JP5112100B2 - サーボ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、サーボ制御装置に関し、工作機械において、モータの回転運動をボールねじ送り部により直線運動に変換して、負荷(テーブルやサドル)を直線移動させる場合に、制御系を簡単にしつつ、負荷の位置を正確にサーボ制御することができるように工夫したものである。
工作機械の概要を図11を参照して説明する。同図に示すように、ベッド01上にテーブル02が配置されており、テーブル02はベッド01上でX方向に沿い移動可能に設けられている。
門形のコラム03には、クロスレール04が昇降自在(Z方向に沿い移動自在)に配置されている。クロスレール04には、ラム06を備えたサドル05が、Y方向に沿い移動可能に設けられている。
テーブル02のX方向移動は、ボールねじ駆動機構により行なわれるようになっている。また、ラム06を備えたサドル05のY方向移動も、コラム03に設置した別のボールねじ駆動機構により行なわれるようになっている。この場合、テーブル02やサドル05の位置及び速度は、高精度に制御することが要求されている。
図12は、テーブル02を駆動するボールねじ駆動制御系を示す。同図に示すように、テーブル02にはボールねじナット10が固定連結されており、このボールねじナット10にはボールねじ軸11が螺合している。ボールねじ軸11の一端にはモータ(サーボモータ)12が連結されている。なお、ボールねじナット10とボールねじ軸11により、ボールねじ送り部9が形成されている。
モータ12には、モータ速度ωMを検出して出力するモータエンコーダ13が配置されている。リニアスケール14は、負荷であるテーブル02の位置を示す負荷位置θLを検出して出力する。
ボールねじ駆動機構では、モータ12が回転駆動してボールねじ軸11が回転すると、ボールねじナット10及びこれに固定連結したテーブル02が直線移動する。
制御部100は、減算部101と、乗算器102と、減算部103と、比例積分演算器104を有している。
減算部101は、指令位置θと負荷位置θLとの差である偏差位置Δθを出力する。乗算器102は、偏差位置Δθに位置ループゲインkPを乗算して偏差速度ΔVを出力する。減算部103は、偏差速度ΔVとモータ速度ωMとの差である指令速度Vを出力する。
比例積分演算器104は、指令速度Vを比例積分演算して指令トルクτを出力する。
即ち、比例積分演算器104では、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。なお、sは、ラプラス演算子である(なお以降の説明においても「s」はラプラス演算子を示す)。
モータ12は、電流制御器(図示省略)から指令トルクτに応じた電流が供給されて回転駆動する。この場合、図示は省略するが、指令トルクτに応じた電流値になるように、電流のフィードバック制御を行なっている。
このように、テーブル02を駆動するボールねじ駆動機構を制御する制御部100は、位置ループをメインループとし、速度ループと電流ループをマイナーループとした3重のループによってフィードバック制御をしている。
この場合、電流ループの制御周期が最も短く、速度ループの制御周期は電流ループの制御周期よりも長く、位置ループの制御周期が最も長くなっている。
図12は、テーブル02をX方向に沿い駆動するボールねじ駆動制御系であるが、サドル05をY方向に沿い駆動するボールねじ駆動制御系も、同様な構成となっている。
即ち、図13に示すように、サドル05に、ボールねじ送り部9aのボールねじナット10aが固定連結されており、このボールねじナット10aにボールねじ11aが螺合しており、このボールねじ11aの端部にモータ12aが連結されている。モータ12aにはモータエンコーダ13aが配置されている。
そして、図12と同様に、制御部100aは、減算部101a,乗算器102a,減算部103a,比例積分演算器104aを有しており、位置ループをメインループとし、速度ループと電流ループをマイナーループとした3重のループによってフィードバック制御をしている。
ところで高速高精度加工用の工作機械、特に大型の工作機械では、各部分(モータや、テーブルやサドル等の負荷や、ボールねじナットとボールねじ軸からなるボールねじ送り部)に発生する「ひずみ」や「ねじれ」や「たわみ」や「粘性」といった精度阻害要因により、位置精度に悪影響を及ぼしてしまう。
そこで、各部分をモデル化し、そのモデルの逆特性をもった伝達関数を用いてフィードフォワード補償することにより、精度を向上することが考えられている。
図14は、テーブル02を負荷として、この負荷(テーブル02)をボールねじ駆動機構により駆動制御をするボールねじ駆動制御系において、フィードフォワード補償をした、従来例を示す。
なお図14は、モータ12と負荷(テーブル02)を質点とした2質点系のモデル特性を示しており、図11と同一部分には同一符号を付し重複する説明は省略する。
図14において、モータ12の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック12−1とブロック12−2とで示される。なお、JMはモータイナーシャを示し、DMはモータ粘性を示す。
ブロック12−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12−2からはモータ位置θMが出力される。
また負荷であるテーブル02の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック02−1とブロック02−2とブロック02−3とで示される。なお、JLは負荷(テーブル)のイナーシャを示し、DLは負荷(テーブル)の粘性を示し、CLは負荷(テーブル)のばね粘性を示し、KLは負荷(テーブル)のばね剛性を示す。
減算部201は、モータ位置θMと負荷位置θLとの偏差(θM−θL)を求める。ブロック02−1は、偏差(θM−θL)が入力されると、反力トルクτLを出力する。
反力トルクτLが、ブロック02−2に入力されると、ブロック02−3から負荷位置θLが出力される。
トルク逆特性モデル210は、逆特性補償トルクτgを出力する。詳細は後述するが、トルク逆特性モデル210は、トルク制御系の誤差をフィードフォワード補償する伝達関数特性を有しており、逆特性補償トルクτgにより、トルク制御系のフィードフォワード補償制御をする。
減算部202では、指令トルクτに逆特性補償トルクτgを加算した値から、反力トルクτLを減算した値の指令トルクが、モータ12に入力される。
速度逆特性モデル211は、逆特性補償速度Vgを出力する。詳細は後述するが、速度逆特性モデル211は、速度制御系の誤差をフィードフォワード補償する伝達関数特性を有しており、逆特性補償速度Vgにより、速度制御系のフィードフォワード補償制御をする。
減算部103では、偏差速度ΔVに逆特性補償速度Vcを加算した値から、モータ速度ωcを減算した値の指令速度を、比例積分演算器104に入力している。
ここで、トルク逆特性モデル210の伝達関数特性と、速度逆特性モデル211の伝達関数特性が、どのようなものであれば、トルク制御系のフィードフォワード補償制御及び速度制御系のフィードフォワード補償制御ができるかを説明する。
図14に示す機械系モデルにおいて、トルク及び速度の逆特性モデルの伝達関数は、次のようにして計算できる。
まず、運動方程式から、次式(1),(2)が求められる。
τ−(θM−θL)・(CLs+KL)=(JM2+DMS)・θM・・・・(1)
(θM−θL)・(CLs+KL)=(JL2+DLS)・θL ・・・(2)
上記(1),(2)式より、次の(3),(4)式が得られる。なお式(4)において、θMSはモータ速度ωMと等価である。
Figure 0005112100
