JP5112100B2 - サーボ制御装置 - Google Patents
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Description
門形のコラム03には、クロスレール04が昇降自在(Z方向に沿い移動自在)に配置されている。クロスレール04には、ラム06を備えたサドル05が、Y方向に沿い移動可能に設けられている。
即ち、比例積分演算器104では、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。なお、sは、ラプラス演算子である(なお以降の説明においても「s」はラプラス演算子を示す)。
この場合、電流ループの制御周期が最も短く、速度ループの制御周期は電流ループの制御周期よりも長く、位置ループの制御周期が最も長くなっている。
即ち、図13に示すように、サドル05に、ボールねじ送り部9aのボールねじナット10aが固定連結されており、このボールねじナット10aにボールねじ11aが螺合しており、このボールねじ11aの端部にモータ12aが連結されている。モータ12aにはモータエンコーダ13aが配置されている。
なお図14は、モータ12と負荷(テーブル02)を質点とした2質点系のモデル特性を示しており、図11と同一部分には同一符号を付し重複する説明は省略する。
ブロック12−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12−2からはモータ位置θMが出力される。
反力トルクτLが、ブロック02−2に入力されると、ブロック02−3から負荷位置θLが出力される。
減算部202では、指令トルクτに逆特性補償トルクτgを加算した値から、反力トルクτLを減算した値の指令トルクが、モータ12に入力される。
減算部103では、偏差速度ΔVに逆特性補償速度Vcを加算した値から、モータ速度ωcを減算した値の指令速度を、比例積分演算器104に入力している。
まず、運動方程式から、次式(1),(2)が求められる。
τ−(θM−θL)・(CLs+KL)=(JMS2+DMS)・θM・・・・(1)
(θM−θL)・(CLs+KL)=(JLS2+DLS)・θL ・・・(2)
トルク逆特性モデル210が、式(3)の{ }内の式を伝達関数として有し、指令位置θに、トルク逆特性モデル210の伝達関数を乗算して得た、逆特性補償トルクτgをトルク制御ループに加算し、
速度逆特性モデル210が、式(4)の( )内の式を伝達関数として有し、指令位置θに、速度逆特性モデル211の伝達関数を乗算して得た、逆特性補償速度Vgを速度制御ループに加算する、
というフィードフォワード補償制御をすればよい。
しかも、負荷イナーシャJL、負荷粘性DL、モータ粘性DM、負荷ばね粘性CLは、負荷(テーブル02)の位置や、負荷(テーブル02)の移動速度によって動的に変化する定数であるので、これらの定数を簡単に同定することができない。
したがって、機械定数の同定を正確にできない場合には、フィードフォワード補償制御をしても、精度向上を実現することができない。特に、加減速時に発生する動的誤差をなくして、負荷(テーブル02)の位置を高精度に位置制御することができない。
一方、指令トルクτは、位置ループの制御周期よりも短い速度ループの制御周期で出力される。
したがって、図14に示すように、計算周期(出力周期)の長い逆特性補償トルクτgを、制御周期(出力周期)の短い指令トルクτに加えてフィードフォワード補償制御をしようとした場合、両者の周期が異なるため、逆特性補償トルクτgによる補償量がステップ状の補償量となり、かえって外乱となり位置制御の精度が悪化する恐れがあった。
この問題を解決するには、逆特性補償トルクτgの計算周期(出力周期)を、指令トルクτの制御周期(出力周期)と同じになるように、高速計算をすればよいが、このようにするには高速演算をする演算手段を新たに追加すること等が必要となり、新たな問題が生じる。
つまり、負荷がテーブル02であっても、負荷がサドル05であっても、モータ12(112a)の回転駆動力を、ボールねじ送り部9(9a)により直線運動力に変換して、負荷(テーブル02,サドル05)を駆動する場合には、いずれも、上記の(1)〜(3)の問題が生じる。
前記モータの速度を検出してモータ速度(ωM)を出力するモータ速度検出手段と、
前記負荷の位置を検出して負荷位置(θL)を出力する負荷位置検出手段と、
指令位置(θ)と前記負荷位置(θL)との偏差に応じた偏差速度(ΔV)を求める位置制御ループと、前記偏差速度(ΔV)と前記モータ速度(ωM)との差である指令速度(V)を求める速度制御ループと、前記指令速度(V)を比例積分演算して指令トルク(τ)を出力する比例積分演算器を備え、前記指令トルク(τ)に応じて前記モータの回転制御をする制御部とを備えた、
