JP5119329B2 - グロープラグの駆動制御方法 - Google Patents
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Description
また、これらの制御方法とは別に、例えば、車両バッテリ電圧を、ドロッピングレジスターと称される抵抗回路を用いて、本来の定格電圧より低めの電圧に最適化して、急速な昇温を実現するという考え方もあった。
前記グロープラグのポストグローの終了時において、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第1の所定時間以上所定の強冷却状態にはないと判定された場合にポストグローの通電を停止するよう構成されてなるグロープラグ駆動制御方法が提供される。
本発明の第2の形態によれば、グロープラグの通電を制御するグロープラグ駆動制御方法であって、
前記グロープラグのインターメディエートグローの終了時において、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第3の所定時間以上所定の強冷却状態にはないと判定された場合にインターメディエートグローの通電を停止するよう構成されてなるグロープラグ駆動制御方法が提供される。
本発明の第3の形態によれば、グロープラグの駆動制御を実行する電子制御ユニットと、
前記電子制御ユニットにより実行されるグロープラグの駆動制御に応じて、前記グロープラグへの通電を行う通電回路とを具備してなるグロープラグ駆動制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記グロープラグのポストグローの終了時において、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第1の所定時間以上所定の強冷却状態にはないと判定された場合に、前記通電回路に対してポストグローの通電を停止せしめるよう構成されてなるグロープラグ駆動制御装置が提供される。
かかる構成において、電子制御ユニットは、グロープラグのインターメディエートグローの終了時において、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第3の所定時間以上所定の強冷却状態にはないと判定された場合に、通電回路に対してインターメディエートグローの通電を停止せしめるよう構成しても好適である。
また、グロープラグの最高温度を規制することなく、熱的ストレスの緩和を図るため、特に、車両に用いられるグロープラグにあっては、インターメディエートグローなどによる排気ガス中の有害成分の確実な抑制が可能となり、排ガス規制に対して低コストで対応できる。
さらに、グロープラグの劣化が確実に抑圧されるため、亀裂発生などの劣化状態を確実に回避することが可能となり、信頼性の向上に寄与することができる。
101…電子制御ユニット
102…通電回路
なお、以下に説明する部材、配置等は本発明を限定するものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々改変することができるものである。
最初に、本発明の実施の形態におけるグロープラグ駆動制御方法が適用されるグロープラグ駆動制御装置の構成例について、図1を参照しつつ説明する。
本発明の実施の形態におけるグロープラグ駆動装置は、電子制御ユニット(図1においては「ECU」と表記)101と、通電回路(図1においては「DRV」と表記)102とに大別されて構成されたものとなっている。
通電回路102は、電子制御ユニット101によるグロープラグ駆動制御に応じてグロープラグ50−1〜50−nへの通電を行うための公知・周知の構成を有してなるものである。
すなわち、セラミックグロープラグは、導電性セラミックからなる発熱体が絶縁性セラミックスからなる丸棒状の部材内部に配設されたセラミックヒータを有してなるものである。
なお、以下の説明においては、セラミックグロープラグ50−1〜50−nと称することとする。
一般にグロープラグの駆動は、最初に、エンジン始動前のプレグロー(Pre glow)と称される駆動期間(図5(B)において符号aが付された期間)、次いで、クランキング(Cranking)始動時におけるスタートグローと称される駆動期間(図5(B)において符号bが付された期間)、次いで、クランキング終了後の燃焼安定化のためポストグローと称される駆動期間(図5(B)において符号cが付された期間)、そして、燃焼安定化に伴うグロープラグの駆動を停止する期間(図5(B)において符号dが付された期間)に大別される。
なお、図5(A)は、上述のような各々の駆動期間においてグロープラグに印加される電圧の変化例であり、グロープラグへの印加電圧は、プレグローの際に最も高く設定されるものとなっている。
