JP5114225B2 - レンジフード - Google Patents

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本発明は、調理中に発生する廃ガス(汚染物質)を吸い込み捕集し、排気ダクトを通して屋外に排気するように構成されているレンジフードに係り、特に、廃ガスの捕集(捕獲)効率を向上させる深い捕獲空間を有している深型タイプのレンジフードに関する。
レンジフードには、廃ガスの捕獲空間が浅い薄型(平型)タイプと、捕獲空間が高さ方向に深く形成されている深型タイプとがある。
そして、薄型タイプと深型タイプのレンジフードはともに、廃ガス中に含まれている油脂分を回収(捕獲)するためのグリスフィルタをフード体の内部に備えている。
例えば、深型タイプのレンジフードの場合では、特許文献1および特許文献2などにおいて知られているように、廃ガスを吸込み捕集するための高さ方向(縦方向)に深い捕獲空間を有するフード体の内部に送風機を縦置きに設置し、前方(調理者側)を向いて開口する送風機の吸込み口の前方に、グリスフィルタを適宜の間隔をおいて配置し、廃ガスがこのグリスフィルタを通り抜けるときに、廃ガス中に含まれている油脂分が付着されて回収(捕獲)されるようにしている。
ちなみに、グリスフィルタとしては、スロットタイプ、或いはパンチングメタルタイプ、金網やラス網からなる網目タイプなどの大きな平板状に形成されているものが一般的に使用されている。
特開2000−74440号公報(明細書中段落番号0008、0010、0018および図1参照) 特開2000−74441号公報(明細書中段落番号0008、0011、0022および図4参照)
ところで、前記したいずれのグリスフィルタにおいても、廃ガスが通り抜けるときの廃ガスの接触によって廃ガス中に含まれている油脂分を付着させて回収(捕獲)する。
例えば、スロットタイプにおいては、薄い平板に、一方向に屈折するようにガス接触舌片を斜めに切り起こすることにより平面部分を残すことなく一方向に傾斜させた多数の通気口を設けて、廃ガスがこの通気口を蛇行するように通過するときにガス接触舌片への接触によって油脂分が付着させて回収されるように形成されている。
すなわち、グリスフィルタは廃ガスが通る細かい孔の集合によって形成されているために、徐々に堆積される油脂分によって孔が塞がれる目詰まりを引き起こす。そのために、定期的に油脂分を取り除くための洗浄が必要となるが、構造上、こびりつくように付着した油脂分を細かい孔の集合体から取り除くことは容易でない。
また、グリスフィルタは、大きな平板状であるために、シンクなどで丸洗い(水洗い)するにも大変面倒で手間が掛かるなどの日常的なメンテナンス性においても課題が残されていた。
そこで、本発明は、前記課題を解消するために創案されたものであり、廃ガス中の油脂分を、平板状に形成されているグリスフィルタを使用することなく捕獲することができ、しかも、油脂分などの汚れを取り除く日常的なメンテナンス性を向上させることができるフィルタ装置を備えたレンジフードを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明では、捕獲空間を有するフード体と、前記捕獲空間に廃ガスを吸込み捕集するための送風機と、を備えて構成されているレンジフードであって、前記廃ガス中の油脂分を捕獲するためのフィルタ装置を備え、前記フィルタ装置は、前記廃ガスの流入口と前記送風機に連通される流出口とを有する箱状に形成され、かつ、前記送風機の接続口に連通させて配置されるケース体と、前記流入口の開口軸芯に対して略直交させた向きで前記ケース体内に収容され、前記送風機の吸引力により前記流入口から流入する前記廃ガスを接触させてその流れ方向を変換させるとともに前記油脂分を付着させる廃ガス接触部材とを備え、前記ケース体は、前記流入口を有する第1のケース部と、前記流入口と対応させた壁面に前記流出口を有する第2のケース部と、から分離可能に形成され、前記廃ガス接触部材は、前記流入口の開口面積よりも大きく、かつ、該流入口の開口軸芯に対して直交する方向の前記ケース体の内側面との間に前記廃ガスの流通隙間を形成する輪郭形状に形成され、前記第1のケース部および前記第2のケース部は、前記流入口と前記流出口との対面間隔を可変し得るように形成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、送風機の吸引力によりフード体の捕獲空間に吸い込み捕集された廃ガスが、フィルタ装置の流入口から該フィルタ装置内に流入されてくると、廃ガス接触部材への接触によって流れ方向が変換される。このときに発生する慣性力(慣性抵抗)によって廃ガス中に含まれている油脂分が廃ガス接触部材に付着される。そして、廃ガス接触部材への接触により流れ方向が変換された廃ガスは、廃ガス接触部材の外側縁部とケース体の内側面との間に形成されている流通隙間を流れる(通る)ときに、さらにケース体の内側面に接触して流れ方向が変換され、このときに発生する慣性力によって廃ガス中に含まれている油脂分がケース体の内側面に付着されて捕獲される。
つまり、流入口からフィルタ装置内に流入された廃ガスは、廃ガス接触部材への接触とケース体の内側面への接触との2ヶ所における接触によって蛇行するように流れ方向が変換される。換言すれば、廃ガスの流れを蛇行させることで油脂分を捕獲するように形成されているグリスフィルタの捕獲原理構造が、廃ガス接触部材とケース体とによって成されることとなる。
これにより、廃ガス中に含まれている油脂分が廃ガス接触部材とケース体の内側面との2ヶ所において付着されて効率的に捕獲回収される。
さらに、流入口と流出口との対面間隔(対向間隔)が広くなるように、第1のケース部と第2のケース部との連結状態を可変する。つまり、ケース体の内部空間(容積)を広くすることで、当該内部空間が狭いときに比べて、気流抵抗を抑えることができる。特に、廃ガス接触部材と流出口が設けられているケース体の壁面との間における廃ガスが流出口の方向に流れる気流抵抗を抑えることができる。
