以下、本発明の実施形態を説明する。本発明は以下の各実施形態の構造および機能に限定されるものではなく、適宜変更して実施できることは勿論である。
(実施形態1)
以下、本発明の実施形態1について図面を参照して具体的に説明する。複雑化を避けるため、ハッチングを省略している。図1は、建築物等の構造物に据え付けられるシャッタ装置の正面図を模式的に示す。シャッタ装置は、スラット6を高さ方向に沿って複数個並設して形成されたスラットカーテン1と、スラットカーテン1を巻き取る巻取体2と、巻取体2を回転させる駆動機構の主要素であるモータ3と、巻取体2を回転可能に保持する基部としての横フレーム4と、スラットカーテン1の両側の側方に設けられた2個の縦支柱5とを備えている。モータ3を制御するスイッチ(図示せず)が設けられている。回転中心2xを中心として巻取体2がモータ3により一方向へ回転すると、スラットカーテン1は巻取体2に巻取られ、モータ3により巻取体2が逆方向へ回転すると、巻取体2からスラットカーテン1が巻き下される。縦支柱5は、スラットカーテン1の端部の昇降を案内する。スラット6は、2個の縦支柱5間において、左右方向(L方向,スラットの長手方向)に沿って延設されている。図1はあくまでも模式図であり、スラット6の数は図1に限定されるものではない。巻取体2または駆動機構には、巻取体2の回動を不能とするブレーキ部20が設けられている。
スラットカーテン1は、スラットカーテン1の開閉方向に並設された複数のスラット6と、スラット6の長手方向の両端部にそれぞれ連結された線状連結部材7とからなる。以下、更に説明を加える。
図1に示すように、スラットカーテン1の左右両側には、チェーン状の線状連結部材7がそれぞれ設けられている。線状連結部材7は、シャッタ装置の高さ方向(矢印H方向)に隣設する各スラット6の長手方向の端部同士を連結すると共に、高さ方向(矢印H方向)に沿って伸縮可能とされている。図2に示すように、縦支柱5には、線状連結部材7が昇降方向に移動する主案内通路50と、主案内通路50を形成する主レール部51とが設けられている。主案内通路50および主レール部51は高さ方向(矢印H方向)に沿って延設されている。主レール部51の上部は案内用の拡開部51pをもつ。線状連結部材7は、主案内通路50内を主レール部51に沿って高さ方向(矢印H方向)に移動できる。
図2は図1のII−II線に沿った矢視図を示し、主として線状連結部材7を示す。図4は線状連結部材7を示す。図4に示すように、線状連結部材7は、縦長形状をもつ第1リンク71と、高さ方向に隣設する第1リンク71を回動可能に枢支する縦長形状をもつ第2リンク72と、第1リンク71の上端部および下端部にそれぞれ設けられ高さ方向(矢印H方向)に延びる長孔73と、第2リンク72に設けられた突起状の嵌合ピン74(嵌合体)とをもつ。図2に示すように、線状連結部材7の上端部7uは、接続部としての第1ボルト75および第2ボルト76により巻取体2の外周面2pに接続されている。第1ボルト75は第2ボルト76よりも下側に位置し、第2ボルト76は第1ボルト75よりも上側に位置する。線状連結部材7のうち第1ボルト75よりも下方の部位は、線状連結部材7のうち巻取体2の外周面2pに対して離脱方向(矢印HB方向)に離脱することができる。線状連結部材7のうち第1ボルト75の直下の部位は、線状連結部材7のうち巻取体2の外周面2pに対して離脱方向(図2に示す矢印HB方向)に離脱させる起点となる起点部位77に相当する。従って、巻取体2が巻き下ろし方向(矢印A2方向)に回動すると、線状連結部材7のうち起点部位77よりも下方の部位は、巻取体2の外周面2pに対して離脱できる。なお、線状連結部材7のうち第1ボルト75と第2ボルト76との中間部位7mは、巻取体2の外周面2pに対して離脱することができない。第1リンク71は、スラット6の左右方向における端部に一体的にスラット6に対して枢支ピン6w(連結要素)により回動可能に連結されている。従って第1リンク71に対してスラット6は枢支ピン6wを回転中心として回動可能とされている。
図2において、モータ3により巻取体2がこれの回転中心2xの回りで巻取方向(矢印A1方向)に回動すると、線状連結部材7は上方(矢印H1方向)に移動し、巻取体2の外周面2pに次第に巻き取られる。これに対してモータ3が逆動して巻取体2がこれの回転中心2xの回りで巻下ろし方向(矢印A2方向)に回動すると、線状連結部材7は下方向(矢印H2方向)に移動し、巻取体2の外周面2pから巻き下ろされる。
図4(A)(B)(C)は線状連結部材7の作用を示す。図4に示すように、嵌合ピン74は、長径および短径をもつ長孔73に嵌合している。嵌合ピン74は、長孔73において、長孔73の長径方向(矢印B方向)に沿って移動可能とされている。ここで、図4(B)に示すように、第1リンク71に矢印B1方向(上向き)に引張力が作用すると、第1リンク71が長孔73の長径方向の一方(矢印B1方向)に向けて相対移動し、嵌合ピン74が相対移動して長孔73の一端側73aに位置することになる。この結果、図4(B)に示すように、第1リンク71の端71c同士が離間するため、線状連結部材7は高さ方向(矢印H方向、スラットカーテン1の開閉方向)に伸張され、線状連結部材7は伸張位置とされる。このように線状連結部材7が伸張されているときには、図4(C)に示すように、第1リンク71同士は矢印R1方向に撓むことができ、線状連結部材7は巻取体2の外周面2pに巻き取り可能となる。これに対して、図4(A)に示すように、矢印B2方向(下向き)の押込力が第1リンク71に作用すると、第1リンク71が長孔73の長径方向の他方(矢印B2方向)に向けて相対移動する。この結果、嵌合ピン74が相対移動して長孔73の他端73c側に移動する。すると図4(A)に示すように、第1リンク71の端71c同士が接近するため、線状連結部材7はその長さ方向に収縮され、線状連結部材7は収縮位置に切り替えられる。
