JP2019154298A - 空調システム - Google Patents

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細井 健一
Kenichi Hosoi
健一 細井
辻 忠男
Tadao Tsuji
忠男 辻
角田 真一
Shinichi Tsunoda
真一 角田
修平 兼光
Shuhei Kanemitsu
修平 兼光
光晴 日高
Mitsuharu Hidaka
光晴 日高
健太郎 立山
Kentaro Tateyama
健太郎 立山
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Abstract

【課題】冷房時において、植物の周囲の温度を十分に低減できる省エネルギーな空調システムを提供する。【解決手段】空調システムは、吸込口(35)及び吹出口(41)を有し、冷房運転及び暖房運転を切り換えて行う空調ユニット(30)を備える。吸込口(35)及び吹出口(41)の双方が、栽培室(11)で栽培される植物(P)よりも低い位置に配置される。【選択図】図2

Description

本開示は、栽培室に適用される空調システムに関する。
特許文献1の図6には、太陽光が照射される栽培室に適用される空調システムが開示されている。空調システムでは、ヒートポンプ式の冷暖房機の吸込口が、温室の上部寄りに配置される。冷暖房機の吹出口は、温室の下部寄りに配置される。吸込口から吸い込まれた空気は、冷暖房機で加熱又は冷却された後、吹出口から上方へ吹き出される。これにより、栽培室の冷房や暖房が行われる。
特許第3082061号公報
夏季の日中等においては、日射の影響により、栽培室に吸熱される輻射熱が増大することがある。この場合、空調システムの冷房負荷が増大するため、暖房運転においては十分な能力を有しているヒートポンプ式の冷暖機であっても、植物の周囲の温度を十分に低減できないことがあった。
本開示の目的は、冷房時において、植物の周囲の温度を十分に低減できる空調システムを提供することである。
本開示の第1の態様は、太陽光が照射される栽培室(11)に適用される空調システムであって、吸込口(35)及び吹出口(41)を有し、冷房運転及び暖房運転を切り換えて行う空調ユニット(30)を備え、前記吸込口(35)及び吹出口(41)の双方が、前記栽培室(11)で栽培される植物(P)よりも低い位置に配置されることを特徴とする空調システムである。
第1の態様では、植物(P)の周囲に低温の空気層を形成できるため、植物の周囲温度を十分に低減できる。
第2の態様は、第1の態様において、前記吸込口(35)と吹出口(41)の高さ位置が等しいことを特徴とする空調システムである。
第2の態様では、冷房運転において、植物(P)の周囲の空気流れが乱れにくくなるため、上記の低温の空気層を形成し易くなる。
第3の態様は、第1又は2の態様において、前記吸込口(35)及び前記吹出口(41)は、前記栽培室(11)の下面(16)に沿うように配置されることを特徴とする空調システムである。
第3の態様では、栽培室(11)の下面(16)近傍の空気が吸込口(35)から吸い込まれ、冷却後の空気が栽培室(11)の下面(16)近傍に供給される。このため、栽培室(11)では、植物(P)の周囲において低温の空気層を更に形成し易くなる。
第4の態様は、第1乃至3の態様のいずれか1つにおいて、前記吹出口(41)が複数箇所に形成されるとともに、前記栽培室(11)の下面(16)に沿うように延びるダクト(40)を備えていることを特徴とする空調システムである。
第4の態様では、広範囲において空気を供給できるとともに、吹出口(41)から吹き出される空気の風速を低減できる。この結果、栽培室(11)では、植物(P)の周囲において低温の空気層を更に形成し易くなる。
第5の態様は、第4の態様において、複数の前記吹出口(41)は、水平又は該水平よりも下側を向くように開口していることを特徴とする空調システムである。
第5の態様では、吹出口(41)から上方へ空気が供給されないため、植物(P)の周囲の低温の温度層が乱れてしまうことを抑制できる。
