JP2014070511A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の各気筒の点火時期を最適化して燃費のより一層の向上を図る。
【解決手段】気筒においてノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域では、予めMBT点近傍に設定されているベース点火時期に気筒毎に異なるオフセット量を加味して各気筒内の混合気への点火時期を決定する一方、気筒においてノッキングを起こすおそれのある運転領域では、各気筒でノッキングが起こったか否かを判定して点火時期を遅角/遅角補正することで、各気筒内の混合気への点火時期を決定する。その上で、前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量を、後者の運転領域において決定された各気筒毎の点火時期の相対的な差に基づいて定めるとともに、前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、エンジン回転数が高いほど、また機関の負荷が高いほど大きくする。
【選択図】図12

Description

本発明は、内燃機関の気筒における混合気への点火時期を制御する制御装置に関する。
気筒におけるノッキングの発生を感知し、ノッキングが起こらなくなるまで点火時期を遅角させるとともに、ノッキングが起こらない限りにおいて点火時期を進角させるノックコントロールシステムが公知である(例えば、下記特許文献を参照)。
特開2000−073847号公報
内燃機関の回転数及び負荷によっては、点火時期をMBT(Minimum advance for Best Torque)点に設定してもノッキングが起こらない。そのような運転領域では、点火時期を徒にMBT点から遅角または進角しても意味はなく、却って機関の出力トルクを低下させてしまうことにもなるので、予めMBT点近傍に定められたベース点火時期のタイミングで混合気に点火する。
従来、ベース点火時期は、内燃機関の全ての気筒について同一としている。しかしながら、吸気の分配や混合気の燃焼の状態その他の条件は、気筒間で差がある。いわば、各気筒毎にくせがある。故に、全ての気筒のMBT点が完全に一致しているとは限らない。しかも、MBT点は、内燃機関の経年変化の影響をも受ける。
にもかかわらず、全気筒で共通の単一のベース点火時期を用いているために、何れかの気筒で点火時期が真のMBT点からずれており、熱機械変換効率が低下しているということがあり得た。
本発明は、上述の問題に初めて着目してなされたものであり、内燃機関の各気筒の点火時期を最適化して燃費のより一層の向上を図ることを主たる目的としている。
本発明では、気筒においてノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域では、予めMBT点近傍に設定されているベース点火時期に気筒毎に異なるオフセット量を加味して各気筒内の混合気への点火時期を決定する一方、気筒においてノッキングを起こすおそれのある運転領域では、各気筒でノッキングが起こったか否かを判定し、ノッキングを起こした気筒については点火時期を徐々に遅角補正し、ノッキングを起こさなかった気筒については点火時期を徐々に進角補正することで、各気筒内の混合気への点火時期を決定するものであって、前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量を、後者の運転領域において決定された各気筒毎の点火時期の相対的な差に基づいて定めるとともに、前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、エンジン回転数が高いほど、また機関の負荷が高いほど大きくする内燃機関の制御装置を構成した。
ノッキングを起こすおそれのある運転領域にて、各気筒毎に調整された点火時期は、各気筒毎の燃焼状態その他の条件の差を表していると考えられる。即ち、他の気筒と比較してノッキングを起こしにくい気筒は、MBT点が他の気筒よりも進角したタイミングにあり、他の気筒と比較してノッキングを起こしやすい気筒は、MBT点が他の気筒よりも遅角したタイミングにある、と予想される。これに鑑み、本発明では、ノッキングの有無の判定による各気筒の点火時期の遅角補正量(または、進角補正量)を基に、各気筒毎のベース点火時期のオフセット量を調整し、以て各気筒のベース点火時期を各気筒の真のMBT点により近づけるようにした。
