JP5114218B2 - 周波数補正回路及びこれを用いた時計装置 - Google Patents

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Description

本発明は、時計機能を有する大規模集積回路(以下「LSI」という。)等に搭載され、水晶発振回路等から出力された周波数32.768kHz等のクロック信号を補正する周波数補正回路と、これを用いた時計装置に関するものである。
従来、周波数補正回路を有する時計装置に関する技術としては、例えば、次のような文献に記載されるものがあった。
特開平7−154243号公報
特許文献1には、時計用発振回路の発振周波数偏差を補正し、発振周波数調整用トリマコンデンサを不要にするための電子式時計装置並びに補正値決定装置及び方法に関する技術が記載されている。
この特許文献1に記載されているように、従来、水晶発振回路から出力される周波数32.768kHzのクロック信号をppm(=1/百万)のオーダで補正する周波数補正回路として、LSI外部に外付けするコンデンサにトリマコンデンサを使用して補正する技術が主流であった。しかし、最近は、不揮発性メモリ等がLSIに搭載されることが増えてきており、LSI内のカウンタに周波数補正回路を搭載し、時計装置で使用する1Hz信号(1秒)、もしくは2Hz信号(0.5秒)の周波数を補正する方式が一般的になりつつある。
カウンタで周波数を補正する周波数補正回路としては、例えば、(株)リコー製のリアルタイムクロック(以下「RTC」という。)R2051が知られている。この周波数補正回路は、特許文献1にも記載されているように、補正値を記憶する補正値メモリと、その補正値により分周比が変えられ、周波数32.768kHzのクロック信号を分周して1Hz信号もしくは2Hz信号を出力する可変分周回路等とにより構成されている。そして、20秒もしくは60秒に一度、補正値メモリに記憶された補正値によって可変分周回路のクロックパルス数を変化させ、時計の進み、遅れを調節し、1.5ppm精度(20秒に一度の間隔)、もしくは0.5ppm精度(60秒に一度の間隔)等で補正するようになっている。
しかしながら、従来の周波数補正回路では、次の(A)、(B)のような課題があった。
(A) 図15は、従来の時計装置における可変分周回路の動作を示す波形図である。
この図15において、秒カウンタは、可変分周回路から出力される1Hz(1秒)信号をカウントする回路であり、00秒〜59秒までカウントアップし、更に、00秒〜59秒までのカウントアップを繰り返す。そして、秒カウンタが59秒を示す最中に60秒に一度の周波数補正が実行され、可変分周回路がリセットされる。4.096kHz〜1.024kHzの各周波数信号だけでなく、その他の周波数信号においても60秒に一度、各周波数信号がリセットされる。
従来の周波数補正回路のように20秒、もしくは60秒間隔の周波数の補正方法では、補正値が大きい場合、例えば、0.5ppm精度で時刻を+100ppm進ませる場合、60秒の最後の1秒(秒カウンタが59秒を示す時間)が、周波数32.768kHzのクロック信号における200クロックパルス(約6.1ms)分だけ短くなる。この場合、32.768kHzから1Hz(1秒)まで生成する可変分周回路の途中の信号、例えば、1.024kHz信号は、1,017.75周期となる。結果的に、1.024kHz信号の1周期目〜1,017周期目の間は周波数が補正されず、60秒に一度の補正タイミングで、1.024kHz信号は、0.75周期という短い周期となってしまう。そのため、この1.024kHz信号を、例えば、LSIの周辺回路のストップウォッチ用タイマ用の動作クロック信号として使用した場合は、ストップウォッチでの正確な計測ができない。
(B) 特許文献1のような周波数補正回路では、補正値を生成する回路が複雑である。更に、可変分周回路によって水晶発振周波数32.768kHzを1Hz信号にまで分周しているので、この可変分周回路の回路構成が複雑になる。そのため、周波数補正回路全体の回路規模が大きくなり、それに伴う消費電力も増大化する。従って、このような周波数補正回路を携帯用機器等に組み込むと、バッテリの電力消費が大きくなって早く消耗するので、用途等に制限を受ける。
本発明の周波数補正回路は、第1のクロック周波数のクロック信号を入力し、前記クロック信号のクロックパルス数をカウントして前記クロック信号を1/i(但し、i;2以上の整数)分周することにより第2のクロック周波数の信号を生成し、且つ、補正信号により前記第2のクロック周波数の信号のクロックパルス数を補正して第1の分周信号を出力するカウンタと、前記第1の分周信号を分周して所定のクロック周波数の単位時間信号と複数のクロック周波数からなる第2の分周信号とを出力する分周回路と、前記第1の分周信号及び前記第2の分周信号をデコードして前記第1の分周信号の補正タイミングを検出し、タイミングの異なる複数の補正タイミング信号を生成して出力する補正タイミング生成回路と、前記補正タイミング信号と補正値とに基づき、前記補正信号を生成して前記カウンタに与える補正信号生成回路とを有している。
本発明の時計装置は、前記発明の周波数補正回路と、前記周波数補正回路中の前記分周回路から出力される前記単位時間信号に基づき、時刻データを生成して出力する時計カウンタと、所定の時間間隔における演算によって基準時刻データと前記時刻データとの誤差を求め、前記誤差及び前記所定の時間間隔に基づき、前記補正値を算出して前記周波数補正回路中の前記補正信号生成回路に与える演算手段とを有している。
本発明の周波数補正回路によれば、カウンタにより、第1のクロック周波数のクロック信号を分周して第2のクロック周波数の信号を生成し、この第2のクロック周波数の信号を補正信号により補正して第1の分周信号を生成した後、この第1の分周信号を分周回路で分周して単位時間信号を出力する構成にしたので、従来よりも短時間毎に、より正確な単位時間信号を得ることができる。しかも、回路構成が簡単なため、回路規模を小さくすることができ、これにより消費電力を低減することができる。
本発明の時計装置によれば、周波数補正回路中の第1の分周信号が補正される構成としたので、この第1の分周信号を分周する分周回路から出力される全ての信号の周波数が補正され、例えば、この分周回路から出力される信号をストップウォッチ用タイマ等の動作クロック信号として使用した場合、ストップウォッチ等での正確な計測が可能になる。
