JP2010058588A - 操舵装置 - Google Patents

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伸夫 杉谷
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Abstract

【課題】操舵トルクを検知することなく、ステアリングホイール2の操舵の方向に対して順方向又は逆方向にトルクを発生させて、快適なステアリングを実現させる操舵装置を提供する。
【解決手段】ステアリングホイール2とタイヤ10との間を連結し、ステアリングホイール2に加えられた操舵トルクをタイヤ10に伝達し、タイヤ10を転舵させる連結部材9、12〜18と、連結部材9、12〜18に設けられ、ステアリングホイール2の操舵の方向に対して順方向又は逆方向にトルクを発生させるモータ8と、操舵トルクを検知することなく、ステアリングホイール2の操舵速度に基づいて、モータ8の制御を行う制御部5とを有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、ステアリングホイールによってタイヤを転舵する操舵装置に関する。
従来の操舵装置は、車両としての直進安定性、低速での転舵しやすさ、キックバックタフネス、ハンドル手放し時の戻り方などを、総合的に鑑みた上で、ジオメトリが設定されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−55605号公報
しかしながら、従来の操舵装置では、低速での転舵しやすさ、特に、極低速において操舵トルク(軸力)を低減しようとしても、ジオメトリの調整だけでは限界があった。これは、転舵時にタイヤがねじられ、このねじれに対する反発力がタイヤ等に生じているためであると考えられた。
そこで、出願人は、極低速において操舵トルク(軸力)を低減させるために、キングピンオフセットをあえて大きく取り、転舵時には、タイヤが自転しながらキングピン軸を中心に公転させることにより、タイヤを転がしてタイヤの接地点の移動量を大きくし、タイヤのねじれを抑制することを提案している(特願2008−214815、未公開)。
しかし、前記提案に限らず、操舵トルク(軸力)を低減させた場合、特に、操舵時に操舵トルクが極めて小さくなっている場合において、従来のパワーステアリング装置では、操舵トルクを検知し、検知した操舵トルクに基づいて補助トルクを発生させているので、小さい操舵トルクを検知しその小さい操舵トルクに基づいて補助トルクを発生させるのは、容易でないと考えられた。
そこで、本発明は、前記操舵トルクを検知することなく、前記ステアリングホイールの操舵の方向に対して順方向又は逆方向にトルクを発生させて、快適なステアリングを実現させる操舵装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明は、ステアリングホイールとタイヤとの間を連結し、前記ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを前記タイヤに伝達し、前記タイヤを転舵させる連結部材と、
前記ステアリングホイールの操舵の方向に対して順方向又は逆方向に、前記連結部材に対してトルクを発生させるモータと、
前記操舵トルクを検知することなく、前記ステアリングホイールの操舵速度に基づいて、前記モータの制御を行う制御部とを有する操舵装置であることを特徴とする。
本発明によれば、ステアリングホイールの操舵速度に基づいてモータの制御を行うので、操舵トルクを検知する必要が無い。また、操舵速度は、操舵トルクが小さいときでも検知可能である。そして、操舵速度に応じて前記モータにトルクを発生させることができる。例えば、操舵速度が速いほど、大きくなるトルクを、操舵の方向に対して逆方向に発生させることにより、据え切りの際にステアリングホイールをゆっくり切れば、モータによる反力無く容易にステアリングホイールを回転させ転舵させることができ、また、高速走行の際にステアリングホイールを速く切ろうとすると、モータにより大きな反力が生じ、高速走行時の急カーブを避けることができる。さらに、例えば、操舵速度に基づいて操舵の方向(向き)を判別することが可能であるので、転舵されたタイヤを直進方向に戻す場合には、この戻す方向の順方向にモータにトルクを発生させることで、いわゆるハンドル戻しを容易に行うことができる。