加えて、気筒においてノッキングを起こすおそれのある運転領域では、予めノッキングを起こさない限界近傍に設定されているベース点火時期に気筒毎に異なるオフセット量を加味した上、さらに前記進角補正または前記遅角補正を加えて各気筒内の混合気への点火時期を決定することが好ましい。さすれば、ノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域からノッキングを起こすおそれのある運転領域に遷移した際に、ノッキングの有無の判定による点火時期の遅角補正(または、進角補正)を待つことなく、速やかに各気筒の点火時期をノッキングを起こさず効率の高いタイミングに最適化することができる。
その上で、ノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域からノッキングを起こすおそれのある運転領域へと遷移する際、あるいは逆にノッキングを起こすおそれのある運転領域からノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域へと遷移する際に、点火時期がステップ的に急変することを抑制するためには、前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、後者の運転領域に近づくほど減衰させ、なおかつ、後者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、前者の運転領域に近づくほど減衰させることが好適である。
本発明によれば、内燃機関の各気筒の点火時期を最適化して燃費のより一層の向上を図ることができる。
本発明の一実施形態における内燃機関の概略構成を示す図。 同実施形態における火花点火装置の回路図。 内燃機関の気筒における燃焼圧及びイオン電流のそれぞれの推移を示す図。 内燃機関の気筒においてノッキングが発生した場合に検出されるイオン電流信号を例示する図。 エンジン回転数及び点火時期とノッキングが起こる可能性との関係を例示する図。 各気筒毎のノック判定の結果に応じた点火時期の遅角補正量を例示する図。 各気筒毎の点火時期の遅角補正量に基づき決定されるベース点火時期のオフセット量を例示する図。 エンジン回転数及び負荷とベース点火時期のオフセット量との関係を例示する図。 各気筒毎のノック判定の結果に応じた点火時期の遅角補正量を例示する図。 各気筒毎の点火時期の遅角補正量に基づき決定されるベース点火時期のオフセット量を例示する図。 本実施形態の制御装置によるオフセット量を加味したベース点火時期を例示する図。 本実施形態の制御装置によるオフセット量を加味したベース点火時期を例示する図。
本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。図1に、本実施形態における車両用内燃機関の概要を示す。
本実施形態における内燃機関は、火花点火式ガソリンエンジンであり、複数の気筒1(図1には、そのうち一つを図示している)を具備している。各気筒1の吸気ポート近傍には、燃料を噴射するインジェクタ11を設けている。また、各気筒1の燃焼室の天井部に、点火プラグ12を取り付けてある。点火プラグ12は、点火コイルにて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイルは、半導体スイッチング素子であるイグナイタとともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
図2に、火花点火用の電気回路を示している。点火プラグ12は、点火コイル14にて発生した誘導電圧の印加を受けて、中心電極と接地電極との間で火花放電を惹起するものである。点火コイル14は、半導体スイッチング素子であるイグナイタ13とともに、コイルケースに一体的に内蔵される。