周波数補正回路は、カウンタ、分周回路、補正タイミング生成回路、及び補正信号生成回路を有している。
前記カウンタは、第1のクロック周波数のクロック信号を入力し、前記クロック信号のクロックパルス数をカウントして前記クロック信号を1/i(但し、i;2以上の整数)分周することにより第2のクロック周波数の信号を生成し、且つ、補正信号により前記第2のクロック周波数の信号のクロックパルス数を補正して第1の分周信号を出力する。前記分周回路は、前記第1の分周信号を分周して所定のクロック周波数の単位時間信号と複数のクロック周波数からなる第2の分周信号とを出力する。前記補正タイミング生成回路は、前記第1の分周信号及び前記第2の分周信号をデコードして前記第1の分周信号の補正タイミングを検出し、タイミングの異なる複数の補正タイミング信号を生成して出力する。更に、前記補正信号生成回路は、前記補正タイミング信号と補正値とに基づき、前記補正信号を生成して前記カウンタに与える。
例えば、前記カウンタは、前記クロック信号のクロックパルス数をカウントして前記クロック信号をそれぞれ分周することにより複数の第1の分周結果を出力する第1の分周部と、前記補正信号に基づき、前記複数の第1の分周結果を選択して選択結果を出力する選択部と、前記クロック信号のクロックパルス数をカウントして前記選択結果を分周することにより前記第1の分周信号を出力する第2の分周部とを有している。
(実施例1の構成)
図1(a)、(b)は、本発明の実施例1の周波数補正回路を有する時計装置を示す概略の構成図であり、同図(a)は、時計装置の構成図、及び同図(b)は、同図(a)中の周波数補正回の構成図である。
図1(a)の時計装置は、一定の時間間隔で生成される基準時刻データIN(例えば、ラジオ放送やテレビジョン放送等における午前0時の時報)を入力する入力ポート1を有している。入力ポート1には、演算手段(例えば、中央処理装置、以下「CPU」という。)2が接続され、このCPU2に、時計カウンタ3と、不揮発性メモリ等で構成された補正値用レジスタ4とが接続されている。更に、時計カウンタ3及び補正用レジスタ4には、周波数補正回路5が接続され、この周波数補正回路5に、発振回路6が接続されている。
ここで、CPU2は、所定の時間間隔における演算によって、入力された基準時刻データINとカウントされた時刻データTDとの誤差xを求め、これらの誤差x及び前記所定の時間間隔に基づき、補正値Vcpを算出して補正値用レジスタ4へ記憶させる機能等を有している。例えば、このCPU2には、時刻等を表示する図示しない表示装置等が接続されており、基準時刻データINを時計カウンタ3へ設定する機能を有し、更に、基準時刻データINを設定する直前の時計カウンタ3からの時刻データTDと基準時刻データINとの誤差x(=時刻データTD−基準時刻データIN)と、所定の時間間隔(例えば、24時間)とに基づき、周波数補正率(=10×誤差x/24時間)を求め、この周波数補正率に従い補正値Vcpを算出し、補正値用レジスタ4に記憶させる機能を有している。
時計カウンタ3は、所定のクロック周波数fo(例えば、1Hz)の単位時間信号So(例えば、1秒)を分周等して時・分・秒等の時刻データTDをCPU2へ出力する回路である。周波数補正回路5は、水晶発振回路等で構成された発振回路6から出力される第1のクロック周波数fi(例えば、約32.768kHz)のクロック信号CKを入力し、このクロック信号CKのクロック周波数fiを分周してクロック周波数foの単位時間信号Soを生成し、且つ、補正値用レジスタ4に記憶された補正値Vcpにより、そのクロック周波数foを補正して時計カウンタ3へ与える機能を有している。
図1(b)の周波数補正回路5は、発振回路6から出力されるクロック周波数fiのクロック信号CKを入力するカウンタ10を有している。カウンタ10は、入力されるクロック信号CKのクロックパルス数をカウントしてそのクロック信号CKを1/i(i;2以上の整数、例えば、4)分周することにより、第2のクロック周波数fa(例えば、約8.192kHz)の信号を生成し、且つ、hビットの補正信号Scp(例えば、2ビットの補正信号Scp[1:0]、ここで[1:0]は2ビットを表す。)により、そのクロック周波数faの信号のクロックパルス数を補正(例えば、+1クロックパルス、±0クロックパルス、−1クロックパルス、−2クロックパルスの4通りの補正)して第1の分周信号Daを出力する回路であり、この出力側に、分周回路20及び補正タイミング生成回路30が接続されている。
分周回路20は、第1の分周信号Daを分周して所定のクロック周波数fo(例えば、1Hz)の単位時間信号Soと複数(m)(例えば、m=18個)のクロック周波数fb(例えば、4.096kHz〜1/32Hz(32秒))からなる第2の分周信号Dbとを出力する回路であり、例えば、バイナリカウンタ等で構成され、この出力側に、補正タイミング生成回路30が接続されている。補正タイミング生成回路30は、第1の分周信号Da及び第2の分周信号Dbをデコードしてその分周信号Daの補正タイミングを検出し、タイミングの異なる複数の補正タイミング信号TMG(例えば、jビット(=7ビット))の補正タイミング信号TMG[6:0])を生成して出力する回路であり、例えば、デコーダで構成され、この出力側に、制御回路である補正信号生成回路40が接続されている。
補正信号生成回路40は、補正タイミング信号TMG[6:0]とkビット(例えば、8ビット)の補正値Vcp[7:0]とに基づき、2ビットの補正信号Scp[1:0]を生成してカウンタ10へ与える回路である。
図2は、図1(b)中のカウンタ10の構成例を示す回路図である。
このカウンタ10は、クロック信号CKのクロックパルス数をカウントしてそのクロック信号CKをそれぞれ分周することにより複数(例えば、2つ)の第1の分周結果Q0,Q1を出力する第1の分周部11と、この出力側に接続され、補正信号Scp[0],Scp[1]に基づき、第1の分周結果Q0,Q1を選択して選択結果Q10を出力する選択部12と、この出力側に接続され、クロック信号CKのクロックパルス数をカウントして選択結果Q10を分周することにより周波数fi(例えば、8.192KHz)の第1の分周信号Daを出力する第2の分周部13とにより構成されている。
