JP5109751B2 - レーザプロジェクタ - Google Patents
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Description
また、特許文献2においては、人体センサ等の各種センサにより、光路内への異物の侵入や走査の異常を検出した場合に、電気的にレーザ発光器の発光を停止したり、走査光の投射を機械的に停止させ、人体に対する危険を防止する投影表示装置が開示されている。
レーザ光源からのレーザ光を走査する走査ミラーを備え、レーザ光源からのレーザ光をスクリーンに投射して画像を表示するレーザプロジェクタにおいて、
起動後の所定期間経過後、当該走査ミラーを第1の振れ角で駆動させる第1制御手段と、
起動後の所定時間の間、前記走査ミラーを、少なくとも一次元方向に、前記第1の振れ角より大きい第2の振れ角で駆動させる第2制御手段と、
を備え、
前記起動後の所定期間の間、前記起動後の所定期間の経過後の表示領域よりも広い範囲にレーザ光が投射されることを特徴とする。
前記第2制御手段は、前記走査ミラーを前記共振周波数で駆動させることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載のレーザプロジェクタにおいて、前記レーザ光源は、レーザ光の出力開始時に、初めに視感度の高いレーザ光を出力することを特徴とする。
すなわち、起動後の所定時間の間、走査ミラーを、通常時の振れ角よりも大きな振れ角で駆動することにより、通常時のレーザ光よりもエネルギー密度の低いレーザ光がスクリーンに投射されることとなる。したがって、より簡易な構成且つ低コストで、レーザ光を投射するレーザプロジェクタにおけるレーザ発光開始時のレーザ光の人体への危険性を低減させることができる。
まず、本発明の実施形態1のレーザプロジェクタについて説明する。
図1は、実施形態1におけるレーザプロジェクタの全体構成を示す図であり、図2は、実施形態1におけるレーザプロジェクタの要部構成を示すブロック図である。また、図3は、走査ミラーの要部構造を示す斜視図であり、図4は、走査ミラーの共振周波数と振幅の関係を示す図である。また、図5は、実施形態1のレーザプロジェクタでの起動時におけるレーザ光の投射の様子を示す図であり、図6は、通常時におけるレーザ光の投射の様子を示す図である。図7は、起動時及び通常時における走査ミラーとレーザ光源の駆動処理を示すフローチャートである。なお、発明の範囲は図示例に限定されない。
ミラー部22は、例えば、特定の波長の光を透過して、それ以外の波長の光を反射するダイクロイックミラー等であり、複数のレーザ光源21からの各色レーザ光を合波して、1軸の光軸を有するレーザ光を走査ミラー23に出力する。
ミラー基板231の表面の略中央部にはミラーMが設けられ、当該ミラーMを囲むように、周縁部に平面状のコイル231aが形成されている。また、内側フレーム232の表面の周縁部には、平面状のコイル232aが形成され、各コイル231a、232aの両端は電極236、236に電気的に接続されている。また、外側フレーム233の側面には、2対の永久磁石237、238が、N極とS極とが互いに対向するように配置されている。
従来のプロジェクタでは、この共振周波数(a点)の電流をコイルに印加することにより、走査ミラー23を大きな振れ角で振動させている。これに対して、本実施形態のレーザプロジェクタ100では、起動後の所定時間の間(起動時)に限って、共振周波数(a点)の交流電流をコイルに流すことにより、走査ミラー23を大きい振れ角(第2の振れ角)で往復駆動させ、起動後の所定時間経過後(通常時)は、共振周波数(a点)を離れた周波数(例えば、b点)の交流電流をコイルに流して、起動時の振れ角よりも小さな振れ角(第1の振れ角)で走査ミラー23を往復駆動させる。スクリーンSに投射されるレーザ光のエネルギー密度は走査ミラー23の振れ角に反比例するため、通常時にスクリーンSに投射されるレーザ光のエネルギー密度と比較して、起動時に投射されるレーザ光のエネルギー密度が低下することとなる。したがって、起動時に、レーザ光の光路に人体が存在する場合でも、レーザ光が人体に損傷を与える危険性を低減させることができる。
