JP5114126B2 - 磁気シール部材及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置において、磁性トナーを収容する容器からの磁性トナー漏れを防止する磁気シール部材及びその製造方法に関するものである。
従来、複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置において、現像剤担持体(現像ローラー)の両端部に、現像領域外に磁性トナーが流出することを防止するためのシール部材が設けてある。この部材には、磁気吸引を利用する非接触の磁気シール部材が使用されている。
磁気シール部材は、磁性トナーを磁気吸引するための樹脂磁石と、樹脂磁石の磁力線が現像担持体の外側に発散されるのを防止するための、透磁率の高い磁性板金のヨークを積層している。
例えば、樹脂磁石と、打ち抜き等で作製された磁性板金ヨークとが積層されてなる略半円筒状の磁性シール部材の磁石バリの形成を防止する技術が紹介されている(特許文献1参照)。
特開平11−166626号公報
特許文献1記載の技術において、磁気シール部材は、プレス等の打ち抜きにより製作された鉄系やステンレス鋼系の磁性板金のヨークを金型に挿入して成形する。このため、磁性板金ヨークの方向を揃えるパーツフィーダーやヨークを磁気シール部材用金型内に挿入するロボット等の専用の設備が必要となり、部品コストが上がる要因となる。
また、磁気シール部材用金型と、インサートする磁性板金ヨークの内径とを正確に同じ寸法にすることは容易とは言えず、積層境界面に段差が発生して内径の寸法が不均一になることがある。
さらに、樹脂磁石が異方性磁石である場合、金型内に磁性合金粉末を配向させるための永久磁石が配置される。このため、成形前に挿入された磁性板金ヨークは、永久磁石の磁気吸引により、姿勢を保持することが容易とは言えず、生産の中断を生じることもある。
また、磁性板金ヨークと成形直後の樹脂磁石との収縮差により、磁気シール部材のソリが発生し、寸法精度に影響が出ることもあった。
本発明の目的は、前述のような部品コストの上昇が抑えられ、段差やソリが抑えられて寸法精度が良好であり、しかも生産性に優れた磁気シール部材およびその製造方法を提供するものである。
本発明により、以下の磁気シール部材とその製造方法が提供される。
1)磁性トナー洩れを防止するための、電子写真装置の磁気シール部材の製造方法において、
該磁気シール部材は、機能上2層に形成されており、該2層の1方として、磁力により磁性トナーを保持してトナー洩れを防止する役割を持つシール磁極層を有し、該2層のもう1方として、該シール磁極層から発散する磁束を収束させ該磁気シール部材の該2層のうち一方の外側面の磁力を遮断する役割を持つ磁束収束層を有するものであり、
前記シール磁極層及び前記磁束収束層が、磁性合金粉末と樹脂バインダーとを含む、同一材料からなる樹脂磁石であって、
前記磁性合金粉末と前記樹脂バインダーを含む原料組成物を、射出成形機により200℃以上330℃以下の混合溶融状態で、金型に注入して前記磁気シール部材の形状を成形する成形工程と、
前記磁束収束層の最大磁束密度が前記シール磁極層の最大磁束密度より小さくなるように、かつ、前記磁束収束層の磁極と前記シール磁極層の磁極とを極性が反対になるように、該成形工程で得られた成形品を磁化することにより、前記シール磁極層と前記磁束収束層を形成する磁化工程
を有することを特徴とする磁気シール部材の製造方法。
2)前記磁化工程において、前記成形品の前記シール磁極層となる部位を先に磁化し、その後、前記磁束収束層となる部位を磁化させる1)記載の磁気シール部材の製造方法。
3)前記磁化工程において、電流を流すことで磁場を発生することができる磁場発生ユニットが二つ並置され、一方の磁場発生ユニットがシール磁極層用であり他方の磁場発生ユニットが磁束収束層用である磁場発生装置を用い、
前記成形品の前記シール磁極層となる部位と前記磁束収束層となる部位を一度に磁化させる1)記載の磁気シール部材の製造方法。
4)シール磁極層と、該シール磁極層から発散する磁束を収束させる磁束収束層と、を有する電子写真装置用の磁気シール部材において、
該磁気シール部材は、機能上2層に形成されており、該2層の1方として、該シール磁極層が、磁力により磁性トナーを保持してトナー洩れを防止する役割を有し、該2層のもう1方として、該磁束収束層が、該シール磁極層から発散する磁束を収束させ該磁気シール部材の該2層のうち一方の外側面の磁力を遮断する役割を有するものであり、
