JP2009041547A - 冷凍サイクルおよび可変容量圧縮機用制御弁 - Google Patents

冷凍サイクルおよび可変容量圧縮機用制御弁 Download PDF

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Abstract

【課題】いわゆるPs感知弁を組み込んだ圧縮機においてソフトスタートを実現する。
【解決手段】制御弁の付勢部材として、弁体の開弁方向への変位に対するその付勢力fsの変化量がソレノイド力fiの変化量よりも大きくなるものが用いられる。すなわち、弁体の開弁方向への変位に対する両者の変化率(傾き)が異なるため、ソレノイドへ供給する電流値を変化させれば、付勢部材の付勢力fsとソレノイド力fiとがバランスする弁体の変位を変化させることができる。したがって、制御部は、その制御弁を通電量に比例した冷媒流量を得るための比例弁として機能させることができ、必要に応じて冷媒流量を増加させて圧縮機を最小容量運転状態へ移行させることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、冷凍サイクルを構成する可変容量圧縮機に組み込まれてその吐出容量を調整する制御弁の制御技術に関する。
自動車用空調装置は、一般に、その冷凍サイクルを流れる冷媒を圧縮して高温・高圧のガス冷媒にして吐出する圧縮機、そのガス冷媒を凝縮する凝縮器、凝縮された液冷媒を断熱膨張させることで低温・低圧の冷媒にする膨張装置、その冷媒を蒸発させることにより車室内空気との熱交換を行う蒸発器等を備えている。蒸発器で蒸発された冷媒は、再び圧縮機へと戻され、冷凍サイクルを循環する。
この圧縮機としては、エンジンの回転数によらず一定の冷房能力が維持されるように、冷媒の吐出容量を可変できる可変容量圧縮機(単に「圧縮機」ともいう)が用いられている。この圧縮機は、エンジンによって回転駆動される回転軸に取り付けられた揺動板に圧縮用のピストンが連結され、揺動板の角度を変化させてピストンのストロークを変えることにより冷媒の吐出量を調整する。揺動板の角度は、密閉されたクランク室内に吐出冷媒の一部を導入し、ピストンの両面にかかる圧力の釣り合いを変化させることで連続的に変えられる。このクランク室内の圧力(以下「クランク圧力」という)は、圧縮機の吐出室とクランク室との間、またはクランク室と吸入室との間に設けられた可変容量圧縮機用制御弁(単に「制御弁」ともいう)により制御される。
このような制御弁として、例えば吐出圧力Pdと吸入圧力Psとの差圧(Pd−Ps)に応じてクランク室への冷媒の導入量を制御し、クランク圧力Pcを制御するいわゆるPd−Ps差圧感知弁が知られている(例えば特許文献1参照)。
この制御弁は、差圧(Pd−Ps)を設定差圧に保つように、吐出室とクランク室との間の通路を連通または閉塞させる弁部を開閉制御するものであり、内部の弁体に対して開閉方向の駆動力を発生させるソレノイドを備えている。その設定差圧は、外部からソレノイドへ供給する電流値により変化させることができる。この制御弁によれば、吐出圧力Pd自体の大きさに基づいた容量制御が行われるため、吐出容量を変化させる制御の応答性に優れるというメリットがある。また、一般に差圧(Pd−Ps)は圧縮機の負荷トルクを反映するため、その負荷トルクを変化させる応答性にも優れる。例えば、車両の加速カット制御時など負荷トルクの低減が要求されるような場合、設定差圧を小さくしてその負荷トルクを速やかに低減させることができる。また、その後に圧縮機が再起動される際には、最小容量運転から差圧(Pd−Ps)を徐々に大きくして負荷トルクを安定に上げていくいわゆるソフトスタートが可能となる。
特開2001−132650号公報(図4)
しかしながら、このようなPd−Ps差圧感知弁は、安定した冷房性能を実現する上では問題もかかえている。例えば、差圧(Pd−Ps)が大きくなってその吸入圧力Psが低下しすぎると、低圧側の温度も低くなる。場合によっては過剰冷房により蒸発器の凍結を招き、冷房能力が著しく低下するおそれがある。そこで、通常は蒸発器の出口温度が検出され、制御装置にフィードバックされる。制御装置は、この蒸発器の出口温度が所定の基準値よりも低くなると、ソレノイドへの通電量を制御して設定差圧を小さくし、吸入圧力Psが下がりすぎないように調整する。しかし、このようなフィードバック制御を常時行うと、吸入圧力Psがその出口温度の基準値に対応した圧力値付近で比較的大きな変動を繰り返してしまう。このため、低圧側の温度のばらつきを所定範囲内に抑えるという要求仕様があった場合、それを十分に満足できない可能性がある。
一方、このような低圧側の温度を安定させるために、吸入圧力Psが供給される電流値に対応する設定圧力に保たれるように制御するいわゆるPs感知弁も知られている。この制御弁は、吸入圧力Psを感知して変位する感圧部と、感圧部の駆動力を受けて吐出室からクランク室へ通じる通路を開閉制御する弁部と、感圧部の設定値を外部電流によって可変できるソレノイドとを備える。このような制御弁は、吸入圧力Psが外部電流により設定された設定圧力に保持されるように弁部を開閉する。一般に、吸入圧力Psは蒸発器出口の冷媒温度に比例するため、その設定圧力を所定値以上に保持することにより、蒸発器の凍結等を防止できる。しかしながら、このようなPs感知弁を採用した場合、Pd−Ps差圧感知弁のように吐出容量を迅速に変化させることができないため、圧縮機を再起動させるときのソフトスタートが困難であるといった問題が生じる。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、いわゆるPs感知弁を組み込んだ圧縮機においてソフトスタートを実現できる制御技術を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のある態様は、空調装置を構成する冷凍サイクルにかかる。この冷凍サイクルは、吸入室から導入された冷媒を圧縮して吐出室から吐出するとともに、クランク室の圧力に応じて吐出容量が変化する可変容量圧縮機と、可変容量圧縮機から吐出された冷媒を冷却する外部熱交換器と、外部熱交換器から送出された冷媒を減圧する膨張装置と、膨張装置にて減圧された冷媒を蒸発させるとともに可変容量圧縮機に向けて送出する蒸発器と、可変容量圧縮機の吐出冷媒の一部をクランク室に導入するために吐出室とクランク室とを連通する冷媒導入通路と、その冷媒導入通路を開閉する弁体と、その弁体に開弁方向の付勢力を付与する付勢部材と、供給電流に応じた閉弁方向のソレノイド力を発生させるソレノイドと、吸入圧力を感知し、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに弁体に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させる感圧部とを含んで構成される制御弁と、所定の外部情報に基づいて制御弁への通電制御を行う制御部と、を備える。
付勢部材は、弁体の開弁方向への変位に応じてその付勢力が小さくなるとともに、その弁体の変位量に対するその付勢力の変化量が、弁体の変位量に対するソレノイド力の変化量よりも大きくなる特性を有する。制御部は、吸入圧力が設定圧力よりも大きいときに、外部情報に基づいて制御弁へ供給する電流値を変化させ、その電流値に応じた弁開度となるように制御する。