また、本発明では、キングピン軸の下方向きの延長線と、前記タイヤの接地面との交点が、前記タイヤのトレッド面よりも車幅方向の車両の内側にあることが好ましい。
本発明によれば、キングピン軸の下方向きの延長線と、タイヤの接地面との交点が、タイヤのトレッド面よりも車幅方向の車両の内側に位置するので、キングピンオフセットを従来に比較して大きくとることができ、キングピン軸を中心にタイヤの向きを変えたとき、タイヤが転がり運動をして、据え切り等の低速時の転舵に必要な軸力を大幅に低減させることができる。
本発明によれば、前記操舵トルクを検知することなく、前記ステアリングホイールの操舵の方向に対して順方向又は逆方向にトルクを発生させて、快適なステアリングを実現させる操舵装置を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態に係る操舵装置について図を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、電動アシストを行わないという、いわば、逆転の発想を具現化したものである。
図1に、本発明の実施形態に係る操舵装置1の構成図を示す。操舵装置1は、ステアリングホイール2と、タイヤ10と、ステアリングホイール2とタイヤ10との間を連結する連結部材とを有している。連結部材は、ステアリングホイール2に加えられた操舵トルクをタイヤ10に伝達し、タイヤ10を転舵させる。その連結部材は、ステアリング軸12と、自在継ぎ手13と、ピニオン軸14と、減速機構15と、ピニオンギア16と、ラックギア17と、ラック軸18と、タイロッド9とを有している。
ステアリング軸12は、ステアリングホイール2に一体に設けられ、自在継ぎ手13を介してピニオン軸14に連結されている。ピニオン軸14の先端に設けられたピニオンギア16に噛み合うようにラックギア17がラック軸18に設けられている。ピニオンギア16とラックギア17の噛み合いにより、ピニオン軸14さらにはステアリング軸12、ステアリングホイール2の回転運動は、ラック軸18の長手方向(車幅方向)の往復運動に変換される。ラック軸18の両端には、タイロッド9を介して、操舵輪としての左右のタイヤ10が連結されている。
また、操舵装置1は、モータ8を有している。モータ8は、ステアリングホイール2の操舵の方向に対して順方向又は逆方向に、連結部材の減速機構15に対してトルクを発生させる。モータ8は、発生させたトルクを減速機構15を介してピニオン軸14に作用させる。なお、モータ8としては、ブラシレスモータを用いることができる。つまり、操舵装置1は、ドライバがステアリングホイール2に加えた操舵トルクをピニオン軸14に伝達するとともに、モータ8で発生させたトルクをピニオン軸14に伝達し、ピニオンギア16とラックギア17とを有するラック&ピニオン機構によってタイヤ(操舵輪)10を転舵させる。
減速機構15は、モータ8で発生したトルクをピニオン軸14に伝達するトルク伝達手段であり、例えば、ウォームギア機構を用いることができる。ウォームギア機構は、モータ8のモータ軸に連結したウォーム軸と、このウォーム軸に形成したウォームギアと、このウォームギアに噛み合いピニオン軸14に連結したウォームホイールから構成される。
操舵装置1は、ステアリングホイール2の舵角を計測する舵角計3と、操舵装置1を搭載する車両の車速を計測する車速計4と、モータ8のモータ回転角を検出するモータ回転角検出部11とを有している。計測された舵角と車速と、検出されたモータ回転角とは制御部5に送信され、制御部5で検知される。一方、操舵装置1は、ドライバによってステアリングホイール2から入力される操舵トルクを計測するトルクセンサを有しておらず、計測された操舵トルクが制御部5に送信され検知されることはない。
制御部5は、操舵トルクを検知することなく、舵角と車速とモータ回転角とに基づいて、モータ8の制御を行う。モータ8の制御は、モータドライバ6からモータ8に供給される電力を制御することによって行われる。また、モータ8の制御として、操舵装置1が故障によって失陥したとしても、制御部5が、故障を検知すると、切換スイッチ7を制御して、モータドライバ6からモータ8へ供給される電力を遮断するとともに、モータ8の端子間を短絡させてモータ8を電磁ダンパとして機能させるような制御を行う。
図2に、制御部5のブロック図を示す。制御部5は、車速係数演算部20と、舵角速度演算部21と、舵角速度係数演算部22と、ダンピング係数演算部23と、行き戻り判定部24と、モータ回転速度演算部25と、故障判定部29とを有している。また、行き戻り判定部24は、舵角判定部24aと、舵角速度判定部24bとを有している。
