JP5113562B2 - トー角可変制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車の左右それぞれの後輪のトー角を変化させるトー角可変制御装置に関する。
従来、車両の旋回性などを向上させる目的で、後輪のトー角を制御するトー角可変制御装置が種々提案されている。例えば、低速走行時には、前輪と後輪のトー角を逆位相にして最小回転半径を小さくすることができ、高速走行時には、前輪と後輪のトー角を同位相にしてコーナーリング時や車線変更などの際の操安性能を高めることができる。そして、左右それぞれの後輪のトー角を制御する技術として、送りねじ機構によるアクチュエータを用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特公平6−47388号公報(第4図)
アクチュエータは、車体と後輪とに連結するが、従来、この連結には、ゴムブッシュジョイントが用いられている。ゴムブッシュジョイントを用いることで、路面不整による後輪の横力変動を遮断して乗り心地を良くすることができる。しかし、乗り心地を優先させて、ゴムブッシュジョイントに柔らかいブッシュを使うと、サスペンションの剛性が下がり後輪の横剛性が下がることで操安性能が低下し、逆に、操安性能を優先させて硬いブッシュを使うと、サスペンションの剛性は上がるが乗り心地が悪化してしまう。このように、ゴムブッシュジョイントの柔らかさを変えて、高い操安性能と快適な乗り心地とを両立させることは困難であった。
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、高い操安性能と快適な乗り心地とを両立させることが可能なトー角可変制御装置を提供することを目的とする。
本発明は、トー角を変化させるアクチュエータを左右の後輪にそれぞれ備えた自動車のトー角可変制御装置であって、前記自動車の走行状態に応じて決定された目標トー角に前記トー角が設定されるように、前記アクチュエータを作動させる第1の制御と、前記アクチュエータに、走行中に生じた前記アクチュエータのストローク量とストローク速度に応じて、ストロークの方向とは反対方向の力を発生させる第2の制御とを選択可能とし、前記第2の制御は、前記自動車が直進走行中で加速時でも制動時でもないときに、前記第1の制御から切り替えられることを特徴とする。
この特徴によれば、第1の制御(いわゆる操安トー角制御)では、目標トー角に前記トー角を設定してアクチュエータを作動させるので、後輪の横剛性を高くでき、高い操安性能を確保できる。また、第2の制御(いわゆる乗り心地制御)では、アクチュエータに生じたストロークの方向とは反対方向に力を発生させることができるので、乗り心地に対してゴムブッシュと同様に機能させることができ、乗り心地を快適にすることができる。このように、操安トー角制御によって高い操安性能を実現し、乗り心地制御によって快適な乗り心地を実現することで、高い操安性能と快適な乗り心地との両立を図ることができる。
そして、前記アクチュエータは、前記ストローク量に比例するばね力と、前記ストローク速度に比例する減衰力とを発生させることが好ましい。このことによれば、アクチュエータを、ばね付きダンパとして機能させることができる。
そして、前記アクチュエータは、回転軸を有するモータと、前記回転軸の回転運動を直線運動に変換するボールねじとを備えていることが好ましい。ボールねじは、回転運動から直線運動への運動エネルギの変換ロスが少ないだけでなく、直線運動から回転運動への運動エネルギの変換ロスも少ないので、路面不整による後輪の横力変動(いわゆる、路面入力)によって生じるアクチュエータのストロークを、モータの回転運動に変換させながら、路面不整による後輪の横力変動をストローク量として正確に検出することができる。
本発明によれば、高い操安性能と快適な乗り心地とを両立させることが可能なトー角可変制御装置を提供できる。