誤差0で負荷(テーブル02)を動かすためには、指令位置θが負荷位置θLと一致するように補償制御をすればよい。即ち、θ=θLとなるように補償制御をすればよい。このように、θ=θLとするためには、
トルク逆特性モデル210が、式(3)の{ }内の式を伝達関数として有し、指令位置θに、トルク逆特性モデル210の伝達関数を乗算して得た、逆特性補償トルクτgをトルク制御ループに加算し、
速度逆特性モデル210が、式(4)の( )内の式を伝達関数として有し、指令位置θに、速度逆特性モデル211の伝達関数を乗算して得た、逆特性補償速度Vgを速度制御ループに加算する、
というフィードフォワード補償制御をすればよい。
特許第2810246号 特許第3351990号 特許第3297643号
ところで、図14に示す従来技術では次のような課題があった。
(1)トルク逆特性モデル210や速度逆特性モデル211に設定する、フィードフォワード補償制御用の伝達関数は、機械定数(イナーシャ、粘性、ばね粘性)を同定して設定している。しかし、機械定数の同定を正確に行なうことは実際的には難しい。
しかも、負荷イナーシャJL、負荷粘性DL、モータ粘性DM、負荷ばね粘性CLは、負荷(テーブル02)の位置や、負荷(テーブル02)の移動速度によって動的に変化する定数であるので、これらの定数を簡単に同定することができない。
したがって、機械定数の同定を正確にできない場合には、フィードフォワード補償制御をしても、精度向上を実現することができない。特に、加減速時に発生する動的誤差をなくして、負荷(テーブル02)の位置を高精度に位置制御することができない。
(2)トルク逆特性モデル210は、指令位置θを受けて、逆特性補償トルクτgを出力するものであるので、逆特性補償トルクτgの計算周期(出力周期)は、位置ループの制御周期となる。
一方、指令トルクτは、位置ループの制御周期よりも短い速度ループの制御周期で出力される。
したがって、図14に示すように、計算周期(出力周期)の長い逆特性補償トルクτgを、制御周期(出力周期)の短い指令トルクτに加えてフィードフォワード補償制御をしようとした場合、両者の周期が異なるため、逆特性補償トルクτgによる補償量がステップ状の補償量となり、かえって外乱となり位置制御の精度が悪化する恐れがあった。
この問題を解決するには、逆特性補償トルクτgの計算周期(出力周期)を、指令トルクτの制御周期(出力周期)と同じになるように、高速計算をすればよいが、このようにするには高速演算をする演算手段を新たに追加すること等が必要となり、新たな問題が生じる。
(3)図14の例は、モータ12と負荷(テーブル02)を質点とした2質点系の制御であるが、モータ12と負荷(テーブル02)とボールねじ送り部9(ボールねじナット10およびボールねじ軸11)を質点とした3質点系の制御系に対して、フィードフォワード補償制御を実行しようとした場合には、更に複雑な逆特性補償モデルが必要となり、この場合には逆特性補償モデルを設計することは極めて困難である。
(4)なお、図13に示すような、負荷をサドル05として、この負荷(サドル05)をボールねじ駆動機構により駆動制御をするボールねじ駆動制御系において、フィードフォワード補償制御する場合にも、上記と全く同様な問題が生じる。
つまり、負荷がテーブル02であっても、負荷がサドル05であっても、モータ12(112a)の回転駆動力を、ボールねじ送り部9(9a)により直線運動力に変換して、負荷(テーブル02,サドル05)を駆動する場合には、いずれも、上記の(1)〜(3)の問題が生じる。
(5)更に、図13に示すようなボールねじ駆動制御系では、負荷であるサドル05の移動に伴い、コラム03のたわみ(変形)が生じるため、これを原因として位置精度が悪化するという問題もある。
本発明は、上記従来技術に鑑み、逆特性モデルに設定するフィードフォワード補償制御用の伝達関数に使用する機械定数を簡単に同定することができ、しかも、逆特性補償が外乱となることなく精度向上に寄与することができるようにしたサーボ制御装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の構成は、モータの回転運動をボールねじ送り部により直線運動に変換して負荷を直線移動させる工作機械に、
前記モータの速度を検出してモータ速度(ωM)を出力するモータ速度検出手段と、
前記負荷の位置を検出して負荷位置(θL)を出力する負荷位置検出手段と、
指令位置(θ)と前記負荷位置(θL)との偏差に応じた偏差速度(ΔV)を求める位置制御ループと、前記偏差速度(ΔV)と前記モータ速度(ωM)との差である指令速度(V)を求める速度制御ループと、前記指令速度(V)を比例積分演算して指令トルク(τ)を出力する比例積分演算器を備え、前記指令トルク(τ)に応じて前記モータの回転制御をする制御部とを備えた、
サーボ制御装置において、
前記指令位置(θ)に補償制御用伝達関数を乗算して得た補償速度を、前記偏差速度(ΔV)に加える逆特性モデルを有しており、
この逆特性モデルは、sを微分演算子、Kvを速度ループゲイン、Tvを積分時定数、JMをモータのイナーシャ、JLを負荷のイナーシャ、DMをモータの粘性、DLを負荷の粘性、KLを負荷のばね剛性、係数a1〜a5を下式で示す値とした場合に、
指令位置(θ)に演算項a1sを乗算して出力する第1微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a2s2を乗算して出力する第2微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a3s3を乗算して出力する第3微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a4s4を乗算して出力する第4微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a5s5を乗算して出力する第5微分項演算部と、
前記第1から第5の微分項演算部から出力される演算結果を加算したものに、{Tv/kv(Tvs+1)}を乗算して前記補償速度とする比例積分逆伝達関数部とを有することを特徴とする。
Figure 0005112100
また、この場合において、第1から第5の微分項演算部の微分次数が1次下がっており、前記比例積分逆伝達関数部の微分次数が1次上がっていることを特徴とする。
また本発明の構成は、モータの回転運動をボールねじ送り部により直線運動に変換して負荷を直線移動させる工作機械に、
前記モータの速度を検出してモータ速度(ωM)を出力するモータ速度検出手段と、
前記負荷の位置を検出して負荷位置(θL)を出力する負荷位置検出手段と、
指令位置(θ)と前記負荷位置(θL)との偏差に応じた偏差速度(ΔV)を求める位置制御ループと、前記偏差速度(ΔV)と前記モータ速度(ωM)との差である指令速度(V)を求める速度制御ループと、前記指令速度(V)を比例積分演算して指令トルク(τ)を出力する比例積分演算器を備え、前記指令トルク(τ)に応じて前記モータの回転制御をする制御部とを備えた、
サーボ制御装置において、
前記指令位置(θ)に補償制御用伝達関数を乗算して得た補償速度を、前記偏差速度(ΔV)に加える逆特性モデルを有しており、
この逆特性モデルは、sを微分演算子、Kvを速度ループゲイン、Tvを積分時定数、JMをモータのイナーシャ、JLを負荷のイナーシャ、JBをボールねじ送り部のイナーシャ、DMをモータの粘性、DLを負荷の粘性、DBをボールねじ送り部の粘性、KLを負荷のばね剛性、KBをボールねじ送り部のばね剛性、係数a1〜a7を下式で示す値とした場合に、
