JP5116051B2 - 温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法 - Google Patents

温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5116051B2
JP5116051B2 JP2010174731A JP2010174731A JP5116051B2 JP 5116051 B2 JP5116051 B2 JP 5116051B2 JP 2010174731 A JP2010174731 A JP 2010174731A JP 2010174731 A JP2010174731 A JP 2010174731A JP 5116051 B2 JP5116051 B2 JP 5116051B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
temperature
air
inner chamber
humidity
outdoor unit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010174731A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011122811A (ja
Inventor
清 今井
Original Assignee
清 今井
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 清 今井 filed Critical 清 今井
Priority to JP2010174731A priority Critical patent/JP5116051B2/ja
Publication of JP2011122811A publication Critical patent/JP2011122811A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5116051B2 publication Critical patent/JP5116051B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Description

本発明は、温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法に関し、特に、ヒートポンプ式冷暖房機を利用した温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法に関する。
温室で作物を栽培する場合、その作物に適した温度や湿度を管理する必要がある。しかし、安易な変温は湿度の上昇を招き、高湿度を原因とするうどん粉病、ベト病、灰色かび病などの病害を多発するため留意しなければならない。
温室内の日中の湿度は、天窓等を開閉すれば過湿になることは少ないが、夜間や雨天時に温室を閉め切ると、土壌や作物などから水蒸気が発生し、温室内の湿度が上昇していく。また、温度が低下すると飽和水蒸気量が低下し高湿となる。
例えば1℃温度が低下すると5%の相対湿度の上昇を招くことが知られている。すなわち、夕方20℃で天窓等を閉める時の湿度が60%であったとすると、夜間温度を12℃まで(つまり8℃)低下した場合、湿度はさらに40%上昇することになり、温室内の湿度は100%になる。
このような問題に対し、従来は石油燃料を燃焼し、温度を2〜3℃上昇させ飽和水蒸気量を上げる(相対湿度を低下させる)ことによって高湿になるのを防止していた。しかしながら、原油の価格変動が著しい今日では石油燃料のコストが大きな負担となっており、施設園芸を営む農家の努力だけでは克服できるレベルではなくなってきている。
そのような状況の中、石油代替技術として、施設園芸にヒートポンプ式冷暖房機を利用する動きが出ている。一般的にヒートポンプ式冷暖房機は、圧縮機及び室外熱交換器(凝縮機ともいう)を備えた室外機と、膨張弁及び室内熱交換器(蒸発器ともいう)を備えた室内機から構成され、室外機と室内機との間は冷媒が管内で循環している。冷媒は膨張すると温度が下がり、圧縮すると温度が上がる性質があり、例えば冷媒を膨張させて−10℃にすれば、外気が0℃と低くても室外機内で冷媒は外気から熱を吸収して温度上昇するため暖房に利用できる。一方、冷媒を圧縮して仮に50℃まで温度上昇させれば室内が40℃と高くても冷媒が室内の熱を吸収して外気へ放出するため冷房に利用できる。このときの熱効率に相当する「出力熱量/消費エネルギー」の値を成績係数(COP)と呼び、電気ストーブの場合COPは1が上限であるが、最新のヒートポンプエアコンでは6〜7に達する。すなわち、1の消費エネルギーで得られる熱量が6から7に達するということである。冷房の場合もサイクルが逆になるだけで基本的に同じ原理であり、COPはやはり6〜7に達する。このように、ヒートポンプ式冷暖房機はエネルギー効率がよく、石油系燃料に代わる温湿度管理手段としての期待が高まっている。
ヒートポンプ式冷暖房機を温室の温湿度管理に利用した従来例を図13及び図14に示す。図13はヒートポンプ式冷暖房機を用いて温室を暖房する場合の従来例を説明するための概略図である。図13に示すように、温室100は、作物Pが植えられている内室120と、内室120を覆う外室110とから構成され、内室120の天井部分は、熱の放出を抑制するための二層カーテン122で覆われている。そして、ヒートポンプ式冷暖房機は、温室100外に設置された室外機102と、内室120内に設置された室内機104とから構成されている。
室外機102で集められた熱は、図示しない冷媒を伝わり、室内機104から放出される。例えば、内室120内の温度を15℃に設定した場合は、室内機104から温度35℃、湿度25%の空気が放出される。しかし、温度差があるものが接触した場合、熱は移動する。すなわち、熱は温度の高い方から低い方へ移動するため、内室120内へ放出された熱は、外気温が8℃の場合、外気に向かって温度を下げながら移動する。
温室100内の熱は、(投入エネルギー)−(放熱エネルギー)という式を考えた場合、プラスとなれば温度の上昇、マイナスとなれば温度の下降を招く。図13に示す場合、内室120の室温15℃→二層カーテン122中の温度12℃→二層カーテン122上の温度10℃→外気8℃と移動していく。この場合、外気から温室100内へ熱が移動することはない。
ヒートポンプ式冷暖房機を普通に暖房運転した場合、室外機102は温室100の外に設置されているので、外気温度が5℃以下に低下してくると、熱交換効率が低下する。また、室外機102に着霜するので、霜取り運転を行わなければならない。しかしながら、霜取り運転時は温室100内へ熱エネルギーが入ってこなくなる。一方で熱は外気へ移動し続けるため、室温は徐々に設定温度以下になってしまう。温度が徐々に低下するにつれて飽和水蒸気量が低下し高湿となるため、うどん粉病、ベト病、灰色かび病などの病害が発生しやすくなってしまう。
図14はヒートポンプ式冷暖房機を用いて温室を冷房する場合の従来例を説明するための概略図である。基本的な構成は図13と同様である。
例えば、外気温が28℃で、室温を19℃に設定した場合は、室外機102から放出される空気の温度は48℃となり、内室104の室内機104からは温度9℃、相対湿度99%の空気が放出される。
冷房するということは、28℃の外気から19℃の温室100内に熱が侵入してくることを意味する。そして、侵入した熱をヒートポンプ式冷暖房機の室内機104で集めて室外機102から放出することである。
しかしながら、熱は外気(28℃)から二層カーテン122上(25℃)→二層カーテン122中(22℃)→室内(19℃)と侵入してくるため、ヒートポンプ式冷暖房機は室温を維持するため常に冷房運転を続けなければならない。
ヒートポンプ式冷暖房機を用いて温室の温湿度管理を行う例としては、例えば、特開2008−116178号公報に、ビニールハウス内を暖房するときにエアコンの冷房運転を行ない、室内機より発生する冷気を、ダクトを介して屋根と二層カーテンとの間のスペースに送り込み、外気とビニールハウスとの間に冷気による断熱層を形成して、ビニールハウス内の保温効果を高め、ビニールハウス内を冷房するときには逆に暖房運転を行ない、室内機より発生する暖気を、ダクトを介して屋根と二層カーテンとの間のスペースに送り込み、外気とビニールハウスとの間に暖気による断熱層を形成する冷暖房方法が記載されている(特許文献1)。
特開2008−116178号公報
上記特許文献に記載された発明は、ハウス内を暖房する場合、ヒートポンプの運転モードを冷房運転にするため、温度に基づいて自動運転を行うためには別のサーモスタットを設置してON/OFFの制御を行うしかなく、インバータを使用した省エネ運転を行うことができない。これは冷房運転時においても同様である。また、室内の空気をヒートポンプによってエネルギーを奪って2層カーテンの上に空気を送る場合、そのまま全量を送ると、冷房又は暖房効率が低下することがあった。
そのため、より簡易な手段で効率よく温室の温湿度管理が実施できるシステム及び方法が求められていた。
したがって本発明は、ヒートポンプ式冷暖房機を利用した温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法において、より簡易な手段で効率よく温室の温湿度管理が実施できる技術を提供することを目的とする。
本発明は、作物を栽培するための内室と、一定の空間を形成して該内室の全体を覆う外室と、室外機及び室内機とから構成されたヒートポンプ式冷暖房装置と、を備えた温室の温湿度管理システムであって、該室外機が該内室の空気を吸気して該内室と該外室との間に形成された空間に排気し、該空間において、排気された空気を外気温度との温度差を利用して熱交換すると共に湿度を低下せしめ、熱交換され湿度が低下した空気を該内室へ導くことを特徴とする、温室の温湿度管理システムを提供するものである。
また、本発明は、作物を栽培するための内室と、一定の空間を形成して該内室の全体を覆う外室と、室外機及び室内機とから構成されたヒートポンプ式冷暖房装置と、を用いる温室の温湿度管理方法であって、該室外機が該内室の空気を吸気して該内室と該外室との間に形成された空間に排気し、該空間において、排気された空気を外気温度との温度差を利用して熱交換すると共に湿度を低下せしめ、熱交換され湿度が低下した空気を該内室へ導くことを特徴とする、温室の温湿度管理方法を提供するものである。
