JP5120829B2 - Tslp遺伝子の多型に基づく免疫疾患の検査法 - Google Patents

Tslp遺伝子の多型に基づく免疫疾患の検査法 Download PDF

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Description

本発明は喘息などの免疫疾患の検査方法及び該検査法に用られる検査試薬に関する。
現在、日本人成人の約3%および小児の約6%は、気管支喘息に罹患しているといわれている。この気管支喘息は、喘鳴、咳、息切れなどを伴う慢性の可逆的気道閉塞を臨床的特徴としている。該気管支喘息は、近年増加の一途をたどっている疾患の一つであり、その病態の解明などが待たれている。近年、かかる気管支喘息に関して、数多くの遺伝素因の同定が活発に行われている。
気管支喘息に関連する遺伝子としてT−bet遺伝子(特許文献1)、Iκβ関連蛋白遺伝子(特許文献2)、IL−12B遺伝子プロモーター(特許文献3)、TRAIL受容体遺伝子(特許文献4)、ASTH1遺伝子(特許文献5)、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質遺伝子(特許文献6)、IL−4R遺伝子(特許文献7)などの多型をもとに気管支喘息の危険性を調べる方法が知られている。
一方、TSLPはIL−7様サイトカインで、T細胞のTh2細胞への分化を誘導することが知られている(非特許文献1)。また、TSLPの発現が喘息患者の気道で増加することも知られている(非特許文献2)。しかしながら、気管支喘息に関連するTSLP遺伝子の多型は知られていなかった。
特開2006-149276号公報 特開2002-218997号公報 特開2006-101847号公報 特開2005-027595号公報 特表2002-500895号公報 特表2002-511242号公報 特表2002-532073号公報 J Exp Med. 2005 Nov 7;202(9):1213-23 J Immunol. 2005 Jun 15;174(12):8183-90
本発明は、喘息等の免疫疾患の発症リスクや発症の有無を正確に検査する方法、及び該方法に用いられる検査試薬を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた。その結果、TSLP遺伝子上の一塩基多型が喘息などの免疫疾患の発症に深く関連することを発見した。そして、TSLP遺伝子上の多型を調べることにより免疫疾患の検査を正確に効率的に行うことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1) thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子の一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて免疫疾患を検査する方法。
(2) 一塩基多型が−82位の塩基または該塩基と連鎖不平衡にある塩基の一塩基多型である、(1)の方法。
(3) −82位の塩基と連鎖不平衡にある塩基が、−1914位、−847位、1117位、1479位および5901位から選ばれる塩基である、(2)の方法。
(4) 免疫疾患がアレルギー疾患である(1)〜(3)のいずれかの方法。
(5) アレルギー疾患が喘息である、(4)の方法。
(6) 以下の群から選ばれる1又は2以上のプローブを含む免疫疾患の検査試薬:
(a)配列番号1の塩基配列において1600番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(b)配列番号1の塩基配列において2667番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(c)配列番号1の塩基配列において3432番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(d)配列番号1の塩基配列において4630番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(e)配列番号1の塩基配列において4992番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(f)配列番号1の塩基配列において9414番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ。
(7) 以下の群から選ばれる1又は2以上のプライマーを含む免疫疾患の検査試薬:
(a)配列番号1の塩基配列の1600番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(b)配列番号1の塩基配列の2667番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(c)配列番号1の塩基配列の3432番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(d)配列番号1の塩基配列の4630番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(e)配列番号1の塩基配列の4992番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(f)配列番号1の塩基配列の9414番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー。
