JP5120829B2 - Tslp遺伝子の多型に基づく免疫疾患の検査法 - Google Patents
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Description
気管支喘息に関連する遺伝子としてT−bet遺伝子(特許文献1)、Iκβ関連蛋白遺伝子(特許文献2)、IL−12B遺伝子プロモーター(特許文献3)、TRAIL受容体遺伝子(特許文献4)、ASTH1遺伝子(特許文献5)、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質遺伝子(特許文献6)、IL−4R遺伝子(特許文献7)などの多型をもとに気管支喘息の危険性を調べる方法が知られている。
(1) thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子の一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて免疫疾患を検査する方法。
(2) 一塩基多型が−82位の塩基または該塩基と連鎖不平衡にある塩基の一塩基多型である、(1)の方法。
(3) −82位の塩基と連鎖不平衡にある塩基が、−1914位、−847位、1117位、1479位および5901位から選ばれる塩基である、(2)の方法。
(4) 免疫疾患がアレルギー疾患である(1)〜(3)のいずれかの方法。
(5) アレルギー疾患が喘息である、(4)の方法。
(6) 以下の群から選ばれる1又は2以上のプローブを含む免疫疾患の検査試薬:
(a)配列番号1の塩基配列において1600番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(b)配列番号1の塩基配列において2667番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(c)配列番号1の塩基配列において3432番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(d)配列番号1の塩基配列において4630番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(e)配列番号1の塩基配列において4992番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ、
(f)配列番号1の塩基配列において9414番目の塩基を含む10塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ。
(7) 以下の群から選ばれる1又は2以上のプライマーを含む免疫疾患の検査試薬:
(a)配列番号1の塩基配列の1600番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(b)配列番号1の塩基配列の2667番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(c)配列番号1の塩基配列の3432番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(d)配列番号1の塩基配列の4630番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(e)配列番号1の塩基配列の4992番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー、
(f)配列番号1の塩基配列の9414番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマー。
(8) thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子のlong isoformの発現量を分析し、該分析結果に基づいて免疫疾患を検査する方法。
(9) long isoformの発現量が健常者と比較してより多い場合を免疫疾患の発症リスクが高い或いは羅病している可能性が高いと判定する、(8)の検査方法。
(10) thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子のlong isoformの発現量を、免疫疾患治療薬の存在下と非存在下とで比較する工程を含む、免疫疾患治療薬の効果を判定する方法。
(11) 候補物質の存在下と非存在下とにおいてthymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子のlong isoformの発現量を測定する工程、次いで、候補物質の存在下においてその発現量が抑制される場合に、当該候補物質を免疫疾患治療薬として選択する工程を含む、免疫疾患治療薬のスクリーニング方法。
