JP5110597B2 - 免震装置 - Google Patents

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本発明はコンピュータサーバ、美術工芸品等の物品、さらには大きなものでは建物等を地震の揺れから護るための免震部品及び免震装置に関し、特にボール及びボール溝を利用したボール溝タイプの免震装置の改良に関する。
従来、例えば、特許文献1に示す、スライドガイド方式の免震装置では、上側スライドガイドと、この上側スライドガイドとは略直角となるように下側スライドガイドを設け、上側スライドガイドと下側スライドガイドとの間に、上側スライドガイドに沿って移動可能に、かつ下側ガイドに沿って移動可能にされたスライド部を設けて、上側スライドガイドと下側スライドガイドとを相対方向に移動させて、水平方向に移動する免震部品としている。
この免震部品四組を、上プレートの下側に上側スライドガイドの中心を結ぶ線が四角形となるように配置固定し、下プレート上側に下側スライドガイドの中心を結ぶ線が四角形となるように配置固定し、上側テーブルと下側テーブルとを相対的に水平方向に移動するようにしている。また、四角形の辺に対して、十字状に配置されている。なお、X字状に配置されているものも知られている。また、スライド部は多数のボールを設けたボールスライドや、滑り面を形成したものが知られている。また、かかるスライドガイド方式の免震装置では、スライドガイド間の摩擦力は、ほぼ一定であるので、スライド部をバネで両側から引っ張ることにより中央(原位置)に復帰させている。
しかし、地震の揺れに対して、復帰力の他にブレーキ等により揺れを減衰させる必要があるが、このものでは、摩擦力は一定であるため、別に摩擦を与える機構を設けなくてはならない。
そこで特許文献2においては、下面側に直線状に設けられたボール溝を備えた上案内部と、上面側に直線状に設けられたボール溝を備えた下案内部と、上案内部のボール溝と下案内部のボール溝に嵌合し、両ボール溝間を滑り又は転がり移動可能に設けられたボールとで、ボール及びボール溝タイプの免震部品とし、さらに、ボール溝は中央で最大深さとなるようにして、自動復帰するようにした。さらに、両ボール溝の水平方向軸を垂直方向から見た交差角を0°を超え、90°未満とした免震部品(図1)を四角形の四隅位置に配置し、移動方向を交差角の二等分線方向としている。この交差角を選択することにより、純ころがり(交差角0°、摩擦係数にして0.001〜0.002)から、完全滑り(交差角90°で移動方向が交差角の二等分線方向でなくボール溝方向の場合、摩擦係数にして0.1〜0.2)の間の任意の摩擦係数(例えば0.02〜0.14程度)を得られる(図3)。なお、交差角0°の場合の摩擦係数は、特許文献1の場合と同様となり、移動方向はボール溝方向であり、純転がり摩擦となる。また、交差角90°のものに言及しているが、二段での使用はメリットがなかった。また、一段での使用も一軸方向の使用に限られていた(引用文献2段落0017)。
また、特許文献3においては、両ボール溝の水平方向軸を垂直方向から見た交差角が0°以上で90°以下とし、交差角の異なる免震部品の二組以上を四角形の四隅位置に(ボール溝の中心(中央)を結ぶ線が四角形となるように)配置している。これにより、交差角の異なる即ち摩擦係数の異なる免震部品を複数組み合わせることにより、さらに、広範囲な任意の摩擦係数を得られる。
特開2001−349373号 特開2006−183862号 特開2006−158476号
しかし、特許文献2及び3のものは、交差させたボール溝間にすべり転がり動作するボールに所定の摩擦係数を付与する。摩擦係数は交差角に依存する。従って、所定の摩擦係数を得るためには、ボールを交差角の2等分線方向に移動させる必要がある。また、適切な摩擦係数を得るには、交差角を90°よりも小さい30°ないし40°程度にせざるを得ない。そして、例えば一方向に40°の交差角を設定したとすると、交差角の二等分線方向の摩擦係数は40°に相当するものとなる。しかし、交差角の二等分線の90°方向の交差角は90−40=50°となり、水平直角2軸方向で、摩擦係数の差が発生するため免震性能(摩擦係数は)方向によりかわってしまう。このため、摩擦係数を適切に保ち、水平方向全域に水平方向移動可能とするためには、二個の構造体を互いに90°ずらして、二方向(X,Y方向)、即ち、免震部品を2段に重ねた2段構造の免震装置とする必要があった。