ここでいう「所定の外部情報」は、車両に搭載された各種センサにて検出された検出情報や、車両を制御する制御装置からの指令情報であってもよい。例えば、圧縮機をソフトスタートさせるための条件を表す情報や指令情報であってもよい。「付勢部材」は、スプリングその他の弾性体であってもよい。付勢部材の付勢力は、弁体の変位量に実質的に比例して変化し、その変位量が大きくなるほど小さくなるものでもよい。一方、ソレノイドは、弁体の変位量に実質的に比例して磁気ギャップが大きくなるものでもよい。その場合、弁体の変位量が大きくなるほどソレノイド力は小さくなる。ただし、ソレノイド力は、ソレノイドに供給される電流値が大きくなるほど大きくなる。つまり、弁体の変位量が同じであっても電流値を変化させればソレノイド力はシフトする。
この態様では、制御弁が吸入圧力を感知する感圧部を含んで構成され、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに弁体に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させ、圧縮機を最小容量運転側へ移行させる。その結果、吸入圧力の低下が抑制され、蒸発器付近における過剰冷房が防止される。
一方、制御弁の付勢部材として、弁体の開弁方向への変位に対するその付勢力の変化量がソレノイド力の変化量よりも大きくなるものが用いられる。すなわち、弁体の開弁方向への変位に対する両者の変化率(傾き)が異なるため、ソレノイドへ供給する電流値を変化させれば、付勢部材の付勢力とソレノイド力とがバランスする弁体の変位を変化させることができる。したがって、制御部は、その制御弁への通電量に応じて冷媒流量を調整することができる。圧縮機を再起動させる際には、冷媒流量を徐々に変化させることによりソフトスタートを実現することもできる。
本発明の別の態様は、可変容量圧縮機用制御弁である。この制御弁は、吸入室から導入された冷媒を圧縮して吐出室から吐出する可変容量圧縮機に組み込まれ、吐出室からクランク室へ導入する冷媒流量を制御して可変容量圧縮機の吐出容量を変化させる。この制御弁は、吐出室とクランク室とを連通する冷媒導入通路が形成されたボディと、冷媒導入通路を開閉する弁体と、弁体に開弁方向の付勢力を付与する付勢部材と、供給電流に応じた閉弁方向のソレノイド力を発生させるソレノイドと、吸入圧力を感知し、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに弁体に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させる感圧部と、を備える。付勢部材は、弁体の開弁方向への変位に応じてその付勢力が小さくなるとともに、その弁体の変位量に対するその付勢力の変化量が、弁体の変位量に対するソレノイド力の変化量よりも大きくなる特性を有する。制御弁の弁体は、吸入圧力が設定圧力より大きいときに、供給される電流値に応じた弁開度となるように自律的に動作する。
この態様の制御弁は、吸入圧力を感知する感圧部を含んで構成され、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに弁体に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させる。この制御弁を圧縮機に組み込むことにより、吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに圧縮機が最小容量運転側へ移行され、その吸入圧力の低下が抑制される。
一方、付勢部材として、弁体の開弁方向への変位に対するその付勢力の変化量がソレノイド力の変化量よりも大きくなるものが用いられるため、ソレノイドへの供給電流値が変化すると、付勢部材の付勢力とソレノイド力とがバランスする弁体の変位が変化する。したがって、通電量に応じた冷媒流量を得ることができる。この制御弁を圧縮機に組み込むことにより、通電量を変化させてクランク室への冷媒流量を調整することができる。圧縮機を再起動させる際には、冷媒流量を徐々に変化させることによりソフトスタートを実現することもできる。
本発明のさらに別の態様は、空調装置を構成する冷凍サイクルである。この冷凍サイクルは、吸入室から導入された冷媒を圧縮して吐出室から吐出するとともに、クランク室の圧力に応じて吐出容量が変化する可変容量圧縮機と、可変容量圧縮機から吐出された冷媒を冷却する外部熱交換器と、外部熱交換器から送出された冷媒を減圧する膨張装置と、膨張装置にて減圧された冷媒を蒸発させるとともに可変容量圧縮機に向けて送出する蒸発器と、可変容量圧縮機の吐出冷媒の一部をクランク室に導入するために吐出室とクランク室とを連通する冷媒導入通路と、その冷媒導入通路を開閉する弁体と、その弁体に開弁方向の付勢力を付与する付勢部材と、供給電流に応じた閉弁方向のソレノイド力を発生させるソレノイドと、吸入圧力を感知し、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに弁体に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させる感圧部とを含んで構成される制御弁と、所定の外部情報に基づいて制御弁への通電制御を行う制御部と、を備える。
制御部は、吸入圧力が設定圧力よりも大きいときに、外部情報に基づいて制御弁への通電をオン・オフさせて冷媒導入通路を開閉させ、吐出冷媒のクランク室への導入量がその通電周期に応じた流量となるように制御する。
この態様によれば、圧縮機の吸入圧力が設定圧力よりも低くなると、制御弁の感圧部の動作により弁開度が拡大し、圧縮機を最小容量運転側へ移行させる。その結果、吸入圧力の低下が抑制され、蒸発器付近における過剰冷房が防止される。一方、制御部は、制御弁への通電をオン・オフしてクランク室への冷媒導入量を変化させることができる。すなわち、圧縮機を再起動させる際には、冷媒流量を徐々に変化させることによりソフトスタートを実現することもできる。
本発明のさらに別の態様は、可変容量圧縮機用制御弁である。この制御弁は、吸入室から導入された冷媒を圧縮して吐出室から吐出する可変容量圧縮機に組み込まれ、ソレノイド駆動により吐出室からクランク室へ導入する冷媒流量を制御して可変容量圧縮機の吐出容量を変化させる。この制御弁は、可変容量圧縮機の吸入圧力が設定圧力よりも大きいときに、ソレノイドに供給される電流値に比例した弁開度となるように自律的に動作する弁体と、吸入圧力を感知し、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに弁体を開弁方向に付勢し、ソレノイドに供給される電流値にかかわらず弁開度を拡大させる感圧部と、を備える。
この制御弁を圧縮機に組み込むことにより、通電量を変化させてクランク室への冷媒流量を調整することができる。圧縮機を再起動させる際には、冷媒流量を徐々に変化させることによりソフトスタートを実現することもできる。
本発明によれば、いわゆるPs感知弁を組み込んだ圧縮機においてソフトスタートを実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の説明においては、便宜上、図示の状態を基準に各構造の位置関係を上下と表現することがある。
[第1の実施の形態]
図1は、第1の実施の形態に係る冷凍サイクルを表すシステム構成図である。
