JP5107598B2 - 入退室管理装置および方法 - Google Patents

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Description

本発明は、入退室管理技術に関し、特に各部屋に対する各ユーザの入退室可否を判定するための判定情報を設定する判定情報設定技術に関する。
一般に、施設や建物では、特定の管理区域について部外者に対するセキュリティが必要な場合、入退室管理システムを用いて入退室を厳重に管理するものとなっている。代表的な入退室管理システムとして、例えば特定の部屋の出入口にリーダと電気錠を設け、ユーザが所持するIDカードから読み取ったユーザ識別情報に基づき、予め記憶部に保存されている入退室判定情報を参照して、入退室の可否を判定して電気錠を制御する入退室管理システムが提案されている(例えば、特許文献1,2など参照)。
このような入退室管理システムでは、各ユーザの部屋への入退室の履歴を示す履歴情報や、各ユーザや各部屋に関する入退室可否判定のための判定情報は、施設や建物を管理する管理者が一括して管理する方法が一般的である。
したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物では、建物管理者が各テナントユーザの履歴情報や判定情報を管理する必要があるため、建物管理者の作業負担が大きくなる。
従来、このような複数の会社がテナントとして入居する建物で用いる入退室管理システムとして、例えば「会社」、「部署」、「個人」からなる階層構造で各ユーザを分類しておき、これら分類に属するユーザの履歴情報や判定情報については、当該分類の1つ上位の階層に位置する責任者にアクセス権を付与して、当該責任者が閲覧し設定することにより、建物全体の管理者に対する作業負担を軽減する技術が提案されている(例えば、特許文献3など参照)。
特開平10−280752号公報 特開平11−203580号公報 特開2000−030171号公報
しかしながら、このような従来技術では、所望のユーザや部屋の入退室判定情報を柔軟に設定することができないという問題点があった。
すなわち、従来の入退室管理システムでは、「会社」、「部署」、「個人」などの階層構造に基づきユーザを分類し、これらユーザの入退室判定情報に対するアクセス権は、当該分類の上位階層にあたる分類に属する責任者に付与される。したがって、責任者が設定可能な入退室判定情報は下位階層の分類に属するユーザや部屋に関するものに限定されるため、責任者とユーザや部屋との対応関係が階層構造に制限されることなく柔軟に入退室判定情報を設定することができない。
本発明はこのような課題を解決するためのものであり、所望のユーザや部屋の入退室判定情報を柔軟に設定することができる入退室管理装置および方法を提供することを目的としている。
このような目的を達成するために、本発明にかかる入退室管理装置は、ユーザごとに当該ユーザの入退室可能な部屋が登録された入退室判定情報と、部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、ユーザの入退室可能な部屋を設定するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶部と、記憶部を参照して当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて設定対象となる部屋およびユーザを選択する設定対象選択部と、オペレータによる入退室判定情報の設定時に設定対象選択部で選択された部屋およびユーザのみを設定対象として画面表示部で表示し、画面表示部で表示されたユーザに対する当該オペレータの選択操作、および画面表示部で表示された部屋に対する当該オペレータの設定操作に応じて設定された、当該ユーザの入退室可能な部屋を、入退室判定情報へ登録する入退室設定部とを備えている。
この際、設定対象選択部で、画面表示部で表示されたいずれかのユーザに対する選択操作に応じて、選択された当該ユーザの管理区分と一致する部屋を設定対象として選択し、入退室設定部で、設定対象選択部で選択された部屋を設定対象として画面表示部で表示するようにしてもよい。
また、本発明にかかる入退室管理方法は、記憶部により、ユーザごとに当該ユーザの入退室可能な部屋が登録された入退室判定情報と、部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、ユーザの入退室可能な部屋を設定するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶ステップと、設定対象選択部により、記憶部を参照して当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて設定対象となる部屋およびユーザを選択する設定対象選択と、入退室設定部により、オペレータによる入退室判定情報の設定時に設定対象選択部で選択された部屋およびユーザのみを設定対象として画面表示部で表示し、画面表示部で表示されたユーザに対する当該オペレータの選択操作、および画面表示部で表示された部屋に対する当該オペレータの設定操作に応じて設定された、当該ユーザの入退室可能な部屋を、入退室判定情報へ登録する入退室設定ステップとを備えている。
