JP5109387B2 - 有機無機ハイブリッド透明封止材とその製造方法 - Google Patents

有機無機ハイブリッド透明封止材とその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゾルゲル法に用いられる原料を出発原料とする有機無機ハイブリッド透明封止材に関する。
透明封止材は、バックライト、表示板、ディスプレイ、各種インジケーター等に使用されている発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子の封止、太陽電池モジュールにおける太陽電池素子の封止、光通信用の受光部の封止等に使用されている。
透明封止材により、その装置の性能の劣化原因となる、外部からの物理的な衝撃、気体との接触または水分との接触等を抑制または、防ぐことができる。これらの装置では、封止材を様々な波長の光が高効率で透過しなければならないので、封止材の透過率は広い波長域で高いことが望ましい。しかし、透明封止材の使用環境の激化、例えば、高温雰囲気や光のハイパワー化等により、透明封止材自体が劣化しやすくなる。封止材が劣化し、透明度が落ちるとその装置の性能が下がる問題が発生する為、耐熱性や光透過性等のより優れた材料が必要になる。
透明封止材としては、透明性、耐熱性等の観点からオルガノポリシロキサンを主剤とし、これに硬化剤として熱等により反応活性となるシラン化合物、主剤中の有機成分を活性にする酸性化合物や塩化物を配合したものが使用されている。
しかし、硬化後にシラン化合物が反応を完結せず、耐熱性の低い未反応基が残存しやすい。耐熱性の低い未反応基が残存すると、加熱により透明封止材の透明度が悪くなる。また、硬化剤として酸性化合物や塩化物を使用すると、金属配線や電極を腐食し、更に透明封止材の透明度が落ちる。
その他の透明封止材としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂を主剤とし、これに硬化剤として酸無水物を配合したもの、酢酸ビニル含量の高いエチレン・酢酸ビニル共重合体やポリビニルブチラールが使用されており、これらの厳しい要求特性に応える為に、組成の改良、紫外線吸収剤や有機過酸化物等の添加が試みられた(例えば、特許文献1〜3)。また、耐熱性の高いシリコーンとブロック共重合させたエポキシ樹脂も開発された。
特開2006−066761号公報 特開2003−228076号公報 特開平10−253972号公報
バックライト、表示板、ディスプレイ、各種インジケーター等に使用されている発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子、太陽電池モジュールにおける太陽電池素子や光通信用の受光部の劣化に大きな影響を与える透明封止材料の劣化は、熱や紫外線等によって起こる。それらの装置の使用温度の上昇、透明封止材を透過する光の短波長化、ハイパワー化により、透明封止材の劣化が加速される。
透明封止材を劣化させる原因の一つである紫外線による劣化を防ぐには、紫外線吸収剤によって紫外線を熱エネルギーに変換して放出する方法と、紫外線を完全に透過させる方法が考えられる。前者の方法では、紫外線吸収剤がブリードアウトし蒸散する問題が考えられる。さらに熱エネルギーを効率よく放出する必要があるために、装置の構造設計が大きな制約を受ける。後者は紫外線の発光波長領域を吸収しない透明封止材料を用いる方法である。
シリコーン樹脂は、紫外域で高透過性を示す反面、接着性が低い、強度が低い、透湿性(吸水性)が高い、屈折率が低いという問題があるため、透明封止材として使用するには課題が多い。
紫外線透過性の高いシリコーン樹脂に接着性が高く、強度が高いエポキシ基を導入したエポキシシリコーンも開発されているが、透明封止材に求められる全ての物性を満足するには至っていない。
すなわち、従来の透明樹脂では、厳しい耐UV性(高いUV透過性)や耐熱性を満足し、例えばLED用封止材に求められる耐水性(低吸水性)、高屈折率、接着性を同時に満たすものはなかった。
