JP5119545B2 - 蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化方法 - Google Patents

蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化方法 Download PDF

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Description

本発明は、蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化方法に関する。
近年、臨床診断の分野では、多くの種類の生体由来の蛋白質を、特異的かつ高精度に測定することが要求されている。この要求を満たすためには、測定技術の進歩もさることながら、安定性に優れた測定対象となる蛋白質を含む標準試薬などの生体成分測定用試薬の供給などが必要となる。一般に多くの蛋白質は、温度、光、pH、酸素などの外的因子によって容易にその高次構造が破壊され、生理活性が失われてしまう。従って、蛋白質を含む試薬などの液状組成物の安定性を保つためには、外的因子から蛋白質を保護し、その生理活性を保持させることが重要である。蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化方法については、これまでにも種々の方法が提案されている。最もよく知られている方法としては、アルギニンなどのアミノ酸を安定化剤として用いる方法がある(例えば非特許文献1を参照のこと)。この他にも、蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化のための有効成分としては、例えば、特許文献1にアミノ酸エステルやポリアミンが記載されており、非特許文献2にポリエチレングリコールが記載されている。しかしながら、その効果については必ずしも十分と言えるものではない。
特開2004−108850号公報 K.Shiraki,et.al.「J.Biochem.」2002年、132巻、p591−595 Cleland JL, et.al.「J.Biol.Chem.」1992年、267巻、p13327−13334
そこで本発明は、蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の優れた安定化方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の点に鑑みて鋭意研究を重ねた結果、水溶性高分子化合物であるポリエチレングルコールとアミノ酸や無機塩を組み合わせて用いることで、蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化作用が著しく向上することを見出した。
上記の知見に基づいてなされた本発明の蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の熱失活を抑制する方法は、請求項1記載の通り、(成分1)濃度が10mg/ml〜250mg/mlのポリエチレングリコールと(成分2)濃度が10mM〜2Mのアラニン、アルギニン、グルタミン酸又はこれらの誘導体、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、硫酸アンモニウム、及びグアニジンから選択される少なくとも1つを液状組成物中に共存させることを特徴とする。
また、請求項2記載の方法は、請求項1記載の方法において、ポリエチレングリコールの重量平均分子量が200〜50000であることを特徴とする


本発明によれば、蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の優れた安定化方法を提供することができる。
本発明の蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化方法は、(1)水溶性高分子化合物と(2)アミノ酸又はその誘導体及び/又は無機塩を液状組成物中に共存させることを特徴とするものである。
蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化剤の成分となる水溶性高分子化合物は、分子内に疎水性部分と親水性部分を有する化合物であれば特段限定されるものではなく、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリドンなどが例示される。水溶性高分子化合物の重量平均分子量は200〜50000が望ましい。水溶性高分子化合物は、単独で用いてもよいし複数種類を混合して用いてもよい。好適な水溶性高分子化合物としては、ポリエチレングルコールが挙げられる。その重量平均分子量は200〜30000(平均重合度5〜750)が望ましく、1000〜20000(平均重合度25〜500)がより望ましい。蛋白質を含む液状組成物中における水溶性高分子化合物の濃度は、10mg/ml〜250mg/mlが望ましく、25mg/ml〜200mg/mlがより望ましく、50mg/ml〜100mg/mlがさらに望ましい。濃度が低すぎると蛋白質に対する優れた安定化効果が得られない恐れがある一方、濃度が高すぎると蛋白質を含む液状組成物を抗原抗体反応などの免疫反応を行うための試薬などとして用いる場合、反応抑制や非特異性反応を引き起こすなどして特異的かつ高精度な測定を阻害する恐れがある。
蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化剤の成分となるアミノ酸又はその誘導体としては、グリシン、アラニン、アルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、ヒスチジン、リジン、プロリン、グリシンメチルエステル、グリシンエチルエステル、アラニンメチルエステル、アルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステル、ヒスチジンメチルエステル、グルタミン酸ジメチルエステル、アスパラギン酸ジメチルエステル、リジンエチルエステル、プロリンメチルエステル、グリシンアミド、アラニンアミド、アルギニンアミド、アスパラギン酸アミド、グルタミン酸アミド、ヒスチジンアミド、リジンアミド、プロリンアミドなどが挙げられる(これらは塩の形態であってもよい)。これらは単独で用いてもよいし複数種類を混合して用いてもよい。好適なアミノ酸又はその誘導体としては、アルギニン、アルギニンメチルエステル、アルギニンエチルエステルが挙げられる。
蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化剤の成分となる無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、塩化カリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化アンモニウム、硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸アンモニウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウムなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし複数種類を混合して用いてもよい。好適な無機塩としては、塩化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、硫酸アンモニウムが挙げられる。
アミノ酸又はその誘導体と無機塩は、いずれか一方を水溶性高分子化合物と組み合わせて用いてもよいし、両者を水溶性高分子化合物と組み合わせて用いてもよい。蛋白質を含む液状組成物中におけるアミノ酸又はその誘導体及び/又は無機塩の濃度は、10mM〜2Mが望ましく、50mM〜500mMがより望ましい。濃度が低すぎると蛋白質に対する優れた安定化効果が得られない恐れがある一方、濃度が高すぎると溶解性が劣ることで液状組成物としての性状に悪影響を及ぼす恐れがある。
本発明の水溶性高分子化合物とアミノ酸又はその誘導体及び/又は無機塩を蛋白質の安定化剤として共存させてなる蛋白質を含む液状組成物は、蛋白質を含む液状組成物にこれらの成分を溶解させることにより調製することができる(必要に応じて界面活性剤やアルコールなどの溶解補助剤を用いてもよい)。蛋白質を含む液状組成物としては、例えば蛋白質を0.1μg/ml〜100mg/mlの濃度で溶解させたpHが2〜12で濃度が1mM〜500mMの緩衝液(リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、トリス緩衝液など)が挙げられる。蛋白質を含む液状組成物は、自体公知の添加成分である含硫還元剤、酸化防止剤、防腐剤、溶解補助剤、pH調整剤などを含んでいてもよい。なお、本発明において安定化の対象となる液状組成物に含まれる蛋白質は、特段限定されるものではなく、パーオキシダーゼに例示される酸化還元酵素やエステラーゼやリゾチームに例示される加水分解酵素など各種の酵素、アルブミン、血液凝固因子、免疫グロブリン、C反応性蛋白質(CRP)、リューマチ因子(RF)などの血漿蛋白質の他、これらの蛋白質に対する抗体、HBV、HCV、HIVなどのウイルスに対する抗体などが挙げられる。これらは生物個体から単離精製したものであってもよいし、遺伝子工学的手法によって生産されたものであってもよい。また、本発明において安定化の対象となる液状組成物に含まれる蛋白質は、ラテックス、ビーズ、マイクロプレート、チューブ、磁性粒子などの担体に結合させたものであってもよい。
本発明の水溶性高分子化合物とアミノ酸又はその誘導体及び/又は無機塩を蛋白質の安定化剤として共存させてなる蛋白質を含む液状組成物は、生体由来の蛋白質を生化学的にや免疫学的に測定するための試薬や、測定対象となる蛋白質を含む標準試薬などの生体成分測定用試薬として用いることができる。
また、本発明の蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化方法は、蛋白質を含む液状医薬品製剤(例えば注射剤など)においても採用することができる。従って、本発明の水溶性高分子化合物とアミノ酸又はその誘導体及び/又は無機塩を蛋白質の安定化剤として共存させてなる蛋白質を含む液状組成物は、蛋白質を含む液状医薬品製剤であってよい。
以下、本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明は以下の記載に限定して解釈されるものではない。
参考例1:ポリエチレングリコールの蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化作用
(実験方法)
50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に卵白リゾチームを溶解し、卵白リゾチームの濃度が1.0mg/mlの溶液を調製した。この溶液に重量平均分子量が6000(平均重合度150)のポリエチレングリコール(和光純薬社製のPEG6000)を0mg/ml〜200mg/mlの濃度範囲で添加した。得られた液状組成物を98℃で10分間加熱し、15,000rpmで20分間遠心分離(株式会社日立ハイテクノロジーズ製のhimac CF15RXを使用)後、上清画分を取り分けた。次に0.5mg/mlのMicrococcus lysodeikticus溶液(Sigma社製)(50mMリン酸緩衝液、pH6.5)1480μlに、上記の上清画分20μlを添加し、分光光度計(日本分光社製のV−550)を用いて波長600nmによる吸光度にてリゾチームの活性測定を行った。