前記シール磁極層及び前記磁束収束層が、磁性合金粉末と樹脂バインダーとを含む、同一材料からなる樹脂磁石であことを特徴とする磁気シール部材。
5)前記磁束収束層の最大磁束密度が50mT以下であり、且つ、前記シール磁極層の最大磁束密度の1/2以下であることを特徴とする4)記載の磁気シール部材。
本発明によれば、前述のような部品コストの上昇が抑えられ、段差やソリが抑えられて寸法精度が良好であり、しかも生産性に優れた磁気シール部材およびその製造方法が提供される。
本発明は、磁性トナー洩れを防止するための、電子写真装置用の磁気シール部材とその製造方法を提供するものである。
以下、図面を用いて本発明の形態について説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
図1に、本発明に係る磁気シール部材の一形態を示す。磁気シール部材1は、外見は1部材であるが、本発明では磁化方法を工夫する事で、磁束の出方が異なる部位を2層となるように形成している。2層に分離できるわけではないので、機能上2層と表現した。このように、磁気シール部材は機能上2層に形成されている。
磁気シール部材1は、上記2層の1方として、磁力により磁性トナーを保持してトナー洩れを防ぐ役割を持つシール磁極層2を有する。そして、磁気シール部材1は、上記2層のもう1方として、シール磁極層から発散する磁力を収束させ、磁気シール部材の上記2層のうち一方の外側面の磁力を遮断させる役割を有する磁束収束層を有する。
シール磁極層および磁束集束層は、互いに同一材料の樹脂磁石であるが、磁気特性の違いにより、それぞれの役割を持つ。
磁気シール部材の形状は、現像剤担持体の両端部に設けられる、現像領域外に磁性トナーが流出することを防止するための磁気シール部材として公知の形状を適宜採用することができる。磁気シール部材は、例えば約120°〜240°の円弧形状面(円筒面)部1aと、直線状部1bとを有する。また、磁気シール部材1の厚みは、例えば、シール磁極層2が幅1mm〜5mm、磁束収束層3が幅0.3mm〜3mmである。さらに、本実施形態における上記円弧内周の半径(R)は、例えば、R5mm〜R15mmである。
〔シール磁極層および磁束集束層を形成するための材料〕
・磁性合金粉末
シール磁極層2、磁束集束層3ともに、磁性合金粉末と樹脂バインダーを用いて形成することができる。磁性合金粉末としては、希土類元素磁性粉末とフェライト磁性粉末を使用することが知られている。
希土類元素磁性粉末としては、希土類元素R1−Co系磁石粉末、希土類元素R2−Fe−B系磁石粉末、または希土類元素R3−Fe−N系磁石粉末等の磁性合金粉末を用いることができる。ここで、希土類元素R1およびR3はそれぞれSmを含む一種類以上の希土類元素を表し、希土類元素R2はNdを含む一種類以上の希土類元素を表す。
従って、希土類元素R1−Co系磁石粉末の例としては、Sm−Co系磁石粉末が挙げられる。また、Smの一部をNd、Pr、Y、Ce、Dyからなる群から選ばれる一種または二種以上で置換した合金のSm−Co系磁石粉末が挙げられる。さらに、Sm−Co−Cu−Fe系においてZr、Hf、Tiからなる群から選ばれる一種又は二種以上を添加した合金の磁石粉末が挙げられる。
希土類元素R2−Fe−B系磁石粉末の例としては、Nd−Fe−B系磁石粉末が挙げられる。また、Ndの一部をDy、Pr、Yからなる群から選ばれる一種又は二種以上で置換した合金のNd−Fe−B系磁石粉末やNd−Fe−B−Co系磁石粉末が挙げられる。さらに、Nd−Fe−B−Co系においてGa、Zr、Hf、Al、Cu、Mn、Ti、Siからなる群から選ばれる一種又は二種以上を添加した合金のからなる磁石粉末などが含まれる。
これらの磁石粉末は、急冷凝固法により製造された磁石粉末を熱間静水圧成形法(HIP法)により成形し、次いで固めた磁石粉末のバルクを塑性加工した後、粉砕して得ることができる。
また、水素処理法(HDDR法)により製造された磁性合金粉末もある。
これに対し、フェライト磁性粉末としては、Sr系、Ba系のフェライトが良く知られ、製造方法は特開2001−284112号公報等に開示されている。これら希土類元素磁性粉末(Nd系およびSm系)とフェライト磁性粉末(Sr系およびBa系)とを1種類で用いるか、或いは2種類以上組み合わせて、ハイブリット材としても用いることができる。
