JP6161456B2 - 火花点火式内燃機関の制御装置 - Google Patents

火花点火式内燃機関の制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、火花点火式内燃機関の制御装置に関する。
振動式のノックセンサを介してノッキングの発生を感知し、ノッキングが起こらなくなるまで点火タイミングを遅角させるとともに、ノッキングが起こらない限りにおいて点火タイミングを進角させるノックコントロールシステムが公知である(例えば、下記特許文献を参照)。
特開2000−073847号公報
気筒におけるノッキングの発生を防ぐために点火タイミングを遅角化すると、内燃機関の熱機械変換効率が低下する。熱機械変換効率の低下は、エンジントルクの減少や燃費性能の悪化につながる。
本発明は、ノッキングを適切に抑制しながら、燃費性能の一層の向上を図ることを所期の目的としている。
上述した課題を解決するべく、本発明では、点火コイルに通電後その通電を遮断することで点火コイルに発生する誘導電圧を点火プラグの電極に印加し、点火プラグにおける火花放電を惹起するものであって、気筒においてノッキングが発生するとき、通電の遮断直前に点火コイルに通電する電流の大きさを平時よりも増大させる補正制御を行うことを特徴とする火花点火式内燃機関の制御装置を構成した。
即ち、現にノッキングが発生している、またはノッキングが発生するおそれの高い状況下では、点火プラグの電極に印加する誘導電圧を高め、及び/または、点火プラグの電極間で生じる火花放電の時間を長くするようにした。火花放電電圧の増大や火花放電時間の延長は、気筒に充填された混合気への着火性を高め、気筒内に存在する未燃燃料を速やかに燃焼させることにつながる。ひいては、当該気筒におけるノッキングの発生(未燃燃料の自己着火)が抑止される。点火コイルに投入される電力量は増加するが、ノッキングを防ぐために点火タイミングを徒に遅角させずに済むことから、内燃機関の熱機械変換効率が向上し、全体としては燃費性能が良化する。
前記補正制御を実行している際に、気筒においてノッキングが発生したことを感知した場合には、ノッキングの発生が感知されなくなるまで点火タイミングを遅角補正する。換言すれば、気筒においてノッキングが発生するときには、点火タイミングの遅角補正よりもまず点火コイルへの通電時間の延長の方を優先する。
なお、気筒においてノッキングが発生したことを感知した場合、ノッキングの発生が感知されなくなるまで点火タイミングを遅角補正するとともに、そのときの内燃機関の運転領域及び点火タイミングの遅角補正量を対応付けて記憶(学習)し、以後に同様の運転領域に遷移したときに、先に記憶した当該運転領域に対応する点火タイミングの遅角補正量の多寡に応じて、通電の遮断直前に点火コイルに通電する電流の大きさを平時よりも増大させる補正制御を行うものとしてもよい。
本発明によれば、ノッキングを適切に抑制しながら、燃費性能の一層の向上を図り得る。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態における火花点火装置の回路図。 イグナイタの点弧から火花点火へと至る期間における、点火コイルの一次側コイルを流れる一次電流の推移を示す図。 内燃機関の気筒における燃焼圧及びイオン電流のそれぞれの推移を示す図。 内燃機関の気筒においてノッキングが発生した場合に検出されるイオン電流信号を例示する図。 本実施形態の制御装置が実行する処理の手順を示すフロー図。 本発明の一変形例の制御装置が実行する処理の手順を示すフロー図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。本実施形態における内燃機関は、火花点火式の4ストロークガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子131を有するイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13の半導体スイッチ131が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の火花点火のタイミングで半導体スイッチ131が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。二次側の誘導電圧は、10kVないし30kVに達する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
