JP5112478B2 - 帯電装置およびそれを備えた画像形成装置 - Google Patents

帯電装置およびそれを備えた画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、コロナ帯電方式の帯電装置およびそれを備えた画像形成装置に関するものである。
電子写真方式の画像形成装置においては、非接触型の帯電方式としてコロナ帯電方式が従来から用いられている。コロナ帯電方式は、コロナ放電で発生したイオンを感光体ドラムなどの像担持体表面に導いて帯電させる帯電方式である。
ところで、コロナ帯電方式の帯電装置では、コロナ放電によって生成された硝酸イオンが画像形成動作の停止中に感光体ドラムに移行して付着することにより、その後に形成される画像に白抜け等の画像欠陥が生じるという問題がある。
この問題について、図13を用いてより詳細に説明する。図13は、感光体ドラム3に白抜け画像が発生するメカニズムを模式的に示す説明図である。
図13に示すように、帯電装置5のコロナ放電によってオゾン(O)が発生する。この発生したオゾン(O)は空気中の窒素を酸化して窒素酸化物(NOx)を生成する。生成した窒素酸化物(NOx)は、空気中の水分と反応して硝酸(HNO)に変化する。硝酸は画像形成動作が終了した後の画像形成装置の放置時に帯電装置5の近傍部で感光体ドラム3の表面に付着する。すると、感光体ドラム3における硝酸イオンが付着した部分の表面抵抗が変化して電荷保持能力が低下し、その後に画像形成を行ったときに白抜け画像が発生する。
このような問題を解決するために、従来のコロナ帯電方式の帯電装置では、帯電装置内の空気を装置外部に排出するファンを設けることによって画像形成動作の停止後に帯電装置内に残留するNOxを低減し、画像形成装置の放電時に感光体ドラムに付着する硝酸を低減させている。
また、特許文献1には、シールドケースにおける放電電極側の面に無孔で実質上連続した水酸化アルミニウムの塗膜を塗布し、この水酸化アルミニウムによってNOxの不可逆中和反応を生じさせる技術が開示されている。
特開昭62−7065号公報(昭和62年1月14日公開)
しかしながら、帯電装置内の空気を排出するファンを設ける構成では、一般に画像形成装置の動作を停止させてから所定時間経過した後にファンの動作は停止されるので、帯電装置内に残留する硝酸の低減効果には限界がある。また、帯電装置内に残留する硝酸の低減効果を向上させるために画像形成装置の停止時もファンを動作させ続けることが考えられるが、その場合には消費電力が増大してしまう。
また、特許文献1の技術では、上記の不可逆中和反応によって水酸化アルミニウムが消耗するので、硝酸による悪影響を長期間にわたって安定して防止することができない。このため、特許文献1の技術では、水酸化アルミニウムが化学反応によって消耗して硝酸を中和する能力が低下する度に、帯電装置自体を交換する必要がある。
また、特許文献1の技術において使用済みのシールドケースを再利用する場合、無孔で実質上連続した水酸化アルミニウムの塗膜を再形成するためには、塗布されている水酸化アルミニウムの塗膜を剥がして除去する処理を行ってから新たな水酸化アルミニウムを塗布しなおす処理を行う必要があり、非常に手間とコストがかかる。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、コロナ帯電方式の帯電装置において、コロナ放電によって生じる硝酸に起因する画質の低下を、低コストで長期間にわたって安定して防止することにある。
本発明の帯電装置は、上記の課題を解決するために、電子写真方式の画像形成装置に回転可能に備えられる像担持体に対向するように配置され、上記像担持体の表面を帯電させるコロナ帯電方式の帯電装置であって、放電電極と、上記放電電極が備えられている空間を少なくとも上記放電電極と上記像担持体との対向面を除いて覆うシールドケースとを備えており、上記シールドケースにおける上記放電電極との対向面に、アルミニウムからなるシート状部材が貼り付けられていることを特徴としている。
上記の構成によれば、放電に伴って発生する硝酸をシート状部材に吸着させて蓄積させることによって帯電動作の停止時に像担持体の表面に移行する硝酸の量を低減し、像担持体の表面に硝酸が付着することによって生じる白抜け画像欠陥を長期間にわたって安定して抑制することができる。また、シート状部材を貼り付けるだけでよいので、アルミニウム製のシールドケースを用いる構成やシールドケースの内壁面に水酸化アルミニウムを塗布する構成に比べて低コストで白抜けの抑制効果を得ることができる。すなわち、上記の構成によれば、コロナ放電によって生じる硝酸に起因する白抜け画像欠陥を低コストで長期間にわたって安定して防止することができる。
また、上記シート状部材は、上記シールドケースにおける上記放電電極との対向面のうち、上記放電電極よりも上記像担持体の回転方向下流側の対向面に貼り付けられている構成としてもよい。例えば、上記シールドケースは、四角筒の延伸方向に平行な4つの側面のうちの1つの側面を開放面とし、残りの3つの側面を閉鎖面とした形状であり、上記開放面が上記像担持体に対向し、上記延伸方向が上記像担持体の回転軸方向と平行になるように配置され、上記シート状部材は、上記閉鎖面のうち上記放電電極よりも上記像担持体の回転方向下流側に配置される閉鎖面に、当該閉鎖面における上記開放面側の端部から所定範囲までの領域を覆うように上記シールドケースの延伸方向に沿って貼り付けられている構成としてもよい。
上記の構成によれば、放電電極とシールドケースとの間に生じるコロナ風および像担持体の回転に伴って生じる風によって放電生成物の移動量が多くなる位置にシート状部材を貼り付けることになるので、硝酸イオンを効果的に吸着させることができる。また、少ない量のシート状部材で白抜け画像欠陥の発生を防止できるので、シート状部材を貼り付けることによるコストの増加を最低限に抑えることができる。