本発明の温室の温湿度管理システム及び温室の温湿度管理方法によれば、低いコストで効率的に除湿を行うことができるため、作物の病気を未然に防止することができる。作物を栽培する場合に最も気をつけなければならないことは病気である。作物の病気の原因は90%以上がカビによるものであるが、湿度を下げることでカビの発生を抑制することができる。その他の原因は細菌であるが、細菌についても湿度を下げることでカビと同様の効果を得ることができる。
本発明の実施形態に係る温湿度管理システムの概略図である。 本発明の実施形態におけるショートサーキット手段の一例を示す図である。 一体型ヒートポンプ式冷暖房装置を使用した例を示す図である。 図3の実施形態にショートサーキット手段を備えた例を示す図である。 本発明の実施形態に係る温湿度管理システムを暖房運転した時の温度と湿度の変化を説明するための図である。 本発明の他の実施形態に係る温湿度管理システムを暖房運転した時の温度と湿度の変化を説明するための図である。 結露水発生のメカニズムを説明するための図である。 本発明の実施形態に係る温湿度管理システムを冷房運転した時の温度と湿度の変化を説明するための図である。 ショートサーキット手段の実施例を示す図である。 送風ファン60のインバータを30サイクルに設定した時の温度と湿度の経時的変化を示す図である。 送風ファン60のインバータを20サイクルに設定した時の温度と湿度の経時的変化を示す図である。 送風ファン60のインバータを15サイクルに設定した時の温度と湿度の経時的変化を示す図である。 ヒートポンプ式冷暖房装置を暖房運転した場合の従来例を説明するための図である。 ヒートポンプ式冷暖房装置を冷房運転した場合の従来例を説明するための図である。
図1に本発明に係る温室の温湿度管理システムの概略図を示す。図1に示すように、本発明に係る温室の温湿度管理システム1は、作物Pを栽培するための内室10と、内室10の全体を覆い空気が通る一定の空間(S、S、S)が形成された外室20と、室外機32及び室内機34とから構成されたヒートポンプ式冷暖房装置30を備えている。なお、内室10は外室20から空気を導入できる程度の隙間を有しており、後述するように、外室20で熱交換され湿度が低下した空気を内室10に導入することができるようになっている。なお、隙間は内室10の全周にわたって形成しても、一部に形成してもよい。
本実施形態において「温室」とは、ガラスのほか、ポリカーボネート、ビニールなどの合成樹脂板又はシートなどで空間を区画した中で花卉類、野菜類、果樹類を育てる、いわゆる通常的な意味での温室、ビニールハウスのような簡易温室、住宅などと併設した温室、サンルームなど、住宅、ビルの屋上などの一部に太陽光が十分差し込むようにした部屋、比較的急勾配の一般住宅などの屋根の一部をガラス屋根とした屋根裏部屋や、ベランダ、
テラスなどに作った仮設的なものも含まれる。
本実施形態において「作物」とは、一般に作物と称されるものであれば特に制限はなく、いずれの作物も対象となる。作物の中でも園芸作物であることが好ましく、その中でも、特に温度と湿度の管理如何によって品質に大きく影響を受ける園芸作物は本発明の効果をより享受することができる。ここで、「園芸作物」とは、花卉類、野菜類、果樹類のことを意味する。
園芸作物の具体例としては、例えば、花卉類としてバラ、カーネーション、洋ラン、ガーベラ、トルコキキョウ等を挙げることができ、野菜類としてトマト、ピーマン、ナス、キュウリ等を挙げることができ、果樹類としてイチゴ、ミカン、マンゴー、ブドウ、ナシ等を挙げることができる。
室外機32は図示しない圧縮機及び室外熱交換器を備えており、室内機34は図示しない膨張弁及び室内熱交換器を備えている。そして室外機32と室内機34とは図示しない配管で接続されており、配管内は冷媒が循環している。また、室外機32は、吸気口が内室10側に、排気口が外室20にそれぞれ露出しており、内室10の空気を吸い込んで外室20の流路(S)に排出するように構成されている。一方、室内機34は内室10に設置されている。
室外機32には、ヒートポンプ式冷暖房装置30を稼働させる際に、室外機32から排出された空気(矢印)を上昇させるための手段として、風向ガイド40が装着されていることが好ましい。本実施形態において「風向ガイド」とは、室外機32から排出される空気の風向きを変えて空気を上昇させ、内室10と外室20との間に形成された空間(S)に導くために室外機32の排気口部分に装着されるものである。その形状は上記目的を達成できる範囲内で適宜変更することができる。なお、風向ガイド40は製造メーカーによって風向調整板、吹き出しガイド、ガイドルーバーなどとも称される。
風向ガイド40を用いることで、室外機32から排出される空気(矢印)を内室10と外室20との間に形成された空間(S)に導くことができるため、室外機32から排出される空気を温湿度管理システム1内にゆっくり循環させることができる。
内室10(の二層カーテン14)と外室20との間に形成された空間(S)と、室外機32が設置された空間(S)との境界には開口部50が形成されており、風向ガイド40により上昇した空気(矢印)は、この開口部50を通って内室10と外室20との間に形成された空間(S)に導かれる。開口部50の形状は特に限定はなく、例えば断面四角形、断面三角形、断面円形としたり、筒状のダクトを設ける等、任意の形状とすることができるが、8馬力から10馬力のヒートポンプの場合、少なくとも面積が0.5m以上であることが、所望の風量を確保する観点から好ましい。
このとき、送風ファン60を用いて、室外機32から排出された空気(矢印)を内室10と外室20との間に形成された空間(S)に導入することが好ましい。送風ファン60の位置は特に限定されないが、開口部50の近傍に備えることで、排出された空気をより確実に空間(S)内に導入することができる。また、排出された空気を空間(S)に拡散する役割も果たす。なお、「開口部50の近傍」とは、開口部50を基準として、空間(S)全体の半分より開口部50側の位置、または空間(S)全体の半分より開口部50側の位置を意味する。
内室10と外室20との間に形成された空間(S)に導かれた空気は、外気温度(Tmp2)と室外機20から排出された空気の温度(Tmp1)との温度差を利用して熱交換され湿度が低下する。このとき、内室10と外室20との間に形成された空間(S)に導入された空気の風量は、暖房・冷房能力が22〜28kwの機種の場合、60〜70m/分であることが好ましい。かかる範囲の風量で内室と外室との間に形成された空間を空気が移動すれば、熱交換と湿度の低下を効率よく行うことができる。そして、熱交換と湿度の低下が行われた空気は、室外機32が内室10の空気を吸い込んで内室10がやや引圧になっているため、内室10と外室20との間に形成された空間(S)を通って内室10に移動する。
例えば、本実施形態のシステムを用いて内室10の室温を上げるために暖房を行った場合、室外機32から排出される空気の温度は比較的低く、湿度は比較的高いものとなる。室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)と外気の温度(Tmp2)との関係がTmp1<Tmp2のとき、熱は外気から温湿度管理システム1内へと移動する(A)。すなわち、外気の熱エネルギーを温湿度管理システム1に導入することができる。暖められた空気は飽和水蒸気量が高くなるため、相対湿度が低くなった状態で内室10に移動する。その結果、内室10の湿度を下げることができる。
暖房運転時に室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)と外気の温度(Tmp2)との関係がTmp1>Tmp2のとき、熱は温湿度管理システム1内から外気へと移動する(B)。このとき、外室20の内側では結露が発生し、空気中の水蒸気が凝縮し水滴dとなって付着する。また、空気中の水蒸気が凝縮し水滴dとなる時に約550〜560kcalの凝縮熱が発生する。凝縮熱とは、気体が凝縮によって液体となるときに放出する熱(潜熱)である。水滴dの熱が外気に奪われて温度が低下するまでの間は、外気に向かう熱の移動が抑制される。すなわち水滴dが断熱材としての役割を果たすことになる。さらに、内室10から外室20に向かって移動する熱と相まって、一旦低下した温度(Tmp1)が再び上昇する。水滴dの熱が外気に奪われて温度が低下すれば、再び温湿度管理システム1内から外気へと移動し、結露→水滴d発生→凝縮熱の発生→断熱→内室10から外室20に向かって熱が移動→空気の温度上昇というプロセスを繰り返す。
このように、一種の除湿効果が得られると共に、水滴dが断熱材としての機能も発揮するため外室20の内側から外気へ放出される放熱量を抑制することができる。除湿された空気はその後流路(S)を通って内室10に移動する。その結果、内室10の湿度を下げることができる。なお、発生した水滴は外室20の内壁を伝って温湿度管理システム1の外に排出される。
以上のように、暖房運転時に室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)と外気の温度(Tmp2)との関係がTmp1>Tmp2のときであっても、室外機32の吸気口が内室10側に露出するように設置しているので、室内の空気から熱を利用することができる。このため、外気温度がいくら下がっても除霜運転が行われる心配がなく、寒冷地でもヒートポンプ式冷暖房装置30を利用することができる。