第6の態様は、第1乃至5の態様のいずれか1つにおいて、前記植物(P)の上端と下端との間の高さ位置に配置される温度センサ(42)を備え、前記空調ユニット(30)は、前記冷房運転において、前記温度センサ(42)の検出温度が目標温度に近づくように冷房能力が調節されることを特徴とする空調システムである。
第6の態様では、植物(P)の周囲温度を目標温度に調節できるため、植物(P)の周囲の温度を確実に最適な範囲に管理できる。
第7の態様は、第1乃至6の態様のいずれか1つにおいて、前記栽培室(11)の屋根(13)寄りに配置される循環扇(27)を備えていることを特徴とする空調システムである。
第7の態様では、暖房運転において、循環扇(27)をON状態とすることで、屋根(13)側寄りの暖気を植物(P)の周囲に確実に供給できる。また、この構成によれば、冷房運転において、循環扇(27)をOFF状態とすることで、栽培室(11)内の空気が上下方向において攪拌されるのを抑制できる。これにより、栽培室(11)では、上下方向の温度差を確実に付けることができる。
第8の態様は、第1乃至7の態様のいずれか1つにおいて、前記栽培室(11)の屋根(13)を開閉可能な保温カーテン(26)を備えていることを特徴とする空調システムである。
第8の態様では、冷房運転において、保温カーテン(26)を閉状態とすることで、栽培室(11)の空気の流れを抑制できる。
第9の態様は、第1乃至8の態様のいずれか1つにおいて、前記栽培室(11)の屋根(13)を開閉可能な遮光カーテン(25)を備えていることを特徴とする空調システムである。
第9の態様では、冷房運転において、遮光カーテン(25)を閉状態とすることで、日射に起因して植物(P)の周囲温度が上昇することを抑制できる。
図1は、実施形態に係る栽培室、及び空調システムの概略構成図である。 図2は、実施形態に係る空調システムの要部を拡大した概略構成図である。 図3は、ダクトの横断面図である。 図4は、コントローラの概略構成を示すブロック図である。 図5は、暖房運転時における図1に相当する図である。 図6は、冷房運転時における図1に相当する図である。
《実施形態》
本実施形態について説明する。
本実施形態の空調システム(S)は、ビニルハウス等の太陽光を利用する栽培室(11)に適用される。栽培室(11)では、春秋期や冬期の植物(P)を、栽培室(11)が高温となる夏季の間においても栽培可能となっている。
図1に示すように、栽培室(11)は、側壁(12)及び屋根(13)を有する。側壁(12)や屋根(13)は、透光性を有する材料で構成される。屋根(13)には、開口(14)と、該開口(14)を開閉可能な天窓(15)が設けられる。
栽培室(11)の下面(16)には、植物(P)を設置するための設置部(20)が設けられる。ここでいう、栽培室(11)の下面(16)は、地面ないし床面を意味する。設置部(20)は、植物(P)が載せられる裁置板(21)と、該裁置板(21)を支持する複数の支柱(22)とを有する。裁置板(21)は、栽培室(11)の下面(16)から離間して配置される。これにより、裁置板(21)と栽培室(11)の下面(16)との間には、室内機(31)及びダクト(40)が配設される設置スペース(23)が確保される(図2を参照)。
空調システム(S)は、遮光カーテン(25)、保温カーテン(26)、循環扇(27)、及び空調ユニット(30)を含んでいる。
遮光カーテン(25)は、遮光性の高い材料、例えば不織布やアルミ蒸着シート等で構成される。遮光カーテン(25)は、栽培室(11)に降りそそぐ日射量を削減する。遮光カーテン(25)は、栽培室(11)の屋根(13)の裏面に沿うように配置される。遮光カーテン(25)は、植物(P)に対して、屋根(13)を覆う状態と、該屋根(13)を露出させる状態とに切換可能に構成される。遮光カーテン(25)の開閉動作は、手動で行ってもよいし、所定の開閉機構を用いて自動で行ってもよい。
保温カーテン(26)は、気密性の高い材料であり、例えばポリエチレンシートで構成される。保温カーテン(26)は、遮光カーテン(25)の内側に沿うように配置される。保温カーテン(26)は、屋根(13)を覆う状態と、該屋根(13)を露出させる状態とに切換可能に構成される。保温カーテン(26)の開閉動作は、手動で行ってもよいし、所定の開閉機構を用いて自動で行ってもよい。