本発明の検査方法は、thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子上の免疫疾患に関連する遺伝子多型を分析し、該分析結果に基づいて免疫疾患を検査する方法である。免疫疾患としては、特に限定されないが、例えば、喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー
疾患が好ましく、喘息がより好ましい。喘息には成人喘息、小児喘息、アトピー性喘息などが含まれる。本発明において、「検査」とは免疫疾患の発症リスクの検査及び発症の有無の検査を含む。
免疫疾患に関連するTSLP遺伝子の一塩基多型は特に制限されないが、好ましくは、−82位(配列番号1の3432番目)の塩基またはこの塩基と連鎖不平衡にある塩基が挙げられる。ここで、「−82位」とはTSLP遺伝子のLong isoformの翻訳開始点(配列番号1においては3514番目)を1として数えたときの位置を意味する。以下においても同様である。なお、例えば、「−82位」の場合、該位置と翻訳開始点の間に挿入や欠失が起こった場合、番号が前後することも生じうるが、配列を比較して配列番号1の「−82位」に相当する塩基も「−82位」の塩基に含むものとする。その他の位置も同様である。
−82位の塩基と連鎖不平衡である塩基としては、−1914位(配列番号1の1600番目)の塩基、−847位(配列番号1の2667番目)の塩基、1117位(配列番号1の4630番目)の塩基、1479(配列番号1の4992番目)の塩基、5901位(配列番号1の9414番目)の塩基が挙げられる。
また、(b)−847位(配列番号1の2667番目)にC(シトシン)>T(チミン)の多型が存在する。
また、(c)−82位(配列番号1の3432番目)の塩基にC>Tの多型が存在する。
また、(d)1117位(配列番号1の4630番目)の塩基にC>Tの多型が存在する。
また、(e)1479(配列番号1の4992番目)の塩基にC>Gの多型が存在する。
また、(f)5901位(配列番号1の9414番目)の塩基にG>Aの多型が存在する。
また、LAMP法(特許第3313358号明細書)、NASBA法(Nucleic Acid Sequence-Based Amplification;特許2843586号明細書)、ICAN法(特開2002-233379号公報)などによって増幅の有無を調べることもできる。その他、単鎖増幅法を用いてもよい。
例えば、TSLP遺伝子の−82位の塩基の多型に基いて判定する場合は、該塩基がTの場合、免疫疾患の発症リスクが高い、免疫疾患に罹患している可能性が高いなどと判定することができる。また、対立遺伝子の多型を含めて考慮してもよく、例えば、遺伝子型がTTの場合に、CTやCCの場合と比べて免疫疾患の発症リスクが高い、免疫疾患に罹患している可能性が高いなどと判定することができる。
なお、−1914位、−847位、1117位、1479位、および5901位の多型は−82位の多型と連鎖不平衡にあるため、−82位の代わりにこれらの中のいずれかの塩基の多型を解析してもよい。
と判定することができる。Long isoformの発現を特異的に検出するためにはLong isoformに特異的な領域をRT-PCRやハイブリダイゼーションなどによって検出すればよいが、例えば、配列番号8,9のプライマーを使用して定量的RT-PCRを行えばよい。
また、本発明においては、候補物質の存在下と非存在下とにおいてTSLP遺伝子のlong isoformの発現量を測定し、候補物質の存在下においてその発現量が抑制される場合に、当該候補物質を免疫疾患治療薬として選択することにより、免疫疾患治療薬のスクリーニングを行うこともできる。例えば、気道上皮細胞などに候補物質を添加し、poly(I:C)刺激時のlong isoformの誘導が候補物質非添加時と比べて抑制されるかを指標にして免疫疾患治療薬をスクリーニングすることができる。
本発明はまた、免疫疾患を検査するためのプライマー又はプローブを含む検査試薬を提供する。このようなプローブとしては、配列番号1の塩基配列において1600番目の塩基(−1914位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において2667番目の塩基(−847位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において3432番目の塩基(−82位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において4630番目の塩基(1117位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において4992番目の塩基(1479位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブ、配列番号1の塩基配列において9414番目の塩基(5901位)を含む配列、又はその相補配列を有するプローブが挙げられる。