上記の磁性合金粉末を微粉化したのちに、造粒した磁性合金粉末として使うこともできる。微粉化された粒子は小さな粒子のために磁界を印加されたときに動きやすく容易に磁場方向に配向しやすい。
磁性合金粉末には、必要に応じて適宜な表面処理を施すことができ、例えば予め磁性粉にカップリング処理を施してバインダー樹脂と混合することができる。この場合、カップリング剤としては、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン,γ−ベンジルアミノプロピルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤、又はエタン系カップリング剤など、種々のカップリング剤を用いることができる。
磁石粉末の平均粒径は0.5μm〜500μmが好ましく、1μm〜100μmがより好ましい。樹脂バインダーとの混合が容易で、磁性合金粉末の均一性に優れた磁気シール部材を容易に得ることができるからである。また、特に100μm以下とすることにより、良好な磁気特性を有する樹脂磁石を得ることが容易になる。
・樹脂バインダー(熱硬化性樹脂の場合)
樹脂バインダーとしては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂などの熱硬化性を有する樹脂粉末を用いることができる。熱硬化性樹脂の軟化点は例えば30〜70℃であるが、70℃以上の軟化点を有する熱硬化性樹脂を用いることもできる。
熱硬化性樹脂粉末への添加剤として、必要に応じてステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、アルコール系潤滑剤などより選ばれた潤滑剤、さらにチタネート系もしくはシラン系のカップリング剤、4.4’−ジアミノジフェニルメタン(DDM)などの硬化剤や北興化学工業製の商品名TPP−Sなどの硬化促進剤が少量添加される。これらの添加剤を加えることにより、成形のタイミング調節、磁石粉末の粒子に対する溶融した液状樹脂の濡れ性あるいは密着性、成形後における金型からの成形体の離型性などが改善されるからである。
例えば、磁性合金粉末を80〜90vol%と熱硬化性樹脂粉末を10〜20vol%とを混練機により均一に混合して、原料粉末を得ることができる。また、必要に応じて、この原料粉末に、潤滑剤、硬化剤、硬化促進剤、カップリング剤を0.1〜2.0vol%添加することができる。このようにして原料組成物を得ることができる。なお、vol%は体積%を意味する。
・樹脂バインダー(熱可塑性樹脂の場合)
樹脂バインダーとして熱可塑性樹脂を用いることもできる。バインダーとしての熱可塑性樹脂は、所定の形状に成形可能なものであればよく、特に制限されるものではない。具体的には、ナイロン6,ナイロン12等のポリアミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテフタレート樹脂(PBT)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、エチレン−エチルアクリレート共重合体樹脂(EEA)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、ポリプロピレンおよびポリエチレン等のポリオレフィン及びその誘導体や、これらポリオレフィンの構造中に無水マイレン酸基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、グリシジル基等の反応性をもつ官能基を導入した変成ポリオレフィン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、これらの1種又は2種以上を混合して用いることができる。なお、これらの中では特にポリアミド、ポリフェニレンサルファイドが、成形性、磁性合金粉末との親和性、力学物性、価格等の点から特に好ましく用いられる。
樹脂バインダーと磁性合金粉末の組合せは、電子写真装置に要求される磁気シール特性に応じて適宜選定することができる。
〔成形工程〕
磁性合金粉末と樹脂バインダーを含む原料組成物を、射出成形機により200℃以上330℃以下の混合溶融状態で、金型に注入して前記磁気シール部材の形状に成形する(例えば図1で図示した形状)とする。混合溶融状態は、ペレット状等の樹脂磁石材料(原料組成物)が融点温度以上に加熱溶融され、液体状に混合された状態である。
