JP5114850B2 - 冷延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車、家電、建材などに好適な冷延鋼板、特に、無塗油状態でも、製造直後から需要家での塗装などの処理に至るまでの期間における防錆性、すなわち初期防錆性に優れた冷延鋼板、およびその製造方法に関する。
冷延鋼板は、製造直後から需要家での使用に至るまでに錆(以後、初期錆と呼ぶ)の発生を防ぐため、通常、鋼板片面あたり1〜2g/m2程度の防錆油が塗布される。防錆油は、防錆に加えプレス成形などにおける潤滑を目的とする場合もあるが、需要家における塗装などの処理に先立って脱脂処理により除去されるのが一般的である。環境保全やコスト削減に対し、この脱脂処理の省略は有効であるので、防錆油を使用しなくとも、初期錆が発生することのない鋼板を提供できれば望ましい。
初期錆の発生が抑制された、すなわち初期防錆性に優れた冷延鋼板に関する技術として、例えば、特許文献1には、CやSなどの成分の量が規定された鋼を、0.5〜10vol.%の水素を含み、残部が窒素からなる還元ガス雰囲気で連続焼鈍を行う方法が開示されている。CやSなどの成分を表層に緩やかに偏析させることで、きわめて薄い緻密な炭化物や硫化物の層を生成させて初期防錆性を高めると推察されている。また、特許文献2には、連続焼鈍工程の下流側で、例えば酸洗により鋼板表面の酸化皮膜を除去した後、水洗により自動還元時間が40秒以上となる酸化皮膜を再生成させる方法が開示されている。
また、特許文献3や特許文献4には、北米や北欧で冬季に撒かれる融雪塩に起因する塩素イオン存在下で乾湿が繰り返される極めて厳しい環境下でも優れた耐孔あき性を有する自動車用の鋼板やその製造方法が開示されている。
さらに、鋼板表面にバリヤー皮膜を形成させて耐食性を向上させる方法も提案されており、例えば特許文献5には、ケイ酸リチウム主体の水溶液を鋼板表面に塗布し、乾燥して防錆被膜を形成する方法や、また特許文献6には、リン酸イオンまたはリン酸化合物を表面処理鋼板に塗布し、乾燥して化成処理皮膜を形成する方法なども開示されている。
特開2001-348621号公報 特開2004-269919号公報 特開平11-293346号公報 特開2000-34544号公報 特公平4-69235号公報 特開2000-144444号公報
しかしながら、特許文献1や特許文献2に記載の方法では、無塗油状態で、10〜14日間屋内放置しても発錆がないとされているが、暴露環境がさらに厳しい場合、すなわち塩分が比較的多く付着される環境下では、付着塩分による湿潤状態の維持、塩素イオンによる酸化物破壊などの影響により、表層に形成された炭化物、硫化物や酸化物では十分な初期防錆性が得られない。
また、特許文献3や特許文献4に記載の鋼板やその製造方法では、いずれも鋼中の成分を規定して鋼の表層に形成される錆を緻密化して孔食を抑制するものであり、初期錆の抑制効果は小さい。
さらに、特許文献5に記載の防錆被膜では、初期錆発生を遅延させることはできるが、十分な効果を得るには膜厚を厚くする必要があり、膜厚を厚くすると膜の密着性が低下して、膜が剥離し易くなり、むしろ初期防錆性が低下する。これは、おそらく局部的な欠落部を起点に腐食が進行するためと思われる。特許文献6に記載のリン酸イオンまたはリン酸化合物を直接鋼板表面に塗布、乾燥させても、特許文献5に記載の防錆被膜の場合と同様、十分な効果を得るには膜厚を厚くする必要があり、膜厚を厚くすると膜の密着性が低下して、膜の耐水性や耐剥離性に問題が生じる。
本発明は、塩素イオン存在下で乾湿が繰り返されるといった過酷な環境下でも、防錆油を塗布せずに優れた初期防錆性を有する冷延鋼板およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、塩素イオンが存在するような過酷な環境下で初期錆の発生を抑制し得る方法について検討した結果、以下のことを見出した。
(1)鋼板表面に、鋼成分を偏析させて化合物層を形成させたり、酸化物を形成させるだけでは十分でなく、Siを含有する酸化物を含むバリヤー皮膜と、このバリヤー皮膜と鋼板との界面にFeを含む反応層とを形成させることが有効である。
(2)上述のように、バリヤー皮膜の膜厚を厚くすると剥離など問題が生じるので、薄い膜で初期防錆性を改善するには、鋼中のMnとS量を制御することが有効である。