これらのプローブは、各多型のいずれか一方に対応する配列を有する1種類のプローブを用いてもよいし、それぞれの多型に対応する配列を有する2種類のプローブを用いてもよい。
また、シークエンス解析や単鎖増幅に用いる場合、プライマーは多型の塩基の50〜100塩基上流の配列を有するプライマーを用いることができる。この場合、上記領域の相補鎖を増幅するプライマーであってもよい。
また、増幅の有無を指標に検査する場合は、多型を含む領域の配列またはその相補配列を有するプライマーであって、それぞれの多型に対応するプライマーを用いてもよい。
このようなプライマーやプローブの長さは特に制限されないが、例えば、10〜100塩基のオリゴヌクレオチドが好ましく、15〜50塩基のオリゴヌクレオチドがより好ましい。なお、本発明の検査用試薬はこれらのプライマーやプローブに加えて、PCR用のポリメラーゼやハイブリダイゼ−ション用のバッファーなどを含むものであってもよい。
対象患者(被検者)
喘息を患う対象患者全員は、アメリカ胸部疾患学会(American Thoracic Society)の診断基準を用いて診断した(1962年)。アトピー性喘息の診断は、1種または複数のアレルゲンに対してプリックテスト陽性であるか一つ以上のRAST陽性であるかに基づいた(Hirota T. et. al., Functional haplotypes of IL-12B are associated with childhood atopic asthma. J Allergy Clin Immunol; 116, 789-795,2005)。コントロール(対照区)として、アトピー性関連疾患を持たない個人を母集団から、無作為に717人選んだ(年齢幅20-75歳、平均年齢49.2歳;男:女=2.64:1.0)。人種は全て日本人であり、理化学研究所遺伝子多型センター (The Institute of Physical and Chemical Research (RIKEN) , SNP Research center)における研究倫理委員会の規則に従って、全員から研究に参加することについて書面によるインファームドコンセント得た。
TSLPの遺伝的変異体が気管支喘息の感受性に関連するか評価するために、TSLP遺伝子多型の分析を行った。
対立遺伝子比較のために、コントロール検体12人、小児気管支喘息患者検体12人、および成人気管支喘息患者検体12人について、TSLP遺伝子の領域の遺伝子多型を見いだす目的で、最初のエクソンの上流約3kbpから最後のエクソンの下流約2kbpの遺伝子情報まで遺伝子解析装置を用いて解読した。その結果、19個のSNPが見いだされ、そのうち、マイナーアレル頻度が10%以上のSNPが7個(Long isoformの翻訳開始点から-1914番目(SNP2)、-847番目(SNP4)、-82番目(SNP5)、1117番目(SNP8)、1479番目(SNP10)、1560番目(SNP11)、5901番目(SNP17))同定された(表1)。
次に、それらのSNPs間の連鎖不平衡を検討するために、見いだされたSNPsをHaploview 3.2 program (http://www.broad.mit.edu/mpg/haploview/).を用いて解析し|D'| と r2を得た。その結果、図1Aおよび表2に示されるように、r2>0.8を満たすTag SNPsとして、-82C>T、1560C>Gの2つを選出した。マーカーSNP6(1560C/G)以外のSNPs(SNP2、SNP4、SNP5、SNP8、SNP10、SNP17)は1つのブロックとして同様の挙動を示すことがわかった。
2つ(1479、−82)のTag SNPsについて、TaqMan 法を用いた遺伝子変異の型決定(ジェノタイピング:genotyping)によって多型を検出した。すなわちlong isoform翻訳開始点から-82位のSNPについては下記のフォワードプライマー、リバースプライマーおよびTaqmanプローブを用いた。1560位のSNPについてはTaqManR SNP Genotyping Assays (Applied Biosystems, Foster City, CA, USA)を用いた。ジェノタイピングの具体的な手法はTaqMan system添付マニュアルに従った。
-82 reverse primer 5'-CCACGAGTGTAAGAGATCTGTAAGG-3' (配列番号3)
-82 reporter 1 VIC labeled 5'-CACTGGCCCCTAAGG-3' (配列番号4)
-82 reporter 2 FAM labeled 5'-CACTGGCCTCTAAGG-3' (配列番号5)