一方、本実施形態のシステムを用いて内室10の室温を下げるために冷房を行った場合、室外機32から排出される空気の温度は吸気口に吸い込まれた空気よりも15〜20℃高くなり、温度が1℃上がれば湿度は5%下がることから、室外機32から排出される空気の湿度は低いものとなる。室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)と外気の温度(Tmp2)との関係はTmp1>Tmp2となる。従って熱は温湿度管理システム1から外気へと移動する(B)。なお、このとき飽和水蒸気量が低下するため相対湿度が高くなるが、飽和水蒸気量が100%を超えることはないため結露は発生しない。また、相対湿度が高くなるといっても内室10内の絶対湿度より高くなることはない。そのため室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)を下げることができ、また、内室10内の湿度よりも低い湿度の空気が内室10内に導入されるため、効率よく冷房と湿度低下を行うことが可能となる。なお、本実施形態の温室の温湿度管理システムを使用しない一般的な温室の冷房(図14参照)と比較して、消費電力を20〜30%節約することができる。
従来、ヒートポンプ式冷暖房装置を利用して温室又は工場などの大型の施設を暖房又は冷房する場合、室外機は必ず建物の外に設置しなければならなかった。一般に、温室が大型になればなるほど、ヒートポンプ式冷暖房機の室外機と室内機とを接続する冷媒配管の距離が長くなり、例えば100m×100m以上の規模を有する温室では、冷媒配管の価格がヒートポンプの本体価格より高価になる場合があった。また、冷媒配管が長くなるほどヒートポンプ効率も低下していた。
これに対して本願発明では、暖房運転、冷房運転のどちらの場合でも、温室内に室内機及び室外機を設置することができるため、大型温室においても冷媒配管の長さを数m以内に抑えることができ、設備コストが大幅に低減できるとともに、ヒートポンプ効率の低下も抑制することができる。また、室外機の吸気口が内室に露出しており、内室の空気を吸い込んで外室の流路に排出するように構成されているため、本発明の温室の温湿度管理システムを実施する時間が長くなるほど、暖房運転の場合は高温、低湿度の空気を利用することができ、冷房運転の場合は低温、低湿度の空気を利用することができる。そのため、時間の経過とともに温湿度管理システムの利用効率が高まる。
なお、本実施形態においては、内室10に室内送風ファン12を備えていることが好ましい。内室10は温度の高い場所・低い場所又は湿度の高い場所・低い場所が存在するため、室内送風ファン12を用いて内室10内の空気を循環させることにより、温度や湿度を均一に保つことができる。
また、内室10は、外室20との間に複数層からなるカーテン14を備えていることが好ましい。複数層からなるカーテン14を備えることにより、内室10の室温を一定に保持する効果を高めることができる。例えば、カーテンを二層にした場合は、一層の場合と比較して、保温効果が17.5%向上する。
また、室外機32近傍には、いわゆる「ショートサーキット」を発生させるためのショートサーキット手段を備えていることが好ましい。ショートサーキット手段は、室外機32から排出された空気の一部を内室10へ戻し、戻した空気を内室10の空気と混合した後、その混合空気を室外機32によって内室10と外室20との間に形成された空間に排出させるためのものである。
本実施形態において、「ショートサーキット」とは、室外機32から排出された空気の一部が室外機32の吸気口側にまわり、内室10の空気と混合された後、その混合空気が再び室外機32から排出される状態をいう。一般にショートサーキットは室外機からの排熱ができなくなり運転能力の低下や運転停止などエアコンが動作不良を招く原因とされているが、本実施形態においては、ショートサーキットを生じさせることによって室外機32から排出された空気の熱を再び内室10に取り込み、熱エネルギーの放出量を抑制することができるため、ヒートポンプ式冷暖房装置30に消費されるエネルギー量はそのままに、省エネ効果をより高めることができる。
なお、「室外機32の近傍」とは、室外機32の上面、底面、側面またはそれらの周辺であって、室外機32から排出された空気の一部が内室10へ戻り、ショートサーキットを起こすような位置を意味する。
図2は本発明の実施形態におけるショートサーキット手段の一例を示す図である。室外機32は暖房運転時は室内温度より約10℃温度の下がった空気を排出する。従って、例えば室内温度の設定を16℃としたとき、室外機32から排出される空気の温度は約6℃である。この排出された空気の一部が室外機32近傍に設けたショートサーキット開口部52から室内へ戻され、一旦内室10の空気と混合された後、室外機32の吸気口から再び吸い込まれ、内室10と外室20との間に形成された空間(S)へと排出されることで、いわゆるショートサーキットの状態が形成される。このとき、初めに排出された空気よりも温度の低い空気が排出されることになり、内室10内の熱エネルギーの排出を抑制することができる。また、室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)は外気の温度(Tmp2)との温度差がより大きくなるため、外気の温度(Tmp2)をより効率よく温湿度管理システム1内に取り込むことができる。
なお、図2では室外機32の上部にショートサーキット開口部52を設けた例を示したが、ショートサーキット開口部52の位置はこれに限定されず、室外機32の下部、左側面又は右側面にショートサーキット開口部52を設けてもよい。
ショートサーキットを生じさせる空気の量は、ショートサーキット開口部52の大きさや室外機32の排出量を調整することによって適宜変化させることができる。
なお、ショートサーキットを起こさせるのは冷房運転時でも有効であり、その原理は暖房運転時にショートサーキットを起こさせる場合と同様である。
また、本実施形態では1つの温室に1台のヒートポンプ式冷暖房装置を使用した例を示したが、これに限定されることなく、温室の規模や外気の温度等に応じて複数台使用することもできる。
図3、図4に本発明の他の実施形態を示す。なお、説明の都合上、作物Pは省略してある。図3は、室外機80aと室内機80bが一つになった一体型ヒートポンプ式冷暖房装置80を使用した例である。室外機80aは図示しない圧縮機及び熱交換器を備えており、室内機80bは図示しない膨張弁及び熱交換器を備えている。そして室外機80aと室内機80bとは図示しない配管で接続されており、配管内は冷媒が循環している。
室外機80aの排気口側にはダクト82の一端が接続されており、他端は二層カーテン14を介して内室10と外室20との間に形成された空間に配置されている。一方、室内機80bの排気口側にもダクト84の一端が接続され、他端は内室10内に可動可能に向けられている。
一体型ヒートポンプ式冷暖房装置80は内室10に装備されるため、熱交換により発生するドレイン水を温湿度管理システム1の外へ排出するための排水管81を備えている。
このような一体型ヒートポンプ式冷暖房装置80を使用して温湿度管理を行う場合、送風ファン86が回転して室外機80aが内室10の空気を吸気するとともに、送風ファン86の風圧で排気がダクト82を上昇し、二層カーテン14上の内室10と外室20との間に形成された空間(S)に排出される。そして空気は内室10及び外室20の側面の空間を通って、熱交換及び湿度の低下を伴いながら内室10に形成された隙間を通って内室10に移動する。なお、熱交換及び湿度の低下のメカニズムは、図1で説明したものと同様である。
一方、室内機80b側では、送風ファン88が回転して内室10の空気が吸気口から吸気され、送風ファン88の風圧で、ダクト84を通って熱交換された空気が内室10の空間に排出される。
図4は、図3に示した実施形態にショートサーキット手段を追加した実施形態である。本実施形態においては、ショートサーキット手段としてダクト82の一部を分岐させ、室外機80aの近傍にショートカット用ダクト85を備えた点が図3に示した実施形態とは異なる。ショートカット用ダクト85には複数の空気穴が形成されており、室外機80aから排出された空気の一部が室外機80aの吸気口から再び吸気されるように(つまりショートサーキットが生じるように)構成されている。
図1に示す温室の温湿度管理システム1を使用して、バラ栽培において温湿度管理を行った実施例を示す。なお、温室の内室10及び外室20は0.1mm厚の農業用ポリ塩化ビニル製フィルムを使用したビニールハウスを使用し、ヒートポンプ式冷暖房装置30は(日立アプライアンス社製、型式RPI-AP224)を使用し、風向ガイド40は室外ユニット風向ガイド(日立アプライアンス社製、形式SP-HK-3)を使用し、送風ファン60及び室内送風ファン12は(ミツビシソーワ社製、形名DF-40ETD1)を使用した。また、内室10と外室20との間に形成された空気の流路(S、S、S)を移動する風量は65m/分とした。
1.暖房運転(Tmp1<Tmp2)による温室の温湿度管理
図5に、温室の温湿度管理システム1を使用して、室外機32から排出される空気の温度(Tmp1)が外気温(Tmp2)よりも低いときに(Tmp1<Tmp2)、バラRを栽培している温室の内室10の室温が15℃となるように暖房運転を行った際の実施例を示す。
このとき、外気温度(Tmp2)は8℃、ヒートポンプ式冷暖房装置30の室内機34から放出された空気は温度が33℃、湿度が25%であった。一方、室内機34と熱交換される内室10の空気の温度は13℃であった。内室10の温度と湿度を均一にするため、室内送風ファン12により室内の空気を還流させた。
室外機32は暖房運転時は室内温度より10℃温度の下がった空気を排出する。そのため、室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)は3℃、湿度は99%であった。排出された空気は風向ガイド40により流路(S)を上昇し、開口部50の近傍に設置してある送風ファン60によって内室10の二層カーテン14と外室20との間に形成された空間(S)に導入された。
空気がその空間(S)を移動すると共に、熱交換と湿度の低下が生じ、3℃であった排気温度が4℃上昇して7℃となり、99%であった湿度が20%低下して79%となった。そして、温度が高められ、湿度が低下した空気は流路(S)を通って内室10の隙間から内室10内へ移動した。
暖房運転中、内室10内の温度は15℃、湿度は70〜80%に保持され、温度湿度管理システム1の効果が実証された。
なお、日中は日光によって温室内に熱エネルギーを取り込むことができたため、温度湿度管理システム1の効果がより高まった。そのほか、ヒートポンプ式冷暖房装置30を作動させた際に発生した作動熱、バラRを栽培している栽培空間から放出された熱も併せて利用していると考えられる。