これにより、フード体の捕獲空間に吸い込み捕集(吸気)された廃ガスを、屋外に排気するために送風機から屋外へと配管される排気ダクトの配管距離が長い、あるいは配管の途中が蛇行しているなどのレンジフードの設置現場において、送風機の排気能力の低下を、廃ガス接触部材の移動やケース体の内部空間を広く可変するなどに調節によって防ぐことができる。換言すれば、ケース体内における気流抵抗を抑えて廃ガスの捕集排気効率に影響を与えるレンジフードの排気能力の低下を防ぐことができる。
また、本発明では、捕獲空間を有するフード体と、前記捕獲空間に廃ガスを吸込み捕集するための送風機と、を備えて構成されているレンジフードであって、前記廃ガス中の油脂分を捕獲するためのフィルタ装置を備え、前記フィルタ装置は、前記廃ガスの流入口と前記送風機に連通される流出口とを有する箱状に形成され、かつ、前記送風機の接続口に連通させて配置されるケース体と、前記流入口の開口軸芯に対して略直交させた向きで前記ケース体内に収容され、前記送風機の吸引力により前記流入口から流入する前記廃ガスを接触させてその流れ方向を変換させるとともに前記油脂分を付着させる廃ガス接触部材とを備え、前記ケース体は、断面が略円形状に形成され、かつ前記流入口を有する第1のケース部と、前記流入口と対応させた壁面に前記流出口を有する第2のケース部と、から分離可能に形成され、前記廃ガス接触部材は、前記流入口の開口面積よりも大きく、かつ、該流入口の開口軸芯に対して直交する方向の前記ケース体の内側面との間に前記廃ガスの流通隙間を形成する外径を有する略円盤形状に形成され、かつ、前記流通隙間を変更し得るように外周縁部の外径が半径方向に可変自在に形成されていることを特徴としている。
このような構成によれば、送風機の吸引力によりフード体の捕獲空間に吸い込み捕集された廃ガスが、フィルタ装置の流入口から該フィルタ装置内に流入されてくると、廃ガス接触部材への接触によって流れ方向が変換される。このときに発生する慣性力(慣性抵抗)によって廃ガス中に含まれている油脂分が廃ガス接触部材に付着される。そして、廃ガス接触部材への接触により流れ方向が変換された廃ガスは、廃ガス接触部材の外側縁部とケース体の内側面との間に形成されている流通隙間を流れる(通る)ときに、さらにケース体の内側面に接触して流れ方向が変換され、このときに発生する慣性力によって廃ガス中に含まれている油脂分がケース体の内側面に付着されて捕獲される。
つまり、流入口からフィルタ装置内に流入された廃ガスは、廃ガス接触部材への接触とケース体の内側面への接触との2ヶ所における接触によって蛇行するように流れ方向が変換される。換言すれば、廃ガスの流れを蛇行させることで油脂分を捕獲するように形成されているグリスフィルタの捕獲原理構造が、廃ガス接触部材とケース体とによって成されることとなる。
これにより、廃ガス中に含まれている油脂分が廃ガス接触部材とケース体の内側面との2ヶ所において付着されて効率的に捕獲回収される。
このような構成によれば、例えば、廃ガス接触部材の外周縁部の外径を半径方向に小さく可変することで、ケース体の内側周面との間に形成される流通隙間を広く変更することができる。
さらに、レンジフードの設置現場において、前記したように、流入口との対面間隔が広くなるように廃ガス接触部材を移動させることやケース体の内部空間を広くするなどによるケース体内における廃ガスの気流抵抗を抑える構成に加えた流通隙間の拡張変更によって、廃ガスの捕集排気効率に影響を与えるレンジフードの排気能力の低下をより一層効果的に防ぐことができる。
また、前記ケース体は、前記送風機に着脱可能に配置されていることを特徴としている。このような構成によれば、廃ガス接触部材およびケース体の内側面などに付着した油脂分などの汚れは、フィルタ装置をフード体から取り外してシンクで丸洗いすることができる。このときに、ケース体を構成する第1のケース部と第2のケース部とを分離することによって、両ケース部の内側面や廃ガス接触部材の表面に付着している油脂分などの汚れをきれいに取り除くことができる。
また、本発明では、前記フィルタ装置が、前記廃ガス接触部材を、前記ケース体内における前記流入口と前記流出口との間に移動可能に支持させる支持機構を備えていることを特徴としている。
ここで、前記支持機構として特に限定されるものではないが、例えば、前記流入口が開口されている前記第1のケース部の壁面に内外貫通状で、なおかつ、前記流出口が開口されている第2のケース部の壁面方向に向けて突出状に取り付けられるネジ部材と、前記第1のケース部の前記壁面に一端側が固着されて前記第2のケース部の前記壁面方向に向けて突出状に取り付けられるピン部材と、前記廃ガス接触部材にそれぞれ取り付けられる前記ネジ部材用のナット部材および前記ピン部材用のガイド部材と、を備えて構成されていることが好適である。この場合、少なくとも前記ネジ部材である1本のボールネジと前記ピン部材である2本のガイドピンとによる3点支持構造にて前記廃ガス接触部材を、前記ケース体内における前記流入口と前記流出口との間において移動可能に支持するように構成することが好ましい。
このような構成によれば、流入口と廃ガス接触部材との間隔を可変にする。例えば、流入口との対面間隔(対向間隔)が広くなるように、廃ガス接触部材を支持機構のボールネジを回して移動させることで、流入口からケース体内に流入されてくる廃ガスがその流入直後に接触する廃ガス接触部材に対する接触力、つまり、気流抵抗を、廃ガス接触部材を流入口に接近させたときの対面間隔に比べて、抑えることができる
また、本発明では、前記廃ガス接触部材が、前記流入口から前記ケース体内に流入されて該ケース体の内側面の方向に向けて流れが変換された前記廃ガスの流れ方向に交叉する凸凹状の突き当たり部を備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、流入口からケース体内に流入されて廃ガス接触部材への接触によって流れ方向がケース体の内側面の方向に変換された廃ガスが、内側面に向けて流れるときに、突き当たり部への接触を繰り返しながら流れる。
これにより、廃ガスの接触作用を高めて、このときの慣性力(慣性抵抗)によって廃ガス接触部材による油脂分の捕獲回収率をより一層向上させることができる。
