JP5109081B2 - アルケンスルホン酸塩を用いたチオカルボアルキルアルカンスルホン酸塩、メルカプトアルカンスルホン酸塩およびジチオビス(アルカンスルホン酸)塩の製造方法 - Google Patents

アルケンスルホン酸塩を用いたチオカルボアルキルアルカンスルホン酸塩、メルカプトアルカンスルホン酸塩およびジチオビス(アルカンスルホン酸)塩の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、アルケンスルホン酸塩より、中間体チオカルボアルキルアルカンスルホン酸塩を経由し、メルカプトアルカンスルホン酸塩およびジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を製造する方法に関する。
メルカプトアルカンスルホン酸塩および、ジチオビス(アルカンスルホン酸)塩は硫黄を両末端に有する有用なリンカーであり、医薬中間体やセメント添加剤、メッキ薬添加剤等の電気材料に幅広い用途を有する。また、チオアセチルアルカンスルホン酸塩は、アルケンスルホン酸塩を用いてこれらの物質を合成する際にできる有用な中間体である。
メルカプトアルカンスルホン酸塩の合成方法としてはこれまでにいくつかの方法が知られている。例えば 特許文献1ではビニルスルホン酸ナトリウムのようなアルケンスルホン酸ナトリウムをアルカリ条件下で水硫化ナトリウムと反応させ、メルカプトエタンスルホン酸ナトリウムを合成する。これを単離することなく、酸素加圧下で反応しナトリウム−2,2’−(ジチオビス)エタンスルホネートを得ている。
また、特許文献2では不純物の生成を抑制するために、改良を行い、ハロゲン化アルカンスルホン酸ナトリウムを出発原料にチオ酢酸のアルカリ金属塩を反応させ、ついで、塩基で加水分解することによりメルカプトアルカンスルホン酸ナトリウムを得る方法を行っている。さらに酸化してジスルフィドに誘導することで単離を容易にしており、反応の際の不純物の副生が少ないことが特徴であり、反応時間も短い。
特表2001−501219号公報 特表2004−533404号公報
しかし、上記従来の特許文献1の製法の場合、不純物が多数副生し、これらの除去に多大なる時間や経費を必要とする。
また、上記従来の特許文献2の製法の場合、系内ではハロゲン化ナトリウム等の無機塩が副生し、酢酸ナトリウム等の有機塩も副生する。これらはメルカプトアルカンスルホン酸ナトリウムの単離を困難にする。そのため、電子材料用途に使用するためには塩の排除に多大なる時間や経費を必要とする。また、原料であるハロゲン化アルカンスルホン酸ナトリウムは比較的高価な化合物である。
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであって、効率良く安価に工業生産することができ、無機塩、有機塩などがほとんど副生せず、分離が容易なチオカルボアルキルアルカンスルホン酸塩、メルカプトアルカンスルホン酸塩およびジチオビス(アルカンスルホン酸)塩の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は上記課題に対して鋭意検討を行い、例えば、メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウムの場合、アリルスルホン酸ナトリウムとチオ酢酸を空気存在下で反応させチオアセチルプロパンスルホン酸ナトリウムを合成し、これを酸加水分解により分解、さらにヒドラジン1水和物を加え、分解を完結させてメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウムを得る方法を見出した。この方法は含ハロゲン化合物や塩基をほとんど使用しないため無機塩、有機塩が副生せず、容易にメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウムを単離することが可能である。また、メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウムはジメチルスルホキシドとの反応により容易に酸化され、3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウムを合成することが出来る。
すなわち、本発明は、アルケンスルホン酸塩を原料として、チオールカルボン酸と反応させることにより、新規の、チオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩、メルカプトアルカンスルホン酸塩およびジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を製造する方法を提供するものである。
上記課題を解決するための本発明は、一般式(1);
Figure 0005109081
(1)
(式中、R1は水素、もしくは炭素数1または2のアルキル基、n は1〜5の整数であり、Mは水素、もしくはナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムである。)で示されるアルケンスルホン酸塩と、
一般式(2);
Figure 0005109081
(2)
(R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で示されるチオールカルボン酸とを反応させ、
一般式(3);
Figure 0005109081
(3)
(式中、R1は水素、もくしは炭素数1または2のアルキル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、n は1〜5の整数であり、Mは水素、もしくはナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムである。)で示されるチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を製造する方法である。