また、梅雨時に同様の操作を行ったところ、外気が15℃以上のときは除湿能力が高まることが判明した。
2.暖房運転(Tmp1>Tmp2)による温室の温湿度管理
図6に、温室の温湿度管理システム1を使用して、室外機32から排出される空気の温度(Tmp1)が外気温(Tmp2)よりも高いときに(Tmp1>Tmp2)、バラRを栽培している温室の内室10の室温が15℃となるように暖房運転を行った際の実施例を示す。
このとき、外気温度(Tmp2)は0℃、ヒートポンプ式冷暖房装置30の室内機34から放出された空気は温度が35℃、湿度が25%であった。一方、室内機34と熱交換される内室10の空気は15℃であった。但し、室外機32の吸気口に取り込まれる空気の温度は13℃であった。なお、内室10の温度と湿度を均一にするため、室内送風ファン12により室内の空気を還流させた。
室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)は5℃、湿度は99%であった。排出された空気は風向ガイド40により流路(S)を上昇し、開口部50の近傍に設置してある送風ファン60によって内室10の二層カーテン14と外室20との間に形成された空間(S)に導いた。
空気がその空間(S)を移動すると共に、熱交換と除湿が行われ、5℃であった排気温度が外気に熱を奪われ2.5℃にまで温度が下がった。このとき、外室20の内側では結露が発生し、空気中の水蒸気が凝縮し水滴dとなって付着した。
図7は結露が発生した状態を説明するための図である。結露が発生して水滴dが外室20の内側に付着すると、空気中の水蒸気が凝縮する時には凝縮熱が発生し、外室20の内側の境界面の温度が2.5℃よりも高くなる。これは1ccの水から597calの熱が発生するためである。水滴dの熱が外気に奪われて温度が低下するまでの間は、外気に向かう熱の移動が抑制された。これは水滴dが断熱材としての役割を果たしているからである。さらに、内室10の二層カーテン14から外室20に向かって熱が移動するため、一旦2.5℃に低下した温度が4℃に上昇した。
すなわち、内室10と外室20との間の空間(S)では、結露→水滴d発生→凝縮熱の発生→断熱→内室10から外室20に向かって熱が移動→空気の温度上昇というプロセスを繰り返し、温度が5℃→2.5℃→4℃と変化していった。このとき、湿度は2.5℃のときは99%であったものが4℃のときに90%にまで減少し、さらに水滴dが外室20の屋根の傾斜に沿って地面方向に移動し、最終的には温湿度管理システム1の外に排出されたため、外室20の内側から外気へ放出される放熱量の減少を抑制するとともに、除湿が効率よく行われていることが明らかとなった。
除湿された空気はその後流路(S)を通って内室10に移動した。その結果、内室10内の温度は15℃、湿度は70〜80%に保持され、温度湿度管理システム1の効果が実証された。
このように、暖房運転時に室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)と外気の温度(Tmp2)との関係がTmp1>Tmp2のときであっても、室外機32を外室20内に設置しているので、室内の空気から熱を利用することができた。また、外気温度がいくら下がっても除霜運転が行われず、寒冷地でもヒートポンプ式冷暖房装置30を利用することができた。
3.冷房運転(Tmp1>Tmp2)による温室の温湿度管理
図8に、温室の温湿度管理システム1を使用して、室外機32から排出される空気の温度(Tmp1)が外気温(Tmp2)よりも高いときに(Tmp1>Tmp2)、バラRを栽培している温室の内室10の室温が19℃となるように冷房運転を行った際の実施例を示す。
このとき、外気温度(Tmp2)は28℃、ヒートポンプ式冷暖房装置30の室内機34から放出された空気は温度が9℃、湿度が99%であった。一方、室内機34と熱交換される内室10の空気の温度は19℃であった。内室10の温度と湿度を均一にするため、室内送風ファン12により室内の空気を還流させた。なお、室内機34は内室10の空気と熱交換する際、空気中の水蒸気の凝縮水をドレイン水として温湿度管理システム1外に排出するため、内室10内の絶対湿度が低下する。
室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)は38℃、湿度は30%であった。なお、温度が上昇したため湿度は30%に低下した。排出された空気は風向ガイド40により流路(S)を上昇し、開口部50の近傍に設置してある送風ファン60によって内室10の二層カーテン14と外室20との間に形成された空間(S)に導入された。
空気がその空間(S)を移動していくと、熱交換が行われると共に、内室10から二層カーテン14上に逃げてきた冷気がキャッチされ、38℃であった排気温度が12℃低下して26℃となり、これにより相対湿度が高くなって30%であった湿度が70%となった(但し、上記のとおり室内機34で除湿されているため内室10の絶対湿度は低下する)。
そして、温度が低下し、絶対湿度が低下した空気は流路(S)を通って内室10の隙間から内室10内へ移動した。
冷房運転中、内室10内の温度は19℃、湿度は約80%に保持され、温度湿度管理システム1の効果が実証された。また、本実施例のシステムでは、通常の冷房運転時(従来例)と比較して、消費電力が20〜30%低下した。
なお、室外機32から排出された空気の温度(Tmp1)と外気の温度(Tmp2)との温度差が10℃の時の温室表面からの放熱量は10a当たりおよそ15万kcalである。ヒートポンプ式冷暖房装置30の作動熱は、8馬力のヒートポンプ式冷暖房装置1台当たり約22000kcalであり、冷房時に3台使用しても合計約66000kcalしか発生しない。そのため、ヒートポンプ式冷暖房装置30の作動熱が内室10の室温に与える影響は無視することができる。
4.ショートサーキットを利用した温室の温湿度管理
図9は、ショートサーキット手段の実施例を示す図である。図9に示すように、室外機32の下部に、ショートサーキット手段として、100cm×50cmのショートサーキット開口部52を備え、室外機32から排出された空気の一部が室外機32の底を通って内室10に戻る、いわゆるショートサーキットを発生させた。そして、風向ガイド40により流路(S)を上昇する空気の温度がより低くなるように構成された温湿度管理システムを使用して、暖房運転を行った際の温度及び湿度を経時的に測定した。
このとき、室内温度(Tmp1)と外気温度(Tmp2)との関係は、前記2.(図6)と同様、Tmp1>Tmp2であった。
室外機32から排出される空気の量(換言すれば、排出された空気を内室10へ戻す量)は、実験用に送風ファン60を備えたダクト70を設け、この送風ファン60のインバータを30サイクル、20サイクル、15サイクルにそれぞれ設定することにより調整した。また、室内の温度は、午後10時以降は16℃、午前6時から午後10時までは18℃に設定した。
図9に示すように、内室10の空気が室外機32の吸気口に取り込まれ、排気口から排出されると、排出された空気の一部がショートサーキット開口部52に導入されて内室10に戻される。そして、内室10の空気と混合されて、再び室外機32の吸気口に取り込まれ、排気口から排出される。そのため、ショートサーキット開口部52を備えていない温湿度管理システムよりも、さらに低い温度の空気が室外機32から排出されることになる。
室外機32から排出される空気の温度は、内室10の空気の温度が18℃に設定されているとき、インバータ30サイクルでは7〜8℃、インバータ20サイクルでは5〜6℃、インバータ15サイクルでは2〜3℃であった。
ショートサーキットにより温度が低下した空気の一部は、送風ファン60により流路(S)を上昇し、前記2.(図6)で説明した場合と同じメカニズムで熱交換及び除湿が実施され、内室10に移動した。これを繰り返し、一定時間、温度と湿度を管理した。結果を図10〜12に示す。
図10は送風ファン60のインバータを30サイクルに設定した時の温度と湿度の経時的変化を示す図である。インバータを30サイクルに設定した場合は、外気温度が−5.3〜−6.4℃であっても、内室10の温度を14.1〜16.6℃の範囲、湿度を56〜65%RHの範囲で制御することができた。この結果、本実施例のシステムでは、前記2.の温湿度管理システム(図6)と比較して、エネルギー消費量が約10%低下した。
図11は送風ファン60のインバータを20サイクルに設定した時の温度と湿度の経時的変化を示す図である。インバータを20サイクルに設定した場合は、外気温度が−3.5〜−5.4℃であっても、内室10の温度を14.4〜17.3℃の範囲、湿度を58〜65%RHの範囲で制御することができた。この結果、前記2.の温湿度管理システム(図6)と比較して、エネルギー消費量が約20%低下した。
図12は送風ファン60のインバータを15サイクルに設定した時の温度と湿度の経時的変化を示す図である。インバータを15サイクルに設定した場合、外気温度が−4.4〜−5.7℃であっても、内室10の温度を14.0〜17.5℃の範囲、湿度を58〜72%RHの範囲で制御することができた。この結果、前記2.の温湿度管理システム(図6)と比較して、エネルギー消費量が約15%低下した。
本実施例によれば、ヒートポンプ式冷暖房装置30に使用するエネルギー量はそのままで、内室10の暖かい空気を排出する割合を減らし、ショートサーキットを利用して室外機32から排出される空気の温度をより低くすることができるため、内室10内の熱エネルギーの放出量をより減少させることができる。
1…温湿度管理システム
10…内室
12…室内送風ファン
14…二層カーテン
20…外室
30…ヒートポンプ式冷暖房装置
32…室外機
34…室内機
40…風向ガイド
50…開口部
52…ショートサーキット開口部
60…送風ファン
70…ダクト
80…一体型ヒートポンプ式冷暖房装置
80a…室外機
80b…室内機
81…排水管
82、84…ダクト
85…ショートカット用ダクト
86、88…送風ファン
100…温室
102…室外機
104…室内機
110…外室
120…内室
122…二層カーテン
、S、S…空気の流路
P…作物
R…バラ
d…水滴