また、本発明では、前記ケース体が略円形状に形成され、前記廃ガス接触部材が、前記ケース体の内側周面との間に、前記流通隙間を形成する輪郭外周を有する略円盤形状に形成され、かつ、前記送風機の吸引力により前記流入口から前記ケース体内に流入されてくる前記廃ガスの流れを、前記ケース体の内側周面の方向に向けて回転末広がるように変換させるための廃ガス誘導部を、軸芯から外周縁部に向けた略螺旋放射形状に備えていることを特徴としている。
このような構成によれば、前記した作用に加えて、流入口からケース体内に流入されてきた廃ガスは廃ガス接触部材への接触によってその流れ方向がケース体の内側周面の方向に向けて変換される。このとき、廃ガスは、廃ガス接触部材に備えられている廃ガス誘導部に誘導されて回転末広がるようにケース体の内側周面の方向に向けて流れる。
これにより、廃ガスがケース体の内側周面に接触して流れ方向が変換されたときに発生する慣性力の作用がより一層強力となり、油脂分の内側周面への付着率を上げることができる。換言すれば、ケース体の内側周面での油脂分の捕獲回収率を向上させることができる。
また、本発明では、前記フィルタ装置の下方位置から前記送風機の下方に至る前記フード体の前後方向において、該フード体の下向き開口側と前記フィルタ装置および前記送風機側とを仕切るように仕切りパネルを備え、該仕切りパネルには前記油脂分を回収するためのオイル回収孔またはオイルトレイが備えられていることを特徴としている。
このような構成によれば、油捕獲部材の表面(ケース体の表面)および送風機の内部やその表面などに付着された油脂分は、仕切りパネルの上に滴下した後に、オイル回収孔またはオイルトレイによって回収される。これにより、油脂分が加熱調理器やキッチンカウンタなどに滴下して汚す、または、料理中の調理鍋などに滴下するなどの衛生上の問題を引き起こすことを防ぐことができる。
本発明のレンジフードは、以上のように構成されていることで、送風機の吸引力により流入口からフィルタ装置のケース体内に流入する廃ガスの流れは、ケース体内に収容されている廃ガス接触部材への接触によって方向が変換され、このときに発生する慣性力(慣性抵抗)によって廃ガス中に含まれている油脂分が廃ガス接触部材に付着されて捕獲される。
しかも、ケース体の流入口から流出口に向けて流れる廃ガスの流れ方向は、廃ガス接触部材への接触とケース体の内側周面への接触とによって蛇行するように変換される。すなわち、廃ガスの流れを蛇行させることで油脂分を捕獲するように形成されているグリスフィルタの捕獲原理構造が、廃ガス接触部とケース体の内側面によって成される。
これにより、グリスフィルタを使用することなく廃ガス中に含まれている油脂分を確実に、かつ、効率的に捕獲回収することができる。
また、油捕獲部材は、送風機の接続口に連通させて着脱可能に配置され、かつ、廃ガス接触部材が収容されるケース体の第1のケース部と第2のケース部とが分離可能に形成されていることから、廃ガス接触部材やケース体の内側面などに付着されて捕獲された油脂分などの汚れを取り除くときに、フィルタ装置をフード体から取り外し、ケース体を第1のケース部と第2のケース部とに分離させた状態でシンクにおいて丸洗いすることができる。
これにより、油脂分などの汚れを取り除くなどの洗浄性を格段に向上させて日常的なメンテナンス性の向上を期待することができる。
また、レンジフードの設置現場における排気ダクトの配管状態に応じて廃ガス接触部材をケース体の流入口と流出口との間において移動させることやケース体の内部空間を可変するなどによってレンジフードの排気能力の低下を防ぐことができる。
以下、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、フィルタ装置を備えた本実施形態のレンジフードを示す縦断側面図であり、図2は、同レンジフードの横断平面図であり、図3は、要部を拡大して示す縦断面図である。
なお、レンジフードは、廃ガスを吸い込み捕集する深い捕獲空間を有するフード部(フード体)の内部に送風機を設置している深型タイプと、浅い捕獲空間を有するフード部の上に送風機を設置している薄型(平型)タイプとが挙げられるが、本実施形態では、深型タイプのレンジフードを一例に挙げて説明する。
≪レンジフードの構成≫
レンジフードAは、調理中にガスコンロや調理鍋などから上昇気流により舞い上がってくる蒸気、熱気、そして廃ガスGを吸込み捕集し、屋外に向けて配管される排気ダクトBを通して屋外に排気するように構成されている。
このレンジフードAは、図1に示すように、深型のフード体1内における背面板1−1側(キッチン壁K−1側)に位置させて送風機2を縦置きに設置している。これにより、送風機2の前方(前側)で高さ方向(キッチン天井K−2の高さ方向)に深く、下向きに開口する捕獲空間Mがフード体1内に形成されるようにしている。
また、レンジフードAは、図1に示すように、捕獲空間M側に面する送風機2の後記するファンケーシング2aの前面壁に、該ファンケーシング2aに設けられている接続口5に連通させた状態でフィルタ装置3を着脱可能に備えている。
さらに、レンジフードAは、フィルタ装置3の下方部位からフード体1の後面側(キッチン壁K−1側)に至る該フード体1の前後方向において、フード体1の下向き開口側とフィルタ装置3および送風機2側とを仕切るように仕切りパネル4を備えている。
≪フード体の構成≫
フード体1は、図1および図2に示すように、前面と下面とを開口させたフード部1aと、このフード部1aの前面開口部に取り外し自在に取り付けられる前面パネル1bとから下向きに開口し、高さ方向に深い捕獲空間Mを有する箱型に形成されている。
≪送風機の構成≫
送風機2は、図1および図2に示すように、フード部1aの上面板1−2に取り付けられるファンケーシング2aにファンモータ2bを略同軸直立状に取り付けている。そして、ファンケーシング2a内に、モータボディーとともに略同軸状に臨ませたファンモータ2bのモータ軸には、排気ファン2cが取り付けられている周知の構造である。
ちなみに、排気ファン2cは、排気能力が高い遠心ファン(通称:シロッコファンと称されている)である。