本発明は、このような知見に基づきなされたもので、Mn:0.05mass%以上、S:0.020mass%以下、C:0.001〜0.15mass%、Si:0.01〜1.5mass%、P:0.01〜0.05mass%、Al:0.01〜0.06mass%、N:40massppm以下、および、Nb:0.002〜0.04mass%、Ti:0.003〜0.03mass%、B:0.0002〜0.002mass%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、少なくとも一方の表面に、好ましくは両面にSiを含有する酸化物を含む皮膜を有し、かつ前記Siを含有する酸化物を含む皮膜と鋼板との界面にFeを含む反応層を有することを特徴とする冷延鋼板を提供する。
このとき、Siを含有する酸化物を含む皮膜の厚さは5〜300nmであることが好ましい。
さらに、反応層がPを含有し、反応層の厚さが1〜200nmであり、Siを含有する酸化物を含む皮膜と反応層の合計の厚さが6〜500nmであることがより好ましい。
本発明の冷延鋼板は、Mn:0.05mass%以上、S:0.020mass%以下、C:0.001〜0.15mass%、Si:0.01〜1.5mass%、P:0.01〜0.05mass%、Al:0.01〜0.06mass%、N:40massppm以下、および、Nb:0.002〜0.04mass%、Ti:0.003〜0.03mass%、B:0.0002〜0.002mass%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を冷間圧延して冷延鋼板とした後、前記冷延鋼板を水素を含み残部が窒素からなる露点:-60〜-30℃の雰囲気で連続焼鈍を行い、次いで、前記連続焼鈍後の冷延鋼板の少なくとも一方の表面に、Siを含有する溶液を接触させることを特徴とする冷延鋼板の製造方法により製造できる。
また、Mn:0.05mass%以上、S:0.020mass%以下、C:0.001〜0.15mass%、Si:0.01〜1.5mass%、P:0.01〜0.05mass%、Al:0.01〜0.06mass%、N:40massppm以下、および、Nb:0.002〜0.04mass%、Ti:0.003〜0.03mass%、B:0.0002〜0.002mass%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなる鋼を冷間圧延して冷延鋼板とした後、前記冷延鋼板を水素を含み残部が窒素からなる露点:-60〜-30℃の雰囲気で連続焼鈍を行い、次いで、前記連続焼鈍後の冷延鋼板の少なくとも一方の表面を酸性水溶液に接触させ、水洗した後、Siを含有する溶液に接触させることを特徴とする冷延鋼板の製造方法で製造すれば、より優れた初期防錆性が得られる。
上記の製造方法で、Siを含有する溶液を接触させる際に、接触と同時、接触の直前、あるいは接触の直後のうちの少なくとも一つの時点で、前記Siを含有する溶液を接触させる表面に、Pを含有する溶液を接触させれば、さらに優れた初期防錆性が得られる。
このとき、Siを含有する溶液をpH10以上とし、Pを含有する溶液をpH3以下とすることが好ましい。
本発明により、塩素イオン存在下で乾湿が繰り返されるといった過酷な環境下でも、防錆油を塗布せずに優れた初期防錆性を有する冷延鋼板を製造できるようになった。
鋼板表面に塩分が存在する場合、塩類による結露水や表層の水膜の電気伝導度の増加、同水膜中における錯形成による鉄イオン拡散の促進、塩素イオン吸着による酸化皮膜の破壊、化学的凝縮作用による湿潤状態の持続(結露)などの複合効果により、鋼が腐食し易くなる。特に、沿岸地域のように、飛来海塩の影響により塩分が付着し易く、昼夜の気温の変化により乾湿が繰り返される環境下では、極めて短時間で腐食が生じる。
このような付着塩分の影響を排除するには、鋼板の極表層に塩素イオンの攻撃を阻止し、塩素イオンが存在しても安定な、特許文献5や6に記載されているバリヤー皮膜の形成が効果的である。特に、皮膜が電子移動に対する整流作用を有している場合や絶縁性の皮膜である場合は、腐食反応を抑制でき、初期錆の発生を極めて効果的に抑制できると考えられる。しかし、皮膜に、一部でも欠陥が存在すると、欠陥部が選択的に腐食されるため、皮膜は均一かつ緻密である必要があり、それには膜厚が薄い方が有利である。