一方、免震装置に載荷するものの種類によって、あるいは200ガル以下の免震装置にあっては、必ずしも精度の高い摩擦係数にする必要がない。そこで、本発明の課題は、移動方向によっては、摩擦係数が例えば0.08〜0.12程度にばらついても比較的安定した摩擦係数が得られる一段構造の免震装置を提供することである。なお、特許文献1の場合にあっても、スライド部は上スライドガイドとスライドする上スライドと下スライドガイドとスライドする下スライドの二部分が必要であり、二段構造であるとも言える。
本発明においては、下面側に直線状に設けられたボール溝を備えた上案内部と、上面側に直線状に設けられたボール溝を備えた下案内部と、前記上案内部のボール溝と前記下案内部のボール溝に嵌合し、前記両ボール溝間を滑り又は転がり移動可能に設けられたボールと、を備え、前記ボール溝は中央で最大深さとなるようにされた免震部品を四組以上有し、上プレートの下側に前記上案内部が前記上案内部の前記ボール溝の中央を結ぶ線が四角形となるように配置固定され、下プレートの上側に前記下案内部が前記下案内部のボール溝の中央を結ぶ線が四角形となるように配置固定され、前記ボール溝を前記上下プレートの垂直方向から投影してみたとき、水平方向で前記ボール溝の取付方向が異なる二以上の前記免震部品を有し、全ての前記ボールが同時に前記ボール溝方向に移動することがないようにされている免震装置を提供することにより、前述した課題を解決した。
即ち、ボール及びボール溝タイプの免震部品にあっては、特許文献2,3と同様に配置することにより、移動方向が交差角の二等分線方向では、転がり滑りとなり、低い摩擦係数となる。しかし、全ての組のボール溝の方向が同じであると、移動方向がボール溝方向の場合は図2に示す摩擦係数となり最大となる。特に交差角が90°の場合は、完全すべり状態となる。この場合は転がり滑り摩擦でなく滑り摩擦となり非常に大きな摩擦係数となる。そこで、本発明では、少なくとも1組のボール溝の方向を異ならせているので、他のボールの移動方向がボール溝方向となっても、ボールの方向が異なるので、最大摩擦係数のみとならず、全体の摩擦係数が小さくなる。これにより、移動方向が変化しても摩擦係数の変動が大きくなりすぎることがない。また、交差角が90°の場合は、一部の免震部品は完全すべりが転がり滑りとなる。このときの摩擦係数は、完全滑りと90°より転がり滑りの方が摩擦係数が格段に小さくなるので、全体の摩擦係数の増加は顕著に少なくなる。
より好ましくは、摩擦係数の変化は少ない方が好ましい。そこで、請求項2に記載の発明においては、前記免震部品は、前記四角形の中心に対して、互いに点対象となるように前記ボール溝を取り付けるようにした。
即ち、互いに点対称とすることにより、4組のボール溝は内側あるいは外側に互いに傾くことになる。結果、ボール溝の方向が一致するのは2組となるので、ボール溝方向の移動での摩擦係数を低くすることができる。また、非対称の場合は、上下テーブルにねじり方向の力が発生し、作動が不安定になるが、対称とすることにより、作動が安定し易くなる。
免震部品の配置は、均等であることが好ましい。そこで、引用文献のように四隅に十字状に配置してもよいが、構造上移動距離はボール溝方向が最短で、交差角の二等分線方向が最長である。従って載置テーブルを四角形配置に合致する四角形状にする場合は、前後・左右方向にストロークが長い方が取扱、強度、大きさの点から好ましい。そこで、請求項3に記載の発明においては、前記免震部品は、前記四角形の辺に対して、X字状に配置されている免震装置とした。
ボール溝の方向を異ならせるためには、交差角を異ならせればよい。そこで、請求項4に記載の発明においては、前記免震部品は互いに交差角が異なる二以上の免震部品とした。例えば、交差角40°のものと、60°のものを、四角形の四隅にそれぞれ、X字状に交互に配置する。交差角40°のものは、上下プレートが40°方向に相対移動するときに、ボールがボール溝に沿って移動するので、最も摩擦係数が高い。このとき、交差角60°のものは、上下プレートが40°方向に相対移動するときに、ボールがボール溝に沿って移動しないので、摩擦係数が低い。従って、全体の摩擦係数を低く、バラツキを少なくすることができる。