内燃機関の制御装置たるECU(Electronic Control Unit)0からの点火信号iをイグナイタ13が受けると、まずイグナイタ13が点弧して点火コイル14の一次側に電流が流れ、その直後の点火のタイミングでイグナイタ13が消弧してこの電流が遮断される。すると、自己誘導作用が起こり、一次側に高電圧が発生する。そして、一次側と二次側とは磁気回路及び磁束を共有するので、二次側にさらに高い誘導電圧が発生する。この高い誘導電圧が点火プラグ12の中心電極に印加され、中心電極と接地電極との間で火花放電する。
ECU0は、燃料の爆発燃焼の際に気筒1の燃焼室内に発生するイオン電流を検出し、このイオン電流を参照して、燃焼状態の判定を行う。
図2に示すように、本実施形態では、火花点火用の電気回路に、イオン電流を検出するための回路を付加している。この検出回路は、イオン電流を効果的に検出するためのバイアス電源部15と、イオン電流の多寡に応じた検出電圧を増幅して出力する増幅部16とを備える。バイアス電源部15は、バイアス電圧を蓄えるキャパシタ151と、キャパシタ151の電圧を所定電圧まで高めるためのツェナーダイオード152と、電流阻止用のダイオード153、154と、イオン電流に応じた電圧を出力する負荷抵抗155とを含む。増幅部16は、オペアンプに代表される電圧増幅器161を含む。
点火プラグ12の中心電極と接地電極との間のアーク放電時にはキャパシタ151が充電され、その後キャパシタ151に充電されたバイアス電圧により負荷抵抗155にイオン電流が流れる。イオン電流が流れることで生じる抵抗155の両端間の電圧は、増幅部16により増幅されてイオン電流信号hとしてECU0に受信される。
図3に、正常燃焼における、イオン電流(図中実線で示す)及び気筒1内の燃焼圧力(筒内圧。図中破線で示す)のそれぞれの推移を例示している。イオン電流は、点火のための放電中は検出することができない。正常燃焼の場合のイオン電流は、火花点火の終了後、化学反応により、圧縮上死点の手前で減少した後、熱解離によって再び増加する。また、燃焼圧がピークを迎えるのとほぼ同時にイオン電流も極大となる。
吸気を供給するための吸気通路3は、外部から空気を取り入れて各気筒1の吸気ポートへと導く。吸気通路3上には、エアクリーナ31、電子スロットルバルブ32、サージタンク33、吸気マニホルド34を、上流からこの順序に配置している。
排気を排出するための排気通路4は、気筒1内で燃料を燃焼させた結果発生した排気を各気筒1の排気ポートから外部へと導く。この排気通路4上には、排気マニホルド42及び排気浄化用の三元触媒41を配置している。
内燃機関の運転制御を司るECU0は、プロセッサ、メモリ、入力インタフェース、出力インタフェース等を有したマイクロコンピュータシステムである。
入力インタフェースには、車両の実車速を検出する車速センサから出力される車速信号a、クランクシャフトの回転角度及びエンジン回転数を検出するエンジン回転センサから出力されるクランク角信号b、アクセルペダルの踏込量またはスロットルバルブ32の開度をアクセル開度(いわば、要求負荷)として検出するセンサから出力されるアクセル開度信号c、吸気通路3(特に、サージタンク33)内の吸気圧を検出する圧力センサから出力される吸気圧信号d、吸気通路3内の吸気温を検出する温度センサから出力される吸気温信号e、機関の冷却水温を検出する水温センサから出力される冷却水温信号f、吸気カムシャフトまたは排気カムシャフトの複数のカム角にてカム角センサから出力されるカム角信号g、燃焼室内での混合気の燃焼に伴って生じるイオン電流を検出する回路から出力されるイオン電流信号h等が入力される。
出力インタフェースからは、点火プラグ12のイグナイタに対して点火信号i、インジェクタ11に対して燃料噴射信号j、スロットルバルブ32に対して開度操作信号k等を出力する。
ECU0のプロセッサは、予めメモリに格納されているプログラムを解釈、実行し、運転パラメータを演算して内燃機関の運転を制御する。ECU0は、内燃機関の運転制御に必要な各種情報a、b、c、d、e、f、g、hを入力インタフェースを介して取得し、エンジン回転数を知得するとともに気筒1に充填される吸気量を推算する。そして、それらエンジン回転数及び吸気量等に基づき、要求される燃料噴射量、燃料噴射時期(一度の燃焼に対する燃料噴射の回数を含む)、燃料噴射圧、点火時期といった各種運転パラメータを決定する。ECU0は、運転パラメータに対応した各種制御信号i、j、kを出力インタフェースを介して印加する。