この冷凍サイクルは、車両用空調装置を構成し、その冷凍サイクルを循環する冷媒を圧縮する可変容量圧縮機(以下、単に「圧縮機」という)100、圧縮された冷媒を凝縮して冷却する凝縮器102(「外部熱交換器」に該当する)、凝縮された冷媒を断熱膨張させる膨張装置103、および膨張された冷媒を蒸発させる蒸発器104を備えている。
圧縮機100は、蒸発器104側から吸入室151に導入された冷媒ガスをシリンダ152に導入し、そのシリンダ152内に往復動可能に収容されたピストンにて圧縮し、吐出室153から凝縮器102側へ高温・高圧の冷媒を吐出する。この吐出冷媒の一部は可変容量圧縮機用制御弁(以下、単に「制御弁」という)1を介してクランク室154内に導入され、圧縮機100の容量制御に供される。制御弁1は、ソレノイド駆動の電磁弁として構成され、制御部106により通電制御される。クランク室154と吸入室151とを連通する冷媒通路155にはオリフィス156が設けられており、クランク室154内の圧力を減圧して吸入室151側へ導出可能になっている。
圧縮機100の回転軸には、図示しないエンジンの駆動力がプーリを介して伝達される。その回転軸に傾斜角可変に支持された揺動板は、その角度がクランク室154内で揺動板を付勢するスプリングの荷重や、揺動板に作動連結されたピストンの両面にかかる圧力による荷重等がバランスした位置に保持される。この揺動板の角度は、クランク室154内に吐出冷媒の一部を導入してクランク圧力Pcを変化させ、ピストンの両面にかかる圧力の釣り合いを変化させることによって連続的に変えられる。圧縮機100は、いわゆるクラッチレス式の圧縮機であり、揺動板の角度の変化によってピストンのストロークを変えることにより、冷媒の吐出容量を調整するようにしている。クランク圧力は、圧縮機100の吐出室153とクランク室154との間に設けられた制御弁1により制御される。
制御弁1は、ソレノイド駆動の電磁制御弁として構成され、吐出室153からクランク室154に導入する冷媒流量を調整する。制御弁1は、容量制御状態においてソレノイドに供給される電流値にほぼ比例してその弁開度が変化する比例弁として動作する。制御弁1は、制御部106により駆動回路150を動作させることにより通電制御される。本実施の形態では、制御部106が駆動回路150に所定のデューティ比に設定されたパルス信号を出力し、駆動回路150からそのデューティ比に対応した電流パルスを出力させてソレノイドを駆動するデューティ制御を行う。
制御部106は、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、入出力インターフェース等を備える。制御部106は、指定したデューティ比の例えば400Hz程度のパルス信号を出力するPWM出力部を有するが、その構成自体には公知のものが採用されるため、詳細な説明を省略する。制御部106は、エンジン回転数、車室内外の温度、蒸発器104の吹き出し空気温度等、各種センサにて検出された所定の外部情報、あるいはエンジンを制御する制御装置(「エンジン制御装置」ともいう)からの指令情報に基づいて制御弁1への通電制御を行う。
膨張装置103は、いわゆる温度式膨張弁として構成されており、蒸発器104の出口側の冷媒温度をフィードバックしてその弁開度を調整し、熱負荷に応じた液冷媒を蒸発器104へ供給する。蒸発器104を通過した冷媒は圧縮機100に戻される。
また、圧縮機100の吐出室153と凝縮器102との間の冷媒通路には逆止弁107が設けられている。この逆止弁107は、吐出室153から凝縮器102への冷媒の流れのみを許容して凝縮器102側からの逆流を防止するものである。逆止弁107は、機械式の弁であってもよいし、電磁駆動により開閉されるものでもよい。
さらに、圧縮機100の吐出室153と凝縮器102との間の冷媒通路には、圧縮機100の吐出圧力を検出するための圧力センサ108(「吐出圧検出部」に該当する)が設けられている。この圧力センサ108は、図示の例では吐出室153と凝縮器102とをつなぐ配管に設けられているが、高圧側の冷媒通路に設けられていればよい。例えば、圧縮機100の出口、凝縮器102の入口または出口、あるいは膨張装置103の入口等に配設されていてもよい。
図2は、制御弁の構成を示す断面図である。
制御弁1は、吐出冷媒の一部をクランク室へ導入するための冷媒通路を開閉する弁部を含む弁本体2と、その弁部の開度を調整してクランク室へ導入する冷媒流量を制御するソレノイド3とを、接続部材4を介して一体に組み付けて構成される。
弁本体2は、段付円筒状のボディ5、ボディ5の内部に設けられた弁部、ボディ5の上端に設けられて弁部を開閉するための駆動力を発生するパワーエレメント6(「感圧部」に該当する)等を備えている。
ボディ5の側部には、圧縮機の吐出室に連通して吐出圧力Pdを受けるポート11(「吐出室連通ポート」に該当する)が設けられている。ポート11の周囲には、ボディ5の内部へのごみ等の侵入を防止するためのストレーナ12が取り付けられている。ポート11は、ボディ5の上部に設けられたポート13(「クランク室連通ポート」に該当する)と内部で連通している。ポート13は、圧縮機のクランク室に連通し、そのクランク室に制御されたクランク圧力Pcを導出する。
ポート11とポート13とを連通する冷媒通路には、段付円筒状の弁座形成部材14が配設されており、その内部通路により弁孔15が形成されている。また、弁座形成部材14において弁孔15の吐出室側の開口端縁により弁座16が形成されている。さらに、弁孔15を貫通するように、長尺有底円筒状の伝達ロッド17が挿通されており、その上端部が弁座形成部材14によって摺動可能に支持されている。この伝達ロッド17と弁孔15との間隙により、ポート11とポート13とを連通する冷媒通路が形成される。伝達ロッド17は、パワーエレメント6を構成するダイヤフラム19に当接可能となっている。
また、弁座16に吐出室側から対向して、長尺状の作動ロッド21の一端部からなる弁体22が接離自在に配置されている。作動ロッド21は、ボディ5の中央に設けられたガイド孔23に摺動可能に軸支されている。弁体22は、弁孔15の上流側で吐出室に連通する圧力室24に配置され、その先端面の外周縁が弁座16に着脱することにより弁孔15を開閉する。作動ロッド21の上端部には、伝達ロッド17の下端部が挿通され、一体的に連結されている。なお、本実施の形態では、作動ロッド21の一端部により弁体22が形成されるとしたが、作動ロッド21の全体を弁体と捉えることもできる。
ボディ5の下部は、有底円筒状の接続部材4に圧入されている。なお、このボディ5の接続部材4への圧入量によりソレノイド3の磁気ギャップを設定することが可能となっている。接続部材4の底部近傍の側部には内外を連通する連通孔が設けられており、ボディ5の下端部と接続部材4の底部との間には、圧縮機の吸入室に連通して吸入圧力Psを受けるポート26(「吸入室連通ポート」に該当する)が形成されている。ポート26は、ボディ5の下端中央に設けられた所定深さの開口孔27に連通している。ボディ5とソレノイド3とにより囲まれたこの開口孔27が位置する内部空間は、吸入圧力Psが導入される圧力室28を形成する。この圧力室28は、作動ロッド21および伝達ロッド17にそれぞれ設けられた連通孔を介してパワーエレメント6の圧力室29に連通しており、吸入圧力Psがその圧力室29に導入されるように構成されている。なお、吸入圧力Psはソレノイド3の内部にも導入可能となっている。さらに、作動ロッド21とボディ5との間には、作動ロッド21を開弁方向に付勢するスプリング30が介装されている。
