JP6833264B2 - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に搭載される火花点火式内燃機関の運転制御を司る制御装置に関する。
火花点火式内燃機関において、気筒に充填された混合気に点火するための点火プラグは、点火コイルにて発生する誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起する。
点火コイルに通電する電気回路上には、半導体スイッチング素子を有するイグナイタが設けられている。イグナイタの半導体スイッチを点弧すると、点火コイルの一次側に電流が流れる。一次側コイルを流れる一次電流は、半導体スイッチを点弧している間逓増する。その後、然るべき火花点火のタイミングにて半導体スイッチを消弧すると、一次電流が遮断された瞬間の自己誘導作用により点火コイルの一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と磁気回路及び磁束を共有する二次側コイルにさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグの中心電極に印加されることで、中心電極と接地電極との間に火花放電が生じる。
火花点火のために点火プラグに入力する電気エネルギの大きさは、半導体スイッチを消弧する時点で点火コイルの一次側コイルを流れている一次電流の大きさに依存する。つまり、一次側コイルへの通電期間を長くとるほど、二次側コイルひいては点火プラグに入力する電気エネルギが大きくなる。点火プラグに入力する電気エネルギ、即ち火花放電のエネルギを増大させれば、気筒における混合気への着火性が向上して燃焼が良好となることが期待できる(以上、下記特許文献を参照)。
一方で、点火コイルへの通電期間を徒に長くすることは、電力消費量の増大、エネルギ効率の悪化につながる。さらには、点火コイルの過剰な発熱を招来する懸念もある。よって、点火コイルへの通電期間を最適化することが求められる。
特開2016−089659号公報
本発明は、火花点火式内燃機関における点火コイルへの通電期間を最適化し、良好な混合気の着火燃焼とエネルギ効率の向上との両立を図ることを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、点火コイルに通電後その通電を遮断することで生じる誘導電圧を点火プラグの電極に印加し火花放電を惹起して気筒内の混合気に点火する火花点火式内燃機関を制御するものであって、点火プラグの電極間で火花放電が起こっている期間の長さを計測するとともに、過去の所定回数の点火機会における火花放電期間の長さの平均を求め、その平均が目標よりも短いならば点火コイルへの通電期間を延長する補正を加えることとし、前記所定回数を内燃機関の負荷が大きいほど少ない回数に設定する内燃機関の制御装置を構成した。
その上で、内燃機関の回転数、内燃機関の負荷及び点火コイルに電圧を印加するための電源となる蓄電装置の電圧に応じて最小通電期間を設定し、内燃機関の回転数及び蓄電装置の電圧に応じて最大通電期間を設定して、所定回数の点火機会における火花放電期間の長さの平均が目標よりも短いならば点火コイルへの通電期間を前記最大通電期間に近づけ、当該平均が目標よりも長いならば点火コイルへの通電期間を前記最小通電期間に近づけるものとし、点火コイルへの通電期間の学習値として、現状の通電期間と前記最大通電期間との差分と、前記最小通電期間と前記最大通電期間との差分との比率を学習して記憶するならば、ある運転領域で学習した学習値を別の運転領域でも利用することが可能となる。
本発明によれば、火花点火式内燃機関における点火コイルへの通電期間を最適化することができ、良好な混合気の着火燃焼とエネルギ効率の向上との両立を図り得る。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態の内燃機関の点火装置及びイオン電流検出回路の回路図。 イグナイタの点弧から火花点火へと至る期間における、点火コイルの一次側コイルを流れる一次電流の推移を例示する図。 イオン電流検出回路を介して検出される電流信号及び気筒の燃焼室内圧力のそれぞれの推移を例示する図。 内燃機関の運転領域と目標放電期間の長さとの関係を例示する図。 点火コイルへの通電期間の長さと点火プラグの電極間で起こる火花放電の発生期間の長さとの関係を例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