そこで、本発明者らは、薄い膜でも初期錆の発生を効果的に抑制できる方法に検討したところ、上述のように、鋼中のMnとS量を制御した上で、Siを含有する酸化物を含む皮膜を形成させることが有効であることを見出した。以下に、その詳細を説明する。
I)Mn、S量
鋼板の表層には、MnSのような硫化物が不均一に濃化し易く、そのため初期錆の発生を促進させるので、S量は0.020mass%以下とする必要がある。初期錆の発生を抑制するには、S量は少ないほど好ましいが、極端に低下させると脱硫のために著しいコスト増を招くので、0.001mass%以上とすることが好ましい。また、Mn量が0.05mass%未満だと、Sが硫化物として析出せず、表層に不均一に濃化して初期防錆性を低下させる。したがって、Mn量は0.05mass%以上とする必要があるが、2.0mass%を超えると鋼板表層にMn系の酸化物が生成し易くなり、表層の均質性を維持できなくなるため、2.0mass%以下とすることが好ましい。
なお、MnとS以外の成分元素は特に規定されないが、鋼板表層に濃化する酸化物や炭化物の影響が無視できなくなることから、C:0.15mass%以下、Si:1.5mass%以下とすることが好ましい。また、本発明の効果を十分に発揮させるには、P:0.05mass%以下とすることが好ましい。こうしたMnとS以外の成分元素は、材料に必要な機械特性との兼ね合いで規定される。以下、本発明で適用される鋼成分の好ましい下限値および上限値を列挙すると、mass%、massppmとして、C:0.001〜0.15%、Si:0.01〜1.5%、Mn:0.1〜2.0%、P:0.01〜0.05%、Al:0.01〜0.06%、N:30ppm以下となる。
II)Siを含有する酸化物を含む皮膜
Siを含有する酸化物を含む皮膜(以後、Si系酸化物層と呼ぶ)は、Siを含有する溶液を鋼板表面に接触させることにより形成させる。このSi系酸化物層は、一部Siを含有する水酸化物が含まれてもよいが、例えば、ケイ酸リチウム水溶液を塗布し、乾燥させて得られるような非晶質層である。Siを含有する溶液としては、ケイ酸リチウム水溶液以外にも、ケイ酸ナトリウム水溶液、ヘキサフルオロケイ酸塩水溶液、シリカゾル、シランカップリング剤などを含む水溶液、ポリシラザン(ポリペルヒドロシラザン)をキシレンなどの溶剤に溶かしたもの、テトラエトキシシランをメタノール、エタノール、メチルセルソルブ、ブチルセルソルブなどの溶剤に溶かしたものが挙げられる。
これらの溶液を塗布、スプレー、浸漬などにより鋼板表面に接触させた後、乾燥させるが、乾燥前に、必要に応じて、ロール絞り、気体絞りなどの工程により液膜厚を制御することもできる。溶液が反応により不溶化する場合には、乾燥前に、可溶性成分を水洗により洗浄してもよい。
このSi系酸化物層は、上記のようなケイ酸化合物を含む溶液を鋼板表面に接触させて形成される非晶質のSi系酸化物を含む皮膜である。
Si系酸化物層の厚さは、5〜300nmとすることが好ましい。5nm未満では、十分な耐食性が得られない。300nmを超えると、皮膜が局所的に欠落し易くなるため初期防錆性が低下する。また、皮膜が厚いと、需要家での使用時に、導電性や塗装性などに悪影響を及ぼす可能性があるので、皮膜は、この範囲で薄いほど好ましい。
Si系酸化物層はSiとO、Hや他の複合成分で構成されるため、Si付着量は特に規定されないが、1〜100mg/m2であることが好ましい。
また、Si系酸化物層の化学的安定性を高めることで、初期錆に至るまでの期間をさらに長くすることができる。鋼と溶液の反応により導入されるFeやP、さらには溶液のカチオン成分のTi、Zr、V、Mo、Co、Fe、Ni、Zn、Al、Mg、P、La、Ceなどを複合化させることが効果的である。これら元素の複合化の方法としては、上記のSiを含有する溶液に複合添加すればよい。また、複合添加の方法としては、これらの元素を含む硝酸塩、リン酸塩、酢酸塩、炭酸塩や、酸素酸イオン、キレート化化合物、ジルコニアゾル、アルミナゾルなどの酸化物ゾルなどを適宜添加すればよい。
III)反応層
