで10〜20分間固定した。GABA及びグリシン染色の場合、5 % glutalaldehyde + PBSで固定を行った。固定後は、PBSで3回洗浄し、0.5 % Triton-X + PBSで5〜10分間脂質成分を除去した。PBS2回、TBSで1回洗浄後、1 % Bovine Serum Albumin + TBSでブロッキングを行い、一次抗体、二次抗体の反応を行った。観察はZeissの共焦点顕微鏡を用いた。
<結果>
OptiprepTMのステップグラジュエント処理の後、様々なフラクションをNeurobasal A + FGF2 + B27の条件で培養した結果、中間細胞層とペレットからのみ細胞が増殖することが判明した(図2)。さらに添加物をB27-AO(B27から抗酸化剤を除外)やN2などを用いて細胞の増殖を観察したところ、ペレットの分画からのみN2添加物で細胞が増殖した。このペレット分画からN2添加物で増殖する細胞は、諸条件から、既に報告されている海馬神経前駆細胞であろうと考えられた(Gage FH, et al., (1995) Survival and differentiation of adult neuronal progenitor cells transplanted to the adult brain. Proc Natl Acad Sci U S A. 92:11879-83. ; Palmer TD, et al., (1999) Fibroblast growth factor-2 activates a latent neurogenic program in neural stem cells from diverse regions of the adult CNS. J Neurosci. 19:8487-97.)。
そこで、詳細が不明な中間細胞層からB27添加物で増殖する細胞を中心に解析を進めたところ、90%以上の細胞がOPCsのマーカーであるNG2が陽性である事が判明した(図3)。培養液の交換や継代を丁寧に行う事で、NG2陽性細胞を90%以上の純度で連続継代培養が可能な事も判明した。
成体脳におけるOPCsの機能はほとんどわかっていないため、脱分極刺激による影響を調べた。高濃度のカリウムイオンで脱分極を誘発し、刺激液中に分泌されるアミノ酸を分析したところ、グリシンが優位に上昇している事が判明した(図4)。グリシン染色で細胞を観察したところ、刺激前では抗グリシン抗体でスムースに染まっていた細胞体や突起に、刺激後では所々に直径約2μm程度の大小の円形の欠落があることが観察された(図5)。グリシンの染色強度を定量したところ、刺激後に染色強度が有意に低下している事が証明された(図5)。これらの結果は、海馬より分離培養したNG2陽性のOPCsがグリシンの分泌細胞であることを示すものである。
NG2陽性細胞につき、さらに生存条件の良い培養条件を見出す目的で、各種アミノ酸の追加添加による当該細胞への影響を調べた。具体的には、L-アラニン(333μM)、L-グルタミン酸(333μM)、L-グリシン(200μM)、L-ヒスチジン(100μM)、L-イソロイシン(167μM)、L-リジン(500μM)、L-フェニールアラニン(125μM)、L-プロリン(200μM)、L-バリン(200μM)、L-アスパラギン酸(250μM in 1μM HCl)及びL-ロイシン(500μM in 1μM HCl)をそれぞれ別に5日間培地に加え、経時的に細胞数を測定したところ、L-グルタミン酸及びL-アスパラギン酸を加えた場合のみ、有意に細胞数の増加が認められた。その結果を図10に示す。これらの興奮性アミノ酸(L-グルタミン酸及びL-アスパラギン酸)は、Neurobasal-A及びB27サプリメント等には含まれていないものであり、この結果は、成体脳由来NG2陽性細胞に適した特殊培養液の開発につながると考えられた。
最近、海馬のNG2陽性細胞がparalbumin陽性のGABAergicな抑制系の神経細胞へ分化する可能性が議論されている。成体脳海馬由来のNG2陽性細胞の培養法は確立されていなかったため、この可能性を直接検討する事は今まで困難であった。そのため、本発明において高純度で分離することができたNG2陽性細胞を用いて、神経分化への検討を行った。
