JP5112371B2 - 気流発生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、プラズマの作用により気流を発生させることができる気流発生装置に関する。
流体機器や流体機器システムにおける動力低減は、省エネルギの観点から重要性が高まっている。また、流体機器や流体機器システムに起因する振動や騒音の抑制は、プラントの安全性確保、作業環境向上の観点から非常に重要である。
発明者らは、気体の一部をプラズマ化させ、このプラズマの作用により気流を発生させて、流れを制御する気流発生装置を発明し、その効果を確認した(例えば、特許文献1−2参照。)。
この気流発生装置によれば、平板上に非常に薄い層状の誘起気流を適宜制御しながら発生させることが可能である。また、この発生した誘起気流により、流れの境界層の速度分布を変化させたり、層流から乱流への遷移を強制的に引き起こしたり、渦を発生または消滅させたりするなどの気流制御を実現することができる。そのため、種々の産業機器の革新的要素技術として、この気流発生装置を利用できる可能性がある。
上記した気流発生装置は、少なくとも一対の電極(第1の電極、第2の電極)を誘電体を介して対設させて備えている。この気流発生装置では、第1の電極(放電電極)と第2の電極(対向電極)との間に、例えば1〜10kV程度の電圧を印加すると、これらの電極間の誘電体の近くの空気がイオン化されて、第1の電極(放電電極)側から第2の電極(対向電極)に誘電体の表面に沿った気流を発生させることができる。
特開2007−317656号公報 特開2008−1354号公報
上記した従来の気流発生装置において、雨天での屋外使用時等では、気流発生装置の誘電体の表面に水滴が付着する。この水滴も誘電体として機能するため、気流発生装置の誘電体の表面に水滴が付着すると、水滴の分布によって電界分布が変化する。そのため、第1の電極の長手方向、すなわち誘起気流を発生させる方向と垂直な方向に一様な電界強度分布を維持することができなくなる。これによって、第1の電極の長手方向に亘って誘起気流の流速が不均一となり、均一な速度分布を有する誘起気流を発生させることができないことがある。
そこで、本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、表面側に位置する誘電体の表面に水滴が付着した場合においても、一様な電界強度分布を維持して、均一な速度分布を有する誘起気流を発生させることができる気流発生装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の一態様によれば、固体からなる誘電体と、前記誘電体の一方の表面または表面近傍に設けられた第1の電極と、前記誘電体の他方の表面または表面近傍に、前記第1の電極に対設された第2の電極と、前記誘電体の一方の表面上の、前記第1の電極の前記第2の電極側となる端縁に対応する位置から前記第2の電極側の方向に所定の幅を有して形成され、付着した水滴を均一な厚さの液層とする、親水性材料または多孔質材料からなる均一液層形成層と、前記均一液層形成層の前記第2の電極側の方向の端縁に沿って形成された疎水性層とを備え、前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して、前記誘電層の一方の表面近傍の気体の一部をプラズマ化することにより気流を発生させることを特徴とする気流発生装置が提供される。
本発明の気流発生装置によれば、表面側に位置する誘電体の表面に水滴が付着した場合においても、一様な電界強度分布を維持して、均一な速度分布を有する誘起気流を発生させることができる。
本発明に係る第1の実施の形態の気流発生装置の断面を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態の気流発生装置の断面を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態の気流発生装置に疎水性層を備えた場合の、気流発生装置の断面を示す図である。 本発明に係る第1の実施の形態の気流発生装置に疎水性層を備えた場合の、気流発生装置を上方から見たときの平面図である。 本発明に係る第2の実施の形態の気流発生装置の断面を示す図である。 均一液層形成層を有する気流発生装置を上方から見たときの図である。 均一液層形成層を有しない気流発生装置を上方から見たときの図である。 均一液層形成層を有する気流発生装置における誘起気流の速度分布の測定結果を示す図である。 均一液層形成層を有しない気流発生装置における誘起気流の速度分布の測定結果を示す図である。
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1および図2は、本発明に係る第1の実施の形態の気流発生装置10の断面を示す図である。