排気ガス再循環(Exhaust Gas Recirculation)装置2は、排気通路4を流れる排気の一部を吸気通路3に還流させて吸気に混交する、いわゆる高圧ループEGRを実現するものである。EGR装置2は、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通する外部EGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
図2に、内燃機関用の点火装置の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、例えばIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等の半導体スイッチング素子131を有するイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
本実施形態の内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13の半導体スイッチ131が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の火花点火のタイミングで半導体スイッチ131が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。二次側の誘導電圧は、10kVないし30kVに達する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
点火コイル14の一次側コイルは、半導体スイッチ131を介して車載の蓄電装置17に接続する。蓄電装置17は、バッテリ(鉛バッテリ、リチウムイオンバッテリ、ニッケル水素バッテリ、その他)やキャパシタ等である。複数の種類の蓄電装置17を組み合わせて車両に搭載することもあり得る。
半導体スイッチ131を点弧し、蓄電装置17から供給される直流電圧を一次側コイルに印加して通電を開始すると、一次側コイルを含む一次側(低圧系)の回路を流れる一次電流は逓増する。
図3に、一次側コイルへの通電開始後の一次電流の推移を例示する。蓄電装置17及び一次側コイルを含む一次側の電気回路をRL直列回路と仮定すると、t=0時点にて直流電圧Eを印加した場合の一次電流I(t)は、
I(t)≒{1−e-(R/L)t}E/R
となる。即ち、過渡現象として一次電流は逓増するが、その増加の速さは徐々に衰える。十分に長い時間が経過すると、後述する電流制限機能が働かない限り、一次電流は図3中の破線のようにE/Rに飽和することとなる。
図3中、時点t1が、気筒1の点火タイミングである。この時点t1において、当該気筒1に付随するイグナイタ13の半導体スイッチ131を消弧し、当該気筒1に付随する点火コイル14の一次側コイルへの通電を遮断し、同点火コイル14にて発生する誘導電圧を当該気筒1の点火プラグ12の中心電極に印加する。
時点t0、または時点t0’が、点火コイル14の一次側コイルへの通電開始時点である。即ち、時点t0から時点t1までの期間、または時点t0‘から時点t1までの期間が、点火コイル14の一次側コイルへの通電期間となる。時点t0は、点火コイル14への通電期間を比較的短くとる場合の通電開始時点であり、この場合の一次電流の推移を図3中に実線で描画している。他方、時点t0’は、点火コイル14への通電期間を比較的長くとる場合の通電開始時点であって、この場合の一次電流の推移を図3中に一点鎖線で描画している。後者の通電開始時点t0’は、前者の通電開始時点t0よりも早い。
既に述べた通り、点火コイル14の一次側コイルを流れる一次電流は、半導体スイッチ131の点弧(時点t0または時点t0’)の後逓増する。従って、点火タイミングt1にて一次側コイルを流れている一次電流は、通電開始時点t0、t0’を早めるほど大きくなる。一次電流が大きくなることは、点火コイル14に印加する電気エネルギが大きくなることを意味し、ひいては、半導体スイッチ131の消弧(時点t1)により誘起され点火プラグ12の中心電極に印加される誘導電圧が大きくなることを意味する。
要するに、通電開始時点t0、t0’を早める(点火タイミングt1において一次側コイルを流れている一次電流を大きくする)ほど、点火プラグ12に入力される電気エネルギが大きくなる。その結果として、点火プラグ12の中心電極と接地電極との間で生ずる火花放電の電圧が高くなり、火花放電が継続する時間も長くなる。
イグナイタ13は、一次電流の過大化を抑制する電流制限機能を有している。この電流制限機能は、今日普及している既製のイグナイタのそれと同様である。具体的には、制御回路132が、検出抵抗133を介して、一次電流を当該抵抗133の両端間電圧の形で恒常的に計測する。そして、その一次電流(抵抗133の両端間電圧)の大きさが規定値以下である間は半導体スイッチ131を点弧する一方、規定値を超えたときには半導体スイッチ131を消弧する。これにより、一次電流を図3中の一点鎖線のように規定値にクリップする。図3中、電流制限機能が働かない場合を破線で描画し、電流制限機能が働く場合を一点鎖線で描画している。