また、アルケンスルホン酸塩とチオールカルボン酸を反応させる際に空気を存在させてもよい。
また、上記課題を解決するための本発明は、上記製法で得られるチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を、水、メタノールおよびヒドラジンと反応させ、
一般式(4);
Figure 0005109081
(4)
(式中、R1は水素、もしくは炭素数1または2のアルキル基、n は1〜5の整数であり、Mは水素、もしくはナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムである。)で示されるメルカプトアルカンスルホン酸塩を製造する方法である。
また、上記課題を解するための本発明は、上記製法で得られるメルカプトアルカンスルホン酸塩を、酸化剤と反応させ、3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウム、3,3’−ジチオビス(2−メチル−1−プロパンスルホン酸)ジナトリウム及び5,5’−ジチオビス(ペンタンスルホン酸)ジナトリウムから選択されるジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を製造する方法である。
以下に本発明を詳細に説明する。
上記一般式(1)、(3)、(4)、(5)におけるR1は水素または低級アルキル基である。低級アルキル基としては炭素数が1または2のものが望ましく、直鎖でも分岐鎖でもよい。具体的にはメチル、エチルが挙げられる。これらの中でも水素、メチル基が特に好ましい。
上記一般式(2)、(3)におけるR2は低級アルキル基である。低級アルキル基としては炭素数1〜3のものが望ましく、直鎖でも分岐鎖でもよい。具体的にはメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルが挙げられる。これらの中でもメチル基が特に好ましい。
上記一般式(1)、(3)、(4)、(5)におけるnは整数であり、アルキル鎖を表す。整数は1〜5が望ましく、これらの中で1〜3が特に好ましい。
上記一般式(1)、(3)、(4)、(5)、におけるMは水素またはアルカリ金属である。アルカリ金属は、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウム等が挙げられる。これらの中で、水素、ナトリウム、カリウムが特に好ましい。
一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩は、どのように製造されたものであってもよい。アルケンスルホン酸塩の具体例としては、アリルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸カリウム、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウム、3−ブテン−1−スルホン酸ナトリウム、4−ペンテン−1−スルホン酸ナトリウム、5−ヘキセン−1−スルホン酸ナトリウムが挙げられる。これらの中でアリルスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウムが特に好ましい。
一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩から、一般式(3)のチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を合成する際の反応溶媒としては、低級カルボン酸が望ましい。低級カルボン酸の具体例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸などが挙げられる。この中で酢酸が特に望ましい。該当溶媒の使用量は、一般式(2)に示したアルケンスルホン酸塩1gに対して1〜20gが望ましい。特に3〜10gが好ましい。
一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩から、一般式(3)のチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を合成する際に、添加物として無水カルボン酸を用いる場合がある。無水カルボン酸の具体例としては、無水酢酸、無水プロピオン酸、無水ブタン酸であり、無水酢酸が特に望ましい。該当添加物の使用量は、溶媒である低級カルボン酸1gに対して、0.005〜0.1gの添加が望ましい、特に0.02〜0.04gが好ましい。
一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩から、一般式(3)のチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を合成する際に、添加物として強酸を用いる場合がある。強酸の具体例としては、硫酸、メタンスルホン酸、トリクロロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸などが挙げられる。この中で特にメタンスルホン酸が望ましい。強酸の添加量は、一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩 1モルに対して、0.005モル〜0.1モルが望ましく、特に0.05〜0.01モルが好ましい。
