JP4987779B2 - 車両の後輪トー角制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の左右の後輪のトー角を個別に変化させる後輪トー角制御装置に関するものである。
4輪自動車では、近年、車両の走行安定性の向上などを図る目的で、左右の後輪のトー角(舵角)を個別に変化させる後輪トー角制御装置を設けることが行われている。
この種の後輪トー角制御装置においては、出力軸を軸方向に直線的に進退動作させる直動型の電動アクチュエータを左右両後輪にそれぞれ設け、これらを伸縮駆動することによって左右両輪のトー角を個々に変化させるように構成したものが知られている(特許文献1参照)。
特開平9−30438号公報
しかるに、後輪トー角を制御するにあたっては、電動アクチュエータの出力軸の移動量などを位置センサにより検知して、その位置センサの出力に基づいて電動アクチュエータを制御するが、この位置センサに故障が発生すると、車両の走行に大きな影響を与えることから、故障を正確に且つ迅速に検知することが望まれる。
このようなセンサ類の故障検知に関しては、同種類のセンサを2つ設けて相互監視する方法が一般的であるが、センサ数が増えることから製造コストが上昇する問題があり、これに対して、例えば一方のセンサを通常の制御に用いない故障検知専用として、このセンサに故障検知には十分な精度を有する低精度で安価なものを採用することで、製造コストを削減することが可能であるが、この手法でも製造コスト削減の要望を十分に満足することはできない。
本発明は、このような従来技術の問題点を解消するべく案出されたものであり、その主な目的は、アクチュエータの動作位置を検出する位置センサの故障を検知するにあたり、位置センサの構成を簡素化して製造コストを削減することができるように構成された後輪トー角制御装置を提供することにある。
このような課題を解決するために、本発明においては、請求項1に示すとおり、車両の左右の後輪(5L・5R)のトー角を個別に変化させる左右のアクチュエータ(11L・11R)と、このアクチュエータの動作位置を検出する位置センサ(ストロークセンサ17L・17R)とを有し、車両の走行状態に応じて求められた制御指示値及び前記位置センサによる実測値に基づいて前記アクチュエータを制御する後輪トー角制御装置において、前記位置センサによる実測値と制御指示値との比較により故障が疑われる異常状態が、車両の旋回時の横力による前記アクチュエータに対する負荷状態に応じて設定された判定時間が経過するまで継続した場合に、前記位置センサの故障と判定するようにしたものとした。
これによると、位置センサの故障を位置センサを2つ設けることなく検知することができるため、製造コストを削減することができる。さらに、アクチュエータの負荷状態に応じて判定時間を変えて故障検知を行うため、誤検知を避けつつ検知速度を向上させることができる。
この場合、故障が疑われる異常状態にあるか否かの判断は、位置センサによる実測値と制御指示値との比較により行われ、具体的には、位置センサによる実測値が変化せず、且つその実測値と制御指示値との間に所定の閾値以上の偏差が生じた場合に、故障が疑われる異常状態にあるものと判断する。
前記後輪トー角制御装置においては、請求項2に示すとおり、車両の旋回時の横力により前記アクチュエータに作用する外力がその制御方向と逆向きとなる場合には前記判定時間が長く設定され、前記アクチュエータに作用する外力がその制御方向と同じ向きとなる場合には前記判定時間が短く設定されるようにした構成とすることができる。
これによると、車両の旋回時の横力によりアクチュエータに作用する外力がその制御方向と逆向きとなる場合には、アクチュエータが動作し難く、制御指示値に対してアクチュエータの追随が遅れがちとなるため、位置センサが正常であるにも拘わらず、実測値と制御指示値との間に短い時間であるが偏差が生じてしまうことがあり、この場合、判定時間を長くとることで、誤って位置センサの固着故障と判断することを避けることができる。一方、車両の旋回時の横力によりアクチュエータに作用する外力がその制御方向と同じ向きとなる場合には、アクチュエータが動作し易く、制御指示値に対してアクチュエータが円滑に追随することができることから、実測値と制御指示値との間に偏差が生じにくくなるため、判定時間を短くしても誤検知が発生することがなく、判定時間の短縮により検知速度を向上させることができる。