なお、イグナイタ13には、例えばツェナーダイオード134を使用した一次電圧設定部を付設している。この一次電圧設定部は、半導体スイッチ131を高電圧から保護する目的で、点火コイル14の一次側コイルに誘導される一次電圧の大きさを所定値に抑制する役割を担う。半導体スイッチ131がIGBTである場合、電圧クランプ用のツェナーダイオード134はIGBT131のコレクタ−ゲート間に介在し、そのアノードがIGBT131のゲートに接続し、カソードがIGBT131のコレクタに接続する。ツェナーダイオード134は、IGBT131を消弧することで点火コイル14の一次側コイルに誘起される一次電圧の大きさを、例えば350Vないし500Vの範囲内のある値にクリップし、一次電圧がそれ以上大きく高まることを阻止する働きをする。
加えて、イグナイタ13は、点火コイル14またはイグナイタ13自身の温度が上限値を超えるような異常発熱を感知した場合に、一次側コイルへの通電を強制的に遮断する機能をも有している。
本実施形態のECU0は、混合気の燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、そのイオン電流を参照して燃焼状態の判定を行うことができる。
図2に示しているように、本実施形態では、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図4に、正常燃焼における、イオン電流検出回路を介して検出される電流信号h及び気筒1の燃焼室内圧力(燃焼圧力)のそれぞれの推移を例示する。図4中、イオン電流を実線で描画し、燃焼圧力を破線で描画している。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花放電の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧がピークを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
点火コイル14への通電やバルブ23、32類の開閉駆動、車両に実装されている電装系等への電力供給源となる発電機18は、内燃機関の出力軸であるクランクシャフトからエンジントルクの供給を受けて発電し、その発電した電力を車載の蓄電装置17に蓄電する。
発電機18は、自動車用発電機として旧来より用いられているオルタネータであることもあれば、内燃機関のクランクシャフトまたは車両の車軸(そして、駆動輪)を駆動する電動機としての機能を兼ね備えたモータジェネレータまたはISG(Integrated Starter Generator)であることもある。内燃機関と発電機18とは、例えばベルト及びプーリを要素とする巻掛伝動装置等を介して接続される。
発電機18に付帯するICレギュレータまたはコントローラ181は、ECU0から発される、発電機18の出力電圧の目標値を指令する制御信号mを受け付ける。そして、その指令された目標電圧に蓄電装置17の端子電圧(または、電装系に供給する電源電圧)を追従せしめるべく、半導体スイッチング素子をスイッチ動作させて励磁(界磁)巻線に印加する励磁電流の大きさを調節するPWM(Pulse Width Modulation)制御を実施する。発電機18の出力電圧は、励磁巻線を流れる励磁電流が大きいほど大きくなる。
また、発電機18は、車両の減速時に回生制動を行い、車両の運動エネルギを電気エネルギとして回収することができる。ECU0は、運転者によるアクセルペダルの踏込量が0または0に近い所定値以下となったとき、即ち内燃機関及び車両の減速が要求されているときに、発電機18の励磁巻線を流れる励磁電流の上限値及び発電機18の出力電圧を引き上げる制御信号mをICレギュレータまたはコントローラ181に与える。
内燃機関の運転制御を司るECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号d、車載の蓄電装置17の端子電圧及び/または端子電流(特に、バッテリ電圧及び/またはバッテリ電流)を検出するセンサから出力される電圧/電流信号e、内燃機関の温度を示唆する冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、ブレーキペダルが踏まれていることまたはブレーキペダルの踏込量を検出するセンサ(ブレーキスイッチやマスタシリンダ圧センサ等)から出力されるブレーキ信号g、気筒1の燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力される電流信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、イグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l、発電機18に付帯するICレギュレータまたはコントローラ181に対して発電機18を制御するための制御信号m等を出力する。