結果をそれぞれ、表3、4、5に示す。TSLP遺伝子におけるSNP5(−82位)のアリル頻度において成人喘息群、小児喘息群およびアトピー性喘息群のそれぞれと、健常者群との間に顕著な有意差が認められた。
図1Bに示されるように、TSLP遺伝子はLong isoformとShort isoformの2種類の転写産
物を生じることが本発明者らにより明らかにされた。これらの両isoformの発現の組織特異性及び刺激誘導性を定量的RT-PCRによって調べた。
組織または細胞からRNAeasy (QIAGEN, Valencia, CA) でtotalRNAを抽出した後、DNAse処理をしたtotal RNAを用いて、ランダムプライマーとオリゴdTプライマーの混合プライマーでcDNAの合成を行った。
TSLPのmRNA(Long isoform (Long), Short isoform (Short) およびその両方(common))の発現はSyberR GreenI dye (SYBERR Green) を用いた定量的なRT-PCRで解析した。すべての実験においてcDNAはヒトハウスキーピング遺伝子であるGAPDHを定量して補正した。PCRに用いたプライマーセットは以下の通りである。
5'-CTAAGGCTGCCTTAGCTATC-3' (配列番号6)
5'-AAGCGACGCCACAATCCTTG-3' (配列番号7)
TSLP-long
5'-GATTACATATATGAGTGGGAC-3' (配列番号8)
5'-TTCATTGCCTGAGTAGCAT-3' (配列番号9)
TSLP-short
5'-CGTAAACTTTGCCGCCTATGA-3'(配列番号10)
5'-TTCTTCATTGCCTGAGTAGCATTTAT-3' (配列番号11)
GAPDH
5'-GCACCGTCAAGGCTGAGAAC-3'(配列番号12)
5'-ATGGTGGTGAAGACGCCAGT-3'(配列番号13)
(I:C)刺激に応じてLong isoformが顕著に誘導された(図2B)。一方、Short isoformはPAMPsによって誘導を受けなかった。
定した。NHBE細胞をpoly(I:C) (0.1 および10 μg/ml)で4時間刺激した。異なる4人に由来するNHBEを用いて上記と同様に定量的RT-PCRで検出した。値は平均± SEMで表した。その結果、10μg/mlのpoly(I:C)によってLong isoformが誘導されることがわかった(図3B)。
TSLP遺伝子のプロモーター領域に存在するSNPのプロモーター活性への影響を調べるため、各アレルのプロモーターを作製し、レポーター遺伝子の発現を指標にプロモーター活性の評価を行った。
図4Aの上段にTSLP遺伝子とSNPの配置を示す。図4Aの下段に示されるように、Long isoformとShort isoformのプロモーター領域にあるSNPsを標的にレポーターコンストラクトを作製した。
ヒトTSLP-long isoform(-1041 to -12) と TSLP-short isoform (+842 to +1661)のプロモーター領域はヒト喘息患者と健常ボランティア由来のゲノムからリンカーを付加した下記のプライマーを用いてクローニングし(forwardとreverse primerにそれぞれKpnIおよびXhoIサイト)、遺伝子配列を確認した。その後レポーターベクターとしてpGL3-enhancer
vector (Promega, Madison WI) にプロモーター配列を組み換えてプロモーターアッセイに用いた。
TSLP-long promoter
5'- TGAGCTCAGGACAGCATCGT-3' (配列番号14)
5'- CAATTCCACCCCAGTTTCAC-3' (配列番号15)
TSLP-short promoter
5'-GGCTATTTCACTGCCTTGTC-3'(配列番号16)
5'-GATTGAAGGTTAGGCTCTGG-3'(配列番号17)
Long isoformでは-847位(SNP4)と-82位(SNP5)の多型を評価した。一方、Short isoformでは-585位(SNP8)と-223位(SNP10)の多型を評価した。なお、-585と-223という数字はShort isoformの翻訳開始点から数えた数字である。
TSLP-long isoformのプロモーターの変異体の作製にはGene Editor in vitro site-directed mutagenesis system (Q9280; Promega)を用いて、キットマニュアルに従って作製した。