また、送風機2は、図1および図2に示すように、ボリュート形状に形成されているファンケーシング2aの前面壁に、フィルタ装置3の後記する流出口10を直結させるための接続口5を備えている。
さらに、送風機2は、ファンケーシング2aの底部にオイル抜き孔6を備えている。これにより、ファンケーシング2aの内側面や排気ファン2cの各羽根などへの廃ガスGの接触によって廃ガスG中から分離されて付着される油脂分が、オイル抜き孔6から仕切りパネル4の上に滴下(流下)されて後記するオイル回収孔7よりオイルトレイ8に回収されるようにしている。
≪仕切りパネルの構成≫
仕切りパネル4は、前辺縁を除く残り三辺縁が、フード体1の背面板1−1、両側面板1−3にネジ止め、或いはスポット溶接やその他の固着手段によって固定される大きさを有する平面視で略矩形形状に形成されている。
また、この仕切りパネル4は、図1および図2に示すように、周囲四辺縁から後辺縁(フード体1の背面板1−1)側における幅方向の中央部位に向かって漸次傾斜させたオイル回収勾配4aを備え、このオイル回収勾配4aの合流下端部位にはオイル回収孔7を備えている。
これにより、フィルタ装置3の後記するケース体3−1の表面、そしてファンケーシング2aのオイル抜き孔6から仕切りパネル4の上に滴下される油脂分は、オイル回収孔7に向かって流下し、このオイル回収孔7からオイルトレイ8に回収されるようにしている。
≪フィルタ装置の構成≫
図4は、本実施形態に係るフィルタ装置を示す分解斜視図であり、図5は、ケース体の厚さを可変させたときの状態を示すレンジフードの縦断側面図である。ここでは、図1から図3を適宜参照しながら説明する。
フィルタ装置3は、廃ガスG中に含まれている油脂分を、周知のグリスフィルタと同様に捕獲するためものであり、廃ガスGの流入口9と送風機2に連通される流出口10とを有する箱状に形成されている。
このフィルタ装置3は、図1および図2に示すように、ケース体3−1と、このケース体3−1内に収容される廃ガス接触部材3−2と、この廃ガス接触部材3−2をケース体3−1内に支持させるための支持機構3−3とを備えて構成されている。
≪ケース体の構成≫
ケース体3−1は、図1、図2および図5に示すように、ファンケーシング2aに開口されている接続口5の開口面積よりも大きく、ファンケーシング2aの輪郭外径よりも一回りほど小さい外径を有する断面が略円形状に形成されている。
また、ケース体3−1は、流入口9と流出口10との対面間隔を前後方向に可変し得るように形成されている。
ここで、対面間隔とは、図3に示すように、流入口9が開口されているケース体3−1の壁面(前面壁)と、流出口10が開口されている壁面(後面壁)との厚さLを意味する。そして、図1および図5に示すように、厚さLを可変させることによってケース体3−1の内部空間(容積)を前後方向に広く、狭く変えることができるようにしている。
そして、このケース体3−1は、図4に示すように、流入口9を有する第1のケース部3−1aと、流出口10を有する第2のケース部3−1bとから分離可能に形成されている。
流入口9および流出口10は、図3に示すように、廃ガスGの流れ方向に向けた略ラッパ口形状にそれぞれ形成されている。これにより、廃ガスGがケース体3−1内に流入するとき、そして、ケース体3−1内からファンケーシング2a内に吸気されるときの気流抵抗を抑えるようにしている。
第1のケース部3−1aおよび第2のケース部3−1bは、プレス加工などによってそれぞれ形成されるものであり、図3に示すように、円筒形で一側面側を開放させた縦断面視で略コの字形状にそれぞれ形成されている。
そして、第1のケース部3−1aは、図1および図2に示すように、第2のケース部3−1bに内嵌めによって連結されるように、周壁外径が第2のケース部3−1bの周壁内径と略同じ大きさに形成されている。また、第1のケース部3−1aの周壁は、第2のケース部3−1bの周壁よりも筒方向(軸方向)に幅広く形成されている。
これにより、ケース体3−1の厚さLを一番狭くした状態では、図1および図2に示すように、第1のケース部3−1aの開放端部側が第2のケース体3−1bの内底部に突き当たる。そして、この状態から第2のケース部3−1bに対する第1のケース部3−1aの嵌め合い深さを変えることによって、図5に示すように、ケース体3−1の厚さLを広く可変し得るようにしている。つまり、ケース体3−1の内部空間を筒方向に狭くしたり、広く可変し得るようにしている。
本実施形態では、図4に示すように、第1のケース部3−1aの周壁外周面に等間隔をおいてそれぞれ設けられている3ヶ所の連結凸部11と、この各連結凸部11と筒方向(軸方向)において対向させた第2のケース部3−1bの周壁内周面にそれぞれ設けられている3ヶ所の連結部12との係脱自在な連繋によってケース体3−1の厚さLを可変し得るように形成している。
連結凸部11は、第1のケース部3−1aの開放端部側に位置させた周壁外周面に半円形状など適宜の突出形状にてそれぞれ設けられている。
連結部12は、図3に示すように、第2のケース部3−1bの開放端部から内底部側に至る筒方向に向けて溝状に設けられる挿入部12aと、この挿入部12aから周方向に向けて同じく溝状に設けられる係止部12bとから略L字形状に形成されている。
そして、連結部12は、第2のケース部3−1bに対する第1のケース部3−1aの嵌め合せ深さを変えたときに、その各可変部位においてそれぞれ連結状態を保持し得るように数本の係止部12bを、予め設定された可変間隔(流入口9と流出口10との対面間隔)に合わせてそれぞれ設けている。本実施形態では、3本の係止部12bを設けることで、三段階に分けて可変し得るようにしている。
なお、図示を省略しているが、係止部12bの終端側に、連結凸部11が移動不能な状態で係脱自在に係止(乗り越え係止)させることができるように、挿入部12aを含めた始端側における溝底の深さよりも浅くし、そしてこの浅底部位を乗り越えた時点で落ち込み嵌合するように係止させるための係止凹部を設けるなどの工夫を施す。
これにより、送風機2の排気ファンなどから受ける振動などによって、係止部12bから連結凸部11が離脱するなどによって第2のケース部3−1bから第1のケース部3−1aが不用意に抜け外れるなどのおそれがない状態で両ケース部3−1a,3−1bを連結保持することができる。