また、上記シート状部材が貼り付けられる上記閉鎖面の面積に対する上記シート状部材の面積の比率が88%以上100%以下である構成としてもよい。
上記の構成によれば、白抜け画像欠陥および像流れ(文字にじみ等)画像結果を適切に抑制することができる。
また、上記シート状部材の膜厚は30μm以上80μm以下であってもよい。シート状部材の膜厚を上記範囲にすることにより、硝酸を適切に吸着させることができる。
また、上記シート状部材は、上記シールドケースに対して着脱可能に貼り付けられる構成であってもよい。
上記の構成によれば、例えばシート状部材による硝酸の累積吸着量が増大して吸着性能が低下した場合などに、シート状部材を剥がして新たなシート状部材に貼りかえる処理を容易に行うことができる。
本発明の画像形成装置は、上記したいずれかの帯電装置を備えていることを特徴としている。
上記の構成によれば、コロナ放電によって生じる硝酸に起因する白抜け画像欠陥を低コストで長期間にわたって安定して防止することができる。
以上のように、本発明の帯電装置は、放電電極と、上記放電電極が備えられている空間を上記放電電極と上記像担持体との対向面を除いて覆うシールドケースとを備えており、上記シールドケースにおける上記放電電極との対向面に、アルミニウムからなるシート状部材が貼り付けられている。
上記の構成によれば、コロナ放電によって生じる硝酸に起因する白抜け画像欠陥を低コストで長期間にわたって安定して防止することができる。
本発明の一実施形態にかかる帯電装置の断面図である。 図1の帯電装置を備えた画像形成装置の断面図である。 図2の画像形成装置に備えられる画像形成部の断面図である。 図1に示した帯電装置の斜視図である。 図1に示した帯電装置の平面図である。 図1に示した帯電装置に備えられるアルミシートの表面を拡大した図である。 図1の帯電装置を用いて行った実験結果を示すグラフである。 図1の帯電装置を用いて行った実験結果を示すグラフである。 図1の帯電装置を用いて行った実験における白抜けの評価指標を示す説明図である。 図1の帯電装置を用いて行った実験結果を示す表である。 図1の帯電装置を用いて行った実験結果を示す表である。 図1の帯電装置を用いて行った実験結果を示すグラフである。 コロナ帯電方式の帯電装置を用いた画像形成装置における白抜けの発生メカニズムを示す説明図である。 図1の帯電装置を用いて行った実験結果を示す表である。
本発明の一実施形態について説明する。
(1−1.画像形成装置100の構成)
図2は、本実施形態にかかる画像形成装置100の構成を示す断面模式図である。画像形成装置100は、外部から伝達された画像データまたは原稿読み取りにより得られた画像データに応じた多色または単色の画像を記録材(記録用紙)上に形成する電子写真方式の画像形成装置であり、装置本体110と、自動原稿搬送装置120とを備えている。
装置本体110は、露光ユニット1と、4つの画像形成部Pと、中間転写ベルト61を含む中間転写ユニット6と、定着ユニット7と、内部給紙ユニット81と、手差し給紙ユニット82と、排紙ユニット91とを備えている。また、装置本体110の上部には、原稿が載置される透明ガラスからなる原稿載置台92が設けられ、原稿載置台92の上側には自動原稿搬送装置120が取り付けられている。自動原稿搬送装置120は、原稿載置台92上に自動で原稿を搬送する。また、自動原稿搬送装置120は、図2の紙面奥行き方向の端部を軸として原稿載置台92に対して回動自在に備えられており、原稿載置台92を開放して原稿載置台92上にユーザが原稿を直接載置することができるようになっている。
画像形成装置100は、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の4色の各色相に対応した画像データを用いて、画像形成部Pにおいて画像形成を行う。4つの画像形成部Pは、中間転写ベルト61の移動方向(回転方向)に一列に配置されている。4つの画像形成部Pは、それぞれ同様の構成である。
図2は、画像形成部Pを構成するプロセスカートリッジ50の断面図である。この図に示すように、プロセスカートリッジ50は、現像装置2、帯電装置5、感光体ドラム(像担持体)3、およびクリーナユニット4を備えている。
感光体(像担持体)3は、円筒状のドラム形状を呈し、図示しない駆動手段によって延伸方向に平行な回転軸まわりに回転可能に備えられている。感光体ドラム3は、円筒状の導電性基体、および、導電性基体の表面に設けられる感光層を有する。
感光体ドラム3の周囲には、帯電装置5、現像装置2、およびクリーナユニット4が感光体ドラム3の回転方向に沿ってこの順で配置されている。また、4つの画像形成部Pの各現像装置2には、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のうちのいずれかのトナー(現像剤)が収容されている。
帯電装置5は、コロナ帯電方式の帯電装置であり、感光体ドラム3の回転軸方向に平行な方向に沿って延伸するように感光体ドラム3に近接して配置されており、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させる。帯電装置5の詳細については後述する。
露光ユニット1は、画像データに応じて変調されるレーザ光を出射するレーザ出射部と、レーザ出射部から出射されるレーザ光を主走査方向に偏向させるポリゴンミラーと、ポリゴンミラーにより主走査方向に偏向されるレーザ光を感光体ドラム3の表面に結像するように収束する収束レンズと、収束レンズにより収束されるレーザ光を反射する反射ミラーとを備えたレーザスキャニングユニット(LSU)である。レーザ出射部から出射される画像データに応じたレーザ光は、ポリゴンミラーにより偏向され、さらに収束レンズにより収束され、反射ミラーによって反射されて、所定の電位および極性に帯電する感光体ドラム3の表面に照射される。これにより、画像データに応じた静電潜像が感光体ドラム3に形成される。なお、露光ユニット1としては、レーザスキャニングユニット(LSU)の他、EL(Electro Luminescence)やLED(Light Emitting Diode)などの発光素子をアレイ状に並べた書込み装置(例えば、書込みヘッド)を使用することもできる。