点火コイル14の一次側コイルは、半導体スイッチ131を介して車載の電源バッテリ17に接続する。半導体スイッチ131を点弧し、バッテリ17から供給される直流電圧を一次側コイルに印加して通電を開始すると、一次側コイルを含む一次側(低圧系)の回路を流れる一次電流は逓増する。
図3に、一次側コイルへの通電開始後の一次電流の推移を例示する。図3中、電流制限機能が働かない場合を破線で描画し、電流制限機能が働く場合を一点鎖線で描画している(実線については、後述する)。バッテリ17及び一次側コイルを含む一次側の電気回路をRL直列回路と仮定すると、t=0時点にて直流電圧Eを印加した場合の一次電流I(t)は、
I(t)≒{1−e-(R/L)t}E/R
となる。即ち、過渡現象として一次電流は逓増するが、その増加の速さは徐々に衰える。十分に長い時間が経過すると、図3中の破線のように一次電流はE/Rに飽和する。
イグナイタ13は、一次電流の過大化を抑制する電流制限機能を有している。この電流制限機能は、今日普及している既製のイグナイタのそれと同様である。具体的には、制御回路132が、検出抵抗133を介して、一次電流を当該抵抗133の両端間電圧の形で恒常的に計測する。そして、その一次電流(抵抗133の両端間電圧)の大きさが規定値以下である間は半導体スイッチ131を点弧する一方、規定値を超えたときには半導体スイッチ131を消弧する。これにより、一次電流を図3中の一点鎖線のように規定値にクリップする。
なお、イグナイタ13は、点火コイル14またはイグナイタ13自身の温度が上限値を超えるような異常発熱を感知した場合に、一次側コイルへの通電を強制的に遮断する機能をも有している。
本実施形態における点火コイル14は、気筒1に充填された混合気への火花点火のために最低限必要となるエネルギよりもずっと大きなエネルギを発生させることのできる、従来のコイルと比べて大きなインダクタンスを有するものである。
本実施形態のECU0は、燃料の燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、そのイオン電流を参照して燃焼状態の判定を行うことができる。
図2に示すように、本実施形態では、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図4に、正常燃焼における、イオン電流及び気筒1内の燃焼圧力(筒内圧)のそれぞれの推移を例示する。図4中、イオン電流を破線で描画し、燃焼圧力を実線で描画している。イオン電流は、点火のための放電中は検出することができない。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧がピークを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
内燃機関には、外部EGR装置2が付帯していることが多い。図1に示す外部EGR装置2は、いわゆる高圧ループEGRを実現するものであり、排気通路4における触媒41の上流側と吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流側とを連通するEGR通路21と、EGR通路21上に設けたEGRクーラ22と、EGR通路21を開閉し当該EGR通路21を流れるEGRガスの流量を制御するEGRバルブ23とを要素とする。EGR通路21の入口は、排気通路4における排気マニホルド42またはその下流の所定箇所に接続している。EGR通路21の出口は、吸気通路3におけるスロットルバルブ32の下流の所定箇所、特にサージタンク33に接続している。
点火コイル14への通電やバルブ23、32類の開閉駆動、車両に実装された電装系への電力供給源となる発電機(オルタネータまたはモータジェネレータ、図示せず)は、内燃機関のクランクシャフトからエンジントルクの供給を受けて発電し、その発電した電力を車載のバッテリ(図示せず)に充電する。