本発明によれば、設定対象選択部により、記憶部が参照されて当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とが比較され、この比較結果に基づいて設定対象となる部屋またはユーザが選択され、入退室設定部により、オペレータによる入退室判定情報の設定時に設定対象選択部で選択された部屋およびユーザのみが設定対象として画面表示部で表示され、入退室判定情報のうち画面表示部で表示されたユーザに対する当該オペレータの選択操作、および画面表示部で表示された部屋に対する当該オペレータの設定操作に応じて設定された、当該ユーザの入退室可能な部屋が、入退室判定情報へ登録されて記憶部へ保存される。
このため、管理区分を必要に応じて設定することにより、オペレータとユーザや部屋との対応関係が会社などの組織の階層構造に制限されることなく、所望のユーザや部屋に関する入退室判定情報を柔軟に設定することができる。したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合でも、各テナントのオペレータが任意の管理区分でユーザの入退室可否を柔軟に設定することが可能となる。
また、オペレータの管理区分以外のユーザや部屋については、設定対象として選択しないようにしたので、入退室可否設定画面には表示されなくなる。このため、入退室可否の誤った設定や不正な設定、さらには他の管理区分のユーザや部屋に関する情報漏洩を抑止することができ、極めて高いセキュリティ性およびプライバシー性を実現できる。
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
[第1の実施の形態]
まず、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置について説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成を示すブロック図である。
この入退室管理装置10は、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなり、通信ネットワークNWを介してコントローラ21とデータ通信を行うことにより、入退室を管理するための機能として、例えば特定の管理区域についてユーザの入退室可否を判定する機能や、ユーザごとに特定の部屋に対する入退室可否を設定する機能を有している。
リーダ23は、特定の管理区域に相当する部屋22の出入口に設けられた情報読取装置からなり、ユーザの所有するIDカード30からユーザ識別情報を取得する機能と、制御バスBSを介してコントローラ21とデータ通信を行うことによりユーザ識別情報をコントローラ21へ送信する機能とを有する。
電気錠24は、特定の管理区域に相当する部屋22の出入口のドアに設けられた電気式の錠前からなり、制御バスBSを介してコントローラ21とデータ通信を行うことによりコントローラ21からの錠制御指示を受信する機能と、受信した錠制御指示に基づいて当該出入口のドアの施錠や解錠を行う機能とを有している。
コントローラ21は、コンピュータを用いて制御バスBSに接続された各種機器を制御する機器制御装置であり、通信ネットワークNWを介して入退室管理装置10とデータ通信を行う機能と、このデータ通信により当該コントローラ21の管理エリア20内にある各部屋22へ入退室可能な利用者に関する入退室判定情報を入退室管理装置10からダウンロードして保存する機能と、各部屋22のリーダ23から制御バスBSを介して受信したユーザ識別情報に対して、上記入退室判定情報に基づき当該部屋への入退室可否を判定する機能と、この判定結果に基づく錠制御指示を所定の部屋22の電気錠24へ制御バスBSを介して送信する機能を有している。図1の例では、1つ以上の部屋22が論理的な1つ管理エリア20として管理されており、管理エリア20ごとに設けられた1つのコントローラ21により、各部屋22に対する入退室可否が判定され、その判定結果に基づき各部屋22のリーダ23および電気錠24が制御される。
本実施の形態は、入退室管理装置10の設定対象選択部により、記憶部を参照して当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて設定対象となる部屋またはユーザを選択し、入退室設定部により、オペレータによる入退室可否設定時に設定対象選択部で選択された部屋およびユーザのみを設定対象として画面表示部で表示し、入退室判定情報のうち表示された部屋およびユーザの入退室可否を当該オペレータの操作に応じて更新して記憶部へ保存するようにしたものである。