前記後輪トー角制御装置においては、請求項3に示すとおり、故障が疑われる異常状態にある前記位置センサが旋回外輪側の場合には前記判定時間が長く設定され、故障が疑われる異常状態にある前記位置センサが旋回内輪側の場合には前記判定時間が短く設定されるようにした構成とすることができる。
これによると、旋回外輪側では大きな横力が生じることから、アクチュエータに作用する外力も大きくなり、アクチュエータが動作し難くなるため、判定時間を長くとることで、誤検知を避けることができる。一方、旋回内輪側では横力が小さいため、アクチュエータに作用する外力も小さくなり、アクチュエータが動作し易いため、判定時間を短くしても誤検知が発生することがなく、判定時間の短縮により検知速度を向上させることができる。
この場合、車両の旋回時の横力によりアクチュエータに作用する外力の方向は、旋回外輪側及び旋回内輪側のいずれであるかに応じて定まる。一方、誤検知が問題となるのは、車両の旋回時にアクチュエータが横力の影響を大きく受ける旋回外輪側となる。そこで、アクチュエータの制御方向が、旋回外輪側で横力によりアクチュエータに作用する外力の方向と逆向きであれば、旋回外輪側及び旋回内輪側のいずれであるかに関係なく、判定時間を長くするものとしても良い。これによりアクチュエータの制御方向のみで判定時間を長くするか否かを判断することができ、旋回方向を判別するためのセンサ類を省略することができる。
このように本発明によれば、アクチュエータの動作位置を検出する位置センサの故障を、位置センサを2つ設けることなく検知することができるため、製造コストを削減することができる。さらに、アクチュエータの負荷状態に応じて判定時間を変えて故障検知を行うため、誤検知を避けつつ検知速度を向上させることができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明による後輪トー角制御装置を備えた車両の概略構成図である。車両Vは、タイヤ2L・2Rが装着された前輪3L・3Rと、タイヤ4L・4Rが装着された後輪5L・5Rとを備えた4輪自動車であり、前輪3L・3R及び後輪5L・5Rが、左右のフロントサスペンション6L・6R及びリヤサスペンション7L・7Rによってそれぞれ車体1に懸架されている。
この車両Vには、ステアリングホイール8の操舵により、ラックアンドピニオン機構を介して左右の前輪3L・3Rを直接転舵する前輪操舵装置9と、左右のリヤサスペンション7L・7Rに対して設けられた左右の電動アクチュエータ11L・11Rを駆動することにより、後輪5L・5Rのトー角を個別に変化させる左右一対の後輪トー角制御装置10L・10Rとが備わっている。
また、この車両Vには、各種システムを統括制御するECU(Electronic Control Unit)12と、車速センサ13、操舵角センサ14、ヨーレイトセンサ15、及び横加速度センサ16と、その他の図示しない種々のセンサが設置されており、各センサの検出信号はECU12に入力して車両の制御に供される。
ECU12は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線を介して各センサ13〜16等や、電動アクチュエータ11L・11Rと接続されている。ECU12は、各センサ13〜16等の検出結果に基づいて後輪トー角を算出し、各電動アクチュエータ11L・11Rの変位量を決定した上で後輪5L・5Rのトー角制御を行う。
電動アクチュエータ11L・11Rは、出力ロッドが軸方向に直線的に進退動作する直動型のアクチュエータであり、この電動アクチュエータ11L・11Rには、出力ロッドのストローク位置を検出するストロークセンサ(位置センサ)17L・17Rがそれぞれ設置されている。ストロークセンサ17L・17Rの信号がECU12に入力することで、電動アクチュエータ11L・11Rのフィードバック制御が行われる。これにより、各電動アクチュエータ11L・11Rは、ECU12によって決定された所定量だけ伸縮動作し、後輪5L・5Rのトー角を変化させる。