指令位置(θ)に演算項a1sを乗算して出力する第1微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a2s2を乗算して出力する第2微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a3s3を乗算して出力する第3微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a4s4を乗算して出力する第4微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a5s5を乗算して出力する第5微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a6s6を乗算して出力する第6微分項演算部と、
指令位置(θ)に演算項a7s7を乗算して出力する第7微分項演算部と、
前記第1から第7の微分項演算部から出力される演算結果を加算したものに、{Tv/kv(Tvs+1)}を乗算して前記補償速度とする比例積分逆伝達関数部とを有することを特徴とする。
Figure 0005112100
またこの場合において、第1から第7の微分項演算部の微分次数が1次下がっており、前記比例積分逆伝達関数部の微分次数が1次上がっていることを特徴とする。
また本発明の構成は、前記のサーボ制御装置において、前記負荷位置(θL)の代わりにモータ位置(θM)を用いることを特徴とする。
また本発明の構成は、前記のサーボ制御装置において、前記モータと前記ボールねじ送り部と前記負荷がコラムに取り付けられていると共に、
コラム補償用伝達関数が設定されており、前記指令位置(θ)に前記コラム補償用伝達関数を乗算して得た指令位置を前記制御部に送るコラム補償モデルを有しており、
前記負荷の特性をモデル化した負荷伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式と、前記コラムをモデル化したコラム伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式から、負荷位置を、コラム補償用伝達関数にコラム位置(θc)を乗算したものとした等価式を求め、この等価式に現れるコラム補償用伝達関数を、前記コラム補償モデルに設定していることを特徴とする。
また本発明の構成は、
前記コラム補償モデルに設定しているコラム補償用伝達関数は、
sを微分演算子、JLを負荷のイナーシャ、JCをコラムのイナーシャ、DLを負荷の粘性、CCをコラムのばね粘性、KCをコラムのばね剛性とした場合に、下式で表される関数であることを特徴とする。
Figure 0005112100
本願発明では、精度に影響の少ない負荷のばね粘性CLやボールねじ送り部のばね粘性CBを省略(無視)して、逆特性モデルに使用する機械定数を同定している。したがって、逆特性モデルに使用する機械定数を簡単に同定することができる。
また逆特性補償を、制御周期の短い速度ループの制御系ではなく、制御周期の長い位置ループの制御系に投入するようにしているため、計算周期を長くすることができる。また、補償制御により確実に精度向上を図ることができる。
更に、逆特性補償を、制御周期の短い速度ループの制御系ではなく、制御周期の長い位置ループの制御系に投入するようにしているため、3質点系のモデルにおいても、補償次数(微分次数)を2次増やすだけで、逆特性モデルに設定する伝達関数は複雑になることなく、補償制御を実施することができる。
以下に、本発明を実施するための最良の形態を実施例に基づき詳細に説明する。
図1は本発明の実施例1に係るサーボ制御装置を示すブロック線図である。
実施例1の制御対象機器は、図12に示すような、モータ12の回転運動を、ボールねじナット10とボールねじ軸11からなるボールねじ送り部9により直線運動に変換して、負荷であるテーブル02を直線移動させる、工作機械のボールねじ駆動機構である。
つまり、図12に示すように、テーブル02にはボールねじナット10が固定連結されており、このボールねじナット10にはボールねじ軸11が螺合している。ボールねじ軸11の一端にはモータ(サーボモータ)12が連結されている。なお、ボールねじナット10とボールねじ軸11により、ボールねじ送り部9が形成されている。
モータ12には、モータ速度ωMを検出して出力するモータエンコーダ13が配置されている。リニアスケール14は、負荷であるテーブル02の位置を示す負荷位置θLを検出して出力する。
ボールねじ駆動機構では、モータ12が回転駆動してボールねじ軸11が回転すると、ボールねじナット10及びこれに固定連結したテーブル02が直線移動する。
実施例1では、図1に示すように、機械系の特性を、モータ12と、負荷であるテーブル02を質点とした、2質点系の機械系のモデルとして特定している。
そして、この機械系を、制御部100によりサーボ制御(フィードバック制御)することを基本制御としつつ、逆特性モデル300によりフィードフォワード補償制御をするものである。
図1に示すように、モータ12の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック12−1とブロック12−2とで示される。なお、JMはモータイナーシャを示し、DMはモータ粘性を示す。
ブロック12−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12−2からはモータ位置θMが出力される。
また負荷であるテーブル02の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック02−1とブロック02−2とブロック02−3とで示される。なお、JLは負荷(テーブル)のイナーシャを示し、DLは負荷(テーブル)の粘性を示し、CLは負荷(テーブル)のばね粘性を示し、KLは負荷(テーブル)のばね剛性を示す。
減算部201は、モータ位置θMと負荷位置θLとの偏差(θM−θL)を求める。ブロック02−1は、偏差(θM−θL)が入力されると、反力トルクτLを出力する。
反力トルクτLが、ブロック02−2に入力されると、ブロック02−3から負荷位置θLが出力される。
制御部100は、減算部101と、乗算器102と、減算部103と、比例積分演算器104を有している。
減算部101は、指令位置θと負荷位置θLとの差である偏差位置Δθを出力する。乗算器102は、偏差位置Δθに位置ループゲインkPを乗算して偏差速度ΔVを出力する。
減算部103は、偏差速度ΔVに、逆特性モデル300から出力される補償速度V300を加えた値から、補償モータ速度ωMを減算した指令速度Vを出力する。
補償速度V300の詳細については後述するが、この補償速度V300を追加(補償)することにより、質点であるモータ12やテーブル02に生ずる「ひずみ」や「たわみ」や「粘性」といった誤差要因を補償して、正確にテーブル02の位置制御(サーボ制御)をすることができる。
比例積分演算器104は、指令速度Vを比例積分演算して指令トルクτを出力する。
即ち、比例積分演算器104では、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。
モータ12は、電流制御器(図示省略)から指令トルクτに応じた電流が供給されて回転駆動する。この場合、図示は省略するが、指令トルクτに応じた電流値になるように、電流のフィードバック制御を行なっている。
このように、テーブル02を駆動するボールねじ駆動機構を制御する制御部100は、位置ループをメインループとし、速度ループと電流ループをマイナーループとした3重のループによってフィードバック制御をしている。
この場合、電流ループの制御周期が最も短く、速度ループの制御周期は電流ループの制御周期よりも長く、位置ループの制御周期が最も長くなっている。
逆特性モデル300は、1次微分項演算部301と、2次微分項演算部302と、3次微分項演算部303と、4次微分項演算部304と、5次微分項演算部305と、加算部310と、比例積分逆伝達関数部311とを有している。
つまり逆特性モデル300には、各微分項演算部301〜305と、加算部310と、比例積分逆伝達関数部311にそれぞれ設定した演算式により、誤差要因を補償する補償制御用伝達関数が設定されている。