図1に示すように、気流発生装置10は、固体からなる誘電体20と、誘電体20の一方の表面に設けられた第1の電極30と、誘電体20の他方の表面近傍に、第1の電極30に対設された第2の電極31と、誘電体20の一方の表面上に形成された均一液層形成層40とを備えている。
誘電体20は、例えば、樹脂材料やセラミックス材料などの誘電材料で構成される。樹脂材料としては、例えば、次に示す熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、芳香族樹脂等から選択された樹脂材料で構成される。選択される樹脂材料として、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリケトン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
また、セラミックス材料としては、窒化アルミ、アルミナ、ジルコニア、ハフニア、チタニア、シリカなどを主成分としたセラミックス材料などが挙げられる。なお、セラミックス材料を使用する場合、誘電体20の表面に付着した水滴が含浸して、気流発生装置10の絶縁耐力が低下するのを防止するために、例えば、気孔率が10%以下の緻密質からなるセラミックス材料を使用することが好ましい。
第1の電極30は、誘電体20の一方の表面に設けられ、第2の電極31は、誘電体20の他方の表面近傍に埋設され、かつ第1の電極30に対設されている。ここで、図1に示された一例では、第1の電極30の一方の表面が誘電体20の一方の表面から突出するように配置されているが、第1の電極30が誘電体20に埋設されるように構成されても、また、第1の電極30の一方の表面が誘電体20の一方の表面と同一平面となるように構成されてもよい。また、図1に示された一例では、第2の電極31が、誘電体20に埋設されるように構成されているが、例えば、気流発生装置10を誘電体材料で構成された部位に設置する場合には、第2の電極31の一方の表面が誘電体20の他方の表面から突出するように配置されても、第2の電極31の一方の表面が誘電体20の他方の表面と同一平面となるように構成されてもよい。また、第1の電極30と第2の電極31とは、直接接触することなく誘電体20を介在させて配設されている。
第1の電極30および第2の電極31は、気流発生装置10が使用される環境に応じて、公知の導電性の材料から適宜に選択される。第1の電極30および第2の電極31は、例えば、銅箔などを用いることができる。また、第1の電極30および第2の電極31として、例えば、ステンレス、インコネル(商品名)、ハステロイ(商品名)、チタン、白金、タングステン、モリブデン、ニッケル、銅、金、銀、すず、クロム等の金属や、これらの金属元素を主成分とする合金、カーボンナノチューブ、導電性セラミックス等の無機良導電体や、導電性プラスチック等の有機良導電体等を使用する環境下に応じて使用することもできる。
特に、インコネル、ハステロイ、チタン等の耐熱または耐腐食性金属を導電体に用いた場合には、高温多湿、酸化性等の高腐食雰囲気においても長期間使用することができる電極を実現することができる。また、金属でなく導電性プラスチックを導電体に用いた場合には、製造コストを大幅に削減できるだけでなく、加工性がよくなり、複雑曲面等の複雑形状の気流発生装置が実現できる。
均一液層形成層40は、例えば、誘電体20の一方の表面上に設けられ、付着した水滴を均一な厚さの液層とするものである。具体的には、均一液層形成層40は、図1に示すように、誘電体20の一方の表面上の、少なくとも、第1の電極30の第2の電極31側となる端縁30aに対応する位置に沿って形成されることが好ましい。そして、図1に示すように、均一液層形成層40は、誘電体20の一方の表面上において、第1の電極30の端縁30aに対応する位置から第2の電極31側の方向に所定の幅Lを有して形成されることが好ましい。
均一液層形成層40の所定の幅Lは、0より大きければ、第1の電極30の長手方向、すなわち誘起気流を発生させる方向と垂直な方向に一様な電界強度分布を維持することができるという効果は得られるが、特に、放電が生じる領域に均一液層形成層40が形成されていることが好ましい。例えば、均一液層形成層40の所定の幅Lを、第1の電極30の端縁30aに対応する位置から、第2の電極31の、第1の電極30側の端縁31aと対向する端縁31bに対応する位置までの幅L1に設定することが好ましい。
