JP5107358B2 - レンズ評価方法、レンズ評価装置及びレンズ製造方法、並びにレンズ特性表示方法 - Google Patents
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Description
特許文献2:特表平10−507825
特許文献3:特開2000−186978
特許文献4:再公表特許WO2003/098181
(1)球面度数、乱視度数、乱視軸を表す点群からなる眼鏡レンズの実測度数分布に基づいて、複数の測定点の任意方向の度数分布を得る度数分布変換工程、
(2)眼鏡レンズにおける設計上の度数分布である計算度数分布を作成する計算度数分布作成工程、
(3)眼鏡レンズにおける実際の度数の分布を示した実測度数分布と計算度数分布との誤差分布を得る誤差分布算出工程、
(4)複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、誤差分布算出工程で得られた誤差分布を微分して誤差指数を求める誤差指数算出工程、
(5)誤差指数算出工程で算出された誤差指数をもとに前記眼鏡レンズの評価を行う評価工程。
そして、評価用コンピュータの処理部は、以下(1)から(5)に示す処理を行う。
(1)実測度数分布に基づいて、複数の測定点の任意方向の度数分布を得る度数分布変換処理、
(2)眼鏡レンズにおける設計上の度数分布である計算度数分布を作成する計算度数分布作成処理、
(3)眼鏡レンズにおける実際の度数の分布を示した実測度数分布と計算度数分布との誤差分布を得る誤差分布算出処理、
(4)複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、誤差分布算出処理で得られた誤差分布を微分して誤差指数を求める誤差指数算出処理、
(5)誤差指数算出処理で算出された誤差指数をもとに眼鏡レンズの評価する処理。
(1)球面度数、乱視度数、乱視軸を表す点群からなる眼鏡レンズの実測度数分布に基づいて、複数の測定点の任意方向の度数分布を得る度数分布変換工程、
(2)眼鏡レンズにおける設計上の度数分布である計算度数分布を作成する計算度数分布作成工程、
(3)眼鏡レンズにおける実際の度数の分布を示した実測度数分布と計算度数分布との誤差分布を得る誤差分布算出工程、
(4)複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、誤差分布算出工程で得られた誤差分布を微分して誤差指数を求める誤差指数算出工程、
(5)誤差指数算出工程で算出された誤差指数をもとに前記眼鏡レンズの評価を行う評価工程。
(b)眼鏡レンズにおける設計上の度数分布である計算度数分布を作成する計算度数分布作成工程、
(c)眼鏡レンズにおける実際の度数の分布を示した実測度数分布と計算度数分布との誤差分布を得る誤差分布算出工程、
(d)複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、誤差分布算出工程で得られた誤差分布を微分して誤差指数を求める誤差指数算出工程、
(e)誤差指数算出工程で算出された誤差指数から眼鏡レンズ内における誤差指数の分布を作成する誤差指数分布作成工程と、
(f)誤差指数分布作成工程で作成された誤差指数分布を表示する表示工程。
まず、本実施形態に係る眼鏡レンズ評価装置について、図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る眼鏡レンズ評価装置の概略構成を示すブロック図である。
度数分布測定装置の一例を図2に示す。この度数分布測定装置1は、光源装置11と、ビームスプリッタ12と、スクリーン13と、CCDカメラ14と、計算装置15とからなる。光源装置11は、被検レンズ100に平行光を照射する。ビームスプリッタ12は、被検レンズ100を挟んで光源装置11の反対側に配置されており、複数の光透過孔(図示せず)を有している。
次に、眼鏡レンズ評価装置について、図1〜図3を参照して説明する。
図3は、本発明に係る眼鏡レンズ評価装置の動作を示すシーケンス図である。
はじめに、両面が光学的に仕上げられた被検レンズとして、プラスチックレンズを得る前工程を行う(ステップS1)。つまり、前工程では、上述した受注データ、設計データ、加工データに基づいて、アンカットレンズ(玉形加工前のフィニッシュトレンズ)が製造される。
次に、前工程において得られたアンカットレンズ(被検レンズ100)に対して第1のレンズ評価を行う。