現像装置2は、感光体ドラム3の表面に形成される静電潜像に現像剤であるトナーを供給して、静電潜像を顕像化させるものである。現像装置2は、感光体ドラム3に対向して配され、感光体ドラム3表面の静電潜像にトナーを供給する現像ローラ(現像剤担持体)20と、現像装置2内部のトナーを搬送するトナー搬送部材25・25とが配設されている。また、現像ローラ20の外周部であって、現像ローラ20と感光体ドラム3とが対向する位置よりも現像ローラ20の回転方向上流には、現像ローラ20表面にトナーの薄層を形成するドクターブレード23が配設されている。
クリーナユニット4は、図3に示したように、感光体ドラム3の表面に先端が当接し、感光体ドラム3表面に付着した残留トナーを掻き取るクリーニングブレード40を備えている。これにより、クリーナユニット4は、現像・画像転写後における感光体ドラム3の表面に残留したトナーを、除去・回収する。
中間転写ユニット6は、感光体ドラム3の上方に配置され、中間転写ベルト61、中間転写ベルト駆動ローラ62、中間転写ベルト従動ローラ63、一次転写ローラ64、および中間転写ベルトクリーニングユニット65を備えている。
中間転写ベルト61は、中間転写ベルト駆動ローラ62と中間転写ベルト従動ローラ63との間に張架されてループ状の移動経路を形成している無端状のベルト部材であり、その厚みは100μm〜150μm程度である。この中間転写ベルト61を挟んで感光体ドラム3に対向する位置に、一次転写ローラ64が配置されている。中間転写ベルト61が感光体ドラム3に対向する位置が一次転写位置である。
一次転写ローラ64には、感光体ドラム3の表面に担持されたトナー像を中間転写ベルト61上に転写するために、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム3に形成された各色相のトナー像は中間転写ベルト61の外周面に順次重ねて転写され、中間転写ベルト61の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。ただし、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの色相の一部のみの画像データが入力された場合には、4つの画像形成部Pの各感光体ドラム3のうち、入力された画像データの色相に対応する一部のみにおいて静電潜像およびトナー像の形成が行われる。例えば、モノクロ画像形成時には、ブラックの色相に対応した感光体ドラム3のみにおいて静電潜像の形成およびトナー像の形成が行われ、中間転写ベルト61の外周面にはブラックのトナー像のみが転写される。
一次転写ローラ64は、直径8〜10mmの金属(例えば、ステンレス)を素材とする軸の表面を導電性の弾性材(例えば、EPDM:エチレンプロピレン共重合ゴム、発泡ウレタンなど)により被覆して構成されており、導電性の弾性材によって中間転写ベルト61に均一に高電圧を印加する。
一次転写ローラ64によって中間転写ベルト61の外周面に転写されたトナー像は、中間転写ベルト61の回転によって、二次転写ローラ10との対向位置である二次転写位置に搬送される。
二次転写ローラ10は、画像形成時において、内周面が中間転写ベルト駆動ローラ62の周面に接触する中間転写ベルト61の外周面に所定のニップ圧で圧接されている。内部給紙ユニット81または手差し給紙ユニット82から給紙された記録材が二次転写ローラ10と中間転写ベルト61との間を通過する際に、二次転写ローラ10にトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト61の外周面から記録材の表面にトナー像が転写される。
感光体ドラム3の一部または全部から中間転写ベルト61に付着したトナーのうち記録材上に転写されずに中間転写ベルト61上に残存したトナーは、次工程での混色を防止するために、中間転写ベルトクリーニングユニット65によって除去・回収される。中間転写ベルトクリーニングユニット65には、中間転写ベルト61に当接してトナーを除去するクリーニングブレードが備えられている。
定着ユニット7は、ヒートローラ71および加圧ローラ72を有する。トナー像が転写された記録材は、定着ユニット7へ導かれ、ヒートローラ71と加圧ローラ72との間を通過することで加熱および加圧される。これによって、トナー像が、記録材の表面に堅牢に定着する。なお、定着ユニット7においてヒートローラ71には、外部からヒートローラ71を加熱する外部定着ベルト73が接触して設けられ、図示しない温度検出器によって検出される温度データに基づいて、ヒートローラ71が所定の定着温度となるように制御される。トナー像が定着した記録材は、搬送ローラ12bによって排紙ユニット91上へ排出される。
画像形成装置100には、内部給紙ユニット81および手差し給紙ユニット82に収容されている記録材を二次転写ローラ10と中間転写ベルト61との間および定着ユニット7を経由して排紙ユニット91へ送るための略垂直方向に延びる用紙搬送路Sが設けられている。用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ11a,11b、複数の搬送ローラ12a〜12d、レジストローラ13が配置されている。
