JP5117983B2 - 制電性芯鞘型ポリトリメチレンテレフタレート極細糸 - Google Patents

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本発明は、制電性を有するポリトリメチレンテレフタレート極細糸及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくは、耐久性に優れた制電性とソフト感、ストレッチ性をも満足するポリトリメチレンテレフタレート極細糸を安定して得られる製造方法に関するものである。
従来からポリトリメチレンテレフタレート糸は、布帛にした時、低モジュラスによる柔らかな風合が得られ、高弾性回復によりストレッチ性もあり、繊維の持つシワ回復性、形態安定性などから型崩れしにくく、サラッとした感触が特徴であり、近年では単糸繊度が細い糸を使用した高密度織物による婦人コート地やスポーツアウター地など幅広い分野に使用されるようになった。しかしながら、本来、ポリエステルであるポリトリメチレンテレフタレートは疎水性であるため、単糸繊度の低い糸を使用した高密度織物でも比較的静電気が発生しやすく、現在では後加工での制電剤付与による制電機能付与を行っているのが主流である。しかし、後加工での制電剤付与は制電性能の洗濯耐久性が低く、この対策としてポリマー段階での制電機能付与が求められてきた。
ポリトリメチレンテレフタレートに制電性を発現させようとする試みが行われており、これまでに数多くの提案がなされている。例えば、特許文献1に記載のように、ポリトリメチレンテレフタレートにポリエチレングリコールと5−スルホン酸金属化合物を添加することが知られている。しかしながら、ポリトリメチレンテレフタレートは元々熱安定性に乏しいため、これらの化合物を加えるときわめて安定性に乏しくなり、特に単糸繊度の小さい糸を紡糸する際に、糸切れや毛羽が増え工程通過性が著しく低下するという問題があった。また、特許文献2に記載のように制電性芯鞘型ポリエチレンテレフタレート系繊維とポリトリメチレンテレフタレート繊維からなるポリエステル混用品(混繊糸、布帛等)が提案されている。確かに両者を混用することによりストレッチ性と制電性を満足することはできるが、2種類の繊維が必要となるため生産性の良いものではなかった。
特開平11−181626号公報 特開2006−2258号公報
本発明の目的は、上述したことから明らかなように、従来の極細ポリトリメチレンテレフタレート糸が持つ、柔らかな風合、ストレッチ性などの性能も維持し、制電性能にも優れた極細ポリトリメチレンテレフタレート糸及びそれを安定して製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、本発明に到達したものであって、即ち本発明によれば、
制電性ポリトリメチレンテレフタレートAと、艶消し剤を0〜10wt%含むポリトリメチレンテレフタレートBとを溶融紡糸し、芯部が制電性ポリトリメチレンテレフタレートAで形成され、他方、鞘部がポリトリメチレンテレフタレートBで形成される芯鞘型複合繊維を製造するに際し、紡出時の吐出速度と引き取り速度の比(引き取り速度/吐出速度,以降ドラフトと記す)を300〜1000の範囲で未延伸糸を40℃〜70℃に加熱した第一ローラーで1000〜3000m/minにて巻き付け、次に110〜150℃に加熱した第二ローラーに1.2〜2.5倍に延伸し巻き付け、第二ローラーよりも低速で巻き取ることにより、下記(1)〜(5)の条件を満足する芯鞘型複合繊維を得ることを特徴とする制電性芯鞘型ポリトリメチレンテレフタレート極細繊維の製造方法。
(1)単糸繊度が1.5dtex以下である。
(2)芯部の面積Aと鞘部の面積Bとの比A:Bが5:95〜80:20の範囲である。
(3)単糸の強度が3.0cN/dtex以上である。
(4)繊維の摩擦帯電圧が2000V以下であること。
(5)制電性ポリトリメチレンテレフタレートAがポリエステル100重量部に対して、制電剤として、(a)下記式で表されるポリオキシアルキレン系ポリエーテルを4〜10重量部及び(b)該ポリエステルと実質的に非反応性の有機イオン性化合物2〜8重量部を含有してなる制電性ポリトリメチレンテレフタレートであること。
Z−[(CHCHO)n(RO)m−R]k
[式中、Zは1〜6個の活性水素原子を有する有機化合物残基、Rは炭素原子数6以上のアルキレン基又は置換アルキレン基、Rは水素原子、炭素原子数1〜40の一価の炭化水素基、炭素原子数2〜40の一価のヒドロキシ炭化水素又は炭素原子数2〜40の一価のアシル基、kは1〜6の整数、nはn≧70/kを満足する整数、mは1以上の整数]
が提供される。
