JP5118430B2 - 容量制御弁及びこれを用いた可変容量圧縮機 - Google Patents

容量制御弁及びこれを用いた可変容量圧縮機 Download PDF

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Description

本発明は、車両エアコンシステムに使用される可変容量圧縮機の容量制御弁に関する。
例えば車両エアコンシステムに用いられる往復動型の可変容量圧縮機は、ハウジングを備え、ハウジングの内部には吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されている。クランク室内を延びる駆動軸には斜板が傾動可能に連結され、斜板を含む変換機構は、駆動軸の回転をシリンダボア内に配置されたピストンの往復運動に変換する。ピストンの往復運動は、吸入室からシリンダボア内への作動流体の吸入、吸入した作動流体の圧縮及び圧縮された作動流体の吐出室への吐出工程を実行する。
ピストンのストローク長、即ち圧縮機の吐出容量は、クランク室の圧力(制御圧力)を変化させることにより可変となる。吐出容量を制御するために、吐出室とクランク室とを連通する給気通路には容量制御弁が配置されるとともに、クランク室と吸入室とを連通する抽気通路には絞りが配置されている。
容量制御弁は、例えば特許文献1に記載されているように、吸入室の圧力を受圧する感圧部材としてベローズを備え、ソレノイドによる弁体への付勢の他に、該ベローズによって受圧した吸入室の圧力に応じて弁体が付勢されて、吐出室からクランク室への作動流体の流入量を調整することで、吸入圧力を所定値に維持するように圧縮機の吐出容量をフィードバック制御する。
特開平11−107929号公報
上記のように吸入圧力を制御対象とする吐出容量制御方法は、空調制御に適した制御方法であり広く採用されている。この吸入圧力制御において、例えば吐出容量を低減させるには、制御対象となる吸入圧力設定を高い値に変更すればよい。このような場合に、例えば熱負荷が大きく、かつ圧縮機の回転速度が低いと十分に吐出容量を低減できず、更には実際の吸入圧力が吸入圧力制御範囲を超えてしまうと、全く制御不能となるといった問題点がある。
現在実用化されているR134を冷媒とする可変容量圧縮機における吸入圧力制御では、例えば特許文献1の図2に示すような制御特性(ソレノイドの電流と吸入圧力との関係)である。この制御特性の容量制御弁では、吸入圧力制御範囲の上限が0.3〜0.4MPaGの範囲にあるので、熱負荷が大きい場合でも吐出容量制御を可能とするには大幅に吸入圧力制御範囲を拡大する必要がある。
吸入圧力制御範囲を拡大する方法として、ソレノイドにより発生する電磁力を大きくすればよいが、大幅に制御範囲を拡大するためにはソレノイドの大型化が避けられず、実用的ではない。
また、吸入圧力制御範囲を拡大する別の方法としては、吸入圧力を感知するベローズの感圧面積(有効面積)を小さく設定することが考えられる。しかしながら、ベローズを挟んで吸入圧力と対抗するベローズの内部の基準圧力は真空または大気圧となっており内部にバネを配置する必要があり、またベローズの伸縮量を規制するストッパを設ける必要があることからも、ベローズの小型化には限界があった。
また、感圧部材としてベローズの代わりにダイアフラムを使用することも考えられるが、ダイアフラムの感圧面積を小さく設定すると、ダイアフラムの寿命の関係からダイアフラムの変位量、つまり弁ストロークも小さくしなければならず、ダイアフラムを使用しても小型化には限界があった。
本発明は上述した事情に基づいてなされたもので、その目的の一つは、吸入圧力制御範囲を大幅に拡大できる容量制御弁及びこれを用いた可変容量圧縮機を提供することにある。