第1の分周部11は、分周結果Q0の反転結果と選択結果Q10の反転結果との論理を求める論理回路(例えば、2入力の論理積ゲート、以下「ANDゲート」という。)11aと、分周結果Q0と分周結果Q1の反転結果との論理を求める論理回路(例えば、2入力の論理和ゲート、以下「ORゲート」という。)11bと、このORゲート11bの論理結果と選択結果Q10の反転結果との論理を求める論理回路(例えば、2入力ANDゲート)11cとを有している。ANDゲート11aの出力側には、第1のフリップフロック回路(例えば、遅延型フリップフロップ回路、以下「DFF」という。)11dが接続され、更に、ANDゲート11cの出力側にも、第2のフリップフロップ回路(例えば、DFF)11eが接続されている。
第1のDFF11dは、クロック信号CKの立ち下がりエッジに同期してANDゲート11aの論理結果を取り込んで分周結果Q0を出力する回路であり、クロック信号CKのクロックパルス数をカウントしてそのクロック信号CKを1/2分周することにより分周結果Q0を出力する機能を有している。第2のDFF11eは、クロック信号CKの立ち下がりエッジに同期してANDゲート11cの論理結果を取り込んで分周結果Q1を出力する回路であり、クロック信号CKのクロックパルス数をカウントしてそのクロック信号CKを1/2分周することにより分周結果Q1を出力する機能を有している。
選択部12は、2ビットの補正信号Scp[1],Scp[0]に基づき、2つの第1の分周結果Q0,Q1を選択して選択結果Q10を出力する回路であり、例えば、2つの2入力ORゲート12a,12b及び2入力ANDゲート12cからなる論理回路により構成されている。ORゲート12aは、補正信号Scp[0]と分周結果Q0との論理和を求める回路である。ORゲート12bは、補正信号Scp[1]の反転結果と分周結果Q1との論理和を求める回路である。このORゲート12a,12Bの出力側に、ANDゲート12cが接続されている。
第2の分周部13は、第1の分周信号Daと選択結果Q10との論理を求める論理回路(例えば、2入力の排他的論理和ゲート、以下「EXORゲート」という。)13aと、この出力側に接続された第3のフリップフロップ回路(例えば、DFF)13bとにより構成されている。DFF13bは、クロック信号CKの立ち下がりエッジに同期してEXORゲート11aの論理結果を取り込んで第1の分周信号Daを出力する回路であり、クロック信号CKにより選択結果Q10を1/2分周して分周信号Daを出力する機能を有している。
図3は、図1(b)中の分周回路20の構成例を示す回路図である。
この分周回路20は、複数(m)のフリップフロップ回路(例えば、入力パルスの立ち下がりエッジで動作するDFF)21−1〜21−m(例えば、m=18)が縦続接続された非同期型バイナリカウンタにより構成されている。入力される周波数fa(例えば、8.192KHz)の第1の分周信号Daは、各段のDFF21−1〜21−mにより順次1/2,1/2,1/2,・・・,1/216分周され、初段のDFF21−1から4.096KHz、2段目のDFF21−2から2.048KHz、3段目のDFF21−3から1.024KHz、・・・、(m−1)段目のDFF21−(m−1)から1/16Hz(16秒)、及び最終段のDFF21−mから1/32Hz(32秒)の第2の分周信号Dbがそれぞれ出力される構成になっている。
図4は、図1(b)中の補正タイミング生成回路30の構成例を示す回路図である。
この補正タイミング生成回路30は、周波数fa(例えば、約8.192KHz)の第1の分周信号Daと、周波数fb(例えば、4.096KHZ〜1/32Hz)の第2の分周信号Dbとの論理を求めて(即ち、デコードして)、jビット(例えば、7ビット)の補正タイミング信号TMG[6]〜TMG[0]を生成する論理回路(例えば、ANDゲート31,32−1〜32−j)により構成されている。この論理回路では、周波数8.192KHz〜4Hzの信号から、ANDゲート31により論理積が求められ、このANDゲート31の論理結果と各周波数2Hz(0.5秒)〜1/32Hz(32秒)の信号とから、各ANDゲート32−1〜32−jにより論理積が求められ、時刻の異なる7ビットの補正タイミング信号TMG[6](0.5秒毎)〜TMG[0](32秒毎)が出力される構成になっている。各補正タイミング信号TMG[6]〜TMG[0]は、“1”になるタイミングが重ならないようになっている。
図5は、図1(b)中の補正信号生成回路40の構成例を示す回路図である。
この補正信号生成回路40は、jビット(例えば、7ビット)の補正タイミング信号TMG[6]〜TMG[0]とkビット(例えば、8ビット)の補正値Vcp[7]〜Vcp[0]との論理を求めてhビット(例えば、2ビット)の補正信号Scp[1],Scp[0]を生成する論理回路により構成されている。
この論理回路は、例えば、ANDゲート41−1〜41−(k−2)、EXORゲート42−1〜42−(k−2)、ANDゲート43−1〜43−(k−1),44−1〜44−(k−1)、及びORゲート45−1,45−h)を有している。そして、正負(±)の符号ビットである7ビット目の補正値Vcp[7]と6ビット目〜1ビット目の補正値Vcp[6]〜Vcp[1]とが、各ANDゲート41−1〜41−(k−2)で論理積が求められると共に、各EXORゲート42−1〜42−(k−2)で排他的論理和が求められ、これらの各ANDゲート41−1〜41−(k−2)及び各EXORゲート42−1〜42−(k−2)の論理結果と、各補正信号TMG[6]〜TMG[0]とが、ANDゲート43−1〜43−(k−1),44−1〜44−(k−1)で論理積が求められる。更に、各ANDゲート43−1〜43−(k−1)の論理結果が、ORゲート45−1で論理和が求められて補正信号Scp[1]が出力されると共に、各ANDゲート44−1〜44−(k−1)の論理結果が、ORゲート45−hで論理和が求められて補正信号Scp[0]が出力される構成になっている。
(図1(a)の時計装置の動作)
図6は、図1(a)の時計装置の動作を示す概要の波形図である。