(8) thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子のlong isoformの発現量を分析し、該分析結果に基づいて免疫疾患を検査する方法。
(9) long isoformの発現量が健常者と比較してより多い場合を免疫疾患の発症リスクが高い或いは羅病している可能性が高いと判定する、(8)の検査方法。
(10) thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子のlong isoformの発現量を、免疫疾患治療薬の存在下と非存在下とで比較する工程を含む、免疫疾患治療薬の効果を判定する方法。
(11) 候補物質の存在下と非存在下とにおいてthymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子のlong isoformの発現量を測定する工程、次いで、候補物質の存在下においてその発現量が抑制される場合に、当該候補物質を免疫疾患治療薬として選択する工程を含む、免疫疾患治療薬のスクリーニング方法。
本発明の検査方法により、喘息等の免疫疾患の発症リスクや発症の有無を早期に判定することができるため、免疫疾患の早期発見や治療方針の迅速な決定ができるという利点がある。
<1>本発明の検査方法
本発明の検査方法は、thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子上の免疫疾患に関連する遺伝子多型を分析し、該分析結果に基づいて免疫疾患を検査する方法である。免疫疾患としては、特に限定されないが、例えば、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー
疾患が好ましく、喘息がより好ましい。喘息には成人喘息、小児喘息、アトピー性喘息などが含まれる。本発明において、「検査」とは免疫疾患の発症リスクの検査及び発症の有無の検査を含む。
TSLP遺伝子としては、ヒトTSLP遺伝子が好ましく、例えば、配列番号1の塩基配列を有する遺伝子を挙げることができる。なお、TSLP遺伝子の配列は人種の違いなどによって免疫疾患に関連する塩基以外の塩基において置換や欠失等が存在する可能性があるため、上記配列の遺伝子に限定されない。
遺伝子多型の種類は免疫疾患に関連するものである限り特に制限されず、一塩基多型(single nucleotide polymorphisms;SNPs)、及びVNTR(Variable Number of Tandem Repeat)などを含む。その中では一塩基多型がより好ましい。
免疫疾患に関連するTSLP遺伝子の一塩基多型は特に制限されないが、好ましくは、−82位(配列番号1の3432番目)の塩基またはこの塩基と連鎖不平衡にある塩基が挙げられる。ここで、「−82位」とはTSLP遺伝子のLong isoformの翻訳開始点(配列番号1においては3514番目)を1として数えたときの位置を意味する。以下においても同様である。なお、例えば、「−82位」の場合、該位置と翻訳開始点の間に挿入や欠失が起こった場合、番号が前後することも生じうるが、配列を比較して配列番号1の「−82位」に相当する塩基も「−82位」の塩基に含むものとする。その他の位置も同様である。
−82位の塩基と連鎖不平衡である塩基としては、−1914位(配列番号1の1600番目)の塩基、−847位(配列番号1の2667番目)の塩基、1117位(配列番号1の4630番目)の塩基、1479(配列番号1の4992番目)の塩基、5901位(配列番号1の9414番目)の塩基が挙げられる。
ヒト染色体上のTSLP遺伝子においては、(a)−1914位(配列番号1の1600番目)の塩基にA(アデニン)>G(グアニン)の多型(AとGの多型が存在し、Aがメジャーアレルであることを示す、以下同様)が存在する。
また、(b)−847位(配列番号1の2667番目)にC(シトシン)>T(チミン)の多型が存在する。
また、(c)−82位(配列番号1の3432番目)の塩基にC>Tの多型が存在する。
また、(d)1117位(配列番号1の4630番目)の塩基にC>Tの多型が存在する。
また、(e)1479(配列番号1の4992番目)の塩基にC>Gの多型が存在する。
また、(f)5901位(配列番号1の9414番目)の塩基にG>Aの多型が存在する。
これらの塩基の多型を単独または組み合わせて解析することにより、免疫疾患を検査することができる。なお、TSLP遺伝子の配列はセンス鎖を解析してもよいし、アンチセンス鎖を解析してもよい。
TSLP遺伝子の遺伝子多型の解析に用いる試料としては、染色体DNAを含む試料であれば特に制限されないが、例えば、血液、尿等の体液サンプル、肝細胞などの細胞、毛髪等の体毛などが挙げられる。遺伝子多型の解析にはこれらの試料を直接使用することもできるが、これらの試料から染色体DNAを常法により単離し、これを用いて解析することが好ましい。
TSLP遺伝子の遺伝子多型の解析は、通常の遺伝子多型解析方法によって行うことができる。例えば、シークエンス解析、PCR、ハイブリダイゼーションなどが挙げられるが、これらに限定されない。