内燃機関の運転制御を司るECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、ブレーキペダルの踏込量を検出するセンサから出力されるブレーキ踏量信号d、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気温及び吸気圧を検出する温度・圧力センサから出力される吸気温・吸気圧信号e、内燃機関の冷却水温(機関の温度を示唆する)を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力される電流信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、イグナイタ13に対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k、EGRバルブ23に対して開度操作信号l等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射タイミング(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火タイミング、要求EGR率(または、EGR量)といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、k、lを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態のECU0は、内燃機関の気筒1における混合気の燃焼状態に応じて、点火コイル14の一次側コイルへの通電時間、つまりはイグナイタ13における半導体スイッチ131の点弧のタイミングを適宜変更する点火制御を行う。
図6に、点火制御においてECU0が実行する処理の手順を示す。ECU0は、各気筒1に充填された混合気に火花点火するにあたり、当該気筒1においてノッキングが発生しているか否か、またはノッキングが発生するおそれがあるか否かを判定する(ステップS1)。
ステップS1において、当該気筒1にでノッキングが発生し、またはノッキングが発生するおそれがあると判断された場合には、火花点火前の点火コイル14への通電時間を平常よりも長くする補正制御を開始する(ステップS3)。但し、既に通電時間の補正制御を実行しており(ステップS2)、それにもかかわらずノッキングが発生したと判断されたのであれば、当該気筒1においてノッキングが感知されなくなるまで、またはノッキングの発生のおそれがなくなるまで、当該気筒1の点火タイミングを遅角してゆく(ステップS4)。
図3中、時点t1が、気筒1の点火タイミングである。この時点t1において、当該気筒1に付随するイグナイタ13の半導体スイッチ131を消弧し、当該気筒1に付随する点火コイル14の一次側コイルへの通電を遮断し、同点火コイル14にて発生する誘導電圧を当該気筒1の点火プラグ12の中心電極に印加する。
並びに、時点t0が、平常の場合の点火コイル14の一次側コイルへの通電開始時点である。即ち、時点t0から時点t1までの期間が、点火コイル14の一次側コイルへの通電時間となる。
翻って、時点t0’が、ノッキングのおそれのある場合における点火コイル14の一次側コイルへの通電開始時点である。この場合、時点t0’から時点t1までの期間が、点火コイル14の一次側コイルへの通電時間となる。点火タイミングt1から見て、時点t0’は時点t0よりも早い。ノッキングのおそれのある場合の通電時間(時点t0’から時点t1まで)は、平常の場合の通電時間(時点t0から時点t1まで)よりも長い。
既に述べた通り、一次側コイルを流れる一次電流は半導体スイッチ131の点弧(時点t0または時点t0’)の後逓増するから、点火タイミングt1にて一次側コイルを流れている一次電流の大きさは、平常の場合よりもノッキングのおそれのある場合の方が大きくなる。一次電流が大きいことは、点火コイル14に入力する電力量が大きいことを意味する。結果、半導体スイッチ131の消弧(時点t1)により発生し、点火プラグ12の電極に印加される誘導電圧の大きさもまた、平常の場合よりノッキングのおそれのある場合の方が大きくなる。従って、平常の場合と比較して、ノッキングのおそれのある場合の点火プラグ12の電極間の火花放電の電圧は大きくなり、火花放電が継続する時間も長くなる。これにより、当該気筒1における混合気への着火性、即ち火炎伝播による燃焼性が高められるので、気筒1内で混合気(の一部)が自着火爆発を起こすノッキングの発生可能性が低減する。
ステップS1にいう、気筒1においてノッキングが発生するおそれがあると判断される場合の例としては、以下が挙げられる。