ECU0のプロセッサは、メモリに格納しているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGR量)、発電機18の発電量(出力電圧)等といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、l、mを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態のECU0は、内燃機関の運転領域や、気筒1の点火プラグ12において惹起される火花放電の発生期間の長さに基づき、点火コイル14の一次側コイルに通電する期間の長さを調整することで、確実な混合気の着火燃焼とエネルギ効率の向上との両立を図る。
まず、ECU0は、現在の内燃機関の運転領域[エンジン回転数,エンジン負荷]及び蓄電装置17の電圧(特に、バッテリ電圧)に応じて、点火コイル14の一次側コイルに対する最小の通電期間を設定する。エンジン負荷を表す具体的なパラメータとしては、例えばサージタンク33内の吸気圧、アクセル開度、気筒1に充填される吸気量、または燃料噴射量等を用いることができる。最小通電期間は、気筒1の燃焼室内で混合気に点火し得る(失火しない)ような火花放電を惹起するために最低限必要となる、一次側コイルに対する通電期間の長さの下限を意味する。
ECU0のメモリには予め、エンジン回転数及びエンジン負荷と最小通電期間との関係を規定したマップデータを格納してある。ECU0は、現在のエンジン回転数及びエンジン負荷(サージタンク33内吸気圧等)をキーとして当該マップを検索し、最小通電期間の基本値を知得する。さらに、その基本値に、現在の蓄電装置17の電圧に応じた補正を加えることにより、最小通電期間の長さを確定する。原則として、蓄電装置17の電圧が高いほど、即ち点火コイル14の一次側コイルに印加される電圧が高いほど、最小通電期間を短く補正する。尤も、ECU0のメモリに、エンジン回転数及びエンジン負荷並びに蓄電装置17の電圧と最小通電期間との関係を規定するマップデータを格納しておき、現在のエンジン回転数及びエンジン負荷並びに蓄電装置17の電圧をキーとして当該マップを検索し、最小通電期間を得るようにしても構わない。
加えて、ECU0は、現在のエンジン回転数及び蓄電装置17の電圧に応じて、点火コイル14の一次側コイルに対する最大の通電期間を設定する。最大通電期間は、気筒1の燃焼室内で混合気に点火するためには不必要なほど過剰な電気エネルギを消費しないような、または点火コイル14が過熱しないような、一次側コイルに対する通電期間の長さの上限を意味する。
ECU0のメモリには予め、エンジン回転数及び蓄電装置17の電圧と最大通電期間との関係を規定したマップデータを格納してある。ECU0は、現在のエンジン回転数及び蓄電装置17の電圧をキーとして当該マップを検索し、最大通電期間を得る。
また、ECU0は、イオン電流検出回路を介して検出される電流信号hを参照して、気筒1に設置した点火プラグ12の電極間で火花放電が起こっている期間の長さを計測する。具体的には、点火コイル14に付随するイグナイタ13の半導体スイッチ131を消弧してから、電流信号hの大きさが所定の閾値をはじめて超えるまでの期間を火花放電期間と見なし、当該期間の長さを計測する。
そして、直近の過去の所定回数の点火機会において計測した火花放電期間の長さの平均を求める。当該平均を算定するに際し、上記の所定回数、換言すれば平均の算出に用いる火花放電期間の計測値の個数は、エンジン負荷が大きいほど少なくする。ECU0のメモリには予め、エンジン負荷と上記の所定回数との関係を規定したマップデータを格納してある。ECU0は、現在のエンジン負荷をキーとして当該マップを検索することで上記の所定回数を知得し、その所定回数分の火花放電期間の長さの平均を演算する。
しかして、ECU0は、過去の火花放電期間の長さの平均が目標放電期間よりも短い、つまり混合気の着火燃焼のために必要十分な期間火花放電が発生していない可能性がある場合に、点火コイル14への通電期間を延長する補正を加え、点火プラグ12に入力する電気エネルギを従前よりも増大させる。この結果、点火プラグ12の電極間に惹起される火花放電の発生期間が長くなり、混合気に対する火花点火の確実性が増し、失火のリスクが減少する。翻って、過去の火花放電期間の長さの平均が目標放電期間よりも長い、つまり混合気の着火燃焼のために必要十分な期間よりも長い間火花放電が発生している可能性がある場合には、点火コイル14への通電期間を短縮する補正を加え、点火プラグ12に入力する電気エネルギを従前よりも減少させる。この結果、電力消費量が削減されてエネルギ効率が向上する。
