JP5108547B2 - 燃焼装置及び燃焼装置の運転方法 - Google Patents

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本発明は、燃焼装置及び燃焼装置の運転方法に関する。
従来、ロータリーキルンを構成するキルン本体(回転炉)を二段に並設して成る燃焼装置として、以下の特許文献1に記載のものが知られている。この特許文献1に記載の燃焼装置では、前段及び後段のキルン本体を回転させ、前段のキルン本体に導入された廃棄物を、前段及び後段のキルン本体を通して搬送しながら燃焼させ、このとき、キルン本体同士の間に位置してこれらを連通させる中間室を利用して各キルン本体内を流れるガスを制御したり、各キルン本体の回転数や設置傾斜角を変更したり、中間室にバーナを設けて後段のキルン本体で燃焼を完全に行う等することで、燃焼物の燃焼特性に応じた細かい燃焼制御ができるとされている。
実開平5−8218号公報
しかしながら、上記特許文献1の燃焼装置にあっては、さらなる燃焼効率の向上が求められている。
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、燃焼効率が向上される燃焼装置及び燃焼装置の運転方法を提供することを目的とする。
本発明による燃焼装置は、回転するキルン本体を直列に複数段並設し、前段のキルン本体に導入された廃棄物を、各段のキルン本体を通して搬送しながら燃焼させる燃焼装置において、キルン本体同士の間に位置してこれらを連通させる中間室に、廃棄物を投入する廃棄物投入部と、前記複数のキルンを還元炉として機能させるための情報を取得する第1のセンサとを備え複数段並設されたキルンのうち最終段のキルンの出口側に、二次燃焼塔を更に備え、この二次燃焼塔は、複数のキルンを還元炉として機能させるための情報を取得する第2のセンサを備えたことを特徴としている
また、本発明による燃焼装置の運転方法は、回転するキルン本体を直列に複数段並設し、前段のキルン本体に導入された廃棄物を、各段のキルン本体を通して搬送しながら燃焼させる燃焼装置の運転方法において、キルン本体同士の間に位置してこれらを連通させる中間室に、廃棄物を投入し、前記中間室に設けられた第1のセンサで取得した情報に基づいて前記複数のキルンを還元炉として機能させ複数段並設されたキルンのうち最終段のキルンの出口側に、二次燃焼塔を更に備え、この二次燃焼塔に設けられた第2のセンサで取得した情報に基づいて複数のキルンを還元炉として機能させることを特徴としている
このような燃焼装置及び燃焼装置の運転方法によれば、キルン本体同士の間に位置してこれらを連通させる中間室に、廃棄物が投入される構成のため、この中間室に投入される廃棄物を、例えば還元材や加熱材(熱源)として機能するものや、例えば滞留時間が短くて済むものや乾燥が不要なもの等後段側のキルン本体への投入で十分であり敢えて前段側のキルン本体へ投入しなくても良いものとすることで、燃焼効率を向上することができる。
このように本発明によれば、燃焼効率を向上することが可能となる。
以下、本発明による燃焼装置及び燃焼装置の運転方法の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施形態に係る燃焼装置を示す概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の燃焼装置100は、ロータリーキルンを構成する回転可能なキルン本体(回転炉)1,2を直列に二段に並設して備えると共に、前段(上流側)及び後段(下流側)のキルン本体1,2同士の間にこれらを連通状態で接続する中間室8を備え、前段のキルン本体1に導入された廃棄物を前段及び後段のキルン本体1,2で燃焼させ後段のキルン本体2から焼却物等(場合によっては溶融物等)として排出するものである。