車速係数演算部20は、車速計4で計測された車速に基づいて、車速係数を演算し、ダンピング係数演算部23に送信する。図3(a)に示すように、演算された車速係数は、車速が大きくなるほど大きくなる傾向を有するように設定されている。このような傾向に設定するのは、車速が低速である場合、特に、据え切りの際には、ドライバがステアリングホイール2を切れば、モータ8による反力が無く、容易にステアリングホイール2を回転させ転舵させることができるようにするためである。また、車速が高速である際には、ドライバがステアリングホイール2を切れば、モータ8による大きな反力が生じ、ステアリングホイール2を回転させ転舵させることを容易にできないようにするためである。これにより、高速走行時の快適性を増すことができる。なお、車速が大きくなるほど車速係数が大きくなるという傾向を有するデータベースを予め記憶しておき、このデータベースから、計測された車速に対応する車速係数を抽出してもよい。
図2に示す舵角速度演算部21は、舵角計3で計測された舵角を、時刻を変えて複数回受信し、舵角の変化量と受信間隔(計測間隔)とに基づいて、舵角速度を演算し、舵角速度係数演算部22に送信する。
舵角速度係数演算部22は、演算された舵角速度に基づいて、舵角速度係数を演算し、ダンピング係数演算部23に送信する。図3(b)に示すように、演算された舵角速度係数は、舵角速度が大きくなるほど大きくなる傾向を有するように設定されている。このような傾向に設定するのは、舵角速度が低速である場合には、ドライバがステアリングホイール2を切れば、モータ8による反力が無く、容易にステアリングホイール2を回転させ転舵させることができるようにするためである。また、舵角速度が高速である際には、ドライバがステアリングホイール2を切れば、モータ8による大きな反力が生じ、ステアリングホイール2を回転させ転舵させることを容易にできないようにするためである。これにより、過剰な転舵を防止することができる。なお、舵角速度が大きくなるほど舵角速度係数が大きくなるという傾向を有するデータベースを予め記憶しておき、このデータベースから、演算された舵角速度に対応する舵角速度係数を抽出してもよい。
なお、舵角とモータ回転角とは、比例関係にあるので、比例定数とモータ回転角とに基づいて、舵角を演算することができる。同様に、舵角速度とモータ回転速度とも、比例関係にあるので、比例定数とモータ回転速度とに基づいて、舵角速度を演算することができる。このため、舵角計3に替えて、モータ回転角検出部11を用い、検出したモータ回転角に基づいて舵角速度係数を演算してもよい。そのため、図2に示すように、モータ回転速度演算部25で、モータ回転角からモータ回転速度を演算し、舵角速度係数演算部22で、モータ回転速度から舵角速度係数を演算してもよい。また、モータ回転速度演算部25を用いずに、舵角速度演算部21で、モータ回転角から舵角さらに舵角速度を演算してもよい。
ダンピング係数演算部23は、受信した車速係数と舵角速度係数とに基づいて、ダンピング係数を演算し、モータドライバ6に送信する。ダンピング係数の演算では、車速係数と舵角速度係数とを掛け算したり、足し算したり、掛け算と足し算の結果を足し合わせたりしてダンピング係数を算出することで、微妙なステアリングのフィーリングの調整を行うことができる。
例えば、据え切りの際のように車速が遅く(車速0km/h)、ステアリングホイール2をゆっくり操舵すれば、モータ8による反力は無く(弱く)、容易にステアリングホイール2を回転させ転舵させることができる。もちろん、すばやく操舵しても、車速がゼロであれば、図3(a)から明らかなように、モータ8による反力は無く容易に転舵させることができる。また、例えば、高速走行のように車速が速く、ステアリングホイール2を速く切ろうとすると、モータ8による反力が大きくなり、高速走行時の快適性を増すことができる。
制御部5は、舵角速度が速くなるほど、モータドライバ6を介して、モータ8に大きな電流を供給するようにして、ダンパの効果を大きくし、ステアリングホイール2の回転を打ち消すように制御する。また、制御部5は、車速が速くなるほど、モータ8に大きな電流を供給するようにして、ダンパの効果を大きくし、ステアリングホイール2の回転を打ち消すように制御する。逆に、低車速ではモータ8に供給する電流を小さくし、低速時のステアリング操作にダンパの機能が働かないようにしている。このように、モータ8(操舵装置1)をダイナミックなステアリングダンパとして機能させることができる。