図1に、本発明の実施形態に係るトー角可変制御装置11が取り付けられている自動車Vの平面図を示す。以下、図面を参照して、トー角可変制御装置11を説明するにあたり、自動車Vの左右にそれぞれ設けられている部材、例えば、後輪5L、5Rや、アクチュエータ10L、10R、リヤサスペンション7L、7R等については、符号として左右を示す添字L又はRを付して記すとともに、総称する場合には、例えば、後輪5、アクチュエータ10、リヤサスペンション7のように記している。
自動車Vは、タイヤ2L、2Rが装着された前輪3L、3Rと、タイヤ4L、4Rが装着された後輪5L、5Rとを備えており、これら前輪3L、3Rおよび後輪5L、5Rが、左右のフロントサスペンション6L、6Rおよびリヤサスペンション7L、7Rによってそれぞれ車体1に懸架されている。
また、自動車Vは、ステアリングホイール8の操舵によって左右の前輪3L、3Rを直接転舵する前輪操舵装置9と、左右のリヤサスペンション7L、7Rに対して設けられた左右のアクチュエータ10L、10Rを伸縮駆動することにより、後輪5L、5Rのトー角を個別に変化させるトー角可変制御装置11とを備えている。トー角可変制御装置11は、ECU(Electronic Control Unit)12の一部の機能と、アクチュエータ10L、10Rとを構成要素としている。
自動車Vには、各種システムを統括制御するECU12の他、車速センサ13、ハンドル角センサ14、ヨーレートセンサ15、横加速度センサ16、アクセルペダル19の開度を検出するアクセルペダル開度センサ19a、ブレーキペダル20が踏まれているか否かを検出するブレーキペダルセンサ20a等が車体1に設置されている。また、これら以外にも、自動車Vには図示しない種々のセンサが設置されており、各センサの検出信号はECU12に入力されてECU12による自動車Vの制御に供されている。
ECU12は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線を介して各センサ13〜16、19a、20a等やアクチュエータ10L、10Rと接続されている。
また、各アクチュエータ10L、10Rには、出力ロッドのストローク位置(位置センサ値)を検出するストロークセンサ18L、18Rがそれぞれ設置されている。ストロークセンサ18L、18Rは、ECU12に接続され、ECU12は、ストローク位置(位置センサ値)を受信することができる。
次にリヤサスペンション7について図2および図3を参照して説明する。図2は左側リヤサスペンション7Lの斜視図であり、図3は左側リヤサスペンション7Lの背面図である。リヤサスペンション7は、ダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションであり、後輪5を回転自在に支持するナックル21と、ナックル21を上下動可能に車体1(図3参照)に連結するアッパアーム22およびロアアーム23と、後輪5のトー角を変化させるべくナックル21と車体1とに連結されたアクチュエータ10と、後輪5の上下動を緩衝する懸架スプリング付きダンパ24等で構成されている。
アッパアーム22およびロアアーム23は、基端がそれぞれゴムブッシュジョイント25、26を介して車体1に連結され、先端がそれぞれボールジョイント27、28を介してナックル21の上部および下部に連結されている。アクチュエータ10は、基端がゴムブッシュジョイント29を介して車体1に連結され、先端がゴムブッシュジョイント30を介してナックル21の後部に連結されている。懸架スプリング付きダンパ24は、上端が車体1に固定され、下端がゴムブッシュジョイント31を介してナックル21の上部に連結されている。
このような構成を採ることにより、アクチュエータ10が伸長駆動されると、ナックル21は、その後部が車幅方向外側に回動して後輪5のトー角を車両進行方向内側(トーイン側)に変化させ、アクチュエータ10が収縮駆動されると、ナックル21は、その後部が車幅方向内側に回動して後輪5のトー角を車両進行方向外側(トーアウト側)に変化させる。このように、左右のアクチュエータ10L、10Rが伸縮駆動されることにより、左右の後輪5L、5Rのトー角制御(操安トー角制御および乗り心地制御)を行うことができる。