まず、被検レンズ100に添付されたそのレンズを特定する識別データを入力手段(例えばバーコードリーダやICチップリーダ)4により読み取る。この識別データは、例えば、指示書に印刷されたバーコード等の情報やICチップに記憶された情報である。入力手段4は、読み取った識別データを評価用コンピュータ3に送る。
第1レンズ評価工程で合格と判定された被検レンズ100に対しては、次に第2のレンズ評価が行われる。
以下、第2レンズ評価工程の各処理について詳細に説明する。
度数分布測定工程では、度数分布測定装置1によって広範囲における多数の測定点(以下、「第2評価測定点」と呼ぶ)について屈折度数を測定し、その測定結果から被検レンズ100の屈折度数分布を得る。なお、本実施形態において、屈折度数分布(あるいは度数分布)とは、球面度数S、乱視度数C、乱視軸Axで特徴付けられる点の分布とする。また、第2評価測定点の屈折度数を測定する測定装置としては、度数分布測定装置1に限定されるものではなく、広範囲にわたって多数の測定点の屈折度数を測定できる装置であればよい。
図4は、度数分布測定装置1から出力される測定データを説明するための説明図である。
基準座標RefX,RefYは、被検レンズ100がセットされていない状態におけるスクリーン13上の光スポット(以下、校正スポットと呼ぶ)の位置を示す。座標X,Yは、光源装置11の光が被検レンズ100のビームスプリッタ12側の面から出射するときの位置(以下、測定点と呼ぶ)を示す。
評価用コンピュータ3は、度数分布測定装置1より受信した被検レンズ100の実測度数分布(S1,C1,Ax1)から処方度数を全体に亘って除去し、基準実測度数分布(S1’,C1’,Ax1’)を作成する。
次に、ステップS5の処理で得られた基準実測度数分布を基に、平均度数分布、非点収差分布および連続性のある度数分布を作成する工程について、図5および図6を参照して説明する。
平均度数分布は、各第2評価測定点70の球面度数Sと、乱視度数Cの2分の1の値との和によって算出される値(S1’+C1’/2)の分布である。また。非点収差分布は、各第2評価測定点70の乱視度数Cの絶対値(|C1’|)の分布である。
平均度数分布は、各第2評価測定点70について全方向における度数を平均した値(度数)の分布であり、多くの情報が混ざった度数の分布となるため、高精度な度数分布の評価を行えない。また、非点収差分布および平均度数分布には、各第2評価測定点70の乱視軸Axの情報が含まれていないため高精度な度数分布の評価を行えない。そこで、ステップS6の処理では、非点収差分布および平均度数分布の他に、連続性があり、且つ、乱視軸Axの情報が反映された屈折度数分布を作成する。
また、乱視軸Axの情報を反映するD1、D2、D3、D4、NT、STの6つの分布を用いることにより、被検レンズ100の光学特性(度数分布)を効果的に評価することができる。
第1レンズ評価工程のステップS3の処理において、合格と判定された被検レンズ100については、ステップS5〜S7の処理とは別に、その被検レンズ100の設計上の屈折度数分布(計算度数分布)を作成する。
評価用コンピュータ3の処理部31は、ステップS9の処理で得られた基準計算度数分布(S2’,C2’,Ax2’)を基に、設計上の平均度数分布、設計上の非点収差分布および連続性のある計算度数分布を作成する(ステップS10)。
評価用コンピュータ3の処理部31は、ステップS6の処理で得た実測上の平均度数分布、非点収差分布、D1〜D4分布、NT分布、ST分布と、ステップS11の処理で得た計算上の平均度数分布、非点収差分布、D1〜D4分布、NT分布、ST分布に基づいてそれぞれの誤差分布(比較用度数分布)を作成する。具体的には、第2評価測定点70における各度数と、第2評価測定点70に対応する計算度数算出点における各度数との差(誤差)を算出し、それぞれの誤差分布を作成する。
Δ|C|=|C1’|−|C2’|により算出される。
平均度数分布の誤差Δ(S+C/2)は、
Δ(S+C/2)=(S1’+C1’/2)−(S2’+C2’/2)により算出される。
D1分布の誤差ΔD1は、
ΔD1=D11−D12により算出される。
D2分布の誤差ΔD2は、
ΔD2=D21−D22により算出される。
D3分布の誤差ΔD3は、
ΔD3=D31−D32により算出される。
D4分布の誤差ΔD4は、
ΔD4=D41−D42により算出される。
NT分布の誤差ΔNTは、
ΔNT=NT1−NT2により算出される。
ST分布の誤差ΔSTは、
ΔST=ST1−ST2により算出される。
次に、ステップS7で得られた各第2評価点の誤差分布(ΔD1,ΔD2,ΔD3,ΔD4,ΔNT,ΔST)に重み付けの処理を行う誤差分布補正工程について説明する。
A:定数
AS:計算度数分布の測定点jにおける非点収差の大きさ