本発明は、有機置換基とシロキサン結合を含む物質(以下、主剤と呼ぶ)に硬化剤として有機金属化合物を添加し、硬化することを特徴とする有機無機ハイブリッド透明封止材である。
また、有機置換基が芳香族または芳香族を含む炭化水素基から選ばれることを特徴とする上記の有機無機ハイブリッド透明封止材である。
また、有機置換基が飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基から選ばれることを特徴とする上記の有機無機ハイブリッド透明封止材である。
また、有機置換基がエポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基等のヘテロ原子を持つ有機基から選ばれることを特徴とする上記の有機無機ハイブリッド透明封止材である。
また、シロキサンネットワーク中に四官能基を含有することを特徴とする上記の有機無機ハイブリッド透明封止材である。
また、有機無機ハイブリッド透明封止材を構成する元素のうち、炭素が18〜56%、水素が4〜7%、酸素が19〜36%、珪素が22〜42%であることを特徴とする上記の有機無機ハイブリッド透明封止材である。
本発明により、これまで製作することが極めて難しいとされてきた、250℃以下の熱によって硬化し、粘度の制御ができ、紫外線透過性に優れ(波長350〜900nmにおける透過率が厚さ1mmで85%以上)、飽和吸水率が低く(23℃の水に浸漬させたときに0.3wt%未満)、耐熱性が高く(300℃以下で溶融せず、150℃で24時間加熱後の波長350〜900nmにおける透過率が、厚さ1mmで85%以上)、屈折率が高く(1.4以上)、10〜250℃で10分〜2週間加熱することで1時間当たりの重量減少率が1wt%以下になる透明封止材を製造することができる。
本発明は、有機無機ハイブリッド透明封止材を製造する場合において、有機置換基とシロキサン結合を含む主剤に硬化剤として有機金属化合物を添加し、成型、硬化させることを特徴とする有機無機ハイブリッド透明封止材である。
有機置換基として芳香族または芳香族を含む炭化水素基を含有することが好ましい。芳香族または芳香族を含む炭化水素基としてフェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等があるが、特にフェニル基が好ましい。
有機置換基として飽和炭化水素基または不飽和炭化水素基を含有することが好ましい。飽和炭化水素基としてメチル基、エチル基、(n−、i−)プロピル基、(n−、i−、s−、t−)ブチル基等があるが、特にメチル基が好ましい。また、不飽和炭化水素基としてビニル基、アリル基、(1−、i−)プロペニル基等があるが、特にビニル基が好ましい。
有機置換基としてエポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基等のヘテロ原子を持つ有機基を含有することが好ましい。ヘテロ原子を持つ有機基としてエポキシ基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、ウレイド基、クロロプロピル基、メルカプト基、イソシアネート基等があるが、特にエポキシ基が好ましい。
シロキサンネットワーク中に四官能基を含有することが好ましい。四官能基を含有することで、有機無機ハイブリッド物質が緻密化し、硬度が向上する。
有機無機ハイブリッド物質を構成する元素のうち、炭素が18〜56%、水素が4〜7%、酸素が19〜36%、珪素が22〜42%であることが好ましい。それぞれの元素の存在比を決定付ける理由は以下の通りである。
炭素が18%以下の場合、分相が起こりやすく、緻密化できないため、硬化体が脆くなるためである。炭素が56%以上の場合、分相が起こりやすく、熱軟化性の物質が得られるため、高温使用時に十分な強度を維持できないためである。
水素が4%以下の場合、分相が起こりやすく、緻密化できないため、硬化体が脆くなるためである。また、熱や光によって物性が変化しやすい場合が多いからである。水素が7%以上の場合、系内に未反応のシラノール基やアルコキシ基が多数存在する可能性が高く、熱によって物性が変化しやすい場合が多いからである。