次に、図4を参照してアクチュエータ10について説明する。図4はアクチュエータ10の縦断面図である。アクチュエータ10は、車体1側のゴムブッシュジョイント29が形成された第1ハウジング32と、複数のボルト33で第1ハウジング32に締結された第2ハウジング34と、第2ハウジング34に伸縮自在に支持され、ナックル21(図2参照)側のゴムブッシュジョイント30が形成された出力ロッド35とを備えている。第1ハウジング32の内部には駆動源であるブラシ49付きのDCモータ41が収容され、ボルト36で第1ハウジング32に締結されている。第2ハウジング34の内部には遊星歯車式の減速機51と、弾性を有するカップリング56と、ボールねじ61とが収容されている。
減速機51は、第1遊星歯車機構52と第2遊星歯車機構53とが結合して2段で減速するように構成されており、ブラシ49付きDCモータ41の回転軸42の回転を2段階に減速して出力部材であるキャリヤ54に伝達する。キャリヤ54は、カップリング56を介してボールねじ61の入力部材である入力フランジ62に接続される。カップリング56は、2枚の外側弾性ブッシュや、内側弾性ブッシュ等を備えており、キャリヤ54と入力フランジ62との微小な軸線のずれを吸収する自動調芯機能を発揮するとともに、トルクの急変を吸収してスムーズな動力伝達を可能にしている。
出力ロッド35は、第2ハウジング34の内周面に固定された2つのスライドベアリング63によって摺動可能に支持されている。出力ロッド35の中空内周面に形成されたボール溝64が、ボール60を介して、入力フランジ62に締結されたねじ軸65のボール溝66に螺合することで、ボールねじ61を構成している。ボール60は、デフレクタ59により、ねじ軸65の回動にともなってボール溝64を循環する。出力ロッド35は、ボールねじ61によって入力フランジ62の回転運動がスラスト運動(直線運動)に変換されることにより、直線駆動される。この直線駆動が、アクチュエータ10のストロークになる。
ねじ軸65の先端にはスラストベアリング67が設けられている。このスラストベアリング67に当接するばね座68aと出力ロッド35の先端に設けられたばね座68bとの間にはコイルばね69が縮設されており、このコイルばね69により出力ロッド35のボール溝64とねじ軸65のボール溝66の一定の面に、ボール60を弾発的に当接させている。
アクチュエータ10には、第2ハウジング34に対する出力ロッド35の位置センサ値(ストローク量)を検出するストロークセンサ18が固定されている。ストロークセンサ18は、例えば、図4に示すように第2ハウジング34の窓上に固定されている本体と、その窓内の出力ロッド35に固定されているマグネット18aとで構成され、第2ハウジング34と出力ロッド34が相対移動すると、ストロークセンサ18の本体とマグネット18aも相対移動することになる。この相対移動では、マグネット18aの作る空間的に変化する磁場の中をストロークセンサ18の本体が移動するので、この変化する磁場を利用して位置センサ値(ストローク量)を検出することができる。なお、このストロークセンサ18は一例であり、リニアエンコーダのようなものでもよい。
DCモータ41は、カップ状に形成されたステータヨーク43と、ステータヨーク43の内周面に等間隔に配置され、複数磁極をなす2つのマグネット44と、マグネット44の内周側に近接して設けられたロータ45と、ロータ45の中心に一体に設けられた回転軸42とを備えている。ロータ45には、複数の電機子コイル(図示せず)が巻装され、複数の電機子コイルの各端末はコミュテータ48にそれぞれ接続されている。