また、ケース体3−1は、図3および図4に示すように、第1のケース部3−1aの周壁外周面に、各連結凸部11を第2のケース3−1bの各挿入部12aに合わせて嵌め挿し込んでケース体3−1の厚さLを設定するときに、連結凸部11を各係止部12bとの位置合せを目視にて確認することができるように、各係止部12aの筒方向における間隔に合わせた三本の厚さ可変線13が設けられている。
この厚さ可変線13は、第2のケース部3−1bの開放端部縁に合わせることで、連結凸部11がいずれかの係止部12bとの位置合せが行われるように、係止部12bの間隔と同じ間隔をおいて第1のケース部3−1aの筒方向に設けられている。つまり、何れかの厚さ可変線13を第2のケース部3−1bの開放端部縁に合わせ、この状態で第1のケース部3−1を右回り(時計方向)に回すことで、連結凸部11が位置合せされた係止部12bに対して回転不能に係止されるようにしている。
なお、この位置合せ線13は、印刷や刻印などの適宜手段を用いて第1のケース部3−1aの周壁外周面に施されるものである。
また、図4に示すように、流出口10が開口されている第2のケース部3−1bの壁面にはネジ挿通孔14が設けられている。このネジ挿通孔14は、径方向に等間隔をおいた3ヶ所に設けられていて、同じく径方向に等間隔をおいた3ヶ所に設けられているファンケーシング2aの前面壁のネジ孔15に対して頭部付ネジ16がねじ込まれるようにしている。
これにより、図3に示すように、第2のケース部3−1bが、ファンケーシング2aの前面壁に対し、頭部付ネジ16によって着脱可能に取り付けられるようにしている。
つまり、フィルタ装置3の特に廃ガス接触部材3−2やケース体3−1の内側面などに付着した油脂分などの汚れをシンクで丸洗いによって取り除く定期的、日常的なメンテナンスのときには、頭部付ネジ16を外すことによって、フィルタ装置3をフード体1内から取り外して丸洗いすることができるようにしている。
≪第1の実施形態に係る廃ガス接触部材の構成≫
廃ガス接触部材3−2は、図3および図4に示すように、適宜の厚さを有する板材を用いて、流入口9の開口面積より大きく、かつ、第1のケース部3−1aの周壁内径よりも一回りほど小さい外径(輪郭形状)を有する略円盤形状に形成されている。
これにより、図3に示すように、流入口9および流出口10の開口軸芯に対して直交するように支持機構3−3によってケース体3−1内に支持されることで、ケース体3−1の内側周面との間に廃ガスGの流通隙間Sが形成されるようにしている。
≪支持機構の構成≫
支持機構3−3は、図3および図4に示すように、流入口9が開口されている第1のケース部3−1aの壁面(前面壁)に内外貫通状で、なおかつ、流出口10が開口されている第2のケース部3−1bの壁面方向に向けて突出状に取り付けられるネジ部材3−3aと、第1のケース部3−1aの壁面に一端側が固着されて第2のケース部3−1bの壁面方向に向けて突出状に取り付けられるピン部材3−3bと、廃ガス接触部材3−2にそれぞれ取り付けられるネジ部材用のナット部材3−3cおよびピン部材用のガイド部材3−3dとを備えて構成されている。
ネジ部材3−3aは、一端部に操作摘み17を有する1本のボールネジであり、ピン部材3−3bは、2本のガイドピンである。そして、ネジ部材3−3aは、第1のケース部3−1aの流入口9の開口周辺における壁面に等間隔をおいて周方向に取り付けられる3ヶ所の支持部18のうち、1ヶ所の支持部18に対して、Eリングなどの抜止部材19を用いて一端部の操作摘み17側が回転可能に止着されることで、他端側が第2のケース部3−1bの方向に向けて突出するように第1のケース部3−1aに取り付けられる。
ピン部材3−3bは、残る2ヶ所の支持部18に対して、一端部が固着されることで、他端側が第2のケース部3−1bの方向に向けて突出するように第1のケース部3−1aにそれぞれ取り付けられる。
これにより、図3に実線と二点鎖線で示したように、ナット部材3−3cおよびガイド部材3−3dを介した3点支持構造にて廃ガス接触部材3−2を、流入口9と流出口10との間においてケース体3−1内に移動可能に支持するようにしている。
ナット部材3−3cおよびガイド部材3−3dは、図4に示すように、ネジ部材3−3a(支持部18)およびピン部材3−3b(支持部18)にそれぞれ対応させた廃ガス接触部材3−2の円周径上において、両面貫通状にそれぞれ取り付けられている。
また、ナット部材3−3cおよびガイド部材3−3dを介して廃ガス接触部材3−2をネジ部材3−3aとガイド部材3−3bに貫通状に支持させた後に、廃ガス接触部材3−2が不用意に抜け外れないように、ネジ部材3−3aとガイド部材3−3bの他端部にEリングなどの抜止部材20を取り付ける。
[作用説明]
つぎに、以上のように構成されているフィルタ装置3を、送風機2を構成するファンケーシングの前面壁に着脱自在に備えたレンジフードAの作用について簡単に説明する。ここでは、図1から図3、および図5を適宜参照しながら説明する。
送風機2の吸引力によりフード体1の捕獲空間Mに捕集されてくる廃ガスGは、送風機2に直結されて該送風機2の吸引力が直接作用しているケース体3−1の流入口9から、図1および図2に示すように、ケース体3−1内に流入される。
流入口9からケース体3−1内に流入された廃ガスGは、流入口9の直後に配置されている廃ガス接触部材3−2への接触により流れ方向がケース体3−1の内側周面の方向に向けて変換され、ケース体3−1の内側周面の方向に向けて変換された廃ガスGは、ケース体3−1の内側周面への接触により流れ方向がさらに変換されて廃ガス接触部材3−2の円周縁部に沿って設けられている流通隙間Sから流出口10の方向に流れる。このときに廃ガス接触部材3−2への接触、そしてケース体3−1の内側周面への接触によりそれぞれ発生する慣性力(慣性抵抗)によって廃ガスG中に含まれている油脂分が、図3に示すように、廃ガス接触部材3−2、ケース体3−1の内側周面にそれぞれ付着されて捕獲される。