また、均一液層形成層40は、第1の電極の表面上に設けられてもよい。この場合、均一液層形成層40は、第1の電極30の表面上の、少なくとも、第2の電極31側となる端縁に沿って形成される。このように、均一液層形成層40を、第1の電極30の表面上の、少なくとも、第2の電極31側となる端縁に沿って形成することで、第1の電極30の長手方向、すなわち誘起気流を発生させる方向と垂直な方向に一様な電界強度分布を維持することができる。例えば、均一液層形成層40は、第1の電極30の表面上の、第2の電極31側となる一方の端縁30aから、これに対向する他方の端縁30b側の方向に所定の幅を有して形成されてもよい。また、図2に示すように、均一液層形成層40は、第1の電極30の表面上の一面に形成されてもよい。なお、均一液層形成層40は、誘電体の一方の表面上および第1の電極の表面上の双方に形成されてもよい。
この均一液層形成層40は、例えば、親水性材料で形成される。親水性材料としては、例えば、光触媒などが挙げられる。この光触媒として、例えば、紫外線により励起される酸化チタン(TiO)、チタンアパタイトなどが挙げられる。また、触媒として、例えば、アニオンドープ酸化チタン、色素増感型酸化チタンなどの可視光応答性を有する酸化チタンを使用してもよい。このように、均一液層形成層40を酸化チタンで形成し、酸化チタンを紫外線や可視光などで光励起することで、水が水酸基の形で表面に吸着されて親水性を有する。
なお、上記した光触媒を用いる場合には、紫外線や可視光が必要となるが、気流発生装置10を作動させ放電させたときに、紫外線や可視光が発生し、触媒機能、換言すれば、親水性機能を発揮することができる。そもため、曇の日、日陰、夜等においても、放電による空気中の窒素分子等の励起光によって光触媒機能を発揮させることができる。
また、親水性材料として、ガラス等の無機質材料、ポリウレタン樹脂や親水性アクリル樹脂などの樹脂材料を使用してもよい。また、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等をプラズマで表面処理することで親水性が得られるため、ポリエチレン、ポリプロピレン、テフロン(登録商標)等で、誘電体の一方の表面上に層を形成し、この層をプラズマで表面処理して均一液層形成層40を構成してもよい。
上記した親水性材料上に液滴を置いた際の接触角が10度以下となる親水性材料を使用することが好ましい。接触角が10度以下となるのが好ましいのは、水との接触角が10度以下になると、均一液層を形成する効果以外に、セルフクリーニング効果が顕著になり、雨によって汚れが洗い流され、汚れが付着しないからである。
また、親水性材料からなる均一液層形成層40の厚さは、1nm〜1mmでることが好ましい。この範囲が好ましいのは、均一液層形成層40の厚さが1nmより薄い場合には、表面に物体が接触することにより損傷を受けるからであり、均一液層形成層40の厚さが1mmより厚い場合には、衝撃によるせん断力や熱応力により剥離しやすいからである。
また、表面に付着した水滴を均一な厚さの液層とするという観点から、均一液層形成層40は、例えば、多孔質材料で構成されてもよい。多孔質材料は、例えば、窒化アルミ、アルミナ、ジルコニア、ハフニア、チタニア、シリカなどのセラミックス材料、または、次に示す熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、芳香族樹脂等から選択された樹脂材料で構成される。選択される樹脂材料として、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリフェニレンスルフィド、ポリフェニレンエーテル、ポリプロピレン、メタクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリアミノビスマレイミド、ポリケトン、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
また、多孔質材料の気孔率は、1〜20%であることが好ましい。この範囲が好ましいのは、気孔率が1%より小さい場合には、均一液層形成層40上の水滴を斑なく含浸することが困難であり、気孔率が20%より大きい場合には、均一液層形成層40が剥離したり、均一液層形成層40の機械的強度が低下するからである。
また、多孔質材料からなる均一液層形成層40の厚さは、1nm〜1mmであることが好ましい。この範囲が好ましいのは、均一液層形成層40の厚さが1nmより薄い場合には、表面への物体の接触により損傷をうけるからであり、均一液層形成層40の厚さが1mmより厚い場合には、衝撃によるせん断力や熱応力により剥離しやすいからである。