本発明の制電性芯鞘型ポリトリメチレンテレフタレート極細繊維は、従来の極細ポリトリメチレンテレフタレート糸が持つ、柔らかな風合、ストレッチ性などの性能も維持し、制電性及び制電耐久性にも優れたポリエステル布帛とすることができる。
以下本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明でいうポリトリメチレンテレフタレート繊維とは、トリメチレンテレフタレートを主たる繰り返し単位とするポリエステルからなる繊維である。このポリエステルは、トリメチレンテレフタレート単位を構成する成分以外の第3成分を共重合した、共重合ポリトリメチレンテレフタレートであってもよい。上記第3成分(共重合成分)は、ジカルボン酸成分またはグリコール成分のいずれでもよい。ここで「主たる」とは、全繰り返し単位中、90モル%以上であることを表す。
第3成分として好ましく用いられる成分としては、ジカルボン酸成分として、2,6−ナフタレンジカルボン酸、イソフタル酸もしくはフタル酸などの芳香族ジカルボン酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸もしくはデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環式ジカルボン酸など、また、グリコール成分として、エチレングリコール、テトラメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、シクロヘキサンジメタノールもしくは2,2−ビス[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンなどが例示され、これらは単独または二種以上を使用することができる。かかる芳香族ポリエステルは任意の方法によって合成される。
本発明で使用する制電剤の一方成分としての下記一般式(1)で表わされるポオキシエチレン系ポリエーテル(a)は、ポリトリメチレンテレフタレートに実質的に不溶性のものであれば、単一のオキシアルキレン単位からなるポリオキシアルキレングリコールであっても、二種以上のオキシアルキレン単位からなる共重合ポリオキシアルキレングリコールであってもよい。
Z−[(CHCHO)n(RO)m−R]k 式(1)
[式中、Zは1〜6個の活性水素原子を有する有機化合物残基、Rは炭素原子数6以上のアルキレン基又は置換アルキレン基、Rは水素原子、炭素原子数1〜40の一価の炭化水素基、炭素原子数2〜40の一価のヒドロキシ炭化水素又は炭素原子数2〜40の一価のアシル基、kは1〜6の整数、nはn≧70/kを満足する整数、mは1以上の整数]
かかるポリオキシアルキレン系ポリエーテルの具体例としては、分子量が4000以上のポリオキシエチレングリコール、分子量が1000以上のポリオキシプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコール、分子量が2000以上のエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド共重合体、分子量4000以上のトリメチロールプロパンエチレンオキサイド付加物、分子量3000以上のノニルフェノールエチレンオキサイド付加物、並びにこれらの末端OH基に炭素数が6以上の置換エチレンオキサイドが付加した化合物があげられ、なかでも分子量が10000〜100000のポリオキシエチレングコール、及び分子量が5000〜16000の、ポリオキシエチレングリコールの両末端に炭素数が8〜40のアルキル基置換エチレンオキサイドが付加した化合物が好ましい。
ポリオキシアルキレン系ポリエーテル化合物の配合量は、前記芳香族ポリエステル100重量部に対して4〜10重量部の範囲である。4重量部未満の場合は単糸繊度が1.5dtex以下の極細繊維においては制電性が低下し、一方10重量部を超える場合は最早制電性の向上効果は認められず、かえって繊維の強度が低下したり、又該ポリエーテルがブリードアウトし易くなるため溶融成形時チップのルーダーへのかみこみ性が低下して、製糸性が悪化するため好ましくない。
本発明においてはもう一方の制電剤として有機イオン性化合物を配合する。有機イオン性化合物としては、例えば下記一般式(2)、(3)で示されるスルホン酸金属塩及びスルホン酸第4級ホスホニウム塩を好ましいものとしてあげることができる。
RSOM (2)
[式中、Rは炭素原子数3〜30のアルキル基又は炭素原子数7〜40のアリール基、Mはアルカリ金属又はアルカリ土類金属を示す]