基準時刻データINとして例えば午前0時の時報が入力ポート1に入力されると、その基準時刻データINがCPU2へ転送される。CPU2では、演算により、基準時刻データINの午前0時の時報の24時間と、時計カウンタ3の時刻データTDの24時間との誤差xを求め、この誤差xに対する周波数補正率(=10×誤差x/24時間)[ppm]と、補正値Vcp[7:0](=Vcp[7]〜Vcp[0])とを求め、この補正値Vcp[7:0]を補正値用レジスタ4に設定する。周波数補正回路5は、補正値Vcpにより分周比が変わり、この分周比に基づき、発振回路6から出力されるクロック周波数fi(=32.768kHz)のクロック信号CKを分周し、所定のクロック周波数f0(例えば、1Hz)の単位時間信号So(例えば、1秒)を生成して時計カウンタ3に与える。時計カウンタ3では、単位時間信号So(1秒)を分周して時・分・秒等の時刻データTDを生成し、CPU2に与える。これにより、例えば、CPU2の制御によって図示しない表示装置等に時刻データTDが表示される。24時間後の翌日、午前0時の時報があると、時計装置は、前述した動作を繰り返す。
(周波数補正回路5内のカウンタ10の動作)
図7−1は、図2のカウンタ10の動作を示す波形図(補正信号Scp[1:0]=“00”の時)である。この図では、補正信号Scp[1:0]=00の時には、カウンタ10において、クロックパルスの補正が行われない(クロック補正値=±0)状態が示されている。
補正信号Scp[1:0]が“00”の時、ORゲート12aが開き、ORゲート12bが閉じる。例えば、時刻t1において、周波数fi(約32.768KHz)のクロック信号CKの立ち下がりエッジで、DFF11dの分周結果Q0が“1”に立ち上がり、次の時刻t2において、DFF11dの分周結果Q0が“0”に立ち下がるので、クロック信号CKがDFF11dにより1/2分周される。そのため、ORゲート12aを通してANDゲート12cの選択結果Q10が、時刻t1〜t2の間、“1”となる。
同様に、補正タイミング信号TMG[6]〜TMG[0]のいずれかが“1”となる時刻t2〜t4の間において、時刻t3のクロック信号CKの立ち下がりエッジから、時刻t4のクロック信号CKの立ち下がりエッジまでの間、選択結果Q10が“1”となる。時刻t2の選択結果Q10の立ち下がりエッジで、EXORゲート13aを介してDFF13bから出力される分周信号Daが“1”に立ち上がり、次の時刻t4の選択結果Q10の立ち下がりエッジで、分周信号Daが“0”に立ち下がるので、選択結果Q10がDFF13bにより1/2分周される。
従って、補正タイミング信号TMG[6]〜TMG[0]のいずれかが“1”となる時刻t2〜t4の間において、補正信号Scp[1:0:]が“00”の時には、カウンタ10においてクロック信号CKが1/4分周され、クロックパルスの補正が行われず(クロック補正値=±0)、そのまま分周信号Daとして分周回路20へ出力される。
図7−2は、図2のカウンタ10の動作を示す波形図(補正信号Scp[1:0]=“01”の時)である。この図では、補正信号Scp[1:0]=01の時には、カウンタ10において、1クロックパルスだけ早まる補正(クロック補正値=+1)が行われる状態が示されている。
クロック信号CKの周波数補正を行う場合、時刻t2〜t3において、補正タイミング信号TMG[6:0](TMG[6]〜TMG[0])が“1”の時に、補正信号生成回路40から補正信号Scp[1:0](=“01”)が与えられる。これにより、ORゲート12a,12bが閉じ、ANDゲート12cの選択結果Q10が“1”になるので、DFF13bから出力される分周信号Daが“1”となる。そのため、DFF13bから出力される分周信号Daは、クロック信号CKの1クロックパルスだけ早まる。
図7−3は、図2のカウンタ10の動作を示す波形図(補正信号Scp[1:0]=“10”の時)である。この図では、補正信号Scp[1:0]=10の時には、カウンタ10において、2クロックパルスだけ延びる補正(クロック補正値=−2)が行われる状態が示されている。
クロック信号CKの周波数補正を行う場合、時刻t2〜t6において、補正タイミング信号TMG[6:0](TMG[6]〜TMG[0])が“1”の時に、補正信号生成回路40から補正信号Scp[1:0](=“10”)が与えられる。これにより、ORゲート12a,12bが開き、時刻t2〜t5において、ANDゲート12cの選択結果Q10が“0”になり、時刻t5〜t6において、選択結果Q10が“1”になるので、時刻t2〜t6において、DFF13bから出力される分周信号Daが“1”となる。そのため、DFF13bから出力される分周信号Daは、クロック信号CKの2クロックパルスだけ延びる。
図7−4は、図2のカウンタ10の動作を示す波形図(補正信号Scp[1:0]=“11”の時)である。この図では、補正信号Scp[1:0]=11の時には、カウンタ10において、1クロックパルスだけ延びる補正(クロック補正値=−1)が行われる状態が示されている。
クロック信号CKの周波数補正を行う場合、時刻t2〜t5において、補正タイミング信号TMG[6:0](TMG[6]〜TMG[0])が“1”の時に、補正信号生成回路40から補正信号Scp[1:0](=“11”)が与えられる。これにより、ORゲート12aが閉じ、ORゲート12bが開き、時刻t2〜t4において、ANDゲート12cの選択結果Q10が“0”になり、時刻t4〜t5において、選択結果Q10が“1”になるので、時刻t2〜t5において、DFF13bから出力される分周信号Daが“1”となる。そのため、DFF13bから出力される分周信号Daは、クロック信号CKの1クロックパルスだけ延びる。
(周波数補正回路5内の分周回路20と補正タイミング生成回路30の動作)
図8は、図3の分周回路20と図4の補正タイミング生成回路30の動作を示す波形図である。
分周回路20では、カウンタ10から出力されるクロック周波数fa(≒8.192kHz信号)の分周信号Daを、バイナリカウンタで分周し、複数のクロック周波数fb(=4.096kHz〜1/32Hz(周期32秒))の分周信号Dbを生成して補正タイミング生成回路30へ出力する。補正タイミング生成回路30では、クロック周波数fa(≒8.192kHz信号)の分周信号Daと、複数のクロック周波数fb(=4.096kHz〜1/32Hz)とに基づき、補正タイミング信号TMG[6](0.5秒毎)〜TMG[0](32秒毎)を生成して補正信号生成回路40へ出力する。補正タイミング信号TMG[6]〜TMG[0]は、出力の時刻が重ならないようになっている。
