JP5118870B2 - 自動車の側面領域の側面衝突力を吸収するための変形部材 - Google Patents

自動車の側面領域の側面衝突力を吸収するための変形部材 Download PDF

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Description

本発明は、自動車の側面領域での側面衝突力を吸収するための変形部材に関する。
任意の自動車および任意の自動車の領域に適用可能であるが、本発明ならびに本発明の根底をなす問題点を乗用車の側面領域に関して詳しく説明する。
自動車の側面衝突防御を改善するための様々な解決手段がすでに提案されてきた。この場合このような解決手段は通常、配管構造、特色を与えられたプレートもしくはその類のものの形式で、ドアの外側の側壁と内側の側壁の間に補強部材を取付けることによりドアを補強することに集中する。それにより一定の負荷の下で、確実でかつ最大限の変形を受ける設計を目指すべきである。特定の事例においては、車内の床レールを支持部材として使用するために、ドアがその下側部分において補強部材とも接続している。さらに補強部材はシートフレームに抗するストッパを形成するように設けられている。
特定の側面補強設計にとって、側面衝突の際、別の自動車により衝突される自動車全体のほんの僅かな質量が、初期段階において衝突エネルギーを吸収するために自由に使用できるのが短所であることが共通している。ただ原理的には、ドアあるいは衝突された車体側面部分の変形抵抗と、それに加えて、座席と乗員がドアあるいは車体部分の変形の経過において車体部分の内壁と接触状態になった後、座席及び乗員の質量慣性とが作用する力に対抗するにすぎない。衝突される自動車のドアあるいは車体側面部分の僅かな変形抵抗により、まず第一に衝突する自動車の速度は僅かに落ちる。したがって座席及び乗員は高い速度を有するドア側あるいは高い速度を有する車体部分により接触され、かつ衝突するか、あるいは衝突される自動車が共通の最終速度に達する前に、さらに変形する間、専用の自動車に対する高い加速を受ける。
特許文献1には、自動車の側壁構造が記載されている。この側壁構造においては変形部材が設けられており、この変形部材は重なり合って設けられ、かつ自動車縦方向に延びている多数の空間を備えている。
このような変形部材は車体側面部分の大きな面領域を介した、自動車横方向に作用する変形エネルギーの吸収をほんの僅かだけ改善するのに使用されるにすぎない。
米国特許第4,934,751号明細書
本発明の根底をなす課題は、簡単でかつ費用のかからない方法で、側面衝突力あるいは側面衝突エネルギーが確実に吸収できる自動車の側面領域を提供することである。
この課題は、本発明によれば特許請求項1による特徴を備えた変形部材により解決される。
本発明の根底をなすアイデアは、自動車の側面領域内における側面衝突力を吸収するための変形部材において、側面衝突力の作用方向で相前後して設けられた少なくとも二つの中空室と、自動車の所属するドアシェル部分に変形部材を取付けるための少なくとも一つの固定部分を備えており、前記中空室の軸方向延在部が、各々側面衝突力の作用方向に対してほぼ垂直に形成されていることにある。
従って本発明は先に述べた考え方に対して、変形部材の中空室が作用する側面衝突力あるいは衝突エネルギーの方向で、衝突エネルギーを設けられた中空室の全てから吸収できるように相前後して設けられているという長所を有する。変形経路の全てを経由して一定のエネルギーが減少するのが有利である。これにより側面衝突の際、全体的に側面衝突の防御は確実に良くなる。というのも個々の中空室が各々、エネルギー吸収に役立っているからである。このような変形部材により、変形部材のための設置容積が設定されている場合のエネルギー吸収が最適化できる。
従属請求項においては、請求項1に挙げられた変形部材の有利な形状および改良が明らかになっている。
好ましい他の形態によれば、変形部材は押出し形材として構成され、垂直方向で所属するドアシェル補強部材に支持され、そこへ固定されている。変形部材は、側面衝突方向で見てとれる相前後して設けられた、異なる横断面形状を有する三つの中空室を備えている。変形部材の側面壁は異なる横断面形状を保証するために波状あるいは波形薄板様式に形成されていると有利であり、この場合外側の中空室は両方とも中間中空室よりも大きな横断面を備えている。変形部材はBピラーの領域に、かつ側面衝突防御のための、中央座席クロスビームの所属する横方向補強部材の作用方向に設けられているのが有利である。
本発明を以下に添付した図に関連した実施例に基き詳しく説明する。
図において、同じ参照符号は同じ部材かあるいは機能的に同じ部材を指示している。
図1〜4で明らかなように、変形部材1は、変形力の作用方向で相前後して設けられた三つの中空室、すなわち自動車の内側に向いた内側中空室2と、中間中空室3と、自動車の外側に向いた外側中空室4とで構成されている。本発明による変形部材が、単に作用方向で相前後して設けられた二つあるいは四つ以上の中空室で構成されていてもよいことは確かに当業者にとっては明らかである。