Si系酸化物層を形成させる際に、例えば硝酸イオンをSiを含有する溶液に添加すると、Siを含有する溶液と鋼が反応し、Si系酸化物層と鋼板との界面にFeを含む反応層が形成され、より優れた初期防錆性が得られる。本発明で規定された鋼成分や後述する焼鈍条件では、表面状態が均質化され、鋼とSiを含有する溶液とが局部的に反応し難くなり、非常に均一な反応層が形成されるものと考えられる。通常の条件で焼鈍された鋼板を、硝酸イオンの添加されたSiを含有する溶液に接触させた場合は、鋼板表面に反応ムラが生じ易くなり、初期防錆性が低下する。したがって、本発明では、鋼板の表面状態の均質化とSi系酸化物層との相乗効果により優れた初期防錆性が得られることに特徴があるといえる。
こうした反応層を形成させるには、Siを含有する溶液に、硝酸イオンの他、塩素酸イオン、フッ素イオン、リン酸イオンなどから選ばれた少なくとも1種を添加すればよい。このとき、添加量は特に規定されないが、処理液の反応性を高め過ぎると形成されるSi系酸化物層が不均一となるため、溶液のpHが1〜4になるように添加するのが好ましい。
この反応層にPを含有させ、その厚さを1〜200nmとし、Si系酸化物層と反応層の合計の厚さを6〜500nmとすると、さらに優れた初期防錆性が得られる。
Si系酸化物層の形成には、ケイ酸リチウム水溶液を塗布し乾燥する方法を用いることが緻密な膜を形成される上で好ましいが、この水溶液はアルカリ性で安定であり、酸性成分が混合すると容易にゲル化する。このため、反応層にPを含有させるには、ケイ酸リチウム水溶液へリン酸成分などの酸性溶液を混合して行うことができない。そこで、本発明者らは、反応層にPを含有させる方法について検討したところ、ケイ酸リチウム水溶液などのSiを含有する溶液をスプレーなどにより冷延鋼板に接触させる際に、接触と同時、接触の直前、あるいは接触の直後のうちの少なくとも一つの時点で、別系統よりPを含有する溶液をSiを含有する溶液を接触させる表面にスプレーなどにより接触させ、そのまま水洗せずに乾燥させと、Pを含有する反応層とその上にSi系酸化物層を有する複層皮膜を形成可能であることを見出した。その皮膜形成機構は明らかでないが、次のように推測される。すなわち、ケイ酸リチウム水溶液はpH11程度のアルカリ性であり、これにPを含有する溶液として各種カチオンを含有するpH1〜3の第一リン酸塩水溶液を混合させるとゲル化するため、ゲル化した混合溶液を直接塗布したりスプレーすることはできないが、ケイ酸リチウム水溶液とは別系統のノズルを用いPを含有する溶液を同時にスプレーすると鋼板表面に塗布された混合液がゲル化する前に、反応の早いリン酸塩水溶液が優先的に鋼と反応し、Pを含有する反応層が形成される。また、Pが反応層に優先的に消費されることで、鋼板表面の混合液ではSiが濃化され、反応層の上にSi系酸化物層が形成されることになる。
上述のように、Siを含有する溶液をpH10以上とし、Pを含有する溶液をpH3以下とすることが好ましい。なお、混合液の反応性が低下し、反応層が有効に形成されない場合もあるので、Siを含有する溶液のpHは13以下にすることが好ましい。また、反応性が高くなり、鋼板表面をエッチングして反応ムラを生じやすいので、Pを含有する溶液のpHは0.5以上にすることが好ましい。
Siを含有する溶液とPを含有する溶液は、上述のように、別系統のノズルから同時にスプレーすればよいが、スプレーの配置法としては、板幅方向に均一に両液が混合するように幅方向に交互に配列させたり、ライン進行方向に前後に配列させる方法が可能である。
さらに、ロールコーターなどでSiを含有する溶液を鋼板表面に塗布した後、該溶液を乾燥させず、ウェット状態のままで、その上にPを含有する溶液をスプレーさせることも可能である。また、その順序を逆にし、Pを含有する溶液を塗布した後、Siを含有する溶液をスプレーしてもよい。
なお、両方の溶液がスプレーなどにより混合され、鋼板表面に液膜となって付着している過程で上述の反応が進行するが、反応層やSi系酸化物層を形成させるためには、引き続き水分を蒸発させる必要がある。それには、通常の誘導加熱装置や熱風炉などを用いることができる。また、鋼板表面に形成されている液膜が薄い場合は、液膜に供給される酸素量が多くなるため酸化物がより効果的に形成される。したがって、この場合は、スプレーなどの処理の後に引き続き、不活性ガスの吹き付けや絞りロールによって液膜の厚みを調整することができる。