<気筒1においてノッキングの発生を感知した場合>本実施形態のECU0は、各気筒1における混合気の燃焼時に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流信号hを参照して、各気筒1におけるノッキングの発生の有無を判定することが可能である。図5に、気筒1での膨張行程中にノッキングが起こったときの、イオン電流の推移を例示する。ノッキングが起こる際、気筒1の燃焼室内では燃焼速度の速い、激しい燃焼が生じている。それ故、図4に示した正常燃焼の場合と比較して、イオン電流が早期にピークを迎え、その後速やかに減衰する。そして、イオン電流信号hのピーク後の波形に、ノッキングに起因して発生する振動Sが重畳される。因みに、各種補機の稼働/非稼働を切り替えるためにリレースイッチがON/OFF操作されたとき等に、イオン電流検出用の回路にスパイクノイズNが誘起され、このスパイクノイズNがイオン電流信号hに重畳されることがある。
ノッキングの有無を判定するにあたり、ECU0は、点火後の燃焼期間に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流を、イオン電流検出用の回路を介してサンプリングする。さらに、サンプリングしたイオン電流信号hを、ノッキングに起因して発生する信号Sが持つ周波数成分を通過させるバンドパスフィルタに入力し、当該信号Sの成分を抽出する。フィルタは、ノッキングに起因した信号S以外の成分を低減させるためのフィルタであって、例えば7kHzないし11.5kHzの周波数成分を通過させる。
その上で、フィルタ処理した信号hを時間積分、換言すればサンプリング値の時系列を積算し、結果得られる積分値を所定のノック判定値と比較する。ノック判定値は、ECU0のメモリに記憶保持している。積分値がノック判定値を上回ったならば、当該気筒1にてノッキングが起こったものと判定する。逆に、積分値がノック判定値以下であるならば、当該気筒1にてノッキングは起こらなかったものと判定する。
イオン電流検出回路は、各気筒1に装着されている各点火プラグ12に流れるイオン電流をそれぞれ検出可能である。即ち、気筒1毎に個別にイオン電流信号hを取得することができ、気筒1毎に個別にノッキングの有無の判定を行うことができる。
そして、ノッキングが発生したと判定した場合には、ノッキングを引き起こした気筒1の次回の点火タイミング、または次に膨張行程が訪れる気筒1の点火タイミングに際して、当該気筒1に付随する点火コイル14への通電を開始する時点を早め、点火コイル14への通電時間を長くする。
点火コイル14への通電時間を延長し、点火プラグ12による火花放電の電圧を大きく、火花放電の時間を長くする補正制御は、タイムラグなく実行することが可能である。この補正制御により、気筒1における混合気の燃焼状態を即時的に改善することができる。当該気筒1におけるノッキングが沈静化した後は、点火コイル14への通電時間を平常の長さまで短縮することは言うまでもない。つまり、平時は点火コイル14に通電する一次電流を小さくしてエネルギの浪費を抑制し、必要なときだけ一次電流を大きくして混合気への着火性を増強するのである。
<ノッキングを引き起こしやすい運転領域にある場合>ノッキングは、内燃機関の運転領域[エンジン回転数,要求負荷(または、吸気圧、吸気量、アクセル開度)]が高回転かつ高負荷であるときや、内燃機関の温度が顕著に高いとき等に起こりやすい。故に、現在の運転領域等から、ノッキングを引き起こす危険を予知することができる。
ECU0は、例えば、現在のエンジン回転数がある閾値を上回り、かつ現在の要求負荷(または、吸気圧、吸気量、アクセル開度)がある閾値を上回る場合に、次に膨張行程が訪れる気筒1の点火タイミングに際して、当該気筒1に付随する点火コイル14への通電を開始する時点を早め、点火コイル14への通電時間を長くする。内燃機関の冷却水温が閾値よりも高いことや、吸気温が閾値よりも高いことを、点火コイル14への通電時間を長くするための条件に加えてもよい。
気筒1においてノッキングが発生するおそれがあると判断された場合の補正制御において、点火コイル14の一次側コイルに通電する時間の長さ(換言すれば、一次側コイルへの通電を開始する時点t0’)は、エンジン回転数が高いほど、要求負荷が高いほど、内燃機関の冷却水温が高いほど、及び/または、吸気温が高いほど、長くする(換言すれば、一次側コイルへの通電を開始する時点t0’を早める)ことが好ましい。