そして、モータ8をステアリングダンパとして機能させることで、軸力を大幅に下げるような操舵装置1のジオメトリが設定されても、快適なステアリングを実現することができる。軸力が大幅に低下した操舵装置では、ステアリングシステムを小型化さらには省くことができるので、省エネと製造コストの低減と制御の簡略化に貢献することができる。
また、制御部5は、ステアリングホイール2の操舵速度と車両の車速に基づいてモータ8の制御を行うので、操舵トルクを検知する必要が無い。また、操舵速度と車速は、操舵トルクが小さいときでも検知可能である。そして、操舵速度と車速に応じてモータ8にトルクを発生させることができる。
さらに、図2に示すように、制御部5は、行き戻り判定部24を有している。行き戻り判定は、単純に、舵角が中立点から離れる方向を「行き」、舵角が中立点に近づく方向を「戻り」としてもよいが、操舵速度に基づいて操舵の方向(向き)を判別してもよい。行き戻り判定部24は、直進走行する際の角度(中立点)を基準として舵角が時計回りの方向か否かを判定する舵角判定部24aと、舵角速度の方向が時計回りの方向か否かを判定する舵角速度判定部24bとを有している。
そして、舵角判定部24aにより舵角が時計回りの方向にあると判定され、かつ、舵角速度判定部24bにより舵角速度の方向も時計回りの方向であると判定された場合と、舵角判定部24aにより舵角が反時計回りの方向にあると判定され、かつ、舵角速度判定部24bにより舵角速度の方向も反時計回りの方向であると判定された場合に、行き戻り判定部24は転舵角が大きくなる方向にタイヤが転舵している状態であると判定する。
また、舵角判定部24aにより舵角が時計回りの方向にあると判定され、かつ、舵角速度判定部24bにより舵角速度の方向が反時計回りの方向であると判定された場合と、舵角判定部24aにより舵角が反時計回りの方向にあると判定され、かつ、舵角速度判定部24bにより舵角速度の方向も時計回りの方向であると判定された場合に、行き戻り判定部24は転舵角が小さくなる方向にタイヤが転舵している状態である、すなわち、転舵されたタイヤを直進方向に戻している状態であると判定する。
そして、例えば、行き戻り判定部24が、転舵されたタイヤを直進方向に戻している状態であると判定した際に、ダンピング係数の正負を反転させる信号を、発生させ、ダンピング係数演算部23に送信する。ダンピング係数演算部23は、ダンピング係数の正負を反転させる信号に基づいて、ダンピング係数の正負を反転させ、モータドライバ6に送信する。モータドライバ6は、反力ではなく、ステアリングホイール2を中立点に戻す方向の順方向にモータ8にトルクを能動的(アクティブ)に発生させるように、モータ8に電流を供給する。モータ8のステアリングホイール2を戻す方向に順方向の回転トルクのアシストにより、ドライバはいわゆるハンドル戻しを容易に行うことができる。これにより、操舵装置1は、ダンパ機能だけでなく、アシスト機能も備えることができ、パワーステアリング装置的に利用することもできる。
特に、ジオメトリの設定によっては軸力を大幅に低減させた場合において、ダンパ機能だけでなく、追加されるアシスト機能を実施するためのモータ8の出力(トルク)は、従来に比べ小さく抑えられるので、モータ8を小型化でき、操舵装置1全体としても小型化することができる。
また、行き戻り判定部24における判定や、ダンピング係数演算部23における正負の反転の際には、トルクセンサ等によって検知された操舵トルクを用いることなく実施することができており、舵角と舵角速度とに基づいて、フィードフォワード(F/F)的に、ダンピング係数(の正負)の決定が可能である。
また、図2に示すように、制御部5は、故障判定部29を有している。故障判定部29は、操舵装置1の故障を判定し検知する。故障の判定は、例えば、舵角計3で計測される舵角と、モータ回転角検出部11で検出されるモータ回転角とが、所定の比例関係の範囲内にあるか否かに基づいて行うことができる。故障判定部29が操舵装置1が故障していると判定すると、故障判定部29は、切換スイッチ7に故障信号を送信する。切換スイッチ7は、故障信号に基づいて、モータドライバ6からモータ8への送電を遮断し、モータ8の端子間を短絡させる。これらにより、モータ8は、操舵装置1が故障によって失陥したとしても、いわゆるモータ短絡によって電磁ダンパとして機能させることができる。そして、車両としての快適性を維持することができる。