本実施形態において、ECU0は、イオン電流を検出するための回路を介して取得されるイオン電流信号hを参照し、気筒1におけるノッキングの有無を判定する。
イオン電流信号hを参照したノック判定に関して述べる。図4に、気筒1での膨張行程中にノッキングが起こったときの、イオン電流の推移を例示する。ノッキングが起こる際、気筒1の燃焼室内では燃焼速度の速い、激しい燃焼が生じている。それ故、図3に示した正常燃焼の場合と比較して、イオン電流が早期にピークを迎え、その後速やかに減衰する。そして、イオン電流信号hのピーク後の波形に、ノッキングに起因して発生する振動Sが重畳される。
イオン電流信号hには、ノイズが混入することがある。ノイズの典型は、各種補機の稼働/非稼働を切り替えるために操作されるリレースイッチのON/OFF時に、イオン電流検出用回路に誘起されるスパイクノイズNである。
ノッキングの有無を判定するにあたり、ECU0は、点火後の燃焼期間に点火プラグ12の電極を流れるイオン電流を、イオン電流検出用の回路を介してサンプリングする。さらに、サンプリングしたイオン電流信号hを、ノッキングに起因して発生する信号Sが持つ周波数成分を通過させるバンドパスフィルタに入力し、当該信号Sの成分を抽出する。フィルタは、ノッキングに起因した信号S以外の成分を低減させるためのフィルタであって、例えば7kHzないし11.5kHzの周波数成分を通過させる。
しかして、フィルタ処理した信号hを時間積分、即ちサンプリング値の時系列を積算し、得られた積分値を所定のノック判定値と比較する。積分値がノック判定値を上回ったならは、当該気筒1にてノッキングが起こったものと判定する。逆に、積分値がノック判定値以下であるならば、当該気筒1にてノッキングは起こらなかったものと判定する。ノック判定値は、ECU0のメモリに記憶保持している。
イオン電流検出回路は、各気筒1に装着されている各点火プラグ12に流れるイオン電流をそれぞれ検出可能である。つまり、気筒1毎に個別にイオン電流信号hを取得することができ、気筒1毎に個別にノッキングの有無の判定を行うことができる。
ECU0は、ノッキングの有無の判定の結果、気筒1にてノッキングが起こっているのであれば、当該気筒1における次回以降の点火の時期を、ノッキングが起こらなくなるまで遅角化してゆく。ノッキングが起こっていないのであれば、当該気筒1における次回以降の点火の時期を、ノッキングが起こる直前まで進角化し、出力トルクを増大させて燃費の向上を追求する。
尤も、上に述べたノック判定、及びノック判定の結果に応じた点火時期の遅角/進角補正は、全ての運転領域[エンジン回転数,負荷]において必要とされるわけではない(ここで、機関の負荷は、アクセル開度、燃料噴射量、気筒1に充填される吸気量、またはサージタンク33内圧力によって示唆される)。
図5に、エンジン回転数及び点火時期と、ノッキングが起こるおそれとの関係を示す。なお、図5は、スロットルバルブ32の開度が全開に近い、即ち機関の負荷が最大に近い場合を示している。
図5中、実線は、気筒1においてノッキングが起こるか否かの境界を表す。実線よりも上方の領域では、ノッキングが起こる可能性が高い。実線よりも下方の領域では、ノッキングが起こる可能性が低いか、またはノッキングが起こらない。このノック限界は、エンジン回転数が低いほど進角化し、エンジン回転数が高いほど遅角化する、右肩下がりの傾向を有する。
破線は、MBTに相当する点火時期である。MBT点の点火時期もまた、エンジン回転数が低いほど進角化し、エンジン回転数が高いほど遅角化する、右肩下がりの傾向を有する。破線の傾きは、実線の傾きよりも大きい。図5に示しているように、機関に対する要求負荷が高い場合には、これら破線と実線とがあるエンジン回転数の値R0において交わる。
エンジン回転数がR0よりも高い領域では、破線が実線よりも下にあるので、MBT点で混合気に点火してもノッキングは起こらない。よって、原則として、点火時期を出力及び燃費上有利なMBT点の近傍に設定する。エンジン回転数がR0よりも高いこの領域が、気筒1においてノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域に該当する。以降、この領域をMBT領域と呼称する。