Claims (11)

  1. 作物を栽培するための内室と、一定の空間を形成して該内室の全体を覆う外室と、室外機及び室内機とから構成された空気熱源式ヒートポンプ式冷暖房装置と、を備えた温室の温湿度管理システムであって、
    該内室に設置された室内機が該内室の空気を吸気して冷気又は暖気を排気することで該内室を冷房又は暖房するとともに、
    該室外機が該内室の空気を吸気して該内室と該外室との間に形成された空間に排気し、
    該空間において、排気された空気を外気温度との温度差を利用して熱交換すると共に湿度を低下せしめ、
    熱交換され湿度が低下した空気を該内室へ導くことを特徴とする、
    温室の温湿度管理システム。
  2. 前記室外機を、その吸気口が前記室内側に、排気口が前記外室側にそれぞれ露出するように備えたことを特徴とする、請求項1に記載の温室の温湿度管理システム。
  3. 前記室外機から排出された空気を上昇させる手段として、前記室外機に装着された風向ガイド又は前記内室と前記外室との間に形成された空間に設置された送風ファンを備えていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の温室の温湿度管理システム。
  4. 前記内室と前記外室との間に形成された空間と、前記室外機が設置された空間との境界に開口部が形成されたことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の温室の温湿度管理システム。
  5. 前記送風ファンを、前記開口部の近傍に備えたことを特徴とする、請求項3に記載の温室の温湿度管理システム。
  6. 前記内室に室内送風ファンを備えたことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の温室の温湿度管理システム。
  7. 前記内室が、前記外室との間に複数層からなるカーテンを備えていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の温室の温湿度管理システム。
  8. 前記作物が園芸作物であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載の温室の温湿度管理システム。
  9. 前記ヒートポンプ式冷暖房装置の前記室外機と前記室内機とが一体形成されてなり、
    一端が前記室外機の排気口に接続され、他端が前記内室と前記外室との間に形成された空間に配置されたダクトを備えていることを特徴とする、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の温室の温湿度管理システム。
  10. 前記室外機から排出された空気の一部を前記内室へ導入するためのショートサーキット手段を備え、
    該ショートサーキット手段から導入された空気を前記内室の空気と混合した後、その混合空気を前記室外機によって前記内室と外室との間に形成された空間に排出することを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の温室の温湿度管理システム。
  11. 作物を栽培するための内室と、一定の空間を形成して該内室の全体を覆う外室と、室外機及び室内機とから構成された空気熱源式ヒートポンプ式冷暖房装置と、を用いる温室の温湿度管理方法であって、
    該内室に設置された室内機が該内室の空気を吸気して冷気又は暖気を排気することで該内室を冷房又は暖房するとともに、
    該室外機が該内室の空気を吸気して該内室と該外室との間に形成された空間に排気し、
    該空間において、排気された空気を外気温度との温度差を利用して熱交換すると共に湿度を低下せしめ、
    熱交換され湿度が低下した空気を該内室へ導くことを特徴とする、
    温室の温湿度管理方法。