シークエンスは通常の方法により行うことができる。具体的には、多型を示す塩基の5’側 数十塩基の位置に設定したプライマーを使用してシークエンス反応を行い、その解析結果から、該当する位置がどの種類の塩基であるかを決定することができる。なお、シークエンスを行う場合、あらかじめ多型を含む断片をPCRなどによって増幅しておくことが好ましい。
また、PCRによる増幅の有無を調べることによって解析することができる。例えば、多型を示す塩基を含む領域に対応する配列を有し、かつ、各多型に対応するプライマーをそれぞれ用意する。それぞれのプライマーを使用してPCRを行い、増幅産物の有無によってどのタイプの多型であるかを決定することができる。
また、LAMP法(特許第3313358号明細書)、NASBA法(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification;特許2843586号明細書)、ICAN法(特開2002-233379号公報)などによって増幅の有無を調べることもできる。その他、単鎖増幅法を用いてもよい。
また、多型を含むDNA断片を増幅し、増幅産物の電気泳動における移動度の違いによってどのタイプの多型であるかを決定することもできる。このような方法としては、例えば、PCR-SSCP(single−strand conformation polymorphism)法(Genomics. 1992 Jan 1; 12(1): 139−146.)が挙げられる。具体的には、まず、TSLP遺伝子の多型部位を含むDNAを増幅し、増幅したDNAを一本鎖DNAに解離させる。次いで、解離させた一本鎖DNAを非変性ゲル上で分離し、分離した一本鎖DNAのゲル上での移動度の違いによってどのタイプの多型であるかを決定することができる。
さらに、多型を示す塩基が制限酵素認識配列に含まれる場合は、制限酵素による切断の有無によって解析することもできる(RFLP法)。この場合、まず、DNA試料を制限酵素により切断する。次いで、DNA断片を分離し、検出されたDNA断片の大きさによってどのタイプの多型であるかを決定することができる。
次に、上記のような方法によって解析した多型に基いて、免疫疾患について検査を行う。
例えば、TSLP遺伝子の−82位の塩基の多型に基いて判定する場合は、該塩基がTの場合、免疫疾患の発症リスクが高い、免疫疾患に罹患している可能性が高いなどと判定することができる。また、対立遺伝子の多型を含めて考慮してもよく、例えば、遺伝子型がTTの場合に、CTやCCの場合と比べて免疫疾患の発症リスクが高い、免疫疾患に罹患している可能性が高いなどと判定することができる。
なお、−1914位、−847位、1117位、1479位、および5901位の多型は−82位の多型と連鎖不平衡にあるため、−82位の代わりにこれらの中のいずれかの塩基の多型を解析してもよい。
本発明の検査法においては、TSLP遺伝子の多型に加え、他の遺伝子の多型を解析し、それらの遺伝子の多型の組合わせに基いて免疫疾患の検査を行ってもよい。他の遺伝子としては、T-bet遺伝子(特開2006-149276)、IL-12B遺伝子のプロモーター(特開2006-101847)、TRAIL受容体遺伝子(特開2005-027595)などが挙げられる。
また、本発明においては、TSLPにLong isoform(翻訳開始点は配列番号1の3514番目のA)とShort isoform(翻訳開始点は配列番号1の5215番目のA)の2種類の発現産物が存在し(図1B)、TSLPのLong isoformの発現がウイルス性の刺激に応答して誘導されることが示されたため、TSLPのLong isoformの発現量を指標にして喘息などの免疫疾患の検査をすることも可能である。例えば、TSLPのLong isoformの発現量が健常者と比較して多いとき、免疫疾患の発症リスクが高い、免疫疾患に罹患している可能性が高いなど
と判定することができる。Long isoformの発現を特異的に検出するためにはLong isoformに特異的な領域をRT-PCRやハイブリダイゼーションなどによって検出すればよいが、例えば、配列番号8,9のプライマーを使用して定量的RT-PCRを行えばよい。
また、本発明においては、TSLP遺伝子のlong isoformの発現量を、免疫疾患治療薬の存在下と非存在下とで比較し、免疫疾患治療薬の効果を判定することもできる。例えば、気道上皮細胞などに免疫疾患治療薬を添加し、poly(I:C)刺激時のlong isoformの誘導が免疫疾患治療薬非添加時と比べて抑制されるかを指標にして判定することができる。
また、本発明においては、候補物質の存在下と非存在下とにおいてTSLP遺伝子のlong isoformの発現量を測定し、候補物質の存在下においてその発現量が抑制される場合に、当該候補物質を免疫疾患治療薬として選択することにより、免疫疾患治療薬のスクリーニングを行うこともできる。例えば、気道上皮細胞などに候補物質を添加し、poly(I:C)刺激時のlong isoformの誘導が候補物質非添加時と比べて抑制されるかを指標にして免疫疾患治療薬をスクリーニングすることができる。
<2>本発明の検査用試薬