他方、エンジン回転数がR0よりも低い領域では、破線が実線よりも上にあるので、MBT点で混合気に点火するとノッキングを引き起こす。ノッキングの回避のためには、点火時期をMBT点よりも遅角させる補正を行うことが求められる。エンジン回転数がR0よりも低いこの領域が、気筒1においてノッキングを起こすおそれのある運転領域に該当する。以降、この領域をノック領域と呼称する。
図5中の太い鎖線が、ベース点火時期である。ベース点火時期は、MBT領域ではMBT点の近傍、ノック領域ではノッキングを起こさない限界の近傍にある。MBT領域のベース点火時期と、ノック領域のベース点火時期とは、実線と破線との交点の所在するエンジン回転数R0の近傍において連続している。
なお、吸気量及び燃料噴射量の少ない低負荷の運転領域では、実用的なエンジン回転数の範囲内で実線が破線を上回ることがない。換言すれば、実用的なエンジン回転数の範囲の全てがMBT領域となる。
ベース点火時期は、運転領域即ちエンジン回転数及び負荷に応じて変動するが、内燃機関の全ての気筒1で共通である。ECU0は、ベース点火時期を、運転領域[エンジン回転数,負荷]に関連付けてメモリに記憶保持している。そして、ECU0は、現在の運転領域に対応したベース点火時期をメモリから読み出し、これを用いて混合気への点火時期を決定する。
しかし、吸気の分配や混合気の燃焼の状態その他の条件は、気筒1間で差がある。よって、全ての気筒1のMBT点が完全に一致しているとは限らないし、ノッキングの起こりやすさも全ての気筒1で均等ではない。加えて、MBT点やノッキングの起こりやすさは、内燃機関の経年変化の影響を受ける。
にもかかわらず、全気筒で共通の単一のベース点火時期を用いることとすると、MBT領域では、何れかの気筒1で点火時期が真のMBT点からずれて、熱機械変換効率が低下することがあり得る。また、ノック領域では、何れかの気筒1で点火時期がノック限界を大きく上回り、強度のノッキングを引き起こしたり、ノッキングの有無の判定による点火時期の遅角補正量が十分に大きくなるまでの間ノッキングが連発したりすることがあり得る。
そこで、本実施形態では、各気筒1の点火時期を最適化するべく、ノック領域における各気筒1の点火時期の遅角補正量または進角補正量に基づいて、ベース点火時期に加味する各気筒1毎のオフセット量を決定することとしている。
図6は、ノック領域において、各気筒1毎にベース点火時期に加味される補正量を模式的に例示したものである。既に述べた通り、ECU0は、イオン電流信号hを参照して各気筒1におけるノッキングの有無を判定し、ノッキングを起こしていない気筒1についてはノッキングが起こる直前まで点火時期を進角補正し、ノッキングを起こした気筒1についてはノッキングが起こらなくなるまで点火時期を遅角補正する。つまり、各気筒1の点火時期は、ECU0のメモリに格納されているベース点火時期に、気筒1毎に相異なる遅角補正量または進角補正量を加味したものとなる。ベース点火時期が全気筒1で共通であっても、実際に混合気に点火する時期には気筒1間で差が生じる。
本実施形態のECU0は、ノック領域において調整された各気筒1毎の点火時期の遅角補正量または進角補正量の相対的な差に基づいて、各気筒1毎のオフセット量を決定する。
具体的には、ノック領域おける各気筒1の点火時期の補正量について、基準となる補正量からの乖離の大きさ即ち差分を演算する。基準となる補正量は、適宜に定める。基準は、全ての気筒1の補正量の平均であってもよく、点火時期が最も進角している気筒1の補正量であってもよく、点火時期が最も遅角している気筒1の補正量(または、全ての気筒1においてノッキングが起こらないような補正量)であってもよい。あるいは、0(点火時期を遅角補正も進角補正もしていない)を基準としてもよい。
その上で、これらの差分の絶対値の比率及び正負に応じて、各気筒1についてのオフセット量を演算する。