電子制御ユニット101により処理が開始されると、最初に、現在のエンジン動作状況下において必要とされるポストグロー時間tpostの算出が行われる(図2のステップS100参照)。すなわち、具体的には、エンジン(図示せず)の動作制御に影響を与える種々の要素(以下、これらの要素を「エンジン動作制御要素」と称する)の内、予め定めた複数の要素、例えば、エンジン冷却水温度、大気圧等のデータを基に、予め設定された演算式やマップ検索等によってポストグロー時間tpostが算出される。ここで、エンジン冷却水温度や大気圧等のデータは、図示されないセンサによって検出されて、メインルーチン(図示せず)において実行されるエンジン動作制御処理において用いられるようになっているもので、ステップS100においては、それを読み込み、流用するようにすると良いものである。
すなわち、本発明の実施の形態においては、次述するような予め設定されたポストグロー電圧決定用マップを用いてポストグロー電圧が定められるものとなっている。
なお、エンジン回転速度Sengは、図示されないセンサによって検出されるエンジン回転数から所定の演算式によって算出されるものである。また、燃料噴射量Qinjは、エンジン回転数、アクセル開度等のデータを基に所定の演算式により算出される目標燃料噴射量である。これらエンジン回転速度Seng及び燃料噴射量Qinjは、先に述べたエンジン冷却水等と同様に、メインルーチン(図示せず)において実行されるエンジン動作制御処理において用いられるようになっているものであるので、それらを読み込み、流用すれば良いものである。
すなわち、エンジン(図示せず)の燃焼室内におけるセラミックグロープラグ50−1〜50−nの冷却状態、換言すれば、スワール冷却による冷却量の大小は、エンジン回転速度Sengと燃料噴射量Qinjによって大凡の状態が推定できるため、本発明の実施の形態においては、この推定される冷却状態に応じてポストグロー電圧が、シミュレーションや試験に基づいて定められたものとなっている。
このように本発明の実施の形態におけるポストグロー電圧決定用マップは、エンジン回転速度Sengと燃料噴射量Qinjをパラメータとして、セラミックグロープラグ50−1〜50−nの冷却条件の厳しさの程度を表すマップとして見ることもできるものとなっている。
すなわち、エンジン燃焼室(図示せず)内における冷却状態、換言すれば、スワール冷却量が特に大きい領域である先の図4に示された強冷却領域(所定の強冷却状態)に所定時間以上あるか否かが、図4に示されたポストグロー電圧決定用マップを用いて、この時点のエンジン回転速度Sengと燃料噴射量Qinjから判定されることとなる。
ここで、強冷却領域に第1の所定時間t1以上ある状態ではないと判定された場合に通電停止とするのは、この場合の方が、強冷却領域にある場合に通電停止とする場合に比して、熱的ストレスが原因と考えられるセラミックグロープラグ50−1〜50−nの劣化が少ないという本願発明者の研究結果に基づくものである。
すなわち、まず、所定のポストグロー延長電圧用マップを用いてポストグロー延長通電の際の電圧(以下「延長電圧」と称する)Vpost-extが求められる。そして、その求められた延長電圧Vpost-extで通電回路102によりセラミックグロープラグ50−1〜50−nへの通電が延長されることとなる。
また、所定のポストグロー延長電圧用マップは、エンジン回転速度Sengと燃料噴射量Qinjをパラメータとして、セラミックグロープラグ50−1〜50−nの冷却状態を考慮して延長電圧Vpost-extが定められているもので、具体的には、先に説明したポストグロー電圧決定用マップと基本的に同様の考え方で設定されたものである。したがって、このポストグロー延長電圧用マップは、図4におけるV(Seng,Qinj)をVpost-ext(Seng,Qinj)に置き換えたものとなり、強冷却領域についても先に図4で説明したと同一の領域となるものである。
なお、このポストグロー延長電圧用マップにおける個々の延長電圧Vpost-extは、シミュレーションや試験結果等に基づいて定めるのが好適である。
また、上述のようにポストグロー延長電圧用マップを用いて延長電圧Vpost-extを定めることに代えて、所定の電圧としても良い。
電子制御ユニット101により処理が開始されると、最初に、インターメディエートグロー時間tintの算出が行われる(図3のステップS200参照)。
ここで、本発明の実施の形態において、インターメディエートグロー時間tintは、大気温度やDPFの差圧等を基に所定の演算式により算出されるものとなっている。なお、大気温度やDPFの差圧は、図示されないセンサによって検出されてメインルーチン(図示せず)において実行されるエンジン動作制御処理において用いられるようになっているので、このステップS200においては、これらを流用することで足りるものとなっている。
ここで、インターメディエートグロー電圧Vintは、次述するような予め設定されたインターメディエートグロー電圧決定用マップを用いて定められるものとなっている。
ここで、強冷却領域に第3の所定時間t3以上ある状態ではないと判定された場合に通電停止とするのは、この場合の方が、強冷却領域にある場合に通電停止とする場合に比して、セラミックグロープラグ50−1〜50−nへ与える熱的ストレスが小さくて済むと考えられるからである。