図8において、時刻t0〜時刻t1は512Hz信号、時刻t0〜時刻t2は32Hz信号、時刻t0〜時刻t3は0.5秒(2Hz)信号、及び、時刻t0〜時刻t4は8秒(1/8Hz)信号のそれぞれの1周期を示す。
補正タイミング信号TMG[6]は、0.5秒(2Hz)信号が“1”になる直前、即ち、0.5秒信号が“0”の時に、8.192kHz信号〜4Hz信号が全て“1”にある間に出力される。補正タイミング信号TMG[5]は、1秒(1Hz)信号が“1”になる直前、即ち、1秒信号が“0”の時に、8.192kHz信号〜0.5秒(2Hz)信号が全て“1”にある間に出力される。補正タイミング信号TMG[4]は、2秒(1/2Hz)信号が“1”になる直前、即ち、2秒信号が“0”の時に、8.192kHz信号〜1秒信号が全て“1”にある間に出力される。補正タイミング信号TMG[3]は、4秒(1/4Hz)信号が“1”になる直前、即ち、4秒信号が“0”の時に、8.192kHz信号〜2秒信号が全て“1”にある間に出力される。
補正タイミング信号TMG[2]は、8秒(1/8Hz)信号が“1”になる直前、即ち、8秒信号が“0”の時に、8.192kHz信号〜4秒信号が全て“1”にある間に出力される。補正タイミング信号TMG[1]は、16秒(1/16Hz)信号が“1”になる直前、即ち、16秒信号が“0”の時に、8.192kHz信号〜8秒信号が全て“1”にある間に出力される。補正タイミング信号TMG[0]は、32秒(1/32Hz)信号が“1”になる直前、即ち、32秒信号が“0”の時に、8.192kHz信号〜16秒信号が全て“1”にある間に出力される。
図9は、図4の補正タイミング生成回路30から出力される補正タイミング信号TMG[6:0]の発生頻度を示す図である。
例えば、補正タイミング信号TMG[0]は、図8の出力タイミングで示されるように、32秒に1度の頻度、即ち、32秒信号が“0”の間で、32秒信号が“1”になる直前に発生される。同様に、補正タイミング信号TMG[6]は、0.5秒に1度の頻度で発生される。
(周波数補正回路5内の補正信号生成回路40の動作)
図5の補正信号生成回路40では、補正タイミング生成回路30で生成された補正タイミング信号TMG[6:0]と補正値[7:0]の値を基に、補正信号Scp[1:0]を生成してカウンタ10へ出力する。
図10は、補正値Vcp[7:0]と周波数補正率[ppm]の関係を示す図である。
補正値[7:0]欄において、符号bit(+/−)は、7ビット目の補正値Vcp[7]を示す。bit6〜bit0は、6ビット目の補正値Vcp[6]〜0ビット目の補正値Vcp[0]を示す。16進数欄において、例えば、FFHは、補正値Vcp[7]〜Vcp[0](Vcp[7:0])が全て“1”を示す。この時の周波数補正率[ppm]が、−0.95であることを示す。
図5の補正信号生成回路40において、例えば、補正値Vcp[6]が“1”で、補正値Vcp[7]の符号が+(“0”)の場合は、補正タイミング信号TMG[6]の発生タイミングで、補正信号Scp[1:0]に“01”が出力される。これにより、カウンタ10では、クロック周波数fa(=8.192kHz信号)の分周信号Daが、クロック周波数fi(=32.768kHz)のクロック信号CKにおける1クロックパルス分だけ早まる周波数補正が行われる。この場合、補正タイミング信号TMG[6]が0.5秒に1度発生する信号であるため、32.768kHzのクロック信号CKの16,383クロックパルス分が0.5秒となり、結果的には周波数補正率が約+61ppm(≒30.518μs/0.5s×10)で周波数が補正されたことになる。補正値Vcp[6]が“0”の場合は、“補正信号[1:0]には00”が出力されるため、カウンタ10では補正が行われない。
補正値Vcp[6]が“0”で、補正値Vcp[7]の符号が−(“1”)の場合は、補正タイミング信号TMG[6]の発生タイミングで、補正信号Scp[1:0]に“11”が出力される。これにより、カウンタ10では、8.192kHz信号が32.768kHzのクロック信号CKの1クロックパルス分だけ延びる。補正タイミング信号TMG[6]は0.5秒に1度発生する信号であるため、32.768kHzのクロック信号CKの16,385クロックパルス分が0.5秒となり、結果的には周波数補正率が約−61ppm(≒−30.518μs/0.5s×10)で周波数が補正されたことになる。又、補正値Vcp[6]が“1”の場合は、補正信号Scp[1:0]に“00”が出力されるため、カウンタ10では補正が行われない。
補正値Vcp[5]〜Vcp[1]では、補正値Vcp[6]と同様の動作となる。
補正値Vcp[0]が“1”で、補正値Vcp[7]の符号が+(“0”)の場合は、補正タイミング信号TMG[0]の発生タイミングで、補正信号Scp[1:0]に“01”が出力され、カウンタ10では8.192kHz信号が32.768kHzのクロック信号CKの1クロックパルス分だけ早まる。補正タイミング信号TMG[0]は32秒に1度発生する信号であるため、32.768kHzのクロック信号CKの1,048,575クロックパルス分が32秒となり、結果的には周波数補正率が約+0.95ppm(≒30.518μs/32s×10)で周波数が補正されたことになる。又、補正値Vcp[0]が“0”の場合は、補正信号Scp[1:0]に“00”が出力されるため、カウンタ10では補正が行われない。
補正値Vcp[0]が“1”で、補正値Vcp[7]の符号が−(“1”)の場合は、補正タイミング信号TMG[0]の発生タイミングで、補正信号Scp[1:0]に“11”が出力され、カウンタ10では8.192kHz信号が32.768kHzのクロック信号CKの1クロックパルス分だけ延びる。補正タイミング信号TMG[0]は32秒に1度発生する信号であるため、32.768kHzのクロック信号CKの1,048,577クロックパルス分が32秒となり、結果的には周波数補正率が約−0.95ppm(≒−30.518μs/32s×10)で周波数が補正されたことになる。又、補正値Vcp[0]が“0”の場合は、補正信号Scp[1:0]に“10”が出力され、カウンタ10では8.192kHz信号が32.768kHzのクロック信号CKの2クロックパルス分だけ延びる。補正タイミング信号TMG[0]は32秒に1度発生する信号であるため、32.768kHzのクロック信号CKの1,048,578クロックパルス分が32秒となり、結果的には周波数補正率が約−1.91ppm(≒(−30.518μs×2クロック)/32s×10)で周波数が補正されたことになる。