一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩と反応させる一般式(2)に示したチオールカルボン酸の使用量は、アルケンスルホン酸塩 1モルに対して0.8〜3.0モルが望ましい。特に1.0〜1.4モルが好ましい。
一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩と、一般式(2)に示したチオールカルボン酸とを反応させる際には、空気を存在させる。この場合、空気は、反応槽を空気による加圧条件下にしたり、反応液中にバブリングさせたりして存在させる。この空気を存在させる量としては、反応の進行状況に応じて調整される。また、この空気の存在の下、一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩に対して、一般式(2)に示したチオールカルボン酸を滴下させ、この空気と、一般式(2)に示したチオールカルボン酸とによって反応の進行状況を調整してもよい。すなわち、反応の進行状況は、(a)一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩に対して、一般式(2)に示したチオールカルボン酸を加えた後、空気の供給量で調整する、(b)一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩に対して、充分な空気の存在の下、一般式(2)に示したチオールカルボン酸を滴下して調整する、(c)一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩に対して、一般式(2)に示したチオールカルボン酸の滴下量と空気の供給量とを両方調整する、ことによって制御することができる。
一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩から、一般式(3)のチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を合成する反応の反応温度は、40〜90℃が望ましい、特に60〜80℃が好ましい。
一般式(1)に示したアルケンスルホン酸塩から、一般式(3)のチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を合成する反応の反応時間は、20時間以下が望ましい、特に0.2〜4時間が好ましい。
反応終了後に得られた一般式(3)に示したチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩は、冷却、ろ過により単離することが可能であるが、酢酸溶液のままワンポットで一般式(4)に示したメルカプトアルカンスルホン酸塩まで誘導することが出来る。
一般式(3)に示した、チオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩の酢酸溶液に水を加えて、濃縮を行い酢酸の除去を行う。酢酸除去後に低級アルコールを添加して加溶媒分解を行う。その際に使用する低級アルコールとしては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール等が挙げられる。特にメタノールが望ましい。この低級アルコールの使用量はアルケンスルホン酸塩1gに対して、0.25g〜3gが望ましく、特に1g〜2gがより好ましい。
低級アルコール添加後に反応液を加熱し、加溶媒分解反応を行う。その際の反応温度は、40℃〜100℃が望ましく、特に70℃〜90℃がより好ましい。加熱し、反応を行う時間は、1時間〜20時間が望ましく、特に4時間〜8時間がより好ましい。この加溶媒分解反応により、ある程度のチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩をメルカプトアルカンスルホン酸塩にすることが可能であるが、反応完結には、より長い反応時間が必要である。
ある程度、チオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩をメルカプトアルカンスルホン酸塩に分解した後、ヒドラジンを添加して分解反応を完結させることが可能である。使用するヒドラジンは、アルケンスルホン酸塩 1モルに対して、1モル〜0.01モルが望ましく、特に0.3モル〜0.05モルがより好ましい。ヒドラジン添加後に加熱し、反応を行うが、反応温度は、40℃〜100℃が望ましく、特に70℃〜90℃がより好ましい。反応時間は、0.1時間〜10時間が望ましく、特に0.5時間〜2時間がより好ましい。このヒドラジンの添加により、チオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を完全に消費させることが可能である。
得られたメルカプトアルカンスルホン酸塩の水溶液は、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウムを用いて中和を行う。使用量はチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を合成する際に用いた強酸1モルに対して0.1モルから3.0モルが望ましい、特に0.5モル〜2.0モルが好ましい。
中和終了後、減圧濃縮を行い、溶媒置換を行う。この溶媒置換に用いる溶媒はメタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、等のアルコール溶媒や、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒が挙げられる。特にメタノール、イソプロパノール、トルエン等が望ましい。これらの溶媒は単独に用いても良いし、混合して用いても良いが、使用量は、アルケンスルホン酸塩 1gに対して単成分あたり0〜3gが望ましく、特に0.5g〜2gがより好ましい。