画像形成装置100において、内部給紙ユニット81および手差し給紙ユニット82から搬送される記録材は、用紙搬送路Sの搬送ローラ12aによってレジストローラ13まで搬送され、レジストローラ13によって所定のタイミングで二次転写ローラ10に搬送されて、二次転写ローラ10と中間転写ベルト61との間を通過したときにトナー像が転写される。トナー像が転写された記録材は、定着ユニット7を通過することによってトナー像が熱で溶融・固着され、搬送ローラ12bを経て排紙ユニット91上に排出される。
また、画像形成装置100において、記録材の両面に画像を形成する両面印字の場合には、片面印字が終了し定着ユニット7を通過した記録材は、その後端が搬送ローラ12bで把持されたときに、搬送ローラ12bが逆回転することによって記録材を搬送ローラ12c,12dに導く。搬送ローラ12c、12dに導かれた記録材は、レジストローラ13、二次転写ローラ10および定着ユニット7を通過し、裏面の印字が行われて、排紙ユニット91に排出される。
(1−2.帯電装置5の構成)
図1は帯電装置5およびその周辺を模式的に表した断面図であり、図4は帯電装置5の構成を模式的に示した斜視図であり、図5は帯電装置5を感光体ドラム3側から見た平面図(グリッド電極54を除く)である。
帯電装置5は、シールドケース51、放電電極保持部材52、放電電極53、グリッド電極54およびアルミシート55を備えている。
シールドケース(チャージャケース、保護函体)51は、四角筒の一側面を省いた形状であり、1つの開放面と3つの閉鎖面とを有する断面コ字型の形状である。すなわち、シールドケース51は、上記の1つの開放面を除く3つの側面が閉鎖面になっており、放電電極53をこれら3つの閉鎖面によって囲まれる空間に内包している。これにより、シールドケース51によって放電電極53が保護され、シールドケース51内に形成される放電空間において安定したコロナ放電が確保されるようになっている。
シールドケース51の材質は導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、本実施形態ではステンレス製のものを用いている。また、本実施形態におけるシールドケース51のサイズは、幅w(感光体ドラム3の回転方向上流側および下流側の内壁面間の距離)が13mm、深さD(グリッド電極54から放電電極保持部材52の上面までの距離)が14.9mm、長さL(帯電装置5の延伸方向、すなわち感光体ドラム3の軸方向に平行な方向の長さ)が322mmである。
放電電極53は、図4に示すように、延伸方向に沿って尖頭部(先鋭突起)53aが周期的に設けられた鋸歯状の電極であり、放電電極保持部材52によってシールドケース51の底面(グリッド電極54が設けられる側面と対向する側面)に、尖頭部53aが感光体ドラム3の方向を向く状態で固定支持されている。なお、本実施形態では、板厚0.1mm、幅13mm、長さ328mmのステンレス板をエッチング加工することにより、先端の曲率半径RがR=30μmの尖頭部53aを一定ピッチ3mmで設けた放電電極53を形成した。ただし、放電電極53の構成はこれに限るものではない。例えば、尖頭部53aのピッチを2mm〜5mmの間で任意に設定してもよい。また、尖頭部53aの曲率半径Rを30μm〜40μmの間で任意に設定してもよい。また、放電電極53としてステンレス以外のものを用いてもよい。また、鋸歯状の電極に限らず、先端が感光体ドラム3の方向を向くように配置された多数の線状、針状、またはブラシ状の電極を用いてもよく、感光体ドラム3の軸方向に平行な方向に延伸するように配置されたワイヤー状の電極を用いてもよい。
放電電極保持部材(支持部材)52は絶縁性の部材であり、シールドケース51の底面に設けられた切欠部(凹部)51aに嵌め込まれて固定され、放電電極53を支持するとともに、放電電極53とシールドケース51との間を電気的に絶縁している。放電電極保持部材52としては、例えば、ABS樹脂、アクリルなどの材料からなるものを用いることができる。
具体的には、放電電極保持部材52は、シールドケース51の底面側から天面(グリッド電極54が配置されている側面)側に向かって突出し、シールドケース51の延伸方向に沿って延伸する突出部52aを備えており、この突出部52aにおける感光体ドラム3の回転方向下流側の側面に放電電極53の側面を対向させて取り付けるようになっている。なお、突出部52aは、放電電極53との当接部の幅は13mmであり、放電電極53の延伸方向(図1の紙面奥行き方向)の全域にわたって放電電極53と当接している。また、放電電極53の放電電極保持部材52に対する取り付け方法は特に限定されるものではなく、例えば接着によって取り付けてもよく、ネジやクリップ、ピン等の取付部材を用いて取り付けてもよく、嵌合あるいは係合させることによって取り付けてもよい。
グリッド電極54は、メッシュ状の電極であり、シールドケース51の開放面(帯電装置5における感光体ドラム3との対向面)、すなわち放電電極53と感光体ドラム3との間に、これら両部材から電気的に絶縁された状態で取り付けられている。本実施形態では、グリッド電極54として、板厚0.1mmのステンレス板をエッチング加工することにより、メッシュ幅1mmの細い線状部材からなるメッシュを形成したものを用いた。
また、帯電装置5は、グリッド電極54およびシールドケース51にアース電位に対して電位差Vg(Vg<0)の電位を印加するグリッド電圧印加手段(図示せず)、および放電電極53にアース電位に対して電位差Vc(Vc<Vg<0)の電位を印加する放電電圧印加手段(図示せず)を備えている。これにより、シールドケース51と放電電極53との間に電界が発生し、この電界により大気が電離して放電電極53の周辺に負電荷(マイナスイオン)が発生する。そして、発生した負電荷は、グリッド電極54に引きつけられて広がりながら感光体ドラム3へ移動し、グリッド電極54を通過したものが感光体ドラム3の表面に達して感光体ドラム3の表面を帯電させる。