こうして形成されたPを含有する反応層は、Pを含有する水溶液と鋼の反応により形成される層であるが、結晶水を含むリン酸塩などの結晶性の化合物であっても、非晶質状のリン含有化合物であってもよい。鋼との反応により形成される層であるため、Feや鋼中のSi、Mnなどの表層に濃化している成分が含有される場合もあるが、特に初期防錆性を劣化させることはない。この反応層の厚さは、反応により形成されるため非常に緻密である。その膜厚は1〜200nmにすることが好ましい。この範囲で優れた初期防錆性が得られる。Pを含有する水溶液としては、各種カチオンを有する第一リン酸塩水溶液などを用いることが可能である。また、Pを含有する反応層には、Ti、Zr、V、Mo、Co、Fe、Ni、Zn、Al、Mg、P、La、Ceなどを複合化させることもできる。
IV)Si系酸化物層形成前の冷延鋼板の製造条件
本発明の冷延鋼板は、Mn:0.05mass%以上およびS:0.015mass%以下を含有する冷延鋼板を連続焼鈍後、上述のように、Siを含む溶液に接触させればよいが、Si系酸化物層の厚さが薄くても優れた初期防錆性を発揮させるには、鋼板の表面状態を適切に制御することが好ましい。そこで、本発明者らは、連続焼鈍時の雰囲気の露点の影響について、以下のような検討を行った。
mass%で、C:0.0011%、Si:0.004%、Mn:0.1%、P:0.007%、S:0.007%およびCu:0.01%、Ni:0.01%、Cr:0.02%、Al:0.025%、Nb:0.002%、Ti:0.03%を含有する鋼を熱間圧延し、酸洗後、冷間圧延して0.8mmの冷延鋼板とし、水素と窒素からなる還元雰囲気中で、露点を-10〜-40℃に変えて、830℃で20秒間保持して連続焼鈍した。得られた鋼板を、必要に応じて酸性水溶液に接触させ、水洗した後、ケイ酸リチウム水溶液(日産化学工業[株]製リチウムシリケート45)を鋼板表面に塗布し、乾燥して、厚さ120nmのSi系酸化物層を形成した。そして、以下の初期錆発生試験により、塩素イオン存在下で乾湿が繰り返される環境下での初期錆の発生状況を調査した。
初期錆発生試験:
鋼板を70mm×70mmのサイズにせん断し、端面と片方の面をシールし、次の条件で腐食試験を行った。
人工海塩をイオン交換水に溶解させ、濃度0.035mass%の水溶液を作成し、この水溶液をシール後の鋼板に、噴射し、乾燥させて、塩分を100mg/m2付着させた。引き続き、この鋼板を環境試験機に入れ、乾燥(温度60℃、相対湿度35%)3時間→湿潤(温度40℃、相対湿度95%)3時間のサイクルで乾湿を3回繰り返して腐食試験を行った。なお、このとき乾湿間の移行時間は1時間とした。その後、鋼板の塩分をイオン交換水で洗浄し、乾燥して、再び人工海塩を100mg/m2付着させて同様な腐食試験を行った。
そして、発生した点錆の1cm2あたりの個数を求め、以下のように評価した。
◎:発錆なし
○:1個以上10個未満
△:10個以上30個未満
×:30個以上50個未満
××:50個以上
その結果、露点を-30℃以下に制御することにより、Si系酸化物層の厚さが極めて薄くても発錆状況は◎か○で、優れた初期防錆性が得られることが明らかになった。露点の条件により初期錆の発生に違いが現れる理由は十分には明らかでないが、以下のように推察される。すなわち、露点が低い場合には還元効果が高く、表層に濃化される酸化物が存在し難いうえ、硫化物などが比較的均質に表層に存在するため、表面性状が極めて均質となる。その結果、皮膜形成用の溶液と鋼との濡れ性が均質化し、形成されるSi系酸化物層は欠陥部の極めて少ない、均一なものとなって、初期錆の発生が抑制される。この検討では、アルカリ性で鉄との反応性の低いケイ酸リチウム水溶液を塗布したが、Si系酸化物層を形成するために、例えば酸性のヘキサフルオロケイ酸水溶液や、酸性タイプのシリカゾル水溶液を塗布することもできる。この場合は、これらの水溶液と鋼が反応し、表面状態が異なり、不均一なSi系酸化物層が形成され易くなるため、上記のような均質な表面性状が有効となる。
雰囲気の露点の下限は、特に限定されないが、-60℃未満にするには多大な設備コストが必要となるので、-60℃とする。なお、露点温度が制御されていれば、水素イオン濃度は特に規定されないが、水素濃度は2〜7vol.%とするのが好ましい。