ステータヨーク43は、フランジ部43aが複数のボルト36でベアリングホルダ37と共に第1ハウジング32に締結され、カップ(円筒)状の外周面が第1ハウジング32の内周面との間に空隙を形成した状態で固定されている。回転軸42は、一端がステータヨーク43の底部に設けられたボールベアリング38に回転自在に支持され、他端がベアリングホルダ37に保持されたボールベアリング39に回転自在に支持されている。ベアリングホルダ37には、回転軸42の外周に設けたコミュテータ48に摺接するブラシ49が保持されている。ブラシ49に接続された導線50は、第1ハウジング32に設けられたグロメット40を介してアクチュエータ10の外部に引き出されている。導線50は、ECU12(図1参照)に接続されており、ECU12から導線50を介してDCモータ41にモータ電流が供給されることになる。
次にECU12のトー角可変制御装置11(図1参照)に関わる部分について図5を参照して説明する。ECU12は、操安トー角制御を行う操安トー角制御部71と、乗り心地制御を行う乗り心地制御部76と、切り替え部75と、電流F/B部81とを有している。
操安トー角制御部71は、トー角算出部72と、目標ストローク量算出部73と、減算部74とを有している。
トー角算出部72は、車速を車速センサ13(図1参照)から、ハンドル角をハンドル角センサ(図1参照)から、ヨーレートをヨーレートセンサ15(図1参照)から、横加速度を横加速度センサ16(図1参照)から受信する。車速、ハンドル角、ヨーレート、横加速度は、自動車V(図1参照)の走行状態に応じて逐次変化している。トー角算出部72は、車速、ハンドル角、ヨーレート、横加速度に基づいて、その走行状態において設定すべきトー角である目標トー角を算出する。なお、車速、ハンドル角、ヨーレート、横加速度に対する目標トー角を記憶したデータベースに基づいて、目標トー角を決定してもよい。
目標ストローク量算出部73は、目標トー角を受信し、目標トー角に基づいて目標ストローク量を算出する。目標ストローク量は、目標トー角をトー角に設定する際のストローク量である。なお、目標ストローク量は、目標トー角に対する目標ストローク量を記憶したデータベースに基づいて決定してもよい。
減算部74は、目標ストローク量算出部73から目標ストローク量を受信するとともに、ストロークセンサ18(図4参照)から位置センサ値(ストローク量)を受信する。減算部74は、目標ストローク量から位置センサ値(ストローク量)を減算し、この減算結果に所定の係数を積算して、第1目標電流を算出する。第1目標電流は、切り替え部75に送信される。
切り替え部75は、操安トー角制御と、乗り心地制御との切り替えを行うが、切り替え方法の詳細は後記するとして、操安トー角制御に切り替えられている場合に、第1目標電流が、電流F/B部81へ送信される。
電流F/B部81は、フィードバック制御を行い、第1目標電流に一致するようなモータ電流を、DCモータ41に出力する。DCモータ41は、モータ電流によって回動し、出力ロッド35(図4参照)に直線運動をさせることで、トー角を前記目標トー角に設定している。
操安トー角制御においては、左右のアクチュエータ10L、10R(図1参照)を同時に対称的に変位させることにより、両後輪5L、5Rのトーイン/トーアウトを適宜な条件の下に自由に制御することができる他、左右のアクチュエータ10L、10Rの一方を伸ばして他方を縮めれば、両後輪5L、5Rを左右に転舵することも可能である。例えば、自動車V(図1参照)は、各種センサ13〜16によって把握される車体1の運動状態に基づき、加速時に後輪5をトーアウトに、制動時に後輪5をトーインに変化させ、高速旋回走行時に後輪5を前輪3の舵角と同相に、低速旋回走行時に後輪5を前輪3の舵角と逆相にトー角制御して、操安性能を高めている。
次に、乗り心地制御について説明する。図6(a)に操安トー角制御における後輪と車体の連結状態を模式的に示し、図6(b)に乗り心地制御における後輪と車体の連結状態を模式的に示している。図6(a)に示すように、後輪5は、車体1に対して、アクチュエータ10と、アッパアーム22とロアアーム23とによって連結されているとみなすことができる。図6(a)に示す操安トー角制御においては、操安性能向上のためにアクチュエータ10のストロークは伸縮するが、路面不整により後輪に作用する横力変動にはストロークは伸縮しない。このため、アクチュエータ10は、横力変動を軸力変動として車体1に伝達する。