すなわち、流入口9からケース体3−1内に流入された廃ガスGは、図1および図2において流れを示す矢印のように、廃ガス接触部材3−2、ケース体3−1の内側周面との2ヶ所における接触によって蛇行するように流れ方向が変換されて廃ガスG中の油脂分が分離捕獲されるグリスフィルタの捕獲原理構造が、ケース体3−1の流入口9から流出口10に至る廃ガスGの風路において廃ガス接触部材3−2とケース体3−1の内側周面とによって形成されている。
そして、レンジフードAが設置される現場において、屋外に排気するために送風機2に接続されて屋外へと配管される排気ダクトBの配管距離が長い、あるいは配管の途中が蛇行しているなどによって、廃ガスGのケース体3−1内における流通抵抗を抑える。
つまり、レンジフードAに求められる本来の排気能力の低下を防ぐべく送風機2の吸引力の低下を抑えるときには、支持機構3−3のネジ部材3−3aを回して廃ガス接触部材3−2を、図5に示すように、ケース体3−1の流入口9から離間させて該流入口9と対面間隔(ケース体3−1の前面壁との間隔)が広くなるように流出口10側に向けて移動させ、なおかつ、第2のケース部3−1bに対する第1のケース部3−1aの嵌め合せ深さを、図1に示す一番深い状態から二番目、または、図5に示すように、三番目の一番浅い状態に変えてケース体3−1の厚さLを可変する。換言すれば、ケース体3−1内の内部空間(容積)を筒方向に広くすることで、廃ガスGが廃ガス接触部材3−2とケース体3−1の内側周面とに接触しながらケース体3−1内を流れるときの流通抵抗を抑えることができる。
また、廃ガス接触部材3−2やケース体3−1の内側周面などに付着した油脂分などの汚れをシンクで丸洗いによって取り除くなどの定期的、日常的なメンテナンスのときには、第1のケース部3−1aを第2のケース部3−1bから取り外し分離させた後に、頭部付ネジ16を外すことによって、フィルタ装置3をフード体1内から取り外して丸洗いすることができる。
≪第2の実施形態に係る廃ガス接触部材の構成≫
図6は、第2の実施形態に係る廃ガス接触部材を示す斜視図である。図3を適宜参照しながら説明する。
この第2の実施形態に係る廃ガス接触部材3−2aは、前記したように、流入口9からケース体3−1内に流入されて廃ガス接触部材3−2aへの接触より流れ方向がケース体3−1の内側周面の方向に向けて変換されて該内側周面方向に流れる廃ガスGの流れ方向に交叉する凸凹状の突き当たり部21を備えている。
突き当たり部21は、前記した実施形態における廃ガス接触部材3−2よりも薄い板材を用いて廃ガス接触部材3−2aがプレス加工によって略円盤形状などに形成されるときに、流入口9からの廃ガスGが接触する面側に向けて同時に絞り(曲げ)加工されるものであり、図6に示すように、径を変えたリング形状にて複数本が等間隔をおいて形成されている。
また、廃ガス接触部材3−2aは、前記した実施形態と同じく、図6に示すように、ナット部材3−3cとガイド部材3−3dをそれぞれ備えている。
これにより、図3に示すように、支持機構3−3のネジ部材3−3aとピン部材3−3bとによる三転支持構造によってケース体3−3内における流入口9と流出口10との間において移動可能に支持されるようにしている。
このように形成されている廃ガス接触部材3−2aによれば、流入口9からケース体3−1内に流入されてくる廃ガスGの流れ方向がケース体3−1の内側周面の方向に向けて変換され、該内側周面に向けて流れるときに、廃ガスGは各突き当り部21への接触を繰り返しながら流れることとなる。
これにより、廃ガスGの接触作用を高めて、このときに発生する慣性力(慣性抵抗)によって廃ガス接触部材3−2aによる油脂分の捕獲回収率をより一層向上させることができる。
≪第3の実施形態に係る廃ガス接触部材の構成≫
図7は、第3の実施形態に係る廃ガス接触部材を示す斜視図である。図3を適宜参照しながら説明する。
この第3の実施形態に係る廃ガス接触部材3−2bは、前記したように、流入口9からケース体3−1内に流入されてくる廃ガスGの流れを、ケース体3−1の内側周面の方向に向けて回転末広がるように変換させるための廃ガス誘導部22を備えている。
この廃ガス誘導部22は、図7に示すように、廃ガス接触部材3−2bの軸芯部から外周縁部に向けた略螺旋放射形状にて円周方向に等間隔をおいた5ヶ所において連設状に形成されている。つまり、各廃ガス誘導部22は、誘導壁部23にてそれぞれ連設されている略プロペラ形状に形成されている。
また、廃ガス接触部材3−2bは、前記した実施形態と同じく、図7に示すように、ナット部材3−3cとガイド部材3−3dをそれぞれ備えている。
これにより、図3に示すように、支持機構3−3のネジ部材3−3aとピン部材3−3bとによる三点支持構造によってケース体3−3内における流入口9と流出口10との間において移動可能に支持されるようにしている。
このように形成されている廃ガス接触部材3−2bによれば、流入口9からケース体3−1内に流入されてくる廃ガスGの流れ方向がケース体3−1の内側周面の方向に向けて変換され、該内側周面の方向に向けて流れるときに、廃ガスGは、各廃ガス誘導部22に誘導されて回転末広がるようにケース体3−1の内側周面の方向に向けて流れる。
これにより、廃ガスGがケース体3−1の内側周面に接触して流れ方向が流出口10の方向に向けて変換されたときに発生する慣性力の作用がより一層強力となり、油脂分の内側周面への付着率を上げることができる。換言すれば、ケース体3−1の内側周面における油脂分の捕獲回収率を向上させることが期待できる。
なお、図示を省略しているが、このように廃ガス誘導部22を備える廃ガス接触部材3−2bにあっては、軸芯部から外周縁部に向けて縦断面視で略山形(略傘型形状)に形成することができる。つまり、ケース体3−1の流入口9側から見て、軸芯部から流出口10側に向けて漸次傾斜させた縦断面視で略山形に形成することができる。
また、廃ガス接触部材3−2bは、略円錐形状に形成することができる。この場合、円錐頂点部側からケース体3−1の内側周面に沿う外周縁部に向けた円錐外周面に複数枚の螺旋ブレードを取り付けることで、この各螺旋ブレードの間に廃ガス誘導部22を設けるように形成することが好ましい。