管理区分とは、入退室管理装置10の管理対象に対して任意に設定した、入退室判定情報の設定を行う論理的な管理グループである。例えば3つの会社がテナントとして1の建物に入居するような場合、テナントごとやフロアごとに管理区分A〜Cが設定され、部屋、ユーザ、およびオペレータがいずれか1つ以上の管理区分に属するよう予め設定される。入退室可否設定時には、オペレータに対して予め割り当てられたすべての管理区分を管理範囲(設定可能範囲)として、個々の管理区分すなわち管理単位ごとに入退室設定可否が判定される。
[入退室管理装置]
次に、図1を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成について詳細に説明する。
入退室管理装置10には、主な機能部として、通信インターフェース部(以下、通信I/F部という)11、操作入力部12、画面表示部13、記憶部14、および演算処理部15が設けられている。
通信I/F部11は、専用のデータ通信回路からなり、LANなどの通信ネットワークNWを介して各管理エリア20のコントローラ21とデータ通信を行う機能を有している。
操作入力部12は、キーボードやマウスなどの操作入力装置からなり、オペレータの操作を検出して演算処理部15へ出力する機能を有している。
画面表示部13は、LCDやPDPなどの画面表示装置からなり、演算処理部15からの指示に応じて、操作メニューや履歴情報などの各種情報を画面表示する機能を有している。
記憶部14は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置からなり、演算処理部15で実行する情報処理に用いる各種処理情報やプログラム14Pを記憶する機能を有している。
プログラム14Pは、演算処理部15で読み出されて実行されることにより、各種処理情報を実現するためのプログラムであり、予め記録媒体(図示せず)や外部装置(図示せず)から取り込んで格納される。
記憶部14で記憶する処理情報としては、入退室判定情報14A、部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14D、および履歴情報14Eがある。
入退室判定情報14Aは、ユーザごとに各部屋22に対する入退室可否を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図2は、入退室判定情報の構成例である。ここでは、各ユーザに固有のユーザID(ユーザ識別情報)と当該ユーザが入退室可能な部屋を示す部屋ID(部屋識別情報)のリストとの組が、ユーザごとに登録されている。
部屋管理区分情報14Bは、部屋22ごとに当該部屋が属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図3は、部屋管理区分情報の構成例である。ここでは、部屋ID、部屋名、および当該部屋に対する予め用意された管理区分A〜Cの割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、部屋ごとに登録されている。
ユーザ管理区分情報14Cは、ユーザごとに当該ユーザが属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図4は、ユーザ管理区分情報の構成例である。ここでは、ユーザID、ユーザの氏名、当該ユーザに対する予め用意された各管理区分A〜Cの割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、ユーザごとに登録されている。
オペレータ管理区分情報14Dは、オペレータごとに当該オペレータが属する管理区分を示す情報であり、予めオペレータの登録操作により設定される。図5は、オペレータ管理区分情報の構成例である。ここでは、オペレータID(オペレータ識別情報)、オペレータのログイン名、オペレータの氏名、オペレータが閲覧可能な履歴の表示対象日時、および当該オペレータに対する予め用意された各管理区分の割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データの組が、オペレータごとに登録されている。
履歴情報14Eは、管理区域である特定の部屋に対するユーザの入退室の内容を示す情報であり、入退室の判定ごとにコントローラ21から通知された履歴が、演算処理部15により記録される。図6は、履歴情報の構成例である。ここでは、履歴ID(履歴識別情報)、入退室が行われた履歴日時、部屋ID、ユーザID、当該入退室に関する部屋およびユーザの管理区分の割当有無(○=割当あり,×=割当なし)を示す管理区分データ、部屋やユーザに関する説明である備考の組が、履歴ごとに登録されている。
演算処理部15は、CPUなどのマイクロプロセッサとその周辺回路を有し、記憶部14のプログラム14Pを読み込んで実行することにより、上記ハードウェアとプログラム14Pとを協働させて各種処理部を実現する機能を有している。
演算処理部15で実現される主な機能としては、入退室設定部15A、オペレータ認証部15B、および設定対象選択部15Cがある。