一方、図6(b)に示す乗り心地制御においては、アクチュエータ10をばね付きダンパとして機能させている。路面不整により後輪に作用する横力変動により、アクチュエータ10が軸力変動すると、ばね成分10aによってばね力を発生させ、ダンパ成分10bによって減衰力を発生させることで、車体1に伝達する軸力変動を低減することができる。そして、乗り心地を向上させることができる。
図5を用いて乗り心地制御を行う乗り心地制御部76について説明する。乗り心地制御部76は、微分部77と、微分ゲイン部78と、比例ゲイン部79と、第1加算部80とを有している。
微分部77は、位置センサ値(ストローク量)をストロークセンサ18(図4参照)から逐次受信する。そして、位置センサ値(ストローク量)を時間微分して、ストローク速度を算出する。
微分ゲイン部78には、ダンパ成分10b(図6(b)参照)の減衰定数が設定されており、前記ストローク速度に減衰定数を積算して、減衰力を算出する。減衰力は、前記ストローク速度が大きくなる程、大きく算出され、この減衰力をストロークの方向とは反対方向に作用させることで、アクチュエータ10はダンパとして機能する。
比例ゲイン部79は、位置センサ値(ストローク量)をストロークセンサ18(図4参照)から逐次受信する。そして、比例ゲイン部79には、ばね成分10a(図6(b)参照)のバネ定数が設定されており、前記位置センサ値(ストローク量)にばね定数を積算して、ばね力を算出する。ばね力は、前記位置センサ値(ストローク量)が大きくなる程、大きく算出され、このばね力をストロークの方向とは反対方向に作用させることで、アクチュエータ10はばねとして機能する。例えば、トー角がゼロで、前記位置センサ値(ストローク量)がゼロになるように設定しておけば、路面不整による後輪の横力変動によって、トー角が正の値になっても負の値になっても、トー角をゼロに戻そうとするばね力を発生させることができる。
第1加算部80は、微分ゲイン部78から減衰力を受信するとともに、比例ゲイン部79からばね力を受信する。第1加算部80は、減衰力とばね力を加算し、この加算結果に所定の係数を積算して、第2目標電流を算出する。第2目標電流は、切り替え部75に送信される。
切り替え部75は、操安トー角制御と、乗り心地制御との切り替えを行うが、乗り心地制御に切り替えられている場合に、第2目標電流が、電流F/B部81へ送信される。
電流F/B部81は、DCモータ41に流れるモータ電流を負帰還してフィードバック制御を行い、第2目標電流に一致するようなモータ電流を、DCモータ41に出力する。DCモータ41は、モータ電流によって回動するためのトルクを発生し、出力ロッド35(図4参照)に直線運動をさせるトルクを伝達させることで、アクチュエータ10に、減衰力とばね力とを発生させることができる。アクチュエータ10をばね付きダンパとして機能させることができるので、路面不整による後輪の横力変動をこのアクチュエータ10で遮断し、乗り心地を向上させることができる。
次に、切り替え部75について詳細に説明するが、切り替え部75には、ハンドル角センサ14(図1参照)からハンドル角と、ヨーレートセンサ15からヨーレートと、横加速度センサ16から横加速度と、アクセルペダル開度センサ19aからアクセルペダル開度と、ブレーキペダルセンサ20aからブレーキペダル20が踏まれているか否かを検出するブレーキペダル信号とが送信されている。
図7に、トー角可変制御方法、特に、切り替え部75による操安トー角制御と乗り心地制御との切り替え方法のフローチャートを示す。
まず、ステップS1で、自動車Vの運転者が、イグニション(IG)スイッチをONする。ステップS2で、ECU12が、自動車Vの故障診断等に基づいて、このトー角可変制御方法をストップさせるか否かの判定をする。トー角可変制御方法をストップさせるのであれば(ステップS2、Yes)、ストップに進み、このトー角可変制御方法をストップさせる。トー角可変制御方法をストップさせないのであれば(ステップS2、No)、ステップS4に進む。