焼鈍後の鋼板を、酸性水溶液に接触させ、水洗、乾燥させた後にSi系酸化物層を形成させると、より優れた初期防錆性が得られる。例えば、50℃の硫酸水溶液(98mass%硫酸50g/l)中に数秒間浸漬させると、その後の水洗・乾燥過程で表層に極薄い酸化物層が形成される。酸化物層の形成により、Si系酸化物層を形成させるための水溶液と鋼との反応性はやや低下するが、酸化物層が均質であるため、酸化物層とSi系酸化物層の相乗作用によって初期防錆性が向上すると考えられる。
酸性水溶液としては、硫酸水溶液のほか、塩酸、硝酸と塩酸の混合水溶液、しゅう酸、塩素酸なども有効である。また、クエン酸などのFeイオンを捕捉する錯化剤などを添加することもできる。さらに、リン酸を含む酸性水溶液を用いれば、より均質なSi系酸化物層を形成させることができる。酸性水溶液には、Ti、Zr、V、Mo、Co、Fe、Ni、Zn、Al、Mg、La、Ceなどの金属イオンが存在してもよい。なお、十分な効果を得るには、酸性水溶液のpHを3以下とすることが好ましい。
前述した鋼成分や焼鈍雰囲気の露点の制御、さらに上述した焼鈍後の酸性水溶液との接触により表面を均質化し初期防錆性をより一層向上させることができることから、その機構は、単にSi系酸化物層の均質性の向上だけではなく、冷延鋼板の表層には次のようなナノメータの厚さを有する二層が形成され、それらの相乗効果で電子整流作用や、イオン透過抑制などの効果が高度に発現されていることにもよると考えられる。
(i)反応性を付与したSi酸化物水溶液の際、鋼とSi系酸化物層の界面に形成される反応層
(ii) Si系酸化物層
なお、本発明の冷延鋼板は、基本的には、冷間圧延後、連続焼鈍、必要に応じて過時効処理、調質圧延、必要に応じて酸性水溶液との接触、水洗、乾燥、引き続きSi系酸化物層/反応層形成の順で、製造されるが、調質圧延前に酸性水溶液と接触させることもできる。また、酸性水溶液との接触時に直接Si系酸化物層を形成させることも可能である。連続焼鈍後、コーティングラインなどでオフラインでSi系酸化物層を形成させることもできるが、インラインで形成した方が生産性上好ましい。
表1に示す成分を有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼A〜Eからなる冷間圧延後の鋼板を、表4に示す焼鈍条件で連続焼鈍した。焼鈍後の冷延鋼板に、表2に示す処理条件で酸性水溶液との接触、水洗、乾燥処理後、表3に示す条件でSi系酸化物層を形成して、試料No.1〜17を作製した。なお、一部の試料には、酸性水溶液による接触処理が行われてないものやSi系酸化物層が形成されてないものもある。そして、Si系酸化物層の厚さ、Si付着量、反応層の有無、および上記の初期錆発生試験により初期錆の発生状況を調査した。
Si系酸化物層の厚さ:
FIB加工により切り出した断面の任意の3箇所を、TEMにより観察し、厚みを測定し、平均を求めた。
Si付着量:
予め付着量を湿式分析(酸で溶解し、酸中のSi量を検量線法にてICP分析[高周波プラズマ発光分析])して求めた検量板との比較により、蛍光X線分析で定量した。
反応層の有無:
TEMによるFIB加工した試料の皮膜厚さの測定時に、元素分析により皮膜内部におけるFeの存在有無を確認し、界面から連続的にFeが存在する場合には、反応層が形成しているものとして判断した。
結果を表4に示すが、本発明である試料No.1〜12、15、16は、Si系酸化物層の厚さが薄くても発錆状況は◎、○または△で、優れたまたは良好な初期防錆性を有することがわかる。
Figure 0005114850
Figure 0005114850
Figure 0005114850
Figure 0005114850
表1に示す成分を有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼A〜Dからなる冷間圧延後の鋼板を、表7に示す焼鈍条件で連続焼鈍した。焼鈍後の冷延鋼板に、表2に示す処理条件で酸性水溶液との接触、水洗、乾燥処理後、表5に示す混合液膜形成方法で、表6に示す処理液から2種の処理液を組み合わせて付着させ、混合液からなる液膜を形成後、20秒以内に水洗することなく鋼板温度が90℃となる条件で熱風炉により乾燥し、試料No.18〜31を作製した。そして、実施例1の場合と同様に、P含有反応層の厚さ、P含有反応層とSi系酸化物層の合計の厚さ、Si付着量、および上記の初期錆発生試験により初期錆の発生状況を調査した。また、Pを含有する反応層の厚さは、FIB加工により切り出した断面の任意の3箇所をTEMにより観察し、反応層中のFeとPの存在を元素分析により確認して、Si系酸化物層の厚さと同様な方法で測定した。