免震部品の最大ストロークは、免震部品のボール溝の交差角の小さい方の二等分線方向となる。また、交差角が小さい方が長くなる。そのため、ボール溝長さが同一の場合は、前述した40°と60°の場合は60°の方が短いので、全体のストロークは60°となる。一方、直角方向は60°の場合は、90°−60°=30°となり、ストロークは長くなるが、40°の場合は、90°−40°=50°となるので短くなり、ストロークを有効に使えない。
そこで、請求項5に記載の発明においては、前記免震部品の交差角は90°±6°の範囲とされ、全ての前記ボールと前記ボール溝とが完全すべりのみとなる方向が生じないようにされている免震装置とした。
即ち、交差角を90°及び90°近傍としたので、二等分線方向のストロークはほぼ同じとなる。また、交差角を幅12°の範囲内で異ならせるので、ボール溝の方向が全て同じになることがない。交差角の幅が少ないとボール溝の取付誤差等により、全ボールがボール溝方向に運動し、完全滑りが生じる虞があり、ボール溝間の角度差は好ましくは6°程度がよい。前述したように、交差角が90°近傍の場合は、一部の免震部品を完全すべりから転がり滑りとなるので、完全滑りと90°より転がり滑りの方が摩擦係数が格段に小さくなるので、全体の摩擦係数の増加は顕著に少なくなり、本願発明の効果が大きい。
前述した方法では、交差角を異ならせたが、同時に取付角度を変えることにより、ボール溝が一致する個数を減らすことも可能である。そこで、請求項6に記載の発明においては、前記免震部品は交差角が異なる二以上の免震部品であり、かつ上下プレートへの取付方向が二以上異なる免震装置とした。
さらに、請求項7の発明においては、取付方向のみを異ならせ、前記免震部品は交差角が同一の免震部品であって、二以上の免震部品が上下プレートへの取付方向が異なる免震装置を提供する。この場合は、例えば交差角が93°の免震部品を90°ずつ回転させながら四隅に配置するとよい。さらに、前述した請求項5と同様に、ストロークの均等化をはかるため、請求項8に記載の発明においては、前記免震装置の交差角が90°であり、全ての前記ボールと前記ボール溝とが完全すべりのみとなる方向が生じないようにされている免震装置とする。完全すべりのみとならないようにするには、お互いに内側に傾けて配置すればよい。
免震部品の傾き角は大きくすると、ストロークが減じる。少ないとボール溝の取付誤差等により免震部品での完全滑りが生じる虞がある。そこで、請求項9に記載の発明においては、前記免震部品は、前記四角形の中心に対して、互いに点対象とし、前記四角形の辺に対して、X字状に配置され、前記免震部品のボール溝の前記四角形の辺に対する傾きが45°±0°を超え6°以下である免震装置とした。
本発明の免震装置によれば、ボール及びボール溝タイプの免震部品の少なくとも1組のボール溝の方向を異ならせて上下プレート間に配置し、移動方向が変化しても摩擦係数の変動が大きくならないようにしたので、シンプルな一段構造の免震装置を提供するものとなった。また、一段の上ボール溝及び下ボール溝及びボールからなる簡単な免震部品であり、スライドガイドにスライドするスライド部材に相当するボールは構造も簡単であり、取扱も容易で、高さも低くできるものとなった。
また、請求項2に記載の発明においては、免震部品を四角形の中心に対して、互いに点対象となるようにボール溝を取り付け、ボール溝方向の摩擦係数を低くし、ねじり方向の力を押さえ、作動が安定するので、構造が簡単で、回転止め等も簡単なものでよい。
さらに、請求項3に記載の発明においては、免震部品を四角形の辺に対してX字状に配置とし、均等とし、前後・左右方向にストロークを長くしたので、免震装置の設置や取扱が容易となった。
また、請求項4に記載の発明においては、免震部品を互いに交差角が異なる二以上の免震部品とすることにより、同様に、一段の免震装置とできる。さらに、請求項5に記載の発明においては、免震部品の交差角を90°±6°の範囲としたので、左右・前後方向でのストロークの差が小さく、ボール溝に対して適切な大きさの一段免震装置とすることができる。さらに、請求項6に記載の発明においては、交差角と取付角度を変えることにより一段免震装置を提供する。