上記式(2)においてRがアルキル基のときはアルキル基は直鎖状であっても又は分岐した側鎖を有していてもよい。MはNa,K,Li等のアルカリ金属又はMg,Ca等のアルカリ土類金属であり、なかでもLi,Na,Kが好ましい。かかるスルホン酸金属塩は1種のみを単独で用いても2種以上を混合して使用してもよい。好ましい具体例としてはステアリルスルホン酸ナトリウム、オクチルスルホン酸ナトリウム、ドデシルスルホン酸ナトリウム、炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸ナトリウム混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム混合物、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸リチウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸マグネシウム(ハード型、ソフト型)等をあげることができる。
RSOPR (3)
[式中、Rは上記式(2)におけるRの定義と同じであり、R、R、R、及びRはアルキル基又はアリール基でなかでも低級アルキル基、フェニル基又はベンジル基が好ましい]
かかるスルホン酸第4級ホスホニウム塩は1種のみを単独で用いても2種以上を混合して使用してもよい。好ましい具体例としては炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸テトラブチルホスホニウム、炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸テトラフェニルホスホニウム、炭素原子数の平均が14であるアルキルスルホン酸ブチルトリフェニルホスホニウム、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラフェニルホスホニウム(ハード型、ソフト型)、ドデシルベンゼンスルホン酸ベンジルトリフェニルホスホニウム(ハード型、ソフト型)等をあげることができる。
かかる有機のイオン性化合物は1種でも、2種以上併用してもよく、その配合量は、芳香族ポリエステル100重量部に対して2〜8重量部の範囲が好ましい。2重量部未満では単糸繊度が1.5dtex以下の極細繊維において制電性向上の効果が小さく、8重量部を超えると繊維の強度が低下し、且つ該イオン性化合物もブリードアウトし易くなるため、溶融成形時のチップのルーダーかみこみ性が低下して、製糸性も悪化する。
なお、ポリトリメチレンテレフタレートBには、本発明の目的を阻害しない範囲で、公知の艶消し剤を配合している。艶消し剤が10wt%を超えると本発明の親糸となる未延伸糸の紡糸性が悪化するので、その範囲は0〜10wt%とするのが好ましい。
また、本発明の制電性ポリトリメチレンテレフタレート極細糸は単糸繊度1.5dtex以下である必要があり、1.5dtexを超える場合はソフト性が低下する。好ましくは0.5〜1.5dtexである。又熱応力の最大値(Fmax)が0.25cN/dtex以下であることが好ましい。この範囲とすることにより、ソフトでストレッチ性に優れる織編物が得られる。
更に、ポリトリメチレンテレフタレートAとポリトリメチレンテレフタレートBの芯鞘面積比は5:95〜80:20の範囲にする必要がある。面積比が5:95より小さい場合にはポリトリメチレンテレフタレートAによる制電性能の発現が不十分になり、80:20よりも大きくなる場合は、10%以上のアルカリ減量を施した場合に、芯部の制電性ポリトリメチレンテレフタレートAが溶出し、制電性能が低下する、又は糸の強度が低下し、2.0cN/dtex以下となり、布帛にした場合の強度が不足する為、スポーツ衣料等、強度を必要とする用途には適さず、用途が限られたものとなるので好ましくない。
以上に説明した本発明の芯鞘型ポリトリメチレンテレフタレート極細糸は、溶融紡糸するに際して、紡出時の吐出速度と引き取り速度の比(引き取り速度/吐出速度,以降ドラフトと記す)を300以上、1000未満の範囲で引き取った未延伸糸を1.2〜2.5倍でそのまま延伸することで安定した制電性能が得られる。ドラフトが300以下の場合はポリエステルAによる制電性能の発現が不十分になると同時に口金吐出孔周辺へのポリマーの滲み出しが多くなり、それによる断糸で工程通過性が低下し、ドラフトが1000以上の場合には制電性能は発現するものの、紡糸性が低下する為、好ましくない。延伸倍率が1.2倍以下では十分な糸強度をえることが出来ず、2.5倍以上では熱応力の最大値(Fmax)が0.25cN/dtex以上となりソフト風合に優れる織編物が得ることが出来ないうえに、巻き取られたパッケージの捲き締まりが大きく、捲き姿が著しく悪化することで工程通過性が低下する。