この逆特性モデル300により演算した補償速度V300は、制御周期が短い速度ループの制御系ではなく、制御周期が最も長い位置ループの制御系を補償するように、減算部103に加えられるようにしている。
1次〜5次の各微分項演算部301〜305は、演算項a1s、a2s2、a3s3、a4s4、a5s5を有しており、指令位置θに対して、各演算項を乗算した演算信号を出力する。なお、sはラプラス演算子(微分演算子)である。
この場合、係数a1〜a5の値は次の通りに設定している。
Figure 0005112100
詳細は後述するが、上記の各係数a1〜a5を決定(演算)するに当たって、位置制御の精度に影響することが少ない、負荷であるテーブル02のばね粘性CLを省略して機械系の特性を特定している。
このように、負荷のばね粘性CLを省略して機械系の特性を特定することにより、各係数a1〜a5を決定しているため、各係数の演算式が簡略化でき、制御演算を高速演算することができる。
比例積分逆伝達関数部311は、比例積分演算部104の伝達関数であるkv(1+(1/Tvs))の逆伝達関数である{Tv/kv(Tvs+1)}×sのうち、{Tv/kv(Tvs+1)}を伝達関数として有している。そして、微分演算子sは、各係数a1〜a5に、それぞれ割り振っている。
なお、比例積分逆伝達関数部311に設定した伝達関数{Tv/kv(Tvs+1)}は、制御系の特性によって決定される固定値(一定値)である。
次に、上記の各係数a1〜a5を決定(演算)した演算手法を説明する。
図1に示す機械系モデルにおいて、トルク及び速度の逆特性モデルの伝達関数は、次のようにして計算できる。
まず、運動方程式から、次式(11),(12)が求められる。
τ−(θM−θL)・(CLs+KL)=(JM2+DMS)・θM・・・・(11)
(θM−θL)・(CLs+KL)=(JL2+DLS)・θL ・・・(12)
なお式(11)は、モータ12の特性をモデル化したモータ伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式であり、式(12)は、負荷であるテーブル02の特性をモデル化した負荷伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式である。
上記(11),(12)式より、次の(13),(14)式が得られる。
Figure 0005112100
誤差0で負荷(テーブル02)を動かすためには、指令位置θが負荷位置θLと一致するように補償制御をすればよい。即ち、θ=θLとなるように補償制御をすればよい。このように、θ=θLとするためには、
指令トルクτを、式(13)の{ }内の式(第1の伝達関数式)でフィードフォワード補償制御をし、指令速度Vを式(14)の( )内の式(第2の伝達関数式)でフィードフォワード補償制御をすればよい。なお式(14)において、θMsはモータ速度ωMと等価である。
ここまでの考え方は、従来技術で示したのと同じである。
式(13)において、θLをθに置換してから、指令速度Vτに置き換えると、式(13)は下式(15)となる。式(15)は、式(13)に、比例積分演算器104に設定した比例積分演算式の逆演算式を掛けたものである。換言すると、式(13)を、比例積分演算器104に設定した比例積分演算式で除算したものが、式(15)となる
式(15)の右辺において、θを除く部分が第3の伝達関数式となる。
また式(14)において、θLをθに置換してから、変形すると下式(16)となる。
指令位置θが負荷位置θLと一致するように補償制御をするには、即ち、θとθLとの誤差を0とするための補償速度V300を、式(15)と式(16)を加えたものにすればよく、下式(17)で示される。
式(17)の右辺のうちθを除く部分が第4の伝達関数式である。
Figure 0005112100
式(17)のまでは、微分次数で式をまとめることはでいないが、精度にあまり影響しないCL項を式(17)から削除すると式(18)が得られる。式(18)の右辺のうちθを除く部分が、補償制御用伝達関数である。式(18)を、係数a1〜a5に置き換えると式(19)が得られる。
式(18),(19)から、各係数a1〜a5を得たのである。
Figure 0005112100
したがって、逆特性モデル300は、指令位置θが入力されると、各微分項演算部301〜305の演算値が加算部310にて加算され、加算値に比例積分逆伝達関数311の伝達関数が乗算されて、式(18),(19)で示される演算結果となっている補償速度V300を出力する。この補償速度V300を偏差速度ΔVに加算することにより、質点であるモータ12やテーブル02に生ずる「ひずみ」や「たわみ」や「粘性」といった誤差要因を補償して、正確にテーブル02の位置制御(サーボ制御)をすることができる。
また、指令位置θを基に得た補償速度V300を、制御周期の短い位置ループに入力しているため、補償速度V300の計算周期を長くすることができ、演算負荷が軽くなる。
<変形例>
図1に示す逆特性モデル300の変形例である逆特性モデル320を図2に示す。この逆特性モデル320では、各微分項演算部301〜305の微分次数を1次だけ下げる一方で、比例積分逆伝達関数部311の微分次数を1次だけ上げている。
このように、各微分項演算部301〜305の微分次数を1次下げることにより、演算誤差を少なくすることができる。
ここで、図1及び図2に示す機械系モデルにおいて、粘性項の誤差に対する影響をシミュレーションにより得た結果を、図3(a),(b),(c),(d)に示す。なお、縦軸が誤差(μm)を示し、横軸は時間(sec)を示す。なお、図3(o)は、指令を示す。
図3(a)は、完全逆伝達補償をした場合であり、図3(b)は負荷のばね粘性CL項の補償がない場合であり、図3(c)は負荷粘性DL項の補償がない場合であり、図3(d)はモータ粘性DM項の補償がない場合である。
図3(a)〜(d)から分かるように、誤差に影響する粘性項は、負荷粘性DLとモータ粘性DMであり、負荷のばね粘性CLは影響が少ないことが分かった。
したがって、逆特性モデル300(320)に設定する補償制御用伝達関数を計算する場合には、上述したように、負荷のばね粘性CLを省いても問題はなく、これにより計算し易く、かつ誤差の少ない補償制御用伝達関数特性を持つ逆特性モデル300(320)にすることができた。
本発明の実施例2に係るサーボ制御装置を、図4を参照して説明する。図4に示す実施例2は、図1に示す実施例1における逆特性モデル300の代わりに、逆特性モデル330を採用したものであり、機械系のモデル及び、制御部100の機能・構成は図1に示す実施例1と同じである。
したがって、逆特性モデル330を中心に説明をし、実施例1と同一部分についての説明は省略する。
逆特性モデル330は、1次微分項演算部301と、2次微分項演算部302と、3次微分項演算部303と、4次微分項演算部304と、5次微分項演算部305と、加算部310と、比例積分逆伝達関数部311の他に、微分次数判定部331と、微分係数決定部332と、微分係数重み計算部333を有している。
また逆特性モデル330の他に、テスト信号発生部334を有している。
逆特性モデル330の各微分項演算部301〜305は、実施例1と同様に、演算項a1s、a2s2、a3s3、a4s4、a5s5を有しており、指令位置θに対して、各演算項を乗算した演算信号を出力する。
また比例積分逆伝達関数部311は、実施例1と同様に、比例積分演算部104の伝達関数であるkv{1+(1/Tvs)}の逆伝達関数である{Tv/kv(Tvs+1)}×sのうち、{Tv/kv(Tvs+1)}を伝達関数として有している。そして、微分演算子sは、各係数a1〜a5に、それぞれ割り振っている。
微分次数判定部331は、指令位置θの微分次数を判定する。