一方、ソレノイド3は、ヨークとしても機能するケース31と、ケース31内に固定されたコア32と、コア32と軸線方向に対向配置されたプランジャ33と、外部からの供給電流により磁気回路を生成する電磁コイル34とを備えている。接続部材4とソレノイド3とは、接続部材4の下端部とケース31の上端部とを突き合わせ、その接合部をコア32の上端部を加締めることにより固定することで連結されている。
コア32には、その中央を軸線方向に貫通する挿通孔35が設けられており、ソレノイド力を弁体22へ伝達するためのシャフト36を挿通している。コア32の上端部には、リング状の軸受け部材38が圧入されており、シャフト36の上端部がこの軸受け部材38に摺動可能に支持されている。圧力室28内の吸入圧力Psは、シャフト36と軸受け部材38との微少な間隙を介してソレノイド3の内部にも導入可能となっている。
コア32には、また、下端が閉じた有底スリーブ39が外挿されている。有底スリーブ39内においては、プランジャ33がコア32の下方で軸線方向に進退可能に配置されている。有底スリーブ39は、その下端部が縮管されており、その縮管部によってシャフト36の下端部を摺動可能に軸支している。プランジャ33は、円筒状をなし、シャフト36の下半部に圧入されている。
コア32とプランジャ33との間には、プランジャ33をコア32から離間する方向、つまり開弁方向に付勢するスプリング37が介装されている。本実施の形態において、このスプリング37および上述したスプリング30が、弁体22に開弁方向の付勢力を付与する付勢部材を構成する。
ケース31の下端開口部には、ソレノイド3の内部を下方から封止するように樹脂材からなる取っ手40が設けられている。この取っ手40には、ケース31とともに磁気回路を構成する磁性部材からなるカラー42が埋設されている。取っ手40はまた、電磁コイル34につながる端子の一端を露出させるコネクタ部としても機能する。
以上のように構成された制御弁1は、取り付け用のワッシャ45を介して圧縮機100の所定の冷媒通路内に固定される。
次に、感圧部および弁部周辺の構成および動作について詳細に説明する。
図3は、図2の上半部に対応する部分拡大断面図である。同図は、制御弁が大気に放置された状態を表している。
パワーエレメント6は、弁座形成部材14の上端部に固定された中空のハウジング50と、ハウジング50内を密閉空間S1と開放空間S2とに仕切るように配設された金属薄膜からなるダイヤフラム19と、密閉空間S1に配置された金属薄板からなる皿ばね51とを含んで構成されている。ダイヤフラム19は、例えばベリリウム銅やステンレス鋼等の金属薄板からなるものでもよい。皿ばね51は、例えばステンレス鋼からなるものでもよい。さらに、ダイヤフラム19と皿ばね51との間には、両者間の摩耗を抑制するための薄膜状の耐摩耗シート52(「薄膜状部材」に該当する)が介装されている。この耐摩耗シート52によりダイヤフラム19の寿命を長くしている。この耐摩耗シート52としては、例えばテフロン(登録商標)などのフッ素樹脂からなる薄膜シートあるいはポリイミドフィルム等を使用することができる。開放空間S2が上述の圧力室29を構成している。本実施の形態では、ダイヤフラム19と皿ばね51とを重ねて構成された部材が「感圧部材」として機能する。
ハウジング50は、いずれもステンレス等をプレス成形して得られた皿状の第1ハウジング53および第2ハウジング54からなり、これらの開口部を突き合わせてその外縁部にダイヤフラム19および耐摩耗シート52の外縁部を挟むようにして組み付けられる。すなわち、ハウジング50は、第1ハウジング53側に皿ばね51を配置するとともに、第1ハウジング53と第2ハウジング54との間にダイヤフラム19および耐摩耗シート52を挟んだ状態でその接合部に沿って外周溶接(TIG溶接)が施されることにより、容器状に形成されている。両ハウジングの溶接は真空雰囲気内で行われ、その溶接の後、第1ハウジング53の底部中央に形成された真空引き用の孔部を封止するようにボール部材55を溶接する。このため、密閉空間S1は真空状態となっているが、密閉空間S1内に大気等を満たすようにしてもよい。密閉空間S1に配置された皿ばね51は、ダイヤフラム19に沿って中央部が下側にやや膨らんだ凸形状をなしている。このため、パワーエレメント6が大気に放置された状態ではダイヤフラム19も皿ばね51に沿った凸形状となる。
第2ハウジング54は、その中央部が下方に延出しており、弁座形成部材14の上端部に圧入されている。第2ハウジング54、ダイヤフラム19、弁座形成部材14および伝達ロッド17に囲まれた空間が圧力室29を形成している。
一方、伝達ロッド17は、下方に開口する有底円筒状をなし、曲面状の上端面中央がダイヤフラム19の下面中央に当接している。伝達ロッド17の上端近傍の側部には、内部通路61と圧力室29とを連通する連通孔62が形成されている。一方、作動ロッド21は、その上半部が段付円筒状をなし、その上端開口部63に伝達ロッド17の下端部が内挿されている。本実施の形態において、伝達ロッド17と作動ロッド21とは固定されておらず、両者間にはその接続部において微少なクリアランスが設けられている。これにより、弁座形成部材14の軸心とガイド孔23の軸心とが微妙にずれていたとしても、そのクリアランスがこれを吸収し、伝達ロッド17および作動ロッド21の軸線方向の動きが妨げられないようになっている。作動ロッド21の側部には、内部通路64と圧力室28とを連通させる連通孔65が形成されている。
このような構成により、ポート26を介して導入された吸入圧力Psは、作動ロッド21の内部通路64および伝達ロッド17の内部通路61を介して圧力室29に導入される。ダイヤフラム19は、この吸入圧力Psを感知して弁部の開閉方向に伸縮動作する。
弁座形成部材14は、その下端面とボディ5との間にポリイミドフィルム等からなる薄膜状のダイヤフラム67(「シール部材」に該当する)を挟んだ状態でボディ5の上半部に挿通されている。弁座形成部材14は、ボディ5の上端開口部が部分的に内方に加締められることによってボディ5に固定されている。作動ロッド21がこのダイヤフラム67の中央部を貫通しているが、ダイヤフラム67の内縁が作動ロッド21の外周面に密着しているため、ダイヤフラム67の上下で冷媒の漏洩が防止され、吐出圧力Pdが圧力室28に及ばないようになっている。弁座形成部材14の側部の上下には内外を連通する連通孔71,72がそれぞれ設けられており、ポート11とポート13とを連通させている。
本実施の形態においては、弁座形成部材14における伝達ロッド17の摺動部(摺動孔)の断面積Aと弁孔15の断面積Bとが等しく形成されている。したがって、伝達ロッド17と作動ロッド21との結合体(以下「ロッド結合体」という)に作用するクランク圧力Pcによる力がキャンセルされる。一方、ガイド孔23の断面積Cは断面積A,Bよりやや大きいものの、実質的に等しく形成されている。したがって、作動ロッド21に作用する吐出圧力Pdによる力がキャンセルされ、さらに、ロッド結合体に作用する吸入圧力Psによる力がキャンセルされる。したがって、パワーエレメント6による駆動力が作用していないときには、ロッド結合体には、シャフト36を介して伝達される閉弁方向のソレノイド力と、スプリング30およびスプリング37(図1参照)からなる付勢部材による開弁方向の付勢力とが作用する。つまり、弁体22は、これらの力のバランスにより弁部の開閉方向に動作し、その弁開度はソレノイド力に比例する。