上記の目的を達成するべく、本発明によれば、内部に吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、前記シリンダボアに配設されたピストンと、前記ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転を前記ピストンの往復運動に変換する傾角可変の斜板要素を含む変換機構とを備え、前記クランク室の圧力を変化させることにより前記ピストンのストロークを調整して前記吸入室から前記シリンダボアに吸入された冷媒を圧縮して前記吐出室に排出する可変容量圧縮機に用いられる容量制御弁であって、前記吸入室及び前記吐出室の少なくともいずれか一方と前記クランク室とを連通する連通路を開閉する弁体と、前記弁体と連結することにより前記吸入室または前記クランク室の圧力に応じて前記弁体を開閉制御する感圧装置と、前記弁体または前記感圧装置に電磁力を作用させるソレノイドとを備え、前記感圧装置は、ベローズと、前記ベローズの両端部に配置されベローズの外径より大径の端部部材と、前記ベローズの周囲に配置され、前記端部部材に挟持されて前記ベローズを伸長する方向に付勢する圧縮コイルバネとを備え、前記端部部材のうち一方は弁ハウジングに前記感圧装置を位置決めする位置決め部材を兼ね、他方は外周端部が前記ベローズの収縮を規制するストッパを兼ねていることを特徴とする容量制御弁が提供される(請求項1)。
ましくは、前記弁体は、前記吐出室と前記クランク室とを連通する連通路に配置された弁孔を開閉し、前記感圧装置を前記弁孔の下流側の前記連通路途上に配置し、前記弁体が弁孔を閉じたときに規定される前記クランク室の圧力が作用する前記弁体のシール面積を、前記ベローズの有効面積と同一または近接して設定する(請求項2)。
好ましくは、内部に吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、前記シリンダボアに配設されたピストンと、前記ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転を前記ピストンの往復運動に変換する傾角可変の斜板要素を含む変換機構と、請求項1または2に記載の容量制御弁とを備え、前記クランク室の圧力を変化させることにより前記ピストンのストロークを調整して前記吸入室から前記シリンダボアに吸入された冷媒を圧縮して前記吐出室に排出することを特徴とする可変容量圧縮機が提供される(請求項3)。
本発明の請求項1の容量制御弁では、ベローズを伸長する方向に付勢する圧縮コイルバネ及びベローズの収縮を規制するストッパがベローズの内部ではなく周囲に配置されるので、ベローズの有効面積を小さく設定でき、吸入圧力制御範囲を大幅に拡大することができる。
また、圧縮コイルバネの付勢力の作用する位置が外周側に移動し、ベローズの倒れが軽減され、ベローズの軸方向の収縮、伸長動作が安定して行える。さらに圧縮コイルバネの設計自由度を大きくすることができる。
また、ベローズの周囲に配置した圧縮コイルバネをベローズ組立体として一体化でき、容量制御弁の組立作業性を確保することができる
また、ベローズの両端部を挟持する端部部材のうち一方弁ハウジングに感圧装置を位置決めする位置決め部材を兼ね、他方は外周端部がベローズの収縮を規制するストッパを兼ねているので、部品点数を低減でき、構造の簡略化を図ることができる。
請求項2の容量制御弁では、ベローズの有効面積を小さく設定することに伴って、弁体のシール面積も小さくなるので、弁体の開弁によって吐出室のガスが過大にクランク室に流入することが抑制されて、容量制御弁の流量調整が安定化する。
請求項3の可変容量圧縮機では、斜板の最小傾角で規定される最小ピストンストロークを非常に小さく設定でき容量制御範囲が大きく拡大可能であるので、容量制御弁による吸入圧力制御範囲の拡大による容量制御範囲の拡大効果を十分に発揮することができる。
図1は、車両用空調システムの冷凍サイクルの概略構成を可変容量圧縮機の縦断面とともに示す図である。
図1に示すように、車両用空調システムの冷凍サイクル10は、作動流体としての冷媒(例えばR134a)が循環する循環路12を備える。循環路12には、冷媒の流動方向で順番に、可変容量圧縮機(以下、単に圧縮機100という)、放熱器(凝縮器)14、膨張器(膨張弁)16及び蒸発器18が介挿されている。圧縮機100は、冷媒の吸入工程、吸入した冷媒の圧縮工程及び圧縮した冷媒の吐出工程からなる一連のプロセスを行い、循環路12に冷媒を循環させる。
蒸発器18は、車両用空調システムの空気回路の一部をも構成しており、蒸発器18を通過する空気流は、蒸発器18内の冷媒によって気化熱を奪われて冷却される。