酸素が19%以下の場合、シロキサンネットワークの形成が不十分で強度等の物理的性質が低くなるためである。酸素が36%以上の場合、分相が起こりやすく、緻密化できないため、硬化体が脆くなるためである。
珪素が22%以下の場合、シロキサンネットワークの形成が不十分で強度等の物理的性質が低くなるためである。珪素が42%以上の場合、分相が起こりやすく、緻密化できないため、硬化体が脆くなるためである。
このように組成を調整することで、硬化前の有機無機ハイブリッド物質の粘度を所望の粘度まで上昇することが出来る。
また、硬化後の透明封止材の、波長350〜900nmにおける透過率が厚さ1mmで85%以上であることが好ましい。透過率が85%以下の材料を例えば白色LEDの封止材に用いた場合、励起光強度が弱くなるため、LED素子からの光の取り出し効率が低くなるためである。さらに紫外域での透過率が低い、すなわち光吸収が大きい場合、封止材自体が励起光を吸収し封止材が劣化(黄変)するためである。また、例えば光通信用受光部の封止材に用いた場合、受光効率が低くなる為である。
また、硬化後の透明封止材を23℃の純水に浸漬させたときの飽和吸水率が0.3wt%未満であることが好ましい。吸水による封止材の膨張を防止または低減する為である。また、素子内部の水による劣化を防止する為である。
また、硬化後の透明封止材が300℃以下で溶融しないことが好ましい。発熱に対し封止材の形状を維持するためである。
また、硬化後の透明封止材の屈折率が1.4以上であることが好ましい。屈折率が1.4以下の場合、例えばLED素子からの光の取り出し効率や光通信用の受光部に使用した場合の受光効率が低くなる為である。
また、硬化後の透明封止材を150℃で24時間以上加熱後の波長350〜900nmにおける透過率が、厚さ1mmで85%以上であることが好ましい。150℃で24時間以上加熱後の波長350〜900nmにおける透過率が厚さ1mmで85%以下の場合、例えばLED素子からの光の取り出し効率や光通信用の受光部に使用した場合の受光効率が低くなる為である。
また、有機無機ハイブリッド物質の原料のアルコキシシランのうち、芳香族または芳香族を含む炭化水素基を含有するアルコキシシランがモル比で90%以下、飽和炭化水素基を含有するアルコキシシランがモル比で10%以上、不飽和炭化水素基を含有するアルコキシシランがモル比で90%以下であることが好ましい。それぞれの組成を決定付ける理由は以下の通りである。
芳香族または芳香族を含む炭化水素基を含有するアルコキシシランがモル比で90%以上の場合、硬化に長時間を要し、高温使用時に十分な強度を維持できないためである。また、硬化後に温度変化によってクラックが発生しやすいためである。
飽和炭化水素基を含有するアルコキシシランがモル比で10%以下の場合、硬化後に温度変化によってクラックが発生しやすいためである。
不飽和炭化水素基を含有するアルコキシシランがモル比で90%以上の場合、ゴム化しやすく、硬化後に発砲体となるためである。また、不飽和炭化水素基同士の架橋が熱または紫外光により不規則に起こり、物性が安定しないためである。
また、主剤の原料のアルコキシシランに対して、モル比で10倍以上の水、100倍以下のアルコール、1倍以下の酸性触媒を添加することが好ましい。それぞれの添加量を決定付ける理由は以下の通りである。
水の添加量が10倍以下の場合、加水分解反応が十分に進行せずに、未反応のアルコキシ基が残留するためである。
アルコールの添加量が100倍以上の場合、合成時間が長時間となり、生産性等の産業上のメリットが小さいからである。アルコールとしてはメタノール、エタノール、1−プロパノ-ル、2−プロパノール、1−ブタノール、2−メチル−1−プロパノ-ル、2−ブタノール、1、1−ジメチル−1−エタノール等があるが、特にエタノールが好ましい。
酸性触媒の添加量が1倍以上の場合、分相しやすく、均一な硬化体が得られないためである。