溶媒置換後に晶析操作を行うが、このときの攪拌時間は0.5時間〜10時間が望ましく、特に1時間〜2時間がより好ましい。攪拌時の温度は0℃〜80℃であるのが望ましく、特に0℃〜20℃がより好ましい。晶析したメルカプトアルカンスルホン酸塩を、常法により、ろ取、洗浄、乾燥することにより、粉末状のメルカプトアルカンスルホン酸塩を得ることが出来る。
メルカプトアルカンスルホン酸塩は、各種酸化剤を用いて、容易にジチオビス(アルカンスルホン酸)塩に酸化することが可能である。酸化剤としては、ヨウ素、ジメチルスルホキシド、過酸化水素水、過ホウ酸ナトリウム、酸素が挙げられる。特にジメチルスルホキシドがより好ましい。酸化剤の使用量は、酸化剤により異なるが、ジメチルスルホキシドを用いる場合はメルカプトアルカンスルホン酸塩 1モルに対して0.3モルから2モルの使用量が望ましい、特に0.5モル〜1.0モルがより好ましい。
メルカプトアルカンスルホン酸塩からジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を合成する際の溶媒は、水、アルコールが望ましい、具体的には、メタノール、エタノールが挙げられる。特に水が好ましい。また溶媒の使用量はメルカプトアルカンスルホン酸塩1gに対して0.5g〜5gが望ましく、特に1g〜3gがより好ましい。
メルカプトアルカンスルホン酸塩から、ジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を合成する際の反応温度は、酸化剤によって異なるが、ジメチルスルホキシドを用いる場合には50℃〜100℃が望ましく、特に70℃〜95℃がより好ましい。その際の反応時間は0.5時間〜10時間が望ましく、特に1時間〜5時間が好ましい。
ジチオビス(アルカンスルホン酸)塩の反応液に貧溶媒を添加することで晶析することが可能である。貧溶媒は、具体的に、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、アセトン、トルエンが挙げられる。特にエタノール、イソプロパノールが望ましい。これらの貧溶媒の使用量はメルカプトアルカンスルホン酸塩1gに対して0.5g〜8gが望ましく、特に1g〜5gが好ましい。
貧溶媒添加後に晶析操作を行うが、このときの攪拌時間は0.5時間〜10時間が望ましく、特に1時間〜2時間がより好ましい。攪拌時の温度は0℃〜80℃であるのが望ましく、特に0℃〜20℃がより好ましい。晶析したジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を、常法により、ろ取、洗浄、乾燥することにより、粉末状のジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を得ることが出来る。
また、ジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を合成する際は、単離されたメルカプトアルカンスルホン酸塩を用いなくてもよい。具体的には、チオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を分解したメルカプトアルカンスルホン酸塩の水溶液に、酸化剤を添加して反応を行うことで合成することも可能である。
本発明によれば、高品質のメルカプトアルカンスルホン酸塩を効率良く製造することが出来る。
本発明によれば副生する不純物が少なく、無機塩が副生する工程が存在しないため、メルカプトアルカンスルホン酸塩での単離が容易である。また安価なアルケンスルホン酸塩が原料として使用可能であるため、工業的には非常に有利である。また、アルケンスルホン酸塩からジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を合成する反応は、いずれも汎用性が非常に高く。有用な反応である。
以下に、実施例を挙げ、本発明の効果をより具体的に説明をする。ただし、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
−実施例1−
[3−チオアセチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの製造]
500mlの四つ口フラスコにアリルスルホン酸ナトリウム72.1g(0.5モル)および、酢酸349.8g、無水酢酸10.2g、メタンスルホン酸0.96g(0.01モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸41.9g(0.55モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより3−チオアセチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応液を冷却し、吸引ろ過を行い、減圧乾燥を行うことで白色粉末として、3−チオアセチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムを107.6g(0.49モル)得た。収率は97.8%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.88(t、J=7.2Hz、2H)、2.86(t、J=7.2Hz、2H)、2.25(s、3H)、1.90〜1.86(m、2H)
13C NMR(D2O):δ= 202.94、51.08、31.47、28.98、25.74
−実施例2−
[3−チオアセチルプロパン−1−スルホン酸カリウムの製造]