このように構成された車両Vによれば、左右の電動アクチュエータ11L・11Rを同時に対称的に変位させることにより、両後輪5L・5Rのトーイン/トーアウトを適宜な条件の下に自由に制御することができる他、左右の電動アクチュエータ11L・11Rの一方を伸ばして他方を縮めれば、両後輪5L・5Rを左右に転舵することも可能である。例えば、車両Vは、各種センサによって把握される車両の運動状態に基づき、加速時に後輪5L・5Rをトーアウトに、制動時に後輪5L・5Rをトーインに変化させ、高速旋回走行時に後輪5L・5Rを前輪舵角と同相に、低速旋回走行時に後輪5L・5Rを前輪舵角と逆相にトー角制御(転舵)して、操縦性を高めるべく後輪トー角制御を行う。
図2は、図1に示した左側のリヤサスペンション7Lの斜視図である。図3は、図2に示した左側のリヤサスペンション7Lの背面図である。図4は、図2に示した左側の電動アクチュエータ11Lの縦断面図である。なお、右側のリヤサスペンション7Rなどは、これと左右対称に現れる。
このリヤサスペンション7Lは、ダブルウィッシュボーン型のものであり、後輪5Lを回転自在に支持するナックル21と、ナックル21を上下動可能に車体1に連結するアッパアーム22及びロアアーム23と、後輪5Lのトー角を変化させるべくナックル21と車体1とに連結された電動アクチュエータ11Lと、後輪5Lの上下動を緩衝する懸架スプリング付きダンパ24等で構成されている。
アッパアーム22及びロアアーム23は、基端がそれぞれゴムブッシュジョイント25・26を介して車体1に連結され、先端がそれぞれボールジョイント27・28を介してナックル21の上部及び下部に連結されている。電動アクチュエータ11Lは、基端がゴムブッシュジョイント29を介して車体1に連結され、先端がゴムブッシュジョイント30を介してナックル21の後部に連結されている。懸架スプリング付きダンパ24は、上端が車体1に固定され、下端がゴムブッシュジョイント31を介してナックル21の上部に連結されている。
このような構成を採ることにより、電動アクチュエータ11Lが伸長駆動されると、ナックル21の後部が車幅方向外側に回動することにより、後輪5Lのトー角は車両進行方向に対して内向き(トーイン側)に変化し、電動アクチュエータ11Lが収縮駆動されると、ナックル21の後部が車幅方向内側に回動することにより、後輪5Lのトー角は車両進行方向に対して外向き(トーアウト側)に変化する。
電動アクチュエータ11Lは、図4に示すように、車体1側のゴムブッシュジョイント29が形成された第1ハウジング32a、及び複数のボルト33で第1ハウジング32aに締結された第2ハウジング32bからなるハウジング32と、第2ハウジング32bに伸縮自在に支持され、ナックル21側のゴムブッシュジョイント30が形成された出力ロッド35とを備えている。第1ハウジング32aの内部には駆動源であるブラシ付きのDCモータ41が収容され、ボルト36で第1ハウジング32aに締結されている。第2ハウジング32bの内部には遊星歯車式の減速機51と、弾性を有するカップリング56と、台形ねじを用いた送りねじ機構61とが収容されている。DCモータ41が駆動されると、回転軸42の回転が減速機51によって減速され、送りねじ機構61によって直線運動に変換されて出力ロッド35が直線駆動される。
第2ハウジング32bの外周面に設けられたストロークセンサ17Lは、出力ロッド35の外周面に取り付けられたボルト66によって出力ロッド35に固着されたマグネット71と、センサハウジング72内に収容された差動変圧器73とから構成されている。差動変圧器73は、出力ロッド35の直線駆動方向と平行に延在するようにマグネット71に近接して配置され、両端が第2ハウジング32bに固着されている。差動変圧器73には、図示しない1次コイルと、1次コイルの軸方向両端に近接する同一巻き数の2つの2次コイルとが巻装されており、マグネット71が1次コイルの長手方向に移動した際に生じる差動電圧を検出することにより、出力ロッド35の伸縮ストロークが求められる。
図5は、図1に示したECU12における後輪トー角制御に係る要部の概略構成を示すブロック図である。ECU12は、入力インタフェース81と、制御目標値演算部82と、駆動信号生成部83と、出力インタフェース84とを有している。