図4(A)(B)(C)に示すように、線状連結部材7の第2リンク72には、プレート状の回動規制部78が折曲により一体的に設けられている。回動規制部78は、隣設するスラット6間に配置されている。回動規制部78は、線状連結部材7のうち室外12側というよりも、室内10側に配置されている。図4(A)は、スラットカーテン1が閉じているとき、つまり、線状連結部材7が高さ方向(矢印H方向)に収縮されて収縮位置とされている状態を示す。このように収縮位置では、図4(A)に示すように、第1リンク71の部位71xと回動規制部78との間隔がΔL1となり、第1リンク71の部位71xが回動規制部78に接近している。このため、隣設する第1リンク71同士が嵌合ピン74を回転中心として矢印R1方向に相対回動しようとしても、第1リンク71の部位71xが回動規制部78に直ちに当接する。このため、一方向(矢印R1方向)への第1リンク71同士の相対回動は制限されている。同様に、隣設する第1リンク71同士が嵌合ピン74を回転中心として他方向(矢印R2方向)に相対回動しようとしても、図4(A)から理解できるように、第1リンク71の端71cが回動規制部78に直ちに当接する。この結果、スラットカーテン1が閉じているとき、回動規制部78は、互いに隣設する第1リンク71同士の相対回動を制限する。例えば、第1リンク71同士は例えば3〜5度程度しか矢印R1,R2方向に相対回動できない。従って、スラットカーテン1が閉じているとき、線状連結部材7は高剛性状態(収縮位置)に切り替えられており、線状連結部材7の剛性が回動規制部78により高まり、ひいては線状連結部材7に連結されているスラットカーテン1の剛性が高まる。従って、回動規制部78をもつ第2リンク72は、剛性強化手段として機能できる。ここで、スラットカーテン1が全閉じのときには、巻取体2がブレーキ部20により回転不能に拘束されている。この場合、侵入者がスラットカーテン1を持ち上げようとしても、線状連結部材7は高剛性化され、撓むことが抑えられているため、スラットカーテン1の持ち上げが抑えられ、防犯性が高まる。
図4(B)は、線状連結部材7が高さ方向(矢印H方向)に伸張されて伸張位置に設定されている状態を示す。このときには、図4(B)に示すように、第1リンク71の部位71xが回動規制部78からΔL2(ΔL2>ΔL1)離間している。このため、隣設する第1リンク71同士が嵌合ピン74を回転中心として矢印R1方向に相対回動しようとすると、第1リンク71の部位71xが回動規制部78に当接するまで、第1リンク71は矢印R1方向に相対回動することができる。従って、第1リンク71同士を例えば回動角度60度程度まで矢印R1方向に回動でき、線状連結部材7の可撓性を確保することができる。この結果、スラットカーテン1を巻取体2の外周面2pに容易に巻き取ることができる。ここで、スラットカーテン1を巻取体2に巻き取るときには、巻取体2が巻取方向(図2の矢印A1方向)に回転するため、線状連結部材7の第1リンク71は上向き(矢印B1方向)に引張られ、結果として線状連結部材7は伸張される。このような伸張位置では、線状連結部材7の剛性が低下し、線状連結部材7は高い可撓性をもつ。ひいてはスラットカーテン1の剛性が低下し、可撓性が高まる。従って、スラットカーテン1を良好に巻取体2の外周面2pに巻き取ることができる(図4(C)参照)。
図2において、巻取体2の回転中心を水平方向に通る仮想水平線HAを設定する。前記したように、起点部位77は、線状連結部材7のうち巻取体2の外周面2pに対して離脱する起点となる。ここで、スラットカーテン1が全閉状態または疑似全閉状態のときには、図2に示すように、起点部位77は、仮想水平線HAにまたは仮想水平線HAよりも下方に配置されるように設定されている。即ち、線状連結部材7の起点部位77、つまり、第1ボルト75の直下の部位は、巻取体2の回転中心2xを水平方向に通る仮想水平線HAにまたは仮想水平線HAよりも下方に配置されるように、第1リンク71の個数が設定されている。このような本実施形態によれば、図2に示すように、スラットカーテン1が全閉状態または疑似全閉状態となるときには、起点部位77は、仮想水平線HAよりも上方に配置されることが防止される。この結果、線状連結部材7の最上部の第1リンク71uが巻取体2の外周面2pに配置されることがなくなる。このため、スラットカーテン1が全閉状態または疑似全閉状態となるときには、線状連結部材7は収縮状態となるため、線状連結部材7の剛性が高まり、巻取体2が線状連結部材7の最上部の第1リンク71uを持ち上げることが防止される。この結果、線状連結部材7を下方に作用させる押込方向の押込力FAを線状連結部材7に作用させることができる。更に、スラットカーテン1が閉じているときには、線状連結部材7の第1リンク71および第2リンク72が互いに接近するように、線状連結部材7には下向きの重力が作用する。この結果、線状連結部材7が伸張位置(可撓性状態)になることが防止される。従って、スラットカーテン1が全閉状態または疑似全閉状態となるときには、線状連結部材7の第1リンク71同士を接近させ、線状連結部材7をこれの収縮位置(高剛性状態,図4(A)参照)に容易に設定することができる。このように線状連結部材7がこれの収縮位置に設定されているときには、前述したように、線状連結部材7は高剛性化しており、ひいてはスラットカーテン1の剛性が高められ、侵入者に対する防犯性が高められている。ここで、スラットカーテン1が全閉状態または疑似全閉状態のときには、ブレーキ部20により巻取体2は非回転状態に拘束されている。このため、仮に侵入者がスラットカーテン1を上方に持ち上げて開放させようとしても、スラットカーテン1は持ち上がらず、つまりスラットカーテン1は開放せず、防犯性が高められている。
次に、図5〜図7を参照してスラット6について説明を加える。図5に示すように、スラット6の上側には、一端嵌合部としての凸状の上側嵌合部60が形成されている。スラット6の下側には、他端嵌合部としての凹状の下側嵌合部61が形成されている。上側嵌合部60は、上側に隣設するスラット6の下側嵌合部61に対して嵌合可能および離脱可能とされている。下側嵌合部61は、下側に隣設するスラット6の上側嵌合部60に対して嵌合可能および離脱可能とされている。図5(C)は、スラットカーテン1が開放または閉鎖方向に移動するときにおけるスラット6の嵌合状態を示す。スラットカーテン1が開放または閉鎖方向に移動するときには、上記したように線状連結部材7は伸張状態(可撓状態)にされており、線状連結部材7の第1リンク71同士の離間距離は大きめとされている。このため第1リンク71に接続されているスラット6同士の高さ方向(矢印H方向)における離間距離も大きめとされている。この結果、スラットカーテン1が開放または閉鎖方向に移動するときには、図5(C)に示すように、スラット6の下側嵌合部61と上側嵌合部60とは隣設するものの、嵌合していないか、あるいは、嵌合度がかなり低い。この場合、互いに隣設するスラット6同士は矢印R3方向に相対回動することができるため、スラット6を巻取体2の外周面2pに巻き取ることができる。