本発明はまた、免疫疾患を検査するためのプライマー又はプローブを含む検査試薬を提供する。このようなプローブとしては、配列番号1の塩基配列において1600番目の塩基(−1914位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において2667番目の塩基(−847位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において3432番目の塩基(−82位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において4630番目の塩基(1117位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において4992番目の塩基(1479位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において9414番目の塩基(5901位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブが挙げられる。
これらのプローブは、各多型のいずれか一方に対応する配列を有する1種類のプローブを用いてもよいし、それぞれの多型に対応する配列を有する2種類のプローブを用いてもよい。
また、プライマーとしては、配列番号1の塩基配列の1600番目の塩基の多型を判別することのできるプライマー、例えば、配列番号1の塩基配列の1600番目の塩基を含む配列を有する領域を増幅することのできるプライマー;配列番号1の塩基配列の2667番目の塩基の多型を判別することのできるプライマー、例えば、配列番号1の塩基配列の2667番目の塩基を含む配列を有する領域を増幅することのできるプライマー;配列番号1の塩基配列の3432番目の塩基の多型を判別することのできるプライマー、例えば、配列番号1の塩基配列の3432番目の塩基を含む配列を有する領域を増幅することのできるプライマー;配列番号1の塩基配列の4630番目の塩基の多型を判別することのできるプライマー、例えば、配列番号1の塩基配列の4630番目の塩基を含む配列を有する領域を増幅することのできるプライマー;配列番号1の塩基配列の4992番目の塩基の多型を判別することのできるプライマー、例えば、配列番号1の塩基配列の4992番目の塩基を含む配列を有する領域を増幅することのできるプライマー;配列番号1の塩基配列の9414番目の塩基の多型を判別することのできるプライマー、例えば、配列番号1の塩基配列の9414番目の塩基を含む配列を有する領域を増幅することのできるプライマーが挙げられる。これらのプライマーは多型を含む領域(好ましくは50〜1000塩基の長さの領域)の両端に設定されたフォワードプライマーとリバースプライマーのプライマーセットであってもよい。
また、シークエンス解析や単鎖増幅に用いる場合、プライマーは多型の塩基の50〜100塩基上流の配列を有するプライマーを用いることができる。この場合、上記領域の相補鎖を増幅するプライマーであってもよい。
また、増幅の有無を指標に検査する場合は、多型を含む領域の配列またはその相補配列を有するプライマーであって、それぞれの多型に対応するプライマーを用いてもよい。
このようなプライマーやプローブの長さは特に制限されないが、例えば、10〜100塩基のオリゴヌクレオチドが好ましく、15〜50塩基のオリゴヌクレオチドがより好ましい。なお、本発明の検査用試薬はこれらのプライマーやプローブに加えて、PCR用のポリメラーゼやハイブリダイゼ−ション用のバッファーなどを含むものであってもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されない。
<1>多型分析
対象患者(被検者)
喘息を患う対象患者全員は、アメリカ胸部疾患学会(American Thoracic Society)の診断基準を用いて診断した(1962年)。アトピー性喘息の診断は、1種または複数のアレルゲンに対してプリックテスト陽性であるか一つ以上のRAST陽性であるかに基づいた(Hirota T. et. al., Functional haplotypes of IL-12B are associated with childhood atopic asthma. J Allergy Clin Immunol; 116, 789-795,2005)。コントロール(対照区)として、アトピー性関連疾患を持たない個人を母集団から、無作為に717人選んだ(年齢幅20-75歳、平均年齢49.2歳;男:女=2.64:1.0)。人種は全て日本人であり、理化学研究所遺伝子多型センター (The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN) , SNP Research center)における研究倫理委員会の規則に従って、全員から研究に参加することについて書面によるインファームドコンセント得た。
TSLPの遺伝的変異体が気管支喘息の感受性に関連するか評価するために、TSLP遺伝子多型の分析を行った。
連鎖不平衡マップの作製
対立遺伝子比較のために、コントロール検体12人、小児気管支喘息患者検体12人、および成人気管支喘息患者検体12人について、TSLP遺伝子の領域の遺伝子多型を見いだす目的で、最初のエクソンの上流約3kbpから最後のエクソンの下流約2kbpの遺伝子情報まで遺伝子解析装置を用いて解読した。その結果、19個のSNPが見いだされ、そのうち、マイナーアレル頻度が10%以上のSNPが7個(Long isoformの翻訳開始点から-1914番目(SNP2)、-847番目(SNP4)、-82番目(SNP5)、1117番目(SNP8)、1479番目(SNP10)、1560番目(SNP11)、5901番目(SNP17))同定された(表1)。