循環扇(27)は、栽培室(11)の内部のうち屋根(13)寄りに配置される。具体的には、循環扇(27)は、植物(P)と保温カーテン(26)の間に配置される。循環扇(27)は、例えばプロペラファンで構成される。循環扇(27)の風向は、水平向き(厳密には、栽培室(11)の長手方向の水平向き)に設定される。
空調ユニット(30)は、冷房と暖房とを切り換えて行うヒートポンプ式の空調機を構成している。図1及び図2に示すように、空調ユニット(30)は、例えば室外機(図示省略)と、室内機(31)と、ダクト(40)とを備えている。室外機には、圧縮機、室外熱交換器等が設けられ、室内機(31)には、室内熱交換器(33)が設けられる。室内機と室外機とが配管で接続されることで、冷媒回路が構成される。冷媒回路では、充填された冷媒が循環されることで冷凍サイクルが行われる。冷媒回路には、冷媒の循環方向(即ち、冷房サイクルと暖房サイクル)を切り換えるための、例えば四方切換弁が設けられる。
室内機(31)は、栽培室(11)の下面(16)付近に配置される。室内機(31)は、裁置板(21)の下側の設置スペース(23)に配置するのが好ましい。室内機(31)は、栽培室(11)の下面(16)上に直に設置してもよい。室内機(31)は、ケーシング(32)と室内熱交換器(33)と室内ファン(34)とを備えている。ケーシング(32)には、吸込口(35)と空気通路(36)とが形成される。吸込口(35)は、栽培室(11)の内部空間に開口している。室内熱交換器(33)は空気通路(36)に配置される。室内熱交換器(33)は、冷房運転時において蒸発器として機能し、暖房運転時において凝縮器(放熱器)として機能する。室内ファン(34)は、吸込口(35)から吸い込んだ空気を搬送する。
ダクト(40)は、室内機(31)の空気通路(36)の出口部分に接続される。ダクト(40)は、栽培室(11)の下面(16)に沿うように水平に延びている。ダクト(40)は、裁置板(21)の下側の設置スペース(23)に配置するのが好ましい。ダクト(40)は、栽培室(11)の下面(16)の上に直に設置してもよい。
ダクト(40)は、中空筒状に形成され、その内部を空気が流通する。ダクト(40)の横断面は、例えば円形状に形成され、例えばダクト(40)は、柔軟な袋体で構成される。ダクト(40)は、板金の角ダクトであってもよい。
図2に示すように、ダクト(40)には、複数の吹出口(41)が形成されている。複数の吹出口(41)は、ダクト(40)の長手方向に配列される。複数の吹出口(41)は、長手方向に等ピッチで配置するのが好ましい。図3に示すように、吹出口(41)は、水平向きに開口するようにダクト(40)の周壁(40a)の側端部を貫通している。吹出口(41)の位置は、これに限らないが、例えば図3のa点の位置(斜め下方を向く位置)や、図
のb点の位置(下方を向く位置)であってもよい。吹出口(41)をb点の位置とする場合、ダクト(40)を栽培室(11)の下面(16)から離間させて配置するとよい。ダクト(40)の周方向において、複数の吹出口(41)を配列してもよい。
図2に示すように、空調ユニット(30)は、温度センサ(42)と、コントローラ(50)とを備えている。温度センサ(42)は、植物(P)の上端と下端の間の高さ位置に配置され、該植物(P)の周囲温度を検出する。具体的に、温度センサ(42)は、植物(P)の成長点の高さ、例えば根元から一番目の節の高さに配置され、植物(P)の成長点高さの温度を検出する。
コントローラ(50)は、マイクロコンピュータと、該マイクロコンピュータを動作させるためのソフトウエアを格納するメモリディバイス(具体的には半導体メモリ)とを用いて構成されている。コントローラ(50)は、入力部(51)と空調制御部(52)とを備える。入力部(51)には、温度センサ(42)で検出された温度や、空調ユニット(30)の設定温度が入力される。空調制御部(52)は、温度センサ(42)で検出された温度が設定温度(目標温度)に近づくように、空調ユニット(30)の空調能力を調節する。具体的には、空調制御部(52)は、温度センサ(42)の検出温度が、例えば目標温度に達すると、室外機の圧縮機の回転数、ひいては冷媒循環量を減少させ、目標温度を維持する。更には、室内熱交換器(33)を休止状態(いわゆる、サーモオフ状態)とする。