さらに、請求項7に記載の発明においては、交差角を同じとし、取付方向のみを異ならせて一段免震装置を提供できる。また、請求項8に記載の発明においては、免震装置の交差角を90°としたので、免震方向による摩擦力やストロークの差が小さくなり、構造が簡単で、使いやすい一段免震装置を提供するものとなった。さらに、請求項9に記載の発明においては、点対象、X字状に配置し、免震部品のボール溝の四角形の辺に対する傾きを45°±0°を超え6°以下の免震装置としたので、ストロークが大きく、摩擦係数のバラツキのすくな一段免震装置を提供するものとなった。
本発明の実施の形態について、前述した特許文献1,2の記載と重複するが、まず免震部品について図を参照して説明する。図1は本発明の免震部品にかかる交差角θの場合のの平面図、図2は作動説明図である。図1に示すように、本発明の免震部品1は、下面2a側に直線状に設けられたボール溝4を備えた上案内部2が設けられている(点線で示す)。また、上面3b側に直線状に設けられたボール溝5を備えた下案内部3が基台13に固定されている。図示しないガイドを設け、上案内部2と下案内部3が常に交差角θとなるように規制されている。上下ボール溝4,5間には、両ボール溝に嵌合し、両ボール溝間を滑り又は転がり移動可能に設けられたボール6が設けられている。図示しないボール溝の縦断面は底部が中央2c,3cで最も深くなるのようにされ、ボールはそれぞれのボール溝の中央位置2c,3c(4c,5c)になる位置で安定している。
かかる構成において、下案内部3に対して上案内部2を移動させると、常に交差角θは一定に規制されているので、図2に示すように下ボール溝5の中央3cにボール6がある場合は、上案内部は上ボール溝4方向にしか移動できないので矢印Aで示す範囲しか動けない。また、下ボール溝5の図で見て右上端5rにボール6がある場合は、同様に矢印Bで示す範囲、下ボール溝の図で見て左下端5sにボールがある場合は、同様に矢印Cで示す範囲しか動けないので、結局上案内部2は二点鎖線10で囲んだ範囲内を動くことになる。即ち、下案内部3と上案内部2は二点鎖線10で囲んだ範囲で相対水平移動可能とされる。最も移動距離が長いのは交差角の二等分線方向で最大移動距離Lとなり、その直角方向で最小移動距離Sとなる。θ=90°の場合は、L=Sである。また、図で斜め45°方向はボール溝の長さ移動することとなる。
かかる免震部品1の摩擦係数について述べる。例えば矢印Aで示す上案内部2の移動時の摩擦係数はボール6と上ボール溝4との転がり及び滑り摩擦、ボールと下ボール溝5の滑り摩擦となる。滑りはボール6がボール溝4,5に沿って動く場合は0、ボール溝に直角にボールが回る場合に最大となり、ボール溝の交差角θが小さくなるに従って滑りは少なくなる。そこで、各交差角θに対する摩擦係数を測定した。その結果を図3に示す。なお、ボール材質はSUJ2(軸受鋼)、上下案内部は同じものとし、その材質はS45Cの調質材でボール溝はボール直径の52%の半径を交差角50°にしたゴシックアーチ形状の断面とし、溝深さはボール直径の約40%とした。また、安定化のため4組の免震部品を4隅に等分に配置して測定した。
図3に示すように交差角θ=90度では、滑りによる摩擦係数である0.15を示し、交差角θ=0では、従来のボール溝を平行に配置した純転がりとなり、摩擦係数は0.001〜0.002程度となっている。そして、交差角θ=30度で摩擦係数が0.05、θ=45度で0.07、θ=60度で0.1、θ=75度で0.12となっており、交差角90度と交差角0度との間を直線Fで結んだ値にほぼ等しい摩擦係数を示している。このように、ボール溝及びボールタイプの免震部品は交差角に応じて摩擦係数が変化、即ち、交差角を変更することにより、所望の摩擦係数をいとも簡単に得ることができることがわかる。なお、より高い摩擦係数を必要とする場合は、前述した表面処理や材質等を選択することにより交差角90度での摩擦係数を高くすればよい。
次に、本発明の交差角θ=90°の場合について、移動方向の差について述べる。この場合、ボール溝方向に移動する場合は、前述したように、摩擦係数は0.15程度となる。一方、ボール溝以外の方向に移動する場合は、完全すべりでなく転がり要素が入るので、大きく摩擦係数は減少し、0.09〜0.1程度となる。さらに、交差した角度の2等分線方向に移動するときには、摩擦係数0.08程度となる。