次に、それらのSNPs間の連鎖不平衡を検討するために、見いだされたSNPsをHaploview 3.2 program (http://www.broad.mit.edu/mpg/haploview/).を用いて解析し|D'| と r2を得た。その結果、図1Aおよび表2に示されるように、r2>0.8を満たすTag SNPsとして、-82C>T、1560C>Gの2つを選出した。マーカーSNP6(1560C/G)以外のSNPs(SNP2、SNP4、SNP5、SNP8、SNP10、SNP17)は1つのブロックとして同様の挙動を示すことがわかった。
Figure 0005120829
表1.24人の喘息患者と12人の健常人の比較により見出されたTSLP遺伝子における多型の位置と頻度
Figure 0005120829
表2.7種類の多型の連鎖不平衡解析
SNPの検出
2つ(1479、−82)のTag SNPsについて、TaqMan 法を用いた遺伝子変異の型決定(ジェノタイピング:genotyping)によって多型を検出した。すなわちlong isoform翻訳開始点から-82位のSNPについては下記のフォワードプライマー、リバースプライマーおよびTaqmanプローブを用いた。1560位のSNPについてはTaqManR SNP Genotyping Assays (Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)を用いた。ジェノタイピングの具体的な手法はTaqMan system添付マニュアルに従った。
-82 forward primer 5'-GGCAAAACCTGGTGCTTGAG-3'(配列番号2)
-82 reverse primer 5'-CCACGAGTGTAAGAGATCTGTAAGG-3' (配列番号3)
-82 reporter 1 VIC labeled 5'-CACTGGCCCCTAAGG-3' (配列番号4)
-82 reporter 2 FAM labeled 5'-CACTGGCCTCTAAGG-3' (配列番号5)
成人喘息391人、小児喘息487人、アトピー性喘息453人、および非喘息コントロール群についてゲノタイピングを行った。それらについて、遺伝子多型の頻度、アレル頻度についてχ2検定を行い頻度差の有意性の検定を行った。
結果をそれぞれ、表3、4、5に示す。TSLP遺伝子におけるSNP5(−82位)のアリル頻度において成人喘息群、小児喘息群およびアトピー性喘息群のそれぞれと、健常者群との間に顕著な有意差が認められた。
Figure 0005120829
表3.TSLP遺伝子の多型と成人喘息との相関
Figure 0005120829
表4.TSLP遺伝子の多型と小児喘息との相関

Figure 0005120829
表5.TSLP遺伝子の多型とアトピー性喘息との相関
<2>TSLPの発現解析
図1Bに示されるように、TSLP遺伝子はLong isoformとShort isoformの2種類の転写産
物を生じることが本発明者らにより明らかにされた。これらの両isoformの発現の組織特異性及び刺激誘導性を定量的RT-PCRによって調べた。
定量的RT-PCR
組織または細胞からRNAeasy (QIAGEN, Valencia, CA) でtotalRNAを抽出した後、DNAse処理をしたtotal RNAを用いて、ランダムプライマーとオリゴdTプライマーの混合プライマーでcDNAの合成を行った。
TSLPのmRNA(Long isoform (Long), Short isoform (Short) およびその両方(common))の発現はSyberR GreenI dye (SYBERR Green) を用いた定量的なRT-PCRで解析した。すべての実験においてcDNAはヒトハウスキーピング遺伝子であるGAPDHを定量して補正した。PCRに用いたプライマーセットは以下の通りである。
TSLP-common,
5'-CTAAGGCTGCCTTAGCTATC-3' (配列番号6)
5'-AAGCGACGCCACAATCCTTG-3' (配列番号7)
TSLP-long
5'-GATTACATATATGAGTGGGAC-3' (配列番号8)
5'-TTCATTGCCTGAGTAGCAT-3' (配列番号9)
TSLP-short
5'-CGTAAACTTTGCCGCCTATGA-3'(配列番号10)
5'-TTCTTCATTGCCTGAGTAGCATTTAT-3' (配列番号11)
GAPDH
5'-GCACCGTCAAGGCTGAGAAC-3'(配列番号12)
5'-ATGGTGGTGAAGACGCCAGT-3'(配列番号13)
図2Aにヒト各組織におけるTSLP遺伝子の発現を示す。なお、ヒト各組織由来のcDNAはClonetech (Mountain View, CA)から購入した。その結果、TSLPは心臓、肝臓、肺、気管に多く発現が見られ、Short isoformが主に発現していることがわかった。
次に、正常気道上皮細胞(NHBE)、正常肺繊維芽細胞(NHLF)および正常肺平滑筋細胞(BSMC)を病原菌などの特有な分子群(PAMPs)で刺激し、刺激時のTSLP遺伝子の発現を調べた。PAMPsには100ng/ml LPS、10μg/ml poly (I:C)および1μg/ml MALP-2を用いた。刺激4時間後に細胞を回収し定量的RT-PCRを用いて発現解析した。その結果、NHBE細胞においてPoly
(I:C)刺激に応じてLong isoformが顕著に誘導された(図2B)。一方、Short isoformはPAMPsによって誘導を受けなかった。