ゾル−ゲル法による有機無機ハイブリッド材料の合成では、酸性触媒が用いられる場合が多いが、得られた封止材中の触媒残渣により、例えばLED中の金属フレームが腐食したり、封止材自身が紫外光や熱により黄変したりするため、酸性触媒を用いて合成したときは、酸を除去する必要がある場合がある。
酸の除去は、分液操作で行った。原料のアルコキシシランをアルコール中で反応させた後に相容性の良好な非極性有機溶媒で希釈し、更に純水を混合して、激しく攪拌した後に水層を除去する。非極性有機溶媒は、減圧留去した。
酸性触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸などの無機酸、酢酸、蟻酸、マレイン酸、フマル酸、プロピオン酸、アジピン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、安息香酸等の有機酸があるが、特に酢酸が望ましい。またその他の触媒としてナトリウムメチラートなどの金属アルコキシドが挙げられる。しかし、加水分解収率が低く、主剤にアルコキシドが残存しやすい。アルコキシドは耐熱性が低い為に、有機無機ハイブリッド材料の耐熱性を下げる原因になりやすい。
また、有機無機ハイブリッド物質の合成温度は50〜110℃で合成時間は10分〜1週間であることが好ましい。それぞれの合成条件を決定付ける理由は以下の通りである。
有機無機ハイブリッド物質の合成温度が50℃以下の場合、合成時間が長時間となり、生産性等の産業上のメリットが小さいからである。有機無機ハイブリッド物質の合成温度が110℃以上の場合、混合溶液の沸騰や原料アルコキシシランの蒸発により、所望の組成の有機無機ハイブリッド物質が得られないためである。
有機無機ハイブリッド物質の合成時間が10分以下の場合、加水分解・重縮合反応が十分に進行しないためである。有機無機ハイブリッド物質の合成時間が1週間以上の場合、合成時間が長時間となり、生産性等の産業上のメリットが小さいからである。なお、有機無機ハイブリッド物質の合成は開放系で行っても良いし、還流下で行っても良い。
また、20〜200℃で10分〜10時間減圧加熱して有機無機ハイブリッド物質を安定化することが好ましい。20℃以下で減圧加熱した場合、未反応シラノール基の縮合や系内に残留した水、触媒の蒸発が不十分で、安定化の効果が得られないためである。200℃以上で減圧加熱した場合、急激な縮合反応の進行により有機無機ハイブリッド物質の粘度が急激に増大し制御できないためである。10分未満の減圧加熱の場合、未反応シラノール基の縮合や系内に残留した水、触媒の蒸発が不十分で、安定化の効果が得られないためである。10時間以上の減圧加熱の場合、有機無機ハイブリッド物質の粘度が増大しすぎて制御が難しいためである。
また、硬化前の有機無機ハイブリッド物質を封止するときの粘度が塗布温度で10mPa・s〜200Pa・sが好ましい。10mPa・s未満の材料を用いた場合、パッケージの底からの封止材の染み出しが発生しやすい。200Pa・sの場合、封止の際に泡が発生しやすい。また、封止作業に時間がかかり生産効率が悪くなる。
また、硬化前の有機無機ハイブリッド物質の平均分子量が100〜100000であることが好ましい。有機無機ハイブリッド物質の平均分子量が100以下の場合、硬化時に低分子量成分の蒸発が起こりやすく、硬化後も未反応基が残存しやすいためである。また、有機無機ハイブリッド物質の平均分子量が100000以上の場合、高粘度となり硬化時に泡残りが起こりやすいためである。
また、加熱に対して大きな体積収縮が起こらないことが好ましい。体積収縮によるクラックの発生を防止するためである。
硬化剤は有機アルミニウム化合物、有機スズ化合物、有機亜鉛化合物等の有機金属化合物が使用できる。これら金属アルコキシド、金属錯体、金属塩化物などの有機金属化合物としては、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等の金属アルコキシドや、アルミニウムアセチルアセトネート、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズジラウレート、ジオクチルスズジラウレート、ビス(アセトキシジブチルスズ)オキサイド、ビス(ラウロキシジブチルスズ)オキサイド、ジイソプロポキシチタンビス(アセチルアセトナート)、チタンテトラ(アセチルアセトナート)、ジオクタノキシチタンジオクタネート、ジイソプロポキシチタンビス(エチルアセトアセテート)等の金属錯体や、塩化アルミニウム等の金属塩化物があるが、特にアルミニウムアセチルアセトネートが好ましい。有機金属化合物は単独で使用しても良いし、2種以上混合しても良い。