入退室設定部15Aは、オペレータが入退室可否を設定する際、設定対象選択部15Cで選択された部屋およびユーザのみを設定対象として画面表示部13で表示する機能と、入退室判定情報14Aのうち表示された部屋およびユーザの入退室可否を当該オペレータの操作に応じて更新して記憶部14へ保存する機能とを有している。
オペレータ認証部15Bは、入退室可否の設定を行う前にログイン名やパスワードに基づいてオペレータの正当性を確認する機能を有している。
設定対象選択部15Cは、記憶部14の部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とを比較する機能と、この比較結果に基づいて設定対象となる部屋およびユーザを選択する機能とを有している。
[第1の実施の形態の動作]
次に、図7および図8を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の動作について説明する。図7は、本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラの入退室判定処理を示すフローチャートである。図8は、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の入退室可否設定処理を示すフローチャートである。
[入退室判定動作]
まず、図7を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の入退室判定動作について説明する。
ユーザが管理区域にある部屋22に入退室する際、入退室の許可を得るため所持するIDカード30をリーダ23に挿入する。リーダ23はIDカード30からユーザIDを読み取り、当該リーダで記憶している部屋IDとともに、制御バスBSを介してコントローラ21へ送信する。コントローラ21は、制御バスBSを介してリーダ23からユーザIDおよび部屋IDを受信し、これに応じて当該ユーザに関する部屋22への入退室可否を判定する。
コントローラ21は、制御バスを介してリーダ23からユーザIDおよび部屋IDを受信した場合、図7の入退室判定処理を開始する。
コントローラ21は、まず、受信したユーザIDと部屋IDを取得し(ステップ100)、予め入退室管理装置10からダウンロードして保存しておいた記憶部の入退室判定情報を参照して、入退室判定要求のユーザIDに対応する部屋IDリストを取得する(ステップ101)。
次に、コントローラ21は、取得した部屋IDリスト内に入退室判定要求の部屋IDが登録されているか否か確認する(ステップ102)。ここで、部屋IDリスト内に部屋22の部屋IDが登録されている場合(ステップ102:YES)、入退室可能と判断し、部屋22の電気錠24の解錠を指示する解錠指示を制御バスBSを介して部屋22のリーダ23および電気錠24へ送信する(ステップ103)。
リーダ23は、コントローラ21からの解錠指示に応じて入退室が許可された旨をユーザに表示し、電気錠24は、コントローラ21からの解錠指示に応じて、所定時間だけ部屋22のドアを解錠する。これによりユーザは部屋22の入退室が可能となる。
一方、ステップ102において、部屋IDリスト内に部屋22の部屋IDが登録されていない場合には(ステップ102:YES)、当該リーダ23に対する入退室拒否指示を制御バスBSを介して部屋22のリーダ23および電気錠24へ送信する(ステップ104)。
リーダ23は、コントローラ21からの入退室拒否指示に応じて入退室が許可されなかった旨をユーザに表示する。これにより電気錠24は解錠されないため、ユーザは部屋22の入退室が不可能のままとなる。
ステップ103,104の後、コントローラ21は、当該入退室に関する、履歴日時、部屋ID、ユーザID、リーダID、および入退室管理結果などを含む履歴を生成し、通信ネットワークNWを介して入退室管理装置10へ送信し(ステップ105)、一連の入退室判定処理を終了する。
一方、入退室管理装置10の演算処理部15は、コントローラ21から受信した履歴に、部屋管理区分データ、ユーザ管理区分データ、さらには備考など各種データを付加した後、記憶部14の履歴情報14Eとして蓄積する。
この際、履歴情報において、履歴日時は、履歴生成時や入退室判定時に演算処理部15の計時部(図示せず)から取得した時刻を用いてもよく、当該入退室判定要求時にリーダ23やコントローラ21で計時されて通知された時刻を用いてもよい。
また部屋IDやユーザIDは入退室判定時のものが用いられる。部屋管理区分データや備考については、記憶部14の部屋管理区分情報14Bから当該部屋IDに対応するものを取得すればよく、ユーザ管理区分データについては、記憶部14のユーザ管理区分情報14Cから当該ユーザIDに対応するものを取得すればよい。
[入退室可否設定動作]
次に、図8を参照して、本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の入退室設定動作について説明する。