Wj:重み付け
なお、測定点jの数がN個であれば1〜Nまでの値を取る。
次に、ステップS11で補正された誤差分布から、誤差微分分布を作成する。まず、評価用コンピュータ3の処理部31は、補正された誤差分布から誤差微分値(ED1,ED2,ED3,ED4,ENT,EST)を算出する。この誤差微分値(誤差指数)は、誤差分布を各測定点のレンズ内の距離により、一階微分して得た値の絶対値が最大となる方向における値である。この誤差微分値を誤差指数とも呼ぶ。誤差指数は、例えば次式[数4]によって算出される。
s:レンズ内距離
j:測定点
ここでjは測定点を表し、測定点数がN個あれば、1〜Nまでの値を取る。
次に、評価用コンピュータ3の処理部31は、この誤差指数から、レンズ内における誤差指数分布を作成する。
この図7に示すように、評価用コンピュータ3は、誤差指数分布を例えば出力手段5である表示装置に表示させたり、プリンタ装置を用いて紙に印刷する。ここで、誤差指数分布は、誤差指数の大きさを例えば、等高線や色の濃淡等で表される。等高線で表示する場合を図7(d)に示す。
s:レンズ内距離
j:測定点
次に、ステップS12で得られた誤差指数をもとに評価指数βを作成する工程について説明する。
まず、評価用コンピュータ3の処理部31は、多重評価を避けるために、各第2評価測定点における6つの誤差指数のうち最大の分布を代表値とする。そして、評価用コンピュータ3の処理部31は、最大の分布における評価領域内の全点について足し合わせ、平均化する。この平均化した値が、実測度数分布全体を特徴付ける誤差指数となる。
次に、ステップS13で得られた評価指数βを用いてレンズの合否を判定する。
本例では、まず、複数のレンズについて度数分布を測定して、各レンズの指数βを計算する。各レンズの指数βから頻度分布を求め、この頻度分布を合否判定基準データとして合否判定基準記憶部321に記憶する。そして、この頻度分布よりも大きくはずれるような指数βを持つレンズについては、他の大多数のレンズに比べてバラつきが大きいので不合格という判断をする。これにより、評価用コンピュータ3の処理部31は、被検レンズ100に対する第2のレンズ評価の結果が不合格であると判定し、レンズの評価を終了する(ステップS4)。不合格となった被検レンズ100は、第1のレンズ評価と同様に、作り直されたり、資源として再利用されたりする。
ステップS15の処理において、合格と判定された被検レンズ100は、次工程に移される。次工程では、受注内容に応じた染色や各種コーティングが行われる。その後、フレーム形状や玉型形状に合わせた縁摺り加工が行われ、眼鏡レンズの製造が完了する。製造された眼鏡レンズは、発注元に出荷される。
次に、同じ度数かつ、同じ設計タイプ又は異なる設計タイプの2つの累進屈折力レンズを評価した結果を説明する。
この場合、評価用コンピュータ3の処理部31は、2つのレンズのうち一方のレンズを基準とする。即ち、一方のレンズを計算度数分布として評価する。そして、同じ設計タイプの2つの累進屈折力レンズでは、指数βは、高い値になる。これに対し、異なる設計タイプの2つの累進屈折力レンズでは、指数βは、低い値になる。このことから、この本発明の評価指標は、設計の違いを評価することにも有効であり、2つの異なるレンズ設計の違いを判断することが可能である。
次に、上述したレンズの評価方法を用いたレンズの製造方法について、図12を参照して説明する。
図12は、受注から出荷までのレンズの製造工程の流れを示すフローチャートである。
なお、染色の必要がないレンズは、レンズ評価工程の後に表面処理工程に移される。
また本発明によれば誤差の種類(全体的誤差、局所的誤差)も把握できるので、誤差発生原因の特定等も容易になる。
また、上記例では実測屈折度数分布と計算度数分布から処方度数を除去しているが、これら除去を行なわないこともできる。
2 データサーバ
3 評価用コンピュータ
4 入力手段
5 出力手段
6 レンズメータ
7 メインサーバ
8 通信媒体
9 眼鏡店
10 眼鏡レンズ評価装置
20 記憶部
21 設計データ記憶部
22 受注データ記憶部
23 測定結果記憶部
24 合否判定結果記憶部
31 処理部
32 記憶部
70 第2評価測定点
91 注文用端末
100 被検レンズ
321 合否判定条基準記憶部
322 重み付け計算用係数記憶部
Claims (10)
- 球面度数、乱視度数、乱視軸を表す点群からなる眼鏡レンズの実測度数分布に基づいて、複数の測定点の任意方向の度数分布を得る度数分布変換工程と、
前記眼鏡レンズにおける設計上の度数分布である計算度数分布を作成する計算度数分布作成工程と、