熱可塑型の樹脂をバインダー樹脂として用いる場合、少なくとも磁性合金粉末と樹脂バインダーを含む原料組成物を、例えば260℃に加熱して金型に注入することができる。この場合、熱可塑性の樹脂であるので、注入後温度が下がると硬化する。一方、熱硬化性の樹脂を用いた場合は熱を加えて樹脂を硬化させる。
本発明では、射出成型機にて原料組成物を200℃以上330℃以下の混合溶融状態で注入する。200℃以上であると、樹脂流動性が良好で、金型のキャビティに容易に原料組成物を行き渡らすことができる。また、330℃以下であると、材料の熱分解による成形トラブルを容易に防止できる。
従来の磁性板金ヨークを金型に挿入する技術では、永久磁石の磁気吸引の影響を受け、金型内で姿勢を保持することが困難であるが、本発明の磁束収束層3は成形によって形成されるため、そのような現象が発生することはない。
更に、同一金型内で、かつ同一材料で成形されるので、磁束収束層3とシール磁極層2との積層境界面の段差は無い。従来の磁性板金ヨークを金型に挿入する技術では、ヨークとシール磁極層との積層境界面の段差が例えば25μm程度ある。この点で本発明は従来技術に比べて、格段に改善されている。
更に、従来のように磁性板金ヨークを製造し、磁気シール部材用金型に挿入する必要がないので、磁性板金ヨークを、パーツフィーダーで整列や位置出しし、金型に挿入するロボット部が不要となり、磁気シール部材の製造装置の構造が簡単になる。
〔磁化工程〕
成形工程で得られた成形品を、機能上2層となるように磁化することによりシール磁極層と磁束収束層を形成する。つまりシール磁極層と、シール磁極層から発散する磁束を外側面に出ないように収束させる磁束収束層を着磁する。その際、シール磁極層と磁束収束層を、磁束収束層の磁力(最大磁束密度)がシール磁極層の磁力(最大磁束密度)よりも小さくなるように磁化を行う。そして、磁束集束層とシール磁極層とを互いに極性が反対となるよう、磁化させる。
前記磁束収束層の最大磁束密度が、50mT以下であり、且つ、前記シール磁極層の最大磁束密度と比較して1/2以下であることが好ましい。前記磁束収束層の最大磁束密度が、50mT以下である事が好ましい理由は、磁束収束層の役割である磁力を遮断して電子写真用装置の磁性トナーを保持しないために好ましい最大磁束密度が、50mT以下であるからである。また、前記磁束収束層の最大磁束密度が、シール磁極層の最大磁束密度と比較し、1/2以下である事により、シール磁極層の最大磁束密度に影響を及ぼさないからである。
通常、前記シール磁極層のみの磁化であれば、前記磁束収束層の形成はされず、(前記磁束収束層が存在するとした場合の)前記磁束収束層側での磁力の打消しが起こらないので、前記シール磁極層の磁束の影響が、前記磁束収束層側に残るため、最大磁束密度が0mTに磁力が収束されることは無い。しかし、前記磁束収束層をシール磁束層と極性を反対になる様に磁化することで、磁束収束層の最大磁束密度が最少で0mTとすることもできる。
前記磁束収束層最大磁束密度が0mTとなる場合が、磁力を遮断する役割上、最も望ましい。
電流を流すことで磁化された樹脂磁石を得ることができる磁場発生ユニットを用いて磁化を行うことができる。
シール磁極層及び磁束収束層の着磁方法は、等方性磁石の場合は、成形後に磁場発生装置により磁場を印加することができる。一方、異方性磁石の場合には、成形用金型内に配置された永久磁石などにより成形中に磁場を印加し、成形中に磁紛を配向させることができる。
〔磁気シール部材の着磁の形態〕
図2および3に、磁気シール部材の着磁の一形態を示す。図2は側面図、図3は図2におけるA−A断面図である。何れの図にも、磁力線4を示す。本実施形態の磁気シール部材は、図2に示すように内周面のラジアル方向に複数の磁極がNS交互に着磁され、磁気シール部材の内周表面から内側方向へ0.4mm法線方向で離れた位置における磁力は例えば最大で100〜250mT程度である。但し、磁力パターンは、現像機構に応じて適宜設定され、これに限定されるものではなく、そのシール性に応じて直線部1b又は外周面等のその他の側面に着磁することも可能である。
図3に示すようにシール磁極層2から発散する磁力線を磁束収束層3に集中させ、磁束収束層3表面から0.4mm法線方向に離れた位置の最大磁束密度は、通常例えば50mT以下にすることができる。
〔磁化方法の形態〕