JP2010174731A 2009-11-13 2010-08-03 温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法 Expired - Fee Related JP5116051B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010174731A JP5116051B2 (ja) 2009-11-13 2010-08-03 温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009260302 2009-11-13
JP2009260302 2009-11-13
JP2010174731A JP5116051B2 (ja) 2009-11-13 2010-08-03 温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011122811A JP2011122811A (ja) 2011-06-23
JP5116051B2 true JP5116051B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=44286867

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010174731A Expired - Fee Related JP5116051B2 (ja) 2009-11-13 2010-08-03 温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5116051B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2428512B1 (en) 2010-09-08 2014-10-22 Semiconductor Energy Laboratory Co., Ltd. Fluorene compound, light-emitting element, light-emitting device, electronic device and lighting device
JP6407519B2 (ja) * 2013-11-19 2018-10-17 東芝ライフスタイル株式会社 空気調和機
CN112840916A (zh) * 2021-03-01 2021-05-28 今蜂智慧农业科技(泰安)有限公司 一种植物工厂化种植系统及运行方法
CN113133364B (zh) * 2021-05-18 2023-03-17 宁夏好家乡生态农业科技发展有限公司 一种温室大棚温湿度智能控制方法及系统
KR102460087B1 (ko) * 2022-01-26 2022-10-27 주식회사 블루윙모터스 식물용 온실의 온도 제어 시스템