ステップS4で、切り替え部75(図5参照)が、操安トー角制御をスタートさせる。なお、ループによって、ステップS4を2回目に実行するときは、既にスタートしている乗り心地制御をストップさせる。操安トー角制御のスタートでは、切り替え部75が、前記第1目標電流に切り替えて、前記第1目標電流を電流F/B部81に流す。
ステップS5で、切り替え部75が、ハンドル角が所定の閾値以下か否か(自動車Vが直進走行か否か)判定する。ハンドル角の閾値は、直進走行か否か判別可能な程度に、小さく設定されている。ハンドル角が所定の閾値以下であれば(ステップS5、Yes、直進走行)、ステップS6に進み、ハンドル角が所定の閾値以下でなければ(ステップS5、No、非直進走行(旋回))、ステップS10に進む。ステップS10では、ステップS2と同様のストップ判定を行い、トー角可変制御方法をストップさせるのであれば(ステップS10、Yes)、このトー角可変制御方法をストップさせる。トー角可変制御方法をストップさせないのであれば(ステップS10、No)、ステップS5に戻り、操安トー角制御が継続することになる。
ステップS6で、切り替え部75が、ヨーレートが所定の閾値以下か否か(自動車Vが直進走行か否か)判定する。ヨーレートの閾値は、直進走行か否か判別可能な程度に、小さく設定されている。ヨーレートが所定の閾値以下であれば(ステップS6、Yes、直進走行)、ステップS7に進む。ヨーレートが所定の閾値以下でなければ(ステップS6、No、非直進走行(旋回))、ステップS10に進み、操安トー角制御が継続することになる。
ステップS7で、切り替え部75が、横加速度が所定の閾値以下か否か(自動車Vが直進走行か否か)判定する。横加速度の閾値は、直進走行か否か判別可能な程度に、小さく設定されている。横加速度が所定の閾値以下であれば(ステップS7、Yes、直進走行)、ステップS8に進む。横加速度が所定の閾値以下でなければ(ステップS7、No、非直進走行(旋回))、ステップS10に進み、操安トー角制御が継続することになる。
ステップS8で、切り替え部75が、アクセルペダル開度の変化が所定の閾値以下か否か(自動車Vが加速しているか否か)判定する。アクセルペダル開度の変化の閾値は、加速しているか否か判別可能な程度に設定されている。アクセルペダル開度の変化が所定の閾値以下であれば(ステップS8、Yes、加速していない)、ステップS9に進む。アクセルペダル開度の変化が所定の閾値以下でなければ(ステップS8、No、加速中)、ステップS10に進み、操安トー角制御が継続することになる。
ステップS9で、切り替え部75が、ブレーキペダルが踏まれているか否か(自動車Vが制動時にあるか否か)判定する。ブレーキペダルが踏まれていなければ(ステップS9、No、非制動時)、ステップS11に進む。ブレーキペダルが踏まれていれば(ステップS9、Yes、制動時)、ステップS10に進み、操安トー角制御が継続することになる。
ステップS11で、切り替え部75が、操安トー角制御をストップさせ、乗り心地制御をスタートさせる。具体的には、切り替え部75が、前記第1目標電流から前記第2目標電流に切り替えて、前記第2目標電流を電流F/B部81に流す。乗り心地制御は、直進走行中で、加速時でも制動時でもないときに切り替えられてスタートする。なお、ステップS8では、自動車Vが加速時にあるか否かを判定できればよいので、アクセルペダル開度センサ19aに限らず、車速センサ13が検出する車速を時間微分した加速度に基づいてステップS8の判定に変更してもよい。同様に、ステップS9では、自動車Vが制動時にあるか否かを判定できればよいので、ブレーキペダルセンサ20aに限らず、車速センサ13が検出する車速を時間微分した加速度に基づいてステップS9の判定に変更してもよい。後記するステップS15、S16も同様の変更が可能である。