圧縮機100は、斜板式の可変容量圧縮機であり、複数のシリンダボア101aを備えたシリンダーブロック101と、シリンダーブロック101の一端に連結されたフロントハウジング102と、シリンダーブロック101の他端にバルブプレート103を介して連結されたリアハウジング104とを備えている。
シリンダーブロック101とフロントハウジング102とによってクランク室105が規定され、クランク室105内を縦断して駆動軸106が延びている。駆動軸106は、クランク室105内に配置された環状の斜板107を貫通し、斜板107は、駆動軸106に固定されたロータ108と連結部109を介してヒンジ結合されている。従って、斜板107は、駆動軸106に沿って移動しながら傾動可能である。
ロータ108と斜板107との間には、駆動軸106の周囲に、斜板107を最小傾角に向けて付勢するコイルばね110が装着される一方、斜板107を挟んでコイルばね110の反対側、即ち斜板107とシリンダーブロック101との間には、駆動軸106の周囲に、斜板107を最大傾角に向けて付勢するコイルばね111が装着されている。
駆動軸106は、フロントハウジング102の外側に突出したボス部102a内を貫通して、その先端が外側まで延在している。駆動軸106とボス部102aとの間には、軸封装置112が挿入されており、フロントハウジング102の内部と外部とを遮断している。駆動軸106はラジアル方向及びスラスト方向にベアリング113、114、115、116によって回転自在に支持されている。駆動軸106は、ボス部102aから突出した先端にエンジン等の外部駆動源から駆動力が伝達されて、回転駆動される。
シリンダボア101a内にはピストン117が配置され、ピストン117には、クランク室105内に突出したテール部が一体に形成されている。テール部に形成された凹所117a内には一対のシュー118が配置され、シュー118は斜板107の外周部に対し挟み込むように摺接している。従って、シュー118を介して、ピストン117と斜板107とは互いに連動し、駆動軸106の回転によりピストン117がシリンダボア101a内を往復動する。
リアハウジング104には、吸入室119及び吐出室120が区画形成され、吸入室119は、バルブプレート103に設けられた吸入孔103aを介してシリンダボア101aと連通可能である。吐出室120は、バルブプレート103に設けられた吐出孔103bを介してシリンダボア101aと連通している。なお、吸入孔103a及び吐出孔103bは、図示しない吸入弁及び吐出弁によってそれぞれ開閉される。
シリンダーブロック101の外側にはマフラ121が設けられている。マフラ121を構成するマフラケーシング122は、シリンダーブロック101に一体に形成されたマフラベース101bに図示しないシール部材を介して接合されている。マフラケーシング122及びマフラベース101bはマフラ空間123を規定し、マフラ空間123は、リアハウジング104、バルブプレート103及びマフラベース101bを貫通する吐出通路124を介して吐出室120と連通している。
マフラケーシング122には吐出ポート122aが形成されるとともに、マフラ空間123には吐出通路124と吐出ポート122aとの間を遮るように逆止弁200が配置されている。具体的には、逆止弁200は、吐出通路124側の圧力とマフラ空間123側の圧力との圧力差に応じて開閉し、この圧力差が所定値より小さい場合閉作動する一方、所定値より大きい場合は開作動する。
吐出室120は、吐出通路124、マフラ空間123及び吐出ポート122aを介して循環路12の往路部分と連通可能であり、この連通は逆止弁200によって断続される。一方、吸入室119は、リアハウジング104に設けられた吸入ポート104aを介して循環路12の復路部分と連通している。
リアハウジング104には、容量制御弁300が接続されており、容量制御弁300は給気通路125(連通路)に介挿されている。給気通路125は、吐出室120とクランク室105との間を連通するように、その一部はリアハウジング104からバルブプレート103を経てシリンダーブロック101にまで亘っている。