ここで、従来の樹脂磁石であるシール磁極層2と磁性板金ヨーク5から構成される磁気シール部材の磁化方法について説明する。図4に示すように、鉄製部材(磁性金属)に着磁コイル7が配線されている磁場発生ユニット6上に磁化されていない磁気シール部材をセットし、着磁コイル7に電流を流すことで、磁気シール部材のシール磁極層2が磁化される。磁性板金ヨーク2は樹脂磁石でないので磁化されず、シール磁極層の磁力を片側面に磁力線が発散しない様に吸収する。
本発明における磁化の方法について幾つかの形態を説明する。例えば、まず、図5に示すように、磁気シール部材のシール磁極層2(例えば幅1mm〜5mmの範囲)となる部位をシール磁極層用の磁場発生ユニット8で磁化させる。その後、図6が示すように磁気シール部材1の磁束収束層3(例えば幅0.3mm〜3mmの範囲)となる部位を磁束収束層用の磁場発生ユニット9で磁化させる。このようにして、シール磁極層となる部位と磁束集束層となる部位を個別に順次磁化することができる。
本発明では、磁束収束層3の磁力(最大磁束密度)が前記シール磁極層2の磁力(最大磁束密度)よりも小さく、且つ、シール磁極層2の磁極と磁束収束層3の磁極とを極性が反対になるように両層の予定部位を磁化させる磁力印加方式を採用する。これにより、図4で示すような磁性板金ヨーク5を金型に挿入して成形した従来品の磁気シール部材1の磁力印加方法と同様な磁束密度収束波形を再現することができる。
磁力の小さい磁束収束層を先に磁化し、磁力の大きいシール磁極層を後に磁化させた場合、磁束収束層の磁力がシール磁極層の大きな磁力を磁化した際に打ち消されてしまう。この為、成形工程で得られた成型品を磁化するにあたって、シール磁極層となる部位を、磁束集束層となる部位より先に磁化させることが好ましい。
別の磁化方法の形態について述べる。この形態では、図7が示すように、シール磁極層2用の磁場発生ユニット8と磁束収束層3用の磁場発生ユニット9が並置された磁場発生装置10を用い、成型品のシール磁極層となる部位と磁束収束層となる部位を一度に磁化させる。磁場発生装置10において、磁場発生ユニット8および9の磁場発生面に対する側面が隣接または接して、磁場発生ユニット8および9が一体化されている。このようなシール磁極層及び磁束収束層それぞれの磁力印加を一回の工程で行う方法においても、図4で示すような従来品の磁気シール部材の磁力印加方法と同様な磁束密度収束波形を再現することができる。
シール磁極層用の磁場発生ユニットと磁束収束層用の磁場発生ユニットで、シール磁極層と磁束収束層を同時に1回で磁化した場合、互いの層の磁力影響は少ない。
本発明の磁気シール部材の製造方法により、シール磁極層と磁束収束層とを有する電子写真用の磁気シール部材であって、シール磁極層及び磁束収束層が、磁性合金粉末と樹脂バインダーとを含む、同一材料からなる樹脂磁石であるものを得ることができる。
Nd−Fe−B合金粉末92質量%と12ナイロン8質量%からなる原料組成物を用意した。本実施例では、熱可塑性のバインダー樹脂を用いている。
この原料組成物を、射出成形機により260℃の混合溶融状態で、金型に注入し、磁気シール部材の形状(図1に示した形状)の成形品を得た。射出成形機としては、日精樹脂工業株式会社製の油圧式小型竪型射出成形機(商品名:THM7、型締力7ton、を使用した。円筒面部の円弧半径がR10.4mmであった。
本実施例では、シール磁極層の幅を3mm、磁束集束層の幅を1mmとした。磁極数はラジアル方向にNS極交互に10極とした。
上記成形品を、シール磁極層となる部位(上記成型物の一方の側面から幅3mmの範囲)をシール磁極用の磁場発生ユニットで磁化させた。そして、その後、磁束収束層となる部位(上記成型物の、前記一方の側面と対向する他方の側面から幅1mmの範囲)をシール磁極層とN極S極反対極である磁束収束層用の磁場発生ユニットで、分割して磁化する。その際のシール磁極層となる部位の磁力印加電圧条件を18kAとし、前記磁束収束層となる部位の磁力印加電圧条件を5.5kAとして、磁気シール部材を磁力印加した。
得られた磁気シール部材は、図2に示すように内周面のラジアル方向に複数の磁極がNS極交互に着磁され、磁気シール部材の内周表面から内側方向へ0.4mm法線方向に離れた位置におけるシール磁極層における最大磁束密度は、140mT程度であった。
図3に示すようにシール磁極層2から発散する磁力線を磁束収束層3に集中させ、磁束収束層3表面から0.4mm法線方向に離れた位置の最大磁束密度は、15mTにすることができた。極性および最大磁束密度は、テスラメーターGX−100(商品名、日本電磁測器株式会社製)を用いて測定した。