サーボ制御装置において、
前記指令位置(θ)に補償制御用伝達関数を乗算して得た補償速度を、前記偏差速度(ΔV)に加える逆特性モデルを有しており、
この逆特性モデルは、sを微分演算子、Kvを速度ループゲイン、Tvを積分時定数、JMをモータのイナーシャ、JLを負荷のイナーシャ、DMをモータの粘性、DLを負荷の粘性、KLを負荷のばね剛性、係数a1〜a5を下式で示す値とした場合に、
指令位置(θ)に演算項a1sを乗算して出力する第1微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a2s2を乗算して出力する第2微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a3s3を乗算して出力する第3微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a4s4を乗算して出力する第4微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a5s5を乗算して出力する第5微分項演算部と、
前記第1から第5の微分項演算部から出力される演算結果を加算したものに、{Tv/kv(Tvs+1)}を乗算して前記補償速度とする比例積分逆伝達関数部とを有することを特徴とする。
前記モータの速度を検出してモータ速度(ωM)を出力するモータ速度検出手段と、
前記負荷の位置を検出して負荷位置(θL)を出力する負荷位置検出手段と、
指令位置(θ)と前記負荷位置(θL)との偏差に応じた偏差速度(ΔV)を求める位置制御ループと、前記偏差速度(ΔV)と前記モータ速度(ωM)との差である指令速度(V)を求める速度制御ループと、前記指令速度(V)を比例積分演算して指令トルク(τ)を出力する比例積分演算器を備え、前記指令トルク(τ)に応じて前記モータの回転制御をする制御部とを備えた、
サーボ制御装置において、
前記指令位置(θ)に補償制御用伝達関数を乗算して得た補償速度を、前記偏差速度(ΔV)に加える逆特性モデルを有しており、
この逆特性モデルは、sを微分演算子、Kvを速度ループゲイン、Tvを積分時定数、JMをモータのイナーシャ、JLを負荷のイナーシャ、JBをボールねじ送り部のイナーシャ、DMをモータの粘性、DLを負荷の粘性、DBをボールねじ送り部の粘性、KLを負荷のばね剛性、KBをボールねじ送り部のばね剛性、係数a1〜a7を下式で示す値とした場合に、
指令位置(θ)に演算項a1sを乗算して出力する第1微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a2s2を乗算して出力する第2微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a3s3を乗算して出力する第3微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a4s4を乗算して出力する第4微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a5s5を乗算して出力する第5微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a6s6を乗算して出力する第6微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a7s7を乗算して出力する第7微分項演算部と、
前記第1から第7の微分項演算部から出力される演算結果を加算したものに、{Tv/kv(Tvs+1)}を乗算して前記補償速度とする比例積分逆伝達関数部とを有することを特徴とする。
コラム補償用伝達関数が設定されており、前記指令位置(θ)に前記コラム補償用伝達関数を乗算して得た指令位置を前記制御部に送るコラム補償モデルを有しており、
前記負荷の特性をモデル化した負荷伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式と、前記コラムをモデル化したコラム伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式から、負荷位置を、コラム補償用伝達関数にコラム位置(θc)を乗算したものとした等価式を求め、この等価式に現れるコラム補償用伝達関数を、前記コラム補償モデルに設定していることを特徴とする。
モータ12には、モータ速度ωMを検出して出力するモータエンコーダ13が配置されている。リニアスケール14は、負荷であるテーブル02の位置を示す負荷位置θLを検出して出力する。