なお、正常ヒト気道上皮細胞(NHBE)、正常ヒト肺繊維芽細胞(NHLF)および正常ヒト気道平滑筋細胞(BSMC)はCambrex 社(Walkersvill, MD)から購入して用いた。細胞の培養はCambrex 社で販売するそれぞれの細胞に対応する培地キットで行った。Poly (I:C)、LPSおよびPam3CSK4はInvivoGen(San Diego, CA)、MALP-2 はAlexis(Lausen, Switzerland)より購入して用いた。
次に、NHBE細胞におけるPAMP刺激時のTSLPの発現量の経時変化を調べた。PAMPsには200ng/ml Pam3CSK4、1μg/ml MALP-2、100ng/ml LPSおよび10μg/ml poly(I:C)を用いて、図3Aに示す各時間に細胞を回収してTSLPのLong isoform, Short isoform および両方(common)の遺伝子発現をSyberR Green法を用いて定量的RT-PCRで検出した。各サンプルはGAPDHの発現量で補正した。実験は2回繰り返して行い、同様な結果が得られた。図3Aより、Long isoformがpoly(I:C)刺激の4時間後に誘導されることがわかった。
次に、NHBE細胞におけるpoly(I:C)刺激時のTSLPの発現量をpoly(I:C)の濃度を変えて測
定した。NHBE細胞をpoly(I:C) (0.1 および10 μg/ml)で4時間刺激した。異なる4人に由来するNHBEを用いて上記と同様に定量的RT-PCRで検出した。値は平均± SEMで表した。その結果、10μg/mlのpoly(I:C)によってLong isoformが誘導されることがわかった(図3B)。
次に、NHBE細胞におけるpoly(I:C)刺激時のTSLPタンパク質量の変化を調べた。TSLPタンパク質の定量にはTSLP測定ELISAキット(R&D, Minneapolis, MN)を用いた。NHBE細胞 (1x104 cells / well,x3 wells) はpoly(I:C) (10μg/ml)で刺激後、4-24時間の培養上清中のTSLP濃度を測定した(図3C左)。また、NHBE細胞を 10μg/ml poly(I:C) あるいは100ng/ml LPS で 24 時間刺激した培養上清中のTSLPの定量を行った(図3C右)。実験は2回繰り返して行い、同様な結果が得られた。 値は 平均 ± SD、 アスタリスク (*)は 定量限界以下を示す (<15.6 pg/ml)。その結果、TSLPはタンパク質レベルでもpoly(I:C)によって誘導されることがわかった。
<3>プロモーター解析
TSLP遺伝子のプロモーター領域に存在するSNPのプロモーター活性への影響を調べるため、各アレルのプロモーターを作製し、レポーター遺伝子の発現を指標にプロモーター活性の評価を行った。
図4Aの上段にTSLP遺伝子とSNPの配置を示す。図4Aの下段に示されるように、Long isoformとShort isoformのプロモーター領域にあるSNPsを標的にレポーターコンストラクトを作製した。
ヒトTSLP-long isoform(-1041 to -12) と TSLP-short isoform (+842 to +1661)のプロモーター領域はヒト喘息患者と健常ボランティア由来のゲノムからリンカーを付加した下記のプライマーを用いてクローニングし(forwardとreverse primerにそれぞれKpnIおよびXhoIサイト)、遺伝子配列を確認した。その後レポーターベクターとしてpGL3-enhancer
vector (Promega, Madison WI) にプロモーター配列を組み換えてプロモーターアッセイに用いた。
TSLP-long promoter
5'- TGAGCTCAGGACAGCATCGT-3' (配列番号14)
5'- CAATTCCACCCCAGTTTCAC-3' (配列番号15)
TSLP-short promoter
5'-GGCTATTTCACTGCCTTGTC-3'(配列番号16)
5'-GATTGAAGGTTAGGCTCTGG-3'(配列番号17)
Long isoformでは-847位(SNP4)と-82位(SNP5)の多型を評価した。一方、Short isoformでは-585位(SNP8)と-223位(SNP10)の多型を評価した。なお、-585と-223という数字はShort isoformの翻訳開始点から数えた数字である。
TSLP-long isoformのプロモーターの変異体の作製にはGene Editor in vitro site-directed mutagenesis system (Q9280; Promega)を用いて、キットマニュアルに従って作製した。
-847C(Major)を-847T(Minor)に変換するには、5'-AGGTGCCCCTAGTCACCAAGAG-3' (配列番号18)を用いた。一方、-82C(Major)を-82T(Minor)に変換するには5'-GAGCACTGGCCTCTAAGGCAGGCC -3'(配列番号19)を用いた。また、-585C(Major)を-585T(Minor)に変換するには、5'- GAGTATCCTGCTATGTGCAGAACTCCG -3' (配列番号28)を用いた。一方、-223C(Major)を-223G(Minor)に変換するには5'- GCTCTACTCAACCGTGACCTCTTCTCTC-3'(配列番号29)を用いた。