ここで、廃棄物としては種々のものが採用可能であるが、本実施形態では、電炉からの飛灰である電炉ダスト、及び、自動車由来のシュレッダーダストであるASRが用いられる。この電炉ダストは亜鉛含有酸化鉄を多く含有し、ASRは還元材及び加熱材(熱源)として機能すると共に銅を多く含有している。
前段及び後段のキルン本体1,2は、略円筒状に構成されて水平設置又は傾斜設置される。これらのキルン本体1,2は、当該キルン本体1,2の下側に配置された複数の支持部(不図示)により各々が軸線周りに回転可能に支持されると共に、各々の駆動源3,4の駆動が制御されて当該駆動源3,4の駆動に従い各々が回転する。
前段のキルン本体1の前面側の開口に対しては前部固定壁5が対応して設けられ、この前部固定壁5に対してキルン本体1の前部が回転可能に挿入される。この前部固定壁5には、キルン本体1内に連通し廃棄物を当該キルン本体1内に導入する導入ライン6が接続されている。また、前部固定壁5には、下流側(後段のキルン本体2)に向けてキルン本体1内に火炎を噴射することで、当該キルン本体1内を所定温度に加熱するためのバーナー7が設けられている。
後段のキルン本体2は、前段のキルン本体1からの燃焼物が進入しやすいように、その軸心が前段のキルン本体1の軸心に対して下方にズレて配置されている。この後段のキルン本体2の出口側は、キルン本体1,2内で発生した一酸化炭素等の未燃焼ガスを二次燃焼させるため二次燃焼塔9に回転可能に挿入されている。
また、前段及び後段のキルン本体1,2同士の間の中間室8には、前段のキルン本体1の出口付近の温度、酸素濃度、CO濃度をそれぞれ測定する温度センサ11、酸素濃度センサ12、CO濃度センサ13が各々配設され、また、二次燃焼塔9には、後段のキルン本体2の出口付近の温度、酸素濃度、CO濃度をそれぞれ測定する温度センサ21、酸素濃度センサ22、CO濃度センサ23が各々配設されている。
また、中間室8には、燃焼を促進させるための空気等の酸素含有気体、燃焼を促進させるための油等の助燃材(助燃料)、温度を下げるための冷却水をそれぞれ供給する酸素含有気体供給装置14、助燃材供給装置15、冷却水噴霧装置16が各々配設され、また、二次燃焼塔9には、後段のキルン本体2へ向けて、燃焼を促進させるための空気等の酸素含有気体、燃焼を促進させるための油等の助燃材、温度を下げるための冷却水をそれぞれ供給する酸素含有気体供給装置24、助燃材供給装置25、冷却水噴霧装置26が各々配設されている。
特に本実施形態にあっては、中間室8に、前述した廃棄物である電炉ダストやASRを投入するための廃棄物投入部10が設けられている。
そして、本実施形態にあっては、温度センサ11,21、酸素濃度センサ12,22、CO濃度センサ13,23をそれぞれ監視し、還元炉として機能する各キルン本体1,2での燃焼が最適となるように、酸素含有気体供給装置14,24、助燃材供給装置15,25、冷却水噴霧装置16,26、廃棄物投入部10、駆動源3,4を各々制御するようになっている。なお、これらの制御は、作業者がマニュアル操作で行っても、制御装置による自動制御の何れであっても良い。
このように構成された燃焼装置100によれば、前段のキルン本体1内に導入ライン6を介して前述した廃棄物(電炉ダスト及びASR)が導入され、この廃棄物は、前段及び後段のキルン本体1,2の回転に従い前段のキルン本体1から後段のキルン本体2に向かって搬送されながら熱が与えられ燃焼する。このときの炉内温度は800〜1080°C程度の還元雰囲気とされる。
廃棄物であるASRは、熱が与えられることで還元に必要な熱量を発生し、還元材及び加熱材として効果的に機能し、このASRの還元作用により、廃棄物である電炉ダスト中の亜鉛含有酸化鉄から亜鉛が還元されて分離すると共に酸化鉄が還元されて金属鉄が得られる。
そして、鉄、銅を含む排出物は、後段のキルン本体2の出口から流下して回収され、一方、亜鉛含有酸化鉄から分離した亜鉛は揮発し高亜鉛濃度のダストとして後段の例えばバグフィルタ等の固気分離装置(不図示)で捕集されて回収される。