一方、吸入室119は、クランク室105と抽気通路127を介して連通している。抽気通路127は、駆動軸106とベアリング115、116との隙間、空間128及びバルブプレート103に形成された固定オリフィス103cからなる。
また、吸入室119は、リアハウジング104に形成された感圧通路126を通じて、給気通路125とは独立して容量制御弁300に接続されている。
図2は、本発明の参考形態に係る容量制御弁300の構造を示す断面図である。
図2に示すように、容量制御弁300は、弁ユニットと弁ユニットを開閉作動させる駆動ユニットとから構成されている。弁ユニットは、円筒状の弁ハウジング301を有し、内部に第1感圧室302、弁室303及び第2感圧室307が軸方向に順番に並んで形成されている。第1感圧室302は、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301a及び給気通路125の下流側部分を介してクランク室105と連通している。第2感圧室307は、弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301e及び感圧通路126を介して吸入室119と連通している。弁室303は弁ハウジング301の外周面に形成された連通孔301b及び給気通路125の上流側部分を介して吐出室120と連通している。第1感圧室302と弁室303とは、弁孔301cを介して連通可能となっている。弁室303と第2感圧室307との間には、支持孔301dが形成されている。
第1感圧室302内には、ベローズ組立体305が配設されている。ベローズ組立体305は、弁ハウジング301の軸方向に変位可能に配置され、第1感圧室302内、即ちクランク室105内の圧力を受圧する感圧装置としての機能を有する。
弁室303内には、円柱状の弁体304が収容されている。弁体304は、外周面が支持孔301dの内周面に密接しつつ支持孔301d内を摺動可能であって、弁ハウジング301の軸線方向に移動可能である。弁体304の一端は弁孔301cを開閉可能であるとともに、他端は第2感圧室307内に突出している。
弁体304の一端には、棒状の連結部306の一端が固定されている。連結部306は、他端がベローズ組立体305に当接可能に配置されており、ベローズ組立体305の変位を弁体304に伝達する機能を有する。
駆動ユニットは円筒状のソレノイドハウジング312を有し、ソレノイドハウジング312は弁ハウジング301の他端に同軸的に連結されている。ソレノイドハウジング312内には、ソレノイド314が収容されている。またソレノイドハウジング312内には、同心上に円筒状の固定コア310が収容され、固定コア310は、弁ハウジング301からソレノイド314の中央まで延びている。弁ハウジング301とは反対側の固定コア310の端部は筒状のスリーブ313によって囲まれて閉塞している。
固定コア310は、中央に挿通孔310aを有し、挿通孔310aの一端は第2感圧室307に開口している。また、固定コア310とスリーブ313の閉塞端との間には、円筒状の可動コア308が収容されている。
挿通孔310aには、ソレノイドロッド309が挿通され、ソレノイドロッド309の一端が弁体304に同軸的に圧入固定されている。ソレノイドロッド309の他端部は、可動コア308に形成された貫通孔に嵌合され、ソレノイドロッド309と可動コア308とは一体化されている。また、固定コア310と可動コア308との間には、可動コア308を固定コア310から離れる方向(開弁方向)に付勢する強制解放バネ311が備えられている。
可動コア308、固定コア310及びソレノイドハウジング312は磁性材料で形成され、磁気回路を構成する。スリーブ313は非磁性材料のステンレス系材料で形成されている。
ソレノイド314には、圧縮機100の外部に設けられた制御装置400が接続され、制御装置400から制御電流Iが供給されると、ソレノイド314は電磁力F(I)を発生する。ソレノイド314の電磁力F(I)は、可動コア308を固定コア310に向けて吸引し、弁体304に対して閉弁方向に作用する。
図3は、ベローズ組立体305の構造図である。