補正タイミング信号TMG[6:0]は同時に発生しないようにしているため、図10に示すように、補正値[7:0]の値によって、約−122.1ppm〜+121.1ppmまで、分解能0.95ppmの補正が可能となる。
以下に、実際の周波数補正例(a)〜(c)を示す。
(a) 補正値[7:0]]=“0_0000001b”(“01H”)の場合
補正値Vcp[7](符号)が+(“0”)で、0ビット目の補正値Vcp[0]のみが“1”となっているため、補正タイミング信号TMG[0]の場合のみ(32秒毎)に、カウンタ10において、8.192kHz信号が約32.768kHzのクロック信号CKの1クロックパルス分(周期約30.5μs)早まるため、周波数補正率で約+0.95ppm[≒(30.518μs×1クロック×1回)/32s×10]周波数が早まることになる。
(b) 補正値[7:0]]=“0_0000101b”(“05H”)の場合
補正値Vcp[7](符号)が+(“0”)で、2ビット目の補正値Vcp[2]と0ビット目の補正値Vcp[0]が“1”となっているため、8秒毎の補正タイミング信号TMG[2]と32秒毎の補正タイミング信号TMG[0]とが発生する度に、カウンタ10において、8.192kHz信号が約32.768kHzのクロック信号CKの1クロックパルス分(周期約30.5μs)早まる。そのため、補正タイミング信号TMG[2]は4(=32秒/8秒)回、及び補正タイミング信号TMG[0]は1(=32秒/32秒)回、それぞれ発生するので、周波数補正率で約+4.77ppm[≒(30.518μs×1クロック×(4+1)回)/32s×10]周波数が早まることになる。
(c) 補正値[7:0]]=“1_1110110b”(“F6H”)の場合
補正値Vcp[7](符号)が−(“1”)で、3ビット目の補正値Vcp[3]と0ビット目の補正値Vcp[0]とが“0”となっているため、4秒毎の補正タイミング信号TMG[3]が発生する度に、カウンタ10において、8.192kHz信号が32.768kHzのクロック信号CKの1クロックパルス分(周期約30.5μs)遅くなる。又、32秒毎の補正タイミング信号TMG[0]が発生する度に、カウンタ10において、8.192kHz信号が32.768kHzのクロック信号CKの2クロックパルス分(周期約61μs)遅くなるので、補正タイミング信号TMG[3]は8(=32秒/4秒)回、及び補正タイミング信号TMG[0]は1回、それぞれ発生するため、周波数補正率で約−9.54ppm[≒((−30.518μs×1クロック×8回)+(−30.518μs×2クロック×1回))/32s×10]周波数が遅れることになる。
このように、補正値Vcp[7:0]に設定した値に応じて、時計装置用の単位時間信号(1秒(1Hz)信号)を含んだ8.192kHz信号〜1/32Hz(32秒周期)の信号全てを補正することが可能となる。
(実施例1の効果)
本実施例1によれば、周波数補正を行う補正タイミング信号TMG[6]〜TMG[0]の出力タイミングを重ならないように構成し、2ビットの補正信号Scp[1:0]によりカウンタ10にて周波数補正を行って周波数fa(=約8.192kHz)の分周信号Daを生成しているので、次の(a)〜(d)のような効果がある。
(a) 約32.768KHzのクロック信号CKをカウンタ10で分周した約8.192kHz信号以降の32秒(1.32Hz)信号までの全ての信号が補正されるため、約8.192KHz以降の信号をストップウォッチ用タイマ等のような周辺回路で使用可能となる。つまり、本実施例1の時計装置によれば、周波数補正回路5から出力される単位時間信号Soに基づき、時計カウンタ3で時刻データTDを生成する構成にしたので、単位時間信号Soをストップウォッチ用タイマ等の動作クロック信号として使用した場合、ストップウォッチ等での正確な計測が可能になる。
(b) 補正値Vcp[7:0]及び補正タイミング信号TMG[6:0]のビット数を増やせば、簡単に広範囲の周波数補正が可能となる。
(c) 分周回路20の最大周期(実施例1では32秒で説明)を増やせば、より精度の高い周波数補正が可能となる。
(d) 分周比の小さなカウンタ10で周波数補正を行い、補正後の周波数を分周比の大きな分周回路で分周しているので、周波数補正回路全体の回路構成が簡単になって回路規模を小さくでき、消費電力を低減できる。
(実施例2の構成)
図11は、本発明の実施例2を示す時計装置の概略の構成図であり、実施例1を示す図1(a)中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例2の時計装置では、実施例1の入力ポート1の入力側に、追加された電波時計受信装置7が接続され、更に、実施例1の演算手段であるCPU2に、追加された時刻データ記憶手段(例えば、時刻データレジスタ)8が接続されている。
電波時計受信装置7は、標準電波を受信してこの受信信号中の基準時刻データINを、入力ポート1を介してCPU2へ与える装置である。CPU2は、入力ポート1から与えられる新たな基準時刻データINから前回の基準時刻データIN(−)を引いた特定の時間間隔における演算によって、その新たな基準時刻データINと時計カウンタ3からの時刻データTDとの誤差xを求め、これらの誤差x及び特定の時間間隔に基づき、補正値Vcp[7:0]を算出して補正値用レジスタ4へ記憶させる機能を有している。時刻データレジスタ8は、CPU2により制御され、このCPU2が誤差x及び補正値Vcp[7:0]を算出する度に新たな基準時刻データINを記憶すると共に、記憶した前回の基準時刻データIN(−)をCPU2に与える回路である。その他の構成は、実施例1と同様である。
(実施例2の動作)
図12は、図11の時計装置における動作の概要を示す波形図である。
電波時計受信装置7による時刻合わせのために、基準時刻データINを含む標準電波が電波時計受信装置7により受信されると、この受信信号中の基準時刻データINが入力ポート1に入力されてCPU2へ送られる。CPU2が基準時刻データINを受け取ると、時計カウンタ3及び時刻データレジスタ8に対して前回の時刻設定が行われる。特定時間が経過して、再度、基準時刻データINを含む標準電波が電波時計受信装置7により受信されると、この受信信号中の基準時刻データINが入力ポート1に入力されてCPU2へ送られ、このCPU2により、時計カウンタ3及び時刻データレジスタ8に対して今回の時刻設定が行われる。