結果を表7に示す。本発明である試料No.18〜31は、発錆状況は◎または△で、優れたまたは良好な初期防錆性を有することがわかる。
Figure 0005114850
Figure 0005114850
Figure 0005114850

Claims (7)

  1. Mn:0.05mass%以上、S:0.020mass%以下、C:0.001〜0.15mass%、Si:0.01〜1.5mass%、P:0.01〜0.05mass%、Al:0.01〜0.06mass%、N:40massppm以下、および、Nb:0.002〜0.04mass%、Ti:0.003〜0.03mass%、B:0.0002〜0.002mass%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、少なくとも一方の表面にSiを含有する酸化物を含む皮膜を有し、かつ前記Siを含有する酸化物を含む皮膜と鋼板との界面にFeを含む反応層を有することを特徴とする冷延鋼板。
  2. 前記Siを含有する酸化物を含む皮膜の厚さが5〜300nmであることを特徴とする請求項1に記載の冷延鋼板。
  3. 前記反応層がPを含有し、前記反応層の厚さが1〜200nmであり、かつ前記Siを含有する酸化物を含む皮膜と前記反応層の合計の厚さが6〜500nmであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の冷延鋼板。
  4. Mn:0.05mass%以上およびS:0.020mass%以下、C:0.001〜0.15mass%、Si:0.01〜1.5mass%、P:0.01〜0.05mass%、Al:0.01〜0.06mass%、N:40massppm以下、および、Nb:0.002〜0.04mass%、Ti:0.003〜0.03mass%、B:0.0002〜0.002mass%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を冷間圧延して冷延鋼板とした後、前記冷延鋼板を水素を含み残部が窒素からなる露点:-60〜-30℃の雰囲気で連続焼鈍を行い、次いで、前記連続焼鈍後の冷延鋼板の少なくとも一方の表面に、Siを含有する溶液を接触させることを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
  5. Mn:0.05mass%以上およびS:0.020mass%以下、C:0.001〜0.15mass%、Si:0.01〜1.5mass%、P:0.01〜0.05mass%、Al:0.01〜0.06mass%、N:40massppm以下、および、Nb:0.002〜0.04mass%、Ti:0.003〜0.03mass%、B:0.0002〜0.002mass%のうちから選ばれた少なくとも1種を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる鋼を冷間圧延して冷延鋼板とした後、前記冷延鋼板を水素を含み残部が窒素からなる露点:-60〜-30℃の雰囲気で連続焼鈍を行い、次いで、前記連続焼鈍後の冷延鋼板の少なくとも一方の表面を酸性水溶液に接触させ、水洗した後、Siを含有する溶液に接触させることを特徴とする冷延鋼板の製造方法。
  6. 前記Siを含有する溶液を接触させる際に、接触と同時、接触の直前、あるいは接触の直後のうちの少なくとも一つの時点で、前記Siを含有する溶液を接触させる表面に、Pを含有する溶液を接触させることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の冷延鋼板の製造方法。
  7. 前記Siを含有する溶液をpH10以上とし、前記Pを含有する溶液をpH3以下とすることを特徴とする請求項6に記載の冷延鋼板の製造方法。
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