次に、かかる免震部品1を用いた本願発明の免震装置の実施の形態について図を参照して説明する。このものは、交差角90°の免震部品4組を点対象、X字状に配置し、免震部品のボール溝の四角形の辺に対する傾きを異ならせた一段免震装置である。図4の(a)はボールが中立位置時の免震装置の平面図、(b)は正面図、(c)は斜視図、図5の(a)は図4のA−A矢視図(上プレート)、(b)はB−B線矢視図(下プレート)、図6(a)は上プレートが横(右)方に移動したときの免震装置の平面図、(b)は斜視図、図7の(a)は上プレートが縦(上)方に移動したときの免震装置の平面図、(b)は斜視図、図8の(a)は上プレートが斜め右方に移動したときの免震装置の平面図、(b)は斜視図である。
図4、図5に示すように、本実施例免震装置21は免震されるサーバーや美術品が載置される上プレート22と、固定床等の基台に取付固定される下プレート23と、上プレートと下プレート間に4個の免震部品1が四角形状の四隅に当たる位置に設けられている。なお、符号は同様な部品について一部又は全部を省略する。上下プレート22,23はそれぞれ二枚のプレートからなり、それぞれ上下プレート連結棒24,25により一体に連結されている。
図5(a)に示すように、上プレート22の下面の四隅にボール溝4を下向きにして上案内部2が多数のボルト31によりそれぞれ固定されている。また、図5の(b)に示すように、下プレート23の上面の四隅にボール溝5を上向きにして下案内部3がボルト31によりそれぞれ固定されている。上案内部2と下案内部3はそれぞれのボール溝4,5の交差角が90°となるように取付られている。ボール溝4,5間にボール(鋼球)6がそれぞれ滑り回転可能に狭持され、4組の免震部品1が上プレート22と下プレート23間に設置される。上下ボール溝4,5の中心4c、5cを結ぶ線は四角形状K−k、S−sとなるようにされ、四角形状の上下プレートの辺と並行となるようにされている。上案内部2のボール溝4は互いに片仮名のハの字状に、下案内部3のボール溝5は互いに片仮名の逆ハの字状にされる。図4の(a)の点線で示すように、垂直方向から投影してみた場合に、四角形状の辺に対して、上下のボール溝4,5(上下案内部2,3)でX字状となるように配置されている。
図5(b)に示すように、下側ボール溝5の角度は下ボール溝の中心5cを結ぶ線の縦の辺Sに対し、外側に48°(45°+3°)傾いている。また、図5(b)に示すように、上側ボール溝4は交差角が90°となるように、下側ボール溝5に対応しており、上下ボール溝の中心4cを結ぶ線の横の辺kに対し同様に48°(45°+3°)外側に倒れている。上下ボール溝の中心を結ぶ四角形状の線S−s,K−kの中心に対して点対称、さらには中心軸対称となっている。ボール6の周囲にはそれぞれ上下案内部の側部とそれぞれ同時に嵌合してボール溝の交差角を一定にさせ、さらに上プレートが下プレートに対して浮き上がらないようにするためのガイド28が設けられている。また、下プレート23の上面に緩衝ゴム33が固定されており、上プレート22の下面に設けられたX軸ストッパー29及びY軸ストッパー30に当接するようにされており、上下プレートの移動範囲を制限できるようにされている。下プレートの中央には穴32があけられており配線を保護する配線ガイド(壁)34が設けられている。
かかる構成の免震装置21において、図4でみて横(右)方向に上プレート22を移動させた場合について述べる。上プレート22が左右方向力を受けると、図7に示すように、交差角90°の二等分線方向、即ち、左右方向が摩擦が小さいので移動し易い。そこで、上プレート22が左右方向に動くことになる。
次に、図4でみて上(縦又は後)方向に上プレート22を移動させた場合について述べる。上プレート22が上下方向に力を受けると、図7に示すように、右方向の場合と同様、交差角90°の二等分線方向、上下方向が摩擦が小さいので移動し易い。そこで、上プレート22は下プレート23に対して上方向に動く。ボール溝4,5(上下案内部2,3)の左右及び上下(縦又は前後)方向に対する傾きは±3°であり、殆ど影響を受けない。