硬化剤は50wt%以下添加することが好ましい。硬化剤が有機無機ハイブリッド物質の50wt%以上の場合、充分に硬化するまで長時間要するか、あるいは不透明になり、さらに着色しやすくなる為である。
また、硬化剤と共に、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムなどの無機塩基、エチレンジアミン、トリエチルアミン、ピリジン、アンモニアなどの有機塩基、ナトリウムメチラートなどの金属アルコキシドを添加することで硬化が促進される。
また、250℃以下の熱によって硬化することが好ましい。硬化温度が250℃以上の場合、急激な硬化反応により泡残りが起こりやすく、さらに着色しやすくなるためである。また、樹脂製LED用パッケージの場合、その樹脂の耐熱温度以下で硬化することが好ましい。
また、10〜250℃で10分〜2週間加熱することで1時間当たりの重量減少率が1wt%以下になったときを硬化の完了とすることが好ましい。1時間当たりの重量減少率が1wt%以上では、使用中に封止材が変形し、例えばLED用封止材として使用した場合、光の取り出し効率が減少する為である。
以下、実施例により説明する。
室温で7.28mlのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))、11.46mlのメチルトリエトキシシラン(MeSi(OEt))、10.72mlのジメチルジエトキシシラン(Me2Si(OEt)2)、54.06mlの水、42.67mlのエタノール、9μlの氷酢酸を混合した。混合溶液を100℃で1時間加熱した後、ジエチルエーテルで希釈し、純水で酢酸を抽出した。抽出後、ジエチルエーテルを留去し、安定化する為に40℃で減圧加熱を1時間行い、主剤を得た。
25℃での主剤の粘度を、ブルックフィールド製RV型粘度計で測定したところ、361mPa・sであった。また、主剤の元素分析を行ったところ、炭素30%、水素6%、酸素27%、珪素37%であった。
この主剤に硬化剤としてアルミニウムアセチルアセトネートを主剤に対して0.1wt%添加し、25℃で保持したときの粘度の経時変化を図1に示す。また、100℃で20時間加熱して得られた硬化体を150℃、24時間加熱したときの波長350〜900nmにおける透過率を日立U4000形自記分光光度計で測定したところ、厚さ1mmで85%以上であった。透過率曲線を図2の実施例1に示す。
さらに熱機械測定(TMA)により加熱時のサンプルの膨張・収縮量を測定し、硬化体の溶融挙動を調べた。理学電気工業株式会社製TMA8310を用いて5℃/minで昇温したTMA測定から、線膨張係数は1.7×10−4(1/K)であり、300℃以下では溶融しないことが確認された。このサンプルの温度−膨張率曲線を図3の実施例1に示す。さらに、このサンプルをJIS K 7209に準拠して23℃における飽和吸水率を測定したところ0.04wt%であった。
室温で9.10mlのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))、14.33mlのメチルトリエトキシシラン(MeSi(OEt))、13.40mlのジメチルジエトキシシラン(Me2Si(OEt)2)、54.06mlの水、42.67mlのエタノール、9μlの氷酢酸を混合した。混合溶液を100℃で2時間加熱した後、ジエチルエーテルで希釈し、純水で酢酸を抽出した。抽出後、ジエチルエーテルを留去し、安定化する為に40℃で減圧加熱を1時間行い、主剤を得た。
25℃での主剤の粘度を、ブルックフィールド製RV型粘度計で測定したところ、978mPa・sであった。