このように均一液層形成層40を設けることで、均一液層形成層40の表面に水滴が付着した場合でも、均一液層形成層40の表面に均一な厚さの液層を構成することができる。これによって、誘起気流が発生する領域の、第1の電極30の長手方向、すなわち誘起気流を発生させる方向と垂直な方向に一様な電界強度分布を維持することができる。そのため、第1の電極30の長手方向に亘って均一な速度分布を有する誘起気流を発生させることができる。また、特に、均一液層形成層40を親水性材料で構成した場合、均一液層形成層40の表面に形成される、付着した水滴による液層は、例えば、100μm程度の薄い層であるため、この液層の表面に沿って流れる主流によって乾燥され、液層は消滅しやすい。そのため、連続的に水滴が付着するような場合でないときには、水滴が付着することによって生じる放電の阻害等を抑制する効果も得られる。
次に、誘電体20の一方の表面上に均一液層形成層40を形成する方法について説明する。
まず、セラミックス材料で構成される誘電体20の一方の表面上に、酸化チタンなどの光触媒からなる均一液層形成層40を形成する場合について説明する。
溶媒である水に、酸化チタンの微細粉体を添加してスラリーを作製する。ここで、添加される酸化チタンの粒径は、6〜200nmであることが好ましい。この範囲の粒径が好ましいのは、粒径が6nmより小さい場合には、微細粒子を精製するために工程が複雑になり作製コストが増大するからであり、粒径が200nmより大きい場合には、比表面積の低下により光触媒機能が低下するからである。また、スラリーに含有される酸化チタンの含有量は、10〜50体積%であることが好ましい。この範囲の含有量が好ましいのは、含有量が10体積%より小さい場合には、光触媒の含有量が少ないため均質に表面を覆う層を形成することができないからであり、含有量が50体積%より大きい場合には、粘性が高くなり均質な層を塗布することが困難となるからである。
続いて、誘電体20の一方の表面上に、スラリーを塗布し乾燥させる。乾燥後、例えば、300〜500℃の温度で1〜30時間熱処理して均一液層形成層40を形成する。
次に、樹脂材料で構成される誘電体20の一方の表面上に、酸化チタンなどの光触媒からなる均一液層形成層40を形成する場合について説明する。
アルコール等の低沸点の溶剤に、上記した粒径範囲の酸化チタンの微細粒子を添加したスラリーを作製する。なお、スラリーに含有される酸化チタンの含有量は、上記した範囲と同じである。
続いて、誘電体20の一方の表面上に、スラリーを塗布し乾燥させて、均一液層形成層40を形成する。
次に、誘電体20の一方の表面上に、ガラスなどの無機質材料や樹脂材料からなる均一液層形成層40を形成する場合について説明する。
誘電体20の一方の表面上に、ガラスや樹脂材料からなる薄膜を接合することで均一液層形成層40を形成する。接合は、例えば、加熱加圧や、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、フェノール系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、塩化ビニル系接着剤などの接着剤を用いて行うことができる。また、接着剤中に、難燃性接着剤を配合すれば、電圧印加時に万一絶縁破壊が生じても焼損を避けることができる。また、ガラスや樹脂材料を誘電体20の一方の表面上に溶射することで均一液層形成層40を形成してもよい。
次に、誘電体20の一方の表面上に、多孔質材料からなる均一液層形成層40を形成する場合について説明する。
多孔質材料がセラミックス材料で構成される場合には、例えば、溶射や電子ビーム物理蒸着(EB−PVD)により、誘電体20の一方の表面上に、多孔質材料からなる均一液層形成層40を形成する。この場合、第1の電極30の表面にマスキング(テープ等)することが好ましい。また、溶射やEB−PVDは、誘電体20の融点以下の温度条件で実施される。また、他の方法として、セラミックス材料で構成された多孔質板を、誘電体20の一方の表面上に、例えば、ハンダ、ろう材、拡散接合法などを用いて接合してもよい。
また、多孔質材料が樹脂材料で構成される場合には、多孔質材料として、例えば、内部に多くの気孔を有する発泡樹脂などを使用することができる。多孔質材料として、具体的には、例えば、ウレタンフォーム、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリスチレンなどを使用することができる。これらの樹脂材料からなる多孔質板を、誘電体20の一方の表面上に、例えば、エポキシ系接着剤、シリコーン系接着剤、ポリアミド系接着剤、ポリイミド系接着剤、フェノール系接着剤、アクリル系接着剤、ウレタン系接着剤、クロロプレンゴム系接着剤、塩化ビニル系接着剤などの接着剤を用いて接合して均一液層形成層40を形成する。