ここで、本実施形態では、温度センサ11,21、酸素濃度センサ12,22、CO濃度センサ13,23からの各々の情報に基づいて、各キルン本体1,2内の雰囲気が最適になるように、酸素含有気体供給装置14,24による酸素含有気体供給量、助燃材供給装置15,25による助燃材供給量、冷却水噴霧装置16,26による冷却水噴霧量、廃棄物投入部10による廃棄物供給量、駆動源3,4によるキルン本体1,2の回転数をそれぞれ制御するため、燃焼効率を向上できる。
そして、特に本実施形態では、中間室8に廃棄物を投入し、この中間室8に投入する廃棄物を、還元材、加熱材として機能するものとしているため、燃焼効率を一層向上できる。なお、中間室8に投入する廃棄物を、例えば滞留時間が短くて済むものや乾燥が不要なもの等、後段のキルン本体2への投入で十分であり、敢えて前段のキルン本体1へ投入しなくても良いものとしても、燃焼効率を向上できる。
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、例えば、上記実施形態においては、前段のキルン本体1からの燃焼物が進入しやすいように、後段のキルン本体2の軸心を前段のキルン本体1の軸心に対して下方にズラしているが、勿論同軸に配置されていても良い。
また、上記実施形態においては、亜鉛及び金属鉄を回収すべく、亜鉛含有酸化鉄が多く含まれる電炉ダストを廃棄物として用いているが、亜鉛又は金属鉄を回収すべく、酸化亜鉛又は酸化鉄を廃棄物として用いるようにしても良く、また、亜鉛や金属鉄を回収するので無ければ、他の廃棄物を用いても勿論良い。
また、上記実施形態においては、自動車リサイクル法から処理が義務づけられていると共に銅が多く含まれ、且つ、還元材及び加熱材として機能するASRを廃棄物として用いているが、還元材として効果的であると共に還元に必要な熱量を発生し加熱材として機能する廃棄物である家電シュレッダーダスト、廃プラスチック、廃棄物から得られるRDF(Refuse Derived Fuel)、RPF(Refuse Paper and Plastic Fuel)、汚泥、油泥、木くず、繊維くず、ゴムくず、動植物性残渣等を用いても良く、さらには、コークス等を用いることもできる。
また、上記実施形態においては、キルン本体を直列に二段並設した燃焼装置100に対する適用を述べているが、直列に三段以上並設した燃焼装置に対しても適用可能である。
本発明の実施形態に係る燃焼装置を示す概略構成図である。
符号の説明
1…前段のロータリーキルン、2…後段のロータリーキルン、8…中間室、10…廃棄物投入部、100…燃焼装置。

Claims (2)

  1. 回転するキルン本体を直列に複数段並設し、前段のキルン本体に導入された廃棄物を、各段のキルン本体を通して搬送しながら燃焼させる燃焼装置において、
    前記キルン本体同士の間に位置してこれらを連通させる中間室に、廃棄物を投入する廃棄物投入部と、前記複数のキルンを還元炉として機能させるための情報を取得する第1のセンサとを備え
    前記複数段並設されたキルンのうち最終段のキルンの出口側に、二次燃焼塔を更に備え、前記二次燃焼塔は、前記複数のキルンを還元炉として機能させるための情報を取得する第2のセンサを備えたことを特徴とする燃焼装置。
  2. 回転するキルン本体を直列に複数段並設し、前段のキルン本体に導入された廃棄物を、各段のキルン本体を通して搬送しながら燃焼させる燃焼装置の運転方法において、
    前記キルン本体同士の間に位置してこれらを連通させる中間室に、廃棄物を投入し、前記中間室に設けられた第1のセンサで取得した情報に基づいて前記複数のキルンを還元炉として機能させ
    前記複数段並設されたキルンのうち最終段のキルンの出口側に、二次燃焼塔を更に備え、前記二次燃焼塔に設けられた第2のセンサで取得した情報に基づいて前記複数のキルンを還元炉として機能させることを特徴とする燃焼装置の運転方法。
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