目標放電期間の長さは、そのときの内燃機関の運転領域に応じて変動する。特に、図5に示すように、エンジン負荷が大きいほど、目標放電期間の長さを短く設定する。これは、点火タイミングにおける気筒1の燃焼室内圧力(圧縮圧力)が大きいほど、点火プラグ12の電極間で火花放電が起こりにくく、火花放電の持続時間も短くなることによる。ECU0のメモリには予め、エンジン回転数及びエンジン負荷と目標放電期間との関係を規定したマップデータを格納してある。ECU0は、現在のエンジン回転数及びエンジン負荷をキーとして当該マップを検索することで目標放電期間を知得し、その目標放電期間と過去の火花放電期間の長さの平均との比較を行う。
本実施形態のECU0は、下式に則って、点火コイル14の一次側コイルに通電する期間の長さを決定する;
通電期間={最小通電期間×学習値}+{最大通電期間×(1−学習値)}
但し、0≦学習値≦1とする。学習値が1に近づくほど、点火コイル14への通電期間は短くなって最小通電期間に近づく。逆に、学習値が0に近づくほど、点火コイル14への通電期間は長くなって最大通電期間に近づく。ECU0は、過去の火花放電期間の長さの平均が目標放電期間よりも短ければ、現在の学習値から補正量KTONLRNDECを減算して新たな学習値を算出し、メモリに記憶保持する。翻って、過去の火花放電期間の長さの平均が目標放電期間よりも長ければ、現在の学習値に補正量KTONLRNADDを加算して新たな学習値を算出し、メモリに記憶保持する。これにより、火花放電期間の長さ(の平均)を目標放電期間に収束させるフィードバック制御が実現される。
学習値の補正量KTONLRNDEC及び/またはKTONLRNADDは、内燃機関の運転領域に応じて可変とすることが好ましい。例えば、ECU0のメモリに予め、エンジン回転数及びエンジン負荷と、補正量KTONLRNDEC及び/またはKTONLRNADDとの関係を規定したマップデータを格納しておく。そして、ECU0が、現在のエンジン回転数及びエンジン負荷をキーとして当該マップを検索することで、補正量KTONLRNDEC及び/またはKTONLRNADDを知得し、当該補正量KTONLRNDEC及び/またはKTONLRNADDを学習値の更新に用いる。
最小通電期間、最大通電期間、火花放電期間の長さの平均を求める際に用いる計測値の個数、目標放電期間、学習値の補正量KTONLRNDEC、KTONLRNADDはそれぞれ、現在の内燃機関の運転領域の影響を受ける。だが、上記の学習値は、現在の内燃機関の運転領域如何によらず共用することができる。様々な運転領域について個別に学習値を学習、更新する必要性から解放されるとともに、遷移する頻度の低い運転領域にあっても遷移する頻度の高い運転領域にて学習した学習値を制御に利用できることから、広汎な運転領域において点火コイル14の一次側コイルに通電する期間の長さを最適化することが可能となる。
本実施形態では、点火コイル14に通電後その通電を遮断することで生じる誘導電圧を点火プラグ12の電極に印加し火花放電を惹起して気筒1内の混合気に点火する火花点火式内燃機関を制御するものであって、点火プラグ12の電極間で火花放電が起こっている期間の長さを計測するとともに、過去の所定回数の点火機会における火花放電期間の長さの平均を求め、その平均が目標よりも短いならば点火コイル14への通電期間を延長する補正を加えることとし、前記所定回数を内燃機関の負荷が大きいほど少ない回数に設定する内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、気筒1内の混合気の火花点火に先立ち点火コイル14へ通電する期間の長さを最適化することができ、良好な混合気の着火燃焼とエネルギ効率の向上との両立を図り得る。また、点火プラグ12や点火コイル14その他の経年変化にも対処することが可能である。
図6に、点火コイル14の一次側コイルへの通電期間の長さと、点火プラグ12の電極間で起こる火花放電の発生期間の長さとの相関関係を模式的に示している。図6中、エンジン負荷の大きい(気筒1に充填される吸気量が多い)高負荷運転領域における相関を実線で描画し、エンジン負荷の小さい(気筒1に充填される吸気量が少ない)低負荷運転領域における相関を一点鎖線で描画している。TLは最大通電期間、TS’は高負荷運転領域における最小通電期間、TSは低負荷運転領域における最小通電期間である。並びに、TA’は高負荷運転領域における目標放電期間、TAは低負荷運転領域における目標放電期間、TXは失火限界、即ち失火を起こさないような火花放電期間の長さの下限である。