光源駆動部25は、画像メモリ24から読み出した画像データに基づいて、レーザ光源21を駆動して、画素毎にレーザ光を調整する。
当該起動時制御プログラム263aは、起動後の所定時間の間(起動時)に実行される。すなわち、CPU261は、レーザプロジェクタ100の起動後、予め設定された時間(例えば、10秒間)に限って、走査ミラー23を共振周波数(図4のa点)で駆動することにより、走査ミラー23を第2の振れ角で駆動する。
なお、本実施形態では、二次元方向に第2の振れ角で駆動させることとするが、一方向(例えば、水平方向)のみ第2の振れ角で駆動させ、もう一方の方向(例えば、垂直方向)は通常時と同じ第1の振れ角で駆動させても良い。
CPU261は、かかる起動時制御プログラム263aを実行することにより、第2制御手段として機能する。
当該通常時制御プログラム263bは、起動後の所定時間経過後(通常時)に実行される。すなわち、CPU261は、レーザプロジェクタ100の起動後、予め設定された時間(例えば、10秒間)が経過すると、走査ミラー23に印加する交流電流の周波数を、その走査ミラー23の共振周波数(図4のa点)以外の周波数(図4のb点)に変更することで、走査ミラー23を第2の振れ角よりも小さい第1の振れ角で駆動させる。
CPU261は、かかる第1制御プログラムを実行することにより、第1制御手段として機能する。
上述のように、レーザプロジェクタ100の起動後の所定時間は、走査ミラー23が、共振周波数(図4のa点)で駆動され、第2の振れ角で振動する。その結果、図5に示すように、図6に示す通常時よりも広い範囲にレーザ光が投射される。このレーザ光は通常時のレーザ光よりもエネルギー密度の低い光であるため、人体に当たった場合の危険性が通常時よりも低減されている。また、図5に示すように、投射部2から投射されるレーザ光のうち、一部のレーザ光は遮光部材3の遮光部32により遮られ、開口部31を通過した残りのレーザ光だけがスクリーンSに投射されている。この開口部31と遮光部32とは、通常時(第1の振れ角での走査時)において投射部2から投射されるレーザ光を全て通過させ、且つ、それ以外の範囲に投射されるレーザ光を遮ることができる大きさに設定されており、起動時に走査ミラー23が第2の振れ角で振動しても、スクリーンSには、通常時と同じサイズの画像が表示されることとなる。したがって、起動時に、走査ミラー23を通常時よりも大きい振れ角で駆動しても、レーザ光が通常時よりも広い範囲に投射されることが無く、人体に対する安全性を確保することができる。
また、起動後の所定時間経過後は、走査ミラー23が、共振周波数を離れた周波数(図4のb点)で駆動され、起動時の振れ角よりも小さい第1の振れ角で振動する。その結果、図6に示すように、図5に示す起動時と比較して狭い範囲にレーザ光が投射される。このレーザ光は、遮光部材3の遮光部32により遮られることなく開口部31を通過してスクリーンSに投射される。
具体的には、CPU261は、光源駆動部25を制御して、起動後の所定時間の間(例えば、10秒間)だけ、レーザ光源21から視感度の高い緑色のレーザ光のみを出力させ、所定時間経過後に、残りの青色及び赤色のレーザ光の出力を開始させる。このように、起動後の所定時間に限って、一色のレーザ光だけを出力することにより、万が一レーザ光が人体に照射された場合の人体に与える危険性を低減させることができる。また、初めに出力する光を視感度の高い緑色とすることにより、ユーザが、レーザ光の投射が開始されたことに気付きやすくなり、レーザ光の光路から素早く退避することができる。すなわち、人体に与える危険性を最低限に留めたままで、レーザ光を利用した効果的な警告を簡易な方法で行うことができる。
まず、ステップS1において、レーザプロジェクタ100が起動すると、ステップS2において、光源駆動部25の駆動により、レーザ光源21において緑色のレーザ光の発光が開始される。また、ステップS3において、走査ミラー23に共振周波数の電流が印加され、走査ミラー23を通常時よりも大きい第2の振れ角で往復駆動させる。