ノック領域にて各気筒1毎に調整された点火時期の補正量は、各気筒1毎の燃焼状態その他の条件の差を表していると考えられる。他の気筒1と比較してノッキングを起こしにくい気筒1は、MBT点が他の気筒1よりも進角したタイミングにあると予想される。翻って、他の気筒1と比較してノッキングを起こしやすい気筒1は、MBT点が他の気筒1よりも遅角したタイミングにあると予想される。
従って、MBT領域においてベース点火時期に加味するオフセット量は、ノック領域における遅角補正量がより小さい(または、進角補正量がより大きい)ほど、進角方向により大きく(または、遅角方向により小さく)する。並びに、ノック領域における遅角補正量がより大きい(または、進角補正量がより小さい)ほど、進角方向により小さく(または、遅角方向により大きく)する。
図6に示す例に則して述べると、基準は各気筒1の点火時期の補正量の平均であり、第一気筒1の点火時期の補正量と基準との差分はα、第二気筒1の点火時期の補正量と基準との差分は−β、第三気筒1の点火時期の補正量と基準との差分はγである。これらに基づき、MBT領域でのオフセット量を決定する。
即ち、図7に示すように、第一気筒1についてのオフセット量と、第二気筒1についてのオフセット量と、第三気筒1についてのオフセット量との比率が、α:−β:γの関係を満たすように、各オフセット量を決定する。MBT領域において、第一気筒1についてのベース点火時期は、進角方向にsαだけオフセットする。第二気筒1についてのベース点火時期は、進角方向に−sβだけオフセットする、即ち遅角方向にsβだけオフセットする。第三気筒1についてのベース点火時期は、進角方向にsγだけオフセットする。ベース点火時期は気筒1間で共通であるにもかかわらず、MBT領域における実際の点火時期は(ベース点火時期+気筒1毎に個別のオフセット量+必要であればその他の補正量)となり、気筒1毎に相異なる。
さらに、ベース点火時期に加味するオフセット量は、現在の運転領域に応じて可変とすることが望ましい。図8に例示するように、MBT領域における各気筒1毎のオフセット量の絶対値は、エンジン回転数が高いほど大きくし、また機関の負荷が高いほど大きくする。いわば、上記のオフセット量sα、−sβ、sγのsを、エンジン回転数及び負荷に応じて変える。重み付けとなるこのsは、エンジン回転数または負荷に比例して増大してもよいし、エンジン回転数または負荷に比例せず非線形的に増大してもよい。
ノック領域においてベース点火時期に加味するオフセット量も、同様である。ノック領域でのオフセット量は、ノック領域における遅角補正量がより小さい(または、進角補正量がより大きい)ほど、遅角方向により小さく(または、進角方向により大きく)する。並びに、ノック領域における遅角補正量がより大きい(または、進角補正量がより小さい)ほど、遅角方向により大きく(または、進角方向により小さく)する。
図9に示す例に則して述べると、基準は各気筒1の点火時期の遅角補正量のうち最も小さなものであり、第一気筒1の点火時期の補正量と基準との差分は−δ、第二気筒1の点火時期の補正量と基準との差分は−ε、第三気筒1の点火時期の補正量と基準との差分は0である。これらに基づき、ノック領域でのオフセット量を決定する。
即ち、図10に示すように、第一気筒1についてのオフセット量と、第二気筒1についてのオフセット量と、第三気筒1についてのオフセット量との比率が、−δ:−ε:0の関係を満たすように、各オフセット量を決定する。ノック領域において、第一気筒1についてのベース点火時期は、遅角方向にtδだけオフセットする。第二気筒1についてのベース点火時期は、遅角方向にtεだけオフセットする。第三気筒1についてのベース点火時期は、オフセットしない。ベース点火時期は気筒1間で共通であるにもかかわらず、ノック領域における実際の点火時期は(ベース点火時期+気筒1毎に個別のオフセット量+各気筒1についてのノック判定による補正量+必要であればその他の補正量)となり、気筒1毎に相異なる。
さらに、ベース点火時期に加味するオフセット量を、現在の運転領域に応じて可変としてもよい。その場合、ノック領域における各気筒1毎のオフセット量の絶対値を、エンジン回転数が高いほど大きくし、また機関の負荷が高いほど大きくする。いわば、上記のオフセット量tδ、tεのtを、エンジン回転数及び負荷に応じて変える。重み付けとなるこのtは、エンジン回転数または負荷に比例して増大してもよいし、エンジン回転数または負荷に比例せず非線形的に増大してもよい。