高負荷運転領域では、元来火花放電を惹起しにくく、混合気に適切に火花点火できるような点火コイル14への通電期間の範囲(最小通電期間TS’から最大通電期間TLまでの間の範囲)が狭く、点火コイル14の通電期間を精密に制御することが要求される。本実施形態のECU0は、高負荷運転領域において、前記所定回数、即ち平均の算定に用いる直近の過去の火花放電期間の長さの計測値の個数を少なくし、演算サイクル毎の火花放電期間の長さの平均の変化速度を速め、以て火花放電期間の長さを目標放電期間に高速に追従させる。
他方、低負荷運転領域では、イオン電流検出回路を介して検出される電流信号hのS/N比が低下する傾向にある。のみならず、低負荷運転領域では、元来火花放電を惹起しやすく、混合気に適切に火花点火できるような点火コイル14の通電期間の範囲(最小通電期間TSから最大通電期間TLまでの間の範囲)が広くなる。換言すれば、高負荷運転領域と比較して失火に対する余裕が大きい。故に、平均の算定に用いる直近の過去の火花放電期間の長さの計測値の個数を多くして、ノイズにより火花放電期間の長さの平均が実態から乖離することを防止し、学習値の誤学習を回避する。このことは、点火コイル14の一次側コイルへの通電期間の一層の短縮、エネルギ効率の向上、ひいては燃費性能の良化に寄与する。
本実施形態の制御装置0は、内燃機関の回転数、内燃機関の負荷及び点火コイル14に電圧を印加するための電源となる蓄電装置17の電圧に応じて最小通電期間を設定し、内燃機関の回転数及び蓄電装置17の電圧に応じて最大通電期間を設定して、所定回数の点火機会における火花放電期間の長さの平均が目標よりも短いならば点火コイル14への通電期間を前記最大通電期間に近づけ、当該平均が目標よりも長いならば点火コイルへ14の通電期間を前記最小通電期間に近づけるものであり、点火コイル14への通電期間の学習値として、現状の通電期間と前記最大通電期間との差分と、前記最小通電期間と前記最大通電期間との差分との比率を学習して記憶する。ある運転領域において学習した学習値は、異なる運転領域における点火コイル14の通電期間の制御にも利用することが可能である。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、イオン電流検出回路を介して検出される電流信号hを参照して計測された火花放電期間の長さが、所定の警戒値よりも短い場合に、直近の過去の火花放電期間の平均値とは関係なしに、点火コイル14への通電期間を従前よりも延長するフェイルセーフ制御を実行することが考えられる。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される火花点火式内燃機関の点火装置に利用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
12…点火プラグ
13…イグナイタ
131…半導体スイッチ
14…点火コイル
b…クランク角信号
d…吸気温・吸気圧信号
e…電圧/電流信号
h…電流信号
i…点火信号

Claims (2)

  1. 点火コイルに通電後その通電を遮断することで生じる誘導電圧を点火プラグの電極に印加し火花放電を惹起して気筒内の混合気に点火する火花点火式内燃機関を制御するものであって、
    点火プラグの電極間で火花放電が起こっている期間の長さを計測するとともに、過去の所定回数の点火機会における火花放電期間の長さの平均を求め、その平均が目標よりも短いならば点火コイルへの通電期間を延長する補正を加えることとし、
    前記所定回数を内燃機関の負荷が大きいほど少ない回数に設定する内燃機関の制御装置。
  2. 内燃機関の回転数、内燃機関の負荷及び点火コイルに電圧を印加するための電源となる蓄電装置の電圧に応じて最小通電期間を設定し、
    内燃機関の回転数及び蓄電装置の電圧に応じて最大通電期間を設定して、
    所定回数の点火機会における火花放電期間の長さの平均が目標よりも短いならば点火コイルへの通電期間を前記最大通電期間に近づけ、当該平均が目標よりも長いならば点火コイルへの通電期間を前記最小通電期間に近づけるものであり、
    点火コイルへの通電期間の学習値として、現状の通電期間と前記最大通電期間との差分と、前記最小通電期間と前記最大通電期間との差分との比率を学習して記憶する請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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