また、シールドケース51の内壁面のうち、感光体ドラム3の回転方向下流側の側面、すなわち放電電極53における突出部52aに対する取り付け面とは反対側の側面に対向する面には、アルミシート(シート状部材)55が着脱可能に貼り付けられている。アルミシート55としては、例えば、アルミ箔と粘着材とを積層した従来から市販されているものを用いることができる。また、アルミ箔の厚さは特に限定されるものではなく、例えば30μm〜100μm程度のものを用いることができる。なお、アルミシート55をシールドケース51に貼り付けるための粘着材としては、例えばアクリル系導電性粘着材などの導電性の粘着材を用いることができる。
本実施形態では、このアルミシート55によって硝酸イオンを含有する汚染ガス成分等を吸着および蓄積し、汚染ガスが感光体ドラム3の表面に移行して付着することによって画像品位の低下(白抜けの発生等)が生じることを抑制している。
具体的には、シールドケース51の内壁面に貼り付けられたアルミシート55は、コロナ放電によって生じるオゾンガス等によって酸化され、酸化アルミニウムになる。図6は、画像形成装置100に搭載されて画像形成動作を行った後の帯電装置5から取り外したアルミシート55の表面をSEM(Scanning Electron Microscope:走査型電子顕微鏡)で撮影した結果である。この図に示すように、酸化アルミニウムの表面状態は多孔質状(表面粗さの粗い状態)であり、コロナ放電に伴って発生するNO(NO、NO2)および周辺部の水分との反応によって生成される硝酸(HNO)イオンを含有する汚染ガス成分等を吸着および蓄積する。これにより、画像形成動作を停止して長時間放置した場合に帯電装置5から感光体ドラム3の表面に移行する汚染ガスの量を低減することができる。したがって、感光体ドラム3の表面に汚染ガスが付着することによって感光体ドラム3の感度が低下し、白抜け等の画像欠陥が生じることを抑制できる。
なお、放電電極53は、感光体ドラム3の回転方向上流側の側面が放電電極保持部材52の突出部52aに取り付けられており、コロナ放電時に発生するコロナ風は放電電極53からシールドケース51における感光体ドラム3の回転方向下流側の壁面に向かう方向に生じる。また、上記のコロナ風の影響に加えて感光体ドラム3の回転に伴う風の影響もあり、シールドケース51の内壁面に到達する放電生成物の量は、感光体ドラム3の回転方向上流側の内壁面よりも回転方向下流側の壁面の方が多くなる。そこで、本実施形態では、アルミシート55をシールドケース51の内壁面のうち感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面に取り付けている。これにより、少ない量のアルミシート55で汚染ガス成分を効率的に吸着することができる。ただし、アルミシート55の貼り付け位置はこれに限るものではなく、例えば、シールドケース51における感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面および回転方向上流側の内壁面の両方に貼り付けてもよい。
(1−3.実験結果)
(1−3−1.実験1(硝酸イオンの検出実験))
次に、アルミシート55のサイズと硝酸イオンの低減効果との関係を調べるために行った実験の結果について説明する。
この実験では、上述の帯電装置5からアルミシート55を取り除いた構成(比較例1)、アルミシート55の幅を6mmとした構成(実施例1)、アルミシート55の幅を10mmとした構成(実施例2)、および上述の帯電装置5におけるステンレス製のシールドケース51に代えて同形状のアルミニウム製のシールドケースを用いた構成(比較例2)の帯電装置を用いて実際に画像形成処理を行い、画像形成後に帯電装置5内の空間に残留する硝酸イオン量を検出した。
なお、実施例1および実施例2におけるアルミシート55の長さをシールドケース51の延伸方向の長さと同じ322mmとし、アルミシート55における延伸方向に平行な端部と、シールドケース51における感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面における感光体ドラム3側の端部(シールドケース51の延伸方向に平行な端部のうち感光体ドラム3に対向する側の端部)とを揃えるようにアルミシート55を貼り付けた。また、実施例1および実施例2におけるアルミシート55としては、DIC株式会社製の金属箔シート(型番52050LA、軟質アルミニウム膜厚50μm、導電性アクリル系粘着材使用)を用いた。
実験条件としては、まず、上記の4つの帯電装置を画像形成装置100におけるCMYKの画像形成部Pに搭載し、温度25℃、湿度5%の常温低湿の環境条件下でA4サイズの記録用紙10万枚に対して画像形成動作を行った。この際、3000枚毎に各帯電装置の位置ローテーションを行い、各帯電装置が搭載される画像形成部毎の履歴差をなくした。その後、硝酸イオンの検出対象とする帯電装置をC(シアン)の画像形成部Pに搭載して濃度5%のカラー印字(画像形成)を500枚行い、500枚のカラー印字が終了するとすぐに画像形成装置100の電源をOFFにして帯電装置内の空気を排出するためのファンを停止させた。そして、電源をOFFにした状態で30分間、C(シアン)の画像形成部Pに搭載した帯電装置内のガスを吸引速度0.5L/minで合計15L吸引してインピンジャーに捕集し、イオンクロマトグラフ分析によって硝酸イオン量を検出した。
図7は、上記実験の実験結果を示すグラフである。このグラフにおける横軸にはシールドケース51における放電電極53との対向面(感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面)の面積に対するアルミニウム部材の面積(実施例1,2ではアルミシート55の貼付面積、比較例2ではシールドケース自体)の比率であるアルミ面積比率を取っている。