一方、吸入圧力Psが低くなると、パワーエレメント6におけるダイヤフラム19の前後差圧が小さくなる。その結果、相対的に皿ばね51の荷重が大きくなり、感圧部材が開弁方向に変位する。このパワーエレメント6による駆動力が作用すると、ロッド結合体は開弁方向に変位する。
本実施の形態の感圧部材は、ダイヤフラム19および皿ばね51の個々の剛性を合わせた剛性を有し、ダイヤフラム19のしなやかさを保持する一方、皿ばね51によって耐圧強度が高められている。皿ばね51は、片側に凸状に膨らんだ形状を有するため、その凸部側から荷重が負荷されると、その荷重が小さい間は変形量も小さいが、荷重が大きくなるにつれてフラットになる側に徐々に変形し、さらに荷重が大きくなると反転して中央部が大きく変位する。このため、皿ばね51の荷重に対する変形の特性は全体としては非線形となるが、その形状がフラットになる前後の所定の変位幅においては線形性を有する。
本実施の形態では、この線形領域を制御領域に利用することにより、正確な弁開度制御を行っている。この皿ばね51の荷重を調整することにより、ダイヤフラム19および皿ばね51からなる感圧部材を変位させるのに要する吸入圧力Psも変化する。パワーエレメント6の弁座形成部材14に対する圧入量を変化させることにより、皿ばね51の設定荷重を微調整することもできる。これにより、吸入圧力Psが設定圧力Psetを下回ると、感圧部材が変位して伝達ロッド17を介して弁体22に開弁方向の駆動力を作用させる。本実施の形態では、蒸発器の凍結防止を保証できる吸入圧力Psの値を実験等により予め取得し、その値を設定圧力Psetとして設定している。
図4は、弁体の変位と弁体に作用しうる荷重(力)との関係を表す図である。同図において、横軸は閉弁位置を基準とする弁体の開弁方向への変位量(ストローク)x、つまり弁開度を表し、縦軸は弁体に作用する各力Fの大きさを表している。図中一点鎖線はソレノイド力を表し、実線はスプリングによる力を表している。
すなわち、ソレノイド力fiは、供給電流i(A)とストロークx(mm)の関数f(i,x)となっており、その絶対値は、電流値によって図示のように変化する。同図に示すように、外部から供給される電流値が大きくなるほど、閉弁方向に作用する力が大きくなる。一方、スプリング30およびスプリング37(これらを合わせて単に「スプリング」とも表現する)による付勢力fsは、ストロークx(mm)の関数fs(x)となっており、ストロークxが大きくなるほど、開弁方向に作用する付勢力が小さくなる。図示のように、ストロークxの変化に対するスプリングの付勢力fsの変化量は、ソレノイド力fiの変化量よりも大きい。そのような特性が得られるように、各スプリングのばね定数が選定されている。すなわち、弁体22の開弁方向への変位に対するソレノイド力fiおよび付勢力fsの各変化率(傾き)が異なるため、ソレノイド3へ供給する電流値を変化させれば、スプリングの付勢力fsとソレノイド力fiとがバランスする弁体22の変位を変化させることができる。同図においては、電流値i=0.3Aとすればストロークxをx1にでき、電流値i=0.2Aとすればストロークxをx2にできることが例示されている。したがって、制御部106は、その制御弁1を通電量に比例した冷媒流量を得るための比例弁として機能させることができる。
参考までに、図中破線は、スプリングの変化率が小さい場合を例示している。スプリングがこのような特性を有する場合、ソレノイド力fiとのバランス点を複数設けることができない。このため、ソレノイド3に供給する電流値を変化させても、弁体22は、ある電流値を境に閉弁状態または全開状態に変化してしまうことになる。本実施の形態では、スプリングのばね定数を比較的大きく設定することにより比例弁を実現している。
図5〜図7は、制御弁の感圧部を中心とした動作を表す説明図である。各図は、図3に対応する部分拡大断面図である。図5は、ソレノイド3がオフにされ、吸入圧力Psが高いときの状態を示している。図6は、ソレノイド3がオンにされ、弁部が微少開度に保持された容量制御中の状態を示している。図7は、容量制御中において吸入圧力Psが設定圧力Psetを下回ったときの状態を示している。
ソレノイド3の非通電状態においては吸入圧力Psが高いため、図5に示すように、開放空間S2に導入されたその吸入圧力Psと、密閉空間S1内の内部圧力との差圧が大きく、その差圧による荷重がダイヤフラム19および皿ばね51に作用する。このため、皿ばね51がその周縁部を支点にしてその凸形状が反転する側に弾性変形し、第1ハウジング53の内壁にほぼ沿うようになる。本実施の形態では、このように皿ばね51が第1ハウジング53の内壁面によって係止されるため、完全に反転する手前の状態に保持される。なお、後述のように吸入圧力Psが低くなれば、皿ばね51がその弾性力により元の形状に復帰できる。言い換えれば、第1ハウジング53は、このように皿ばね51が反転する手前の状態に変形したときの形状に沿う浅い形状に形成されている。これは、パワーエレメント6ひいては制御弁1のコンパクト化にも寄与している。一方、ソレノイド3が非通電状態であるためにソレノイド力は発生せず、弁体22には、実質的にスプリングによる付勢力のみが作用し、弁部は全開状態となっている。
ソレノイド3に通電された容量制御状態において、吸入圧力Psが設定圧力Psetよりも高いときには(Ps>Pset)、図6に示すように感圧部材が伝達ロッド17から離れている。このため、制御弁1は、スプリングによる付勢力とソレノイド力とがバランスした開弁状態を保持する。すなわち、弁開度がソレノイド3に供給される電流値にほぼ比例するように変化し、制御弁1が比例弁として動作する。
制御部106は、例えばエンジンを制御する制御装置(「エンジン制御装置」ともいう)からの要求に応じて圧縮機100の負荷トルクを小さくすることができる。その際、急を要する場合には制御弁1への通電を遮断してソレノイド3をシャットダウンさせればよいが、安定に負荷トルクを小さくさせるために、ソレノイド3への供給電流値を徐々に小さくしてクランク室154への冷媒導入量を増加させてもよい。ソレノイド3を再起動させる場合には、制御部106は、圧力センサ108により検出された吐出圧力Pdに基づき、その吐出圧力Pdが徐々に大きくなるように制御弁1へ供給する電流値を変化させ、クランク室154へ導入する冷媒流量を徐々に増加させてもよい。これにより、圧縮機100のソフトスタートを実現できる。
そして、吸入圧力Psが設定圧力Psetを下回ろうとすると(吸入圧力Ps≦設定圧力Pset)、図7のように感圧部材が伝達ロッド17に接触し、これを押圧して弁開度を拡大する。それにより、弁体22が開弁方向へ変位して弁部の開度を拡大し、クランク圧力Pcが上昇して吐出容量を低減させる。その結果、吸入圧力Psが設定圧力Psetに維持され、過剰冷房が防止される。すなわち、制御弁1は、吸入圧力Psを設定圧力Psetに保持しようするいわゆるPs感知弁として動作する。