微分係数決定部332は、微分次数判定部331により判定した指令位置θの微分次数に応じて、各微分項演算部301〜305の各演算項a1s、a2s2、a3s3、a4s4、a5s5を決定する。
つまり、判定した指令位置θの微分次数が1次であれば、係数a1のみを決定し、a2〜a5は0とし、
判定した指令位置θの微分次数が2次であれば、係数a1,a2を決定し、a3〜a5は0とし、
判定した指令位置θの微分次数が3次であれば、係数a1〜a3を決定し、a4,a5は0とし、
判定した指令位置θの微分次数が4次であれば、係数a1〜a4を決定し、a5は0とし、
判定した指令位置θの微分次数が5次であれば、係数a1〜a5を決定する。
この場合、決定された係数をそのまま設定してもよいが、決定された係数を、前回の係数から今回の係数に徐々に変化させるようにして、外乱を防止するようにしてもよい。
また機械定数、例えば負荷のばね剛性KL等は、負荷位置に応じて変化するものであるので、微分係数重み計算部333に、負荷位置と係数の関係を予め設定しておき、この微分係数重み計算部333により、負荷位置に応じて機械定数を自動変更(自動設定)していくこともできる。
更に、テスト信号を発生するテスト信号発生部334を備え、テスト信号を入力することより、微分次数の判定をし易くすることもできる。
図5は本発明の実施例3に係るサーボ制御装置を示すブロック線図である。
実施例3の制御対象機器は、図12に示すような、モータ12の回転運動を、ボールねじナット10とボールねじ軸11からなるボールねじ送り部9により直線運動に変換して、負荷であるテーブル02を直線移動させる、工作機械のボールねじ駆動機構である。
実施例3では、図5に示すように、機械系の特性を、モータ12と、負荷であるテーブル02とボールねじ送り部9を質点とした、3質点系の機械系のモデルとして特定している。
そして、この機械系を、制御部100によりサーボ制御(フィードバック制御)することを基本制御としつつ、逆特性モデル340によりフィードフォワード補償制御をするものである。
図5に示すように、モータ12の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック12−1とブロック12−2とで示される。なお、JMはモータのイナーシャを示し、DMはモータの粘性を示す。
ブロック12−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12−2からはモータ位置θMが出力される。
ボールねじ送り部9の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック9−1とブロック9−2とブロック9−3とで示される。なお、JBはボールねじ送り部のイナーシャを示し、DBはボールねじ送り部の粘性を示し、CBはボールねじ送り部のばね粘性を示し、KBはボールねじ送り部のばね剛性を示す。
ブロック9−1は、モータ位置θMとボールねじ位置θBとの偏差(θM−θB)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクとテーブル02からの反力トルクの差が、ブロック9−2に入力されると、ブロック9−3からボールねじ位置θBが出力される。
負荷であるテーブル02の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック02−1とブロック02−2とブロック02−3とで示される。なお、JLは負荷(テーブル)のイナーシャを示し、DLは負荷(テーブル)の粘性を示し、CLは負荷(テーブル)のばね粘性を示し、KLは負荷(テーブル)のばね剛性を示す。
ブロック02−1は、ボールねじ位置θBと負荷位置θLとの偏差(θB−θL)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクが、ブロック02−2に入力されると、ブロック02−3から負荷位置θLが出力される。
制御部100は、減算部101と、乗算器102と、減算部103と、比例積分演算器104を有している。
減算部101は、指令位置θと負荷位置θLとの差である偏差位置Δθを出力する。乗算器102は、偏差位置Δθに位置ループゲインkPを乗算して偏差速度ΔVを出力する。
減算部103は、偏差速度ΔVに、逆特性モデル340から出力される補償速度V340を加えた値から、補償モータ速度ωMを減算した指令速度Vを出力する。
補償速度V340の詳細については後述するが、この補償速度V340を追加(補償)することにより、質点であるモータ12やテーブル02やボールねじ送り部9に生ずる「ひずみ」や「たわみ」や「粘性」といった誤差要因を補償して、正確にテーブル02の位置制御(サーボ制御)をすることができる。
比例積分演算器104は、指令速度Vを比例積分演算して指令トルクτを出力する。
即ち、比例積分演算器104では、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。
モータ12は、電流制御器(図示省略)から指令トルクτに応じた電流が供給されて回転駆動する。この場合、図示は省略するが、指令トルクτに応じた電流値になるように、電流のフィードバック制御を行なっている。
このように、テーブル02を駆動するボールねじ駆動機構を制御する制御部100は、位置ループをメインループとし、速度ループと電流ループをマイナーループとした3重のループによってフィードバック制御をしている。
逆特性モデル340は、1次微分項演算部301と、2次微分項演算部302と、3次微分項演算部303と、4次微分項演算部304と、5次微分項演算部305と、6次微分項演算部306と、7次微分項演算部307と、加算部310と、比例積分逆伝達関数部311とを有している。
つまり逆特性モデル300には、各微分項演算部301〜307と、加算部310と、比例積分逆伝達関数部311にそれぞれ設定した演算式により、誤差要因を補償する補償制御用伝達関数特性が設定されている。
この逆特性モデル340により演算した補償速度V340は、制御周期が短い速度ループの制御系ではなく、制御周期が最も長い位置ループの制御系を補償するように、減算部103に加えられるようにしている。
1次〜7次の各微分項演算部301〜305は、演算項a1、a2s、a3s2、a4s3、a5s4、a6s5、a7s6を有しており、指令位置θに対して、各演算項を乗算した演算信号を出力する。なお、sはラプラス演算子(微分演算子)である。
この場合、係数a1〜a7の値は次の通りに設定している。
Figure 0005112100
詳細は後述するが、上記の各係数a1〜a7を決定(演算)するに当たって、位置制御の精度に影響することが少ない、負荷であるテーブル02のばね粘性CLと、ボールねじ送り部のばね粘性CBを省略して機械系の特性を特定している。
このように、負荷のばね粘性CLと、ボールねじ送り部のばね粘性CBを省略して機械系の特性を特定することにより、各係数a1〜a7を決定しているため、各係数の演算式が簡略化でき、制御演算を高速演算することができる。
比例積分逆伝達関数部311は、比例積分演算部104の伝達関数であるkv{1+(1/Tvs)}の逆伝達関数である{Tv/kv(Tvs+1)}×sを伝達関数として有している。
なお、比例積分逆伝達関数部311に設定した伝達関数{Tv/kv(Tvs+1)}×Sは、制御系の特性によって決定される固定値(一定値)である。
なお、各微分項演算部301〜305の微分次数を1次上げると共に、比例積分逆伝達関数部311に設定した伝達関数の微分次数を1次下げるようにしてもよい。
次に、上記の各係数a1〜a7を決定(演算)した演算手法を説明する。
図5に示す機械系モデルにおいて、トルク及び速度の逆特性モデルの伝達関数は、次のようにして計算できる。
まず、運動方程式から、次式(21),(22),(23)が求められる。
Figure 0005112100