ステップS4、及び後述するステップS6は、従前のノックコントロールシステムと同様の処置である。ステップS4にて増加し、ステップS6にて減少する点火タイミングの遅角補正量は、ベース点火タイミングからの遅角量である。ベース点火タイミングは、予め適合により(実験的に)定められており、内燃機関の運転領域に応じて異なる。
運転領域如何によっては、点火タイミングをMBT(Minimum advance for Best Torque)点とすると、ノッキングが頻発して内燃機関にダメージを与える懸念がある。故に、ノッキングを引き起こす蓋然性の高い運転領域においては、ベース点火タイミングをMBT点からある程度遅角したタイミングに設定する。ノッキングを引き起こすおそれの乏しい運転領域においては、ベース点火タイミングをMBT点近傍に設定することが許される。また、ベース点火タイミングは、気筒1毎に異なることがある。
なお、ステップS4において、点火タイミングの遅角補正とともに、または点火タイミングの遅角補正に代えて、当該気筒1の火花点火の際に点火コイル14に通電する時間をより延長するものとしてもよい。
一方、ステップS1において、当該気筒1でノッキングが発生しておらず、またはノッキングが発生するおそれが乏しいと判断された場合には、火花点火前の点火コイル14への通電時間を平常通りの長さとする、即ち通電時間の補正制御を行わない。但し、現在通電時間の補正制御を実行中であるならば(ステップS5)、当該気筒1のベース点火タイミングに加味している遅角補正量を減少させ、当該気筒1の点火タイミングを進角化する(ステップS6)。
しかして、ステップS6により、遅角補正量が0となって当該気筒1の点火タイミングがベース点火タイミングに復帰したのであれば(ステップS7)、当該気筒1の火花点火前の点火コイル14への通電時間を延長する補正制御を終了する(ステップS8)。当該気筒1の点火コイル14への通電時間は、平常通りの長さに戻る。
ノッキングの発生の有無の判定、点火コイル14への通電時間の調整及び点火タイミングの調整は、気筒1毎に個別に行うことができる。
本実施形態によれば、点火コイル14に通電後その通電を遮断することで点火コイル14に発生する誘導電圧を点火プラグ12の電極に印加し、点火プラグ12における火花放電を惹起するものであって、気筒1においてノッキングが発生するとき、通電の遮断直前に点火コイル14に通電する電流の大きさを平時よりも増大させる補正制御を行うことを特徴とする火花点火式内燃機関の制御装置0を構成したため、ノッキングの発生を好適に抑止することができる。
点火コイル14への通電時間を長くして一次電流を大きくすることは、電気エネルギをより多く消費することを意味する。火花点火のために点火コイル14に投入される電力は発電機により発電され、この発電機は内燃機関のクランクシャフトからエンジントルクの供給を受ける。つまり、電気エネルギの消費の増大は、燃料消費の増大につながる。しかしながら、徒に点火タイミングを遅角化せずともノッキングを抑制できるようになることから、内燃機関の熱機械変換効率は寧ろ向上し、同じエンジントルクを得るために必要となる燃料の消費量が少なくなる。結果、全体として燃費性能が良化する。特に、ノッキングの起こりやすい高回転高負荷の運転領域では、発電機による発電量も自然に多くなるので、その発電電力を効果的にノッキングの抑止に利用することができる。
本実施形態における点火コイル14は、混合気への火花点火のために必要となる電気エネルギ(例えば、30mJ)よりもずっと大きな電気エネルギ(例えば、100mJ)を蓄積することができ、また、そのような大きな電気エネルギを投入したとしても発熱による損傷を生じないような高い耐熱性を有するものである。にもかかわらず、平時は火花点火に最低限必要な程度の電気エネルギ(30mJ)のみを点火コイル14に印加し、ノッキングの危険がある状況においてのみ点火コイル14に印加する電気エネルギを(100mJまで)甚大化させる。