三つの中空室2,3および4は組立の際、側面衝突力作用方向における所属するドアシェル補強部材に、中空室2,3および4が、各々吸収すべき衝突エネルギーを吸収するのに役立つように相前後して設けられているのが好ましい。さらに中空室2,3および4は組立の際、所属するドアシェル補強部材に、ほぼ垂直な方向、すなわちドアシェル補強部材の方向範囲に延在しており、この場合変形部材1は、ドアシェル補強部材に支持されており、かつこのドアシェル補強部材に、さらに以下に詳しく説明した適切な方法で固定されているのが好ましい。
変形部材1は適切なアルミニウム合金またはそのようなものでできた押出し形材として製造されているのが好ましい。このような軽金属合金は剛性が高くかつ重量が僅かであり、従って自動車構造においては特に適している。
自動車の横方向に走る変形部材1の側壁5は、図1および2に図示したように、波状の形状を有しているのが好ましい。側壁5は図1に示した、相前後して設けられた中空室2,3および4のアコーディオン形状が保証されているように、内側中空室2と外側中空室4の領域においては波の頂部を、中間中空室3の領域においては波の谷部を備えている。内側中空室2ならびに外側中空室4は、この領域内に設けられた、波の谷部の領域に波状側壁5が設けられた中間中空室3よりも大きい横断面形状を備えた波状側壁5の波の頂部に基いて形成されている。これに反して、内側中空室2および外側中空室4の横断面形状は、ほぼ同じ大きさの横断面形状でもって形成されている。これにより、外側中空室4の端面に力が作用した際、側面事故の場合、アコーディオン効果が生じ、このアコーディオン効果により、変形部材1の変形は一様でありかつ特定された状態で進行する。変形距離全体にわたり、一定していてかつ特定された、生じる変形エネルギーのエネルギー減少が生じ、従って側面衝突保護は改善される。
実施例によれば、三つの中空室2,3および4は自動車側面方向でほぼ同じ深さ寸法を備えており、従って変形距離全体にわたり、エネルギー減少は確実にほぼ一定になる。
さらに変形部材1は内側中空室2の正面側端部において当接面6を有しており、この場合変形部材1の当接部の当接面6は所属する車体部分に接して使用される。当接面6は例えば部分7を例えば二つのリベットナット8により装着するために、例えば少なくとも変形部材1の側面に向って突出するように形成されている。リベットナット8を介して、変形部材1は所属する横方向補強部材19の連結部材に固定することができる。これにより側面衝突の際の自動車車体内への力の伝達は、ガイドシェル補強部材12を介しても、横方向補強部材19の連結部材を介しても行われる。
さらに変形部材1は例えば外側中空室4の正面側において中央の固定孔9を備えており、この固定孔は位置決め工程の間、例えば変形部材1をドアシェル補強部材12に溶接する間、位置決め装置を収容するのに使用される。
特に図4において明らかなように、変形部材1の上面11は平らであり、変形部材1の下面11は、一般的には図5に斜視図で示した所属するドアシェル補強部材12で適切に支持するために階段状に形成されているのが好ましい。変形部材1の下面11の階段状の形状は、図6の横断面図において概略的に示したように、変形部材に簡単に支持するためのドアシェル補強部材1の階段状の表面13に対して補完的に形成されている好ましい。
さらに変形部材1は自動車の外側に向いた下側領域において固定部分14を備えており、この固定部分は自動車の内側に対して斜めに曲げられたフランジとして形成されている。特に図1に示したような固定部分14は、好ましくは溶接法を用いて所属するドアシェル補強部材において、固定部分、従って変形部材1を固定するための縁部15を備えている。所属するドアシェル補強部材12に、あるいは事情によっては所属する車体部分に変形部材を取付けるための別様でかつ一般的な方法が可能であることは当業者にとって明らかである。
図7は所属するドアシェル補強部材12に取付けられ、かつそれに固定された変形部材1の斜視図を示しており、さらにこの変形部材1は所属する内側の車体側面部分17と当接している。変形部材1はBピラーの領域において、中空室2,3,4が垂直方向に整向していることに伴って、側面衝突力の作用方向で内側車体部分17の背面側の所属する横方向補強部材19に直接相対しているように設けられているのが好ましい。これにより変形部材から相対している変形部材へ向けて、変形部材1,所属する内側の車体側面部分17,横方向補強部材19および中央座席クロスビーム20を経由した荷重進路が保証される。従って本発明は本発明による変形部材により、生じる衝突エネルギーの吸収が改善されたことに基き、側面衝突の際のクロスビームの補強を改善し、かつ搭乗者の安全性を高める。
本発明は好ましい実施例に基いて先に記載されたわけであるが、それによって限定されているのではなく、多様なやり方で変形可能である。
本発明の好適な実施例による変形部材の斜視図である。 図1の変形部材の平面図である。 図1および2の変形部材の背面図である。 図1〜3の変形部材の右側面図である。 本発明の好適な実施例によるドアシェル補強部を示す図である。 本発明の好適な実施例による、図5によるドアシェル補強部に取付けられた変形部材の横断面図である。 本発明の好適な実施例による、変形部材が組込まれている自動車車体の部分斜視図である。
符号の説明
1 変形部材
2 中空室
3 中空室
4 中空室
5 側壁
6 当接面
7 側面部分
8 リベットナット
12 ドアシェル部分
14 固定部分
17 車体側面部分
18 Bピラー
19 横方向補強部材