この主剤にアルミニウムアセチルアセトネートを主剤に対し0.1wt%添加すると、粘度は1053mPa・sになった。これを100℃で20時間加熱して硬化させた。
実施例1と同様に、硬化体の波長350〜900nmにおける透過率を測定したところ、厚さ1mmで85%以上であった。さらにTMA測定から、線膨張係数は1.5×10−4(1/K)であり、300℃以下では溶融しないことが確認された。さらに、このサンプルをJIS K 7209に準拠して23℃における飽和吸水率を実施例1と同様に測定したところ0.12wt%であった。
実施例1と同様の原料及び同様の合成条件で合成して得た主剤に1.0wt%のアルミニウムアセチルアセトネートを添加し、30℃で30分間、減圧加熱し、さらに100℃で20時間加熱して硬化させた。硬化体は波長350nm〜900nmにおける透過率が85%以上であり、150℃で24時間加熱後も透過率曲線は変化しなかった。
実施例1と同様の原料及び同様の合成条件で合成して得た主剤に0.5wt%のビス(ラウロキシジブチルスズ)オキサイドを添加し、30℃で30分間、減圧加熱し、さらに100℃で20時間加熱して硬化させた。硬化体は波長350nm〜900nmにおける透過率が85%以上であり、150℃で24時間加熱後も透過率曲線は変化しなかった。
室温で5.45mlのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))、11.46mlのメチルトリエトキシシラン(MeSi(OEt))、10.7mlのジメチルジエトキシシラン(Me2Si(OEt)2)、1.74mlの3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、54.06mlの水、42.67mlのエタノール、9μlの氷酢酸を混合した。混合溶液を100℃で2時間加熱した後、ジエチルエーテルで希釈し、純水で酢酸を抽出した。抽出後、ジエチルエーテルを留去し、安定化する為に40℃で減圧加熱を1時間行い、主剤を得た。
25℃での主剤の粘度を、ブルックフィールド製RV型粘度計で測定したところ、677mPa・sであった。この主剤にアルミニウムアセチルアセトネートを主剤に対し1.0wt%添加すると粘度は723mPa・sになった。これを100℃で20時間加熱して硬化させた。
実施例1と同様に、硬化体の波長350〜900nmにおける透過率を測定したところ、厚さ1mmで85%以上であった。さらにTMA測定から、線膨張係数は2.6×10−4(1/K)であり、300℃以下では溶融しないことが確認された。
(比較例1)
室温で7.28mlのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))、11.46mlのメチルトリエトキシシラン(MeSi(OEt))、10.72mlのジメチルジエトキシシラン(Me2Si(OEt)2)、10.8mlの水、42.67mlのエタノール、9μlの氷酢酸を混合した。混合溶液を100℃で1時間加熱した後、ジエチルエーテルで希釈し、純水で酢酸を抽出した。抽出後、ジエチルエーテルを留去し、安定化する為に40℃で減圧加熱を1時間行い、主剤を得た。
この主剤に硬化剤として、アルミニウムアセチルアセトネートを主剤に対し、0.1wt%添加し、100℃で加熱して得られた硬化体を150℃で24時間加熱したところ黄変した。このサンプルの透過率曲線を図2の比較例1に示す。
(比較例2)
室温で9.10mlのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))、14.33mlのメチルトリエトキシシラン(MeSi(OEt))、13.40mlのジメチルジエトキシシラン(Me2Si(OEt)2)、10.8mlの水、42.67mlのエタノール、9μlの氷酢酸を混合した。混合溶液を100℃で1時間加熱した後、ジエチルエーテルで希釈し、純水で酢酸を抽出した。抽出後、ジエチルエーテルを留去し、安定化する為に40℃で減圧加熱を1時間行い、主剤を得た。この主剤を硬化するため、150℃で加熱したところ、24時間後に黄変した。
(比較例3)