ボールねじ駆動機構では、モータ12が回転駆動してボールねじ軸11が回転すると、ボールねじナット10及びこれに固定連結したテーブル02が直線移動する。
そして、この機械系を、制御部100によりサーボ制御(フィードバック制御)することを基本制御としつつ、逆特性モデル300によりフィードフォワード補償制御をするものである。
ブロック12−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12−2からはモータ位置θMが出力される。
反力トルクτLが、ブロック02−2に入力されると、ブロック02−3から負荷位置θLが出力される。
補償速度V300の詳細については後述するが、この補償速度V300を追加(補償)することにより、質点であるモータ12やテーブル02に生ずる「ひずみ」や「たわみ」や「粘性」といった誤差要因を補償して、正確にテーブル02の位置制御(サーボ制御)をすることができる。
即ち、比例積分演算器104では、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。
この場合、電流ループの制御周期が最も短く、速度ループの制御周期は電流ループの制御周期よりも長く、位置ループの制御周期が最も長くなっている。
つまり逆特性モデル300には、各微分項演算部301〜305と、加算部310と、比例積分逆伝達関数部311にそれぞれ設定した演算式により、誤差要因を補償する補償制御用伝達関数が設定されている。
このように、負荷のばね粘性CLを省略して機械系の特性を特定することにより、各係数a1〜a5を決定しているため、各係数の演算式が簡略化でき、制御演算を高速演算することができる。
なお、比例積分逆伝達関数部311に設定した伝達関数{Tv/kv(Tvs+1)}は、制御系の特性によって決定される固定値(一定値)である。
まず、運動方程式から、次式(11),(12)が求められる。
τ−(θM−θL)・(CLs+KL)=(JMS2+DMS)・θM・・・・(11)
(θM−θL)・(CLs+KL)=(JLS2+DLS)・θL ・・・(12)
なお式(11)は、モータ12の特性をモデル化したモータ伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式であり、式(12)は、負荷であるテーブル02の特性をモデル化した負荷伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式である。
指令トルクτを、式(13)の{ }内の式(第1の伝達関数式)でフィードフォワード補償制御をし、指令速度Vを式(14)の( )内の式(第2の伝達関数式)でフィードフォワード補償制御をすればよい。なお式(14)において、θMsはモータ速度ωMと等価である。
ここまでの考え方は、従来技術で示したのと同じである。
式(15)の右辺において、θを除く部分が第3の伝達関数式となる。
指令位置θが負荷位置θLと一致するように補償制御をするには、即ち、θとθLとの誤差を0とするための補償速度V300を、式(15)と式(16)を加えたものにすればよく、下式(17)で示される。
式(17)の右辺のうちθを除く部分が第4の伝達関数式である。
式(18),(19)から、各係数a1〜a5を得たのである。
図1に示す逆特性モデル300の変形例である逆特性モデル320を図2に示す。この逆特性モデル320では、各微分項演算部301〜305の微分次数を1次だけ下げる一方で、比例積分逆伝達関数部311の微分次数を1次だけ上げている。
このように、各微分項演算部301〜305の微分次数を1次下げることにより、演算誤差を少なくすることができる。
したがって、逆特性モデル300(320)に設定する補償制御用伝達関数を計算する場合には、上述したように、負荷のばね粘性CLを省いても問題はなく、これにより計算し易く、かつ誤差の少ない補償制御用伝達関数特性を持つ逆特性モデル300(320)にすることができた。
したがって、逆特性モデル330を中心に説明をし、実施例1と同一部分についての説明は省略する。
また逆特性モデル330の他に、テスト信号発生部334を有している。
また比例積分逆伝達関数部311は、実施例1と同様に、比例積分演算部104の伝達関数であるkv{1+(1/Tvs)}の逆伝達関数である{Tv/kv(Tvs+1)}×sのうち、{Tv/kv(Tvs+1)}を伝達関数として有している。そして、微分演算子sは、各係数a1〜a5に、それぞれ割り振っている。
微分係数決定部332は、微分次数判定部331により判定した指令位置θの微分次数に応じて、各微分項演算部301〜305の各演算項a1s、a2s2、a3s3、a4s4、a5s5を決定する。