前記眼鏡レンズにおける実際の度数の分布を示した前記実測度数分布と前記計算度数分布との誤差分布を得る誤差分布算出工程と、
前記複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、前記誤差分布算出工程で得られた前記誤差分布を微分して誤差指数を求める誤差指数算出工程と、
前記誤差指数算出工程で算出された前記誤差指数をもとに前記眼鏡レンズの評価を行う評価工程と、
を有することを特徴とするレンズ評価方法。 - 前記任意の方向は、等角度の複数方向である
を特徴とする請求項1に記載のレンズ評価方法。 - 前記誤差指数算出工程で算出される前記誤差指数は、前記複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、前記誤差分布を微分して得られた値の絶対値が最大となる方向における値であること
を特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載のレンズ評価方法。 - 眼鏡レンズにおいて、近用部及び遠用部に対して、前記誤差分布に重み付けを行う誤差分布補正工程を有すること
を特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のレンズ評価方法。 - 非点収差を基準にして前記誤差分布に重み付けを行う誤差分布補正工程を有すること
を特徴とする請求項1乃至4に記載のレンズ評価方法。 - 異なる設計タイプのレンズ同士を比較すること
を特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載のレンズ評価方法。 - 眼鏡レンズの複数の測定点の球面度数、乱視度数、乱視軸からなる度数を測定し、実測度数分布を得る度数分布測定装置と、
前記実測度数分布を用いて前記眼鏡レンズの評価を行う処理部を有する評価用コンピュータと、を備え、
前記評価用コンピュータの前記処理部は、前記実測度数分布に基づいて、前記複数の測定点の任意方向の度数分布を得る度数分布変換処理と、前記眼鏡レンズにおける設計上の度数分布である計算度数分布を作成する計算度数分布作成処理と、前記眼鏡レンズにおける実際の度数の分布を示した前記実測度数分布と前記計算度数分布との誤差分布を得る誤差分布算出処理と、前記複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、前記誤差分布算出処理で得られた前記誤差分布を微分して誤差指数を求める誤差指数算出処理と、前記誤差指数算出処理で算出された前記誤差指数をもとに前記眼鏡レンズの評価する処理を行う
ことを特徴とするレンズ評価装置。 - レンズブランクの光学的に仕上げられていない面を光学的に仕上げる工程と
両面が光学的に仕上げられたレンズにおける設計データとの誤差が許容範囲であるか否かを評価するレンズ評価工程と、を有し、
前記レンズ評価工程では、
球面度数、乱視度数、乱視軸を表す点群からなる前記眼鏡レンズの実測度数分布に基づいて、複数の測定点の任意方向の度数分布を得る度数分布変換工程と、
前記眼鏡レンズにおける設計上の度数分布である計算度数分布を作成する計算度数分布作成工程と、
前記眼鏡レンズにおける実際の度数の分布を示した前記実測度数分布と前記計算度数分布との誤差分布を得る誤差分布算出工程と、
前記複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、前記誤差分布算出工程で得られた前記誤差分布を微分して誤差指数を求める誤差指数算出工程と、
前記誤差指数算出工程で算出された前記誤差指数をもとに前記眼鏡レンズの評価を行う評価工程と、
を行うことを特徴とする眼鏡レンズ製造方法。 - 球面度数、乱視度数、乱視軸を表す点群からなる眼鏡レンズの実測度数分布に基づいて、複数の測定点の任意方向の度数分布を得る度数分布変換工程と、
前記眼鏡レンズにおける設計上の度数分布である計算度数分布を作成する計算度数分布作成工程と、
前記眼鏡レンズにおける実際の度数の分布を示した前記度数分布と前記計算度数分布との誤差分布を得る誤差分布算出工程と、
前記複数の測定点におけるレンズ内の距離によって、前記誤差分布算出工程で得られた前記誤差分布を微分して誤差指数を求める誤差指数算出工程と、
前記誤差指数算出工程で算出された前記誤差指数から前記眼鏡レンズ内における誤差指数の分布を作成する誤差指数分布作成工程と、
前記誤差指数分布作成工程で作成された前記誤差指数分布を表示する表示工程と、
を有するレンズ特性の表示方法。
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