従ってこの範囲で口金吐出孔径、紡糸速度、延伸倍率を適宜設定すればよいが、吐出径をΦ0.1〜0.4mm、引き取り速度1000〜3000m/minの範囲で溶融紡糸し、延伸倍率1.2〜2.5とすると、容易にかつ効率よく得られるので好ましい。
このようにして得られる本発明のポリトリメチレンテレフタレート極細糸は、従来のポリトリメチレンテレフタレート極細糸が持つ、柔らかな風合、ストレッチ性などの性能も維持し、制電性能にも優れたポリエステル布帛を得ることができる。
以下、実施例により、本発明を更に具体的に説明する。なお、実施例における各項目は次の方法で測定した。
(1)固有粘度
オルソ−クロルフェノールに溶解し、ウベローデ粘度管を用い、35℃で測定した。
(2)熱応力の最大値(Fmax)
熱応力測定装置(例えば、カネボウエンジニアリング社製、商品名KE−2)を用いて測定する。延伸糸を20cmの長さに切り取り、これの両端を結んで輪を作り測定器に装填する。初荷重0.044cN/dTex、昇温速度100℃/分の条件で測定し、熱収縮応力の温度変化をチャートに記録し、熱収縮応力の最大値を読み取る。
(3)織物の風合い(ソフト感)
レベル1:ソフトでしなやかな感触がある
レベル2:ややソフト感が乏しいが反撥性は感じられる
レベル3:カサカサした触感あるいは硬い触感である。
(4)織物のストレッチ率
ストレッチ率(S:%)は、カートテック(株)製のKES−FB1を用いて、20cm×20cmの織物試料を引っ張り速度=20mm/秒で織物の緯方向に伸長したときの4.9cN/cm応力下での伸び(A:cm)より、次式によって求めた。
S(%)=[(A/20)]×100A
(5)帯電性試験方法
A法(半減期測定法)
本発明の複合仮撚加工糸を、筒編みし、染色し、調湿後、試験片をコロナ放電場で帯電させた後、この帯電圧が1/2に減衰するまでの時間(秒)をスタテイック オネストメータで測定する。時間(秒)が短い方が 制電性能が優れていると判断した。
(6)帯電性試験方法
B法(摩擦帯電圧測定法)
試験片を回転させながら摩擦布で摩擦し、発生した帯電圧を測定する。L1094帯電性試験方法B法(摩擦帯電圧測定法)に順ずる。制電効果については、摩擦帯電圧が、約2000V以下(好ましくは1500V以下)であれば、制電効果が奏される。
(7)紡糸断糸
複合紡糸設備で1週間溶融紡糸を行い断糸した回数を記録し、1日1錘当りの紡糸断糸回数を紡糸断糸とした。ただし、人為的あるいは機械的要因による断糸は断糸回数から除外した。
[実施例1]
常法により得られたポリトリメチレンテレフタレート反応混合物を重合反応缶に移し、次いで1時間30分かけて760mmHgから1mmHgまで減圧するとともに260℃まで昇温して重縮合反応せしめた後、下記化学式(4)
Figure 0005117983
[ただし、jは18〜28の整数で平均21、Pは平均値として100、mは平均値として5である]
で表される水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルを5部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを3部、真空下で添加し、さらに240分間重縮合反応せしめ、次いで酸化防止剤としてチバカイギー社製イルガノックス1010を0.4部真空下で添加し、その後さらに30分間重縮合反応をおこなった。重合反応工程で、制電剤を添加し、得られたポリマーは常法にてチップとなした。
このポリマーの固有粘度は0.950、軟化点230℃、得られたチップを常法により乾燥した。乾燥ポリマーを紡糸設備にて各々常法で溶融し、スピンブロックを通して、スピンパックに導入し芯鞘複合繊維構造の芯側ポリマーとし、鞘側ポリマーは制電剤を添加していないホモポリマーとした。該スピンパックに組み込まれた直径0.30φmmの円形吐出孔を48個穿設した紡糸口金から溶融ポリマーを吐出し、通常のクロスフロー型紡糸筒からの冷却風で冷却・固化し、紡糸油剤を付与しつつ一つの糸条として集束し、2000m/minの速度で引き取り、紡糸ドラフト420とし、1.35倍に延伸し62dtex/48フィラメント(平均単糸繊度1.29dtex)のポリトリメチレンテレフタレート延伸糸を得た。この延伸糸を用い経糸密度200本/2.54cm、緯糸密度170本/2.54cmの比較的高密度の平織物を製織し、その品位を評価した。また、得られた延伸糸を用いてメリヤス編地を製造し、制電性を測定した。溶融紡糸時の工程安定性及び制電性能の結果を表1に示す。
[実施例2]
実施例1において制電剤として水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルを4重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム2重量部とした以外は実施例1と同じ手法でポリトリメチレンテレフタレート延伸糸を得た。溶融紡糸時の工程安定性及び制電性能の結果を表1に示す。