判定した指令位置θの微分次数が2次であれば、係数a1,a2を決定し、a3〜a5は0とし、
判定した指令位置θの微分次数が3次であれば、係数a1〜a3を決定し、a4,a5は0とし、
判定した指令位置θの微分次数が4次であれば、係数a1〜a4を決定し、a5は0とし、
判定した指令位置θの微分次数が5次であれば、係数a1〜a5を決定する。
そして、この機械系を、制御部100によりサーボ制御(フィードバック制御)することを基本制御としつつ、逆特性モデル340によりフィードフォワード補償制御をするものである。
ブロック12−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12−2からはモータ位置θMが出力される。
ブロック9−1は、モータ位置θMとボールねじ位置θBとの偏差(θM−θB)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクとテーブル02からの反力トルクの差が、ブロック9−2に入力されると、ブロック9−3からボールねじ位置θBが出力される。
ブロック02−1は、ボールねじ位置θBと負荷位置θLとの偏差(θB−θL)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクが、ブロック02−2に入力されると、ブロック02−3から負荷位置θLが出力される。
補償速度V340の詳細については後述するが、この補償速度V340を追加(補償)することにより、質点であるモータ12やテーブル02やボールねじ送り部9に生ずる「ひずみ」や「たわみ」や「粘性」といった誤差要因を補償して、正確にテーブル02の位置制御(サーボ制御)をすることができる。
即ち、比例積分演算器104では、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。
つまり逆特性モデル300には、各微分項演算部301〜307と、加算部310と、比例積分逆伝達関数部311にそれぞれ設定した演算式により、誤差要因を補償する補償制御用伝達関数特性が設定されている。
このように、負荷のばね粘性CLと、ボールねじ送り部のばね粘性CBを省略して機械系の特性を特定することにより、各係数a1〜a7を決定しているため、各係数の演算式が簡略化でき、制御演算を高速演算することができる。
なお、比例積分逆伝達関数部311に設定した伝達関数{Tv/kv(Tvs+1)}×Sは、制御系の特性によって決定される固定値(一定値)である。
実施例1の機械系モデルの場合と同様、このままでは各微分次数に分離することができないが、精度に影響の少ないCL項及びCB項を式(27)から削除すると式(28)が得られる。
式(27),(28)から、各係数a1〜a7を得たのである。
そして、この機械系を、制御部100aによりサーボ制御(フィードバック制御)することを基本制御としつつ、逆特性モデル320とコラム補償モデル400によりフィードフォワード補償制御をするものである。
ブロック12a−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12a−2からはモータ位置θMが出力される。
ブロック05−1は、モータ位置θMと負荷位置θLとの偏差(θM−θL)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクが、ブロック05−2に入力されると、ブロック05−3から負荷位置θLが出力される。
逆特性モデル320は、図2に示すものと同様である。
即ち、比例積分演算器104aでは、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。
図6に示す機械系モデルにおいて、CL項を削除した運動方程式は式(32),(33),34)で表される。
そして、式(33),(34)より式(35)が得られる。
このとき、θc=θとしたいため、負荷位置θLは、式(35)に従い、わざと指令位置θからずらす。
図7(a)に示すようにコラム補償をしない場合には、加速時誤差が8.5μmで、振動誤差が21μmであったものが、図7(b)に示すようにコラム補償をすることにより、加速時誤差が0.5μmで、振動誤差が4μmに減少したことを確認した。
そして、この機械系を、制御部100aによりサーボ制御(フィードバック制御)することを基本制御としつつ、逆特性モデル340とコラム補償モデル400によりフィードフォワード補償制御をするものである。
ブロック12a−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12a−2からはモータ位置θMが出力される。