免震装置21にあっては、左右、前後方向の移動の合成になり、全水平方向に上下プレート22,23が相対移動する。ところが、免震部品1の取付角が全て同じ場合は、ボール溝方向である斜め45°方向に力を受けると、ボール6とボール溝4,5の一方とが完全滑りとなり、摩擦抵抗が増大する。このため、左右、前後の微動を繰り返し45°方向に相対移動することとなり、動作がぎくしゃくして、微振動が加わったりして、本来の免震性能を確保できない。これに対して、図8に示すように、本実施の形態では、取付角度を中心軸に対して点対称に、外側に斜め48°とし、ボール溝4,5を移動するボールの方向は2組は同じになるが、4組は同じにならない。従って、例えば45°方向の力が加わった場合は、ボール溝の角度と一致しないので、全ボールは完全滑りにはならず、転がり滑りとなるので、摩擦係数は低く、スムースに45°方向に動くことになる。
一方のボール溝と同じ方向に力が加わった場合は、他方のボール溝とは同じ方向に移動しないので、2組のボールは完全すべりであるが、残りの2組のボールは転がり滑りとなり摩擦係数が低い。従って、全体の摩擦係数は、完全滑りと転がり滑りの中間の摩擦係数となる。この値は、完全滑りに対して充分低い値になるので、スムースに動くことになる。なお、本実施例での傾きの場合、摩擦係数の方向によるバラツキは0.08〜0.12(ボール溝での特定角度)程度であり、特定角度以外ではバラツキが小さく、摩擦係数も小さいものとなった。このように、本実施の形態によれば、ストロークを大幅に減じることなく、方向による摩擦係数のばらつきはあるが、完全すべりの様な状態がないので、実用には充分な、安定した免震性能を得られる。
次に本発明の他の実施の形態について説明する。図9は、本発明の他の実施の形態を示す模式図であり、下側プレート23′及び下側ボール溝5は実線、上側ボール溝4を点線で示す。図13は誇張して記載している。このものは、交差角が87°の免震部品1を90°毎に回転させて取り付けたものである。前述したと同様なものについては、同符号を付し説明の一部を省略する。図9に示すように、前述した実施例と同様に、取付は上案内部2のボール溝4は互いに片仮名のハの字状に、下案内部3のボール溝5は互いに片仮名の逆ハの字状に、垂直方向から投影してみた場合に、四角形状の辺に対して、上下のボール溝4,5でX字状となるように配置されている。また、垂直方向からの投影状態で、ボール溝の二等分線方向と、四角形状の辺とが一致するように配置される。
図9で見て、左上及び右下側のボール溝の交差角は上側で93°とされ、ボール溝の方向は、四角形の横方向辺sに対し、上側に43.5°傾いている。右上及び左下側のボール溝の交差角は上側で87°とされ、ボール溝の方向は、四角形状の横方向辺sに対し、上側に、46.5°傾いている。上下ボール溝の中心を結ぶ四角形状S−sの線の中心に対して点対称となっている。
かかる構成の免震装置21′において、図9でみて左右方向又は上下方向に図示しない上プレートを移動させた場合、交差角の二等分線方向は上下方向、左右方向ともほぼ同じ条件であり、摩擦が小さいので移動し易い。そこで、前述したと同様に上プレートが左右又は上下方向に動くことができる。
次に、斜め45°方向に力を受けると、ボール溝の方向はそれぞれ43.5°及び46.5°であり、45°とは1.5°異なる。このため、ボール6とボール溝4,5とは転がり滑りとなる。完全滑りではないので摩擦係数は低く、スムースに45°方向に動くことになる。斜め43.5°方向に力を受けると、左上と右下は完全滑りとなるが、右上と左下は3°異なるので転がり滑りとなる。46.5°方向でも同様である。従って、一組のボール溝方向に力が加わったても、全ボールが完全滑りにはならないので、摩擦係数は低く、スムースに動くことになる。このように、交差角を同じにして、取付方向を変えても、交差角を変えて組み合わせても、ストロークを確保しながら、実用には充分な、安定した免震性能を得られる。