従来の点火コイルでは、専ら30mJ程度の電気エネルギを印加して火花放電電圧を発生させることを想定しており、その耐熱限界も30mJ程度のエネルギなら十分に耐えられるという程度に過ぎない。であるから、従来の点火コイルに100mJ程の大きなエネルギを印加すると、過加熱して損傷する懸念がある。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。例えば、気筒1においてノッキングが発生したことを感知した場合、ノッキングの発生が感知されなくなるまで点火タイミングを遅角補正するとともに、そのときの内燃機関の運転領域及び点火タイミングの遅角補正量を対応付けて記憶(学習)し、以後に同様の運転領域に遷移したときに、先に記憶(学習)した当該運転領域に対応する点火タイミングの遅角補正量の多寡に応じて、通電の遮断直前に点火コイル14に通電する電流の大きさを平時よりも増大させる補正制御を行うようにしてもよい。
より具体的な点火制御の手順例を、図7に示す。内燃機関の制御装置たるECU0は、基本的には従前のノックコントロールシステムと同様、気筒1においてノッキングが発生したことを感知した場合には(ステップS13)、ノッキングの発生が感知されなくなるまで当該気筒1における点火タイミングを遅角する(ステップS14、S15)。そして、ノッキングの発生が感知されなくなったときの点火タイミングの遅角補正量を、そのときの内燃機関の運転領域[エンジン回転数,要求負荷(または、吸気圧、吸気量、アクセル開度)]、冷却水温及び吸気温等と関連付けてメモリに(学習値として)記憶する(ステップS16)。
しかる後、内燃機関の運転領域が遷移した暁には、その内燃機関の運転領域、冷却水温及び吸気温等をキーとしてメモリを検索し、当該運転領域、冷却水及び吸気温に関連付けて記憶されている(即ち、過去に学習した)点火タイミングの遅角補正量(の学習値)を読み出して、火花点火の際に点火コイル14の一次側コイルに通電する時間の長さ(換言すれば、一次側コイルへの通電を開始する時点t0’)を決定する(ステップS11)。ステップS11において、点火コイル14への通電時間は、メモリから読み出した点火タイミングの遅角補正量(の学習値)が多いほど長くする(換言すれば、一次側コイルへの通電を開始する時点t0’を早める)。そして、決定した通電時間分、火花点火前に点火コイル14に一次電流を通電する補正制御を実行する(ステップS12)。これにより、点火タイミングを徒に遅角補正することなく、ノッキングの発生を抑止することが可能となる。
ステップS12の補正制御は、ノッキングの発生するおそれが比較的大きい運転領域でのみ実行することが望ましい。ノッキングがほぼ起こらない低負荷領域では、点火コイル14への一次電流の通電時間を長くしても電力を浪費するだけだからである。
気筒1におけるノッキングの発生の有無を判定する手法は、上記実施形態のようなイオン電流信号hを参照するものには限定されない。例えば、複数の気筒1を包有する内燃機関のシリンダブロックに設けられている振動式のノックセンサを介してシリンダブロックの振動を検出し、その振動に基づいてノッキングの発生を感知するノック判定方法が公知である。
その他各部の具体的構成は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
12…点火プラグ
13…イグナイタ
14…点火コイル
32…スロットルバルブ
h…イオン電流信号
i…点火信号

Claims (2)

  1. 点火コイルに通電後その通電を遮断することで点火コイルに発生する誘導電圧を点火プラグの電極に印加し、点火プラグにおける火花放電を惹起するものであって、
    気筒においてノッキングが発生するとき、通電の遮断直前に点火コイルに通電する電流の大きさを平時よりも増大させる補正制御を行うこととし、
    前記補正制御を実行している際に、気筒においてノッキングが発生したことを感知した場合、ノッキングの発生が感知されなくなるまで点火タイミングを遅角補正する火花点火式内燃機関の制御装置。
  2. 点火コイルに通電後その通電を遮断することで点火コイルに発生する誘導電圧を点火プラグの電極に印加し、点火プラグにおける火花放電を惹起するものであって、
    気筒においてノッキングが発生したことを感知した場合、ノッキングの発生が感知されなくなるまで点火タイミングを遅角補正するとともに、そのときの内燃機関の運転領域及び点火タイミングの遅角補正量を対応付けて記憶し、
    以後に同様の運転領域に遷移したときに、先に記憶した当該運転領域に対応する点火タイミングの遅角補正量の多寡に応じて、通電の遮断直前に点火コイルに通電する電流の大きさを平時よりも増大させる補正制御を行う火花点火式内燃機関の制御装置。
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