グラフ中に示した破線は実用上問題となる程度の白抜けが発生する硝酸イオン量の下限値(110ng/L)を示している。また、グラフ中に示した実線は、アルミ面積比率と硝酸イオン検出量との関係を線形近似した直線である。
この図に示したように、アルミシート55を貼り付けていないステンレス製のシールドケース51を用いた比較例1では硝酸イオンが186ng/L検出されたのに対して、アルミシート55を貼り付けた実施例1,2では硝酸イオンをそれぞれ90ng/L、73ng/Lに低減できた。なお、アルミニウム製のシールドケース51を用いた比較例2では、硝酸イオンは27ng/L検出された。
この実験により、シールドケース51の内壁面にアルミニウム部材を設けることで画像形成動作の停止後の放置時に帯電装置5内の空間に残留する硝酸イオンを低減できることがわかった。
また、シールドケース51自体をアルミニウムで構成することによって最も硝酸イオンの低減効果が得られるのだが、シールドケース51における放電電極53との対向面にアルミシート55を貼り付けることによって白抜けが発生しない程度に硝酸イオンの量を低減できることがわかった。
また、アルミシート55を貼り付けることによる硝酸イオンの低減効果はアルミ面積比率に略比例すること、すなわちアルミ面積比率の増大に比例した減少率で硝酸イオン検出量が減少することがわかった。
図8は、アルミシート55を備えない帯電装置5を用い、画像形成装置100の動作条件を異ならせた場合に上記実験と同じ検出方法により検出される硝酸イオン量(アルミ面積比率0%の位置にプロットされた各点)、およびアルミシート55を貼り付けた場合の硝酸イオン量を、図7に示した実験結果から算出した減少率(アルミ面積比率の増大に対する硝酸イオン量の減少率)に基づいて算出した結果を示すグラフである。
この図に示したように、画像形成動作の停止後に帯電装置5内の空間に残留する硝酸イオンの量は動作環境に応じて変動するが、アルミシート55が貼り付けられておらず、かつ最も厳しい動作環境の場合で約246ng/L程度である。また、実用上問題となる程度の白抜けが発生するのは硝酸イオン量が110ng/L以上の場合である。したがって、図8に示したように、アルミ面積比率を88%以上(アルミシート55の幅を13.1mm以上)にすることにより、画像形成装置100の動作条件にかかわらず白抜けを抑制することができる。
(1−3−2.実験2(白抜けの検証実験))
次に、アルミシート55のサイズと白抜けの抑制効果との関係を調べるために行った実験の結果について説明する。
実験条件としては、まず、実験1と同様、上記4つの帯電装置(比較例1,2、実施例1,2)を画像形成装置100におけるCMYKの画像形成部Pに搭載し、温度25℃、湿度5%の常温低湿の環境条件下でA4サイズの記録用紙10万枚に対して画像形成動作を行った。この際、3000枚毎に各帯電装置の位置ローテーションを行い、各帯電装置が搭載される画像形成部毎の履歴差をなくした。その後、硝酸イオンの検出対象とする帯電装置をC(シアン)の画像形成部Pに搭載して濃度5%のカラー印字(画像形成)を500枚行い、カラー印字が終了するとすぐに画像形成装置100の電源をOFFにして帯電装置内の空気を排出するためのファンを停止させて30分間放置した。そして、30分放置した後、2by2画像(主走査方向4ドット×副走査方向4ドットで形成される16ドットを主走査方向2ドット×副走査方向2ドット毎に分割した4マスについて、各マス毎に画像の有無を設定した画像)のハーフトーン画像および中間調のベタ画像(濃度値64)を記録用紙に画像形成し、目視によって白抜けの判定を行った。
判定方法としては、図9に示すようにレベル0〜レベル5の6段階のサンプル画像を用意しておき、評価対象の記録用紙とサンプル画像とを対比させて最も近いサンプル画像に応じたレベルに分類した。
図10はその評価結果を示す表である。この図に示すように、アルミシート55を貼り付けることによって白抜けの改善効果が見られた。また、白抜けの改善効果は、アルミシート55の貼付面積が大きいほど大きいことがわかった。
(1−3−3.実験3(アルミシートの貼付位置と白抜けの改善効果の検証実験))
次に、アルミシート55をシールドケース51における感光体ドラム3の回転方向上流側および下流側の両内壁面に貼り付けた場合と、感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面のみに貼り付けた場合との白抜け効果の改善効果の違いを調べるために行った実験の結果を説明する。
この実験では、以下に示す比較例3,4を用いて画像形成後の帯電装置5内の空間における硝酸イオン量の測定、および白抜けの検証実験を行った。
比較例4にかかる帯電装置の構成は、比較例1と同様であり、ステンレス製のシールドケース51にアルミシート55が貼り付けられていない構成である。また、比較例5にかかる帯電装置の構成は、実施例2の構成に加えてシールドケース51における感光体ドラム3の回転方向上流側の内壁面にも幅10mmのアルミシート55を貼り付けた構成である。
なお、実験1,2では、温度25℃、湿度5%の常温低湿の環境条件下でA4サイズの記録用紙10万枚に対して画像形成動作を行った後の帯電装置を用いて各実験を行ったが、この実験では、比較例3,4については、温度25℃、湿度5%の常温低湿の環境条件下でA4サイズの記録用紙12万枚に対して画像形成動作を行った後の帯電装置を用いた。その他の実験条件は実験1,2と同様である。
図11は、比較例1、実施例2、比較例3、および比較例4についての硝酸イオンの検出結果および白抜けの評価結果を示す表である。
この図に示すように、実施例2と比較例4とでは、硝酸イオンの検出量は同じであり、白抜けレベルの評価もほぼ同等であった。このことから、アルミシート55の貼付位置を感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面のみとすることにより、感光体ドラム3の回転方向上流側および下流側に貼り付ける場合と略同等の効果を得つつ、アルミシート55の使用量を低減できることがわかった。