レポーターベクターとウミシイタケ由来のルシフェラーゼベクター(pRL-TK)両方をNHBE細胞(5x104 細胞/12well plate)に遺伝子導入した(それぞれ500ng および10ng DNA/well)。24時間後、必要に応じて細胞を刺激してPromega社のキットマニュアルに基づいてDual Luciferase Reporter Assay Systemでルシフェラーゼ活性の測定を行った。プロモーター
活性はpRL-TKで補正して用いた。
すなわち、図4Aに示すような500ngのTSLP レポーターコンストラクト、pGL3-TSLP-long isoform / Major type(-847C、-82C)あるいはpGL3-TSLP-long isoform / minor type(-847T、-82T)およびpGL3-TSLP-short isoform / Major type(-585C、-223C)あるいはpGL3-TSLP-short isoform / minor type (-585T、-223G)もしくはpGL3-enhancer control vector (Mock) をNHBE(5x104細胞)に遺伝子導入した。10ng pRL-TK ベクターもインターナルコントロールとして、それぞれのレポーターコンストラクトと同時に遺伝子導入した。24時間後に10μg/ml poly(I:C) で 4 時間刺激しNHBEのルシフェラーゼ活性を測定した。実験は3回繰り返して行い、同様な結果が得られた。値は 平均 ± SD を示す。その結果、図4Bに示されるように、Long isoformはMajor typeよりもminor typeの方がpoly(I:C)によって強く誘導されることがわかった。一方、Short isoformではMajor typeとminor typeで差は見られなかった。
次に、Long isoformの-847位(SNP4)と-82位(SNP5)うち、どちらがpoly(I:C)による誘導に重要かを調べるために、(-847C、-82C)、(-847T、-82C)、(-847C、-82T)、(-847T、-82T)の4種類のプロモーターコンストラクトを作製し、上記と同様にプロモーター活性を測定した。実験は2回繰り返して行い、同様な結果が得られた。値は 平均 ±
SD を示す。図4Cに示されるように、poly(I:C)による刺激時のプロモーター活性において、(-847T、-82T)と(-847C、-82T)に有意な差が見られたことから、−847位の多型がpoly(I:C)刺激時のTSLPのlong isoformの発現に影響を与えることがわかった。すなわち、−847位がTのときに、−847位がCのときと比べてpoly(I:C)刺激によって誘導されやすいことがわかった。
ビオチン化オリゴDNA沈降
次に、Long isoform のプロモーターの多型を含む領域に転写因子が結合するかどうかを調べるためにビオチン化オリゴDNA沈降を行った。すなわち、−847Cと−847Tの2本鎖オリゴヌクレオチド、−82Cと−82Tの2本鎖オリゴヌクレオチドを調製し、これらに対する転写因子の結合を評価した。
NHBE細胞からの核タンパク質の抽出は以下の通りに行った。1.5x106細胞をbuffer C'(20mM HEPES (pH 7.9), 420mM NaCl, 1.5mM MgCl2, 0.2mM EDTA, 1mM dithiothreitol, 0.1% Nonidet P-40, 1mM Na2V03, 1mM NaF, 1mM sodium glycerophosphate, 1mM phenylmethylsulfonyl fluoride and Protease inhibitor mix ),で可溶化して回収後に氷冷下15分間静置した。その後、15000rmp, 4℃で15分間の遠心し上清を回収した。この上清に1:3になるようにbuffer D'(buffer C'からNaClを除いた溶液)を添加してビオチン化オリゴDNA沈降に供試した。
核タンパクサンプルには、下記のビオチン化2本鎖オリゴDNA(3 μg)と3 μg poly(dI-dC)を添加して4℃で反応させた。コントロールとしてはビオチン化2本鎖オリゴDNA(3 μg)のみ添加して4℃で反応させた。1時間後にストレプトアビジン-アガロースを添加して、ビオチン化2本鎖オリゴDNAとそれに結合する因子を回収した。ビオチン化オリゴDNA沈降したサンプルをSDS-PAGEで分離後、ウエスタンブロッティングし、抗AP1抗体(Oncogene, Sandiego, CA)または抗AP2α抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc., Santa Cruz, CA)を用いて検出した。
図5に示されるように、poly(I:C)刺激時に−847Tに特異的にAP1が結合することがわかった。このことから、−847位がTのときには刺激に応じてAP1が結合し、Long isoformの転写が活性化されることが考えられた。
-847C oligo
5'- GGTGCCCCTAGCCACCAAGAG -3'(配列番号20)
5'- CTCTTGGTGGCTAGGGGCACC -3'(配列番号21)
-847T oligo
5'- GGTGCCCCTAGTCACCAAGAG -3'(配列番号22)