制御目標値演算部82では、車速センサ13、操舵角センサ14、ヨーレイトセンサ15、及び横加速度センサ16からの入力信号に基づいて後輪トー角制御目標値を算出する。駆動信号生成部83では、制御目標値演算部82から入力される後輪トー角制御目標値を電動アクチュエータ11L・11Rのストローク量に換算し、この制御目標ストローク量(制御指示値)と、ストロークセンサ17L・17Rからの入力信号が示す実ストローク量(実測値)と比較して、両者が近づくように電動アクチュエータ11L・11Rを駆動する駆動信号を生成する。
また、このECU12には、ストロークセンサ17L・17Rの固着故障を検知する故障検知部86が設けられている。以下に、この故障検知部86の処理内容について説明する。
図6・図7は、図5に示した故障検知部86での故障検知の要領を説明するグラフである。故障検知部86では、故障が疑われる異常状態が、車両の旋回時の横力による電動アクチュエータ11L・11Rに対する負荷状態に応じて設定された判定時間が経過するまで継続した場合に、ストロークセンサ17L・17Rの固着故障と判定する。
ここで、故障が疑われる異常状態にあるか否かの判断は、ストロークセンサ17L・17Rによる実測値と制御指示値との比較により行われ、具体的には、ストロークセンサ17L・17Rによる実測値が変化せず、且つその実測値と制御指示値との間に所定の閾値以上の偏差が生じた場合に、故障が疑われる異常状態にあるものと判断する。
電動アクチュエータ11L・11Rでは、ECU12での制御指示値、すなわち目標トー角に対応する制御目標ストローク量に基づく駆動信号で伸び方向あるいは縮み方向に動作するが、このとき、電動アクチュエータ11L・11Rのストローク位置が制御指示値に向けて変化する際の変化量が、ストロークセンサ17L・17Rによる実測値として現れるまでに要する時間が、電動アクチュエータ11L・11Rに作用する外力による負荷状態に応じて変化する。
すなわち、外力の向きが電動アクチュエータ11L・11Rの動作を抑制する向きであれば、電動アクチュエータ11L・11Rが動作し難いことから、実測値と制御指示値との間に偏差がすぐに現れ、逆に外力の向きが電動アクチュエータ11L・11Rの動作を助長する向きであれば、電動アクチュエータ11L・11Rが動作し易いことから、実測値と制御指示値との間に偏差が現れにくい。
そこで、このような電動アクチュエータ11L・11Rの特性を考慮して、実測値と制御指示値との間に偏差が出やすい第1の状態と、実測値と制御指示値との間に偏差が出にくい第2の状態とに場合分けし、第1の状態の場合には、図6に示すように、故障の有無を判定する判定時間を長く設定し、第2の状態の場合には、図7に示すように、判定時間を短く設定する。
図8は、図1に示した電動アクチュエータ11L・11Rに作用する外力の状態を説明する模式図であり、(A)に車両Vを真上から見た図を、(B)に車両Vを真後ろから見た図を、(C)に後輪5L・5Rを真上から見た図をそれぞれ示している。なお、ここでは、右旋回の例を示すが、左旋回ではこれと左右対称に現れる。
図8(A)に示すように、車両Vが旋回すると、図8(B)に示すように、遠心力で車体1が旋回外側に傾斜するロールが発生するが、このとき、旋回外輪5Lに作用する荷重Woが旋回内輪5Rの荷重Wiより大きくなり、さらに路面とタイヤの摩擦により旋回外輪5Lに作用する横力Foが旋回内輪5Rの横力Fiより大きくなる。
この横力Fo・Fiは、図8(C)に示すように、旋回外輪5L側の電動アクチュエータ11Lに縮み方向の軸力FAを、旋回内輪5R側の電動アクチュエータ11Rに伸び方向の軸力FAをそれぞれ生じさせる。旋回外輪5L側の電動アクチュエータ11Lでは、、縮み方向の軸力FAにより、伸び側で伸びにくく、縮み側で縮みやすいといった現象が顕著に現れ、電動アクチュエータ11Lの動作に大きな影響を与える。一方、旋回内輪5R側の電動アクチュエータ11Rでは、横力Fiにより伸び方向の軸力FAが生じるものの、その軸力FAが小さいことから、電動アクチュエータ11Rの動作に殆ど影響を与えない。
ここで、リヤサスペンション7L・7Rのボールジョイント27・28を結ぶキングピン軸K(図3参照)に対して、横力Fo・Fiが作用するタイヤ4L・4Rの中心と電動アクチュエータ11L・11Rとが同じ側にあるため、タイヤ4L・4Rに作用する横力Fo・Fiが旋回外輪5L側の電動アクチュエータ11Lに縮み方向の軸力FAを、旋回内輪5R側の電動アクチュエータ11Rに伸び方向の軸力FAをそれぞれ生じさせる。