ブロック9−1は、モータ位置θMとボールねじ位置θBとの偏差(θM−θB)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクとサドル05からの反力トルクの差が、ブロック9−2に入力されると、ブロック9−3からボールねじ位置θBが出力される。
ブロック05−1は、ボールねじ位置θBと負荷位置θLとの偏差(θB−θL)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクが、ブロック05−2に入力されると、ブロック05−3から負荷位置θLが出力される。
逆特性モデル340は、図5に示すものと同様である。
即ち、比例積分演算器104aでは、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。
このコラム補償モデル400は、図6に示すのと同じである。
この減算部101には、フィードバック補償モデル500にて、指令位置θを補償した補償指令位置θhが入力され、補償指令位置θhとモータ位置θMとの偏差より偏差速度ΔVを求めている。
セミクローズドループ制御の場合、モータ位置θMをフィードバックするため、モータ位置θMと負荷位置θLとの差分を計算して、指令位置θからずらす必要がある。
モータ位置と負荷位置との運動方程式は式(41)にて示され、この式(41)から式(42)が得られる。
負荷位置θL=指令位置θ、としたいためモータ位置θMは、式(42)にしたがい、わざと指令位置θからずらしている。
なお、逆特性モデル320は、図2に示すものと同じである。
更に、減算部101では、フィードバック補償モデル510とフィルタ補償モデル520にて指令位置θを補償した信号θaが減算されるようになっている。
結局、補償指令位置θhから、θFとθaを減算することにより、偏差速度ΔVを求めている。
フィードバック補償モデル500は、図9に示すものと同じである。
このように、フィードバック補償モデル510とフィルタ補償モデル520にて指令位置θを補償した信号θaを減算することにより、デュアルサーボ制御であっても、モータ12の動きを、フルクローズドループ制御と同様にすることができる。
デュアルサーボ制御の場合、モータ位置θMと負荷位置θLとの差分をフィルタ610を通してフィードバックするため、負荷位置θLとの差分を計算して、指令位置θからずらす必要がある。
モータ位置と負荷位置との運動方程式は式(51),(52)にて示され、この式(51),(52)から式(53)が得られる。
負荷位置θL=指令位置θ、としたいためフィードバック位置θFは、式(53)にしたがい、わざと指令位置θからずらしている。
なお、逆特性モデル320は、図2に示すものと同じである。
02 テーブル
03 コラム
04 クロスレール
05 サドル
06 ラム
9,9a ボールねじ送り部
10,10a ボールねじナット
11,11a ボールねじ軸
12,12a モータ
13,13a モータエンコーダ
14,14a リニアスケール
100,100a 制御部
300,320,330,340 逆特性モデル
301〜307 微分項演算部
310 加算部
311 比例積分逆伝達関数部
400 コラム補償モデル
500,510 フィードバック補償モデル
Claims (7)
- モータの回転運動をボールねじ送り部により直線運動に変換して負荷を直線移動させる工作機械に、
前記モータの速度を検出してモータ速度(ωM)を出力するモータ速度検出手段と、
前記負荷の位置を検出して負荷位置(θL)を出力する負荷位置検出手段と、
指令位置(θ)と前記負荷位置(θL)との偏差に応じた偏差速度(ΔV)を求める位置制御ループと、前記偏差速度(ΔV)と前記モータ速度(ωM)との差である指令速度(V)を求める速度制御ループと、前記指令速度(V)を比例積分演算して指令トルク(τ)を出力する比例積分演算器を備え、前記指令トルク(τ)に応じて前記モータの回転制御をする制御部とを備えた、
サーボ制御装置において、
前記指令位置(θ)に補償制御用伝達関数を乗算して得た補償速度を、前記偏差速度(ΔV)に加える逆特性モデルを有しており、
この逆特性モデルは、sを微分演算子、Kvを速度ループゲイン、Tvを積分時定数、JMをモータのイナーシャ、JLを負荷のイナーシャ、DMをモータの粘性、DLを負荷の粘性、KLを負荷のばね剛性、係数a1〜a5を下式で示す値とした場合に、
指令位置(θ)に演算項a1sを乗算して出力する第1微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a2s2を乗算して出力する第2微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a3s3を乗算して出力する第3微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a4s4を乗算して出力する第4微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a5s5を乗算して出力する第5微分項演算部と、