なお、白抜けについては、上記のレベル0〜5のうち、レベル2以下であれば実用上問題ない程度であると言える。すなわち、レベル2以下であれば問題なし、レベル2を超えれば問題ありとすることができる。また、図11に示した比較例1,3,4および実施例2の硝酸イオン検出量と白抜けの評価レベルの平均値との線形近似式を算出し、この線形近似式に基づいてレベル2〜レベル3の間に設定される閾値に相当する硝酸イオン検出量を算出すると約110ng/Lである。したがって、上述の検出方法による硝酸イオンの検出量が110ng/L以下であれば白抜けは問題ない程度のレベルであり、110ng/Lを超えると白抜けが問題になるレベルになると考えられる。
(1−3−4.実験4(アルミシートの膜厚と白抜けの改善効果の検証実験))
次に、アルミシート55の膜厚と白抜けの改善効果との関係を調べるために行った実験の結果について説明する。
この実験では、以下に示す実施例4〜7および比較例5の帯電装置を用いて画像形成後の放置時における硝酸イオンの検出を行った。なお、実施例4〜7では、アルミシート55をシールドケース51における感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面全域に貼り付けてアルミ面積比率100%とした。
実施例4:DIC株式会社製の金属箔シート(型番52050LA、軟質アルミニウム膜厚50μm、導電性アクリル系粘着材使用)。
実施例5:日東電工株式会社社製の金属箔粘着テープ(製品名ニトホイルAT−80、軟質アルミニウム膜厚80μm、導電性アクリル系粘着材使用)。
実施例6:日東電工株式会社社製の金属箔粘着テープ(製品名ニトホイルAT−30、軟質アルミニウム膜厚30μm、導電性アクリル系粘着材使用)。
実施例7:株式会社寺岡製作所製の導電性アルミ箔粘着テープ(型番8303、アルミ箔50膜厚50μm、導電性アクリル系粘着材使用)。
比較例5:アルミテープなし(ステンレス製のシールドケース51)。
なお、実験1では、温度25℃、湿度5%の常温低湿の環境条件下でA4サイズの記録用紙10万枚に対して画像形成動作を行った後の帯電装置を用いて各実験を行ったが、この実験では実施例4〜7および比較例5の帯電装置を画像形成装置100に搭載し、温度25℃、湿度5%の常温低湿の環境条件下でA4サイズの記録用紙13万8千枚に対して画像形成動作を行った後の帯電装置を用いた。その他の実験条件は実験1と同様である。
図12はこの実験の実験結果を示すグラフである。この図に示したように、アルミシート55の膜厚およびメーカーによらず白抜けを実用上問題ないレベルに低減することのできる十分な硝酸イオンの低減効果が得られた。
(1−3−5.実験5(アルミシートの貼り付け面積比率と白抜けの改善効果の検証実験))
次に、アルミシート55の貼付面積比と、白抜けの改善効果および像流れの改善効果との関係を調べるために行った実験の結果について説明する。
この実験では、上述の帯電装置5からアルミシート55を取り除いた構成(比較例1)、アルミシート55の貼付面積比を40%とした構成(上記実施例1)、67%とした構成(上記実施例2)、85%とした構成(実施例8)、88%とした構成(実施例9)、90%とした構成(実施例10)、および100%とした構成(実施例11)の帯電装置を用いて実際に画像形成処理を行った。
アルミシート55としては、DIC株式会社製の金属箔シート(型番52050LA、軟質アルミニウム膜厚50μm、導電性アクリル系粘着材使用)を用いた。また、アルミシート55の長さはシールドケース51の延伸方向の長さと同じ322mmとし、アルミシート55における延伸方向に平行な端部と、シールドケース51における感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面における感光体ドラム3側の端部とを揃えるようにアルミシート55を貼り付けた。
上記各実施例および比較例の帯電装置を画像形成装置100に装着し、記録用紙に対する画像形成動作を、温度25℃、湿度5%の環境条件下で、1ヶ月間で3000枚行った。その後、さらに50枚の記録用紙に対する画像形成動作を実行して1時間放置し、次に画像形成動作を実行させた後に得られる記録用紙を用いて、中間調画像における感光体ドラム3の周長ピッチの白抜け画像欠陥の発生状態を目視評価した。評価基準としては、白抜け画像欠陥が発生しなかったものを◎、スジ状の白抜け画像欠陥が発生するものの、その幅が10mm以下であったものを○、スジ状の白抜け画像欠陥が発生し、その幅が10mmを超えて20mm以下であったものを△、スジ状の白抜け画像欠陥が発生し、その幅が20mmを超えたものを×とした。
また、上記各実施例および比較例の帯電装置を画像形成装置100に装着し、記録用紙に対する画像形成動作を、温度35℃、湿度85%の環境条件下で、1ヶ月間で3000枚行った。その後、さらに50枚の記録用紙に対する画像形成動作を実行して1時間放置し、次に画像形成動作を実行させた後に得られる記録用紙を用いて、文字画像における文字にじみの発生状態を目視評価することにより、像流れ画像欠陥の評価を行った。評価基準としては、文字にじみが発生しなかったものを◎、文字にじみがわずかに発生したものを○、文字にじみが顕著に発生するが、文字認識は充分に可能であったものを△、文字認識が不能な状態まで文字にじみが発生したものを×とした。
図14は上記実験の結果を示す表である。図14から明らかなように、アルミシート55の貼付面積比(シールドケース51における放電電極53との対向面(感光体ドラム3の回転方向下流側の対向面)の面積に対するアルミシート55の貼付面の面積比)を88%以上100%以下にすることにより、アルミシート55が酸化されてなる酸化層によって放電生成物を吸着除去し、白抜けや文字にじみ(像流れ)などの画像欠陥の発生を抑制することができる。