室温で1.0mlのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))、1.0mlのメチルトリエトキシシラン(MeSi(OEt))、35mlのビニルトリエトキシシラン(ViSi(OEt))、35mlの水、35mlのエタノール、1mlの酢酸を混合し、実施例1と同様の条件で主剤を得た。しかし、この主剤がゴム化したため、例えばLEDパッケージへの封止を試みたところ塗布できなかった。
また、このゴム状物質を100℃で加熱すると硬化が急激に進行し発泡体となり、封止材として評価することができなかった。さらに、このサンプルをJIS K 7209に準拠して23℃における飽和吸水率を実施例1と同様に測定したところ水が物理吸着するため正確な吸水率を測定することができなかった。
(比較例4)
室温で1.0mlのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))、30.1mlのメチルトリエトキシシラン(MeSi(OEt))、35mlの水、35mlのエタノール、1mlの酢酸を混合し、実施例1と同様の条件で主剤を合成した。しかし、この主剤がゲル化したため塗布できなかった。また、このゲル状物質を130℃で加熱すると硬化が急激に進行し発泡体となり、封止材として評価することができなかった。
(比較例5)
実施例1と同様の原料及び同様の合成条件で合成して得た主剤にアセチルアセトンアルミニウムを60wt%添加し、25℃で減圧加熱し脱泡を試みたが、粘度が高すぎるため脱泡することができなかった。
(比較例6)
室温で23.1mlのフェニルトリエトキシシラン(PhSi(OEt))、16.3mlのジフェニルジエトキシシラン(Ph2Si(OEt))、72.00mlの水、55.2mlのエタノール、1.2mlの氷酢酸を混合した。混合溶液を100℃で8時間加熱し、主剤得た。この主剤は、250℃で加熱すると硬化するが、72℃で軟化する。このサンプルの温度−膨張率曲線を図3の比較例6に示す。
本発明は、バックライト、表示板、ディスプレイ、各種インジケーター等に使用されている発光ダイオード(LED)等の半導体発光素子の封止、太陽電池モジュールにおける太陽電池素子の封止、光通信用の受光部の封止等に使用することができる。また、PDPを始めとするディスプレイ部品の封着・被覆用材料、光スイッチや光結合器を始めとする光情報通信デバイス材料、光学機器材料、光機能性(非線形)光学材料、接着材料等、低融点ガラスが使われている分野、エポキシ等の有機材料が使われている分野に利用可能である。
本発明の実施例1で示した25℃で保持したときの粘度の経時変化である。 本発明の実施例1及び比較例1で示した波長350〜900nmにおける光透過率曲線である。 本発明の実施例1及び比較例6で示したTMA測定による温度−膨張率曲線である。

Claims (2)

  1. 有機置換基として、フェニル基とメチル基、及び/又はエポキシ基を有し、シロキサン結合を有し、アルコキシ基を有さない物質に、硬化剤として有機金属化合物を添加し、硬化する有機無機ハイブリッド透明封止材であり、
    前記物質が、15〜20モル%のフェニルトリアルコキシシラン、
    75〜80モル%のメチルトリアルコキシシラン及びジメチルジアルコキシシランからなるメチル基含有アルコキシシラン、
    0〜5モル%のエポキシ基含有トリアルコキシシランを原料とし、
    前記アルコキシシランに対してモル比で10倍以上の水を添加して、該アルコキシシランを加水分解・重縮合させて得られた、
    25℃での粘度が10mPa・s〜200Pa・sで、平均分子量が100〜100000である組成物であることを特徴とする有機無機ハイブリッド透明封止材。
  2. 有機無機ハイブリッド透明封止材を構成する元素のうち、炭素が18〜56%、水素が4〜7%、酸素が19〜36%、珪素が22〜42%であることを特徴とする請求項1に記載の有機無機ハイブリッド透明封止材。
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