CPU2は、電波時計受信装置7からの前回の時刻設定値(=前回の基準時刻データIN(−))から今回の時刻設定値(=今回の基準時刻データIN)により、実際の経過時間(=今回の基準時刻データIN−前回の基準時刻データIN(−))を求め、次式に従い、実際の経過時間と時計カウンタ3の時刻データTDとの誤差xから、周波数補正率を求めた後、これに対する補正値Vcp[7:0]を求めて補正値用レジスタ4に設定する。
誤差x=TD−IN
TD;時計カウンタ3から出力される今回の時刻設定直前の時刻データ
IN;時刻データレジスタ8から出力される前回の基準時刻データ
周波数補正率[ppm]=10×[誤差x/(実際の経過時間)]
補正値用レジスタ4に補正値Vcp[7:0]が設定されると、この補正値Vcp[7:0]に基づき、実施例1と同様に周波数の補正が行われる。
(実施例2の効果)
本実施例2によれば、実施例1とほぼ同様の効果がある上に、前回の基準時刻データIN(−)を時刻データレジスタ8に記憶する構成にしたので、次の(a)〜(c)のような効果がある。
(a) 電波時計機能を有する時計において、周波数補正回路5を搭載することで、電波が長時間受信できない場合であっても、時計の誤差を最小限に抑えることが可能である。
(b) 基準時刻データINを入力する特定の時刻設定の間隔を短時間に設定できるので、短時間に精度の良い単位時間信号So等を得ることができる。
(c) 電波時計受信装置7により定期的に補正値を求めることで、気温等の環境変化によるクロック信号CKのクロック周波数fiの変化にも、より素早く対応することができる。
(実施例3の構成)
図13は、本発明の実施例3を示す時計装置の概略の構成図であり、実施例2を示す図11中の要素と共通の要素には共通の符号が付されている。
本実施例3の時計装置では、実施例2の電波時計受信装置7に代えて、ユーザによる時刻設定により基準時刻データINを入力する構成になっており、更に、実施例2の入力ポート1に代えて、これとは構成の異なる入力ポート1Aが設けられている。入力ポート1Aは、ユーザにより入力される基準時刻データINを取り込んで今回の時刻設定値を一時保持し、CPU2へ与える機能を有している。その他の構成は、実施例2と同様である。
(実施例3の動作)
図14は、図13の時計装置における動作の概要を示す波形図である。
ユーザが時刻合わせのために図示しないスイッチ等を操作して時刻設定をすると、基準時刻データINが入力ポート1Aに入力されてCPU2へ送られる。CPU2が基準時刻データINを受け取ると、時計カウンタ3及び時刻データレジスタ8に対して前回の時刻設定が行われる。特定時間が経過してユーザが再度、スイッチ等を操作して時刻設定を行うと、基準時刻データINが入力ポート1に入力されてCPU2へ送られ、このCPU2により、時計カウンタ3及び時刻データレジスタ8に対して今回の時刻設定が行われる。
CPU2は、ユーザによる時刻設定の前回の時刻設定値(=前回の基準時刻データIN(−))から今回の時刻設定値(=今回の基準時刻データIN)により、実際の経過時間(=今回の基準時刻データIN−前回の基準時刻データIN(−))を求め、実施例2と同様に、次式に従い、実際の経過時間と時計カウンタ3の時刻データTDとの誤差xから、周波数補正率を求めた後、これに対する補正値Vcp[7:0]を求めて補正値用レジスタ4に設定する。
誤差x=TD−IN
TD;時計カウンタ3から出力される今回の時刻設定直前の時刻データ
IN;時刻データレジスタ8から出力される前回の基準時刻データ
周波数補正率[ppm]=10×[誤差x/(実際の経過時間)]
補正値用レジスタ4に補正値Vcp[7:0]が設定されると、この補正値Vcp[7:0]に基づき、実施例2と同様に周波数の補正が行われる。
(実施例3の効果)
本実施例3によれば、ユーザが基準時刻データINを入力する構成にしたので、実施例1とほぼ同様の効果がある上に、次の(a)、(b)のような効果がある。
(a) ユーザが任意の時刻に時刻設定をできるので、使い勝手がよい。
(b) 電波時計受信装置等の基準時刻データINの入力手段を用いることなく、高精度の単位時間信号Soを得ることができる。
(変形例)
本発明は、上記実施例に限定されず、種々の利用形態や変形が可能である。この利用形態や変形例としては、例えば、次の(1)〜(9)のようなものがある。
(1) 実施例では、補正タイミング信号TMGの最大周期を32秒とし、32.768kHzのクロック信号CKの周波数補正精度を0.95ppmとして説明したが、補正精度を0.48ppmや0.24ppm等のように周波数補正精度を上げるために、補正タイミング信号TMGの最大周期を64秒や128秒等のように大きくしてもよい。
(2) 実施例では、補正タイミング信号TMG[6:0]の最大周期を32秒、補正値Vcpを8ビット長(補正可能範囲約±122ppm)で説明したが、周波数補正可能範囲を広げるために補正値Vcpのビット長を増やしてもよい。
(3) 実施例では、発振回路6から出力されるクロック信号CKのクロック周波数fiを時計用の32.768kHzを例にとり説明したが、32.768kHz以外のクロック周波数にも適用可能である。
(4) 補正値用レジスタ4や時刻データレジスタ8は、これに代えて、CPU2内のメモリで代用してもよい。
(5) 図2のカウンタ10を構成する第1の分周部11、選択部12、及び第2の分周部13は、図示以外のフリップフロップ回路や論理回路等により構成してもよい。
(6) 図3の分周回路20は、図示以外のフリップフロップ回路等により構成してもよい。
(7) 図4の補正タイミング生成回路30、及び図5の補正信号生成回路40は、図示以外の論理回路等で構成してもよい。
(8) 実施例の周波数補正回路5は、時計装置以外の他の回路や装置等に設けてもよい。
(9) 補正値Vcp[7:0]と周波数補正率の関係を、図11の2の補数の設定値以外にしてもよい。2の補数以外の例としては、次の(9a)、(9b)のようなものがある。
(9a) 7FHを+121.1ppm、・・・01Hを+0.95ppm、00Hを±0ppm、FFHを±0ppm、FEHを−0.95ppm、・・・80Hを−121.1ppmとする場合