〈各要素の高さ関係について〉
空調システム(S)の各要素の高さの関係について詳細に説明する。図2に示すように、空調ユニット(30)の吸込口(35)の高さをh1、該空調ユニット(30)の吹出口(41)の高さをh2、植物(P)の高さをhpとする。ここで、厳密には、高さh1は吸込口(35)の中間高さを意味し、高さh2は吹出口(41)の中間高さを意味し、高さhpは植物(P)の先端の高さを意味する。
本実施形態では、吸込口(35)の高さh1及び吹出口(41)の高さh2が、植物(P)の高さhpよりも低い。厳密には、吸込口(35)及び吹出口(41)は、植物(P)の先端よりも低い位置に配置される。更に、吸込口(35)及び吹出口(41)は、栽培室(11)の下面(16)に沿うように該下面(16)付近に配置するのが好ましい。本実施形態では、吸込口(35)の高さh1と、吹出口(41)の高さh2とが概ね等しい。
温度センサ(42)は、植物(P)の上端と下端の間の高さ位置に配置される。具体的に、温度センサ(42)は、植物(P)の成長点の高さhs付近に配置されるように、例えば壁面に取り付けられる。
−運転動作−
空調システム(S)は、冷房運転と暖房運転とが切り換えて実行される。
〈暖房運転〉
暖房運転は、例えば冬期において実行される。暖房運転中の空調ユニット(30)では、高圧冷媒が室内熱交換器(33)で凝縮する暖房サイクルが行われると同時に、室内ファン(34)が運転される。また、暖房運転では、保温カーテン(26)が原則として閉状態となる。図4に示すように、循環扇(27)は、原則としてON状態となる。
暖房運転では、吸込口(35)から取り込まれた空気が、室内熱交換器(33)で加熱される。加熱された空気は、ダクト(40)を流れ、各吹出口(41)から水平方向へ吹き出される。この空気は上側へ流れる。一方、循環扇(27)がON状態になると、屋根(13)寄りの空気が、栽培室(11)の長手方向水平に流れ、その後、壁面に沿うように下方へ流れる。以上のような空気流れにより、栽培室(11)の全体の暖房が行われる。
〈冷房運転〉
冷房運転は、例えば夏季において実行される。冷房運転中の空調ユニット(30)では、低圧冷媒が室内熱交換器(33)で蒸発する冷房サイクルが行われると同時に、室内ファン(34)が運転される。また、冷房運転では、保温カーテン(26)が原則として閉状態となる。冷房運転において、更に遮光カーテン(25)を閉状態としてもよい。図5に示すように、循環扇(27)は、原則としてOFF状態となる。
冷房運転では、吸込口(35)から取り込んだ空気が、室内熱交換器(33)で冷却される。冷却された空気は、ダクト(40)を流れ、各吹出口(41)から水平方向へ吹き出される。
〈実施形態の作用、課題、及び効果〉
本実施形態では、太陽光が照射される栽培室(11)に適用される空調システムであって、吸込口(35)及び吹出口(41)を有し、冷房運転及び暖房運転を切り換えて行う空調ユニット(30)を備え、前記吸込口(35)及び前記吹出口(41)の双方が、前記栽培室(11)で栽培される植物(P)(厳密には、植物(P)の先端)よりも低い位置に配置される。
この構成によれば、吸込口(35)が植物(P)よりも低い位置にあるため、冷房運転において、植物(P)の周囲の比較的低温の空気が吸込口(35)に供給される。吹出口(41)は植物(P)よりも低い位置にあるため、冷房運転において冷却された空気は、植物(P)の周囲に供給される。このような空気の流れにより、夏季等においては、植物(P)の周囲に比較的低温の空気層が形成される。一方、屋根(13)寄りには、比較的高温の空気層が形成される。つまり、冷房運転では、低温層・高温層を形成することが可能であり、低温層において植物(P)の周囲を局所的に冷房できる。このため、冷房運転において、植物(P)の周囲(厳密には成長点)の温度を十分に低減できる。
具体的には、本実施形態では、以下の課題を解決できる。