そして、このように廃ガス接触部材3−2bが、略山形または略円錐形状に形成されている。特に、略円錐形状に形成されている場合には、ケース体3−1内に前記した支持機構3−3を用いて収容させたとき、円錐頂部側が、流入口9の開口軸芯に沿って該流入口9から外部(捕集空間M側)に飛び出した収容形態となる。これにより、廃ガスGは、飛び出している円錐頂部側と流入口9の開口縁部との間からケース体3−1内に流入される。
≪第4の実施形態に係る廃ガス接触部材の構成≫
図8は、第4の実施形態に係る廃ガス接触部材を示す概略図である。図3を適宜参照しながら説明する。
この第4の実施形態に係る廃ガス接触部材3−2cは、ケース体3−1の内側周面との間に、流通隙間Sを形成する外周縁部の外径が半径方向に可変自在に形成されている。
すなわち、図8に示すように、廃ガス接触部材3−2cは、中心部材24と、この中心部材24の円周に沿って半径方向に移動自在に取り付けられる分割された複数枚の円周部材25とからを備えて形成されている。
中心部材24および円周部材23は、適宜の厚さを有する板材を用いてそれぞれ形成される。中心部材24は、図8に示すように、ケース体3−1の流入口9の開口面積よりも僅かに大きめの略円盤状に形成されている。
円周部材25は、図8に示すように、数枚(図示例では6枚)からなり、その形状は中心部材24の円周外側に向けた幅広とし、かつ、この幅広外周縁を円弧形状と成し、この幅広外周縁から中心部材24の軸芯方向に向けた内側を幅狭とする略内向き台形状(略扇形)に形成されている。
つまり、円周部材25は、中心部材24に対して半径方向に移動可能で、円周に沿って並列状に取り付けられている。
これにより、廃ガス接触部材3−2cは、各円周部材25を中心部材24の半径方向外側に向けた移動限まで移動させた状態では、図8の(a)に示すように、ケース体3−1の内側周面との間に形成される流通隙間Sが、図1に示す流通隙間Sの広さ(間隔)と略同じ位となり、そして、この状態から各円周部材25を中心部材24の半径方向内側(軸芯方向)に向けて移動させることで、図8の(b)および(c)に示すように、流通隙間S−1,S−2が段階的に広くなるように外周縁部の外径が半径方向に可変自在に形成されている。
このように形成されている廃ガス接触部材3−2cによれば、外周縁部の外径を半径方向に小さく可変することで、ケース体3−1の内側周面との間に形成される流通隙間S,S−1,S−2などのように、狭くしたり、広くすることができる。
これにより、第1の実施形態において詳述したレンジフードAの設置現場において、流入口9との対面間隔が広くなるように廃ガス接触部材3−2cを移動させる。そして、第2のケース部3−1bに対する第1のケース部3−1aの嵌め合せ深さを変えることによってケース体3−1の内部空間を筒方向に広くするなどによるケース体3−1内における廃ガスGの気流抵抗を抑える構成に加えた流通隙間Sの可変、例えば、流通隙間S−1または流通隙間S−2の状態に拡張可変によって、廃ガスGの捕集排気効率に影響を与えるレンジフードAの排気能力の低下をより一層効果的に防ぐことができる。
図9は、フィルタ装置を備えた本発明のレンジフードの他の実施形態を示す縦断側面図である。
斯かる実施形態に係るレンジフードAは、図9に示すように、流入口9が開口されているケース体3−1の前面壁が、フード体1の下向き開口部側に向けた斜め下向きになるようにフィルタ装置3を形成している。このように、斯かる実施形態では、ケース体3−1の前面壁が斜め下向きになるようにフィルタ装置3を形成した以外の構成要素においては、前記した各実施形態と基本的に同じであることから、同じ構成要素に同じ符合を付することにより重複説明は省略する。
すなわち、図9に示すように、ケース体3−1を構成する第2のケース部3−1bの周壁は、上部側が筒方向に幅広で、下部側が筒方向に幅狭とする断面形状に形成されている。これにより、第2のケース部3−1bに第1のケース部3−1aが内嵌めによって連結されたときに、流入口9が開口されている第1のケース部3−1aの前面壁が、フード体1の下向き開口部側に向けた斜め下向きになるようにしている。
このように形成されている油回収装置3によれば、調理中に加熱調理器などから上昇気流によって略垂直に舞い上がってくる廃ガスGが、直結する送風機2の吸引力により流入口9からケース体3−1内に流入されるときに、斜め下向きの流入口9からケース体3−1内に効率的に流入される。つまり、略垂直に舞い上がってくる廃ガスGが、フード体1の天板(フード部1aの上面板1−2)側に流れ上昇することなく、その手前において斜め下向きに開口されている流入口9からケース体3−1内に流入されることとなる。
なお、本発明の実施形態の具体的な構成は、前記した各実施形態に限られるものではなく、請求項1から請求項8に記載の本発明の要旨を逸脱しない範囲で設計変更などがあっても本発明に含まれるものである。
例えば、フィルタ装置3のケース体3−1を、正方形や長方形などの断面四角形に形成することができる。
また、フィルタ装置3のケース体3−1のファンケーシング2aに対する着脱として、第2のケース部3−1bの周壁外周面(外側)において前記した頭部付ネジ16を用いて着脱可能に取り付けることができる。これにより、第2のケース部3−1bから第1のケース部3−1aを分離せずに、ケース体3−1をフード体1から取り出すことができる。
また、第2のケース部3−1bをファンケーシング2aにスポット溶接やその他の固定手段によって着脱不能に取り付けることができる。この場合、ラッパ口形状に開口される流出口10は、第2のケース部3−1bとは別途に形成されて、ネジ止めによって着脱可能に取り付けられる周知のベルマウスを用いた構造とする。これにより、排気ファン2cの着脱は周知と同様にして行うことができる。
また、フィルタ装置3のケース体3−1を図4に示したように、流入口9を有する第1のケース部3−1a側と流出口10を有する第2のケース部3−1b側とに分離可能とする以外に、ケース体3−1を流入口9および流出口10の開口軸芯と直交する上下または左右に分離可能として、第1のケース部と第2のケース部とを、正面視で略半円状に形成することができる。