すなわち、まず、所定のインターメディエートグロー延長電圧用マップを用いて延長通電の際の電圧(以下「延長電圧」と称する)Vint-extが求められる。そして、その求められた延長電圧Vint-extで通電回路102によりセラミックグロープラグ50−1〜50−nへの通電が行われることとなる。ここで、所定のインターメディエートグロー延長電圧用マップは、先に図2のステップS108で説明したと同様に、ポストグロー電圧決定用マップと基本的に同様の考え方で設定されたものであるので、ここでの再度の詳細な説明は省略することとする。
このように、冷却状態が通常冷却領域に遷移し、その状態が第4の所定時間t4以上継続された後に通電停止とするのは、先にステップS110で説明したと同様の理由によるものである。
Claims (16)
- グロープラグの通電を制御するグロープラグ駆動制御方法であって、
前記グロープラグのポストグローの終了時において、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第1の所定時間以上所定の強冷却状態にはないと判定された場合にポストグローの通電を停止することを特徴とするグロープラグ駆動制御方法。 - 所定の強冷却状態は、スワール冷却量が特に大きい領域にある状態であることを特徴とする請求項1記載のグロープラグ駆動制御方法。
- スワール冷却量が特に大きい領域にある状態であるか否かは、少なくともエンジン回転速度及び燃料噴射量と、スワール冷却量との予め定められた相関関係に基づいて、判定時におけるエンジン回転速度及び燃料噴射量から決定されることを特徴とする請求項2記載のブロープラグ駆動制御方法。
- エンジンの燃焼室内における冷却状態が第1の所定時間以上所定の強冷却状態にあると判定された場合、予め定められたポストグロー延長電圧用マップによりポストグロー通電延長の際の電圧を求め、当該求められた電圧によりポストグローの通電延長を開始し、
しかる後、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第2の所定時間以上所定の強冷却状態から緩和された状態へ遷移していると判定された際に前記ポストグローの通電延長を停止する一方、
エンジンの燃焼室内における冷却状態が第2の所定時間以上所定の強冷却状態から緩和された状態へ遷移した状態にはないと判定された場合には、前記ポストグロー延長電圧用マップによりポストグロー通電延長の電圧を求め、当該求められた電圧によりポストグローの通電を延長することを繰り返してゆき、
前記ポストグロー延長電圧用マップは、少なくともエンジン回転速度と燃料噴射量とに基づいて定められるエンジンの燃焼室内における冷却状態に応じて設定されたポストグローの通電延長用の電圧を、前記エンジン回転速度と燃料噴射量とをパラメータとして読み取り可能に構成されたものであることを特徴とする請求項3記載のブロープラグ駆動制御方法。 - グロープラグの通電を制御するグロープラグ駆動制御方法であって、
前記グロープラグのインターメディエートグローの終了時において、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第3の所定時間以上所定の強冷却状態にはないと判定された場合にインターメディエートグローの通電を停止することを特徴とするグロープラグ駆動制御方法。 - 所定の強冷却状態は、スワール冷却量が特に大きい領域にある状態であることを特徴とする請求項5記載のグロープラグ駆動制御方法。
- スワール冷却量が特に大きい領域にある状態であるか否かは、少なくともエンジン回転速度及び燃料噴射量と、スワール冷却量との予め定められた相関関係に基づいて、判定時におけるエンジン回転速度及び燃料噴射量から決定されることを特徴とする請求項6記載のブロープラグ駆動制御方法。
- エンジンの燃焼室内における冷却状態が第3の所定時間以上所定の強冷却状態にあると判定された場合、予め定められたインターメディエートグロー延長電圧用マップによりインターメディエートグロー通電延長の際の電圧を求め、当該求められた電圧によりインターメディエートグローの通電延長を開始し、
しかる後、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第4の所定時間以上所定の強冷却状態から緩和された状態へ遷移していると判定された際に前記インターメディエートグローの通電延長を停止する一方、
エンジンの燃焼室内における冷却状態が第4の所定時間以上所定の強冷却状態から緩和された状態へ遷移した状態にはないと判定された場合には、前記インターメディエートグロー延長電圧用マップによるインターメディエートグロー通電延長の電圧を求め、当該求められた電圧によりインターメディエートグローの通電を延長することを繰り返してゆき、
前記インターメディエートグロー延長電圧用マップは、少なくともエンジン回転速度と燃料噴射量とに基づいて定められるエンジンの燃焼室内における冷却状態に応じて設定されたインターメディエートグローの通電延長用の電圧を、前記エンジン回転速度と燃料噴射量とをパラメータとして読み取り可能に構成されたものであることを特徴とする請求項7記載のブロープラグ駆動制御方法。 - グロープラグの駆動制御を実行する電子制御ユニットと、