以上に説明したように、本実施の形態によれば、吸入圧力Psが設定圧力Psetよりも低くなったときにパワーエレメント6が動作し、弁体22に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させる。これにより吸入圧力Psの低下が抑制され、蒸発器付近における過剰冷房が防止される。一方、スプリングのばね定数を比較的大きく設定することにより、吸入圧力Psが設定圧力Psetよりも高いときには、制御弁1が比例弁として機能するようにした。これにより、例えば圧縮機100をシャットダウンした状態から再起動させる際には、冷媒流量を徐々に変化させることによりソフトスタートを実現することもできる。さらに、制御弁1においては、ボディ5のソレノイド3とは反対側の端部にパワーエレメント6が設けられ、そのハウジング50の形状を皿ばね51の形状に合わせるようにした。このため、パワーエレメント6そのもの、ひいては制御弁1をコンパクトに構成することができる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態に係る制御弁は、受圧形態が異なる点を除けば第1の実施の形態の制御弁とほぼ同様の構成を有する。このため、上記第1の実施の形態とほぼ同様の構成部分については同一の符号を付す等して適宜その説明を省略する。図8は、第2の実施の形態に係る制御弁の上半部の部分拡大断面図である。同図は、制御弁が大気に放置された状態を表している。
制御弁201は、弁本体202とソレノイド3とを接続部材4を介して一体に組み付けて構成される。ポート11とポート13とを連通する冷媒通路には、パワーエレメント206のハウジング250の下部が挿通されており、その内部通路により弁孔15が形成されている。また、ハウジング250において弁孔15の吐出室側の開口端縁により弁座16が形成されている。さらに、弁孔15を貫通するように、円柱状の伝達ロッド217が挿通されており、ハウジング250によって摺動可能に支持されている。この伝達ロッド217の外周面に設けられた凹部18と弁孔15との間隙により、ポート11とポート13とを連通する冷媒通路が形成される。伝達ロッド217の上端は、パワーエレメント206のダイヤフラム19に当接可能となっている。
また、弁座16に吐出室側から対向して、長尺円柱状の作動ロッド221の一端部からなる弁体22が接離自在に配置されている。作動ロッド221は、ボディ205の中央に設けられたガイド孔23に摺動可能に軸支されている。作動ロッド221の上端面は、伝達ロッド217の下端面に下方から当接し、これを軸線方向に支持している。なお、本実施の形態では、作動ロッド221の一端部により弁体22が形成されるとしたが、作動ロッド221の全体を弁体と捉えることもできる。作動ロッド221とボディ205との間には、作動ロッド221を開弁方向に付勢するスプリング30が介装されている。
パワーエレメント206は、ハウジング250、ハウジング250内を仕切るダイヤフラム19、密閉空間S1に配置された皿ばね51を含んで構成されている。ハウジング250の第2ハウジング254は、その中央部が下方に円筒状に延出してボス部57となっており、そのボス部57がボディ205の上端開口部に圧入されている。ボス部57の下部により弁孔15が形成されている。第2ハウジング254には、その内外を連通する複数の連通孔58が設けられており、第2ハウジング254、ダイヤフラム19および弁体22(作動ロッド221)に囲まれた空間が、ポート13および開放空間S2に連通する圧力室29を形成している。ダイヤフラム19には、この圧力室29に導入されるクランク圧力Pcが作用する。
一方、伝達ロッド217は円柱状をなし、曲面状の上端面中央がダイヤフラム19の下面中央に当接している。伝達ロッド217の側面には、圧力室29とを連通する凹部18が形成されている。伝達ロッド217の下面はフラットになっており、作動ロッド221のフラットな上端面に当接している。本実施の形態において、伝達ロッド217と作動ロッド221とは固定されておらず、両者のそれぞれに加わる力の関係によっては離間可能となるが、変形例においてはこれらが一体に固定あるいは、一体成形されていてもよい。その場合、伝達ロッド217はボス部57に対して摺動する必要はなく、両者の間に冷媒通路となる間隙が形成されていてもよい。
ガイド孔23のポート11側の開口端縁には、ポリイミドフィルム等からなる薄膜状のダイヤフラム60(「シール部材」に該当する)が配設されている。作動ロッド221がこのダイヤフラム60の中央部を貫通しているが、ダイヤフラム60の内縁が作動ロッド221の外周面に密着しているため、ダイヤフラム60の上下で冷媒の漏洩が防止され、吐出圧力Pdが圧力室28に及び難くなっている。作動ロッド221の軸線方向中央部の外周面には、凹部25が形成されている。この凹部25は、仮にポート11から導入された冷媒がポート26側に漏れた場合に、その冷媒に含まれるごみを滞留させ、作動ロッド221の摺動部の間隙に詰まるのを防止する。
なお、本実施の形態においても、ソレノイド3のコア32とプランジャ33との間には、プランジャ33を介して弁体22を開弁方向に付勢するスプリング37が介装されているが、その図示については省略する(図2参照)。
本実施の形態においても、弁体22の有効受圧面積B2(弁孔15の断面積と実質的に等しい)と、ガイド孔23の断面積C2とが実質的に等しく形成されている。したがって、作動ロッド221に作用する吐出圧力Pdによる力がキャンセルされる。
また、弁体22の有効受圧面積B2と、ダイヤフラム19および皿ばね51からなる感圧部材のみかけの有効受圧面積D2とが実質的に等しく形成されている。なお、ここでいう「みかけの有効受圧面積」とは、感圧部材を制御点近傍の所定位置まで軸線方向に一定量変位させるのに要する軸線に沿った集中荷重を、同時に感圧部材の前後に付与する等分布圧力を変化させて測定し、その集中荷重の変化量をその等分布圧力の変化量にて除算して得られる面積として定義される。なお、ここでいう「制御点」とは、ソレノイド3がオンにされた制御状態における感圧部材の中央部の位置を意味し、感圧部材がほぼフラットになった状態に対応する。
具体的には、感圧部材の片側(例えば凸側)に等分布圧力P=P1を付与した状態でその中心に軸線に沿った集中荷重Fを付与する。このとき、その感圧部材がフラットな形状まで変位するのに集中荷重F=F1を要したとする。一方、同様に感圧部材の片側に等分布圧力P=P2を付与した状態で集中荷重Fを付与する。このとき、その感圧部材がフラットな形状まで変位するのに集中荷重F=F2を要したとする。このとき、みかけの有効受圧面積D2は、下記式(1)により算出される。
D2=ΔF/ΔP ・・・(1)
ΔF=|F2−F1|
ΔP=|P2−P1|
すなわち、感圧部材の形状はその軸線方向への変位にともなってやや変化するため、微視的にみればその有効受圧面積もその変位にともなって変化する。ここでは、感圧部材の平均的な有効受圧面積として「みかけの有効受圧面積」を用いている。
なお、変形例においては、ソレノイド3がオンにされた制御状態における感圧部材の軸線方向の変位による密閉空間S1の体積変化を、その軸線方向の変位量で除算して得られる面積を、みかけの有効受圧面積D2としてもよい。なお、第1の実施の形態においては述べなかったが、上述した感圧部材の有効受圧面積Dについても「みかけの有効受圧面積」を用いることができる。
したがって、パワーエレメント206による駆動力が作用していないときには、弁体22には、シャフト36を介して伝達される閉弁方向のソレノイド力と、スプリング30およびスプリング37(図2参照)からなる付勢部材による開弁方向の付勢力と、クランク圧力Pcと吸入圧力Psとの差圧(Pc−Ps)による力とが作用する。すなわち、弁体22は、吸入圧力Psが設定圧力Psetよりも高いときには、ソレノイド3に供給される電流値に応じて弁開度を変化させるとともに、差圧(Pc−Ps)をその電流値により決まる設定差圧に保持するように動作する。