50mlの二つ口フラスコにアリルスルホン酸カリウム3.20g(0.02モル)および、酢酸15.5g、無水酢酸0.5g、メタンスルホン酸0.04g(0.0004モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸1.67g(0.022モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより3−チオアセチルプロパン−1−スルホン酸カリウムの生成を確認した。反応液を冷却し、吸引ろ過を行い、減圧乾燥を行うことで白色粉末として、3−チオアセチルプロパン−1−スルホン酸カリウムを4.02g(0.017モル)得た。収率は85.0%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.81(t、J=7.2Hz、2H)、2.76(t、J=7.2Hz、2H)、2.18(s、3H)、1.84〜1.80(m、2H)
−実施例3−
[3−チオアセチル−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの製造]
50mlの二つ口フラスコに2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウム3.16g(0.02モル)および、酢酸15.4g、無水酢酸0.44g、メタンスルホン酸0.04g(0.0004モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸1.67g(0.022モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより3−チオアセチル−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応液を減圧濃縮後に冷却し、吸引ろ過を行い、減圧乾燥を行うことで白色粉末として、3−チオアセチル−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムを3.56g(0.015モル)得た。収率は76.0%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.87〜2.82(m、1H)、2.81〜2.75(m、2H)、2.63〜2.57(m、1H)、2.18(s、3H)、1.91〜1.84(m、1H)、0.91(d、J=7.2Hz、3H)
−実施例4−
[4−チオアセチルブタン−1−スルホン酸ナトリウムの製造]
30mlの二つ口フラスコに4−ブテン−1−スルホン酸ナトリウム1.58g(0.01モル)および、酢酸7.7g、無水酢酸0.20g、メタンスルホン酸0.02g(0.0002モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸0.84g(0.011モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより4−チオアセチルブタン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応液を冷却し、吸引ろ過を行い、減圧乾燥を行うことで白色粉末として、4−チオアセチルブタン−1−スルホン酸ナトリウムを2.03g(0.0087モル)得た。収率は86.5%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.68(t、J=7.2、4H)、2.13(s、3H)、1.60〜1.52(m、2H)1.52〜1.44(m、2H)
−実施例5−
[5−チオアセチルペンタン−1−スルホン酸ナトリウムの製造]
30mlの二つ口フラスコに5−ペンテン−1−スルホン酸ナトリウム0.86g(0.005モル)および、酢酸4.3g、無水酢酸0.10g、メタンスルホン酸0.01g(0.0001モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸0.43g(0.0055モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより5−チオアセチルペンタン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応液を濃縮乾固し、白色粉末として、5−チオアセチルペンタン−1−スルホン酸ナトリウムを1.12g(0.0045モル)得た。収率は90.0%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.69(t、J=7.2Hz、4H)、2.16(s、3H)、1.57〜1.50(m、2H)、1.45〜1.38(m、2H)、1.32〜1.25(m、2H)
−実施例6−
[3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの製造]
500mlの四つ口フラスコにアリルスルホン酸ナトリウム72.1g(0.5モル)および、酢酸349.8g、無水酢酸10.2g、メタンスルホン酸0.96g(0.01モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸41.9g(0.55モル)を滴下し、1時間攪拌した。NMRにより3−チオアセチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応後の反応液に水36.0gを加えて、減圧下で濃縮を行い、結晶が析出した時点で再度水36.0gを添加し、減圧濃縮を行った。さらに水36.0g添加、減圧濃縮を行い、水を36.0g、メタノールを99.8g添加して80℃まで加熱し6時間反応を行った。ある程度、加水分解が行われた後にヒドラジン1水和物2.5g(0.05モル)を添加しさらに2時間、80℃で反応を行い、NMRにてメルカプトプロパンスルホン酸ナトリウムの生成を確認した。48%水酸化ナトリウム0.83g(0.01モル)を添加して中和を行った後、減圧下で水を濃縮し結晶を析出させた。このスラリー液にイソプロパノール72.1gとトルエン72.1gを添加して、10℃まで冷却し1時間以上攪拌を行った。吸引ろ過により結晶をろ取し、イソプロパノールによる洗浄を行った。得られた湿体を減圧乾燥し、白色粉末の3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸ナトリウム(純度91.0%)を79.4g得た。アリルスルホン酸ナトリウムからの収率は81.1%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.93(t、J=8.0Hz、2H)、2.57(t、J=7.2Hz、2H)、1.97〜1.89(m、2H)
13C NMR(D2O):δ=51.64、51.56、30.54、25.81、24.75、
IR(KBr、cm−1):3454、2974、2943、2858、2555、1444、1413、1220、1195、1064、846、731、596、536、521、453
−実施例7−
[3−メルカプト−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの製造]
50mlの二つ口フラスコに2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウム3.16g(0.02モル)および、酢酸15.4g、無水酢酸0.44g、メタンスルホン酸0.04g(0.0004モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸1.67g(0.022モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより3−チオアセチル−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応後の反応液に水1.58gを加えて、減圧下で濃縮を行い、結晶が析出した時点で再度水1.58gを添加し、減圧濃縮を行った。さらに水1.58gを添加、減圧濃縮を行い、水を1.58g、メタノールを4.7g添加して80℃まで加熱し7時間反応を行った。ある程度、加水分解が行われた後にヒドラジン1水和物0.1g(0.002モル)を添加しさらに1時間、80℃で反応を行い、NMRにて3−メルカプト−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの生成を確認した。48%水酸化ナトリウム0.04g(0.0004モル)を添加して中和を行った後、減圧下で水を濃縮し結晶を析出させた。このスラリー液にイソプロパノール3.15gとトルエン3.15gを添加して、10℃まで冷却し1時間以上攪拌を行った。吸引ろ過により結晶をろ取し、イソプロパノールによる洗浄を行った。得られた湿体を減圧乾燥し、白色粉末の3−メルカプト−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウム(純度92.0%)を3.13g得た。アリルスルホン酸ナトリウムからの収率は75.0%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 3.00(dd、J=8.8Hz、1H)、2.69(dd、J=7.6Hz、1H)、2.55(d、J=5.6Hz、2H)、2.11〜2.03(m、1H)、1.00(d、J=6.8、3H)
−実施例8−
[5−メルカプトペンタン−1−スルホン酸ナトリウムの製造]
30mlの二つ口フラスコに5−ペンテン−1−スルホン酸ナトリウム0.86g(0.005モル)および、酢酸4.3g、無水酢酸0.10g、メタンスルホン酸0.01g(0.0001モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸0.43g(0.0055モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより5−チオアセチルペンタン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応後の反応液に水1.58gを加えて、減圧下で濃縮を行い、結晶が析出した時点で再度水0.4gを添加し、減圧濃縮を行った。さらに水0.4gを添加、減圧濃縮を行い、水を0.4g、メタノールを1.29g添加して80℃まで加熱し7時間反応を行った。ある程度、加水分解が行われた後にヒドラジン1水和物0.25g(0.005モル)を添加しさらに2時間、80℃で反応を行い、NMRにて5−メルカプトペンタン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。48%水酸化ナトリウム0.01g(0.0002モル)を添加して中和を行った後、減圧下で濃縮乾固し、白色粉末の5−メルカプトペンタン−1−スルホン酸ナトリウム(純度80%)を0.98g得た。アリルスルホン酸ナトリウムからの収率は76.0%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.75(t、J=7.6Hz、2H)、2.39(t、J=6.8Hz、2H)、1.61〜1.54(m、2H)、1.51〜1.44(m、2H)、1.37〜1.30(m、2H)
−実施例9−
[3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウムの製造]
30ml二つ口フラスコに3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸ナトリウムを1.78g(0.01モル)および、水1.8gを加え、溶解させた。35%塩酸0.01g、ヨウ素0.01gを添加し、ジメチルスルホキシド0.39g(0.005モル)を滴下した。90℃まで加熱し、2時間攪拌した。NMRにより3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウムの生成を確認したのち、冷却し、吸引ろ過により、白色結晶として3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウムを0.9g得た。3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸ナトリウムからの収率は50%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.89(t、J=8.0Hz、4H)、2.72(t、J=7.2Hz、4H)、1.98〜2.05(m、4H)、13C NMR(D2O):δ=51.60、38.40、25.84
−実施例10−
[アリルスルホン酸ナトリウムより、3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウムの製造]
50mlの二つ口フラスコにアリルスルホン酸ナトリウム2.88g(0.02モル)および、酢酸14.0g、無水酢酸0.40g、メタンスルホン酸0.04g(0.0004モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸1.67g(0.022モル)を滴下し、1時間攪拌した。NMRにより3−チオアセチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応後の反応液に水1.44gを加えて、減圧下で濃縮を行い、結晶が析出した時点で再度水1.44gを添加し、減圧濃縮を行った。さらに水1.44g添加、減圧濃縮を行い、水を1.44g、メタノールを4.32g添加して80℃まで加熱し6時間反応を行った。ある程度、加水分解が行われた後にヒドラジン1水和物0.1g(0.002モル)を添加しさらに2時間、80℃で反応を行い、NMRにて3−メルカプトプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応液に35%塩酸0.02g、ヨウ素0.02gを添加し、ジメチルスルホキシド0.74g(0.0094モル)を滴下した。90℃まで加熱し、4時間攪拌した。NMRにより3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウムの生成を確認した。スラリーに水1.44g、IPA11.5gを添加し、冷却、吸引ろ過、減圧乾燥により、白色結晶として3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウム(純度91.9%)を2.7g得た。アリルスルホン酸ナトリウムからの収率は70.1%であった。
1 H NMR(D2O):δ= 2.89(t、J=8.0Hz、4H)、2.72(t、J=7.2Hz、4H)、1.98〜2.05(m、4H)、
13C NMR(D2O):δ=51.60、38.40、25.84
IR(KBr、cm−1):3441、2922、1449、1414、1217、1186、1063、799、737、606、546、532
−実施例11−
[2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウムより、3,3’−ジチオビス(2−メチル−1−プロパンスルホン酸)ジナトリウムの製造]
50mlの二つ口フラスコに2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウム3.16g(0.02モル)および、酢酸15.4g、無水酢酸0.44g、メタンスルホン酸0.04g(0.0004モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸1.67g(0.022モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより3−チオアセチル−2−メチルプロパン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応後の反応液に水1.58gを加えて、減圧下で濃縮を行い、結晶が析出した時点で再度水1.58gを添加し、減圧濃縮を行った。さらに水1.58gを添加、減圧濃縮を行い、水を1.58g、メタノールを4.7g添加して80℃まで加熱し7時間反応を行った。ある程度、加水分解が行われた後にヒドラジン1水和物0.1g(0.002モル)を添加しさらに1時間、80℃で反応を行い、NMRにて3−メルカプト−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応液に35%塩酸0.02g、ヨウ素0.02gを添加し、ジメチルスルホキシド0.74g(0.0094モル)を滴下した。90℃まで加熱し、5時間攪拌した。NMRにより3,3’−ジチオビス(2−メチル−1−プロパンスルホン酸)ジナトリウムの生成を確認した。スラリーに水1.58g、IPA12.5gを添加し、冷却、吸引ろ過、減圧乾燥により、白色結晶として3,3’−ジチオビス(2−メチル−1−プロパンスルホン酸)ジナトリウム(純度92.0%)を2.5g得た。2−メチル−2−プロペン−1−スルホン酸ナトリウムからの収率は60.1%であった。
1 H NMR(D2O):δ=2.99〜3.04(m、2H)、2.72〜2.78(m、2H)、2.64〜2.73(m、4H)、2.22〜2.27(m、2H)、1.05(d、J=6.8Hz,6H)、
13C NMR(D2O):δ=57.94、46.99、31.99、20.63
IR(KBr、cm−1):3427、2957、2930、1456、1412、1379、1279、1234、1215、1186、1065、702、621、544、534
−実施例12−
[5−ペンテン−1−スルホン酸ナトリウムより、5,5’−ジチオビス(ペンタンスルホン酸)ジナトリウムの製造]
30mlの二つ口フラスコに5−ペンテン−1−スルホン酸ナトリウム0.86g(0.005モル)および、酢酸4.3g、無水酢酸0.10g、メタンスルホン酸0.01g(0.0001モル)を加え、70℃まで加熱した。加熱後、空気を導入し、チオ酢酸0.43g(0.0055モル)を滴下、1時間攪拌した。NMRにより5−チオアセチルペンタン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応後の反応液に水1.58gを加えて、減圧下で濃縮を行い、結晶が析出した時点で再度水0.4gを添加し、減圧濃縮を行った。さらに水0.4gを添加、減圧濃縮を行い、水を0.4g、メタノールを1.29g添加して80℃まで加熱し7時間反応を行った。ある程度、加水分解が行われた後にヒドラジン1水和物0.25g(0.005モル)を添加しさらに2時間、80℃で反応を行い、NMRにて5−メルカプトペンタン−1−スルホン酸ナトリウムの生成を確認した。反応液に35%塩酸0.01g、ヨウ素0.01gを添加し、ジメチルスルホキシド0.14g(0.0024モル)を滴下した。90℃まで加熱し、3時間攪拌した。NMRにより5,5’−ジチオビス(ペンタンスルホン酸)ジナトリウムの生成を確認した。スラリーに水0.43g、IPA3.44gを添加し、冷却、吸引ろ過、減圧乾燥により、白色結晶として、5,5’−ジチオビス(ペンタンスルホン酸)ジナトリウム(純度98.8%)を0.6g得た。5−ペンテン−1−スルホン酸ナトリウムよりの収率は57.8%であった。
1 H NMR(D2O):δ=2.79(t、J=8.0Hz、4H)、2.64(t、J=7.2Hz,4H)、1.56〜1.66(m、8H)、1.35〜1.43(m、4H)、
13C NMR(D2O):δ=52.89、39.85、29.93、28.57、25.65
IR(KBr、cm−1):3426、2936、2857、1589、1414、1188、1134、1115、1059、790、729、615、536
−実施例13−
上記実施例1〜8、10〜12において用いられているチオ酢酸の代わりにチオプロピオン酸を用いても、同様に反応を行えることが確認でき、チオカルボアルキルアルカンスルホン酸塩、メルカプトアルカンスルホン酸塩およびジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を得ることができた。
本発明は、医薬中間体の製造、セメント添加剤の製造、メッキ薬添加剤の製造などの幅広い用途に利用できる。

Claims (4)

  1. 一般式(1);
    Figure 0005109081
    (式中、R1は水素、もしくは炭素数1または2のアルキル基、n は1〜5の整数であり、Mは水素、もしくはナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムである。)で示されるアルケンスルホン酸塩と、
    一般式(2);
    Figure 0005109081
    (式中、R2は炭素数1〜3のアルキル基を示す。)で示されるチオールカルボン酸とを、空気による加圧条件下又は反応液中に空気をバブリングさせることによる空気の存在下で反応させ、
    一般式(3);
    Figure 0005109081
    (式中、R1は水素、もしくは炭素数1または2のアルキル基、R2は炭素数1〜3のアルキル基、n は1〜5の整数であり、Mは水素、もしくはナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムである。)で示されるチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を製造する方法。
  2. アルケンスルホン酸塩からチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を合成する際の反応溶媒として、酢酸を用いることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 請求項1または2記載の製法によって得られたチオアルキルカルボニルアルカンスルホン酸塩を、水、メタノールおよびヒドラジンと反応させ、
    一般式(4);
    Figure 0005109081
    (式中、R1は水素、もしくは炭素数1または2のアルキル基、n は1〜5の整数であり、Mは水素、もしくはナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムである。)で示されるメルカプトアルカンスルホン酸塩を製造する方法。
  4. 請求項3記載の製法によって得られたメルカプトアルカンスルホン酸塩を、酸化剤と反応させ、3,3’−ジチオビス(プロパンスルホン酸)ジナトリウム、3,3’−ジチオビス(2−メチル−1−プロパンスルホン酸)ジナトリウム及び5,5’−ジチオビス(ペンタンスルホン酸)ジナトリウムから選択されるジチオビス(アルカンスルホン酸)塩を製造する方法。
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