入退室可否の設定を行う場合、オペレータは、まず認証要求を操作入力部12から操作入力してオペレータ認証を得た後、入退室設定要求を操作入力部12から操作入力する。
演算処理部15は、操作入力部12で認証要求操作が検出された場合、オペレータ認証部15Bにより、ログイン名やパスワードなどの認証情報入力画面を画面表示部13に表示し、操作入力部12から入力されたこれら認証情報と記憶部14に予め保存されている認証情報(図示せず)とを比較してオペレータの正当性を確認し、正当性が確認されてオペレータの認証が成功した場合は、各種処理メニューを画面表示部13に表示する。
この後、演算処理部15は、操作入力部12で入退室可否設定要求操作が検出された場合、設定対象選択部15Cおよび入退室設定部15Dにより、図8の入退室可否設定処理を開始する。
設定対象選択部15Cは、まず、記憶部14のオペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータのログイン名に基づき管理区分データを取得する(ステップ110)。
続いて、設定対象選択部15Cは、記憶部14のユーザ管理区分情報14Cから当該オペレータの管理区分と一致するユーザを設定対象として選択するとともに(ステップ111)、記憶部14の部屋管理区分情報14Bから当該オペレータの管理区分と一致する部屋を設定対象として選択する(ステップ112)。
次に、入退室設定部15Dは、設定対象選択部15Cで設定対象として選択されたユーザおよび部屋を画面表示部13で表示する(ステップ113)。
図9は、入退室可否設定画面の表示例である。この入退室可否設定画面50には、設定対象ユーザ表示欄51、設定対象部屋表示欄52、登録ボタン53、および終了ボタン54が設けられている。
設定対象ユーザ表示欄51は、設定対象選択部15Cで設定対象として選択されたユーザ、すなわち当該オペレータが設定可能なユーザを表示するための欄であり、ユーザ管理区分情報14Cから読み出したユーザ名がリスト表示されている。これらユーザ名には、いずれのユーザの入退室可否を設定するかを選択するための選択ボタン(ラジオボタン)51Aが設けられている。
設定対象部屋表示欄52は、設定対象選択部15Cで設定対象として選択された部屋、すなわち当該オペレータが設定可能な部屋を表示するための欄であり、部屋管理区分情報14Bから読み出した部屋名がリスト表示されている。これら部屋名には、入退室の可否を設定するための設定ボタン(チェックボックス)52Aが設けられている。
登録ボタン53は、設定対象ユーザ表示欄51および設定対象部屋表示欄52の設定内容を入退室判定情報14Aへ登録するための操作ボタンである。
終了ボタン54は、入退室可否設定画面50を用いた入退室可否設定処理を終了するための操作ボタンである。
入退室設定部15Dは、このような入退室可否設定画面50を表示した後、オペレータによる操作待ち状態に移行する。
ここで、設定対象ユーザ表示欄51でいずれかのユーザ名の選択ボタン51Aに対する操作が操作入力部12により検出された場合(ステップ114:YES)、あるいは設定対象部屋表示欄52でいずれかの部屋名の設定ボタン52Aに対する操作が操作入力部12により検出された場合(ステップ115:YES)、これら設定対象のうち操作により変更された設定内容を画面表示部13により更新表示し(ステップ116)、ステップ114へ戻る。
例えば図9の例では、設定対象ユーザ表示欄51において「竹中一晃」の選択ボタン51Aが選択されており、設定対象部屋表示欄52において「1F/ルーム1」,「1F/ルーム2」,「1F/ルーム3」,「1F/共用部」,「地下/共用部」の設定ボタン52Aが設定されている。これにより、ユーザ「竹中一晃」の入退室可能な部屋として「1F/ルーム1」,「1F/ルーム2」,「1F/ルーム3」,「1F/共用部」,「地下/共用部」が設定されたことになる。
また、登録ボタン53の操作が操作入力部12により検出された場合(ステップ117:YES)、入退室設定部15Dは、入退室判定情報14Aのうち入退室可否設定画面50で設定された設定対象に関する設定内容を更新して記憶部14へ保存し(ステップ118)、ステップ114へ戻る。
また、終了ボタン54の操作が操作入力部12により検出された場合(ステップ119:YES)、入退室設定部15Dは、画面表示部13における入退室可否設定画面50の表示を消去した後(ステップ120)、一連の入退室可否設定処理を終了する。
[第1の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、設定対象選択部15Cにより、記憶部14を参照して当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて設定対象となる部屋またはユーザを選択し、入退室設定部15Dにより、オペレータによる入退室可否設定時に設定対象選択部15Cで選択された部屋およびユーザのみを設定対象として画面表示部13で表示し、入退室判定情報14Aのうち表示された部屋およびユーザの入退室可否を当該オペレータの操作に応じて更新して記憶部14へ保存するようにしたので、入退室可否設定時には、当該オペレータの管理区分に応じたユーザおよび部屋、すなわち当該オペレータが設定可能な設定対象を選択的に表示することができる。