図9〜図11は、制御弁の感圧部を中心とした動作を表す説明図である。各図は、図8に対応する部分拡大断面図である。図9は、ソレノイド3がオフにされ、吸入圧力Psが高いときの状態を示している。図10は、ソレノイド3がオンにされ、弁部が微少開度に保持された容量制御中の状態を示している。図11は、容量制御中において吸入圧力Psが設定圧力を下回ったときの状態を示している。
ソレノイド3の非通電状態においては吸入圧力Psが高く、クランク圧力Pcもこれに近い値となる。このため、図9に示すように、開放空間S2に導入されたクランク圧力Pcと、密閉空間S1内の内部圧力との差圧が大きくなる。その結果、皿ばね51がその周縁部を支点にしてその凸形状が反転する側に弾性変形し、第1ハウジング53の内壁にほぼ沿うようになる。一方、ソレノイド3が非通電状態であるためにソレノイド力は発生しない。このため、弁体22は、スプリングによる付勢力と、差圧(Pc−Ps)による力とを受けて開弁方向に動作し、弁部が全開状態となっている。
一方、ソレノイド3に通電された容量制御状態において吸入圧力Psが設定圧力Psetよりも高いときには(Ps>Pset)、図10に示すように作動ロッド221が伝達ロッド217から離れている。制御弁201は、差圧(Pc−Ps)を設定差圧に保持するいわゆるPc−Ps弁として動作する。
そして、吸入圧力Psが設定圧力Psetを下回ろうとすると(吸入圧力Ps≦設定圧力Pset)、図11のように感圧部材が伝達ロッド217に接触し、これを押圧して弁開度を拡大する。それにより、弁体22が開弁方向へ変位して弁部の開度を拡大し、クランク圧力Pcが上昇して吐出容量を低減させる。その結果、吸入圧力Psが設定圧力Psetに維持され、過剰冷房が防止される。すなわち、制御弁201は、吸入圧力Psを設定圧力Psetに保持しようするいわゆるPs感知弁として動作する。
以上、本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はその特定の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施の形態においては、圧力センサ108により検出される吐出圧力Pdが徐々に大きくなるように制御することで圧縮機100のソフトスタートを実現する例を示した。変形例においては、より確実なソフトスタートの実現のために、吸入圧力Psを検出する圧力センサをさらに設け、両圧力センサにより検出された圧力の差圧(Pd−Ps)が徐々に大きくなるように、制御弁1への通電量を制御するようにしてもよい。
上記実施の形態では述べなかったが、制御弁を比例弁としてではなく、いわゆるオン・オフ弁として機能させてもよい。例えば10Hz程度の低周波によるデューティ制御によりソレノイドへの通電をオン・オフし、制御弁の弁部を繰り返し開閉させて制御してもよい。なお、この周波数は、弁体がその周波数に追従して動作できる程度であればよい。このようにして弁部の開閉タイミングを調整することにより、クランク室への冷媒導入量を変化させることができる。すなわち、圧縮機を再起動させる際には、冷媒流量を徐々に変化させてソフトスタートを実現することができる。
上記実施の形態においては、感圧部としてのパワーエレメントを、ハウジングと、これを密閉空間と開放空間とに仕切る金属製のダイヤフラムと、密閉空間に配置されてダイヤフラムの剛性を補う皿ばねとを含んで構成する例を示した。変形例においては、感圧部材として皿ばねをなくし、比較的厚みがあり皿ばねのような反転動作が可能な金属製ダイヤフラムを用いてもよい。あるいは逆に、ダイヤフラムをなくし、皿ばねをハウジングに直接固定する構成としてもよい。
上記実施の形態の制御弁は、冷媒として代替フロン(HFC−134a)など使用する冷凍サイクルに好適に適用されるが、二酸化炭素のように作動圧力が高い冷媒を用いる冷凍サイクルに適用することも可能である。その場合には、冷凍サイクルに凝縮器に代わってガスクーラなどの熱交換器が配置される。
第1の実施の形態に係る冷凍サイクルを表すシステム構成図である。 制御弁の構成を示す断面図である。 図2の上半部に対応する部分拡大断面図である。 弁体の変位と弁体に作用しうる荷重(力)との関係を表す図である。 制御弁の感圧部を中心とした動作を表す説明図である。 制御弁の感圧部を中心とした動作を表す説明図である。 制御弁の感圧部を中心とした動作を表す説明図である。 第2の実施の形態に係る制御弁の上半部の部分拡大断面図である。 制御弁の感圧部を中心とした動作を表す説明図である。 制御弁の感圧部を中心とした動作を表す説明図である。 制御弁の感圧部を中心とした動作を表す説明図である。
符号の説明
1 制御弁、 3 ソレノイド、 5 ボディ、 6 パワーエレメント、 15 弁孔、 16 弁座、 17 伝達ロッド、 19 ダイヤフラム、 21 作動ロッド、 22 弁体、 23 ガイド孔、 30 スプリング、 37 スプリング、 50 ハウジング、 60 ダイヤフラム、 67 ダイヤフラム、 100 圧縮機、 102 凝縮器、 103 膨張装置、 104 蒸発器、 106 制御部、 107 逆止弁、 108 圧力センサ、 150 駆動回路、 151 吸入室、 152 シリンダ、 153 吐出室、 154 クランク室、 156 オリフィス、 201 制御弁、 205 ボディ、 206 パワーエレメント、 217 伝達ロッド、 221 作動ロッド、 250 ハウジング、 S1 密閉空間、 S2 開放空間。

Claims (9)

  1. 空調装置を構成する冷凍サイクルにおいて、
    吸入室から導入された冷媒を圧縮して吐出室から吐出するとともに、クランク室の圧力に応じて吐出容量が変化する可変容量圧縮機と、
    前記可変容量圧縮機から吐出された冷媒を冷却する外部熱交換器と、
    前記外部熱交換器から送出された冷媒を減圧する膨張装置と、
    前記膨張装置にて減圧された冷媒を蒸発させるとともに前記可変容量圧縮機に向けて送出する蒸発器と、
    前記可変容量圧縮機の吐出冷媒の一部を前記クランク室に導入するために前記吐出室と前記クランク室とを連通する冷媒導入通路と、その冷媒導入通路を開閉する弁体と、その弁体に開弁方向の付勢力を付与する付勢部材と、供給電流に応じた閉弁方向のソレノイド力を発生させるソレノイドと、吸入圧力を感知し、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに前記弁体に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させる感圧部とを含んで構成される制御弁と、
    所定の外部情報に基づいて前記制御弁への通電制御を行う制御部と、
    を備え、
    前記付勢部材は、前記弁体の開弁方向への変位に応じてその付勢力が小さくなるとともに、その弁体の変位量に対するその付勢力の変化量が、前記弁体の変位量に対する前記ソレノイド力の変化量よりも大きくなる特性を有し、
    前記制御部は、前記吸入圧力が前記設定圧力よりも大きいときに、前記外部情報に基づいて前記制御弁へ供給する電流値を変化させ、その電流値に応じた弁開度となるように制御することを特徴とする冷凍サイクル。
  2. 吐出圧力を検出する吐出圧検出部をさらに備え、