Claims (11)

  1. Bピラー(18)と、
    ドアシェル補強部材(12)と、
    自動車の側面領域内における側面衝突力を吸収するための変形部材(1)とを備え、
    前記変形部材(1)は、側面衝突力の作用方向で相前後して設けられた少なくとも二つの中空室(2、3、4)と、前記ドアシェル補強部材(12)に前記変形部材(1)を取付けるための少なくとも一つの固定部分(14)を備えており、
    前記中空室の軸方向延在部が、各々側面衝突力の作用方向に対して垂直に形成され、
    前記変形部材(1)が前記Bピラー(18)の領域内の内側の車体側面部分(17)と当接した状態で、かつ側面の横方向補強部材(19)の高さに取付けることができ、かつ前記ドアシェル補強部材(12)上で組立てることでできるように構成されていることを特徴とする自動車の車体
  2. 前記変形部材(1)が側面衝突力の作用方向で相前後してかつ互いに平行に設けられた三つの中空室(2、3、4)を備えており、これらの中空室により、自動車の内側に向いた内側中空室(2)と、自動車の外側に向いた外側中空室(4)と、外側内側中空室(2、4)間に設けられた中間中空室(3)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の自動車の車体
  3. 前記中空室(2、3、4)が軸方向で前記ドアシェル補強部材(12)の縦方向延長部に対して垂直に、かつ前記横方向補強部材(19)の縦方向延長部に対してほぼ垂直に延在していることを特徴とする請求項1または2に記載の自動車の車体
  4. 前記中空室(2、3、4)を形成するための前記変形部材(1)の側壁(5)が、様々な横断面形状により波状に形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の自動車の車体
  5. 前記外側および内側中空室(2、4)が各々中間中空室(3)よりも大きい横断面形状を有していることを特徴とする請求項2に記載の自動車の車体
  6. 前記中空室(2、3、4)が同じ深さ寸法を備えており、この際波頂部の領域の内側および外側中空室(2、4)と波状側壁(5)の波谷部の領域の中間中空室(3)が、内側および外側中空室(2、4)が同じ幅を備えており、かつ中間中空室(3)よりも大きな幅でもって形成されていることを特徴とする請求項2または5に記載の自動車の車体
  7. 前記ドアシェル補強部材(12)に向いた変形部材(1)の下面(11)が、前記変形部材に適切に支持させるように、前記ドアシェル補強部材(12)の輪郭に合わせて補完され、かつ階段状の形状でもって形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の自動車の車体
  8. 前記変形部材(1)が押出し形材として、アルミニウム合金のような軽金属合金で形成されていることを特徴とする請求項項1〜のいずれか一つに記載の自動車の車体
  9. 前記固定部分(14)が、前記変形部材(1)の下側領域内に設けられ、かつ前記ドアシェル補強部材(12)の方向に指向しているフランジ部分として形成されており、このフランジ部分が溶接により前記変形部材(1)を前記ドアシェル補強部材(12)に固定するための縁部(15)を備えていることを特徴とする請求項1〜のいずれか一つに記載の自動車の車体
  10. 前記内側中空室(2)が前記内側車体部分(17)に当接するための当接面(6)を備えていることを特徴とする請求項2に記載の自動車の車体
  11. 前記変形部材(1)の当接面(6)が、前記横方向補強部材(19)の連結要素に連結するためのリベットナット(8)を有する側面部分(7)を備えていることを特徴とする請求項10に記載の自動車の車体
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