-847C(Major)を-847T(Minor)に変換するには、5'-AGGTGCCCCTAGTCACCAAGAG-3' (配列番号18)を用いた。一方、-82C(Major)を-82T(Minor)に変換するには5'-GAGCACTGGCCTCTAAGGCAGGCC -3'(配列番号19)を用いた。また、-585C(Major)を-585T(Minor)に変換するには、5'- GAGTATCCTGCTATGTGCAGAACTCCG -3' (配列番号28)を用いた。一方、-223C(Major)を-223G(Minor)に変換するには5'- GCTCTACTCAACCGTGACCTCTTCTCTC-3'(配列番号29)を用いた。
活性はpRL-TKで補正して用いた。
SD を示す。図4Cに示されるように、poly(I:C)による刺激時のプロモーター活性において、(-847T、-82T)と(-847C、-82T)に有意な差が見られたことから、−847位の多型がpoly(I:C)刺激時のTSLPのlong isoformの発現に影響を与えることがわかった。すなわち、−847位がTのときに、−847位がCのときと比べてpoly(I:C)刺激によって誘導されやすいことがわかった。
次に、Long isoform のプロモーターの多型を含む領域に転写因子が結合するかどうかを調べるためにビオチン化オリゴDNA沈降を行った。すなわち、−847Cと−847Tの2本鎖オリゴヌクレオチド、−82Cと−82Tの2本鎖オリゴヌクレオチドを調製し、これらに対する転写因子の結合を評価した。
NHBE細胞からの核タンパク質の抽出は以下の通りに行った。1.5x106細胞をbuffer C'(20mM HEPES (pH 7.9), 420mM NaCl, 1.5mM MgCl2, 0.2mM EDTA, 1mM dithiothreitol, 0.1% Nonidet P-40, 1mM Na2V03, 1mM NaF, 1mM sodium glycerophosphate, 1mM phenylmethylsulfonyl fluoride and Protease inhibitor mix ),で可溶化して回収後に氷冷下15分間静置した。その後、15000rmp, 4℃で15分間の遠心し上清を回収した。この上清に1:3になるようにbuffer D'(buffer C'からNaClを除いた溶液)を添加してビオチン化オリゴDNA沈降に供試した。
核タンパクサンプルには、下記のビオチン化2本鎖オリゴDNA(3 μg)と3 μg poly(dI-dC)を添加して4℃で反応させた。コントロールとしてはビオチン化2本鎖オリゴDNA(3 μg)のみ添加して4℃で反応させた。1時間後にストレプトアビジン-アガロースを添加して、ビオチン化2本鎖オリゴDNAとそれに結合する因子を回収した。ビオチン化オリゴDNA沈降したサンプルをSDS-PAGEで分離後、ウエスタンブロッティングし、抗AP1抗体(Oncogene, Sandiego, CA)または抗AP2α抗体(Santa Cruz Biotechnology, Inc., Santa Cruz, CA)を用いて検出した。
図5に示されるように、poly(I:C)刺激時に−847Tに特異的にAP1が結合することがわかった。このことから、−847位がTのときには刺激に応じてAP1が結合し、Long isoformの転写が活性化されることが考えられた。
5'- GGTGCCCCTAGCCACCAAGAG -3'(配列番号20)
5'- CTCTTGGTGGCTAGGGGCACC -3'(配列番号21)
-847T oligo
5'- GGTGCCCCTAGTCACCAAGAG -3'(配列番号22)
5'- CTCTTGGTGACTAGGGGCACC -3'(配列番号23)
-82C oligo
5'- TGGCCCCTAAGGCAGGCCTTACAG -3'(配列番号24)
5'- CTGTAAGGCCTGCCTTAGGGGCCA -3'(配列番号25)
-82T oligo
5'- TGGCCTCTAAGGCAGGCCTTACAG -3'(配列番号26)
5'- CTGTAAGGCCTGCCTTAGGGGCCA -3'(配列番号27)
Claims (3)
- thymic stromal lymphopoietin(TSLP)遺伝子の−82位の塩基の一塩基多型を分析し、該分析結果に基づいて、TSLP遺伝子の−82位の塩基がTの場合、喘息の発症リスクが
高い、又は喘息に罹患している可能性が高いと判定される、喘息を検査する方法。 - 以下のプローブを含む請求項1に記載の方法に使用するための喘息の検査試薬:
配列番号1の塩基配列において3432番目の塩基を含む15塩基以上の配列、又はその相補配列を有するプローブ。 - 以下のプライマーセットを含む請求項1に記載の方法に使用するための喘息の検査試薬:
配列番号1の塩基配列の3432番目の塩基を含む領域を検出するためのプライマーであって、該塩基を含む50〜100塩基の長さの領域の両端に設定された、15塩基以上の長さのフォワードプライマーとリバースプライマーのプライマーセット。
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