ベース点火時期にオフセット量を加味すると、図11に太い破線で示すように、MBT領域におけるベース点火時期と、ノック領域におけるベース点火時期とが、両領域の境界となるエンジン回転数R0において連続しなくなる。その結果、MBT領域からノック領域へと遷移する際、あるいは逆にノック領域からMBT領域へと遷移する際に、点火時期がステップ的に急変して、機関の出力トルクが急変するショックを招来する。
このようなトルクショックを抑制するためには、図12に示すように、両領域の境界となるエンジン回転数R0を含む一定の回転数の範囲(R1からR2までの範囲)にて、境界のエンジン回転数R0に近づくほど、ベース点火時期に加味するオフセット量の絶対値を減衰させてゆくことが考えられる。オフセット量は、境界のエンジン回転数R0では0にする。このようなオフセット量の減衰により、図12に太い破線で示しているように、MBT領域におけるベース点火時期と、ノック領域におけるベース点火時期とが連続するようになり、点火時期がステップ的に急変することが回避される。
因みに、境界のエンジン回転数R0は、気筒1の燃焼室内にスラッジが存在する場合にはより回転数の高い方へ偏倚する。これは、スラッジによりノッキングが誘発されやすくなり、図5、図11及び図12に破線にて示しているノック限界が図中下方に変位することによる。
本実施形態では、気筒1においてノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域(MBT運転領域)では、予めMBT点近傍に設定されているベース点火時期に気筒1毎に異なるオフセット量を加味して各気筒1内の混合気への点火時期を決定する一方、気筒1においてノッキングを起こすおそれのある運転領域(ノック領域)では、各気筒1でノッキングが起こったか否かを判定し、ノッキングを起こした気筒1については点火時期を徐々に遅角補正し、ノッキングを起こさなかった気筒1については点火時期を徐々に進角補正することで、各気筒1内の混合気への点火時期を決定するものであって、前者の運転領域における各気筒1毎のオフセット量を、後者の運転領域において決定された各気筒1毎の点火時期の相対的な差に基づいて定めるとともに、前者の運転領域における各気筒1毎のオフセット量の絶対値を、エンジン回転数が高いほど、また機関の負荷が高いほど大きくする内燃機関の制御装置0を構成した。
本実施形態によれば、ノッキングの有無の判定による各気筒1の点火時期の遅角補正量(または、進角補正量)を基に、各気筒1毎のベース点火時期のオフセット量を調整し、以て各気筒1のベース点火時期を各気筒1の真のMBT点により近づけることが可能となる。ひいては、各気筒1の点火時期が最適化し、燃費の向上に奏効する。
加えて、気筒1においてノッキングを起こすおそれのある運転領域では、予めノッキングを起こさない限界近傍に設定されているベース点火時期に気筒1毎に異なるオフセット量を加味した上、さらに前記進角補正または前記遅角補正を加えて各気筒1内の混合気への点火時期を決定するようにしており、ノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域からノッキングを起こすおそれのある運転領域に遷移した際に、ノッキングの有無の判定による点火時期の遅角補正(または、進角補正)を待つことなく、速やかに各気筒1の点火時期をノッキングを起こさず効率の高いタイミングに調整することができる。
その上で、前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、後者の運転領域に近づくほど減衰させ、なおかつ、後者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、前者の運転領域に近づくほど減衰させるようにしており、前者の運転領域から後者の運転領域へと遷移する際、あるいは逆に後者の運転領域から前者の運転領域へと遷移する際に、点火時期がステップ的に急変することを抑制してトルクショックを回避できる。