図4に、ジオメトリの設定によっては軸力を大幅に低減させた操舵装置1のタイヤ周りを車両の後方から透視して見た構成図を、図5に、同様の操舵装置1のタイヤ周りを車両の左側面方向から見た構成図を示す。さらに、図6(a)は、同様の操舵装置1のタイヤ周りを車両の後方から透視して見た構成図であり、図6(b)は、同様の操舵装置1のタイヤ周りを車両の上方から透視して見た構成図である。以下では、左側のタイヤ(転舵輪)10周りを例に説明するが、右側のタイヤ(転舵輪)10の周りも、左側のタイヤ10の周りと左右対称に構成されている。
操舵装置1は、ストラットアセンブリ31とロアアーム33から構成されている。車軸アセンブリやハブ36を保持するステアリングナックル35の、上部側のダンパ保持部35aが、ストラットアセンブリ31のダンパ31aの下端と固定接合されている。そして、ステアリングナックル35の下部側のナックルロアアーム部35cは、従来と異なり、タイヤ10の幅よりも更に車幅方向内側にまで延伸され、その端部がA形のロアアーム33の先端部分とでロアボールジョイント部34を構成し、上下方向、後記するキングピン軸A回りの方向に回動自在に接合されている。
ロアアーム33の車体側の端部は、サスペンションメンバ37と、ブッシュを用いて上下方向に回動可能に接続されている。サスペンションメンバ37はボディ40に取り付けられている。ちなみに、符号38はタイヤ10のドライブシャフトを示しており、車軸アセンブリやハブ36を介して、アクスル中心軸AXCを回転軸にタイヤ10を駆動する。
ストラットアセンブリ31は、主に前記したダンパ31a、コイルスプリング31b、マウント部31dから構成され、マウント部31dがボディ40に、ボルト固定される。マウント部31dには、ベアリング31cが内蔵されている。ベアリング31cの中心と前記ロアボールジョイント部34の中心を図4に示すように結ぶキングピン軸A周りに、ストラットアセンブリ31のダンパ31a及びコイルスプリング31bが、ステアリングナックル35とともに一体に、回動可能になっている。
ここで、キングピン軸Aのキングピン角は、ゼロに設定され、図2に示すように、キャスター角もほぼゼロに設定される。つまり、キングピン軸Aは、ほぼ鉛直に設定されている。その結果、ストラット軸とキングピン軸Aがほぼ一致し、ダンパ31aの荷重入力軸もストラット軸とほぼ一致する。
このとき、キングピン軸Aは、タイヤ10の幅よりも車幅方向内側でほぼ鉛直であり、キングピン軸延長点Pとタイヤ接地点Pとの差(距離)であるキングピンオフセットLOffは、従来の高々数cm以下のものが、例えば、数十cm程度となり、トレールは図5に示すようにほぼゼロとなる。
なお、図4に示すように、その端部にタイロッド9の端部がネジで接続されるステアリングナックルアーム35bは、例えば、ダンパ保持部35aのキングピン軸A近傍から後方内側に向けて短く延出している。
ステアリングホイール2(図1参照)が操作されると、ピニオン軸14(図1参照)が回転して、ラック軸18(図1参照)を左右方向に移動させ、タイロッド9がステアリングナックルアーム35bを介して、ステアリングナックル35、ダンパ31a及びコイルスプリング31bを一体に、キングピン軸A周りに回動させ(キングピン軸A周りに公転し)、タイヤ10が転舵させられる。
図6(a)、図6(b)で説明すると、タイヤ10が転舵されるとき、ほぼ鉛直のキングピン軸Aを中心にしてタイヤ10が回動される(公転させられる)ことになり、キングピンオフセットLOffが数十cmと大きいので、タイヤ10がアクスル中心軸AXCを中心に路面上を転がりながら(自転しながら)転舵することになり、従来のように据え切り操舵時に、タイヤ接地点P(トレッド面10a)を中心にタイヤ10を捩じるときに生じるような大きな抵抗を生じることなく、極めて小さな抵抗に抑制できる。
また、キングピン角がゼロ、キャスター角がほぼゼロとしているのでタイヤ10を転舵させるときに、車体の片側が持ち上げられる量が極めて少ない。その結果、転舵時に必要な力も小さくなる。なお、キャスター角がほぼゼロの小さな値でも、車両が走行時には1〜4cm程度のニューマチックトレールがタイヤに生じるので、直進性の復元性はある程度確保される。