上式(22),(23)より、次の式(24)が得られる。式(24)の右辺のうちθLを除いた部分が第2の伝達関数式である。
Figure 0005112100
式(24)を速度指令とするため、両辺にSをかけると式(25)が得られる。
Figure 0005112100
式(21),(22),(23)より式(26)が得られる。式(26)の右辺のうち、θLを除いた部分が第1伝達関数式である。
Figure 0005112100
実施例1の場合と同様に、式(26)を速度指令に変換するため、両辺に{Tvs/(KvTvs+Kv)}をかけると、式(27)が得られる。式(27)の右辺が第3の伝達関数式である。
Figure 0005112100
このとき、式(25)+式(27)が実施例3の機械系モデルの速度補償モデルとなる。
実施例1の機械系モデルの場合と同様、このままでは各微分次数に分離することができないが、精度に影響の少ないCL項及びCB項を式(27)から削除すると式(28)が得られる。
式(27),(28)から、各係数a1〜a7を得たのである。
Figure 0005112100
したがって、逆特性モデル340は、指令位置θが入力されると、各微分項演算部301〜307の演算値が加算部310にて加算され、加算値に比例積分逆伝達関数311の伝達関数が乗算されて、式(27),(28)で示される演算結果となっている補償速度V340を出力する。この補償速度V340を偏差速度ΔVに加算することにより、質点であるモータ12やテーブル02やボールねじ送り部9に生ずる「ひずみ」や「たわみ」や「粘性」といった誤差要因を補償して、正確にテーブル02の位置制御(サーボ制御)をすることができる。
また、指令位置θを基に得た補償速度V340を、制御周期の短い位置ループに入力しているため、補償速度V340の計算周期を長くすることができ、演算負荷が軽くなる。
図6は本発明の実施例4に係るサーボ制御装置を示すブロック線図である。
実施例4の制御対象機器は、図13に示すような、モータ12aの回転運動を、ボールねじナット10aとボールねじ軸11aからなるボールねじ送り部9aにより直線運動に変換して、負荷であるサドル05を直線移動させる、工作機械のボールねじ駆動機構である。
実施例4では、図6に示すように、機械系の特性を、モータ12と、負荷であるサドル05を質点とした、2質点系の機械系のモデルに、コラム03を備えたモデルとして特定している。
そして、この機械系を、制御部100aによりサーボ制御(フィードバック制御)することを基本制御としつつ、逆特性モデル320とコラム補償モデル400によりフィードフォワード補償制御をするものである。
図6に示すように、モータ12aの特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック12a−1とブロック12a−2とで示される。なお、JMはモータイナーシャを示し、DMはモータ粘性を示す。
ブロック12a−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12a−2からはモータ位置θMが出力される。
負荷であるサドル05の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック05−1とブロック05−2とブロック05−3とで示される。なお、JLは負荷(サドル)のイナーシャを示し、DLは負荷(サドル)の粘性を示し、CLは負荷(サドル)のばね粘性を示し、KLは負荷(サドル)のばね剛性を示す。
ブロック05−1は、モータ位置θMと負荷位置θLとの偏差(θM−θL)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクが、ブロック05−2に入力されると、ブロック05−3から負荷位置θLが出力される。
コラム03の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック03−1とブロック03−2とブロック03−3とで示される。なお、JCはコラムのイナーシャを示し、CCはコラムのばね粘性を示し、KCはコラムのばね剛性を示す
制御部100aは、減算部101aと、乗算器102aと、減算部103aと、比例積分演算器104aを有している。
減算部101aは、指令位置θにコラム補償した位置と負荷位置θLとの差である偏差位置Δθを出力する。乗算器102aは、偏差位置Δθに位置ループゲインkPを乗算して偏差速度ΔVを出力する。
減算部103aは、偏差速度ΔVに、逆特性モデル320から出力される補償速度V320を加えた値から、補償モータ速度ωMを減算した指令速度Vを出力する。
逆特性モデル320は、図2に示すものと同様である。
比例積分演算器104aは、指令速度Vを比例積分演算して指令トルクτを出力する。
即ち、比例積分演算器104aでは、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。
モータ12aは、電流制御器(図示省略)から指令トルクτに応じた電流が供給されて回転駆動する。この場合、図示は省略するが、指令トルクτに応じた電流値になるように、電流のフィードバック制御を行なっている。
このように、サドル05を駆動するボールねじ駆動機構を制御する制御部100aは、位置ループをメインループとし、速度ループと電流ループをマイナーループとした3重のループによってフィードバック制御をしている。
コラム03のたわみはフィードバック制御できないので、本実施例では、コラム補償モデル400を備えて、コラム03のたわみを補償するフィードフォワード補償制御をしている。
コラム03のたわみを補償するフィードフォワード補償制御をするため、コラム補償モデル400に設定する逆伝達関数は、次式(31)に示される演算式とした。式(31)に示す演算式の係数は、機械構造によって決定されて変化しないものであるので、一度補償係数を決定すれば、精度よくコラム03の変形・振動を補償することができる。
Figure 0005112100
式(31)で示される逆伝達関数をどのようにして求めたかを、次に説明する。
図6に示す機械系モデルにおいて、CL項を削除した運動方程式は式(32),(33),34)で表される。
そして、式(33),(34)より式(35)が得られる。
このとき、θc=θとしたいため、負荷位置θLは、式(35)に従い、わざと指令位置θからずらす。
Figure 0005112100
図7(a)はコラム補償モデル400を使用しない場合のコラム03の変形の例を示し、図7(b)はコラム補償モデル400を使用してコラム03の変形を補償制御したときのコラム03の状態を示す。なお図7(a),(b)において、点線は加速度を示し、実線は誤差を示す。
図7(a)に示すようにコラム補償をしない場合には、加速時誤差が8.5μmで、振動誤差が21μmであったものが、図7(b)に示すようにコラム補償をすることにより、加速時誤差が0.5μmで、振動誤差が4μmに減少したことを確認した。
図8は本発明の実施例5に係るサーボ制御装置を示すブロック線図である。
実施例5の制御対象機器は、図13に示すような、モータ12aの回転運動を、ボールねじナット10aとボールねじ軸11aからなるボールねじ送り部9aにより直線運動に変換して、負荷であるサドル05を直線移動させる、工作機械のボールねじ駆動機構である。
実施例5では、図8に示すように、機械系の特性を、モータ12と、負荷であるサドル05とボールねじ送り部9を質点とした、3質点系の機械系のモデルに、コラム03を備えたモデルとして特定している。
そして、この機械系を、制御部100aによりサーボ制御(フィードバック制御)することを基本制御としつつ、逆特性モデル340とコラム補償モデル400によりフィードフォワード補償制御をするものである。
図8に示すように、モータ12aの特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック12a−1とブロック12a−2とで示される。なお、JMはモータイナーシャを示し、DMはモータ粘性を示す。
ブロック12a−1からはモータ速度ωMが出力され、ブロック12a−2からはモータ位置θMが出力される。
ボールねじ送り部9の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック9−1とブロック9−2とブロック9−3とで示される。なお、JBはボールねじ送り部のイナーシャを示し、DBはボールねじ送り部の粘性を示し、CBはボールねじ送り部のばね粘性を示し、KBはボールねじ送り部のばね剛性を示す。
ブロック9−1は、モータ位置θMとボールねじ位置θBとの偏差(θM−θB)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクとサドル05からの反力トルクの差が、ブロック9−2に入力されると、ブロック9−3からボールねじ位置θBが出力される。
負荷であるサドル05の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック05−1とブロック05−2とブロック05−3とで示される。なお、JLは負荷(サドル)のイナーシャを示し、DLは負荷(サドル)の粘性を示し、CLは負荷(サドル)のばね粘性を示し、KLは負荷(サドル)のばね剛性を示す。
ブロック05−1は、ボールねじ位置θBと負荷位置θLとの偏差(θB−θL)が入力されると、反力トルクを出力する。
この反力トルクが、ブロック05−2に入力されると、ブロック05−3から負荷位置θLが出力される。
コラム03の特性をモデル化して伝達関数で示すと、ブロック03−1とブロック03−2とブロック03−3とで示される。なお、JCはコラムのイナーシャを示し、CCはコラムのばね粘性を示し、KCはコラムのばね剛性を示す
制御部100aは、減算部101aと、乗算器102aと、減算部103aと、比例積分演算器104aを有している。
減算部101aは、指令位置θにコラム補償した位置と負荷位置θLとの差である偏差位置Δθを出力する。乗算器102aは、偏差位置Δθに位置ループゲインkPを乗算して偏差速度ΔVを出力する。
減算部103aは、偏差速度ΔVに、逆特性モデル340から出力される補償速度V340を加えた値から、補償モータ速度ωMを減算した指令速度Vを出力する。
逆特性モデル340は、図5に示すものと同様である。
比例積分演算器104aは、指令速度Vを比例積分演算して指令トルクτを出力する。
即ち、比例積分演算器104aでは、速度ループゲインkvと積分時定数Tvを用いて、
τ=V×{kv(1+(1/Tvs))}という演算をして指令トルクτを求めている。
モータ12aは、電流制御器(図示省略)から指令トルクτに応じた電流が供給されて回転駆動する。この場合、図示は省略するが、指令トルクτに応じた電流値になるように、電流のフィードバック制御を行なっている。
このように、サドル05を駆動するボールねじ駆動機構を制御する制御部100aは、位置ループをメインループとし、速度ループと電流ループをマイナーループとした3重のループによってフィードバック制御をしている。
コラム03のたわみはフィードバック制御できないので、本実施例では、コラム補償モデル400を備えて、コラム03のたわみを補償するフィードフォワード補償制御をしている。
このコラム補償モデル400は、図6に示すのと同じである。
上述した各実施例は、負荷の実位置を示す負荷位置θLを位置フィードバック信号としてサーボ制御するフルクローズドループ制御のサーボ制御装置であったが、実施例6では、モータ12の回転角位置を示すモータ位置θMを位置フィードバック信号としてサーボ制御するセミクローズドループ制御のサーボ制御装置である。
実施例6は図9に示すように、モータ12の回転角位置を示すモータ位置θMを位置フィードバック信号として、減算部101にフィードバックしている。
この減算部101には、フィードバック補償モデル500にて、指令位置θを補償した補償指令位置θhが入力され、補償指令位置θhとモータ位置θMとの偏差より偏差速度ΔVを求めている。
フィードバック補償モデル500に設定した補償用伝達関数は、下式(42)の( )内の式で示すものであり、この式で示す補償用伝達関数により補償することにより、セミクローズドループ制御であっても、モータ12の動きを、フルクローズドループ制御と同様にすることができる。
フィードバック補償モデル500に設定した補償用伝達関数は次のようにして求めたものである。
セミクローズドループ制御の場合、モータ位置θMをフィードバックするため、モータ位置θMと負荷位置θLとの差分を計算して、指令位置θからずらす必要がある。
モータ位置と負荷位置との運動方程式は式(41)にて示され、この式(41)から式(42)が得られる。
負荷位置θL=指令位置θ、としたいためモータ位置θMは、式(42)にしたがい、わざと指令位置θからずらしている。
Figure 0005112100
このようにしているため、セミクローズドループ制御であっても、負荷であるテーブル02をモータ12により駆動する場合に、逆特性モデル320を備えて補償速度V320を追加することにより、負荷であるテーブル02を正確に位置制御することができる。
なお、逆特性モデル320は、図2に示すものと同じである。
図10に示す実施例7は、フルクローズドループ制御とセミクローズドループ制御とを組み合わせた、デュアルサーボ制御をするサーボ制御装置である。
実施例7では、減算部600にて、負荷位置θLとモータ位置θMとの差分を求め、この差分をフィルタ610にてフィルタリングしている。なおフィルタ610はローパスフィルタであり、例えば、(a/(s+a))という伝達関数特性を有している。
そして、フィルタリングした信号を加算部620にてモータ位置θMに加え、加算部620から出力される信号θFを、位置フィードバック信号として、減算部101にフィードバックしている。
この減算部101には、フィードバック補償モデル500にて、指令位置θを補償した補償指令位置θhが入力される。
更に、減算部101では、フィードバック補償モデル510とフィルタ補償モデル520にて指令位置θを補償した信号θaが減算されるようになっている。
結局、補償指令位置θhから、θFとθaを減算することにより、偏差速度ΔVを求めている。
フィードバック補償モデル500は、図9に示すものと同じである。
フィードバック補償モデル510に設定した補償用伝達関数は、下式(53)の( )内に示す(JL2+DLS)/KLである。
このように、フィードバック補償モデル510とフィルタ補償モデル520にて指令位置θを補償した信号θaを減算することにより、デュアルサーボ制御であっても、モータ12の動きを、フルクローズドループ制御と同様にすることができる。
フィードバック補償モデル510に設定した補償用伝達関数は次のようにして求めたものである。
デュアルサーボ制御の場合、モータ位置θMと負荷位置θLとの差分をフィルタ610を通してフィードバックするため、負荷位置θLとの差分を計算して、指令位置θからずらす必要がある。
モータ位置と負荷位置との運動方程式は式(51),(52)にて示され、この式(51),(52)から式(53)が得られる。
負荷位置θL=指令位置θ、としたいためフィードバック位置θFは、式(53)にしたがい、わざと指令位置θからずらしている。
Figure 0005112100
このようにしているため、デュアルサーボ制御であっても、負荷であるテーブル02をモータ12により駆動する場合に、逆特性モデル320を備えて補償速度V320を追加することにより、負荷であるテーブル02を正確に位置制御することができる。
なお、逆特性モデル320は、図2に示すものと同じである。