(実験結果)
図1に、横軸を液状組成物のポリエチレングリコール濃度とし、縦軸をリゾチーム活性(加熱処理前の酵素活性を100%とした場合の加熱処理後の残存酵素活性)とするグラフを示す。図1から明らかなように、ポリエチレングリコールを添加しなかった場合には、リゾチーム活性はわずか1.5%であり、そのほとんどが熱失活してしまっていたが、ポリエチレングリコールを添加することで濃度依存的にリゾチーム活性は向上した。しかしながら、ポリエチレングリコールの濃度を200mg/mlにしても、リゾチーム活性は約60%どまりであり、ポリエチレングリコールの濃度を高濃度にしても熱失活を効果的に抑制することはできなかった。
実施例1:ポリエチレングリコールとアミノ酸又はその誘導体を併用した場合の蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化作用
(実験方法)
50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に卵白リゾチームを溶解し、卵白リゾチームの濃度が1.0mg/mlの溶液を調製した。この溶液に重量平均分子量が6000(平均重合度150)のポリエチレングリコール(和光純薬社製のPEG6000)を0mg/ml、50mg/ml、100mg/mlの濃度で添加するとともにアミノ酸又はその誘導体を0mM〜300mMの濃度範囲で添加した。得られた液状組成物を98℃で10分間加熱し、15,000rpmで20分間遠心分離(株式会社日立ハイテクノロジーズ製のhimac CF15RXを使用)後、上清画分を取り分けた。次に0.5mg/mlのMicrococcus lysodeikticus溶液(Sigma社製)(50mMリン酸緩衝液、pH6.5)1480μlに、上記の上清画分20μlを添加し、分光光度計(日本分光社製のV−550)を用いて波長600nmによる吸光度にてリゾチームの活性測定を行った。
(実験結果)
図2に、アミノ酸又はその誘導体としてアルギニン(和光純薬社製)を用いた場合の、横軸を液状組成物のアルギニン濃度とし、縦軸をリゾチーム活性(加熱処理前の酵素活性を100%とした場合の加熱処理後の残存酵素活性)とするグラフを示す。また、アミノ酸又はその誘導体としてアラニン(和光純薬社製)、グルタミン酸(和光純薬社製)、塩酸グアニジン(和光純薬社製)、アルギニンエチルエステル(Sigma社製)を用いた場合の図2と同様のグラフを、それぞれ図3〜図6に示す。図2〜図6から明らかなように、ポリエチレングリコールのみを100mg/mlの濃度で添加してもリゾチーム活性は20%以下であり、熱失活を効果的に抑制することはできなかった。しかしながら、アミノ酸又はその誘導体をさらに添加することで、熱失活の抑制効果は、ポリエチレングリコールとアミノ酸又はその誘導体をそれぞれ単独で添加した場合の熱失活の抑制効果に比較して格段に向上し、両者を併用することによる相乗効果が見られた。特に顕著な熱失活の抑制効果が得られたのはアルギニンとアルギニンエチルエステルを添加した場合であり、ポリエチレングリコールのみを100mg/mlの濃度で添加してもリゾチーム活性は10%程度であり、アルギニンのみを200mMの濃度で添加してもリゾチーム活性は25%程度であったのが、両者を併用することでリゾチーム活性は90%程度まで上昇し、熱失活を効果的に抑制することができた(図2)。同様に、ポリエチレングリコールのみを100mg/mlの濃度で添加してもリゾチーム活性は10%程度であり、アルギニンエチルエステルを15mMの濃度で添加してもリゾチーム活性は10%程度であったのが、両者を併用することでリゾチーム活性は85%程度まで上昇し、熱失活を効果的に抑制することができた(図6)。
実施例2:ポリエチレングリコールと無機塩を併用した場合の蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化作用
(実験方法)
50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に卵白リゾチームを溶解し、卵白リゾチームの濃度が1.0mg/mlの溶液を調製した。この溶液に重量平均分子量が6000(平均重合度150)のポリエチレングリコール(和光純薬社製のPEG6000)を0mg/ml、50mg/ml、100mg/mlの濃度で添加するとともに無機塩を0mM〜300mMの濃度範囲で添加した。得られた液状組成物を98℃で10分間加熱し、15,000rpmで20分間遠心分離(株式会社日立ハイテクノロジーズ製のhimac CF15RXを使用)後、上清画分を取り分けた。次に0.5mg/mlのMicrococcus lysodeikticus溶液(Sigma社製)(50mMリン酸緩衝液、pH6.5)1480μlに、上記の上清画分20μlを添加し、分光光度計(日本分光社製のV−550)を用いて波長600nmによる吸光度にてリゾチームの活性測定を行った。
(実験結果)