Family Cites Families (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS56121417A (en) * 1980-02-27 1981-09-24 Maekawa Seisakusho Kk Dehumidification of interior of greenhouse
JPS58106367A (ja) * 1981-12-17 1983-06-24 東辰機設株式会社 ヒートポンプによる温室空気調和法
JPS6017664U (ja) * 1984-06-06 1985-02-06 株式会社 前川製作所 温室の温度調節装置
JPS61276683A (ja) * 1985-05-30 1986-12-06 豊国工業株式会社 農産物等の乾燥装置
JPS6269738U (ja) * 1985-10-21 1987-05-01
JPS63313529A (ja) * 1987-06-15 1988-12-21 Showa Sangyo Kk 温室用除湿暖房装置
JPH01277431A (ja) * 1988-04-27 1989-11-07 Sanki Keiso Kk 温室内カーテンへの結露防止方法
JP2701041B2 (ja) * 1988-05-27 1998-01-21 日本カーバイド工業株式会社 ハウス構造
CA2015839A1 (en) * 1989-05-11 1990-11-11 Gad Assaf Method of and apparatus for reducing the heat load on a greenhouse
JPH04148123A (ja) * 1990-10-09 1992-05-21 Eiwa Sprinkler:Kk 温室の冷房装置
JP2555533B2 (ja) * 1993-10-04 1996-11-20 フルタ電機株式会社 二重天井型ハウス内の空気循環方向を制御する方法と、ハウス内空気循環用の循環扇
JP2001211757A (ja) * 2000-01-31 2001-08-07 Strawberry Fields:Kk 温室の冷暖房装置
JP2002188847A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Fujitsu General Ltd 空気調和機の室内ユニット
JP2003314855A (ja) * 2002-04-19 2003-11-06 Sharp Corp 空気調和機
JP2005337568A (ja) * 2004-05-26 2005-12-08 Hokoku Kogyo Co Ltd 穀物除湿乾燥方法およびその装置
JP4372141B2 (ja) * 2006-11-07 2009-11-25 清 今井 冷暖房方法及び装置
JP5046685B2 (ja) * 2007-03-01 2012-10-10 三菱電機株式会社 除湿機
JP5180688B2 (ja) * 2008-06-04 2013-04-10 エスペック株式会社 恒温恒湿装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011122811A (ja) 2011-06-23