上記したように作製された気流発生装置10において、雨などの水滴が均一液層形成層40の表面に付着した場合、付着した水滴は均一な厚さの液層となる。そして、気流発生装置10の第1の電極30と第2の電極31との間にケーブルを介して放電用電源によって所定の電圧を印加することで、バリア放電が生じ、低温プラズマが生成され、誘電体20の一方の表面上、具体的には均一液層形成層40上に、第1の電極30の長手方向に亘って均一な速度分布を有する誘起気流が生じる。
上記したように、第1の実施の形態の気流発生装置10によれば、均一液層形成層40を設けることで、均一液層形成層40の表面に水滴が付着した場合でも、均一液層形成層40の表面に均一な厚さの液層を構成することができる。これによって、誘起気流が発生する領域の、第1の電極30の長手方向、すなわち誘起気流を発生させる方向と垂直な方向に一様な電界強度分布を維持することができる。そのため、第1の電極30の長手方向に亘って均一な速度分布を有する誘起気流を発生させることができる。
なお、第1の実施の形態の気流発生装置10は、上記した構成に限られるものではない。図3は、本発明に係る第1の実施の形態の気流発生装置10に疎水性層50を備えた場合の、気流発生装置10の断面を示す図である。図4は、本発明に係る第1の実施の形態の気流発生装置10に疎水性層50を備えた場合の、気流発生装置10を上方から見たときの平面図である。なお、図4において、均一液層形成層40上に形成された液層を斜線で示している。
図3に示すように、第1の実施の形態の気流発生装置10において、均一液層形成層40の第2の電極31側の方向の端縁40aに沿って、所定の幅を有して疎水性層50を形成してもよい。
疎水性層50としては、例えば、シリコーンなどからなる薄膜を用いることができる。
均一液層形成層40の表面に存在する液層における水量が所定の量を超えると、均一液層形成層40の長手方向の端縁40aや、均一液層形成層40の短手方向の端縁40bから外側に向かって液体が流出する。この際、均一液層形成層40の長手方向の端縁40aから外側に流出した液体は、誘電体20の一方の表面上に液膜を形成する。この液膜は、例えば、分散して誘電体20の一方の表面上に不均一に形成されることがある。このような場合には、誘起気流が発生する領域の、第1の電極30の長手方向、すなわち誘起気流を発生させる方向と垂直な方向に一様な電界強度分布を維持することができない領域が存在することとなる。そのため、第1の電極30の長手方向に亘って均一な速度分布を有する誘起気流を発生させることができないことがある。
そこで、均一液層形成層40の第2の電極31側の方向の端縁40aに沿って疎水性層50を備えることで、図4に示すように、均一液層形成層40の表面に存在する液層における水量が所定の量を超えても、均一液層形成層40の長手方向の端縁40aから外側に流出し難くなり、過剰な液体は均一液層形成層40の短手方向の端縁40bから外側に向かって排出される(図4の矢印)。これによって、均一液層形成層40の長手方向の端縁40aの外側における誘電体20の一方の表面上に液膜は形成されない。そのため、誘起気流が発生する領域の、第1の電極30の長手方向、すなわち誘起気流を発生させる方向と垂直な方向に一様な電界強度分布を維持することができ、第1の電極30の長手方向に亘って均一な速度分布を有する誘起気流を発生させることができる。
(第2の実施の形態)
図5は、本発明に係る第2の実施の形態の気流発生装置11の断面を示す図である。ここで、第2の実施の形態の気流発生装置11は、第1の実施の形態の気流発生装置10に、液体を外部に排出するための溝部60を設けた以外は、第1の実施の形態の気流発生装置10の構成と同じである。なお、第1の実施の形態の気流発生装置10の構成と同一部分には同一の符号を付して重複する説明を省略または簡略する。
溝部60は、第1の電極30の、第2の電極31側となる一方の端縁30aに対向する他方の端縁30b側の近傍における誘電体20の一方の表面に、第1の電極30に沿う方向に形成されている。
誘電体20の一方の表面上を流れる主流が、第1の電極30側から第2の電極31側の方向、すなわち図5において左側から右側へ流れる場合、第1の電極30の上流側から第1の電極30上を通過しようとする液体の一部を溝部60に導くことができる。溝部60に導かれた液体は、溝部60の両端部から外部に排出される。これによって、第1の電極30の表面や誘電体20の一方の表面に導かれる液体量を低下させ、均一液層形成層40の表面に存在する液層における水量が所定の量を超えることを抑制することができる。そのため、均一液層形成層40の表面に存在する液体が、均一液層形成層40の長手方向の端縁40aから外側に流出するのを抑制し、均一液層形成層40の長手方向の端縁40aの外側における誘電体20の一方の表面上に液膜が形成されるのを抑制することができる。これによって、誘起気流が発生する領域の、第1の電極30の長手方向、すなわち誘起気流を発生させる方向と垂直な方向に一様な電界強度分布を維持することができる。そのため、第1の電極30の長手方向に亘って均一な速度分布を有する誘起気流を発生させることができる。