前記電子制御ユニットにより実行されるグロープラグの駆動制御に応じて、前記グロープラグへの通電を行う通電回路とを具備してなるグロープラグ駆動制御装置であって、
前記電子制御ユニットは、
前記グロープラグのポストグローの終了時において、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第1の所定時間以上所定の強冷却状態にはないと判定された場合に、前記通電回路に対してポストグローの通電を停止せしめるよう構成されてなることを特徴とするグロープラグ駆動制御装置。 - 所定の強冷却状態は、スワール冷却量が特に大きい領域にある状態であることを特徴とする請求項9記載のグロープラグ駆動制御装置。
- 電子制御ユニットは、
スワール冷却量が特に大きい領域にある状態であるか否かを、少なくともエンジン回転速度及び燃料噴射量と、スワール冷却量との予め定められた相関関係に基づいて、判定時におけるエンジン回転速度及び燃料噴射量から判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項10記載のグロープラグ駆動制御装置。 - 電子制御ユニットは、
エンジンの燃焼室内における冷却状態が第1の所定時間以上所定の強冷却状態にあると判定された場合、予め定められたポストグロー延長電圧用マップによりポストグローの通電延長の際の電圧を求め、通電回路に対して当該求められた電圧によりポストグローの通電延長を開始せしめ、
しかる後、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第2の所定時間以上所定の強冷却状態から緩和された状態へ遷移していると判定された際に前記ポストグローの通電延長を停止せしめる一方、
エンジンの燃焼室内における冷却状態が第2の所定時間以上所定の強冷却状態から緩和された状態へ遷移した状態にはないと判定された場合には、前記ポストグロー延長電圧用マップによりポストグローの通電延長の電圧を求め、前記通電回路に対して当該求められた電圧によりポストグローの通電を延長せしめることを繰り返すよう構成されてなり、
前記ポストグロー延長電圧用マップは、少なくともエンジン回転速度と燃料噴射量とに基づいて定められるエンジンの燃焼室内における冷却状態に応じて設定されたポストグローの通電延長用の電圧を、前記エンジン回転速度と燃料噴射量とをパラメータとして読み取り可能に構成されたものであることを特徴とする請求項11記載のブロープラグ駆動制御装置。 - グロープラグの駆動制御を実行する電子制御ユニットと、
前記電子制御ユニットにより実行されるグロープラグの駆動制御に応じて、前記グロープラグへの通電を行う通電回路とを具備してなるグロープラグ駆動制御装置であって、
電子制御ユニットは、
グロープラグのインターメディエートグローの終了時において、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第3の所定時間以上所定の強冷却状態にはないと判定された場合に、通電回路に対してインターメディエートグローの通電を停止せしめるよう構成されてなることを特徴とするのブロープラグ駆動制御装置。 - 所定の強冷却状態は、スワール冷却量が特に大きい領域にある状態であることを特徴とする請求項13記載のグロープラグ駆動制御装置。
- 電子制御ユニットは、
スワール冷却量が特に大きい領域にある状態であるか否かを、少なくともエンジン回転速度及び燃料噴射量と、スワール冷却量との予め定められた相関関係に基づいて、判定時におけるエンジン回転速度及び燃料噴射量から判定するよう構成されてなることを特徴とする請求項14記載のグロープラグ駆動制御装置。 - 電子制御ユニットは、
エンジンの燃焼室内における冷却状態が第3の所定時間以上所定の強冷却状態にあると判定された場合、予め定められたインターメディエートグロー延長電圧用マップによりインターメディエートグローの通電延長の際の電圧を求め、通電回路に対して当該求められた電圧によりインターメディエートグローの通電延長を開始せしめ、
しかる後、エンジンの燃焼室内における冷却状態が第4の所定時間以上所定の強冷却状態から緩和された状態へ遷移していると判定された際に前記インターメディエートグローの通電延長を停止せしめる一方、
エンジンの燃焼室内における冷却状態が第4の所定時間以上所定の強冷却状態から緩和された状態へ遷移した状態にはないと判定された場合には、前記インターメディエートグロー延長電圧用マップによりインターメディエートグローの通電延長の電圧を求め、前記通電回路に対して当該求められた電圧によりインターメディエートグローの通電を延長せしめることを繰り返すよう構成されてなり、
前記インターメディエートグロー延長電圧用マップは、少なくともエンジン回転速度と燃料噴射量とに基づいて定められるエンジンの燃焼室内における冷却状態に応じて設定されたインターメディエートグローの通電延長用の電圧を、前記エンジン回転速度と燃料噴射量とをパラメータとして読み取り可能に構成されたものであることを特徴とする請求項15記載のブロープラグ駆動制御装置。
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