図3に示すように、ベローズ組立体305は、ベローズ305aと、ベローズ305aの一端側を封止してベローズ305aに溶接固定された端部部材305bと、ベローズ305aの他端側を封止してベローズ305aに溶接固定された封止部材305cと、封止部材305cにかしめ固定された端部部材305dと、ベローズ305aの外周において端部部材305bと端部部材305dとの間に配置された圧縮コイルバネ305eとから構成される。
端部部材305b及び封止部材305cとベローズ305aとの溶接は真空中で行われ、したがってベローズ305aの内部は真空に保持されている。端部部材305b、封止部材305c、ベローズ305aは同系統の材料、例えば銅系材料で形成されている。
封止部材305cと端部部材305dとのかしめ部は、封止部材305c側に凹部が形成され、その凹部に端部部材305dの一部が塑性変形して入り込んで抜け止めとして機能している。
端部部材305bの一端側305b1は弁ハウジング301の端部の孔に圧入固定され、この圧入量を調整することによりベローズ組立体305が位置決めされる。また端部部材305bの他端305b2と封止部材305cの先端305c1とは、互いに当接することにより、ベローズ305aの過剰な収縮を規制するストッパ部を構成している。
圧縮コイルバネ305eの両端は、端部部材305b及び端部部材305dに夫々形成されたガイド部305b3、305d1に位置決めされ、ベローズ305aの外周部に接触することなく、ベローズ305aとほぼ同軸に配置されている。また、封止部材305cには、連結部306を受けるガイド部305c2が形成されている。
参考形態では、特に圧縮コイルバネ305eをベローズ305aの外側に配置している。このため、圧縮コイルバネ305eをベローズ305aの内部に配置する従来技術と比較して、圧縮コイルバネ305eの付勢力の作用する位置が外周側に移動し、ベローズ305aの倒れが低減され、ベローズ305aの収縮、伸長動作が安定して行われる。また、圧縮コイルバネ305eをベローズ305aの内部に配置する場合と比べ、スペース上の制約が減少され、圧縮コイルバネ305eの設計自由度が大きくなる。
以下、容量制御弁300の制御特性について述べる。
容量制御弁300の弁体304に作用する力は、ソレノイド314による電磁力F(I)の他に、強制解放バネ311による付勢力fs、弁室303の圧力(吐出圧力Pd)による力、第1感圧室302の圧力(クランク圧力Pc)による力、第2感圧室307の圧力(吸入圧力Ps)による力及び圧縮コイルバネ305eによる付勢力Fbである。これらの関係は、ベローズ305aの有効受圧面積をSb、弁体304により遮蔽する弁孔301cの面積であるシール面積Sv、弁体304の円筒外周面の断面積Srとすると、式(1)で示される。なお、式(1)において、+が弁体304の閉弁方向、−が開弁方向を示す。
Figure 0005118430
参考形態では、Sb=Sv=Srの関係が成立するように構成されている。更に、電磁力F(I)は、制御電流Iに略比例するように設計されており、F(I)=AIとおくと(Aは係数)、式(1)は以下の式(2)となる。そして、この式(2)を変形して、吸入圧力Psを求めると、以下の式(3)となる。
Figure 0005118430
したがって、式(3)に示すように、吸入圧力Psは、制御電流Iにより一義的に決まり、制御電流Iが増大すると吸入圧力Psが低下する制御特性となっている。
図4は、制御電流Iと吸入圧力Psとの関係を示すグラフである。
図4には、本参考形態では、例えば制御電流Iaである場合には吸入圧力Psaとなることが示されている。前述のようにベローズ305aの内側空間には圧縮コイルバネ305eが無いため、ベローズ305aの小型化(小径化)が可能となる。これによって、ベローズ有効面積Sbを小さく設定できる。したがって、図4に示すように、制御電流Iの最大値Imax、最小値Iminで規定される制御電流範囲における吸入圧力Psの制御範囲(最小値PsL〜最大値PsH’)を、ベローズ305aの内側空間には圧縮コイルバネ305eを配置した従来の容量制御弁での吸入圧力Psの制御範囲(最小値PsL〜最大値PsH)と比較して拡大することができる。
また、ベローズ305aの有効面積Sbと弁体シール面積Svを同等に設定する構造としているため、ベローズ有効面積Sbを小さく設定することに伴い、弁体シール面積Sv(弁孔面積)も小さくなる。これにより、弁体304の開弁によって吐出室120のガスが過大にクランク室105に流れ込むことが抑制されて、容量制御弁300の流量調整が安定化する。