ステップS12で、切り替え部75が、ハンドル角が所定の閾値以下か否か(自動車Vが直進走行か否か)判定する。ハンドル角の閾値は、ステップS5と同様に、直進走行か否か判別可能な程度に、小さく設定されている。ハンドル角が所定の閾値以下であれば(ステップS12、Yes、直進走行)、ステップS13に進み、乗り心地制御が継続することになる。ハンドル角が所定の閾値以下でなければ(ステップS12、No、非直進走行(旋回))、ステップS2を経てステップS4に進み、乗り心地制御から操安トー角制御に切り替えられることになる。
ステップS13で、切り替え部75が、ヨーレートが所定の閾値以下か否か(自動車Vが直進走行か否か)判定する。ヨーレートの閾値は、ステップS6と同様に、直進走行か否か判別可能な程度に、小さく設定されている。ヨーレートが所定の閾値以下であれば(ステップS13、Yes、直進走行)、ステップS14に進み、乗り心地制御が継続することになる。ヨーレートが所定の閾値以下でなければ(ステップS13、No、非直進走行(旋回))、ステップS2を経てステップS4に進み、乗り心地制御から操安トー角制御に切り替えられることになる。
ステップS14で、切り替え部75が、横加速度が所定の閾値以下か否か(自動車Vが直進走行か否か)判定する。横加速度の閾値は、ステップS7と同様に、直進走行か否か判別可能な程度に、小さく設定されている。横加速度が所定の閾値以下であれば(ステップS14、Yes、直進走行)、ステップS15に進み、乗り心地制御が継続することになる。横加速度が所定の閾値以下でなければ(ステップS14、No、非直進走行(旋回))、ステップS2を経てステップS4に進み、乗り心地制御から操安トー角制御に切り替えられることになる。
ステップS15で、切り替え部75が、アクセルペダル開度の変化が所定の閾値以下か否か(自動車Vが加速しているか否か)判定する。アクセルペダル開度の変化の閾値は、ステップS8と同様に、加速しているか否か判別可能な程度に設定されている。アクセルペダル開度の変化が所定の閾値以下であれば(ステップS15、Yes、加速していない)、ステップS16に進み、乗り心地制御が継続することになる。アクセルペダル開度の変化が所定の閾値以下でなければ(ステップS15、No、加速中)、ステップS2を経てステップS4に進み、乗り心地制御から操安トー角制御に切り替えられることになる。
ステップS16で、切り替え部75が、ブレーキペダルが踏まれているか否か(自動車Vが制動時にあるか否か)判定する。ブレーキペダルが踏まれていなければ(ステップS16、No、非制動時)、ステップS17に進む。ステップ17では、ステップS2と同様のストップ判定を行い、トー角可変制御方法をストップさせるのであれば(ステップS17、Yes)、このトー角可変制御方法をストップさせる。トー角可変制御方法をストップさせないのであれば(ステップS10、No)、ステップS12に戻り、乗り心地制御が継続することになる。ブレーキペダルが踏まれていれば(ステップS16、Yes、制動時)、ステップS2を経てステップS4に進み、乗り心地制御から操安トー角制御に切り替えられることになる。乗り心地制御は、直進走行中で、加速時でも制動時でもないときには維持されるが、直進走行でなくなったり、加速されたり、制動がかけられたりすると、操安トー角制御に切り替えられる。
なお、実施形態では、操安トー角制御と乗り心地制御とを切り替えて、同時に実行していないが、同時に行ってもよい。この場合、図5の切り替え部75において、第1目標電流と第2目標電流とが加算されて第2加算部として機能し、その加算値が電流F/B部81に出力されることになる。操安トー角制御と乗り心地制御を切り替える必要が無い。ただし、比例ゲイン部79には、位置センサ値を入力するのでなく、目標ストローク量と位置センサ値の差分、すなわち、第1目標電流を入力する。目標ストローク量が操安トー角制御によって変動しても、変動するその目標ストローク量において、ばね力をゼロにすることができる。