春期や秋期の植物(P)を栽培の対象とする場合、夏季等においても、植物(P)の周囲温度を20℃〜25℃に管理する必要が生じる場合がある。従来、夏季においては、日射の影響により栽培室(11)の温度が上昇し易く、植物(P)の周囲温度をこれらの範囲に維持するのが困難であった。ここで、このような夏季の日中において上記の温度範囲を維持するための冷房負荷は、例えば冬期の夜間において上記の温度範囲を維持するための暖房負荷と比べて膨大となる。このため、夏季において、植物(P)の周囲温度を上記の範囲に維持するためには、空調ユニット(30)の機種のクラスを上げる必要があり、その場合には、イニシャルコストやランニングコストが高くなる問題があった。
これに対し、本実施形態では、冷房運転において、上述のようにして植物(P)の周囲の温度を十分に低減できる。このため、空調ユニット(30)の機種のクラスを上げる必要もない。
本実施形態では、前記吸込口(35)と前記吹出口(41)の高さ位置が等しい。
この構成によれば、吸込口(35)及び吹出口(41)の高さ位置を等しくすると、植物(P)の周囲の空気流れが乱れにくくなる。この結果、冷房運転において、植物(P)の周囲に低温の空気層を形成し易くなる。
本実施形態では、前記吸込口(35)及び前記吹出口(41)は、前記栽培室(11)の下面(16)に沿うように配置される。
この構成によれば、栽培室(11)の下面(16)近傍の空気を吸込口(35)から吸い込み、冷却後の空気を栽培室(11)の下面(16)近傍に供給する。このため、栽培室(11)では、植物(P)の周囲において低温の空気層を更に形成し易くなる。
本実施形態では、前記吹出口(41)が複数箇所に形成されるとともに、前記栽培室(11)の下面(16)に沿うように延びるダクト(40)を備えている。
この構成によれば、冷却後の空気は、ダクト(40)を介して複数の吹出口(41)から植物(P)の周囲に供給される。このため、広範囲において空気を供給できるとともに、吹出口(41)から吹き出される空気の風速を低減できる。この結果、栽培室(11)では、植物(P)の周囲において低温の空気層を更に形成し易くなる。
本実施形態では、複数の吹出口(41)は、水平を向くように開口している。
この構成によれば、吹出口(41)から上方へ空気が供給されないため、植物(P)の周囲の低温の温度層が乱れてしまうことを抑制できる。吹出口(41)から斜め下向き、あるいは下向きに空気を供給すると、このような空気層の乱れを更に抑制できる。
本実施形態では、前記植物(P)と前記吸込口(35)の間の高さ位置に配置される温度センサ(42)を備え、前記空調ユニット(30)は、前記冷房運転において、前記温度センサ(42)の検出温度が目標温度に近づくように冷房能力が調節される。
この構成によれば、植物(P)の周囲温度を目標温度に調節できるため、植物(P)の周囲の温度を確実に最適な範囲(例えば20℃〜25℃)に管理できる。
本実施形態では、前記栽培室(11)の屋根(13)寄りに配置される循環扇(27)を備えている。
この構成によれば、暖房運転において、循環扇(27)をON状態とすることで、屋根(13)側寄りの暖気を植物(P)の周囲に確実に供給できる。また、この構成によれば、冷房運転において、循環扇(27)をOFF状態とすることで、栽培室(11)内の空気が上下方向において攪拌されるのを抑制できる。これにより、栽培室(11)では、上下方向の温度差を確実に付けることができる。この結果、栽培室(11)では、植物(P)の周囲において低温の空気層を更に形成し易くなる。
本実施形態では、栽培室(11)の屋根(13)を開閉可能な保温カーテン(26)を備えている。
この構成によれば、冷房運転において、保温カーテン(26)を閉状態とすることで、その気密効果により、栽培室(11)の空気の流れを抑制し、高温の外気の侵入も抑制できる。
本実施形態では、前記栽培室(11)の屋根(13)を開閉可能は遮光カーテン(25)を備えている。
この構成によれば、冷房運転において、遮光カーテン(25)を閉状態とすることで、日射に起因する植物(P)の周囲温度の上昇を抑制できる。
《その他の実施形態》
上記実施形態において、室内ファン(34)は、風速が可変に構成され、冷房運転の風速を暖房運転の風速よりも低下させてもよい。冷房運転での室内ファン(34)の風速(ファンタップ)を小さくすることで、吹出口(41)から吹き出される空気の風速も遅くなる。この結果、植物(P)の周囲の低温の空気層の乱れを効果的に抑制できる。