本実施例で得られた磁気シール部材を電子写真用の現像装置に組み込み、画像評価を行ったところ、従来の磁性板金ヨークを挿入成形した磁気シール部材と差は無く、機能的に良好であることが確認された。
また、磁気シール部材のソリ発生量は、0.05mm以下であり、これは従来の磁性板金を挿入成形した磁気シール部材のソリ発生量0.15mmと比べて、約1/3程度に軽減された。
従って、上記の製造方法により、電子写真装置に求められる磁気特性を満たし、磁気シール部材のソリが少なく寸法精度が良好な磁気シール部材が得られることが確認できた。
本発明の一実施形態に係る磁気シール部材を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る磁気シール部材の磁力パターンを示す側面図である。 図2に示した磁気シール部材のA−A断面図である。 従来の磁気シール部材の磁力印加方法を説明するための模式図であり、(a)は正面図、(b)は側面図である。 シール磁極層のみに磁力印加する方法を説明するための模式図である。 磁束収束層のみに磁力印加する方法を説明するための模式図である。 シール磁極層と磁束収束層を一度に磁化する方法説明するための模式図である。
符号の説明
1 磁気シール部材
1a 円筒面部
1b 直線状部
2 シール磁極層
3 磁束収束層
4 磁力線
5 磁性板金ヨーク
6 磁場発生ユニット
7 着磁コイル
8 シール磁極層用の磁場発生ユニット
9 磁束収束層用の磁場発生ユニット
10 シール磁極層用と磁束収束層用の磁場発生ユニットが一体化された磁場発生装置

Claims (5)

  1. 磁性トナー洩れを防止するための、電子写真装置の磁気シール部材の製造方法において、
    該磁気シール部材は、機能上2層に形成されており、該2層の1方として、磁力により磁性トナーを保持してトナー洩れを防止する役割を持つシール磁極層を有し、該2層のもう1方として、該シール磁極層から発散する磁束を収束させ該磁気シール部材の該2層のうち一方の外側面の磁力を遮断する役割を持つ磁束収束層を有するものであり、
    前記シール磁極層及び前記磁束収束層が、磁性合金粉末と樹脂バインダーとを含む、同一材料からなる樹脂磁石であって、
    前記磁性合金粉末と前記樹脂バインダーを含む原料組成物を、射出成形機により200℃以上330℃以下の混合溶融状態で、金型に注入して前記磁気シール部材の形状を成形する成形工程と、
    前記磁束収束層の最大磁束密度が前記シール磁極層の最大磁束密度より小さくなるように、かつ、前記磁束収束層の磁極と前記シール磁極層の磁極とを極性が反対になるように、該成形工程で得られた成形品を磁化することにより、前記シール磁極層と前記磁束収束層を形成する磁化工程
    を有することを特徴とする磁気シール部材の製造方法。
  2. 前記磁化工程において、前記成形品の前記シール磁極層となる部位を先に磁化し、その後、前記磁束収束層となる部位を磁化させる
    請求項1記載の磁気シール部材の製造方法。
  3. 前記磁化工程において、電流を流すことで磁場を発生することができる磁場発生ユニットが二つ並置され、一方の磁場発生ユニットがシール磁極層用であり他方の磁場発生ユニットが磁束収束層用である磁場発生装置を用い、
    前記成形品の前記シール磁極層となる部位と前記磁束収束層となる部位を一度に磁化させる
    請求項1記載の磁気シール部材の製造方法。
  4. シール磁極層と、該シール磁極層から発散する磁束を収束させる磁束収束層と、を有する電子写真装置用の磁気シール部材において、
    該磁気シール部材は、機能上2層に形成されており、該2層の1方として、該シール磁極層が、磁力により磁性トナーを保持してトナー洩れを防止する役割を有し、該2層のもう1方として、該磁束収束層が、該シール磁極層から発散する磁束を収束させ該磁気シール部材の該2層のうち一方の外側面の磁力を遮断する役割を有するものであり、
    前記シール磁極層及び前記磁束収束層が、磁性合金粉末と樹脂バインダーとを含む、同一材料からなる樹脂磁石であことを特徴とする磁気シール部材。
  5. 前記磁束収束層の最大磁束密度が50mT以下であり、且つ、前記シール磁極層の最大磁束密度の1/2以下であることを特徴とする請求項4記載の磁気シール部材。
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