次に、ステップS4において、CPU261は、起動後所定時間が経過したか否かを判断する。CPU261は、ステップS4において、起動後所定時間が経過していないと判断すると(ステップS4;No)、ステップS3に戻って以上の処理を繰り返す。一方、起動後所定時間が経過したと判断すると(ステップS4;Yes)、ステップS5において、光源駆動部25の駆動により、レーザ光源21において残りの色の光(赤色及び青色)のレーザ光の発光が開始される。さらにステップS6において、走査ミラー23に印加される電流の周波数を、共振周波数を離れた周波数に変更することにより、走査ミラー23を、起動時よりも小さい第1の振れ角で往復駆動させ、本処理を終了する。
すなわち、起動後の所定時間の間、走査ミラー23を、通常時の振れ角よりも大きな振れ角で駆動することにより、通常時のレーザ光よりもエネルギー密度の低いレーザ光がスクリーンSに投射されることとなる。したがって、より簡易な構成且つ低コストで、レーザ光を投射するレーザプロジェクタにおけるレーザ発光開始時の人体への危険性を低減させることができる。
したがって、起動時に走査ミラー23を共振周波数で駆動させることにより、低電力で効率良く大きな画像を表示することができる。
したがって、走査ミラー23を通常時の第1の振れ角よりも大きい第2の振れ角で駆動しても、レーザ光が通常時よりも広い範囲に投射されることが無く、人体に対する安全性を確保することができる。
すなわち、レーザ光の出力開始時に一色のレーザ光だけを出力することにより、起動時にレーザ光の光路に人体が存在して、万が一、レーザ光が人体に投射された場合の人体に与える危険性を低減させることができる。また、初めに出力するレーザ光を視感度の高い緑色とすることにより、ユーザが、レーザ光の投射が開始されたことに気付きやすくなり、レーザ光の光路から素早く退避することができる。すなわち、人体に与える危険性を最低限に留めたままで、レーザ光を利用した効果的な警告を簡易な方法で行うことができる。
次に、実施形態2のレーザプロジェクタ200について説明する。なお、本実施形態2の説明において、実施形態1と重複する構成には同一の符号を付して、その説明を省略することとする。
図8は、本実施形態2におけるレーザプロジェクタの要部構成を示すブロック図である。また、図9は、実施形態2のレーザプロジェクタでの起動時におけるレーザ光の投射の様子を示す図である。
ここで、実施形態2のレーザプロジェクタ200は、投射部2とスクリーンSとの間に遮光部材3が配置されていない点において上記実施形態1と異なる。したがって、投射部2からのレーザ光は、筐体1の開口を通過して、そのまま筐体1の外側に配されたスクリーンSに投射されることとなる。
一方、起動後の所定時間の間、走査ミラー23が通常時の振れ角である第1の振れ角よりも大きい第2の振れ角で駆動され、通常時には第1の振れ角で駆動される点は、実施形態1と同じである。すなわち、起動時に、走査ミラー23が通常時の第1の振れ角よりも大きい第2の振れ角で駆動されると、通常時の表示領域よりも広い範囲にレーザ光が投射されることとなる。
このように、本実施形態2では、遮光部材3を設けずに、起動時に通常時の表示領域よりも広い範囲にレーザ光を投射させ、これを、レーザ光の光路から退避する旨のユーザへ警告として利用する。
具体的には、CPU271は、起動後の所定時間の間(例えば、10秒間)、光源駆動部25を制御して、図9に示すように、レーザ光の走査により表示される画像のうち、通常時の表示領域に相当する第1の画像P1と、その周囲の画像P2との表示態様を異ならせている。このように、通常時の表示領域(第1の振れ角による表示領域)以外の領域にも画像P2が表示されることにより、ユーザが、レーザ光の投射が開始されたことに気付き易くなるという効果が生じ、レーザプロジェクタ200の起動時にユーザがレーザ光の光路から素早く退避することができる。また、通常時の表示領域に相当する第1の画像P1と、それ以外の範囲に投射される画像P2とが識別可能とされることにより、ユーザがレーザ光の光路を容易に把握して、より確実に光路から退避することができる。また、上述の起動時制御プログラム263aの実行により、走査ミラー23で反射されるレーザ光のエネルギー密度は、人体に当たっても悪影響を与えないレベルまで低下しており、万が一レーザ光が人体に照射された場合でも損傷を与える危険性が低い。