このため、管理区分を必要に応じて設定することにより、オペレータとユーザや部屋との対応関係が会社などの組織の階層構造に制限されることなく、所望のユーザや部屋に関する入退室判定情報を柔軟に設定することができる。したがって、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合でも、各テナントのオペレータが任意の管理区分でユーザの入退室可否を柔軟に設定することが可能となる。
また、オペレータの管理区分以外のユーザや部屋については、設定対象として選択しないようにしたので、入退室可否設定画面には表示されなくなる。このため、入退室可否の誤った設定や不正な設定、さらには他の管理区分のユーザや部屋に関する情報漏洩を抑止することができ、極めて高いセキュリティ性およびプライバシー性を実現できる。
また、本実施の形態では、オペレータの管理区分と一致するユーザおよび部屋であれば、ユーザと部屋の間で管理区分が一致していなくても設定候補として選択され表示されるため、ユーザや部屋の管理区分に限定されることなくオペレータの管理区分の範囲内においてユーザの入退室可否を柔軟に設定することが可能となる。
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置について説明する。
第1の実施の形態では、入退室可否を設定する際、設定対象選択部15Cによりオペレータの管理区分と一致するユーザおよび部屋を選択して表示し、ユーザと部屋の間での管区区分の一致については判定せず両者が不一致の場合も設定候補として選択して表示する場合について説明した。本実施の形態では、入退室可否設定画面50においていずれかのユーザが選択された場合、当該ユーザの管理区分と一致する部屋を再選択して表示する場合について説明する。
本実施の形態において、設定対象選択部15Cは、前述した、記憶部14の部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とを比較する機能、およびこの比較結果に基づいて設定対象となる部屋およびユーザを選択する機能に加えて、オペレータ操作に応じて選択されたユーザの管理区分と一致する部屋を再選択する機能を有している。
また、入退室設定部15Dは、前述した、オペレータが入退室可否を設定する際、設定対象選択部15Cで選択された部屋およびユーザのみを設定対象として画面表示部13で表示する機能、入退室判定情報14Aのうち表示された部屋およびユーザの入退室可否を当該オペレータの操作に応じて更新して記憶部14へ保存する機能に加えて、設定対象選択部15Cにより再選択された部屋のみを設定対象として画面表示部13で表示する機能を有している。
なお、入退室管理装置10の構成のうち、設定対象選択部15Cおよび入退室設定部15Dにおいて上記機能が追加されているものの、他の構成については第1の実施の形態と同様であり、ここでの詳細な説明は省略する。
[第2の実施の形態の動作]
次に、図10を参照して、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の入退室可否設定動作について説明する。図10は、本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の入退室可否設定処理を示すフローチャートであり、前述した図8と同じまたは同等部分には同一符号を付してある。
[入退室可否設定動作]
演算処理部15は、操作入力部12で入退室可否設定要求操作が検出された場合、設定対象選択部15Cおよび入退室設定部15Dにより、図10の入退室可否設定処理を開始する。
設定対象選択部15Cは、まず、記憶部14のオペレータ管理区分情報14Dを参照して、当該オペレータのログイン名に基づき管理区分データを取得する(ステップ110)。
続いて、設定対象選択部15Cは、記憶部14のユーザ管理区分情報14Cから当該オペレータの管理区分と一致するユーザを設定対象として選択するとともに(ステップ111)、記憶部14の部屋管理区分情報14Bから当該オペレータの管理区分と一致する部屋を設定対象として選択する(ステップ112)。
次に、入退室設定部15Dは、設定対象選択部15Cで設定対象として選択されたユーザおよび部屋を画面表示部13で表示し(ステップ113)、図9に示したような入退室可否設定画面50を表示した後、オペレータによる操作待ち状態に移行する。
ここで、設定対象ユーザ表示欄51でいずれかのユーザ名の選択ボタン51Aに対する操作が操作入力部12により検出された場合(ステップ114:YES)、設定対象選択部15Cは、選択されたユーザの管理区分と一致する部屋を記憶部14の部屋管理区分情報14Bから再選択する(ステップ200)。