以上のように、本実施形態にかかる帯電装置5は、シールドケース51の内壁面にアルミシート55が貼り付けられている。これにより、画像形成時のコロナ放電に起因して生じた硝酸イオンをこのアルミシート55によって吸着し、感光体ドラム3に移行する硝酸イオンの量を低減することができるので、硝酸イオンが感光体ドラム3に付着することによって白抜けが生じることを抑制できる。
また、アルミシート55を貼り付けるだけでよいので、アルミニウム製のシールドケースを用いる場合やシールドケースの内壁面に水酸化アルミニウムを塗布する構成に比べて低コストで白抜けの抑制効果を得ることができる。
また、本実施形態では、アルミシート55が酸化されて多孔質状の酸化アルミニウムになり、この多孔質状の酸化アルミニウムが硝酸イオンを吸着することによって帯電装置5から感光体ドラム3に移行する硝酸イオンの量を低減している。この構成では、特許文献1のように水酸化アルミニウムと硝酸イオンとの間で化学変化を生じさせて窒素酸化物を付加逆中和反応させる構成のように水酸化アルミニウムが消耗することがないので、長期間にわたって安定して硝酸イオンの吸着効果を得ることができる。
また、アルミシート55による硝酸イオンの吸着効果が低下した場合には、アルミシート55を貼りかえるだけで元の吸着効果が得られるので、帯電装置5のメンテナンス性を向上させることができる。
また、画像形成動作の終了時にファンによる強制排気を停止させても白抜けを抑制できるので、ファンの駆動に伴う消費電力を低減してランニングコストを低減できる。したがって、本実施形態にかかる帯電装置5は、シールドケース51内の空気を外部に排出するためのファンと、このファンの駆動を制御する制御部(いずれも図示せず)とを備え、画像形成動作が終了したときに上記制御部が上記ファンの回転を停止させる構成としてもよい。
なお、アルミシート55による硝酸イオンの吸着効果はアルミシート55の貼付面積が大きいほど大きくなるが、上述した実験結果から明らかなように、シールドケース51における感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面にのみアルミシート55を貼り付けた場合であっても感光体ドラム3の回転方向上流側および下流側の両内壁面にアルミシート55を貼り付けた場合と略同様の効果が得られる。このため、十分な白抜けの防止効果を得つつ、低コスト化を図るためには、アルミシート55をシールドケース51における感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面にのみ貼り付ける構成にすることが好ましい。
また、画像形成装置の動作条件等によらず白抜けを適切に防止するためには、アルミシート55の貼付面積を感光体ドラム3の回転方向下流側の内壁面の面積に対して88%以上100%以下の範囲にすることが好ましい。
また、本実施形態では、本発明を、グリッド電極54を備えたスコロトロン型の帯電装置に適用する場合について説明したが、これに限らず、グリッド電極を備えないコロトロン型の帯電装置に適用することもできる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、コロナ帯電方式の帯電装置、およびそれを備えた画像形成装置に適用できる。
3 感光体ドラム(像担持体)
5 帯電装置
51 シールドケース
51a 切欠部
52 放電電極保持部材(支持部材)
52a 突出部
53 放電電極
53a 尖頭部
54 グリッド電極
55 アルミシート(シート状部材)
100 画像形成装置
P 画像形成部

Claims (6)

  1. 電子写真方式の画像形成装置に回転可能に備えられる像担持体に対向するように配置され、上記像担持体の表面を帯電させるコロナ帯電方式の帯電装置であって、
    放電電極と、上記放電電極が備えられている空間を少なくとも上記放電電極と上記像担持体との対向面を除いて覆うシールドケースとを備え
    上記シールドケースは導電性を有する材質によって形成されており、
    上記シールドケースにおける上記放電電極との対向面のうち、上記放電電極よりも上記像担持体の回転方向下流側の対向面のみにアルミニウムからなるシート状部材が貼り付けられていることを特徴とする帯電装置。
  2. 上記シールドケースは、四角筒の延伸方向に平行な4つの側面のうちの1つの側面を開放面とし、残りの3つの側面を閉鎖面とした形状であり、上記開放面が上記像担持体に対向し、上記延伸方向が上記像担持体の回転軸方向と平行になるように配置され、
    上記シート状部材は、上記閉鎖面のうち上記放電電極よりも上記像担持体の回転方向下流側に配置される閉鎖面に、当該閉鎖面における上記開放面側の端部から所定範囲までの領域を覆うように上記シールドケースの延伸方向に沿って貼り付けられていることを特徴とする請求項に記載の帯電装置。
  3. 上記シート状部材が貼り付けられる上記閉鎖面の面積に対する上記シート状部材の面積の比率が88%以上100%以下であることを特徴とする請求項に記載の帯電装置。
  4. 上記シート状部材の膜厚は30μm以上80μm以下であることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の帯電装置。
  5. 上記シート状部材は、上記シールドケースに対して着脱可能に貼り付けられていることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の帯電装置。
  6. 請求項1からのいずれか1項に記載の帯電装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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