通常時の表示領域に相当する第1の画像P1とその周囲の画像P2は、例えば、異なる色や模様、文字等によって識別可能とされる。例えば、周囲の画像P2の色を、第1の画像P1よりも濃い色としても良い。また、例えば、第1の画像P1の領域に「危険」等の文字表示を行い、周囲の画像P2の領域に「これ以上内側に近寄らないでください」等の文字表示を行って、人体に対して危険な領域を明確に示しても良い。
すなわち、起動後の所定時間の間、走査ミラー23を、通常時の振れ角よりも大きな振れ角で駆動することにより、通常時のレーザ光よりもエネルギー密度の低いレーザ光がスクリーンSに投射されることとなる。したがって、より簡易な構成且つ低コストで、レーザ光を投射するレーザプロジェクタにおけるレーザ発光開始時の人体への危険性を低減させることができる。
すなわち、起動後の所定時間の間、通常時の表示領域以外の領域にも画像が表示されることにより、ユーザが、レーザ光の投射が開始されたことに気付きやすくなり、レーザ光の光路から素早く退避することができる。また、通常時の表示領域に相当する第1の画像P1と、それ以外の範囲に投射された画像P2とが識別可能とされることにより、ユーザがレーザ光の光路を容易に把握して、光路からより確実に退避することができる。
例えば、上記実施形態では、走査ミラー23として二次元方向に振動するMEMSミラーを例に説明したが、走査ミラー23をこれに限られず、例えば、互いに直交する方向に振動する2枚のガルバノミラー等を用いても良い。また、ガルバノミラーとポリゴンミラーとを組み合わせて用いても良い。
また、走査ミラー23の振れ角を変更する方法は、走査ミラー23の駆動周波数を変更する方法に限られず、起動後の所定時間の間、走査ミラー23を第2の振れ角で駆動させ、起動後の所定時間経過後に、走査ミラー23を第1の振れ角で駆動させることができれば、如何なる方法を採用しても良い。例えば、起動時の電流値を通常時より高くする方法を用いても良い。この場合において、周波数は共振周波数であっても、共振周波数を離れた周波数であっても良い。また、周波数と電流値の制御を組み合わせて、走査ミラー23の振れ角を変更させても良い。
21 レーザ光源
23 走査ミラー
261 CPU(第1制御手段、第2制御手段)
263a 起動時制御プログラム(第2制御手段)
263b 通常時制御プログラム(第1制御手段)
3 遮光部材
31 開口部
32 遮光部
200 レーザプロジェクタ
271 CPU(第1制御手段、第2制御手段、画像制御手段)
272a 光源駆動プログラム(画像制御手段)
P1 第1の画像
P2 第1の画像以外の画像
S スクリーン
Claims (5)
- レーザ光源からのレーザ光を走査する走査ミラーを備え、レーザ光源からのレーザ光をスクリーンに投射して画像を表示するレーザプロジェクタにおいて、
起動後の所定時間経過後、当該走査ミラーを第1の振れ角で駆動させる第1制御手段と、
起動後の所定時間の間、前記走査ミラーを、少なくとも一次元方向に、前記第1の振れ角より大きい第2の振れ角で駆動させる第2制御手段と、
を備え、
前記起動後の所定時間の間、前記起動後の所定時間の経過後の表示領域よりも広い範囲にレーザ光が投射されることを特徴とするレーザプロジェクタ。 - 前記第1制御手段は、前記走査ミラーを当該走査ミラーの共振周波数から離れた周波数で駆動させ、
前記第2制御手段は、前記走査ミラーを前記共振周波数で駆動させることを特徴とする請求項1に記載のレーザプロジェクタ。 - 起動後の前記所定時間の間、前記第2の振れ角で表示される画像のうち、前記第1の振れ角で表示される表示領域に相当する第1の画像と、当該第1の画像以外の画像と、を識別可能にする画像制御手段を備えることを特徴とする請求項1又は2に記載のレーザプロジェクタ。
- 前記レーザ光源は、レーザ光の出力開始時に、初めに視感度の高いレーザ光を出力することを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載のレーザプロジェクタ。
- 前記レーザ光源は、レーザ光の出力開始時に、初めに緑色のレーザ光を出力することを特徴とする請求項4に記載のレーザプロジェクタ。
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