(9b) 00Hを−121.1ppm、・・・7FHを−0.95ppm、80Hを±0ppm、81Hを+0.95ppm、・・・FFHを+121.1ppmとする場合
本発明の実施例1の周波数補正回路を有する時計装置を示す概略の構成図である。 図1(b)中のカウンタ10の構成例を示す回路図である。 図1(b)中の分周回路20の構成例を示す回路図である。 図1(b)中の補正タイミング生成回路30の構成例を示す回路図である。 図1(b)中の補正信号生成回路40の構成例を示す回路図である。 図1(a)の時計装置の動作を示す概要の波形図である。 図2のカウンタ10の動作波形図(補正信号Scp[1:0]=“00”の時)である。 図2のカウンタ10の動作波形図(補正信号Scp[1:0]=“01”の時)である。 図2のカウンタ10の動作波形図(補正信号Scp[1:0]=“10”の時)である。 図2のカウンタ10の動作波形図(補正信号Scp[1:0]=“11”の時)である。 図3の分周回路20と図4の補正タイミング生成回路30の動作を示す波形図である。 図4の補正タイミング生成回路30から出力される補正タイミング信号TMG[6:0]の発生頻度を示す図である。 補正値Vcp[7:0]と周波数補正率[ppm]の関係を示す図である。 本発明の実施例2の時計装置を示す概略の構成図である。 図11の時計装置における動作の概要を示す波形図である。 本発明の実施例3の時計装置を示す概略の構成図である。 図13の時計装置における動作の概要を示す波形図である。 従来の時計装置における可変分周回路の動作を示す波形図である。
符号の説明
2 CPU
3 時計カウンタ
4 補正値用レジスタ
5 周波数補正回路
8 時刻データレジスタ
10 カウンタ
11,13 第1、第2の分周部
12 選択部
20 分周回路
30 補正タイミング生成回路
40 補正信号生成回路

Claims (8)

  1. 第1のクロック周波数のクロック信号を入力し、前記クロック信号のクロックパルス数をカウントして前記クロック信号を1/i(但し、i;2以上の整数)分周することにより第2のクロック周波数の信号を生成し、且つ、補正信号により前記第2のクロック周波数の信号のクロックパルス数を補正して第1の分周信号を出力するカウンタと、
    前記第1の分周信号を分周して所定のクロック周波数の単位時間信号と複数のクロック周波数からなる第2の分周信号とを出力する分周回路と、
    前記第1の分周信号及び前記第2の分周信号をデコードして前記第1の分周信号の補正タイミングを検出し、タイミングの異なる複数の補正タイミング信号を生成して出力する補正タイミング生成回路と、
    前記補正タイミング信号と補正値とに基づき、前記補正信号を生成して前記カウンタに与える補正信号生成回路と、
    を有することを特徴とする周波数補正回路。
  2. 前記カウンタは、
    前記クロック信号のクロックパルス数をカウントして前記クロック信号をそれぞれ分周することにより複数の第1の分周結果を出力する第1の分周部と、
    前記補正信号に基づき、前記複数の第1の分周結果を選択して選択結果を出力する選択部と、
    前記クロック信号のクロックパルス数をカウントして前記選択結果を分周することにより前記第1の分周信号を出力する第2の分周部と、
    を有することを特徴とする請求項1記載の周波数補正回路。
  3. 前記第1の分周部は、前記クロック信号のクロックパルス数をカウントして前記クロック信号をそれぞれ1/2分周することにより2つの前記第1の分周結果を出力する第1及び第2のフリップフロップ回路を有し、
    前記選択部は、2ビットの前記補正信号に基づき、前記2つの第1の分周結果を選択して前記選択結果を出力する論理回路により構成され、
    前記第2の分周部は、前記クロック信号により前記選択結果を1/2分周して前記第1の分周信号を出力する第3のフリッププロップ回路を有することを特徴とする請求項2記載の周波数補正回路。
  4. 前記分周回路は、縦続接続された複数のフリップフロップ回路により構成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の周波数補正回路。
  5. 前記補正タイミング生成回路は、前記第1の分周信号と前記第2の分周信号との論理を求めて前記補正タイミング信号を生成する論理回路により構成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の周波数補正回路。
  6. 前記補正信号生成回路は、前記補正タイミング信号と前記補正値との論理を求めて前記補正信号を生成する論理回路により構成されていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の周波数補正回路。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の周波数補正回路と、
    前記周波数補正回路中の前記分周回路から出力される前記単位時間信号に基づき時刻データを生成して出力する時計カウンタと、
    所定の時間間隔における演算によって基準時刻データと前記時刻データとの誤差を求め、前記誤差及び前記所定の時間間隔に基づき、前記補正値を算出して前記周波数補正回路中の前記補正信号生成回路に与える演算手段と、
    を有することを特徴とする時計装置。
  8. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の周波数補正回路と、
    前記周波数補正回路中の前記分周回路から出力される前記単位時間信号に基づき、時刻データを生成して出力する時計カウンタと、
    新たな基準時刻データから前回の基準時刻データを引いた特定の時間間隔における演算によって前記新たな基準時刻データと前記時刻データとの誤差を求め、前記誤差及び前記特定の時間間隔に基づき、前記補正値を算出して前記周波数補正回路中の前記補正信号生成回路に与える演算手段と、
    前記演算手段が前記誤差及び前記補正値を算出する度に前記新たな基準時刻データを記憶すると共に、記憶した前記前回の基準時刻データを前記演算手段に与える時刻データ記憶手段と、
    を有することを特徴とする時計装置。
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