刺激にはこの細胞の増殖に必要なFGF2に加え、PDGFとBDNFを用いて検討した。これらの因子を単独で刺激に使った場合、NG2陽性細胞のGABA染色などに大きな変動は認めなかったが、BDNFは神経細胞のマーカーであるMAP2a/bの発現を増加させた。
BDNFとPDGFで同時に7日間刺激を行うと、コロニー周辺部の細胞が神経細胞様に形態変化すると同時に、GABA、GAD67、vesicular GABA transporterなどGABA系神経細胞のマーカーが増強し、NG2の発現が減少している事が認められた(図8,9)。
<考察>
神経伝達物質のグリシンは抑制系の神経伝達物質として重要なばかりでなく、NMDA型グルタミン酸受容体の正の調節因子として重要な働きをしている(図6)。海馬や扁桃体など前脳部では、グリシン及び受容体の発現量が脳幹部に比較してかなり低い事から、NMDA受容体の調節がグリシンの主要な働きであると考えられる(図6)。
本発明者が見出したNG2陽性細胞のグリシンやGABA伝達系への関与は、ECT(電気けいれん療法)などの治療法がNG2陽性細胞の新生を海馬や扁桃体で増強するといった最近の報告、また従来からいわれている精神疾患におけるグリア系細胞の異常、統合失調症のグルタミン酸仮説などといった別々の事項を包括的に結びつける点で極めて有用な知見である。さらにNG2陽性細胞がそれら疾患の直接の治療ターゲットとなる可能性を強く示唆すことから、本スクリーニング法はそれら精神疾患の治療法及び治療薬の開発に極めて有用と考えられる。
成体ラット海馬のNG2陽性細胞を表す写真である。 本発明のNG2陽性細胞の調製方法の概略を示すフロー図である。 本発明の調製方法により得られたNG2陽性細胞を表す写真である。 NG2陽性細胞が脱分極刺激後グリシンを分泌することを示す図である。 NG2陽性細胞が脱分極刺激後グリシンを分泌することを示す図である。 NMDA型グルタミン酸受容体の構造及び機能を示す図である。 神経−グリア相関のモデルを示す図である。 NG2陽性細胞からGABA系神経細胞への分化を示す写真である。 抗GABA抗体を用いた免疫染色の結果を表す図である。 各種アミノ酸のNG2陽性細胞(海馬及び小脳由来)数への影響を示す図である。

Claims (8)

  1. 哺乳動物の脳から採取した細胞懸濁液を密度勾配遠心処理し、遠心後白濁した中間細胞層を分離する工程、及び分離物を無血清培地中で培養する工程を含むことを特徴とする、NG2陽性細胞の調製方法。
  2. 哺乳動物の脳から採取した細胞懸濁液を密度勾配遠心処理し、遠心後白濁した中間細胞層を分離する工程、及び分離物を無血清培地中で培養する工程を含むことを特徴とする、NG2陽性細胞の培養方法。
  3. 採取した細胞が、海馬、扁桃体、大脳皮質、嗅球、線条体、脳幹、小脳及び脊髄からなる群より選ばれる少なくとも1種に由来する細胞である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 無血清培地は、B27サプリメント、増殖因子及びアミノ酸からなる群より選ばれる少なくとも1種を含むものである、請求項1又は2に記載の方法。
  5. アミノ酸が、グルタミン酸及び/又はアスパラギン酸である、請求項4に記載の方法。
  6. 哺乳動物がラットである、請求項1又は2に記載の方法。
  7. 請求項1に記載の方法により得られるNG2陽性細胞に候補物質を接触させ、接触後の当該細胞を脱分極刺激し、刺激後に分泌されるグリシンを検出し、得られる検出結果を指標としてグリシン分泌促進作用を有する物質をスクリーニングする方法。
  8. 請求項1に記載の方法により得られるNG2陽性細胞に候補物質を接触させ、接触後の当該細胞を脱分極刺激し、刺激後、当該細胞に発現するGABA系細胞マーカー又は当該細胞から分泌されるGABAを検出し、得られる検出結果を指標としてNG2陽性細胞に対するGABA系神経細胞への分化促進作用を有する物質をスクリーニングする方法。
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