5'- CTCTTGGTGACTAGGGGCACC -3'(配列番号23)
-82C oligo
5'- TGGCCCCTAAGGCAGGCCTTACAG -3'(配列番号24)
5'- CTGTAAGGCCTGCCTTAGGGGCCA -3'(配列番号25)
-82T oligo
5'- TGGCCTCTAAGGCAGGCCTTACAG -3'(配列番号26)
5'- CTGTAAGGCCTGCCTTAGGGGCCA -3'(配列番号27)
ヒトTSLPの連鎖不平衡マップと遺伝子の略図。(上)10%以上の頻度で見いだされるSNPs間の連鎖不平衡マップ。(下)TSLP遺伝子領域に存在する7SNPsと2つのisoformの略図。 ヒト組織ならびに細胞のTSLP遺伝子の発現を示す図。(A)ヒト正常組織のcDNAパネルを用いてTSLPのLong isoform (Long), Short isoform (Short) およびその両方(common)の発現を定量的RT-PCRで検出した。 (B) 正常気道上皮細胞(NHBE)、正常肺繊維芽細胞(NHLF)および正常肺平滑筋細胞(BSMC)を病原菌などの特有な分子群(PAMPs)で刺激し、TSLP遺伝子の発現を調べた。 Poly (I:C)刺激によるNHBEの活性化とTSLP遺伝子の発現を示す図。(A) NHBEの培養液中にPAMPsを添加した。PAMPsには200ng/ml Pam3CSK4、1μg/ml MALP-2、100ng/ml LPSおよび10μg/ml poly(I:C)を用いて、図に示す各時間に細胞を回収してTSLPのLong isoform, Short isoform および両方(common)の遺伝子発現を定量的RT-PCRで検出した。(B)NHBEをpoly(I:C) (0.1 および10 μg/ml)で4時間刺激し、定量的RT-PCRで検出した。(C)NHBEのTSLPタンパク質の産生をELISAを用いて調べた。(左) NHBE (1x104 cells / well,x3 wells) はpoly(I:C) (10μg/ml)で刺激後、4-24時間の培養上清中のTSLP濃度を測定した。(右)NHBEを 10μg/ml poly(I:C) あるいは100ng/ml LPS で 24 時間刺激した培養上清中のTSLPの定量を行った。 TSLP遺伝子の機能調節SNPの探索を示す図。(A)ヒトTSLP遺伝子の略図とTSLPレポーターコンストラクトを示す。(上)TSLP遺伝子とSNPの配置を示す。(下)Long isoformとShort isoformのプロモーター領域にあるSNPsを標的にレポーターコンストラクトを作製した。(B)図に示すような500ngのTSLP レポーターコンストラクトをNHBE(5x104細胞)に導入した。10ng pRL-TK ベクターもインターナルコントロールとして、それぞれのレポーターコンストラクトと同時に遺伝子導入した。24時間後に10μg/ml poly(I:C) で 4 時間刺激しNHBEの ルシフェラーゼ活性を測定した。(C)TSLP発現の調節性SNPの同定。Long isoformのプロモーター領域の各種1遺伝子変異体のレポーターコンストラクトを作製した。Long isoform のSNPの位置にある塩基-847/-82に対して、それぞれC/C、T/T、C/T、T/Cの4種類のレポーターコンストラクトを作製し、(B)と同様にプロモーター活性を測定した。 転写因子の調節性SNPへの結合を示す図(写真)。poly(I:C) (10 μg/ml)で4時間刺激、あるいは無刺激のNHBE (1.5x106細胞)の核タンパク質を抽出した。Long isoform のSNP周辺の配列である-847Cあるいは-847T、および-82Cあるいは-82Tのビオチン化2本鎖オリゴDNAと結合したタンパク質は、ストレプトアビジン-アガロースで沈殿し、それぞれSDS-PAGEでタンパク質を展開した。-847Cあるいは-847Tの結合タンパク質についてはanti-AP1抗体を用いて(左)、-82Cあるいは-82Tの結合タンパク質については anti-AP2α抗体(右)を用いてウエスタンブッティングで検出した。

Claims (3)

  1. thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子の−82位の塩基の一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて、TSLP遺伝子の−82位の塩基がTの場合、喘息の発症リスクが
    高い、又は喘息に罹患している可能性が高いと判定される、喘息を検査する方法。
  2. 以下のローブを含む請求項1に記載の方法に使用するための喘息の検査試薬:
    列番号1の塩基配列において3432番目の塩基を含む15塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ
  3. 以下のライマーセットを含む請求項1に記載の方法に使用するための喘息の検査試薬:
    列番号1の塩基配列の3432番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマーであって、該塩基を含む50〜100塩基の長さの領域の両端に設定された、15塩基以上の長さのフォワードプライマーとリバースプライマーのプライマーセット。
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