このように旋回外輪側の電動アクチュエータ11Lでは、伸び動作が抑制されるため、伸び方向制御時には、ストロークセンサ17Lによる実測値が変化し難く、実測値と制御指示値との間に偏差が出やすい第1の状態となる。この状態では、ストロークセンサ17Lが正常であるにも拘わらず、ストロークセンサ17Lによる実測値と制御指示値との間に偏差が生じやすくなることがあり、このとき、誤ってストロークセンサ17Lの固着故障と判断することを避けるため、故障が疑われる異常状態にあるストロークセンサ17Lが、横力の影響を受ける旋回外輪側で、且つ電動アクチュエータ11Lが伸び方向制御時の場合には、図6に示すように、判定時間を長く設定する。
一方、横力の影響を受ける旋回外輪側の電動アクチュエータ11Lでも縮み方向制御時には、実測値と制御指示値との間に偏差が出にくい第2の状態となり、また横力の影響を受けない旋回内輪側の電動アクチュエータ11Rでは伸び・縮みのいずれの方向の制御時にも第2の状態となり、したがって、故障が疑われる異常状態にあるストロークセンサ17L・17Rが旋回外輪側で且つ電動アクチュエータ11L・11Rが縮み方向制御時の場合や、故障が疑われる異常状態にあるストロークセンサ17L・17Rが旋回内輪側の場合には、図7に示すように、判定時間を短く設定する。これにより故障検知を迅速に行うことができる。
ここで、ストロークセンサ17L・17Rによる実測値と制御指示値との間に偏差が出やすい第1の状態と、実測値と制御指示値との間に偏差が出にくい第2の状態とで判定時間を変えるには、単一のカウンタで行う手法と、第1の状態と第2の状態とにそれぞれ対応する2つのカウンタを用いて行う手法とがある。
単一のカウンタで行うには、第1の状態と第2の状態とで単位時間あたりのカウント数を変更すれば良い。すなわち、第2の状態では、単位時間あたりのカウント数を大きい値、例えば1msあたり30カウントに設定して計時が行われ、これにより判定時間が短くなる。一方、第1の状態では、単位時間あたりのカウント数を小さい値、例えば1msあたり1カウントに設定して計時が行われ、これにより判定時間が長くなる。
カウントアップ、すなわち故障検知と判定するカウント数(例えば60000カウント)は第1の状態と第2の状態とで同じであり、ストロークセンサ17L・17Rによる実測値が一定で、且つその実測値と制御指示値との偏差が所定の閾値以上となると、第1・第2の状態の別に応じて単位時間あたりのカウント数を設定してカウントを開始し、カウント数が所定の故障検知カウント数に到達すると故障と判定する。
また、2つのカウンタを用いて行う手法では、第1の状態で計時を行う第1カウンタと、第2の状態で計時を行う第2カウンタとを設け、第1・第2の各カウンタでカウントアップとなる故障検知カウント数を変え、第1のカウンタの故障検知カウント数FailTHBを、第2のカウンタの故障検知カウント数FailTHAより大きく設定する。
図9は、図5に示した故障検知部86での故障検知の手順を示すフロー図である。ここでは、第1・第2の2つのカウンタを用いた例を示す。
まず、第1カウンタ及び第2カウンタを初期化する、すなわちCountA=0、CountB=0として(ステップ101)、ストロークセンサ17L・17Rによる実測値の監視が開始され、このストロークセンサ17L・17Rによる実測値が一定と判定されると(ステップ102)、次に実測値と制御指示値との偏差(絶対値)Errorが閾値ErrorTH以上となるか否かの判定が行われる(ステップ103)。
ここで実測値と制御指示値との偏差Errorが閾値ErrorTH以上で、故障が疑われる異常状態と判定されると、次にその異常状態であるストロークセンサ17L・17Rが旋回外輪側か否かの判定が行われる(ステップ104)。この判定処理は、旋回時の横力により電動アクチュエータ11L・11Rに作用する軸力から、旋回外輪側及び旋回内輪側のいずれかを判別するもので、旋回時以外では左右いずれも旋回内輪側と判定する。