[実施例3]
実施例1において制電剤として水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルを6重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム4重量部とした以外は実施例1と同じ手法でポリトリメチレンテレフタレート延伸糸を得た。溶融紡糸時の工程安定性及び制電性能の結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1において制電剤としての水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテル、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを添加しなかったこと以外は実施例1と同じ手法でポリトリメチレンテレフタレート延伸糸を得た。溶融紡糸時の工程安定性及び制電性能の結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1において制電剤として水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルを5重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムを0重量部とした以外は実施例1と同じ手法でポリトリメチレンテレフタレート延伸糸を得た。溶融紡糸時の工程安定性及び制電性能の結果を表1に示す。
[比較例3]
実施例1において制電剤として水不溶性ポリオキシエチレン系ポリエーテルを0重量部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム3重量部とした以外は実施例1と同じ手法でポリトリメチレンテレフタレート延伸糸を得た。溶融紡糸時の工程安定性及び制電性能の結果を表1に示す。
[比較例4]
1400m/分の引き取り速度で紡糸ドラフトを296とし、2.14倍の延伸倍率とした以外は実施例1と同じ手法でポリトリメチレンテレフタレート延伸糸を得た。溶融紡糸時の工程安定性及び制電性能の結果を表1に示す。
Figure 0005117983
用途として、学生服、ユニフォーム、耐光性についても、体質が強いのが特徴である。又、制電性を発揮する部分がつつみこまれているので、洗濯耐久性に優れたポリエステル布帛を提供することができる。

Claims (1)

  1. 制電性ポリトリメチレンテレフタレートAと、艶消し剤を0〜10wt%含むポリトリメチレンテレフタレートBとを溶融紡糸し、芯部が制電性ポリトリメチレンテレフタレートAで形成され、他方、鞘部がポリトリメチレンテレフタレートBで形成される芯鞘型複合繊維を製造するに際し、紡出時の吐出速度と引き取り速度の比(引き取り速度/吐出速度,以降ドラフトと記す)を300〜1000の範囲で未延伸糸を40℃〜70℃に加熱した第一ローラーで1000〜3000m/minにて巻き付け、次に110〜150℃に加熱した第二ローラーに1.2〜2.5倍に延伸し巻き付け、第二ローラーよりも低速で巻き取ることにより、下記(1)〜(5)の条件を満足する芯鞘型複合繊維を得ることを特徴とする制電性芯鞘型ポリトリメチレンテレフタレート極細繊維の製造方法。
    (1)単糸繊度が1.5dtex以下である。
    (2)芯部の面積Aと鞘部の面積Bとの比A:Bが5:95〜80:20の範囲である。
    (3)単糸の強度が3.0cN/dtex以上である。
    (4)繊維の摩擦帯電圧が2000V以下であること。
    (5)制電性ポリトリメチレンテレフタレートAがポリエステル100重量部に対して、制電剤として、(a)下記式で表されるポリオキシアルキレン系ポリエーテルを4〜10重量部及び(b)該ポリエステルと実質的に非反応性の有機イオン性化合物2〜8重量部を含有してなる制電性ポリトリメチレンテレフタレートであること。
    Z−[(CHCHO)n(RO)m−R]k
    [式中、Zは1〜6個の活性水素原子を有する有機化合物残基、Rは炭素原子数6以上のアルキレン基又は置換アルキレン基、Rは水素原子、炭素原子数1〜40の一価の炭化水素基、炭素原子数2〜40の一価のヒドロキシ炭化水素又は炭素原子数2〜40の一価のアシル基、kは1〜6の整数、nはn≧70/kを満足する整数、mは1以上の整数]
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