    前記制御部は、検出された吐出圧力に基づき、その吐出圧力が徐々に大きくなるように前記制御弁へ供給する電流値を変化させることを特徴とする請求項1に記載の冷凍サイクル。
  3. 前記吸入圧力を検出する吸入圧検出部をさらに備え、
    前記制御部は、検出された吐出圧力および吸入圧力に基づき、その吐出圧力と吸入圧力との差圧が徐々に大きくなるように前記制御弁へ供給する電流値を変化させることを特徴とする請求項2に記載の冷凍サイクル。
  4. 吸入室から導入された冷媒を圧縮して吐出室から吐出する可変容量圧縮機に組み込まれ、前記吐出室からクランク室へ導入する冷媒流量を制御して前記可変容量圧縮機の吐出容量を変化させる可変容量圧縮機用制御弁において、
    前記吐出室と前記クランク室とを連通する冷媒導入通路が形成されたボディと、
    前記冷媒導入通路を開閉する弁体と、
    前記弁体に開弁方向の付勢力を付与する付勢部材と、
    供給電流に応じた閉弁方向のソレノイド力を発生させるソレノイドと、
    吸入圧力を感知し、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに前記弁体に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させる感圧部と、
    を備え、
    前記付勢部材が、前記弁体の開弁方向への変位に応じてその付勢力が小さくなるとともに、その弁体の変位量に対するその付勢力の変化量が、前記弁体の変位量に対する前記ソレノイド力の変化量よりも大きくなる特性を有し、前記吸入圧力が前記設定圧力よりも大きいときに、供給される電流値に応じた弁開度となるように前記弁体が自律的に動作するように構成されていることを特徴とする可変容量圧縮機用制御弁。
  5. 前記冷媒導入通路を形成する弁孔に接離するように配置された前記弁体と、
    前記ボディの一端側に設けられたハウジングと、前記ハウジング内を前記吸入圧力が導入される開放空間と密閉空間とに仕切るように配設された感圧部材とを含み、前記吸入圧力が前記設定圧力よりも低くなったときに前記感圧部材が開弁方向に変位するように構成された前記感圧部と、
    前記ボディの他端側に設けられた前記ソレノイドと、
    一端側が前記弁体に支持され他端側が前記感圧部材に接離可能な本体を有し、前記吸入圧力が前記設定圧力よりも低くなったときに、前記感圧部材による開弁方向の駆動力を前記弁体へ伝達可能な伝達ロッドと、
    を備えたこと特徴とする請求項4に記載の可変容量圧縮機用制御弁。
  6. 前記ボディの一端側から順に前記クランク室に連通するクランク室連通ポート、前記吐出室に連通する吐出室連通ポート、吸入室に連通する吸入室連通ポートが設けられ、
    前記ボディ内において、前記吐出室連通ポートと前記クランク室連通ポートとをつなぐ冷媒通路に前記弁孔が設けられる一方、前記弁体が前記吐出室連通ポートと前記吸入室連通ポートとの間に形成されたガイド孔に沿って軸線方向に摺動可能に支持され、
    前記吸入室連通ポートが、前記弁体および前記伝達ロッドのそれぞれを貫通するように設けられた内部通路を介して前記開放空間へ連通するように構成され、
    前記伝達ロッドは、一端側が前記ボディ内に設けられた摺動孔に沿って摺動可能に支持される一方、他端側が前記弁孔を貫通して前記弁体に接続され、
    前記ガイド孔の断面積と前記弁孔の断面積とが実質的に等しく形成されることにより、前記弁体に作用する吐出圧力がキャンセルされるように構成され、前記摺動孔の断面積と前記弁孔の断面積とが実質的に等しく形成されることにより、前記弁体に作用する前記クランク室の圧力がキャンセルされるように構成されていることを特徴とする請求項5に記載の可変容量圧縮機用制御弁。
  7. 前記冷媒導入通路を形成する弁孔に接離するように配置され、その一端側で前記クランク室の圧力を受ける一方、他端側で前記吸入圧力を受け、軸線方向に動作して弁部を開閉する前記弁体と、
    前記ボディの一端側に設けられたハウジングと、前記ハウジング内を前記クランク室の圧力が導入される開放空間と密閉空間とに仕切るように配設された感圧部材とを含んで構成された前記感圧部と、
    前記ボディの他端側に設けられた前記ソレノイドと、
    前記感圧部材と前記弁体との間に配設され、前記吸入圧力が前記設定圧力よりも低くなったときに、前記感圧部材の駆動力を前記弁体へ伝達可能な伝達ロッドと、
    を備え、
    前記弁体の有効受圧面積と前記感圧部材の有効受圧面積とが実質的に等しく形成されることにより、前記吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに、前記弁体に作用する前記クランク室の圧力が実質的にキャンセルされるとともに、前記感圧部材が変位して前記弁体に開弁方向の駆動力を付与する一方、前記吸入圧力が設定圧力よりも高いときには、前記弁体が前記クランク室の圧力と前記吸入圧力との差圧を、前記ソレノイドに供給される電流値により決まる設定差圧に保持するように動作することを特徴とする請求項4に記載の可変容量圧縮機用制御弁。
  8. 空調装置を構成する冷凍サイクルにおいて、
    吸入室から導入された冷媒を圧縮して吐出室から吐出するとともに、クランク室の圧力に応じて吐出容量が変化する可変容量圧縮機と、
    前記可変容量圧縮機から吐出された冷媒を冷却する外部熱交換器と、
    前記外部熱交換器から送出された冷媒を減圧する膨張装置と、
    前記膨張装置にて減圧された冷媒を蒸発させるとともに前記可変容量圧縮機に向けて送出する蒸発器と、
    前記可変容量圧縮機の吐出冷媒の一部を前記クランク室に導入するために前記吐出室と前記クランク室とを連通する冷媒導入通路と、その冷媒導入通路を開閉する弁体と、その弁体に開弁方向の付勢力を付与する付勢部材と、供給電流に応じた閉弁方向のソレノイド力を発生させるソレノイドと、吸入圧力を感知し、その吸入圧力が設定圧力よりも低くなったときに前記弁体に開弁方向の力を作用させて弁開度を拡大させる感圧部とを含んで構成される制御弁と、
    所定の外部情報に基づいて前記制御弁への通電制御を行う制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記吸入圧力が前記設定圧力よりも大きいときに、前記外部情報に基づいて前記制御弁への通電をオン・オフさせて前記冷媒導入通路を開閉させ、前記吐出冷媒のクランク室への導入量がその通電周期に応じた流量となるように制御することを特徴とする冷凍サイクル。
  9. 吸入室から導入された冷媒を圧縮して吐出室から吐出する可変容量圧縮機に組み込まれ、前記吐出室からクランク室へ導入する冷媒流量を制御して前記可変容量圧縮機の吐出容量を変化させるソレノイド駆動の可変容量圧縮機用制御弁において、
    前記可変容量圧縮機の吸入圧力が設定圧力よりも大きいときに、前記ソレノイドに供給される電流値に比例した弁開度となるように自律的に動作する弁体と、
    前記吸入圧力を感知し、その吸入圧力が前記設定圧力よりも低くなったときに前記弁体を開弁方向に付勢し、前記ソレノイドに供給される電流値にかかわらず弁開度を拡大させる感圧部と、
    を備えたことを特徴とする可変容量圧縮機用制御弁。
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