この後、入退室設定部15Dは、ステップ116において、設定対象選択部15Cで再選択された部屋を設定対象として画面表示部13により更新表示し(ステップ116)、ステップ114へ戻る。
したがって、図9において、入退室可否設定画面50の設定対象部屋表示欄52には、設定対象ユーザ表示欄51において選択されたユーザと管理区分が一致する部屋名、すなわちユーザが基本的に入退室可能な部屋名がリスト表示される。
一方、設定対象部屋表示欄52でいずれかの部屋名の設定ボタン52Aに対する操作が操作入力部12により検出された場合(ステップ115:YES)、入退室設定部15Dは、これら設定対象のうち操作により変更された設定内容を画面表示部13により更新表示し(ステップ116)、ステップ114へ戻る。
また、登録ボタン53の操作が操作入力部12により検出された場合(ステップ117:YES)、入退室設定部15Dは、入退室判定情報14Aのうち入退室可否設定画面50で設定された設定対象に関する設定内容を更新して記憶部14へ保存し(ステップ118)、ステップ114へ戻る。
また、終了ボタン54の操作が操作入力部12により検出された場合(ステップ119:YES)、入退室設定部15Dは、画面表示部13における入退室可否設定画面50の表示を消去した後(ステップ120)、一連の入退室可否設定処理を終了する。
[第2の実施の形態の効果]
このように、本実施の形態は、設定対象選択部15Cにより、オペレータ操作に応じて選択されたユーザの管理区分と一致する部屋を設定対象として再選択し、入退室設定部15Dにより、設定対象選択部15Cで再選択された部屋を設定対象として画面表示部13で表示するようにしたので、オペレータが複数の管理区分に属する場合でも、入退室可否設定時に選択したユーザの管理区分と一致する部屋のみを再選択し、設定対象として表示することが可能となる。
したがって、オペレータが複数の管理区分に属する場合でも、入退室可否の誤った設定や不正な設定、さらには他の管理区分のユーザや部屋に関する情報漏洩を抑止することができ、極めて高いセキュリティ性およびプライバシー性を実現できる。
[実施の形態の拡張]
以上の各実施の形態で用いた、部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14D、および履歴情報14Eの構成については単なる一例であり、前述した各種処理で必要な情報が得られるような構成であれば、いずれの構成をとってもよい。
また、部屋、ユーザ、オペレータに関する管理区分データについては、各管理区分に1ビット分の固定桁データを割り当てたビット情報で構成し、これらビット情報の論理積を求めることにより、管理区分の一致/不一致を確認するようにしてもよい。これにより、部屋、ユーザ、オペレータが1つ以上の管理区分に属する場合でも、極めて効率よく一括して管理区分の一致/不一致を確認することが可能となる。
また、各実施の形態では、特定の部屋に対するユーザの入退室可否を判定する入退室判定機能と、これら入退室の可否を設定する入退室可否設定機能の両方を、同一の入退室管理装置10で実現する場合を例として説明したが、これら入退室判定機能と入退室可否設定機能を異なる装置で実現してもよい。
例えば、入退室管理装置10とは別個に、パーソナルコンピュータなどの情報処理装置からなる入退室判定装置を通信ネットワークNWに接続して、この入退室判定装置に入退室判定機能の実現に必要な入退室判定部15Aや入退室判定情報14Aを設け、コントローラ21からの入退室判定要求に応じて前述した図7の入退室判定処理を行うようにしてもよい。
あるいは、コントローラ21に、入退室判定機能の実現に必要な入退室判定部15Aや入退室判定情報14Aを設け、リーダ23からのユーザIDや部屋IDの通知に応じて前述した図7の入退室判定処理を行うようにしてもよい。
また、各実施の形態において、記憶部14の部屋管理区分情報14B、ユーザ管理区分情報14C、オペレータ管理区分情報14Dについては、建物責任者が設定するものとなっている。この際、各部屋が特定の管理区分に属するユーザが専用する専用部屋か特定の管理区分に属さないユーザも共用する共用部屋かを識別する専用共用識別情報を、部屋管理区分情報に予め設定しておき、オペレータの管理区分と一致する専用部屋については、当該専用部屋の名前等を変更可能としてもよい。これにより、運用面において自由度を拡張することができ、複数の会社がテナントとして入居する建物の場合、各テナントに対して使い勝手のよい入退室管理システムを提供できる。
また、各実施の形態では、個々のユーザや部屋について管理区分を設定する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、複数のユーザや部屋で1つのグループを構成し、グループに管理区分を設定してもよい。これにより、入退室可否設定が同一である複数のユーザや部屋について一括して設定することができ、オペレータに対する作業負担を軽減できる。この際、個々のユーザや部屋とグループとを混在させてもよい。