なお、溝部60の内表面に、前述した均一液層形成層40を設けてもよい。これによって、溝部60において液層の広がりを溝部60内に限定することができる。
次に、誘電体20の一方の表面上に均一液層形成層40を形成することで、均一な速度分布が得られることを具体的に説明する。
(速度分布の評価)
ここでは、誘電体20の一方の表面上に、均一液層形成層40を有する場合と、均一液層形成層40を有しない場合とにおける誘起気流の速度分布を比較した。
ここで、均一液層形成層40を有する気流発生装置として、図1に示した第1の実施の形態の気流発生装置10と同様の構成を有するものを使用した。一方、均一液層形成層40を有しない気流発生装置として、図1に示した第1の実施の形態の気流発生装置10において、均一液層形成層40を形成しないものを使用した。
均一液層形成層40を有する気流発生装置において、均一液層形成層40は、アルミナからなる誘電体20の一方の表面上に、酸化チタン光触媒を含んだスラリーを塗布し、300℃の温度で焼成して形成された。形成された均一液層形成層40の厚さは、100μm、均一液層形成層40の幅Lは、2mmであった。
図6は、均一液層形成層40を有する気流発生装置を上方から見たときの図である。図7は、均一液層形成層40を有しない気流発生装置を上方から見たときの図である。なお、図6において、均一液層形成層40上に形成された液層70を斜線で示している。また、図7において、誘電体20の一方の表面上に付着した水滴71を斜線で示している。
これらの気流発生装置の第1の電極30と第2の電極31との間にケーブルを介して放電用電源によって所定の電圧を印加し、バリア放電を発生させ、誘電体20の一方の表面上に誘起気流を発生させた。そして、発生した誘起気流の第1の電極30の長辺方向に亘る速度分布を測定した。誘起気流の速度分布は、熱線流速計によって測定した。
図8は、均一液層形成層40を有する気流発生装置における誘起気流の速度分布の測定結果を示す図である。図9は、均一液層形成層40を有しない気流発生装置における誘起気流の速度分布の測定結果を示す図である。なお、図8および図9において、横軸は、第1の電極30の長手方向に沿う方向の距離、図8および図9中に示したX方向の距離を示している。
図8に示すように、均一液層形成層40を有する気流発生装置では、均一液層形成層40上において、第1の電極30の長手方向に亘って均一な速度分布を有する誘起気流が発生していることがわかった。一方、均一液層形成層40を有しない気流発生装置では、水滴71の影響により、第1の電極30の長手方向に亘って均一な速度分布を有する誘起気流は得られなかった。
以上、本発明を一実施の形態により具体的に説明したが、本発明はこれらの実施の形態にのみ限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。
10…気流発生装置、11…気流発生装置、20…誘電体、30…第1の電極、30a,30b,31a,31b,40a,40b…端縁、31…第2の電極、40…均一液層形成層、50…疎水性層。

Claims (4)

  1. 固体からなる誘電体と、
    前記誘電体の一方の表面または表面近傍に設けられた第1の電極と、
    前記誘電体の他方の表面または表面近傍に、前記第1の電極に対設された第2の電極と、
    前記誘電体の一方の表面上の、前記第1の電極の前記第2の電極側となる端縁に対応する位置から前記第2の電極側の方向に所定の幅を有して形成され、付着した水滴を均一な厚さの液層とする、親水性材料または多孔質材料からなる均一液層形成層と、
    前記均一液層形成層の前記第2の電極側の方向の端縁に沿って形成された疎水性層と
    を備え、
    前記第1の電極と前記第2の電極との間に電圧を印加して、前記誘電層の一方の表面近傍の気体の一部をプラズマ化することにより気流を発生させることを特徴とする気流発生装置。
  2. 前記親水性材料が、光触媒で構成されていることを特徴とする請求項1記載の気流発生装置。
  3. 前記光触媒が、酸化チタンで構成されていることを特徴とする請求項2記載の気流発生装置。
  4. 前記第1の電極の、前記第2の電極側となる一方の端縁に対向する他方の端縁側の近傍における前記誘電体の一方の表面に、液体を外部に排出するための溝部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の気流発生装置。
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