この判定処理(ステップ104)で、旋回外輪側と判定されると、次に電動アクチュエータ11L・11Rが伸び方向の制御時か否かの判定が行われ(ステップ105)、電動アクチュエータ11L・11Rが伸び方向の制御時と判定されると、第2カウンタを増分する処理が行われ(ステップ106)、逆に電動アクチュエータ11L・11Rが伸び方向でない、すなわち縮み方向の制御時と判定されると、第1カウンタを増分する処理が行われる(ステップ107)。また、旋回外輪側か否かの判定処理(ステップ104)で、旋回外輪側でない、すなわち旋回内輪側と判定されると、第1カウンタを増分する処理が行われる(ステップ107)。
そして第1カウンタのカウント数CountAが、予め小さな値に設定された故障検知カウント数FailTHA以上となるか、あるいは第2カウンタのカウント数CountBが、予め大きな値に設定された故障検知カウント数FailTHB以上となるか否かの判定が行われ(ステップ108)、いずれかを満足する場合には、故障が発生したものと判断する(ステップ109)。
なお、旋回外輪側か否かの判定処理(ステップ104)では、電動アクチュエータ11L・11Rに作用する軸力の向きで旋回外輪側か否かを識別することができるが、電動アクチュエータ11L・11Rの軸力を検出するセンサ類がない場合には、横加速度センサにより検出される横加速度の向きで識別するようにしても良い。
また、この旋回外輪側か否かの判定処理は省略することができる。この場合、旋回内輪側で且つ電動アクチュエータ11L・11Rが伸び方向の制御時の場合に、前記の例とは異なり、第2カウンタを増分する処理(ステップ106)に進むが、この第2カウンタのカウント数CountBは、予め大きな値に設定された故障検知カウント数FailTHBと比較されるため、故障検知の精度を上げる側に変更されることから、検知速度が低下する以外に、別段の支障はない。
本発明による後輪トー角制御装置を備えた車両の概略構成図である。 図1に示した左側のリヤサスペンションの斜視図である。 図2に示した左側のリヤサスペンションの背面図である。 図2に示した左側の電動アクチュエータの縦断面図である。 図1に示したECUにおける後輪トー角制御に係る要部の概略構成を示すブロック図である。 図5に示した故障検知部での故障検知の要領を説明するグラフである。 図5に示した故障検知部での故障検知の要領を説明するグラフである。 図1に示した電動アクチュエータに作用する外力の状態を説明する模式図である。 図5に示した故障検知部での故障検知の手順を示すフロー図である。
符号の説明
V 車両
1 車体
3L・3R 前輪
5L・5R 後輪
10L・10R 後輪トー角制御装置
11L・11R 電動アクチュエータ
12 ECU(制御手段)
17L・17R ストロークセンサ(位置センサ)
86 故障検知部

Claims (3)

  1. 車両の左右の後輪のトー角を個別に変化させる左右のアクチュエータと、このアクチュエータの動作位置を検出する位置センサとを有し、車両の走行状態に応じて求められた制御指示値及び前記位置センサによる実測値に基づいて前記アクチュエータを制御する後輪トー角制御装置であって、
    前記位置センサによる実測値と制御指示値との比較により故障が疑われる異常状態が、車両の旋回時の横力による前記アクチュエータに対する負荷状態に応じて設定された判定時間が経過するまで継続した場合に、前記位置センサの故障と判定するようにしたことを特徴とする後輪トー角制御装置。
  2. 車両の旋回時の横力により前記アクチュエータに作用する外力がその制御方向と逆向きとなる場合には前記判定時間が長く設定され、前記アクチュエータに作用する外力がその制御方向と同じ向きとなる場合には前記判定時間が短く設定されるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の後輪トー角制御装置。
  3. 故障が疑われる異常状態にある前記位置センサが旋回外輪側の場合には前記判定時間が長く設定され、故障が疑われる異常状態にある前記位置センサが旋回内輪側の場合には前記判定時間が短く設定されるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の後輪トー角制御装置。
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