次に、容量制御弁300を用いた圧縮機100の制御動作について説明する。
例えば、ソレノイド314の制御電流Iを最大値Imaxとして可変容量圧縮機100を起動させると、起動直後は吸入圧力Psが所定値Psimaxより高く、ベローズ305が収縮して連結部306から離間し、ソレノイド314の電磁力に付勢されて弁体304が弁座に当接して弁孔301cを閉じる。
これにより、吐出ガス(冷媒)がクランク室105に導入されず、ピストン117が吸入冷媒を圧縮する際に発生するブローバイガスのみが抽気通路127を介してクランク室105から吸入室119に流れる。固定オリフィス103cの流路面積は、ブローバイガスを吸入室119に流すのに必要な最小流路面積に設定されており、クランク室105内のガスが速やかに吸入室119に排出され、この結果クランク圧力Pcが素早く低下して吸入圧力Psと略同等となり、斜板107の傾角が増大して圧縮機100は最大容量に維持される。
圧縮機100が最大容量運転されて吸入圧力Psが徐々に低下し、容量制御弁300で設定された所定値Psimaxまで低下すると、ベローズ305が伸張して連結部306と連結し、弁体304を移動させて弁孔301cを開く。したがって、吐出室120とクランク室105とが給気通路125を介して連通し、吐出ガスがクランク室105に導入される。クランク室105から吸入室119への流出量は固定オリフィス103cで制限されているので、吐出ガスのクランク室105への流入によってクランク圧力Pcが上昇する。そして、クランク圧力Pcと吸入圧力Psとの圧力差が所定値ΔPまで増加すると斜板107の傾角が減少して吐出容量が減少する。
吐出容量が減少して吸入圧力Psが上昇すると、ベローズ組立体305が収縮して弁体304が弁孔301cを閉じる方向に移動するため、クランク室105に導入される吐出ガス量が減少してクランク圧力Pcが低下する。そして、クランク圧力Pcと吸入圧力Psとの圧力差が所定値ΔPまで減少すると斜板107の傾斜角が増加して吐出容量が増加する。このような動作により、所定の吸入圧力Psaを維持するように弁体304の開度が調整されて吐出容量が制御される。
次に、図5を用いて、本発明の実施形態を説明する。
図5は、本実施形態に係るベローズ組立体405の構造図である。なお、参考形態のべローズ組立体305と同一の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
本実施形態のベローズ組立体405は、参考形態のベローズ組立体305とストッパ部の構造が異なっている。詳しくは、参考形態の端部部材305dに相当する端部部材405dの外周端部が圧縮コイルバネ305eを覆うように端部部材405bに向かって円筒状に延びている。そして、その先端405d1が端部部材405bに当接することで、ベローズ305aの過剰な収縮を規制するストッパ部を構成している。これに伴い、封止部材405c及び端部部材405bをベローズ305a内に延ばす必要がなく、ベローズ305aの内径を更に小さくすることができる。したがって、ベローズ305aの有効面積Sbを更に小さく設定でき、吸入圧力Psの制御範囲を更に拡大することができる。
また、端部部材405bには、ベローズ305a内の空間を外部と連通させる連通孔406が設けられている。このような構造とすることで、ベローズ305a内を真空にする必要がなく、ベローズ組立体405の製造性を格段に向上させることができる。このようにベローズ305a内を大気圧とすると、真空にした場合と比較して開弁方向に大気圧の力が作用するため、付勢力Fbを小さく設定して補正する。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されることはなく、種々変形が可能である。
例えば、上記の実施形態において、端部部材405d封止部材405cとの固定を、圧入、溶接またはねじ嵌合で行ってもよく、あるいは、端部部材405d封止部材405cとを一体成形としてもよい。また、ガイド部305b3、305d1を溝形状にしてもよい。連結部306が当接するガイド部405c2封止部材405cとは別体の高硬度な部材で形成してもよい。