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Sanford Reducing greenhouse energy consumption—An overview
JP5116051B2 (ja) 温室の温湿度管理システム及び温湿度管理方法
CN201237396Y (zh) 用于邻室环境模拟室的工况调节系统
WO2008025849A2 (en) A solar air system with a heat pump
JP2009516153A (ja) ヒートポンプシステム
KR101222399B1 (ko) 수경재배 온실용 냉,난방장치
CN102759170A (zh) 一种基于多点进风及利用地热能的置换式通风系统
CN104317272A (zh) 远程温室环境调节系统
CN114364252A (zh) 温室
JP3878636B2 (ja) ソーラーシステムハウスの換気方法
KR20050042108A (ko) 응축기와 증발기가 변환되는 제습기.
JP7081124B2 (ja) 制御装置及び農業用ハウス
JP2011188785A (ja) 施設園芸ハウス用ヒートポンプ式空気調和機
JP2014020768A (ja) ハウス用の除湿換気装置
TWI650067B (zh) 農業用屋舍
CN203560976U (zh) 一种内置柔性塑料管用于辐射供冷供热的透水橡胶地板
Both Greenhouse temperature management
KR101966140B1 (ko) 유체조화장치 및 이를 구비한 온실
Buschermohle et al. Controlling the environment in greenhouses used for tomato production
JP5715448B2 (ja) 建物の空調システム
JP4758017B2 (ja) 冷房システム
CN205389745U (zh) 一种日光温室夜间除湿通风系统
KR102456638B1 (ko) 시설하우스용 다단변온 농업용 냉난방 기기
JP2019154298A (ja) 空調システム
KR20130006044U (ko) 이중 항온 비닐하우스

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120216

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120405

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120910

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

R154 Certificate of patent or utility model (reissue)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R154

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5116051

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees