JP5111641B2 - 遊技機 - Google Patents

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Description

本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
従来、パチンコ遊技機等の遊技機では、当該遊技機の遊技盤上に円弧状に湾曲させた内レールおよび外レールが固設され、当該内レールおよび外レールの間に形成された発射球通路を通って、当該遊技機の遊技領域へ遊技球が発射される。そして、内レールの上端には、遊技領域へ打ち出された遊技球が発射球通路へ戻ることを防止するために、球戻り防止機構が設けられている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−158454号公報
ところで、従来の遊技機において、釣り糸やピアノ線等の細線の先端に遊技球を接着し、当該遊技球を遊技領域へ発射して遊技することによって不正な賞球や当たりを発生させる行為が行われている。具体的には、上記不正を行う遊技者は、上記細線を接着した遊技球を遊技領域へ発射し、遊技機に設けられた始動口や普通入賞口へ当該遊技球を入賞させる。そして、当該入賞状態が連続して発生するように細線を出し入れして始動口や普通入賞口の内部で遊技球を往復移動させることによって、賞球や当たり抽選を連続的に発生させる。
しかしながら、上記のような細線としては視認され難い細線が用いられることが多い。そのため、上記の球戻り防止機構を備えた遊技機では、細線を接着した遊技球を用いた不正をパチンコホールの店員が発見することが容易ではなかった。
それ故に、本発明の目的は、細線を接着した遊技球を用いた不正を容易に発見することが可能な遊技機を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明は例えば以下のような構成を採用し得る。なお、特許請求の範囲の記載を解釈する際に、特許請求の範囲の記載によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解され、特許請求の範囲の記載と本欄の記載とが矛盾する場合には、特許請求の範囲の記載が優先する。なお、括弧内の参照符号等は、本発明の理解を助けるために後述する実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
本発明の遊技機(1)の一構成例は、遊技盤(2)の前面に設けられた発射球通路(63)の内側に固設される内レール(61)の上側端部または当該上側端部の近傍に設けられ、発射球通路から進入した遊技球と接触可能な第1の姿勢と、遊技球の接触により一時的に変化する姿勢であって当該第1の姿勢とは異なる姿勢である第2の姿勢とに姿勢変化可能な回動部材(7,73)と、回動部材の後方に埋設される発光部(90)とを備える。そして、発光部は、回動部材が第1の姿勢および第2の姿勢のいずれか一方の姿勢のときにのみ遊技盤の正面から視認できるような位置に埋設される。
また、上記発光部は、遊技機が動作している間は常時発光状態であってもよい。
また、上記発光部は、回動部材の姿勢が当該発光部を視認できない姿勢のとき、当該回動部材の一部に隠されて視認できないような位置に埋設されてもよい。
また、上記回動部材は、第1の姿勢においては発射球通路側へ起立した姿勢となるとともに、第2の姿勢においては発射球通路から退避する方向へ傾倒する球止め片(735)を有する球戻り防止部材であってもよい。
本発明によれば、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われていることを容易に発見することができる。
本発明の一実施形態に係る遊技機1の一例を示す概略正面図 発射球通路63および球戻り防止装置7を通って遊技領域20へ発射される遊技球の動きの一例を説明するための概要図 球戻り防止装置7を内レール61に取り付けた状態を上側から見た一例を示す図 球戻り防止装置7を内レール61に取り付けた状態を下側から見た一例を示す図 球戻り防止装置7を内レール61に取り付けた状態を側方から見た一例を示す、図3のC−C線断面図 球戻り防止装置7の内部構造の一例を示す分解斜視図 傾動部材73と発光素子90の位置関係を説明するための図 傾動部材73と発光素子90の位置関係を説明するための図 遊技球が発射された際の球戻り防止装置7の状態の一例を示す球戻り防止装置7の要部断面図 細線を接着した遊技球を用いた不正が球戻り防止装置7によって防止された一例を示す球戻り防止装置7の要部断面図 傾動部材73と発光素子90の位置関係を説明するための図 傾動部材73と発光素子90の位置関係を説明するための図 傾動部材73と発光素子90の位置関係を説明するための図 傾動部材73と発光素子90の位置関係を説明するための図 傾動部材73を役物として配置した場合の例
以下、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態に係る球戻り防止装置が搭載された遊技機について説明する。なお、図1は、本発明の一実施形態に係る球戻り防止装置7が搭載された遊技機1の一例を示す概略正面図である。図2は、発射球通路63および球戻り防止装置7を通って遊技領域20へ発射される遊技球の動きの一例を説明するための概要図である。
図1において、遊技機1は、例えば遊技者の指示操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成されたパチンコ遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成され、遊技盤2に対して着脱自在に取り付けられている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。このように、枠部材5を開くことによって遊技盤2が外部に開放した状態となり、遊技機1が設置されている店の従業員が遊技機1の前面から遊技盤2を直接触るような作業が可能となる。
遊技盤2は、その前面に、遊技球により遊技を行うための遊技領域20が形成されている。また、遊技盤2には、下方(発射装置)から発射された遊技球が遊技盤2の前面に沿って上昇して遊技領域20の上部位置へ向かう発射球通路63を形成する内レール61および外レール62が取り付けられている。例えば、外レール62は、ステンレス製帯板によって構成され、遊技盤2の前面の外周部位付近に円弧状に湾曲させて固設される。内レール61は、ステンレス製帯板によって構成され、外レール62の内側に所定の間隔を開けて遊技盤2の前面に円弧状に湾曲させて固設される。そして、遊技球は、内レール61および外レール62の間となる遊技盤2の前面に沿った空間(発射球通路63)を通って、遊技領域20へ打ち出される。ここで、内レール61は、遊技球が打ち出される遊技領域20の上部位置まで設けられて当該上部位置に上側端部が形成されており、当該上側端部が発射球通路63から遊技領域20への遊技球出口として機能する。そして、内レール61の上側端部に、球戻り防止装置7が設けられている。球戻り防止装置7の詳細な構造については、後述する。更に、球戻り防止装置7の近傍には、発光素子90(本実施形態では、一例としてLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード))が遊技盤2に埋設されている。本実施形態において、当該発光素子90は、遊技機1が動作中の間は常時発光しているものとする。当該発光素子90の発光制御については、図示しないランプ制御部が行っている。なお、球戻り防止装置7と発光素子90との位置関係に関しては、詳細を後述する。
また、遊技盤2には、遊技者により視認され易い位置に、各種演出のための画像を表示する画像表示部21が配設されている。画像表示部21は、遊技者によるゲームの進行に応じて、例えば、装飾図柄を表示することによって図柄抽選結果(図柄変動結果)を遊技者に報知したり、キャラクタの登場やアイテムの出現による予告演出を表示したりする。なお、画像表示部21は、液晶表示装置、EL(Electro Luminescence:電界発光)表示装置、LEDドット表示装置、および7セグメントディスプレイ(以下、7セグ表示装置と記載する)等によって構成されるが、他の任意の表示装置を利用してもよい。さらに、遊技盤2の前面には、各種の演出に用いられる可動役物22および盤ランプ23が設けられている。可動役物22は、遊技盤2に対して可動に構成され、遊技者によるゲームの進行に応じて所定の動作で移動させることによって各種の演出を行う。また、盤ランプ23は、遊技者によるゲームの進行に応じて発光することによって光による各種の演出を行う。
遊技領域20には、遊技球が下方へ落下する方向を変化させる遊技くぎおよび風車(共に、図示せず)等が配設されている。また、遊技領域20には、入賞や抽選に関する種々の役物が所定の位置に配設されている。なお、図1においては、入賞や抽選に関する種々の役物の一例として、第1始動口25a、第2始動口25b、ゲート27、大入賞口28、および普通入賞口29が遊技盤2に配設されている。さらに、遊技領域20には、遊技領域20に打ち出された遊技球のうち入賞口に入賞しなかった遊技球を、遊技領域20の外に排出する排出口24が配設されている。
第1始動口25aおよび第2始動口25bは、それぞれ遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選(大当たり抽選)が始動する。第1始動口25aは、予め定められた特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。また、第2始動口25bは、上記特別電動役物(大入賞口28)および/または予め定められた特別図柄表示器を作動させることとなる、遊技球の入賞に係る入賞口である。ゲート27は、遊技球が通過すると普通図柄抽選(開閉抽選)が始動する。
第2始動口25bは、第1始動口25aの下部に設けられ、普通電動役物の一例として、遊技球の入口近傍に電動チューリップ26を備えている。電動チューリップ26は、チューリップの花を模した一対の羽根部を有しており、後述する電動チューリップ開閉部112(例えば、電動ソレノイド)の駆動によって当該一対の羽根部が左右に開閉し、開閉動作と共に点灯または点滅する。電動チューリップ26は、一対の羽根部が閉じていると、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が極めて狭いため、遊技球が第2始動口25bへ入らない状態となる。一方、電動チューリップ26は、一対の羽根部が左右に開くと、第2始動口25bの入口へ案内される開口幅が拡大するため、遊技球が第2始動口25bへ入り易くなるように構成されている。そして、電動チューリップ26は、ゲート27を遊技球が通過することによって普通図柄抽選に当選すると、点灯または点滅しながら一対の羽根部が規定時間(例えば、0.15秒間または1.80秒間)開き、規定回数(例えば、1回または3回)だけ開閉する。
大入賞口28は、第2始動口25bの下方に位置し、特別図柄抽選の結果に応じて開放する。大入賞口28は、通常は閉状態であり遊技球が入ることがない状態となっているが、特別図柄抽選の結果に応じて遊技盤2の主面から突出傾斜して開状態となって遊技球が入り易い状態となる。例えば、大入賞口28は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球10個の入賞や開放累積時間が1.8秒以内)を満たすまで開状態となるラウンドを、所定回数(例えば、15回または1回)だけ繰り返す。また、普通入賞口29は、遊技球が入賞しても抽選が始動しない。
また、遊技盤2の所定位置(例えば、右下)に、上述した特別図柄抽選や普通図柄抽選の結果や保留数に関する表示を行う表示器3が配設されている。
なお、図1に示した遊技機1は、遊技領域20に2つの第1始動口25aおよび第2始動口25bが配設されているが、遊技球が入ると入賞して特別図柄抽選が開始される始動口を1つだけ設けてもかまわない。また、遊技機1は、遊技領域20に1つの大入賞口28が配設されているが、大入賞口28と同様の機能を有する大入賞口を複数設けてもかまわない。
また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時に大当たりが抽選される大当たり確率が変動することがある。例えば、遊技機1は、上記大当たり確率が相対的に低い状態(低確状態;例えば大当たり確率が300分の1)から上記大当たり確率が相対的に高い状態(高確状態;例えば大当たり確率が30分の1)へ変動することがある。また、遊技機1は、所定の条件下で、特別図柄抽選時の特別図柄変動時間が短縮されたり、普通図柄抽選時の当選する確率が高まったり、普通図柄抽選時の普通図柄変動時間が短縮されたり、電動チューリップ26の羽根部の開時間が延長されたり、電動チューリップ26の羽根部が開閉する回数が増えたりする(電チューサポート)場合がある。
ここで、賞球の払い出しについて説明する。第1始動口25a、第2始動口25b、大入賞口28、および普通入賞口29に遊技球が入る(入賞)と、遊技球が入賞した場所に応じて、1つの遊技球当たり規定個数の賞球が払い出される。例えば、第1始動口25aおよび第2始動口25bに遊技球が入賞すると4個の賞球、大入賞口28に遊技球が入賞すると13個の賞球、普通入賞口29に遊技球が入賞すると10個の賞球がそれぞれ払い出される。なお、ゲート27を遊技球が通過したことを検出しても、それに連動した賞球の払い出しは無い。
遊技機1の前面となる枠部材5には、ハンドル51、レバー52、停止ボタン53、取り出しボタン54、スピーカ55、枠ランプ56、演出ボタン57、演出キー58、皿59、および錠部43等が設けられている。
遊技者がハンドル51に触れてレバー52を時計方向に回転させる操作を行うと、その操作角度に応じた打球力にて所定の時間間隔(例えば、1分間に100個)で、発射装置が遊技球を電動発射する。皿59は、遊技機1の前方に突出して設けられ、発射装置211に供給する遊技球を一時的に溜めておく。また、皿59には、上述した賞球が払い出される。そして、皿59に溜められた遊技球は、遊技者のレバー52による操作と連動したタイミングで、供給装置(図示せず)によって1つずつ発射装置に供給される。なお、皿59は、上下皿一体で構成してもいいし、上皿と下皿とを分離して構成してもかまわない。また、ハンドル51は、所定条件下で発光させてもかまわない。
停止ボタン53は、ハンドル51の下部側面に設けられ、ハンドル51に遊技者が触れてレバー52を時計方向に回転させている状態であっても、遊技者に押下されることによって遊技球の発射を一時的に停止させる。取り出しボタン54は、皿59が設けられた位置近傍の前面に設けられ、遊技者に押下されることによって皿59に溜まっている遊技球を箱(図示せず)に落下させる。
スピーカ55および枠ランプ56は、それぞれ遊技機1の遊技状態や状況を告知したり各種の演出を行ったりする。スピーカ55は、楽曲や音声、効果音による各種の演出を行う。また、枠ランプ56は、点灯/点滅によるパターンや発光色の違い等によって光による各種の演出を行う。なお、枠ランプ56は、光の照射方向を変更可能にして、当該照射方向を変えることによる演出を行ってもかまわない。
次に、図2を参照して、発射装置によって発射された遊技球の動きについて説明する。なお、図2は、遊技機1の発射装置によって発射された遊技球の動きの一例を説明するための概略図である。なお、図2においては、説明を簡単にするために、遊技機1を構成する構成部材のうち、球戻り防止装置7、遊技領域20、内レール61、外レール62、発射球通路63のみを示している。
図2において、遊技者が遊技機1に遊技球を供給して発射装置で発射操作を行うと、遊技球は、遊技球発射方向へ所定の時間間隔で1個ずつ発射される。発射装置で発射された遊技球は、遊技盤2の前面に沿った上方へ、内レール61および外レール62の間に形成されている発射球通路63を通って、図示A方向に移動している遊技球のように移動する。内レール61の上側端部に設けられている球戻り防止装置7の配置位置に、球戻り防止装置7の傾動部材73の球止め片735(図3〜図7参照)に当たって当該球止め片を下方へ退避させるための速度以上で到達するような速度で遊技球が発射球通路63へ発射された場合、当該遊技球は、発射球通路63から遊技領域20の上方へ放出される。そして、遊技領域20の上方へ放出された遊技球は、図示B方向に移動している遊技球のように、遊技領域20内を遊技盤前面に沿って自由落下して移動する。このように、遊技機1の発射装置によって発射された遊技球は、発射球通路63を通って球戻り防止装置7の傾動部材73に当たって遊技領域20の上方へ放出される。
次に、図3〜図6を参照して、球戻り防止装置7の構造について説明する。なお、図3は、球戻り防止装置7を内レール61に取り付けた状態を上側から見た一例を示す図である。図4は、球戻り防止装置7を内レール61に取り付けた状態を下側から見た一例を示す図である。図5は、球戻り防止装置7を内レール61に取り付けた状態を側方から見た一例を示す、図3のC−C線断面図である。図6は、球戻り防止装置7の内部構造の一例を示す分解斜視図である。
図3〜図6において、球戻り防止装置7は、上側本体71、下側本体72、傾動部材73、支軸731、および錘732を備えている。例えば、上側本体71、下側本体72、および傾動部材73は、例えば合成樹脂により成形されて形成される。また、支軸731は、ステンレス等の金属の棒で構成され、傾動部材73に貫挿される。また、錘732は、金属製ビス等の所定重さの金属部材で構成され、傾動部材73の所定箇所に取り付けられる。そして、大略的には、傾動部材73に貫挿された支軸731の両端部を軸支して挟み込んだ状態で、上側本体71の下面と下側本体72の上面とが接合されて組み立てられる。
上側本体71は、その中央部に傾動部材73の一部が配置される開口部が形成された略方形枠状であり、該両側辺部の内面に支軸731の両端部を軸支するための一対の半円状の軸受溝を形成する。また、上側本体71の下辺部の中央から板バネ状の弾性片が延設されており、当該弾性片の下面(すなわち、下側本体72と接合される際の下側本体72側となる面)に円柱状の係合突起711が形成されている。なお、係合突起711は、上側本体71と下側本体72とが接合された際、外部に露出する位置に形成される。また、下側本体72と接合される上側本体71の下面には、下側本体72の上面と嵌合する凹凸部(例えば、凹部)が形成されている。
下側本体72は、上側本体71の略方形枠内に係合されて接合可能な板状部材であり、上側本体71と接合される下側本体72の上面には、上側本体71の下面と嵌合する凹凸部(例えば、凸部)が形成されている。また、下側本体72は、上側本体71と接合された際に、上記軸受溝の直下位置に配置される一対の軸受突起が形成されている。
傾動部材73は、支軸731を貫挿するための貫挿孔733が形成され、貫挿孔733の下部に錘732が取り付けられる取付孔734が形成されている。また、傾動部材73は、貫挿孔733を挟んで取付孔734と反対側となる、貫挿孔733の斜め上方に球止め片735が形成される。そして、球止め片735の最先端部が下方(すなわち、上側本体71側)へ湾曲して形成される。
球戻り防止装置7を組み立てる際、錘732を取付孔734に取り付けた後、傾動部材73の下部(貫挿孔733および取付孔734が形成されている部位)を上側本体71の開口部にその上面側から入れて、上側本体71の下面側に当該下部を突出させた状態で貫挿孔733に支軸731を貫挿して、支軸731の両端部を上側本体71の軸受溝内に配置する。そして、接着や溶着等によって下側本体72を上側本体71に接合して固定する。これにより、支軸731の両端部が上側本体71の軸受溝と下側本体72の軸受突起との間でそれぞれ挟持される。また、図5に示したように上側本体71の下部と下側本体72の下部との間に、内レール61の上側端部に挿着されるスリット状の隙間が形成される。さらに、上側本体71の開口部および下側本体72の上面によって囲まれ、球戻り防止装置7が内レール61の上側端部に挿着された際に、発射球通路63に面する空間が形成される。
一方、図3および図4に示すように、内レール61は、固定部材(例えば、釘)611によって、遊技盤2の前面に固設される。また、内レール61の上側端部には、当該端面から所定距離の位置となる位置に、係合突起711と係合可能な貫通孔が形成されている。そして、球戻り防止装置7は、上側本体71を上側(すなわち、外レール62側)にして上記スリット状の隙間を内レール61の上側端部に挿入すると、係合突起711と内レール61の貫通孔とが係合して内レール61の上側端部に固定される。
内レール61の上側端部に取り付けられた球戻り防止装置7は、傾動部材73が支軸731を中心に傾動可能な状態で発射球通路63側に配置されるとともに、球止め片735の先端部が最上位置に配置される。これによって、球戻り防止装置7の球止め片735の先端部は、内レール61の上側端部を上方へ延長した最上位置に配置されることになるため、発射球通路63から遊技領域20への遊技球出口の最端に突出した状態で配置されることになる。
図5に示すように、傾動部材73は、図示D方向へ傾動可能となっている。例えば、傾動部材73は、錘732が取り付けられる下部側と球止め片735が形成されている上部側との重量バランスによって、常態では球止め片735が発射球通路63側へ起立するように傾動し、錘732が取り付けられる部位が上記空間内に退避する。そして、発射球通路63へ遊技球が発射されて当該遊技球が球止め片735に当たると、傾動部材73が支軸731を支点として球止め片735が発射球通路63から下方へ退避し、錘732が取り付けられる部位が上記空間内から発射球通路63側へ移動するように傾動する。これによって、発射球通路63へ発射された遊技球は、球止め片735に妨げられることなく遊技領域20へ放出される。また、遊技球が発射球通路63から遊技領域20への遊技球出口を通過すると、上記重量バランスによって再び常態となって球止め片735が発射球通路63側へ起立するように傾動部材73が傾動する。この常態において、遊技領域20に一旦放出された遊技球が上記遊技球出口へ跳ね返って球止め片735に当たった場合、錘732が取り付けられる部位が下側本体72の上面等と当接することによって、球止め片735が形成されている上部側が発射球通路63側を遊技球発射方向の反対となる方向へさらに倒れるように傾動部材73が傾動することがない。したがって、遊技領域20に放出された遊技球が球止め片735に当たったとしても、当該遊技球が発射球通路63に戻ることはない。
次に、球戻り防止装置7、および、発光素子90の位置関係について説明する。本実施形態において、発光素子90は、遊技盤2に埋設されている。その埋設位置としては、傾動部材73の後側であって、上記傾動部材73が常態のときは、発光素子90が遊技機1の正面側から視認され(図7参照)、傾動部材73が傾動したときは、発光素子90が傾動部材73の一部に隠されるような位置(図8参照)に埋設される。
次に、図9および図10を参照して、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われていることが球戻り防止装置7、および、発光素子90によって発見されるメカニズムの一例について説明する。なお、図9は、遊技球が発射された際の球戻り防止装置7の状態の一例を示す球戻り防止装置7の要部断面図である。図10は、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われている状態の一例を示す球戻り防止装置7の要部断面図である。
図9に示すように、傾動部材73は、常態では球止め片735が発射球通路63側へ起立するように傾動しているため、V字切欠形成部のV字切欠が発射球通路63側に向かって開口している姿勢となる。また、発光素子90は常時発光している状態であるため、この状態であれば、発光素子90からの光が視認可能である。そして、図示F方向に移動している遊技球のように、発射球通路63へ正規な遊技球や細線が接着された不正遊技球が発射されて当該遊技球が球止め片735に当たると、球止め片735が発射球通路63から下方へ退避するように傾動部材73が傾動する。その結果、上記図8で示したように、発光素子90が傾動部材73の一部によって一時的に隠された状態となる。その後、発射球通路63へ発射された遊技球は、球止め片735に妨げられることなく遊技領域20へ放出される。その結果、傾動部材73は元の姿勢に戻り、発光素子90は視認できる状態となる。
ここで、正規の遊技球が発射球通路63から遊技領域20への遊技球出口を通過すると、再び常態となって球止め片735が発射球通路63側へ起立するように傾動部材73が傾動する。これによって、遊技領域20に一旦放出された正規の遊技球が上記遊技球出口へ跳ね返ってきても、当該遊技球が球止め片735に当たって発射球通路63に戻ることはない。
また、正規の遊技球は、例えば0.6秒間隔で打ち出される。そのため、正規の遊技球が発射球通路63から遊技領域20への遊技球出口を通過することが繰り返されることで、傾動部材73の姿勢変化(上記図7および図8参照)が一定の周期(0.6秒毎)で繰り返されることになる。その結果、常時発光している発光素子90が点滅しているように見えることになる。これにより、例えばホール店員が遊技機1の正面側から当該発光素子90の位置を見たとき、発光素子90が点滅しているに見えれば、正規の遊技球を用いて遊技している状態であると考えられる。なお、遊技機1が遊技されていない状態であれば、発光素子90は発光(点灯)状態を維持しているように見えることになる。
一方、図10に示すように、細線が接着された不正遊技球が発射球通路63から遊技領域20への遊技球出口を通過すると、球止め片735に当該遊技球に接着されている細線が引っかかる状態となる。そして、不正遊技球に接着された上記細線の一方端が当該不正遊技球の自由落下によって遊技領域20内を下方へ移動するとともに、上記細線の他方端が不正な遊技者の手元側に維持されているため、不正遊技球に引っ張られた細線が傾動部材73を傾動させる。その結果、傾動部材73の姿勢としては、傾動したままの状態、すなわち、発光素子90を覆い隠す状態が維持され、発光素子90の光を視認することができない状態となる。つまり、遊技機1の正面側から当該発光素子90の位置を見たとき、発光素子90の光が視認できない状態(ホール店員からすると、消灯しているように見える)であれば、上記のような不正な遊技球が用いられている状態であると考えられる。そのため、当該発光素子90の発光態様を監視することで、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われているか否かを容易に発見することが可能となる。
このように、本発明の球戻り防止装置、および、その近傍に埋設された発光素子90によれば、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われた場合、発光素子が(ホール店員から見て)視認できない状態となるため、発光素子90の発光態様が、消灯しているように見えるか否かを監視することで、細線を接着した遊技球を用いた不正を容易に発見することが可能となる。また、当該構成の実現についても、例えばLEDを1個追加して埋設し、これを常時発光状態に設定すればよいだけであるため、多大なコストをかけることなく、容易に実現することが可能である。また、発光素子90の発光制御についても、既存のランプ制御部をそのまま流用すればよく、当該発光素子90の制御のために別途の制御部等を設ける必要もない。
なお、上述した説明では、発光素子90が常時発光している場合を例に挙げたが、この他、例えば、発光素子90を常時点滅させるように制御してもよい。この場合は、点滅する間隔を、遊技球が打ち出される間隔(例えば0.6秒)と異なる間隔とすればよい。このように構成した場合でも、発光態様が消灯状態であるか否かをホール店員が注目・監視することで、不正行為を容易に発見することはできる。
また、発光素子90の埋設位置についても、上記図xで示したような位置の他、例えば、図11および図12に示すような、球止め片735で隠されるような位置等でもよい。つまり、傾動部材73が常態のときには視認できるが、傾動したときは傾動部材73に隠されて視認できなくなるような位置であれば、どのような位置でも良い。ただ、発光素子90の大きさ(LEDの直径等)と傾動部材73の各部の厚みとの関係からすれば、錘732がある側の部分で隠されるような位置のほうが好ましい。例えば、球止め片735で隠されるような位置にした場合、球止め片735の厚みがLEDの直径より薄くなる場合も考えられ、球止め片735の厚みを増す等の加工作業が別途必要となる可能性があるためである。
更には、上記実施形態では、傾動部材73が常態のときには視認でき、傾動したときは傾動部材73に隠されて視認できなくなる場合を例に挙げた。この他、図13および図14に示すように、傾動部材73が常態のときには傾動部材73に隠されて視認できず、傾動したときに視認できるような位置に発光素子90を埋設するようにしてもよい。この場合は、発光素子90が消灯、あるいは点滅しているときは不正な遊技球は用いられておらず、発光素子90が点灯状態を維持している場合は、不正な遊技球が用いられている状態であると判別でき、上記同様に、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われているか否かを容易に発見することが可能となる。
また、上記実施形態では、傾動部材73を有する球戻り防止装置7を用いた場合を例に挙げた。そして、当該球戻り防止装置7は、内レール61の上側端部に取り付けられていた。このような構成に限らず、上記傾動部材73のような動作をするような部材であれば、必ずしも球戻り防止装置7でなくてもよい。まだ、その取り付け位置も、内レール61の上側端部に限らず、その近傍位置に取り付けるようにしても良い。例えば、図15に示すように、傾動部材73のような動作をする部材を、一種の役物として、内レール61の上側端の近傍(内レール61のほぼ延長線上になるような位置)に取り付けてもよい。そして、当該役物の近傍に上記発光素子90を埋設すればよい。また、この場合、内レール61と当該役物との間隔としては、遊技球がその間を下方に向けて通過できないような間隔で配置すればよい。なお、図15では便宜上、役物の形状を傾動部材73と同様の形状で示しているが、この形状に限るものではないことは言うまでもない。遊技球が接触することで姿勢が一時的に変化するような形状であり、変化する前の姿勢と後の姿勢とで、いずれか一方の姿勢では発光素子90が視認でき、他方の姿勢のときは発光素子90を覆い隠すことで視認できなくなるような形状であれば、どのような形状でも良い。
なお、上述した説明では、遊技者が行う不正行為の例として、細線を接着した不正遊技球を用いて、遊技機1に設けられた第1始動口25a等の始動口や普通入賞口29へ入賞するように当該不正遊技球を導いたり、当該入賞状態が連続して発生するように細線を出し入れして当該不正遊技球を往復移動させたりすることを挙げたが、他の不正行為の発見も容易になることは言うまでもない。例えば、上記不正遊技球を用いて、遊技機1に設けられた入賞や抽選に関する他の役物(例えば、ゲート27、第2始動口25b、大入賞口28)への不正な入賞や抽選を生じさせるような不正も防止することができる。また、細線に遊技球以外の物体を接着した道具を用いた不正であっても、球戻り防止装置を通過した場合に上記発光素子の発光態様が消灯した状態に見えるため、、当該不正を容易に発見することが可能となる。
また、上述した遊技機1に設けられている各構成要素の形状、数、および設置位置等は、単なる一例に過ぎず他の形状、数、および設置位置であっても、本発明を実現できることは言うまでもない。
以上、本発明を詳細に説明してきたが、前述の説明はあらゆる点において本発明の例示にすぎず、その範囲を限定しようとするものではない。本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができることは言うまでもない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。また、当業者は、本発明の具体的な実施形態の記載から、本発明の記載および技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。また、本明細書において使用される用語は、特に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられることが理解されるべきである。したがって、他に定義されない限り、本明細書中で使用される全ての専門用語および技術用語は、本発明の属する分野の当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。矛盾する場合、本明細書(定義を含めて)が優先する。
以下、上記実施形態における作用効果について説明する。なお、特許請求の範囲の記載を解釈する際に、特許請求の範囲の記載によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解され、特許請求の範囲の記載と本作用効果の記載とが矛盾する場合には、特許請求の範囲の記載が優先する。また、本作用効果における括弧内の記載は、本発明の理解を助けるために上記実施形態との対応関係を示したものであって、本発明の範囲を何ら限定するものではない。
上記実施形態においては、発光部は回動部材の後方であって、回動部材が第1の姿勢および第2の姿勢のいずれか一方の姿勢のときにのみ遊技盤の正面から視認できるような位置に埋設される。
上記によれば、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われた場合と行われていない場合とで、発光部の発光態様が異なるため、当該不正を容易に発見することができる。また、既存の遊技機の構成に発光部を1つ加えるだけですむため、多大なコストを掛けずに、不正を容易に発見することが可能な遊技機を構成できる。
上記発光部は、遊技機が動作している間は常時発光状態であってもよい。
上記によれば、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われた場合、発光部からの光が視認できない状態となるため、不正を容易に発見することができる。また、発光部の発光制御についても、例えば点滅させるような制御を行う場合に比べて簡易な制御で済む。
上記発光部は、回動部材の姿勢が当該発光部を視認できない姿勢のとき、当該回動部材の一部に隠されて視認できないような位置に埋設されてもよい。
上記によれば、細線を接着した遊技球を用いた不正が行われた場合、回動部材に隠されることで発光部からの光が視認できない状態となるため、発光部の発光態様に着目することで不正を容易に発見することができる。
上記回動部材は、前記第1の姿勢においては前記発射球通路側へ起立した姿勢となるとともに、前記第2の姿勢においては発射球通路から退避する方向へ傾倒する球止め片を有する球戻り防止部材であってもよい。
上記によれば、既存の球戻り防止部材を流用することができるため、既存の遊技機の構成に、例えばLEDを1つ加えるという構成の変更で済むため、不正を容易に発見することができる遊技機を低コストで構成することができる。
1…遊技機
2…遊技盤
20…遊技領域
21…画像表示部
22…可動役物
23…盤ランプ
24…排出口
25a…第1始動口
25b…第2始動口
26…電動チューリップ
27…ゲート
28…大入賞口
29…普通入賞口
3…表示器
43…錠部
5…枠部材
51…ハンドル
52…レバー
53…停止ボタン

54…取り出しボタン
55…スピーカ
56…枠ランプ
57…演出ボタン
58…演出キー
59…皿
61…内レール
611…固定部材
62…外レール
63…発射球通路
7…球戻り防止装置
71…上側本体
711…係合突起
72…下側本体
73…傾動部材
731…支軸
732…錘
733…貫挿孔
734…取付孔
735…球止め片

Claims (4)

  1. 遊技盤の前面に設けられた発射球通路の内側に固設される内レールの上側端部または当該上側端部の近傍に設けられ、発射球通路から進入した遊技球と接触可能な第1の姿勢と、遊技球の接触により一時的に変化する姿勢であって当該第1の姿勢とは異なる姿勢である第2の姿勢とに姿勢変化可能な回動部材と、
    前記回動部材の後方に埋設される発光部とを備え、
    前記発光部は、前記回動部材が前記第1の姿勢および第2の姿勢のいずれか一方の姿勢のときにのみ前記遊技盤の正面から視認できるような位置に埋設される、遊技機。
  2. 前記発光部は、前記遊技機が動作している間は常時発光状態である、請求項1に記載の遊技機。
  3. 前記発光部は、前記回動部材の姿勢が当該発光部を視認できない姿勢のとき、当該回動部材の一部に隠されて視認できないような位置に埋設される、請求項1に記載の遊技機。
  4. 前記回動部材は、前記第1の姿勢においては前記発射球通路側へ起立した姿勢となるとともに、前記第2の姿勢においては発射球通路から退避する方向へ傾倒する球止め片を有する球戻り防止部材である、請求項1ないし3に記載の遊技機。
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