また、フィルタ装置3を、薄型タイプのレンジフードにおいて、フード部と送風機ユニットの排気ボックスとを連絡するフード部天板の連絡口などに、ケース体3−1の流入口9を下向きに開口させた水平な姿勢で着脱自在に設置することができる。この場合、排気ボックス内に配置される送風機の吸引口とケース体3−1の流出口10とを流通ダクトなどを用いて直結させる。
また、ケース体3−1を構成する第1のケース部3−1aと第2のケース部3−1bとの連結を、ネジ式とすることができる。さらに、ケース体3−1内に廃ガス接触部材3−2〜3−2cを支持させるための支持機構3−3として、3本または4本のネジ部材のみによって形成することができる。
フィルタ装置を備えた本発明のレンジフードの実施形態を示す縦断側面図である。 同レンジフードの横断平面図である。 同レンジフードの要部を拡大して示す縦断面図である。 第1の実施形態に係るフィルタ装置を示す分解斜視図である。 ケース体の厚さを可変させたときの状態を示すレンジフードの縦断側面図である。 第2の実施形態に係る廃ガス接触部材を示す斜視図である。 第3の実施形態に係る廃ガス接触部材を示す斜視図である。 第4の実施形態に係る廃ガス接触部材を示す概略図である。 フィルタ装置を備えた本発明のレンジフードの他の実施形態を示す縦断側面図である。
符号の説明
A レンジフード
1 フード体
2 送風機
3 フィルタ装置
3−1 ケース体
3−1a 第1のケース部(雄側ケース部)
3−1b 第2のケース部(雌側ケース部)
3−2,3−2a,3−2b,3−2c 廃ガス接触部材
3−3 支持機構
4 仕切りパネル
5 接続口
6 オイル抜け孔
8 オイルトレイ
9 流入口
10 流出口
11 連結凸部
12 連結部
12a 挿入部
12b 係止部
G 廃ガス

Claims (7)

  1. 捕獲空間を有するフード体と、
    前記捕獲空間に廃ガスを吸込み捕集するための送風機と、を備えて構成されているレンジフードであって、
    前記廃ガス中の油脂分を捕獲するためのフィルタ装置を備え、
    前記フィルタ装置は、前記廃ガスの流入口と前記送風機に連通される流出口とを有する箱状に形成され、かつ、前記送風機の接続口に連通させて配置されるケース体と、
    前記流入口の開口軸芯に対して略直交させた向きで前記ケース体内に収容され、前記送風機の吸引力により前記流入口から流入する前記廃ガスを接触させてその流れ方向を変換させるとともに前記油脂分を付着させる廃ガス接触部材とを備え、
    前記ケース体は、前記流入口を有する第1のケース部と、前記流入口と対応させた壁面に前記流出口を有する第2のケース部と、から分離可能に形成され、
    前記廃ガス接触部材は、前記流入口の開口面積よりも大きく、かつ、該流入口の開口軸芯に対して直交する方向の前記ケース体の内側面との間に前記廃ガスの流通隙間を形成する輪郭形状に形成され、
    前記第1のケース部および前記第2のケース部は、前記流入口と前記流出口との対面間隔を可変し得るように形成されていることを特徴とするレンジフード。
  2. 捕獲空間を有するフード体と、
    前記捕獲空間に廃ガスを吸込み捕集するための送風機と、を備えて構成されているレンジフードであって、
    前記廃ガス中の油脂分を捕獲するためのフィルタ装置を備え、
    前記フィルタ装置は、前記廃ガスの流入口と前記送風機に連通される流出口とを有する箱状に形成され、かつ、前記送風機の接続口に連通させて配置されるケース体と、
    前記流入口の開口軸芯に対して略直交させた向きで前記ケース体内に収容され、前記送風機の吸引力により前記流入口から流入する前記廃ガスを接触させてその流れ方向を変換させるとともに前記油脂分を付着させる廃ガス接触部材とを備え、
    前記ケース体は、断面が略円形状に形成され、かつ前記流入口を有する第1のケース部と、前記流入口と対応させた壁面に前記流出口を有する第2のケース部と、から分離可能に形成され、
    前記廃ガス接触部材は、前記流入口の開口面積よりも大きく、かつ、該流入口の開口軸芯に対して直交する方向の前記ケース体の内側面との間に前記廃ガスの流通隙間を形成するように外径を有する略円盤形状に形成され、かつ、前記流通隙間を変更し得るように外周縁部の外径が半径方向に可変自在に形成されていることを特徴とするレンジフード。
  3. 前記ケース体が、前記送風機に着脱可能に配置されていることを特徴とする請求項1または2に記載のレンジフード
  4. 前記フィルタ装置は、前記廃ガス接触部材を、前記ケース体内における前記流入口と前記流出口との間に移動可能に支持させる支持機構を備えていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のレンジフード。
  5. 前記廃ガス接触部材は、略平板状に形成され、かつ、前記流入口から前記ケース体内に流入されてその流れ方向が変換された前記廃ガスの流れ方向に交叉する凸凹状の突き当たり部を備えていることを特徴とする請求項1、請求項3または請求項4に記載のレンジフード。
  6. 前記ケース体は、断面が略円形状に形成され、
    前記廃ガス接触部材は、前記ケース体の内側周面との間に、前記流通隙間を形成する外径を有する略円盤形状に形成され、かつ、前記送風機の吸引力により前記流入口から前記ケース体内に流入する前記廃ガスの流れを、前記ケース体の内側周面の方向に向けて回転末広がるように変換させるための廃ガス誘導部を、軸芯から外周縁部に向けた略螺旋放射状に備えていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレンジフード。
  7. 前記フィルタ装置の下方位置から前記送風機の下方に至る前記フード体の前後方向において、該フード体の下向き開口側と前記フィルタ装置および前記送風機側とを仕切るように仕切りパネルを備え、該仕切りパネルには前記油脂分を回収するためのオイル回収孔またはオイルトレイが備えられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレンジフード。
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