上記実施形態において、保温カーテン(26)、遮光カーテン(25)、及び循環扇(27)の少なくとも1つを、空調ユニット(30)の運転と連動させて自動的に制御してもよい。この場合、空調ユニット(30)の冷房運転の指令に連動して、1)保温カーテン(26)を閉状態とする、2)遮光カーテンを閉状態とする、3)循環扇(27)をOFF状態とする、の少なくとも1つの制御を行う。
上記実施形態の冷房運転において、遮光カーテン(26)及び保温カーテン(25)の一方又は両方を開状態とすることもできる。この場合であっても、冷房運転においては、低温層・高温層の2層を形成でき、植物(P)の周囲(成長点高さ)の温度を最適な範囲に維持可能である。
以上、実施形態および変形例を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。また、以上の実施形態および変形例は、本開示の対象の機能を損なわない限り、適宜組み合わせたり、置換したりしてもよい。
以上説明したように、本開示は、栽培室に適用される空調システムについて有用である。
S 空調システム
11 栽培室
13 屋根
16 下面
25 遮光カーテン
26 保温カーテン
27 循環扇
30 空調ユニット
35 吸込口
40 ダクト
41 吹出口
42 温度センサ

Claims (9)

  1. 太陽光が照射される栽培室(11)に適用される空調システムであって、
    吸込口(35)及び吹出口(41)を有し、冷房運転及び暖房運転を切り換えて行う空調ユニット(30)を備え、
    前記吸込口(35)及び吹出口(41)の双方が、前記栽培室(11)で栽培される植物(P)よりも低い位置に配置されることを特徴とする空調システム。
  2. 請求項1において、
    前記吸込口(35)と前記吹出口(41)の高さ位置が等しいことを特徴とする空調システム。
  3. 請求項1又は2において、
    前記吸込口(35)及び前記吹出口(41)は、前記栽培室(11)の下面(16)に沿うように配置されることを特徴とする空調システム。
  4. 請求項1乃至3のいずれか1つにおいて、
    前記吹出口(41)が複数箇所に形成されるとともに、前記栽培室(11)の下面(16)に沿うように延びるダクト(40)を備えていることを特徴とする空調システム。
  5. 請求項4において、
    複数の前記吹出口(41)は、水平又は該水平よりも下側を向くように開口していることを特徴とする空調システム。
  6. 請求項1乃至5のいずれか1つにおいて、
    前記植物(P)の上端と下端の間の高さ位置に配置される温度センサ(42)を備え、
    前記空調ユニット(30)は、前記冷房運転において、前記温度センサ(42)の検出温度が目標温度に近づくように冷房能力が調節されることを特徴とする空調システム。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つにおいて、
    前記栽培室(11)の屋根(13)寄りに配置される循環扇(27)を備えていることを特徴とする空調システム。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1つにおいて、
    前記栽培室(11)の屋根(13)を開閉可能な保温カーテン(26)を備えていることを特徴とする空調システム。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1つにおいて、
    前記栽培室(11)の屋根(13)を開閉可能な遮光カーテン(25)を備えていることを特徴とする空調システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102329260B1 (ko) * 2021-03-26 2021-11-22 (주)우원엠앤이 작물의 환경 스트레스를 저감하는 온실 냉난방 패키지 시스템

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KR102329260B1 (ko) * 2021-03-26 2021-11-22 (주)우원엠앤이 작물의 환경 스트레스를 저감하는 온실 냉난방 패키지 시스템

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