これに対して、図5(A)および図5(B)は、スラットカーテン1が全閉じのときにおけるスラット6を示す。スラットカーテン1が全閉じ状態であるときには、上記したように線状連結部材7は収縮状態(高剛性状態)にされており、線状連結部材7の第1リンク71同士の離間距離は少な目とされている。従って、第1リンク71に接続されているスラット6同士が高さ方向(矢印H方向)において互いに接近する。従って、図5(A)および図5(B)に示すように、高さ方向(矢印H方向)において互いに隣設するスラット6の上側嵌合部60とが下側嵌合部61と互いに嵌合し、スラット6同士の嵌合量が増加する。このため、隣設するスラット6同士が矢印R3,R4方向へ相対回動することが阻止される。この結果、隣設するスラット6の境界における剛性が高まる。ひいてはスラットカーテン1の剛性が高まる。換言すると、線状連結部材7が伸張している伸張位置にあるときには、線状連結部材7は低い剛性をもち、可撓性を有するため、スラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61とが相対回動可能となるように、線状連結部材7はスラットカーテン1を設定することができる。これに対して線状連結部材7が収縮している収縮位置にあるときには、線状連結部材7は高い剛性をもち、従って、互いに隣設するスラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61との相対回動が制限されるように、線状連結部材7はスラットカーテン1を設定することができる。故に、スラットカーテン1が閉じているとき(図5(A)(B)参照)、スラット6の上側嵌合部60とスラット6の下側嵌合部61とが嵌合するため、スラットカーテン1の剛性が高まり、防犯性が高められている。更に本実施形態によれば、スラットカーテン1が巻き下ろされている状態において、高さ方向(矢印H方向)において互いに隣設するスラット6間の境界63に対する防犯性が高められている。即ち、高さ方向において互いに隣設するスラット6間の段差を抑える段差抑制構造が設定されている。
図5(C)に示すように、スラットカーテン1のスラット6が昇降している途中においては、スラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61との境界では、段差が形成されている。しかしスラットカーテン1が閉じているときには、段差抑制構造が採用されている。即ち、図5(B)に示すように、スラット6の上側嵌合部60および下側嵌合部61が互いに嵌合しつつも、室外12側において上側嵌合部60と下側嵌合部61との間の境界63における段差が抑えられている。具体的には、段差は2ミリメートル以下、1ミリメートル以下、殊に実質的に0とされていることが好ましい。ここで、仮に、段差が発生していると、侵入者は、段差を利用してバール等の差込具100を『てこ』として使用して、スラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61との境界63を無理やりこじ開けるおそれがある。そこで本実施形態によれば、スラットカーテン1が巻き下ろされている状態(全閉じ状態)において、図5(B)に示すように、スラット6の上側嵌合部60および下側嵌合部61が互いに嵌合しつつも、室外12側において、上側嵌合部60と下側嵌合部61との間の境界63における段差が抑えられている。従って、侵入者が段差を利用してバール等の差込具100で上側嵌合部60と下側嵌合部61との境界63をこじ開けることが抑制されており、防犯性が優れている。
換言すると、スラットカーテン1が巻き下ろされている状態において、図5(B)および図6に示すように、スラット6の下側嵌合部61には、室外12側において係合壁体64が下向きに延設されている。スラット6の上側嵌合部60には、室外12側において凹状部65が上向きに延設されている。ここで図6に示すように、凹状部65の溝深さh1と係合壁体64の厚みt1とは、実質的に同じ値に設定されている。この結果、スラット6の上側嵌合部60および下側嵌合部61が嵌合しているとき、係合壁体64と凹状部65とがフラット状態に係合している。即ち、スラットカーテン1が巻き下ろされている状態(閉じ状態)において、上側嵌合部60の室外12側の表出面60aと、下側嵌合部61の室外12側の表出面61aとの境界63がフラットとされている。従って、侵入者が段差を利用してバール等の差込具100で上側嵌合部60と下側嵌合部61との境界63をこじ開けることが抑制されており、侵入者に対する防犯性が高められている。
更に本実施形態によれば、隣設するスラット6間の境界63の隙間幅を抑制する隙間抑制構造が設定されている。即ち、スラットカーテン1が巻き下ろされている状態(全閉じ状態)において、図5(B)および図6に示すように、スラット6の上側嵌合部60および下側嵌合部61が互いに嵌合しつつも、室外12側において上側嵌合部60と下側嵌合部61との間の境界63における隙間の隙間幅は、1.5ミリメートル以下、1ミリメートル以下に、殊に実質的にゼロとなるように抑えられている。換言すると、侵入者が存在する室外12側において、スラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61との間の境界63における隙間が抑えられている。従って、侵入者が隙間を利用してバール等の差込具100で上側嵌合部60と下側嵌合部61との境界63をこじ開けることが抑制されており、侵入者に対する防犯性が更に高められている。
万一、係合壁体64の先端部64cと凹状部65の基端部65cとの間に微小な隙間が侵入行為により形成されたとしても、係合壁体64の厚みt1は薄いため(例えば3ミリメートル以下、2ミリメートル以下)、係合壁体64の先端部64cにバール等の差込具100の先端が引っかかりことが抑制される。この意味においても防犯性が更に高められている。また、万一、バール等の差込具100により、係合壁体64の先端部64cと凹状部65の基端部65cとの間に微小隙間が侵入行為により形成されたとしても、本実施形態によれば、図5(B)および図7に示すように、スラット6の上側嵌合部60のうち室外12側には、直立障壁66が形成されている。スラットカーテン1が巻き下ろされている状態(全閉じ状態)において、直立障壁66は、スラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61との嵌合部分において、鉛直方向(矢印P方向)に沿って延設されている。直立障壁66は係合壁体64の内側に位置しており、係合壁体64により覆われている。この結果、万一、侵入者がバール等の差込具100で、スラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61との境界63をこじ開けたとしても、図5(B)および図6に示すように、直立障壁66は、バール等の差込具100の侵入に対して障壁となる。故に、バール等の侵入は、スラット6の直立障壁66により防止される。
更に本実施形態によれば、防犯の万全を図るため、嵌合部回動拘束部67がスラット6に設けられている。嵌合部回動拘束部67は、スラットカーテン1が巻き下ろされている状態(閉じ状態)において、互いに隣設するスラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61との相対回動を拘束する機能をもつ。嵌合部回動拘束部67は、スラット6の上側嵌合部60に設けられたフック爪状のストッパ部68と、下側嵌合部61においてストッパ部68に当接可能に設けられフック爪状の被ストッパ部69とをもつ。スラットカーテン1が閉じられているとき、ストッパ部68および被ストッパ部69は、境界63の上方に位置している。
スラットカーテン1が閉じられている状態では、図6に示すように、ストッパ部68と被ストッパ部69とは互いに非接触状態である。これに対して、スラットカーテン1が全閉じ状態のときにおいて、室外12側からバール等の差込具100が上側嵌合部60と下側嵌合部61との境界63を侵入方向(矢印X1方向)に過剰に加圧しようとするときには、図7に示すように、室内10側のストッパ部68が室内10側の被ストッパ部69に当接して係合する。このため、スラット6の上側嵌合部60と下側嵌合部61との矢印R4方向へのこれ以上の相対回動が抑えられる。従って、スラット6の嵌合部分における剛性が更に高められている。すなわち、隣設するスラット6の境界63における剛性が高められている。この意味においてもスラットカーテン1の剛性が高められている。
なお、スラット6を巻取体2に巻き付けるとき等のようにスラット6が高さ方向(矢印H方向)に移動している途中では、図5(C)に示すように、ストッパ部68と被ストッパ部69とは互いに離脱して非接触状態とされており、隣設するスラット6は相対回動可能とされている。即ち、嵌合部回動拘束部67は、上側嵌合部60と下側嵌合部61との相対回動を許容する。
図8および図9に示すように、スラット回動機構8が縦支柱5に取り付けられている。縦支柱5は、高さ方向(矢印H方向)に沿って延設された主案内通路50および主レール部51をもつ他に、副案内通路53と、副案内通路53を形成する副レール部54とをもつ。副案内通路53は主案内通路50と平行に高さ方向(矢印H方向)に沿って並設されている。主レール部51と副レール部54とを繋ぐように、案内部55が縦支柱5に取り付けられている。案内部55は副レール部54に繋がる。副案内通路53と主案内通路50とは連通路53x(図10参照)により連通されている。
スラットカーテン1が巻き下ろされている途中では、図5(C)に示すように、上側嵌合部60と下側嵌合部61との嵌合量は低下していると共に、ストッパ部68と被ストッパ部69は離脱して非接触状態とされており、スラット6同士は相対回動可能とされている。ここで、捻りコイルバネで形成された閉鎖バネ89(図8参照)が各スラット6に設けられている。この閉鎖バネ89の付勢力により、スラット6は常時、閉鎖するように付勢されている。上記したスラット回動機構8は、スラットカーテン1を構成するスラット6を通風可能となる方向に回動させる機能をもつ。以下、スラット回動機構8について説明を加える。図8に示すように、スラット6の端部6fには、第1リンク71と共に、回動リンク57(スラット6を横向きに回動させるための回動体)が設けられている。回動リンク57は、スラット6と一体回動するようにスラット6の端部6fに枢支ピン6wにより一体的に取り付けられている。回動リンク57には、被案内子として機能する被案内ピン59が横向きに突出されている。被案内ピン59は転動可能でも、非転動構造でも良い。ここで、巻取体2にスラットカーテン1が巻き取られている状態において、モータ3が一方向(巻下ろし方向)に駆動すると、巻取体2が巻き下ろし方向に回動し、巻取体2に巻かれているスラットカーテン1が下方向(矢印H2方向)に向けて巻き下ろされる。ここで、被案内ピン59が主案内通路50に進入しようとするとき、被案内ピン59が通過する通過位置KA(図8参照)が縦支柱5に設けられている。
スラット回動機構8は、カム案内面81(案内面)をもつ作動体としてのカム80と、カム80を作動させるアクチェエータ85とを備えている。カム80は、アクチェエータ85は電磁ソレノイドで形成されているが、モータ機構、空気圧シリンダを利用して形成しても良い。図8に示すように、カム80は、カムピン88を回動中心として退避方向(矢印E2方向),突出方向(矢印E3方向)に回動できる。アクチェエータ85の取り付けられている駆動ロッド86には、連結ピン86eおよびカムリターンバネ87を介してカム80が連結されている。カムリターンバネ87により、常時、カム80は退避方向(矢印E2方向)に付勢されているため、通常の状態では、カム80は退避位置MAに待機している。
上記したカム80が退避位置MAに退避している場合において、巻取体2に巻かれているスラットカーテン1が下方向(矢印H2方向)に巻き下ろされるときには、スラット6の被案内ピン59は、カム80のカム案内面81に当接せず、主案内通路50に沿って下方向(矢印H2方向)に移動する。この結果、スラット6は縦向き状態、つまり閉じた状態で下方向(矢印H2方向)に移動する。閉鎖バネ89により各スラット6は、常に閉鎖する方向(通気開口6eを形成しない方向)に付勢されているためである。従って、スラットカーテン1が閉じたとき、全てのスラット6は縦向きで閉じた状態とされる。
これに対して、スラットカーテン1の通風性等を確保する場合には、巻取体2に巻かれているスラットカーテン1が下方向(矢印H2方向)に巻き下ろされるときに、使用者はスイッチを操作して、アクチェエータ85をオン作動させる。すると、アクチュエータ85により駆動ロッド86が駆動方向(図8の矢印E1方向)に移動するため、カムリターンバネ87に抗してカム80がカムピン88を回動中心として突出方向(図8の矢印E3方向)回動し、カム80のカム案内面81が通過位置KAに突出する。この状態において、スラット6の被案内ピン59が下降して通過位置KAを通過するとき、図9から理解できるように、被案内ピン59は、カム80のカム案内面81に沿って主案内通路50から副案内通路53に横方向(図9の矢印S1方向)に案内される。この結果、回動リンク57は、通風方向(図9の矢印F1方向)に、スラット6と共に枢支ピン6wを回転中心として回動する。この結果、スラット6が横向きとなり、スラット6間に通気開口6e(図9参照)が形成される。そして、被案内ピン59は下降しつつ副案内通路53を通過し、縦支柱5の副レール部54に沿って下方(矢印H2方向)に移動する。このためスラット6は、通風可能位置つまり横向きとされた状態で下方(矢印H2方向)に移動する。この結果、スラットカーテン1が全閉とされている状態であっても、スラットカーテン1の上部側のスラット6は、通風可能位置つまり横向きとなる。故に、視認開口を兼ねる通気開口6eが形成される。
ところで、スラットカーテン1を上方向(矢印H1方向)に引張っるように動作させるときに、アクチュエータを駆動させてカムによりスラットを横向きとし、通気開口を形成する方式も考えられる。しかしながらこの場合には、通気開口を形成するときに、スラットカーテン1を上向きに引っ張ることが必要とされるため、線状連結部材も上向きに引っ張られる傾向となる。前述したように線状連結部材に上向きの引張力が作用すると、線状連結部材が伸張位置となり易く、線状連結部材の剛性が低下し易く、ひいては防犯性が万全でなくなるおそれがある。この点について本実施形態によれば、通気開口を形成するにあたり、前述したように、巻取体2に巻かれているスラットカーテン1が下方向(矢印H2方向)に巻き下ろされるときに、カム80によりスラット6を横向きとする方式が採用されている。このため本実施形態によれば、通気開口6eを形成するとき、線状連結部材7に下向きの押し込み力がそのまま作用するため、線状連結部材7が収縮位置となり、線状連結部材7の高い剛性が維持され、ひいては良好な防犯性が維持される。
また、巻き下がっているスラットカーテン1を巻取体2にモータ3で巻き上げるときには、使用者はスイッチを操作してモータ3を逆動させる。これによりモータ3が駆動するため、巻取体2が巻上方向に回動し、線状連結部材7およびスラット6が巻取体2の外周面2pに次第に巻き上げられる。このとき、横向きとされていたスラット6の被案内ピン59は、副案内通路53を上方(矢印H1方向)に移動する。被案内ピン59が副案内通路53の上端部53uに至ると、被案内ピン59は、副レール部54から解除される。このとき、閉鎖バネ89の付勢力は、常時、スラット6を閉鎖させる方向に付勢している。このため、閉鎖バネ89の付勢力により、スラット6は、通気開口6eを消失させる方向に自動的に回動して縦向きに戻される。このとき、アクチュエータ85はオフとされ、カム80はカムリターンバネ87の付勢力により退避位置MAに戻っている。このようにして縦向きに戻されたスラット6は巻取体2の外周面2pに次第に巻き上げられる。また、非常時等(例えば停電時)のように、巻き下がっているスラットカーテン1を巻取体2に手動操作で巻き上げるときには、ブレーキ部20のブレーキ作用を解除させた状態で、スラットカーテン1を使用者が手動で持ち上げて巻取体2に巻き上げれば良い。
(要部構成)
さて、本実施形態の要部構成について図2および図3を参照しつ説明する。巻取体2は、横フレーム4内の巻取体取付ブラケット25に回転可能に保持されている。横フレーム4内に、巻取体2にスラットカーテン1を巻き取るための巻取空間4aが形成されている。更に、スラットカーテン1が閉じているとき、および、スラットカーテン1が閉じるとき(=閉じようとするとき)、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kの撓みを抑制する撓み抑制部材が設けられている。部分7Kは、案内用の拡開部51pよりも上方に位置しており、拡開部51pと巻取体2との間の部分である。
具体的には、図3に示すように、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kには、係合案内部としての係合案内ピン700が設けられている。係合案内ピン700は、線状連結部材7のうち最も巻取体2に近い第1リンク71uの外面に外方(スラット6の長手方向とほぼ平行な方向においてスラットカーテン6から離れる方向)に向けて突設されている。換言すると、係合案内ピン700は、スタック6の長手方向において線状連結部材7から離れる方向(矢印PW方向)に線状連結部材7に対してほぼ垂直となる方向に突設されている。即ち、係合案内ピン700はスラット6の長手方向(矢印L方向)において外方に向けて突設されている。
使用条件の如何によっては、スラットカーテン1が閉じているとき、あるいは、閉じようとするとき、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7K(図2参照)が撓んだ状態となるおそれがある。この場合、モータ3による押込力が充分にスラットカーテン1に作用しないおそれがある。この場合、スラットカーテン1が閉じているときであっても、侵入者がバール等でスラットカーテン1を持ち上げてこじ開けようとするとき、線状連結部材7の撓みの影響を受けて、スラットカーテン1が持ち上がるおそれがある。
そこで本実施形態では、スラットカーテン1が閉じているとき、または、スラットカーテン1が閉じるとき、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kの撓みを規制する撓み抑制部材が拡開部51pの上方に設けられている。図2に示すように、この撓み抑制部材は、互いに対向する第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600を備えている。スラットカーテン1が閉じているとき、および、スラットカーテン1が閉じるとき、第1撓み抑制部材500は、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室外側(矢印PA方向)に撓むことを抑制する機能をもつ。スラットカーテン1が閉じているとき、および、スラットカーテン1が閉じるとき、第2撓み抑制部材600は、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室内側(矢印PB方向)に撓むことを抑制する機能をもつ。
ここで、前述したように、起点部位77は、線状連結部材7のうち巻取体2の外周面2pに対して離脱方向(図2に示す矢印HB方向)に離脱させる起点となる部位である。線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kとは、起点部位77を起点として巻取体2から離れる方向に所定距離離間している部位に相当する。所定距離とは、シャッタ装置の種類にもよるが、巻取最大外径DW(図2参照)の2倍以内、1.5倍以内または1倍以内まで距離が例示されるが、これに限定されるものではない。一般的には、部分7Kは横フレーム4内に納まっているが、これに限定されない。
第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600は、基部としての横フレーム4内において巻取体取付ブラケット25(図3参照)により交換可能に固定されている。図2に示すように、第1撓み抑制部材500は、上方に向かうにつれて線状連結部材7から退避する方向に傾斜している第1案内面501と、ほぼ垂直に沿った第1背向面502と、第1底面503と、第1側面504とをもつ。第2撓み抑制部材600は、上方に向かうにつれて線状連結部材7から退避する方向に傾斜している第2案内面601と、ほぼ垂直に沿った第2背向面602と、第2底面603と、第2側面604とをもつ。
図2に示すように、第1案内面501および第2案内面601は、互いに対向しており、両者の間隔は、高さが高くなるにつれて拡開するように設定されている。なお、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600の材質は特に限定されるものではなく、樹脂系、ゴム系、金属系、セラミックス系、炭素系が例示される。第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600は中実構造でも、中空構造でも良い。
図2は、スラットカーテン1が閉じているとき(全閉状態)において、巻取体2の付近を示す。この場合、図2に示すように、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600は係合案内ピン700を案内し、ひいては線状連結部材7を案内する。この場合、線状連結部材7の長孔73および係合ピン74は屈曲を許容する関節機能をもつため、スラットカーテン1が閉じているとき(全閉状態)においても、線状連結部材7は撓むおそれがある。この点について本実施形態によれば、巻取体2の下方付近に、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600が設けられている。このため、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室外側(矢印PA方向)に撓むことが抑制される。と共に、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室内側(矢印PB方向)に撓むことが抑制される。この結果、スラットカーテン1を閉じているとき、または、スラットカーテン1を閉じるとき、モータ3による押込力がスラットカーテン1に良好に作用し、線状連結部材7ひいてはスラットカーテン1の剛体化が進行する。従って、侵入者がバール等でスラットカーテン1を持ち上げようとしても、剛体化が進行している線状連結部材7、ひいてはスラットカーテン1は持ち上がらない。
本実施形態によれば、スラットカーテン1が巻取体2の外周面2pに巻取空間4aにおいて巻き取られる巻取体2の軸芯である回転中心2xからの外径)は、DW(図2参照)で示される。図3に示すように、第1撓み抑制部材500の第1側面504および第2撓み抑制部材600の第2側面604は、スラット6の長手方向(矢印L方向)において、巻取体2の長手方向の軸端面2tよりも外方(矢印L1方向)に向けて退避している。この結果、巻取体2の外周面2pにスラットカーテン1を巻き取ったとき、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600は、スラットカーテン1に干渉しないように設定されている。このためスラットカーテン1の大部分または全部が巻取体2の外周面2pに巻き取られたときあっても、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600がスラットカーテン1に接触するおそれが解消される。このため係合案内ピン700は、線状連結部材7およびスラット6から離れる方向(矢印PW方向)に、即ち、スラットの長手方向(矢印L方向)に外方に向けて、線状連結部材7の第1リンク71に保持されている。なお係合案内ピン700は線状連結部材7の第1リンク71に対してほぼ垂直に立設されている。
更に本実施形態によれば、スラットカーテン1が閉じているとき(全閉状態)、ブレーキ部20により巻取体22が回転しないようにロックされている。このため、侵入者がバール等でスラットカーテン1を持ち上げようとしても、上記した撓みが抑えられているため、高剛体化した線状連結部材7は、持ち上がらない。ひいては、この線状連結部材7に接続されているスラットカーテン1は持ち上がらない。この意味においても防犯性の万全を図っている。
更に本実施形態によれば、前述したように、高さ方向(矢印H方向)において互いに隣設するスラット6同士の上側嵌合部60と下側嵌合部61とが嵌合し、スラットカーテン1が高剛体化しているため、高剛体化したスラットカーテン1は持ち上がらない。この意味においても、防犯性の万全を図っている。
(実施形態2)
図11は実施形態2を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態では、第2リンク72を廃止し、上側の第1リンク71の下側に形成された長孔73に、下側の第1リンク71の上側の嵌合ピン74を長孔73に沿って移動可能に挿入している。下側の第1リンク71の上側に回動規制部78が設けられている。ここで、第1リンク71が相対揺動すると、上側の第1リンク71の下端部71uoと下側の第1リンク71の回動規制部78とが係合する。この結果、回動規制部78は、上下の2つの第1リンク71,71間の回動規制、つまり位置規制を行い、線状連結部材7の高剛性化を図る。
(実施形態3)
図12は実施形態3を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態では、図12に示すように、第1撓み抑制部材500をガイド500xに沿って室内側に向けて矢印M1方向に付勢する弾性収縮可能なバネで形成された第1付勢部材520が設けられている。第1付勢部材520は、第1撓み抑制部材500と横フレーム4の第1支持部4fとの間に介在しており、線状連結部材7に向けて(矢印M1方向に向けて)第1撓み抑制部材500を付勢している。第1撓み抑制部材500が第1ストッパ部521に当接するまで、第1付勢部材520は第1撓み抑制部材500を矢印M1方向に付勢している。この結果、スラットカーテン1が閉じているとき、または、スラットカーテン1が閉じるとき、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室外(矢印PA方向)に撓むことが第1撓み抑制部材500により抑制されている。
更に、図12に示すように、第2撓み抑制部材600をガイド600xに沿って室外側に向けて矢印N1方向に付勢する弾性収縮可能なバネで形成された第2付勢部材620が設けられている。第2付勢部材620は、第2撓み抑制部材600と横フレーム4の第2支持部4sとの間に介在しており、線状連結部材7に向けて(矢印N1方向に向けて)第2撓み抑制部材600を付勢している。第2撓み抑制部材600が第2ストッパ部621に当接するまで、第2付勢部材620は第2撓み抑制部材600を矢印N1方向に付勢している。この結果、スラットカーテン1が閉じているとき、または、スラットカーテン1が閉じるとき、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室外(矢印PB方向)に撓むことが第2撓み抑制部材600により抑制されている。
第1撓み抑制部材500に過剰の負荷が作用したとしても、第1撓み抑制部材500は線状連結部材7から退避する方向(矢印M2方向)に退避できる。このため、第1撓み抑制部材500および線状連結部材7に無理な負荷が作用しにくい。第1撓み抑制部材500および線状連結部材7を保護するのに有利である。同様に、第2撓み抑制部材600に過剰の負荷が作用したとしても、第2撓抑制部材600は線状連結部材7から退避する方向(矢印N2方向)に退避できる。このため、第2撓み抑制部材600および線状連結部材7に無理な負荷が作用しにくい。第2撓み抑制部材600および線状連結部材7を保護するのに有利である。
(実施形態4)
図13は実施形態4を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態では、第1撓み抑制部材500を第1形態および第2形態に位置調整させる作動機構850が設けられている。作動機構850は、第1撓み抑制部材500を線状連結部材7に接近する方向(矢印M1方向)に付勢する付勢要素としてのバネ部851と、第1撓み抑制部材500を線状連結部材7とから遠ざける方向(矢印M2方向)に移動させるアクチュエータ830とを備えている。アクチュエータ830は、モータ機構または流体圧シリンダ機構で形成されており、連結ロッド835を介して第1撓み抑制部材500に連結されている。スラットカーテン1が開閉移動するとき、第2形態に切り替えられる。第2形態においては、図示しないスイッチによりアクチュエータ830が駆動し、連結ロッド835を介して第1撓み抑制部材500が線状連結部材7から遠ざかる方向(矢印M2方向)に移動する。このため第1撓み抑制部材500と線状連結部材7とが非接触となり、スラットカーテン1が開閉移動するときにおける異音の低減、摩擦損傷の低減に有利である。
また、スラットカーテン1が閉じているとき、スラットカーテン1が閉じるときには、第1形態に切り替えられる。第1形態においては、アクチュエータ830がオフとされるため、第1撓み抑制部材500がバネ部851により自動的に押圧されて突出方向(矢印M1方向)に移動し、線状連結部材7に第1撓み抑制部材500が接触するため、線状連結部材7の上記した撓みが抑制される。なお、第2撓み抑制部材600は固定されているが、第1撓み抑制部材500と同様な可動構造としても良い。アクチュエータ830のオン・オン関係を逆にしても良い。
(実施形態5)
図14は実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態では、図14に示すように、第1撓み抑制部材500を弾性支持する腕状の第1弾性支持部551が設けられている。第1弾性支持部551は横フレーム4内の第1支持部4fに保持されている。第2撓み抑制部材600を弾性支持する腕状の第2弾性支持部651が設けられている。第2弾性支持部651は横フレーム4内の第2支持部4sに保持されている。このように第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600は横フレーム4内において弾性支持されている。このため、線状連結部材7が第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600に強く接触したとしても、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600は退避できるため、線状連結部材7、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600の損傷が抑制される。勿論、第1撓み抑制部材500、第2撓み抑制部材600、線状連結部材7が設けられているため、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室外側(矢印PA方向)に撓むことが抑制されると共に、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室内側(矢印PB方向)に撓むことが抑制される。なお、第1弾性支持部および第2弾性支持部651はゴムまたは軟質樹脂等で形成できる。
(実施形態6)
図15は実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態では、図15に示すように、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600は、互いに一対をなす形状および構造とされている。本実施形態においても、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600が設けられているため、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室外側(矢印PA方向)に撓むことが抑制されると共に、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7Kが室内側(矢印PB方向)に撓むことが抑制される。この結果、侵入者がバール等でスラットカーテン1を持ち上げようとしても、剛体化が進行している線状連結部材7、ひいてはスラットカーテン1は持ち上がらない。
(実施形態7)
図16は実施形態7を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態では、図16に示すように、線状連結部材7のうち巻取体2に近い部分7K(最も上側の第1リンク71u)には、係合案内部としての係合案内片710が切り起こしにより形成されている。係合案内片710は、線状連結部材7のうち最も巻取体2に近い第1リンク71uの外面に外方に向けて突設されている。換言すると、係合案内片710は、スラット6の長手方向とほぼ平行な方向において、線状連結部材7から離れる方向(矢印PW方向)に線状連結部材7に対してほぼ垂直となる方向に突設されている。係合案内片710は前記した係合案内ピン700と同様の作用効果を奏する。
(実施形態8)
図17は実施形態8を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成、作用効果を有する。本実施形態では、図17に示すように、撓み抑制部材550は、枢支部としての枢支軸565で回動可能に枢支された回動体562を備えている。即ち、回動体562の一端部562aは枢支軸565に保持されている。回動体562は案内用の拡開部51pに隣設されている。図17に示すように、付勢部材としての捻りコイルバネ570は枢支軸565に保持されている。かかるバネ570は、枢支軸565に嵌合されたコイル部571と、第1アーム部572と、第2アーム部573とをもつ。バネ570により回動体562の他端部562cは常に矢印W1方向(撓み抑制方向)に付勢されている。但し、回動体562の他端部562cは、外力が作用すると、捻りコイルバネ570のバネ力に抗して矢印W2方向(退避方向)に回動して退避できる。
スラットカーテン1の閉じが終了しているとき、または、スラットカーテン1が閉じようとするとき、図17に示すように、バネ570により回動体562の他端部562cは矢印W1方向(撓み抑制方向)に付勢されて回動し、撓み抑制位置Xとされている。このため、スラットカーテン1のうち巻取体2に近い部分1Kの撓みを抑制することができる。故に、スラットカーテン1のうち巻取体2に近い部分1Kが室外側(矢印PA方向)に膨らむのが抑制されている。なお、部分1Kは、案内用の拡開部51pよりも上方に位置しており、拡開部51pと巻取体2との間の部分である。更に本実施形態によれば、スラットカーテン1が閉じているとき、回動体562は、スラットカーテン1のうち巻取体2に近い部分1Kをバネ570のバネ力を利用して付勢しているため、閉鎖しているスラットカーテン1が風等の影響を受けるときであっても、風等の影響でスラットカーテン1が動作することが抑制される。
また、スラットカーテン1が開くときには、スラットカーテン1が巻取体2に巻き取られるため、巻取体2における巻取径が次第に増加する。このときスラットカーテン1が回動体562を捻りコイルバネ570のバネ力に抗して矢印W2方向(退避方向)に回動させて退避させることができるため、スラットカーテン1の円滑な巻取が確保される。なお、スラットカーテン1が開放しており、スラットカーテン1の巻取径が最大巻取径DWのときには、回動体562はバネ570のバネ力に抗して退避位置Yに退避している。最大巻取径DWに巻き取られたスラットカーテン1が巻き外されるときには、巻取径が次第に減少するが、回動体562の他端部562cはこれに追従することができる。
図17において、起点部位77は、線状連結部材7のうち巻取体2の外周面2pに対して離脱方向(矢印HB方向)に離脱させる起点となる部位である。スラットカーテン1のうち巻取体2に近い部分1Kとは、起点部位77を起点として巻取体2から離れる方向に所定距離離間している部位に相当する。所定距離とは、シャッタ装置の種類にもよるが、巻取最大外径DWの2倍以内、1.5倍以内または1倍以内まで距離が例示される。一般的には、部分1Kは横フレーム4内に納まっている。
(その他)
上記した実施形態によれば、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600の双方が設けられているが、これに限らず、第1撓み抑制部材500および第2撓み抑制部材600のうちの一方のみとしても良い。係合案内部として係合案内ピン700および係合案内片710が設けられているが、これに限らず、第1リンク71に締結したボルト、棒体を用いても良い。被案内ピン59は、上側のスラット6のうち数個のみに形成されているため、上側の数個のスラット6のみを横向きにでき、上側の数個のスラット6を通風可能にできる。但し、これに限らず、被案内ピン59を、高さ方向の中間のスラット6のみに設けることにしても良く、更に、高さ方向の下側のスラット6のみに設けることにしても良い。更に、全てのスラット6を通風可能にできるように、被案内ピン59を全てのスラット6に設けても良い。スラット6は通風等のためにブラインド式(図8参照)に開放できるようにされているが、これに限らず、非ブラインド式でも良い。
なお、アクチュエータ85および被案内ピン59は、スラット6の左右方向のうち両方に設けることが好ましいが、片方のみに設けても良い。スラットカーテン1のうち巻取体2に近い部分1Kが室外側に膨らむのが抑制されているが、これに限らず、室内側に膨らむのが抑制されていても良い。枢支部としての枢支軸565は軸状とされているが、これに限らず、ボール状でも良く、要するに、回動体562を回動可能にできれば良い。線状連結部材7の構造は図4および図11に示す構造に限定されるものではない。スラット6の構造は図5に示す構造に限定されるものでない。その他、本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施可能である。
上記した思想から次の技術的思想が把握される。
(付記項1)各請求項において、前記撓み抑制部材は、前記スラットカーテンのうち前記巻取体に近い部分が室外側および室内側のうちの一方に撓むことを抑制する第1撓み抑制部材と、前記スラットカーテンのうち前記巻取体に近い部分が室外側および室内側のうちの他方に撓むことを抑制する第2撓み抑制部材とを備えていることを特徴とするシャッタ装置。
(付記項2)各請求項において、前記スラットカーテンのうち前記巻取体に近い部分が撓むことを抑制する方向に、前記撓み抑制部材を付勢する弾性収縮可能な付勢部材が設けられていることを特徴とするシャッタ装置。
(付記項3)各請求項において、前記撓み抑制部材を弾性支持する弾性支持部が設けられていることを特徴とするシャッタ装置。
(付記項4)各請求項において、前記撓み抑制部材を第1形態および第2形態に位置調整させる作動機構が設けられており、
前記第1形態において、前記スラットカーテンのうち前記巻取体に近い部分が撓むことを抑制する方向に前記撓み抑制部材が作動し、且つ、前記第2形態において、前記スラットカーテンと前記撓み抑制部材との接触が回避される方向に、前記撓み抑制部材が作動することを特徴とするシャッタ装置。
(付記項5)各請求項において、前記スラットは、上側に隣設する前記スラットと嵌合する上側嵌合部と、下側に隣設する前記スラットと嵌合する下側嵌合部とを備えており、前記スラットカーテンが閉じている状態のとき、前記上側嵌合部と前記下側嵌合部とが嵌合して前記シャッターカーテンの剛性を高める構造とされていることを特徴とするシャッタ装置。
1はスラットカーテン、2は巻取体、20はブレーキ部、3はモータ、5は縦支柱、50は主案内通路、51は主レール部、53は副案内通路、54は副レール部、55は案内部、6はスラット、60は上側嵌合部、61は下側嵌合部、63は境界、64は係合壁体、65は凹状部、66は直立障壁、68はストッパ部、69は被ストッパ部、7は線状連結部材、7Kは線状連結部材のうち巻取体に近い部分、71は第1リンク、72は第2リンク、73は長孔、74は係合ピン、75は第1ボルト(接続部)、76は第2ボルト(接続部)、77は起点部位、78は回動規制部、500は第1撓み抑制部材、600は第2撓み抑制部材、700は係合案内ピン(係合案内部)、800はバネ部(作動機構)、830はアクチュエータ(作動機構)、550は撓み抑制部材、565は枢支軸(枢支部)、562は回動体、570は捻りコイルバネ(付勢部材)を示す。