また、本発明は、ベローズ305aの外側に圧縮コイルバネ305eとベローズ305aの過剰な収縮を規制するストッパとを配置した吸入圧力Psまたはクランク圧力Pcに応答して動作する構造の容量制御弁が該当し、例えば、吸入圧力Psを感知するベローズを備えた容量制御弁、抽気通路127を開閉する容量制御弁、制御電流Iが増大すると制御吸入圧力が上昇する容量制御弁、吐出圧力Pdの影響を受ける吸入圧力制御特性を有する容量制御弁、あるいは強制解放バネ311の無い容量制御弁にも本発明を適用できる。
圧縮機100としては、電磁クラッチを装着した可変容量圧縮機、クラッチレス可変容量圧縮機、揺動板式可変容量圧縮機を使用してもよい。あるいはモータにより駆動される可変容量圧縮機、抽気通路127の絞り要素として流量可変絞りや弁体で開閉制御する絞りを備えた可変容量圧縮機にも本発明を適用できる。
また、冷媒としては、R134aに限定されず、二酸化炭素やその他の新冷媒を使用してもよい。
車両用空調システムの冷凍サイクルの概略構成を可変容量圧縮機の縦断面とともに示す図である。 参考形態の容量制御弁の構造を示す断面図である。 参考形態のベローズ組立体の構造を示す断面図である。 参考形態での制御電流と吸入圧力との関係を示すグラフである。 実施形態のベローズ組立体の構造を示す断面図である。
符号の説明
100 圧縮機
300 容量制御弁
304 弁体
305 ベローズ組立体
305a ベローズ
314 ソレノイド
305e 圧縮コイルバネ
305b、305d、405b、405d 端部部材
305d1、305b3 ガイド部
305c 封止部材

Claims (3)

  1. 内部に吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、前記シリンダボアに配設されたピストンと、前記ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転を前記ピストンの往復運動に変換する傾角可変の斜板要素を含む変換機構とを備え、前記クランク室の圧力を変化させることにより前記ピストンのストロークを調整して前記吸入室から前記シリンダボアに吸入された冷媒を圧縮して前記吐出室に排出する可変容量圧縮機に用いられる容量制御弁であって、
    前記吸入室及び前記吐出室の少なくともいずれか一方と前記クランク室とを連通する連通路を開閉する弁体と、前記弁体と連結することにより前記吸入室または前記クランク室の圧力に応じて前記弁体を開閉制御する感圧装置と、前記弁体または前記感圧装置に電磁力を作用させるソレノイドとを備え、
    前記感圧装置は、ベローズと、前記ベローズの両端部に配置されベローズの外径より大径の端部部材と、前記ベローズの周囲に配置され、前記端部部材に挟持されて前記ベローズを伸長する方向に付勢する圧縮コイルバネとを備え、前記端部部材のうち一方は弁ハウジングに前記感圧装置を位置決めする位置決め部材を兼ね、他方は外周端部が前記ベローズの収縮を規制するストッパを兼ねていることを特徴とする容量制御弁。
  2. 前記弁体は、前記吐出室と前記クランク室とを連通する連通路に配置された弁孔を開閉し、前記感圧装置は前記弁孔の下流側の前記連通路途上に配置され、前記弁体が弁孔を閉じたときに規定される前記クランク室の圧力が作用する前記弁体のシール面積は、前記ベローズの有効面積と同一または近接して設定されていることを特徴とする請求項1に記載の容量制御弁。
  3. 内部に吐出室、吸入室、クランク室及びシリンダボアが区画形成されたハウジングと、前記シリンダボアに配設されたピストンと、前記ハウジング内に回転可能に支持された駆動軸と、前記駆動軸の回転を前記ピストンの往復運動に変換する傾角可変の斜板要素を含む変換機構と、請求項1または2に記載の容量制御弁とを備え、前記クランク室の圧力を変化させることにより前記ピストンのストロークを調整して前記吸入室から前記シリンダボアに吸入された冷媒を圧縮して前記吐出室に排出することを特徴とする可変容量圧縮機。
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