なお、ボール溝の底部の深さは両端部から徐々に深くなり、中央部の底部の深さが最も大きくされるが、ボール溝の底部のボール溝に沿う縦断面は、従来と同様に、V字等の直線、U字等の曲線、楕円、円等を用いる。また、上下溝は同断面形状であるのが好ましい。ボール溝の横断面は、動作の安定のために、ボールが二点以上で接触するゴシックアーチ状やV溝状、U溝、凹溝等のボールがボール溝方向以外は転がり回転するような断面、幅、深さのものでもよいが、本実施例では滑りを起こさないようにしているので、ボール溝方向以外でも回転するような、ボール径より大きな円弧断面とし、一点接触するようにしてもよい。
本発明にかかる免震部品の平面図である。 本発明にかかる免震部品の作動説明図である。 本発明にかかる免震部品の各交差角θに対する摩擦係数を測定した結果を示し、横軸は交差角θ、縦軸は摩擦係数μを示す。 本発明の実施の形態を示す免震装置の(a)はボールが中立位置時の平面図、(b)正面図、(c)は斜視図である。 (a)は図4(b)のA−A矢視図、(b)はB−B線矢視図である。 本発明の実施の形態を示す免震装置の(a)は上案内部が横(右)方に移動したときの免震装置の平面図、(b)は斜視図である。 本発明の実施の形態を示す免震装置の(a)は上案内部が縦(上)方に移動したときの免震装置の平面図、(b)は斜視図である。 本発明の実施の形態を示す免震装置の(a)は上案内部が斜め右方に移動したときの免震装置の平面図、(b)は斜視図である。 本発明の他の実施の形態を示す免震装置の模式平面図である。
符号の説明
1 免震部品
2 上案内部
3 下案内部
4 上案内部のボール溝
5 下案内部のボール溝
4c、5c 中央(部)
6 ボール
21、21′ 免震装置
22 上プレート
23 下プレート
四角形 S−s,K−k
θ 交差角

Claims (9)

  1. 下面側に直線状に設けられたボール溝を備えた上案内部と、上面側に直線状に設けられたボール溝を備えた下案内部と、前記上案内部のボール溝と前記下案内部のボール溝に嵌合し、前記両ボール溝間を滑り又は転がり移動可能に設けられたボールと、を備え、前記ボール溝は中央で最大深さとなるようにされた免震部品を四組以上有し、上プレートの下側に前記上案内部が前記上案内部の前記ボール溝の中央を結ぶ線が四角形となるように配置固定され、下プレートの上側に前記下案内部が前記下案内部のボール溝の中央を結ぶ線が四角形となるように配置固定され、前記ボール溝を前記上下プレートの垂直方向から投影してみたとき、水平方向で前記ボール溝の取付方向が異なる二以上の前記免震部品を有し、全ての前記ボールが同時に前記ボール溝方向に移動することがないようにされていることを特徴とする免震装置。
  2. 前記免震部品は、前記四角形の中心に対して、互いに点対象となるように前記ボール溝が取り付けられていることを特徴とする請求項1記載の免震装置。
  3. 前記免震部品は、前記四角形の辺に対して、X字状に配置されていることを特徴とする請求項2記載の免震装置。
  4. 前記免震部品は互いに交差角が異なる二以上の免震部品であることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の免震装置。
  5. 請求項4記載の前記免震部品の交差角は90°±6°の範囲とされ、全ての前記ボールと前記ボール溝とが完全すべりのみとなる方向が生じないようにされていることを特徴とする請求項4記載の免震装置。
  6. 前記免震部品は交差角が異なる二以上の免震部品であり、かつ上下プレートへの取付方向が二以上異なることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一に記載の免震装置。
  7. 前記免震部品は交差角が同一の免震部品であって、二以上の免震部品が上下プレートへの取付方向が異なることを特徴とする請求項1又は2又は3に記載の免震装置。
  8. 請求項7記載の前記免震装置の交差角が90°であり、全ての前記ボールと前記ボール溝とが完全すべりのみとなる方向が生じないようにされていることを特徴とする請求項7記載の免震装置。
  9. 前記免震部品は、前記四角形の中心に対して、互いに点対象とし、前記四角形の辺に対して、X字状に配置され、前記免震部品のボール溝の前記四角形の辺に対する傾きが45°±0°を超え6°以下であることを特徴とする請求項8記載の免震装置。
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