また、実施形態では、ダブルウィッシュボーン式のサスペンションに適用した例を挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、トレーリングアーム式のサスペンション、マルチリンク式のサスペンションなどに適用してもよい。
本発明の実施形態に係るトー角可変制御装置が取り付けられている自動車の平面図である。 リヤサスペンションの斜視図である。 リヤサスペンションの背面図である。 アクチュエータの縦断面図である。 ECUの構成図である。 (a)は操安トー角制御における後輪と車体の連結状態の模式図であり、(b)は乗り心地制御における後輪と車体の連結状態の模式図である。 トー角可変制御方法のフローチャートである。
符号の説明
1 車体
2、2L、2R タイヤ
3、3L、3R 前輪
4、4L、4R タイヤ
5、5L、5R 後輪
6、6L、6R フロントサスペンション
7、7L、7R リヤサスペンション
8 ステアリングホイール
9 前輪操舵装置
10、10L、10R (電動)アクチュエータ
10a ばね成分
10b ダンパ成分
11 (後輪)トー角可変制御装置
12 ECU
13 車速センサ
14 ハンドル角センサ
15 ヨーレートセンサ
16 横加速度センサ
18、18L、18R ストロークセンサ
18a マグネット
19 アクセルペダル
19a アクセルペダル開度センサ
20 ブレーキペダル
20a ブレーキペダルセンサ
21 ナックル
22 アッパアーム
23 ロアアーム
24 懸架スプリング付ダンパ
25 ゴムブッシュジョイント
27 ボールジョイント
29、30、31 ゴムブッシュジョイント
32 第1ハウジング
33 ボルト
34 第2ハウジング
35 出力ロッド
36 ボルト
37 ベアリングホルダ
38、39 ボールベアリング
40 グロメット
41 DCモータ
42 回転軸
43 ステータヨーク
43a フランジ部
44 マグネット
45 ロータ
48 コミュテータ
49 ブラシ
50 導線
51 減速機
52 第1遊星歯車機構
53 第2遊星歯車機構
54 キャリヤ
56 カップリング
59 デフレクタ
60 ボール
61 ボールねじ
62 入力フランジ
63 スライドベアリング
64 ボール溝
65 ねじ軸
66 ボール溝
67 スラストベアリング
68a、68b ばね座
69 コイルばね
71 操安トー角制御部
72 トー角算出部
73 目標ストローク位置算出部
74 減算部
75 切り替え部(第2加算部)
76 乗り心地制御部
77 微分部
78 微分ゲイン部
79 比例ゲイン部
80 第1加算部
81 電流F/B部
V 自動車

Claims (3)

  1. トー角を変化させるアクチュエータを左右の後輪にそれぞれ備えた自動車のトー角可変制御装置であって、
    前記自動車の走行状態に応じて決定された目標トー角に前記トー角が設定されるように、前記アクチュエータを作動させる第1の制御と、
    前記アクチュエータに、走行中に生じた前記アクチュエータのストローク量とストローク速度に応じて、ストロークの方向とは反対方向の力を発生させる第2の制御とを選択可能とし
    前記第2の制御は、前記自動車が直進走行中で加速時でも制動時でもないときに、前記第1の制御から切り替えられることを特徴とするトー角可変制御装置。
  2. 前記アクチュエータは、
    前記ストローク量に比例するばね力と、
    前記ストローク速度に比例する減衰力とを発生させることを特徴とする請求項1に記載のトー角可変制御装置。
  3. 前記アクチュエータは、
    回転軸を有するモータと、
    前記回転軸の回転運動を直線運動に変換するボールねじとを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のトー角可変制御装置。
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