また、ストラットアセンブリ31では、ストラット軸と荷重入力軸がほぼ一致するため、ストラットアセンブリ31に曲げモーメントがほとんど発生しない。その結果、ダンパ31aの摺動時のコジリが抑制され、フリクションが少なくスムーズに作動し、従来の操舵装置よりも乗り心地が良くなる。ストラットアセンブリ31に掛かる曲げモーメントが少ないので、マウント部31dに掛かる負荷が、従来の操舵装置1のストラットアセンブリのマウント部において掛かる負荷より少なくなる。
従来の操舵装置におけるストラットアセンブリに曲げモーメントが発生することに対する改善策として、コイルスプリングをストラット軸とオフセットさせて取り付け、曲げモーメントをキャンセルする手法が用いられているが、このような対策が不要になり、ストラットアセンブリ31の設計が従来よりも単純になり、ストラットアセンブリ31の製造コスト低減に寄与する。
また、キングピン角がゼロであり、キャスター角がほぼゼロで、キングピン軸Aをほぼ鉛直に設定し、キングピンオフセットLOffが、従来よりもきわめて大きいので、(1)タイヤ10の据え切り等低走行状態での転舵操作時に、タイヤ10の転がりが利用でき、転舵に必要な力を大幅に低減でき、(2)転舵操作時の車両の片側が持ち上げられる量が極めて少ないので、それによっても転舵に必要な力を低減できる。つまり、ラック軸18(図1参照)、ピニオン軸14、さらに、ステアリングホイール2にかかる軸力を低減することができる。その結果、モータ8(図1参照)を、従来のパワーステアリング装置のモータに比して、出力(トルク)の小さいものにすることができ、モータ8を小型化できる。そして、このことは、車両の軽量化に寄与し、燃費低減や車両の製造コスト低減に寄与する。
また、ストラットアセンブリ31に曲げモーメントがほとんど掛からないので、コイルスプリング31bをストラット軸とオフセットさせる必要が無く、従来のストラットアセンブリより単純なストラットアセンブリ31とすることができ、製造コストが低減でき、乗り心地も良くなる。
本発明の実施形態に係る操舵装置の構成図である。 制御部のブロック図である。 (a)は制御部の車速係数演算部において車速に基づいて演算される車速係数と、車速との関係を示すグラフであり、(b)は制御部の舵角速度係数演算部において舵角速度に基づいて演算される舵角速度係数と、舵角速度との関係を示すグラフである。 本発明の実施形態に係る操舵装置のタイヤ周りを車両の後方から透視して見た構成図である。 本発明の実施形態に係る操舵装置のタイヤ周りを車両の左側面方向から見た構成図である。 (a)は本発明の実施形態に係る操舵装置のタイヤ周りを車両の後方から透視して見た構成図であり、(b)は上方から透視して見た構成図である。
符号の説明
1 操舵装置
2 ステアリングホイール
3 舵角計
4 車速計
5 制御部
6 モータドライバ
7 切換スイッチ
8 モータ
9 タイロッド
10 タイヤ(転舵輪)
10a トレッド面
11 モータ回転角検出部
12 ステアリング軸
13 自在継ぎ手
14 ピニオン軸
15 減速機構
16 ピニオンギア
17 ラックギア
18 ラック軸
20 車速係数演算部
21 舵角速度演算部
22 舵角速度係数演算部
23 ダンピング係数演算部
24 行き戻り判定部
24a 舵角判定部
24b 舵角速度判定部
25 モータ回転速度演算部
29 故障判定部
31 ストラットアセンブリ
31a ダンパ
31b コイルスプリング
31c ベアリング
31d マウント部
33 ロアアーム
34 ロアボールジョイント部
35 ステアリングナックル
35a ダンパ保持部
35b ステアリングナックルアーム
35c ナックルロアアーム部
36 ハブ
37 サスペンションメンバ
38 ドライブシャフト
40 ボディ
キングピン軸
XC アクスル中心軸
Off キングピンオフセット
タイヤ接地点
キングピン軸延長点

Claims (2)

  1. ステアリングホイールとタイヤとの間を連結し、前記ステアリングホイールに加えられた操舵トルクを前記タイヤに伝達し、前記タイヤを転舵させる連結部材と、
    前記ステアリングホイールの操舵の方向に対して順方向又は逆方向に、前記連結部材に対してトルクを発生させるモータと、
    前記操舵トルクを検知することなく、前記ステアリングホイールの操舵速度に基づいて、前記モータの制御を行う制御部とを有することを特徴とする操舵装置。
  2. キングピン軸の下方向きの延長線と、前記タイヤの接地面との交点が、前記タイヤのトレッド面よりも車幅方向の車両の内側にあることを特徴とする請求項1に記載の操舵装置。
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