前記第1から第5の微分項演算部から出力される演算結果を加算したものに、{Tv/kv(Tvs+1)}を乗算して前記補償速度とする比例積分逆伝達関数部とを有することを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項1において、第1から第5の微分項演算部の微分次数が1次下がっており、前記比例積分逆伝達関数部の微分次数が1次上がっていることを特徴とするサーボ制御装置。
- モータの回転運動をボールねじ送り部により直線運動に変換して負荷を直線移動させる工作機械に、
前記モータの速度を検出してモータ速度(ωM)を出力するモータ速度検出手段と、
前記負荷の位置を検出して負荷位置(θL)を出力する負荷位置検出手段と、
指令位置(θ)と前記負荷位置(θL)との偏差に応じた偏差速度(ΔV)を求める位置制御ループと、前記偏差速度(ΔV)と前記モータ速度(ωM)との差である指令速度(V)を求める速度制御ループと、前記指令速度(V)を比例積分演算して指令トルク(τ)を出力する比例積分演算器を備え、前記指令トルク(τ)に応じて前記モータの回転制御をする制御部とを備えた、
サーボ制御装置において、
前記指令位置(θ)に補償制御用伝達関数を乗算して得た補償速度を、前記偏差速度(ΔV)に加える逆特性モデルを有しており、
この逆特性モデルは、sを微分演算子、Kvを速度ループゲイン、Tvを積分時定数、JMをモータのイナーシャ、JLを負荷のイナーシャ、JBをボールねじ送り部のイナーシャ、DMをモータの粘性、DLを負荷の粘性、DBをボールねじ送り部の粘性、KLを負荷のばね剛性、KBをボールねじ送り部のばね剛性、係数a1〜a7を下式で示す値とした場合に、
指令位置(θ)に演算項a1sを乗算して出力する第1微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a2s2を乗算して出力する第2微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a3s3を乗算して出力する第3微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a4s4を乗算して出力する第4微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a5s5を乗算して出力する第5微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a6s6を乗算して出力する第6微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a7s7を乗算して出力する第7微分項演算部と、
前記第1から第7の微分項演算部から出力される演算結果を加算したものに、{Tv/kv(Tvs+1)}を乗算して前記補償速度とする比例積分逆伝達関数部とを有することを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項3において、第1から第7の微分項演算部の微分次数が1次下がっており、前記比例積分逆伝達関数部の微分次数が1次上がっていることを特徴とするサーボ制御装置。
- 請求項1乃至請求項4の何れか一項において、
前記負荷位置(θL)の代わりにモータ位置(θM)を用いることを特徴とするサーボ制御装置。 - 請求項1乃至請求項5の何れか一項において、
前記モータと前記ボールねじ送り部と前記負荷がコラムに取り付けられていると共に、
コラム補償用伝達関数が設定されており、前記指令位置(θ)に前記コラム補償用伝達関数を乗算して得た指令位置を前記制御部に送るコラム補償モデルを有しており、
前記負荷の特性をモデル化した負荷伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式と、前記コラムをモデル化したコラム伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式から、負荷位置を、コラム補償用伝達関数にコラム位置(θc)を乗算したものとした等価式を求め、この等価式に現れるコラム補償用伝達関数を、前記コラム補償モデルに設定している、
ことを特徴とするサーボ制御装置。
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