また、部屋グループの管理区分として、専用/共用を示す専用共用識別情報を設けてもよい。このうち、オペレータの管理区分と一致する専用部屋グループについては、当該オペレータがグループの内容、すなわちグループを構成する部屋やグループ名称などの情報を設定可能としてもよい。この設定の際、グループに設定できるルームは、オペレータの管理区分に合致したルームだけを選択候補として表示するようにしてもよい。一方、共用部屋グループについては、建物責任者のみがその内容の設定やグループ名称などの情報を設定可能とし、各部門を管理するオペレータは共用部屋グループの内容やグループ名称を設定できないものとしてもよい。但し、オペレータの管理区分に合致する共用部屋グループについては、部門管理オペレータであっても設定可能としてもよい。
本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の構成を示すブロック図である。 入退室判定情報の構成例である。 部屋管理区分情報の構成例である。 ユーザ管理区分情報の構成例である。 オペレータ管理区分情報の構成例である。 履歴情報の構成例である。 本発明の第1の実施の形態にかかるコントローラの入退室判定処理を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施の形態にかかる入退室管理装置の入退室可否設定処理を示すフローチャートである。 入退室可否設定画面の表示例である。 本発明の第2の実施の形態にかかる入退室管理装置の入退室可否設定処理を示すフローチャートである。
符号の説明
10…入退室管理装置、11…通信I/F部、12…操作入力部、13…画面表示部、14…記憶部、14A…入退室判定情報、14B…部屋管理区分情報、14C…ユーザ管理区分情報、14D…オペレータ管理区分情報、14E…履歴情報、14P…プログラム、15…演算処理部、15A…入退室設定部、15B…オペレータ認証部、15C…設定対象選択部、20…管理エリア、21…コントローラ、22…部屋、23…リーダ、24…電気錠、30…IDカード、NW…通信ネットワーク、BS…制御バス。

Claims (3)

  1. ユーザごとに当該ユーザの入退室可能な部屋が登録された入退室判定情報と、前記部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、前記ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、前記ユーザの入退室可能な部屋を設定するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶部と、
    前記記憶部を参照して当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて設定対象となる部屋およびユーザを選択する設定対象選択部と、
    前記オペレータによる前記入退室判定情報の設定時に前記設定対象選択部で選択された部屋およびユーザのみを設定対象として画面表示部で表示し、前記画面表示部で表示された前記ユーザに対する当該オペレータの選択操作、および前記画面表示部で表示された前記部屋に対する当該オペレータの設定操作に応じて設定された、当該ユーザの入退室可能な部屋を、前記入退室判定情報へ登録する入退室設定部と
    を備えることを特徴とする入退室管理装置。
  2. 請求項1に記載の入退室管理装置において、
    前記設定対象選択部は、前記画面表示部で表示されたいずれかのユーザに対する前記選択操作に応じて、選択された当該ユーザの管理区分と一致する部屋を前記設定対象として選択し、
    前記入退室設定部は、前記設定対象選択部で選択された前記部屋を前記設定対象として前記画面表示部で表示することを特徴とする入退室管理装置。
  3. 記憶部により、ユーザごとに当該ユーザの入退室可能な部屋が登録された入退室判定情報と、前記部屋が属する管理区分を示す部屋管理区分情報と、前記ユーザが属する管理区分を示すユーザ管理区分情報と、前記ユーザの入退室可能な部屋を設定するオペレータが属する管理区分を示すオペレータ管理区分情報とをそれぞれ記憶する記憶ステップと、
    設定対象選択部により、前記記憶部を参照して当該オペレータの管理区分と部屋およびユーザの管理区分とを比較し、この比較結果に基づいて設定対象となる部屋およびユーザを選択する設定対象選択と、
    入退室設定部により、前記オペレータによる前記入退室判定情報の設定時に前記設定対象選択部で選択された部屋およびユーザのみを設定対象として画面表示部で表示し、前記画面表示部で表示されたユーザに対する当該オペレータの選択操作、および前記画面表示部で表示された部屋に対する当該オペレータの設定操作に応じて、当該ユーザの入退室可能な部屋を、前記入退室判定情報へ登録する入退室設定ステップと
    を備えることを特徴とする入退室管理方法。
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