図7に、無機塩として塩化ナトリウム(ナカライテスク社製)を用いた場合の、横軸を液状組成物の塩化ナトリウム濃度とし、縦軸をリゾチーム活性(加熱処理前の酵素活性を100%とした場合の加熱処理後の残存酵素活性)とするグラフを示す。また、無機塩として塩化アンモニウム(和光純薬社製)、硫酸アンモニウム(和光純薬社製)、ヨウ化アンモニウム(和光純薬社製)を用いた場合の図7と同様のグラフを、それぞれ図8〜図10に示す。図7〜図10から明らかなように、ポリエチレングリコールのみを100mg/mlの濃度で添加してもリゾチーム活性は10%程度であり、熱失活を効果的に抑制することはできなかった。しかしながら、無機塩をさらに添加することで、熱失活の抑制効果は、ポリエチレングリコールと無機塩をそれぞれ単独で添加した場合の熱失活の抑制効果に比較して格段に向上し、両者を併用することによる相乗効果が見られた。特に顕著な熱失活の抑制効果が得られたのは塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、ヨウ化アンモニウムを添加した場合であり、これらの無機塩を併用することで熱失活をほぼ完全に抑制することができた(図8〜図10)。
実施例3:ポリエチレングリコールの大きさが蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の安定化作用に及ぼす影響
(実験方法)
50mMリン酸緩衝液(pH7.0)に卵白リゾチームを溶解し、卵白リゾチームの濃度が1.0mg/mlの溶液を調製した。この溶液に重量平均分子量が200(平均重合度5)、6000(平均重合度150)、20000(平均重合度500)のポリエチレングリコール(和光純薬社製のPEG200、PEG6000、PEG20000)を0mg/ml、50mg/mlの濃度で添加するとともにアミノ酸又はその誘導体としてアルギニンエチルエステル(Sigma社製)を0mM、25mMの濃度で添加した。得られた液状組成物を98℃で10分間加熱し、15,000rpmで20分間遠心分離(株式会社日立ハイテクノロジーズ製のhimac CF15RXを使用)後、上清画分を取り分けた。次に0.5mg/mlのMicrococcus lysodeikticus溶液(Sigma社製)(50mMリン酸緩衝液、pH6.5)1480μlに、上記の上清画分20μlを添加し、分光光度計(日本分光社製のV−550)を用いて波長600nmによる吸光度にてリゾチームの活性測定を行った。
(実験結果)
図11に、ポリエチレングリコールの大きさとリゾチーム活性(加熱処理前の酵素活性を100%とした場合の加熱処理後の残存酵素活性)との関係を示す。図11から明らかなように、重量平均分子量が6000のポリエチレングリコールとアルギニンエチルエステルを併用した場合及び重量平均分子量が20000のポリエチレングリコールとアルギニンエチルエステルを併用した場合の熱失活の抑制効果は、重量平均分子量が200のポリエチレングリコールとアルギニンエチルエステルを併用した場合の熱失活の抑制効果に比較して優れていた。なお、アルギニンエチルエステルのかわりに、アルギニン(和光純薬社製)、アラニン(和光純薬社製)、塩酸グアニジン(和光純薬社製)、塩化ナトリウム(ナカライテスク社製)、塩化アンモニウム(和光純薬社製)を用いて同様の実験を行った場合でも、ポリエチレングリコールの大きさとリゾチーム活性との関係は、アルギニンエチルエステルを用いた場合と同じ傾向であった。
本発明は、蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の優れた安定化方法を提供することができる点において産業上の利用可能性を有する。
参考例1におけるポリエチレングリコールのリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 実施例1におけるポリエチレングリコールとアルギニンを併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 同、ポリエチレングリコールとアラニンを併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 同、ポリエチレングリコールとグルタミン酸を併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 同、ポリエチレングリコールと塩酸グアニジンを併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 同、ポリエチレングリコールとアルギニンエチルエステルを併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 実施例2におけるポリエチレングリコールと塩化ナトリウムを併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 同、ポリエチレングリコールと塩化アンモニウムを併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 同、ポリエチレングリコールと硫酸アンモニウムを併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 同、ポリエチレングリコールとヨウ化アンモニウムを併用した場合のリゾチームの安定化作用を示すグラフである。 実施例3におけるポリエチレングリコールの大きさとリゾチーム活性との関係を示すグラフである。

Claims (2)

  1. 蛋白質を含む液状組成物中における蛋白質の熱失活を抑制する方法であって、(成分1)濃度が10mg/ml〜250mg/mlのポリエチレングリコールと(成分2)濃度が10mM〜2Mのアラニン、アルギニン、グルタミン酸又はこれらの誘導体、塩化ナトリウム、塩化アンモニウム、ヨウ化アンモニウム、硫酸アンモニウム、及びグアニジンから選択される少なくとも1つを液状組成物中に共存させることを特徴とする方法。
  2. ポリエチレングリコールの重量平均分子量が200〜50000であることを特徴とする請求項1記載の方法
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