本発明の実施例1に係るサーボ制御装置を示すブロック線図。 実施例1の変形例を示すブロック線図。 誤差に対する影響を示す特性図。 本発明の実施例2に係るサーボ制御装置を示すブロック線図。 本発明の実施例3に係るサーボ制御装置を示すブロック線図。 本発明の実施例4に係るサーボ制御装置を示すブロック線図。 コラム変形の例を示す特性図。 本発明の実施例5に係るサーボ制御装置を示すブロック線図。 本発明の実施例6に係るサーボ制御装置を示すブロック線図。 本発明の実施例7に係るサーボ制御装置を示すブロック線図。 工作機械の概要を示す斜視図。 従来の制御系を示すブロック線図。 従来の制御系を示すブロック線図。 フィードフォワード補償制御をした従来の制御系を示すブロック線図。
符号の説明
01 ベッド
02 テーブル
03 コラム
04 クロスレール
05 サドル
06 ラム
9,9a ボールねじ送り部
10,10a ボールねじナット
11,11a ボールねじ軸
12,12a モータ
13,13a モータエンコーダ
14,14a リニアスケール
100,100a 制御部
300,320,330,340 逆特性モデル
301〜307 微分項演算部
310 加算部
311 比例積分逆伝達関数部
400 コラム補償モデル
500,510 フィードバック補償モデル

Claims (7)

  1. モータの回転運動をボールねじ送り部により直線運動に変換して負荷を直線移動させる工作機械に、
    前記モータの速度を検出してモータ速度(ωM)を出力するモータ速度検出手段と、
    前記負荷の位置を検出して負荷位置(θL)を出力する負荷位置検出手段と、
    指令位置(θ)と前記負荷位置(θL)との偏差に応じた偏差速度(ΔV)を求める位置制御ループと、前記偏差速度(ΔV)と前記モータ速度(ωM)との差である指令速度(V)を求める速度制御ループと、前記指令速度(V)を比例積分演算して指令トルク(τ)を出力する比例積分演算器を備え、前記指令トルク(τ)に応じて前記モータの回転制御をする制御部とを備えた、
    サーボ制御装置において、
    前記指令位置(θ)に補償制御用伝達関数を乗算して得た補償速度を、前記偏差速度(ΔV)に加える逆特性モデルを有しており、
    この逆特性モデルは、sを微分演算子、Kvを速度ループゲイン、Tvを積分時定数、JMをモータのイナーシャ、JLを負荷のイナーシャ、DMをモータの粘性、DLを負荷の粘性、KLを負荷のばね剛性、係数a1〜a5を下式で示す値とした場合に、
    指令位置(θ)に演算項a1sを乗算して出力する第1微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a2s2を乗算して出力する第2微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a3s3を乗算して出力する第3微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a4s4を乗算して出力する第4微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a5s5を乗算して出力する第5微分項演算部と、
    前記第1から第5の微分項演算部から出力される演算結果を加算したものに、{Tv/kv(Tvs+1)}を乗算して前記補償速度とする比例積分逆伝達関数部とを有することを特徴とするサーボ制御装置。
    Figure 0005112100
  2. 請求項において、第1から第5の微分項演算部の微分次数が1次下がっており、前記比例積分逆伝達関数部の微分次数が1次上がっていることを特徴とするサーボ制御装置。
  3. モータの回転運動をボールねじ送り部により直線運動に変換して負荷を直線移動させる工作機械に、
    前記モータの速度を検出してモータ速度(ωM)を出力するモータ速度検出手段と、
    前記負荷の位置を検出して負荷位置(θL)を出力する負荷位置検出手段と、
    指令位置(θ)と前記負荷位置(θL)との偏差に応じた偏差速度(ΔV)を求める位置制御ループと、前記偏差速度(ΔV)と前記モータ速度(ωM)との差である指令速度(V)を求める速度制御ループと、前記指令速度(V)を比例積分演算して指令トルク(τ)を出力する比例積分演算器を備え、前記指令トルク(τ)に応じて前記モータの回転制御をする制御部とを備えた、
    サーボ制御装置において、
    前記指令位置(θ)に補償制御用伝達関数を乗算して得た補償速度を、前記偏差速度(ΔV)に加える逆特性モデルを有しており、
    この逆特性モデルは、sを微分演算子、Kvを速度ループゲイン、Tvを積分時定数、JMをモータのイナーシャ、JLを負荷のイナーシャ、JBをボールねじ送り部のイナーシャ、DMをモータの粘性、DLを負荷の粘性、DBをボールねじ送り部の粘性、KLを負荷のばね剛性、KBをボールねじ送り部のばね剛性、係数a1〜a7を下式で示す値とした場合に、
    指令位置(θ)に演算項a1sを乗算して出力する第1微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a2s2を乗算して出力する第2微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a3s3を乗算して出力する第3微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a4s4を乗算して出力する第4微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a5s5を乗算して出力する第5微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a6s6を乗算して出力する第6微分項演算部と、
    指令位置(θ)に演算項a7s7を乗算して出力する第7微分項演算部と、
    前記第1から第7の微分項演算部から出力される演算結果を加算したものに、{Tv/kv(Tvs+1)}を乗算して前記補償速度とする比例積分逆伝達関数部とを有することを特徴とするサーボ制御装置。
    Figure 0005112100
  4. 請求項において、第1から第7の微分項演算部の微分次数が1次下がっており、前記比例積分逆伝達関数部の微分次数が1次上がっていることを特徴とするサーボ制御装置。
  5. 請求項1乃至請求項の何れか一項において、
    前記負荷位置(θL)の代わりにモータ位置(θM)を用いることを特徴とするサーボ制御装置。
  6. 請求項1乃至請求項の何れか一項において、
    前記モータと前記ボールねじ送り部と前記負荷がコラムに取り付けられていると共に、
    コラム補償用伝達関数が設定されており、前記指令位置(θ)に前記コラム補償用伝達関数を乗算して得た指令位置を前記制御部に送るコラム補償モデルを有しており、
    前記負荷の特性をモデル化した負荷伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式と、前記コラムをモデル化したコラム伝達関数に関して入出力の関係を示す運動方程式から、負荷位置を、コラム補償用伝達関数にコラム位置(θc)を乗算したものとした等価式を求め、この等価式に現れるコラム補償用伝達関数を、前記コラム補償モデルに設定している、
    ことを特徴とするサーボ制御装置。
  7. 請求項6において、
    前記コラム補償モデルに設定しているコラム補償用伝達関数は、
    sを微分演算子、JLを負荷のイナーシャ、JCをコラムのイナーシャ、DLを負荷の粘性、CCをコラムのばね粘性、KCをコラムのばね剛性とした場合に、下式で表される関数であることを特徴とするサーボ制御装置。
    Figure 0005112100
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