なお、本発明は以上に詳述した実施形態に限られるものではない。特に、気筒1においてノッキングを起こすおそれのあるノック領域におけるベース点火時期のオフセット量は、ノッキングの有無の判定による各気筒1の点火時期の遅角補正量(または、進角補正量)の学習値であることがある。一般に、ノックコントロールシステムでは、点火時期の補正の結果ノッキングが起こらなくなった時点での点火時期の補正量を、そのときの運転領域を示すパラメータ[エンジン回転数,負荷]に関連付けて、学習値としてメモリに記憶保持している。この学習値は、後に再び同じ運転領域に遷移したときにメモリから読み出され、点火時期の決定に用いられる。即ち、再び同じ運転領域に遷移した当初の気筒1の点火時期は、(ベース点火時期+補正量の学習値)ということになる。
オフセット量となる補正量の学習値もまた、各気筒1毎に個別のものである。ノック領域におけるこのオフセット量の絶対値を、MBTに近づくほど減衰させ、ノック領域とMBT領域との境界のエンジン回転数R0にて0にする点は、上記実施形態と同じである。
また、各気筒1におけるノッキングの有無を判定する手法は、イオン電流信号hを参照したものには限定されない。例えば、各気筒1毎の筒内圧を検出する圧力センサが実装された内燃機関にあっては、イオン電流信号hに代えて、筒内圧センサを介して計測される筒内圧の推移(特に、膨張行程における筒内圧の極大値やその極大値の出現する時期)を参照してノック判定を実行することができる。あるいは、気筒1の筒内温度(燃焼温度)を検出する筒内温度センサが実装された内燃機関にあっては、イオン電流信号hに代えて、筒内温度センサを介して計測される筒内温度の推移(特に、膨張行程における筒内温度の極大値やその極大値の出現する時期)を参照してノック判定を実行することができる。
複数の気筒1を包有するシリンダブロックに取り付けられ、各気筒1の膨張行程中の燃焼やノッキングに起因して発生するシリンダブロックの信号を検出する振動式のノックセンサが実装された内燃機関にあっては、そのノックセンサが出力する振動の信号を参照してノック判定を実行することができる。
その他、各部の具体的構成や処理の手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
本発明は、車両等に搭載される内燃機関の制御に適用することができる。
0…制御装置(ECU)
1…気筒
12…点火プラグ
d…振動信号
h…イオン電流信号

Claims (2)

  1. 気筒においてノッキングを起こすおそれの乏しい運転領域では、予めMBT点近傍に設定されているベース点火時期に気筒毎に異なるオフセット量を加味して各気筒内の混合気への点火時期を決定する一方、
    気筒においてノッキングを起こすおそれのある運転領域では、各気筒でノッキングが起こったか否かを判定し、ノッキングを起こした気筒については点火時期を徐々に遅角補正し、ノッキングを起こさなかった気筒については点火時期を徐々に進角補正することで、各気筒内の混合気への点火時期を決定するものであって、
    前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量を、後者の運転領域において決定された各気筒毎の点火時期の相対的な差に基づいて定めるとともに、
    前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、エンジン回転数が高いほど、また機関の負荷が高いほど大きくする内燃機関の制御装置。
  2. 気筒においてノッキングを起こすおそれのある運転領域では、予めノッキングを起こさない限界近傍に設定されているベース点火時期に気筒毎に異なるオフセット量を加味した上、さらに前記進角補正または前記遅角補正を加えて各気筒内の混合気への点火時期を決定することとし、
    前者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、後者の運転領域に近づくほど減衰させ、
    なおかつ、後者の運転領域における各気筒毎のオフセット量の絶対値を、前者の運転領域に近づくほど減衰させる請求項1記載の内燃機関の制御装置。
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